JP5595844B2 - 自動食器洗い機においてガラス製品を表面腐食から保護するための組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、スルーザウォッシュ(through-the-wash)洗剤組成物、特に亜鉛含有物質を含む洗剤組成物を使用して、自動食器洗い機においてガラス製品の表面を腐食から保護することに関する。
自動食器洗い洗剤は、一般に認識される別個の種類の洗剤組成物を構成し、それら組成物の目的には、食品汚れを破壊及び除去すること、発泡を抑制すること、視覚的に観察可能な染み付き及び被膜形成を低減又は排除するために洗浄物品の濡れを促進すること、コーヒー及び紅茶のような飲料又はカロチノイド汚れのような野菜の汚れによって生じた可能性のある染みを除去すること、洗浄品表面への汚れ被膜の蓄積を防ぐこと、並びに実質的にエッチング又は腐食することなく、ないしは別の方法でガラス類又は食器の表面を損傷することなく、皿類の曇りを低減又は排除することを挙げることができる。自動食器洗い機の洗浄サイクル中でのガラス製品の腐食の問題は、長い間知られている。現在の見解では、ガラス製品の腐食の問題は2つの別々の現象によるものであるとされている。1つは、洗浄に必要とされる高いpHが、シリカの加水分解を引き起こすことである。この溶解されたシリカ/ケイ酸塩は、陶磁器及び金属の腐食を防ぐために意図的に添加されたケイ酸塩と一緒になってガラス表面に付着して、真珠光沢及び曇りをもたらす。他方は、ビルダーによるガラス表面からのキレート金属イオンの除去、及びその結果生じる後続の金属イオンの浸出が、耐久性及び耐化学性の低いガラスにする。自動食器洗い機において数回の洗浄の後、両方の現象が、曇り、傷及び筋のような損傷をガラス製品に引き起こすことが可能である。
ほとんどの消費者は、自動食器洗い(ADW)での洗剤組成物の使用によるガラス製品の腐食が、満たされていない要求の最も深刻なもののうちの1つであることに同意する。ガラスの腐食に対する改善された保護のために有機酸類の亜鉛又はマグネシウム塩類を含有するADW洗剤組成物は、知られている。これらの塩類は可溶性が乏しいので、反応性亜鉛種の制御放出で使用されている。他のイオン類との不溶性の亜鉛塩類の沈殿物が洗浄溶液中で発生するので、洗剤組成物における可溶性の亜鉛塩類の性能は、制御することが困難である。更に不溶性亜鉛塩の沈殿物は、ガラス製品とADW機の構成要素自体の上の両方に付着する可能性がある。更に、例えば酸化亜鉛(ZnO)としての不溶性亜鉛塩類の一部は、不活性すぎて、必要なZn2+イオンを放出することができない可能性がある。硫酸アルミニウム塩類も有望であるが、製剤化の問題が依然として残る。例えば、ポリマー増粘剤との凝集及び酸素漂白剤性能への僅かな負の影響は、封入の手法を必要とし、それは処方費用の上乗せとなり得る。亜鉛又はマグネシウム塩類を含有するすすぎ補助剤も知られているが、小数の消費者にしか使用されておらず、従って、洗浄を経てZn2+イオンを放出できることが望ましい。従って、上記の効果をもたらし、更にスルーザウォッシュ用途において直面するガラス製品の表面腐食の問題を低減する、Zn2+イオンを含有する代替的な自動食器洗い洗剤組成物を開発する継続的な必要性が存在する。
本発明は、粒子状亜鉛含有物質(PZCM)及び亜鉛含有層状物質(ZCLM)のような有効量の特定の亜鉛含有物質を有する、ガラス製品を表面腐食から保護するための、家庭用、施設用、工業用及び/又は商業用の、スルーザウォッシュ(TTW)ADW洗剤組成物に関する。1つの態様によると、TTW ADW洗剤組成物は、(a)0.001重量%〜20重量%の亜鉛含有層状物質と、(b)酵素と、(c)分散性ポリマー又は担体媒質の1つ以上と、及び(d)界面活性剤、補助界面活性剤、キレート化剤、金属イオン封鎖剤、アルカリ性供給源、軟水剤、二次溶解度変性剤、増粘剤、酸、汚れ放出ポリマー、ヒドロトロープ、結合剤、抗菌活性物質、洗剤充填剤、研磨剤、消泡剤、再付着防止剤、閾値剤、審美性向上剤、油及びこれらの混合物からなる群から選択される補助剤成分とを含み、亜鉛含有層状物質が水酸化硫酸亜鉛である。別の態様によると、処理キットが提供される。この処理キットは、(a)パッケージ、(b)使用説明書及び(c)TTW ADW洗剤組成物を含む。別の態様によると、組成物が提供される。この組成物は、有効量の亜鉛含有層状物質を含むTTW ADW洗剤組成物を含む洗浄溶液を含む。
亜鉛含有層状物質の構造の側面図。
驚くべきことに、ガラス製品は、ガラス製品の表面を、粒子状亜鉛含有物質(PZCM)及び亜鉛含有層状物質(ZCLM)のような特定の亜鉛含有物質を含有するスルーザウォッシュ(TTW)ADW洗剤組成物と接触させることによって、腐食から保護できることが判明した。これは、キレート化剤及びビルダー類がガラス構造自体内で金属イオンをキレート化することによりガラス製品を損傷し得る軟水条件において、特に当てはまる。従って、そのような厳しい環境下においてさえ、表面腐食によるガラスの損傷は、ZCLMをADW洗剤組成物中で用いることによって、金属塩を用いることによる負の効果、例えば、(a)製造費用の増加、(b)不溶性物質の可溶性の不足による、処方中のより高い塩濃度の必要性、(c)金属イオン、例えば、Al3+イオン及びZn2+イオンと増粘剤物質との相互作用によるゲル洗剤組成物の希薄化、又は(d)全洗浄サイクルを通しての漂白剤の妨害により紅茶の染み(tea, stains)のクリーニング性能が低減することなしに、低減することができる。また驚くべきことに、TTW ADW洗剤組成物の製造プロセスに加える前に、又は製造プロセス中にZCLMが分散される時、ZCLMのガラスケア効果が著しく向上することが判明した。TTW ADW洗剤組成物中のZCLM粒子の良好な分散が達成されることが、洗浄溶液中のZCLM粒子のアグロメレーションを著しく低減させる。
いかなる好適なTTW AWD洗剤組成物もが、単独で、若しくは物質の組成物(例えば、洗浄溶液)との組み合わせで、並びに/又はPZCM及びZCLMのような有効量の特定の亜鉛含有物質を有する処理システムの一部として、本明細書において使用されてもよい。本明細書における「有効量」は、本明細書に記載されている比較試験条件下で、洗浄を経て処理されたガラス製品上のガラス製品表面腐食による損傷を低減するのに十分である量を意味する。
(粒子状亜鉛含有物質(PZCM))
粒子状亜鉛含有物質(PZCM)は、配合された組成物中でほとんど不溶性のままである。特定の非限定的実施形態で有用なPZCMの例には、以下を挙げることができる。
無機物質:アルミン酸亜鉛、炭酸亜鉛、酸化亜鉛及び酸化亜鉛を含有する物質(すなわち、カラミン)、リン酸亜鉛(すなわち、オルトリン酸塩及びピロリン酸塩)、セレン化亜鉛、硫化亜鉛、ケイ酸亜鉛(すなわち、オルト−及びメタ−ケイ酸亜鉛)、ケイフッ化亜鉛、ホウ酸亜鉛、水酸化亜鉛及びヒドロキシ硫酸亜鉛(zinc hydroxide and hydroxy sulfate)、亜鉛含有層状物質、並びにこれらの組み合わせ。
天然の亜鉛含有物質/鉱石及び鉱物:スファレライト(閃亜鉛鉱)、ウルツ鉱、菱亜鉛鉱、フランクリン鉄鉱、紅亜鉛鉱、ケイ酸亜鉛鉱、トルースタイト、異極鉱、及びこれらの組み合わせ。
有機塩:脂肪酸亜鉛塩(すなわち、カプロエート、ラウレート、オレエート、ステアレートなど)、アルキルスルホン酸の亜鉛塩、ナフテン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、タンニン酸亜鉛、フィチン酸亜鉛、亜鉛モノグリセロレート(zinc monoglycerolate)、アラントイン酸亜鉛(zinc allantoinate)、尿酸亜鉛、アミノ酸亜鉛塩(すなわち、メチオネート(methionate)、フェニルアリネート(phenylalinate)、トリプトファネート(tryptophanate)、システイネート(cysteinate)など)、及びこれらの組み合わせ。
高分子塩:ポリカルボン酸亜鉛(zinc polycarboxylate)(すなわち、ポリアクリレート)、ポリ硫酸亜鉛(zinc polysulfate)、及びこれらの組み合わせ。
物理的に吸着された形態:亜鉛負荷イオン交換樹脂、粒子表面上に吸着された亜鉛、亜鉛塩が組み込まれた複合粒子(すなわちコア/シェル又は凝集体形態として)、及びこれらの組み合わせ。
亜鉛塩:シュウ酸亜鉛、タンニン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、クエン酸亜鉛、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、オレイン酸亜鉛、リン酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、硫化亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛など、及びこれらの組み合わせ。
酸化亜鉛の市販の供給元には、Z−コート(Cote)及びZ−コートHPI(BASF)、並びにUSP I及びUSP II(ジンク・コーポレーション・オブ・アメリカ(Zinc Corporation of America))が挙げられる。
(PZCM粒子の物理的性質)
TTW ADW洗剤組成物中でPZCMを使用することの多くの効果には、Zn2+イオンが可溶性にならずに化学的に利用可能であることが必要である。これは、「亜鉛反応活性度」と呼ばれる。PZCMの特定の物理的性質は、亜鉛反応活性度に影響を与える可能性を有する。発明者たちは、PZCM亜鉛反応活性度を最適化することに基づいて、より有効なTTW ADW洗剤組成物の製剤を開発した。
亜鉛反応活性度に影響を与えることができるPZCMの幾つかの物理的性質には、結晶化度、表面積及び粒子のモルホロジー、並びにこれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。PZCMの亜鉛反応活性度に影響を与える可能性のあるPZCMの他の物理的性質には、容積密度、表面電荷、屈折率、純度、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
(結晶化度)
結晶構造のより少ないPZCMでは、相対亜鉛反応活性度がより高くなる可能性がある。粒子の結晶の欠陥又は結晶性の一体性を、X線回析(XRD)パターンの反射の半値全幅(FWHM)により測定することができる。理論に束縛されるものではないが、FWHM値が大きいほどPZCMにおいて結晶化度のレベルが低いことが想定される。亜鉛反応活性度は、結晶化度が減少すると増大すると思われる。いかなる好適なPZCM結晶化度も使用されてよい。例えば、好適な結晶化度値は、200(約13°2θ、6.9Å)反射ピークで、約0.01〜1.00、又は約0.1〜約1.00、又は約0.1〜約0.90、又は約0.20〜約0.90、あるいは約0.40〜約0.86FWHM単位の範囲で変わってもよい。
(粒径)
TTW ADW洗剤組成物中のPZCM粒子は、いかなる適切な平均粒径を有してもよい。特定の非限定的実施形態において、より小さい粒径が相対亜鉛反応活性度(%)の増大に正比例することが判明している。適切な平均粒径には、約10nm〜約100μm、又は約10nm〜約50μm、又は約10nm〜約30μm、又は約10nm〜約20μm、又は約10nm〜約10μm、あるいは約100nm〜約10μmの範囲が挙げられるが、それらに限定されない。別の非限定的実施形態において、PZCMは、約15μm未満、又は約10μm未満、あるいは約5μm未満の平均粒径を有してもよい。
(粒径分布)
いかなる好適なPZCM粒径分布を使用してもよい。好適なPZCM粒径分布には、約1nm〜約150μm、又は約1nm〜約100μm、又は約1nm〜約50μm、又は約1nm〜約30μm、又は約1nm〜約20μm、又は1nm〜約10μm、又は約1nm〜約1μm、又は1nm〜約500nm、又は約1nm〜約100nm、又は約1nm〜約50nm、又は約1nm〜約30nm、又は約1nm〜約20nm、あるいは約1nm以下〜約10nmの範囲が挙げられるが、それらに限定されない。
(亜鉛含有層状物質(ZCLM))
上記で既に定義されているように、ZCLMは、PZCMのサブクラスである。層状構造は、主に二次元で起こっている結晶の成長を有するものである。層構造を、全ての原子が明確に画定された層に組み込まれるものとしてだけではなく、ギャラリーイオン(gallery ion)と呼ばれる、層の間にイオン又は分子があるものとして記載することが慣例的である(A.F.ウェルズ(A.F.Wells)の「構造無機化学(Structural Inorganic Chemistry)」、クラレンドン出版(Clarendon Press)、1975年)。例えば、ZCLMは、層に組み込まれている及び/又はギャラリーイオンのより不安定な構成成分として、Zn2+イオンを有してもよい。
多くのZCLMは、鉱物として天然に生じる。一般例には、水亜鉛鉱(炭酸水酸化亜鉛)、塩基性炭酸亜鉛、水亜鉛銅鉱(炭酸水酸化銅亜鉛(zinc copper carbonate hydroxide))、亜鉛孔雀石(炭酸水酸化亜鉛銅(copper zinc carbonate hydroxide))、及び亜鉛を含有する多くの関連する鉱物が挙げられる。天然のZCLMもまた生じることができ、そこでは、粘土型鉱物(例えばフィロケイ酸塩)のようなアニオン性層の種は、イオン交換した亜鉛ギャラリーイオンを含有する。他の好適なZCLMには、水酸化酢酸亜鉛(zinc hydroxide acetate)、水酸化塩化亜鉛(zinc hydroxide chloride)、水酸化ラウリル硫酸亜鉛、水酸化硝酸亜鉛(zinc hydroxide nitrate)、水酸化硫酸亜鉛(zinc hydroxide sulfate)、ヒドロキシ複塩、及びこれらの混合物が挙げられる。天然ZCLMは、また、合成的に得ることができるか、又は組成物中にその場で若しくは製造プロセス中に形成できる。
ヒドロキシ複塩は、以下の一般式により表されることができ、
[M2+ 1-x2+ 1+x(OH)3(1-y)+n- (1=3y)/n・nH2
式中、2つの金属イオンは異なっていてもよく、もし同じであり、亜鉛で表される場合には、式は、[Zn1+x(OH)22x+2xA-・nH2Oに簡素化される(H.モリオカ(Morioka)、H.タガヤ(Tagaya)、M.カラス(Karasu)、J.カドカワ(Kadokawa)、K.チバ(Chiba)、無機化学(Inorg.Chem.)1999年、38、4211〜6を参照すること)。この後者の式(式中、x=0.4)は、ヒドロキシ塩化亜鉛(zinc hydroxychloride)及びヒドロキシ硝酸亜鉛(zinc hydroxynitrate)のような一般物質を表す。二価のアニオンが一価のアニオンを置き換える時、これらは水亜鉛鉱にも関連する。
炭酸亜鉛の市販の供給元には、炭酸亜鉛塩基(zinc carbonate basic)(ケイター・ケミカルズ(Cater Chemicals):米国イリノイ州ベンセンビル(Bensenville))、炭酸亜鉛(シェパード・ケミカルズ(Shepherd Chemicals):米国オハイオ州ノーウッド(Norwood))、炭酸亜鉛(CPSユニオン社(CPS Union Corp.):米国ニューヨーク州ニューヨーク)、炭酸亜鉛(エレメンティス・ピグメンツ(Elementis Pigments):英国ダラム(Durham))、及び炭酸亜鉛AC(zinc carbonate AC)(ブリュッグマン・ケミカル(Bruggemann Chemical):米国ペンシルベニア州ニュータウンスクエア(Newtown Square))が挙げられる。
上記の種類のZCLMは、一般カテゴリーの比較的に一般的な例を表し、この定義に合う物質のより広い範囲に関する限定を意図するものではない。
いかなる好適な量のいかなる好適なZCLMもが、本明細書に記載されるTTW ADW洗剤組成物で使用されてよい。ZCLMの好適な量には、前記組成物の約0.001重量%〜約20重量%、又は約0.001重量%〜約10重量%、又は約0.01重量%〜約7重量%、あるいは約0.1重量%〜約5重量%の範囲が挙げられるが、それらに限定されない。
(ZCLMガラス網状組織強化機構)
シリカガラスが、角共有Si−O四面体を欠いている対称性及び周期性の連続三次元(3D)網状組織であることは、よく知られている(W.H.ザカリアセン(Zachariasen)、米国化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)54、3841、1932年を参照すること)。Si4+イオンは、網状組織形成イオンである。各四面体の頂点において、2つの四面体の間で共有されているものは、架橋酸素として知られている酸素原子である。
耐化学性、熱安定性及び耐久性のようなガラス表面の機械的特性は、ガラス製品の表面構造自体に左右され得る。理論に束縛されることを望まないが、幾つかの網状組織形成位置が、亜鉛化合物又はZn2+イオンにより占められている時、ガラス製品表面構造の機械的特性が向上すると考えられる(G.カラス(Calas)ら、C.R.化学(C.R.Chimie)5 2002、831〜843を参照すること)。
図1は、結晶の成長が主に二次元で起こっている亜鉛含有層状構造を示す。Zn2+イオンは層に、及び/又はギャラリーイオンのより不安定な構成成分として組み込まれる。例えば、合成炭酸水酸化亜鉛(ZCH)又は天然水亜鉛鉱(HZ)のようなZCLMは、以下の式:
3Zn(OH)2.2ZnCO3又はZn5(OH)6(CO32
を有してもよく、また図1で示されるように、幾つかの八面体の空間をもつZn2+イオン形成水滑石型水酸化物層から成る。幾つかのZn2+イオンは、水酸化物層の外側に四面体(Td)配位で空間部位の真上及び真下に位置する。層間アニオンはTd Zn2+イオンに弱く結合して、Td配位を完成する。洗浄溶液において、不安定なTd Zn2+イオンを有するADW洗剤組成物は、典型的なアルカリ性pHにおいて安定している。
ZCLMが洗浄水に存在する場合、水滑石型水酸化物層のカチオン性電荷は、負荷電されたガラス表面と相互作用する推進力である。これは亜鉛化合物又はZn2+イオンのガラス表面への効率的な付着をもたらし、その結果、効果をもたらすのに極めて低いレベルのZCLMしか必要とされない。水滑石型水酸化物層がガラスと接触するように置かれるとすぐに、亜鉛化合物又はZn2+イオンは、ガラスに容易に付着し、ADW製品で通常起こる金属イオン浸出及びシリカ加水分解により作り出される空間を充填することができる。従って、ガラス網状組織形成剤として導入される新たな亜鉛化合物又はZn2+イオンは、ガラスを強化し、更なる洗浄の際にガラスの腐食を防ぐ。
(TTW ADW洗剤組成物及び物質の組成物)
本明細書に記載されているTTW ADW洗剤組成物は、洗浄サイクルの少なくとも幾らかの部分の間にTTW ADW洗剤組成物により処理された時、ガラス製品の表面に少なくとも幾らかのガラス製品表面腐食保護を提供する。
1つの非限定的実施形態は、ZCLMがガラス製品の表面に接触するように置かれた時、亜鉛化合物又はZn2+イオンのある量が、ガラス製品表面の欠陥若しくは空隙上及び/又はその内部に付着するような、有効量のZCLMを含むTTW ADW洗剤組成物を対象とする。例えば、処理されたガラス製品の表面は、処理されたガラス製品表面の上方及び/又は下方に約1nm〜約1μmまで、又は1nm〜約500nm、又は約1nm〜約100nm、又は約1nm〜約50nm、又は約1nm〜約20nm、あるいは約1nm〜約10nmで存在する、亜鉛化合物又はZn2+イオンを有してもよい。
別の非限定的実施形態は、自動食器洗い機において洗浄サイクルの少なくとも一部分の間に、有効量のZCLMを含むTTW ADW洗剤組成物を含む洗浄溶液を含む物質の組成物を対象とし、その際、約0.0001ppm〜約100ppm、又は約0.001ppm〜約50ppm、又は約0.01ppm〜約30ppm、あるいは約0.1ppm〜約10ppmのZCLMが洗浄溶液に存在してもよい。
本明細書で、ZCLMを含有する水性TTW ADW洗剤組成物のいかなる好適なpHが使用されてもよい。特定の実施形態において、好適なpHは、約6.5〜約14の範囲内のどこでもよい。例えば、TTW ADW洗剤組成物の特定の実施形態は、約6.5以上、又は約7以上、又は約9以上、あるいは約10.0以上のpHを有する。
(洗剤活性物質)
いかなる好適な量又は形態のいかなる好適な洗剤活性物質もが、TTW ADW洗剤組成物で使用されてよい。好適な洗剤活性物質には、界面活性剤、泡抑制剤、ビルダー系、漂白系、酵素、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
(界面活性剤)
本明細書に記載されているTTW ADW洗剤組成物は、1つ以上の好適な界面活性剤を、任意で、いかなる好適な量又は形態で界面活性剤系に含んでもよい。好適な界面活性剤には、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤(amphoteric surfactants)、両性界面活性剤(ampholytic surfactants)、双極性界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられる。例えば、混合界面活性剤系は、1つ以上の異なる種類の上記で記載される界面活性剤を含んでもよい。
本明細書に用いるのに好適なアニオン性界面活性剤には、アルキルサルフェート類、アルキルエーテルサルフェート類、アルキルベンゼンスルホネート類、アルキルグリセリルスルホネート類、アルキル及びアルケニルスルホネート類、アルキルエトキシカルボキシレート類、N−アシルサルコシネート類、N−アシルタウレート類、並びにアルキルサクシネート類及びスルホサクシネート類であり、ここで、アルキル、アルケニル又はアシル部分は、C5〜C20又はC10〜C18の直鎖又は分枝鎖であるものが挙げられるが、それらに限定されない。好適なカチオン性界面活性剤には、塩素エステル類、及びモノC6〜C16N−アルキル又はアルケニルアンモニウム界面活性剤であり、ここで、残りのN位置は、メチル、ヒドロキシエチル又はヒドロキシプロピル基で置換されているものが挙げられるが、それらに限定されない。好適な非イオン性界面活性剤には、低及び高曇点界面活性剤、並びにこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。好適な両性界面活性剤(amphoteric surfactants)には、C12〜C20アルキルアミンオキシド類(例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド及びヘキサデシルジメチルアミンオキシド)、並びにミラノール(MIRANOL)(登録商標)C2Mのようなアルキルアンホカルボン酸(alkyl amphocarboxylic)界面活性剤が挙げられるが、それらに限定されない。好適な双極性界面活性剤には、ベタイン類及びスルタイン類、並びにこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。使用に適した界面活性剤は、例えば、米国特許第3,929,678号、同第4,223,163号、同第4,228,042号、同第4,239,660号、同第4,259,217号、同第4,260,529号同第6,326,341号、欧州特許0,414,549、欧州特許0,200,263、PCT国際公開特許WO93/08876及びPCT国際公開特許WO93/08874で開示されている。
また好適な非イオン性界面活性剤には、低起泡性非イオン性(LFNI)界面活性剤が挙げられるが、それに限定されない。LFNI界面活性剤は、TTW ADW製品に付与する改善された(特にガラス製品の)水被覆作用(water-sheeting action)のために、最も典型的にはTTW ADW洗剤組成物で使用される。これらは、また、非シリコーン、リン酸塩又は非リン酸塩高分子物質を包含してもよく、これらは自動食器洗いで遭遇する食物の汚れから泡を取り除くことが知られている。LFNI界面活性剤は、相対的に低い曇点及び高い親水性−親油性バランス(HLB)を有してもよい。水中の1%溶液の曇点は、全範囲の水温にわたる起泡の最適な抑制のために、典型的には約32℃未満であり、あるいはより低く、例えば0℃である。所望であれば、上記の特性を有する生分解性LFNI界面活性剤が使用されてもよい。
LFNI界面活性剤には、アルコキシル化界面活性剤、特に一級アルコール類から誘導されるエトキシレート類、及びこれらとポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンリバースブロックポリマー類のようなより高級な界面活性剤とのブレンドを挙げることができるが、それらに限定されない。要件を満たす好適なブロックポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリマー化合物には、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン及びエチレンジアミン、並びにこれらの混合物に基づくものを挙げることができる。C12~18脂肪族アルコールのような、単一の反応性水素原子を有する反応開始剤化合物の連続的エトキシル化及びプロポキシル化により製造されるポリマー化合物は、一般に、TTW ADW洗剤組成物に満足のいく泡抑制をもたらさない。しかし、BASF−ワイアンドット社(Wyandotte Corp.)(ミシガン州ワイアンドット(Wyandotte))によりプルロニック(PLURONIC)(登録商標)及びテトロニック(TETRONIC)(登録商標)と表される特定のブロックポリマー界面活性剤化合物は、TTW ADW洗剤組成物に好適である。
LFNI界面活性剤は、任意で、プロピレンオキシドを約15重量%までの量で含むことができる。他のLFNI界面活性剤は、米国特許第4,223,163号で記載されている方法により調製できる。LFNI界面活性剤は、また、アルコール1モル当たり平均約6〜約15モル、又は約7〜約12モル、あるいは約7〜約9モルのエチレンオキシドと縮合された、約16〜約20個の炭素原子を含有する直鎖脂肪族アルコール(C16〜C20アルコール)、あるいはC18アルコールから誘導されてもよい。そのように誘導されたエトキシル化非イオン性界面活性剤は、平均と比べると狭いエトキシレート分布を有する可能性がある。
特定の実施形態において、30℃未満の曇点を有するLFNI界面活性剤は、前記組成物の約0.01重量%〜約60重量%、又は約0.5重量%〜約10重量%、あるいは約1重量%〜約5重量%の量で存在してもよい。
(泡抑制剤)
いかなる好適な泡抑制剤がいかなる好適な量又は形態で使用されてもよい。使用に適した泡抑制剤は、低起泡性であってもよく、低曇点非イオン性界面活性剤(上記で記載されている)、及び高級起泡界面活性剤とその中で泡抑制剤として作用する低曇点非イオン性界面活性剤との混合物を挙げることができる(PCT国際公開特許WO93/08876、欧州特許0,705,324、米国特許第6,593,287号、同第6,326,341号、同第5,576,281号を参照すること)。特定の実施形態において、1つ以上の泡抑制剤は、組成物の約0重量%〜約30重量%、又は約0.2重量%〜約30重量%、又は約0.5重量%〜約10重量%、あるいは約1重量%〜約5重量%の量で存在してもよい。
(ビルダー系)
いかなる好適なビルダーをいかなる好適な量又は形態で含むいかなる好適なビルダー系が使用されてもよい。いかなる従来のビルダーも本明細書での使用に好適である。例えば、好適なビルダー類には、クエン酸塩、リン酸塩(例えば、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウムとトリポリリンカリウムとの混合、ピロリン酸ナトリウム若しくはピロリン酸カリウム又はピロリン酸ナトリウムとピロリン酸カリウムとの混合)、アルミノケイ酸塩物質、ケイ酸塩、ポリカルボン酸塩及び脂肪酸、エチレンジアミン四酢酸のような物質、アミノポリホスホネート類のような金属イオン封鎖剤、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、並びにジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸が挙げられるが、それらに限定されない。
他の好適なビルダー類の例は以下の特許及び出版物で開示されている:米国特許第3,128,287号、同第3,159,581号、同第3,213,030号、同第3,308,067号、同第3,400,148号、同第3,422,021号、同第3,422,137号、同第3,635,830号、同第3,835,163号、同第3,923,679号、同第3,985,669号、同第4,102,903号、同第4,120,874号、同第4,144,226号、同第4,158,635号、同第4,566,984号、同4,605,509号、同4,663,071号、及び同4,663,071号、ドイツ特許出願2,321,001(1973年11月15日公開)、欧州特許0,200,263、カーク・オスマー(Kirk Othmer)、第3版、17巻、426頁〜472頁並びにコットン(Cotton)及びウィルキンソン(Wilkinson)による「先端無機化学(Advanced Inorganic Chemistry)」、394頁〜400頁(ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley and Sons,Inc.)、1972年)。
(酵素)
いかなる好適な酵素及び/又は酵素安定化系がいかなる好適な量又は形態で使用されてもよい。使用に適した酵素には、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、ペルオキシダーゼ、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。改善された漂白剤適合性を有するアミラーゼ及び/又はプロテアーゼが市販されている。実際の問題として、TTW ADW洗剤組成物は、組成物1g当たりの重量で約5mgまで、より典型的には約0.01mg〜約3mgの量の活性酵素を含んでもよい。プロテアーゼ酵素は、通常、組成物1g当たり0.005〜0.1アンソン単位(AU)の活性を提供するのに十分な濃度で、又は市販の酵素製剤の0.01重量%〜1重量%の濃度で、このような市販製剤中に存在する。
自動食器洗いのために、放出される非触媒的活性物質の総量を削減し、それにより染み付き防止/被膜形成防止の結果を改善するため、活性酵素の含有量を増加することが望ましい可能性がある。特定の実施形態において、酵素含有TTW ADW洗剤組成物、特に、液体、液体ゲル及びゲル組成物は、約0.0001重量%〜約10重量%、又は約0.005重量%〜約8重量%、又は約0.01重量%〜約6重量%の酵素安定化系を含んでもよい。酵素安定化系は、洗浄性酵素と適合性のあるいかなる安定化系であることもできる。そのような安定化系は、カルシウムイオン、ホウ酸、プロピレングリコール、短鎖カルボン酸、ボロン酸、及びこれらの混合物を挙げることができるが、それらに限定されない。
(漂白系)
いかなる好適な漂白剤がいかなる好適な量又は形態で使用されてもよい。使用に適した漂白剤には、塩素及び酸素漂白剤が挙げられるが、それらに限定されない。特定の実施形態において、漂白剤又は系は、組成物の約0重量%〜約30重量%、又は約1重量%〜約15重量%、又は約1重量%〜約10重量%、あるいは約2重量%〜約6重量%の量で存在してもよい。
好適な漂白剤には、無機塩素(例えば、塩素化リン酸三ナトリウム)、有機塩素漂白剤(例えば、クロロシアヌレート類、水溶性ジクロロシアヌレート類、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム二水和物又はジクロロイソシアヌル酸カリウム二水和物、次亜塩素酸ナトリウム及び他のアルカリ金属次亜塩素酸塩類)、無機過水和物塩(例えば、過ホウ酸ナトリウム一水和物及び四水和物、並びに硫酸塩/炭酸塩コーティングについて英国特許1,466,799で開示されているように、制御された速度の放出をもたらすために任意でコーティングされていてもよい過炭酸ナトリウム)、予備成形有機ペルオキシ酸、並びにこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
過酸素(Peroxygen)漂白化合物は、過ホウ酸ナトリウム一水和物、過ホウ酸ナトリウム四水和物、ピロリン酸ナトリウムペルオキシ水和物(sodium pyrophosphate peroxyhydrate)、尿素ペルオキシ水和物、過炭酸ナトリウム、過酸化ナトリウム及びこれらの混合物を含むいかなる過酸化物供給源であることもできる。他の非限定的実施形態において、過酸素漂白化合物は、過ホウ酸ナトリウム一水和物、過ホウ酸ナトリウム四水和物、過炭酸ナトリウム、及びこれらの混合物を含んでもよい。
漂白系は、また、遷移金属含有漂白剤触媒、漂白活性化剤、及びこれらの混合物を含んでもよい。使用に適した漂白剤触媒には、0重量%〜約10.0重量%、あるいは約0.0001重量%〜約1.0重量%の濃度での、マンガントリアザシクロノナン及び関連する錯体(米国特許第4,246,612号、米国特許第5,227,084号を参照すること)、Co、Cu、Mn及びFeビスピリジルアミン並びに関連する錯体(米国特許第5,114,611号を参照すること)、並びにペンタミンアセテートコバルト(III)及び関連する錯体(米国特許第4,810,410号を参照すること)が挙げられるが、それらに限定されない。
使用に適した典型的な漂白活性化剤には、0重量%〜約10重量%、又は0.1重量%〜1.0重量%の濃度での、ペルオキシ酸漂白剤前駆体、過安息香酸及び置換過安息香酸の前駆体、カチオン性ペルオキシ酸前駆体、TAED、アセトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム及びペンタアセチルグルコースのような過酢酸前駆体、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(イソ−NOBS)及びノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(NOBS)のような過ノナン酸前駆体、アミド置換されたアルキルペルオキシ酸前駆体(欧州特許0,170,386)、並びにベンゾオキサジンペルオキシ酸前駆体(欧州特許0,332,294及び欧州特許0,482,807)が挙げられるが、それらに限定されない。
その他の漂白活性化剤は、置換ベンゾイルカプロラクタム漂白活性化剤、並びに漂白系及び洗剤におけるそれらの使用を含む。置換ベンゾイルカプロラクタムは以下の式を有し、
Figure 0005595844
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、1〜12個の炭素原子又は1〜6個の炭素原子を含有し、H、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルコキシアリール、アルカリール、アルカリールオキシ及び以下の構造を有するメンバーから成る群から選択されるメンバーであり、
Figure 0005595844
式中、R6は、H、アルキル、アルカリール、アルコキシ、アルコキシアリール、アルカリールオキシ及びアミノアルキルから成る群から選択され、Xは、O、NH又はNR7であり、式中、R7は、H又はC1〜C4アルキル基であり、R8は、アルキル、シクロアルキル又は3〜11個の炭素原子を含有するアリール基であるが、但し、少なくとも1つのR置換基は、Hではない。R1、R2、R3及びR4はHであり、R5は、メチル、メトキシ、エチル、エトキシ、プロピル、プロポキシ、イソプロピル、イソプロポキシ、ブチル、第三級ブチル、ブトキシ、第三級ブトキシ、ペンチル、ペントキシ、ヘキシル、ヘキソキシ、Cl及びNO3から成る群から選択されてもよい。あるいは、R1、R2、R3はHであり、R4及びR5は、メチル、メトキシ及びClから成る群から選択されてもよい。
(補助剤成分)
いかなる好適な補助剤成分がいかなる好適な量及び形態で使用されてもよい。好適な補助剤成分には、他の洗浄剤(例えば、界面活性剤、補助界面活性剤)、キレート化剤、金属イオン封鎖剤、アルカリ性供給源、軟水剤、二次溶解度変性剤、増粘剤、酸、汚れ放出ポリマー類、分散性ポリマー類、ヒドロトロープ類、結合剤、担体媒質、抗菌活性物質、洗剤充填剤、研磨剤、消泡剤、再付着防止剤、閾値剤又は系、審美性向上剤、(すなわち、染料、着色剤、香料など)、油類、溶媒、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
(分散性ポリマー)
いかなる好適な分散性ポリマーがいかなる好適な量で使用されてもよい。重合して適切な分散性ポリマー類(例えば、ホモポリマー類、コポリマー類、又はターポリマー類)を形成できる不飽和モノマー酸には、アクリル酸、マレイン酸(又は無水マレイン酸)、フマル酸、イタコン酸、アコニット酸、メサコン酸、シトラコン酸、及びメチレンマロン酸が挙げられる。メチルビニルエーテル、スチレン、エチレンなどのようなカルボキシレートラジカル類を含有しないモノマーセグメントの存在は、このようなセグメントが分散性ポリマーの約50重量%を超えて構成しないという条件下で好適である可能性がある。好適な分散性ポリマー類には、米国特許3,308,067号、同第3,308,067号及び同第4,379,080号で開示されているものが挙げられるが、それらに限定されない。
実質的に中和されていない形態のポリマーもまたTTW ADW洗剤組成物に使用されてもよい。ポリマーの分子量は、例えば約1,000〜約500,000、あるいは約1,000〜約250,000の広範囲で変わることができる。約3,000〜約100,000、又は約4,000〜約20,000の分子量及び分散性ポリマーの約50重量%未満、あるいは約20重量%未満のアクリルアミド含有量を有するアクリルアミドとアクリレートとのコポリマーも使用できる。分散性ポリマーは、約4,000〜約20,000の分子量及びポリマーの約0重量%〜約15重量%のアクリルアミド含有量を有してもよい。好適な変性ポリアクリレートコポリマー類には、米国特許第4,530,766号及び同第5,084,535号、欧州特許0,066,915で開示されている不飽和脂肪族カルボン酸の低分子量コポリマー類が挙げられるが、それらに限定されない。
好適な他の分散性ポリマー類には、約950〜約30,000の分子量を有するポリエチレングリコール類及びポリプロピレングリコール類が挙げられ、これらは、ミシガン州ミッドランドのダウ・ケミカル社(Dow Chemical Company)から入手できる。例えば、約30℃〜約100℃の範囲内で融点を有するそのような化合物は、1450、3400、4500、6000、7400、9500及び20,000の分子量で得ることができる。そのような化合物は、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドと必要モル数のエチレングリコール又はプロピレングリコールとの重合によって形成され、それぞれ及びポリプロピレングリコールの所望の分子量及び融点を提供する。ポリエチレン、ポリプロピレン及び混合グリコールは、以下の式を用いて参照され、
HO(CH2CH2O)m(CH2CH(CH3)O)n(CH(CH3)CH2O)OH
式中、m、n及びoは、上記で示された分子量及び温度要件を満たす整数である。
また好適な分散性ポリマー類には、米国特許第3,723,322号で記載されている、ポリアスパルテート、カルボキシル化多糖類、特にデンプン類、セルロース類及びアルギネート類、米国特許番号3,929,107号で開示されているポリカルボン酸のデキストリンエステル類、米国特許第3,803,285号で記載されているヒドロキシアルキルデンプンエーテル類、デンプンエステル類、酸化デンプン類、デキストリン類及びデンプン加水分解産物、米国特許番号3,629,121号で記載されているカルボキシル化デンプン類、並びに米国特許第4,141,841号で記載されているデキストリンデンプン類が挙げられる。上記で記載された好適なセルロース分散性ポリマー類には、セルロースサルフェートエステル類(例えば、セルロースアセテートサルフェート、セルロースサルフェート、ヒドロキシエチルセルロースサルフェート、メチルセルロースサルフェート、ヒドロキシプロピルセルロースサルフェート、及びこれらの混合物)、ナトリウムセルロースサルフェート、カルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
特定の実施形態において、分散性ポリマーは、前記組成物の約0.01重量%〜約25重量%、又は約0.1重量%〜約20重量%、あるいは約0.1重量%〜約7重量%の範囲の量で存在してもよい。
(担体媒質)
いかなる好適な担体媒質がいかなる好適な形態においていかなる好適な量で使用されてもよい。好適な担体媒質には、所望のTTW ADW洗剤組成物の形態に応じて、液体と固体の両方が挙げられる。固体担体媒質は、乾燥粉末、顆粒、錠剤、封入製品、及びこれらの組み合わせで使用されてもよい。好適な固体担体媒質には、周囲温度で非活性の固体である担体媒質が挙げられるが、それに限定されない。例えば、ポリエチレングリコール(PEG)のようないかなる好適な有機ポリマーが使用されてもよい。特定の実施形態において、固体担体媒質は、前記組成物の約0.01重量%〜約20重量%、又は約0.01重量%〜約10重量%、あるいは約0.01重量%〜約5重量%の範囲の量で存在してもよい。
好適な液体担体媒質には、水(蒸留水、脱イオン水、又は水道水)、溶媒、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。液体担体媒質は、前記水性組成物の約1重量%〜約90重量%、又は約20重量%〜約80重量%、あるいは約30重量%〜約70重量%の範囲の量で存在してもよい。しかし、液体担体媒質は他の物質を含有してもよく、それは液体であるか、又は室温で液体担体媒質に溶解し、また担体の機能以外に他の幾つかの機能を果たす可能性もある。これらの物質には、分散剤、ヒドロトロープ類、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
TTW ADW組成物は、「濃縮」系で提供できる。例えば、濃縮液体組成物は、従来の液体組成物と比較して低量の好適な担体媒質を含有することができる。濃縮系の好適な担体媒質含有量は、前記濃縮組成物の約30重量%〜約99.99重量%の量で存在してもよい。濃縮系の分散剤含有量は、前記濃縮組成物の約0.001重量%〜約10重量%の量で存在してもよい。
(製品形態)
いかなる好適な製品形態が使用されてもよい。好適な製品形態には、固体、顆粒、粉末、液体、ゲル、ペースト、半固体、錠剤、水溶性小袋、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。TTW ADW洗剤組成物は、また、ガラス製品の表面腐食を低減するために、(a)パッケージ、(b)有効量の亜鉛含有層状物質を含むスルーザウォッシュ自動食器洗い洗剤組成物、(c)洗剤活性物質、(d)任意で、補助剤成分及び(e)TTW ADW洗剤組成物の使用説明書を含んでもよいキットを含む、例えば処理システムの一部として、いかなる好適な形態で包装されてもよい。TTW ADW洗剤組成物は、処理システムの一部として、単一区画水溶性小袋及び/又は他の構成成分との負の相互作用が低減されるように、複数区画水溶性小袋に配合されてもよい。
本明細書に使用するのに好適なTTW ADW洗剤組成物は、分与バスケット又はカップ、ボトル(ポンプ補助付きボトル、スクイーズボトルなど)、機械式ポンプ、複数区画ボトル、カプセル、複数区画カプセル、ペーストディスペンサー、単一及び複数区画水溶性小袋、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されないいかなる適切なデバイスからも分与できる。例えば、多相錠剤、水溶性又は水分散性小袋、及びこれらの組み合わせは、TTW ADW洗剤組成物を任意の好適な溶液又は基材に放出するために使用されてもよい。好適な溶液及び基材には、熱水及び/又は冷水、洗浄溶液及び/又はすすぎ溶液、硬質表面、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。多相製品は、単一又は複数区画の水溶性小袋に収容されてもよい。特定の実施形態において、TTW ADW洗剤組成物は、制御放出(例えば、遅延、徐放、誘発、又は持続放出)を可能にする1回用量を含んでもよい。1回用量は、錠剤、単一及び複数区画水溶性小袋、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されないいかなる好適な形態で提供されてもよい。例えば、TTW ADW洗剤組成物は、固体(例えば、顆粒又は錠剤)、並びに複数区画水溶性小袋で別個に提供される液体及び/又はゲルを含む多相製品の形態の1回用量として提供されてもよい。
(製造方法)
任意の好適な形態(例えば、固体、液体、ゲル)でTTW ADW洗剤組成物を製造するために、好適なプロセス工程を幾つでも有するいかなる好適な方法が使用されてもよい。本明細書で開示されているTTW ADW洗剤組成物は、いかなる好適な形態でいかなる好適な量のZCLMで配合されてもよい。TTW ADW洗剤組成物は、粉末、顆粒、結晶、コア粒子、コア粒子の凝集体、粒塊、粒子、フレーク、押出品、プリルの形態で、又は複合物(例えば、複合粒子、フレーク、押出品、プリルの形態)として、及びこれらの組み合わせで製造されるZCLMを含んでもよい。ZCLMは、砕けにくく、水溶性若しくは水分散性であってもよく、並びに/又は約20℃〜約70℃の温度範囲で溶解、分散及び/若しくは溶融してもよい。
驚くべきことに、分散剤ポリマー及び/又は担体媒質を含むZCLMを上記の複合物形態(例えば、複合粒子、プリル、フレーク及び/又は押出品)の1つに組み込むことにより、特に、水溶性小袋に入れられた顆粒、粉末、錠剤、固体の形態、及びこれらの組み合わせのTTW ADW洗剤組成物並びに/又はその他の製品において、ガラス製品表面の腐食保護性能に著しい改善が観察されることが判明した。複合粒子、プリル、フレーク及び/又は押出品は、粉末形態の原料ZCLM粒子を、補助剤成分(例えば、分散性ポリマー及び/又は担体媒質)と任意の順序で混合することにより、別個に作製されてもよい。ZCLMを含有する複合粒子、プリル、フレーク及び/若しくは押出品を使用すると、凝離が低減するか、又はTTW ADW洗剤組成物若しくは最終製品中でZCLM粒子が沈殿若しくは凝集する傾向が低減する。更に、複合粒子、プリル、フレーク及び/又は押出品が洗浄サイクル中にTTW ADW洗剤組成物を介して放出されるとすぐに、洗浄溶液においてZCLM粒子の分散性の向上が観察される。また、ZCLM粒子の増大した分散を洗浄溶液にもたらすことによって、分散性ポリマー及び/又は担体媒質を上記の複合形態の1つに組み込まずに同じ濃度で原料ZCLM粒子を洗剤組成物に(例えば、市販のZCLMを用いて)直接使用することと比較して、ガラスケア(glasscare)表面の腐食保護性能に著しい改善が起こることが観察された。
上記の複合粒子、プリル、フレーク及び/又は押出品が、1つ以上の担体構成成分を含む場合、担体構成成分は、所望の構成成分(例えば、ZCLM、洗剤活性物質、及び/又は補助剤成分)を加える前に、それらの融点を超えて加熱されてもよい。凝固溶融物を調製するのに好適な担体構成成分は、典型的には、液体を形成するために融点を超えて加熱されることができる非活性構成成分であり、所望の構成成分を有効に捕捉できる分子間マトリックスを形成するために冷却される。
ZCLMは、また、ZCLM及び液体担体を含む液体混合物を固体ベースの洗剤顆粒に噴霧することにより、水溶性小袋製剤に入れられた粉末、顆粒、錠剤及び/又は固体に組み込まれることができる。液体担体は、例えば、水、溶媒、界面活性剤、及び/又はZCLMが分散できる他のいかなる好適な液体であることもできる。上記の噴霧工程は、TTW ADW洗剤組成物製造プロセス中の好適などの時点で起こってもよい。例えば、洗剤活性物質(例えば、リン酸塩)のうちの1つが、噴霧又は混合の前に水和が必要である場合には、噴霧工程は、水和工程の際に行ってもよい。噴霧工程は、また、他の洗剤構成成分の混合工程の前及び/若しくは後で、並びに/又はTTW ADW洗剤組成物が作製された(例えば、錠剤のコーティング)後で行ってもよい。
特定の実施形態では、液体TTW ADW洗剤組成物は、製造プロセスの任意の部分で原料ZCLM粒子を液体組成物中で直接混合する及び/又は分散させることにより作製できる。ZCLMは、また、他の所望の構成成分の添加の前に、水(及び/又は溶媒)に分散できる。液体TTW ADW洗剤組成物が、ボトル又は水溶性小袋のようなディスペンサーに入れられると、上記の複合粒子、プリル、フレーク及び/又は押出品を作製することを必要としないで、単独で又は好適な補助剤成分と組み合わされることのいずれかでTTW ADW組成物中でZCLMを安定化することにより、ZCLMの十分な分散が液体中で達成できる。
本プロセスの1つの非限定的実施形態には、有効量のZCLMを液体担体(例えば、水、溶媒、及び/又は非イオン性界面活性剤)中で混合してZCLMの予備混合物を形成する工程、及びこの予備混合物を固体洗剤ベースの顆粒に噴霧する工程が挙げられる。任意で、1つ以上の洗剤活性物質又は補助剤成分が、噴霧工程の前に水性予備混合物に任意の順序で添加及び/又は分散されてもよい。
別の非限定的実施形態は、有効量のZCLMを溶融担体媒質(例えば、ポリエチレングリコール)に混合するプロセス工程、並びに溶融混合物を固体洗剤ベースの顆粒、粉末及び/又は錠剤に噴霧するプロセス工程を含む。特に水溶性小袋に入れられた顆粒、粉末、錠剤及び/又は固体のための別の代替案は、上記の溶融混合物を、所望の粒径及び形態(例えば、複合粒子、プリル、又はフレーク)に粉砕する前に、冷却させて固体にすることである。任意で、粉末形態の1つ以上の洗剤活性物質又は補助剤成分が、冷却工程の前に、溶融担体媒質に任意の順序で添加されてもよい。溶融混合物は、また、押し出されて押出品複合物を形成し、必要であれば次に冷却され、粉砕されて、所望の形態及び粒径となることができ、上記で記載されるように混合できる。粉砕された混合物は、次に、上記のいずれかの形態の1つ以上でTTW ADW洗剤組成物中に分散されて、腐食保護性能の最適化を促進することができる。
TTW ADW洗剤組成物の以下の実施例は、特定の実施形態を示す目的で提供され、これらはいかなる形でも限定することを意図しない。
Figure 0005595844
Figure 0005595844
Figure 0005595844
(試験結果)
試験1〜3は、特に指示のない限り、同一又は同様の基材(例えば、ガラス、ガラススライド、及び/又はプレート)を使用する同一の条件下で実施される。それぞれの試験において、基材は、ゼネラル・エレクトリック(General Electric)モデルGE2000自動食器洗い機において、以下の洗浄条件:0mg/L(0gpg)水−54℃(130°F)、標準洗浄サイクル、加熱乾燥サイクル入で50〜100サイクル洗浄される。GE2000の上段ラックに以下の基材が置かれる:4個のリビー(Libbey)53非熱処理283.5g(10oz)コリンズ(Collins)グラス、3個のリビー8564SRブリストル・バレー(Bristol Valley)241g(8 1/2oz)白ワイングラス、3個のリビー139 368.5g(13oz)イングリッシュ・ハイボール(English Hi-Ball)グラス、3個のルミナーク・メトロ(Luminarc Metro)453.6g(16oz)クーラーズ(Coolers)又は340g(12oz)ビバレッジ(Beverage)グラス(1つの試験に1つのサイズのみを使用)、1個のロンシャン・クリスタル・ダルク(Longchamp Cristal d’Arques)160g(5 3/4oz)ワイングラス、及び1個のアンカー・ホッキング・プー(Anchor Hocking Pooh)(CZ84730B)226.8g(8oz)ジュースグラス(1つの箱に1つ以上のデザインがある場合は、1つの試験に1つのデザインのみを使用)。GE2000の下段のラックに以下の基材が置かれる:2枚のリビー・サンレイ(Libbey Sunray)No.15532ディナープレート23.5cm(9 1/4in)、及び2枚のギブソン・ブラック・ストーンウエア(Gibson black stoneware)ディナープレート#3568DP(選択肢−使用しない場合は、2枚のバラスト(ballast)ディナープレートに代える)。
グラス及び/又はプレートは、全て、洗浄及び乾燥後に真珠光沢について1〜5の評価尺度(以下で概説される)を使用して視覚的に等級付けされる。またグラス及び/又はプレートは、全て、エッチングの形跡について真珠光沢試験で使用されるのと同じ1〜5の評価尺度を使用して視覚的に等級付けされる。評価尺度の値は以下の通りである:「1」は、基材に対する極めて重大な損傷を表し、「2」は、基材に対する重大な損傷を表し、「3」は、基材に対する幾らかの損傷を表し、「4」は、基材に対する極めて僅かな損傷を表し、「5」は、基材に対する損傷がないことを示す。
(試験1)
有効量のZCLMを含有する多様な洗剤組成物の多様な形態(すなわち、液体−ゲル、粉末若しくは顆粒、錠剤又は水溶性小袋)が使用され、同じ形態でZCLMのないこれらの洗剤組成物と比較される。これらの試験の結果は、表I〜VIに表される。試験結果は、TTW ADW洗剤組成物における有効量のZCLMの存在により、著しいガラス製品腐食効果保護がもたらされることを示す。
真珠光沢試験結果 − 表I〜IIIは基材の真珠光沢の比較を表す。
Figure 0005595844
Figure 0005595844
Figure 0005595844
エッチング試験結果 − 表IV〜Vは、エッチング等級の比較を表す。
Figure 0005595844
Figure 0005595844
Figure 0005595844
少量のZCLM(例えば、0.1%ZCH及び/又は0.1%ヒドロキシ硫酸亜鉛(zinc hydroxy sulfate))でも、処理されたガラス製品表面に実質的なエッチング防止効果をもたらすのに十分であることが観察される。約0.1%のZCLM(例えば、ZCH又はヒドロキシ硫酸亜鉛)の、TTW ADW洗剤組成物への添加は、約6〜7ppmのZCLM(活性亜鉛又はZn2+イオンとして)を洗浄溶液に提供する。
(試験2)
以下の50サイクル試験の結果は、製造プロセス中にTTW ADW洗剤組成物に混合されたZCH粉末と分散ZCLM複合粒子(PEG8000及びZCHを含む)との使用を比較した、ガラスケアに対する改善された性能を示す。試験結果は表VIIにまとめられている。
Figure 0005595844
*組成物の0.28重量%の量のZCLM複合粒子が使用された。ZCLM複合粒子は、35.1%のZCH、3.5%の青色染料溶液、1.4%の漂白剤触媒及び60%のPEG8000を含有する。
ZCH物質を分散性ポリマー及び/又は担体媒質に組み込むことにより、著しいガラスケア効果が達成されることが観察される。
(試験3)
試験2の50サイクル試験と、異なる粒径を用いる複数サイクル及び浸積技術を組み合わせて実施される長時間の多変数試験との比較が実施される。試験の試験条件は以下の通りである:GE2000機は、手動で無効にされ23時間の連続洗浄に延長された主洗浄サイクルを用いて使用され、その後、標準のすすぎ及び乾燥サイクルが続く。第1の洗浄期の洗浄時間は、約24時間である。第2の洗浄期において、このプロセスは、新たな投入量の洗剤組成物及び洗浄水の添加の後、同じセットのグラスで直ちに1回繰り返される。両方の洗浄期の総洗浄時間は、約48時間である。軟水(0〜17mg/L(0〜1gpg))が使用される。温度調節器を有する外部加熱要素が機械に組み込まれて、連続主洗浄サイクル(浸積)の全体を通して洗浄温度を65℃(150°F)に維持する。24時間の第2洗浄期の終了時に、グラスは乾燥され、ライトボックス中で等級付けされ、撮影される。試験結果は、表VIIIにまとめられている。
Figure 0005595844
より大きい粒径のZCLMに対してより小さい粒径のZCLMを使用すると、著しいガラスケア効果が達成されることが観察される。
(試験4)
試験4は、ZCLM粒子結晶化度の間接的な測定である。X線回折(XRD)パターンの反射のFWHM(半値全幅)は、結晶性の欠陥の測定値であり、計測的要因と物理的要因との組み合わせである。同様の解像度の機器を用いて、結晶の欠陥又は結晶性の一体性を、準結晶特性に反応しやすいピークのFWHMに関連付けることができる。この手法に従って、結晶性の歪み/完全性が種々のZCLM試料に割り当てられる。
3つのピーク(200、約13°2θ、6.9Å;111、約22°2θ、4.0Å;510、36°2θ、2.5Å)が格子歪みに反応しやすいことが判明し、分析のために200の反射が選択される。ピークは、MDIによるジェイド(Jade)6.1ソフトウェアで標準ピアソンVII(Pearson VII)及び擬似ヴォイトアルゴリズム(Pseudo-Voigt algorithms)を使用して、個別に特性を適合させる。各ピークは、バックグラウンド定義及びアルゴリズムを変えて10回特性を適合されて、標準偏差の平均FWHMを得る。試験結果は表IXにまとめられている。
Figure 0005595844
結晶化度は、その供給源のFWHMに関連しているように思われる。理論に束縛されることを望まないが、より低い結晶化度が、亜鉛反応活性度を最大限にする可能性があると想定される。
本明細書で記載されているポリマーを参照すると、重量平均分子量という用語は、ゲル透過クロマトグラフィーを使用して、コロイド及び表面 A.物理化学及び工学の観点(Colloids and Surfaces A.Physico Chemical & Engineering Aspects)、162巻、2000年、107頁〜121頁で見出されるプロトコルに従って測定された重量平均分子量である。単位はダルトンである。
本明細書の全体にわたって記載されている全ての特許、特許出願(及びそれに記載されているいかなる特許、加えて関連して発行されたいかなる外国特許出願も)、並びに刊行物の開示は、本明細書に参考として組み込まれる。しかし、本明細書に参考として組み込まれる文献のいずれもが本発明を教示又は開示していることを認めるものではないことを明言する。
本明細書全体にわたって示されるあらゆる最大数値限定は、それより低いあらゆる数値限定を、そのようなより低い数値限定が本明細書に明確に記載されたものとして含むことが理解されるべきである。本明細書全体にわたって示されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのようなより大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体にわたって示されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
主題発明の特定の実施形態が記載されてきたが、主題発明の様々な変更及び修正が、本発明の意図及び範囲から逸脱することなく行うことができることは当業者には明白であろう。本発明が、本明細書に記載されている実施形態及び実施例に限定されるものではないことが理解されるべきである。

Claims (4)

  1. a)0.001重量%〜20重量%の亜鉛含有層状物質と、
    b)酵素と、
    c)分散性ポリマー又は担体媒質の1つ以上と、
    d)界面活性剤、補助界面活性剤、キレート化剤、金属イオン封鎖剤、アルカリ性供給源、軟水剤、二次溶解度変性剤、増粘剤、酸、汚れ放出ポリマー、ヒドロトロープ、結合剤、抗菌活性物質、洗剤充填剤、研磨剤、消泡剤、再付着防止剤、閾値剤、審美性向上剤、油及びこれらの混合物からなる群から選択される補助剤成分と
    を含む、家庭用、施設用、工業用及び/又は商業用の、スルーザウォッシュ自動食器洗い洗剤組成物であって、
    前記亜鉛含有層状物質が、水酸化硫酸亜鉛である組成物。
  2. 前記組成物が、0.01重量%〜6重量%の酵素安定化系を含み、前記酵素安定化系が、カルシウムイオン、ホウ酸、プロピレングリコール、ボロン酸及びこれらの混合物からなる群から選択される請求項に記載の組成物。
  3. 前記組成物が、ケイ酸ナトリウムを含む請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記亜鉛含有層状物質が、前記組成物の0.001重量%〜10重量%で存在する請求項1に記載の組成物。
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