JP5595578B1 - 探索装置および通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のものに比べて、山岳遭難者等を発見する可能性を高め、発見されるまでの時間を短縮すること。
【解決手段】被探索装置2は、待機状態において、第1間隔毎に、第1期間321(例えば3ms)において各部に電力を供給して受信処理を行う。サーチ状態に入った探索装置1は、上記第1間隔よりも長い第3期間312において呼出信号を繰り返し送信する。被探索装置2は、第1期間321に呼出信号を受信すると、第4期間322において自機の識別情報等を含む応答信号を送信する。探索装置1は、応答信号を受信する毎に、当該応答信号を用いて被探索装置2の距離と方向を推定し、被探索装置2の識別情報および被探索装置2の距離および方向に関する情報を画面上に表示させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、他の通信装置(被探索装置)を探索するための探索装置、および、探索装置と被探索装置とから構成される通信システムに関するものである。
雪崩等により登山者が遭難した際に、登山者が携帯している送信装置(小型発信器)が電波を発信して受信装置を携行する救助者に遭難場所を知らせる電波ビーコンシステムが知られている(特許文献1、特許文献2、非特許文献1等)。
この電波ビーコンシステムにおいて、送信装置は、457kHzの電波を救助信号として送信し、受信装置は、受信した電波から送信装置の方向とおおよその距離を知ることができる。
特開2003−198389号公報 特開2005−229449号公報
山岳遭難者探索用ビーコンシステムの高度化に関する検討会報告書(平成17年3月 山岳遭難者探索用ビーコンシステムの高度化に関する検討会 総務省北陸総合通信局)
しかしながら、上記電波ビーコンシステムは、中波帯の周波数(457kHz)を使用するため、また、電波法に基づく制限によって発信出力が微小電力の範囲に抑えられるため、電波の受信距離が最大でも約100m程度であり、それ以上に互いの距離が離れると捜索することができない。
非特許文献1にも記載されているように、この種の通信システムでは、広い範囲(例えば半径数百メートル以上)を探索することができるように、通信距離の長いものが求められている。
さらに、この種の通信システムでは、登山者が携帯する装置が、小型軽量であること、遭難時に登山者の操作を経ずに確実に電波が発射されることが担保されること、省電力化によって長期間(例えば7日以上)に渡って連続して動作すること等が求められている。
そして、これらの要求を満たす通信システムが開発されることによって、山岳遭難者等を発見する可能性がより高まり、また、発見されるまでの時間がより短縮されることが期待されている。
本発明の目的は、上記の点に鑑みて為されたものであり、従来のものに比べて、山岳遭難者等を発見する可能性を高め、発見されるまでの時間を短縮することができる探索装置および通信システムを提供することである。
本発明の探索装置は、携帯可能な筐体と、前記筐体内に収められ、電波を送受信するアンテナと、前記アンテナを介して被探索装置に対して呼出信号を送信する送信手段と、前記アンテナを介して前記呼出信号に対応する前記被探索装置からの応答信号を受信する受信手段と、前記受信手段に受信された応答信号を用いて自機と前記被探索装置との距離および自機からみた前記被探索装置の方向を推定し、前記被探索装置の識別情報、および、前記推定した距離および方向に関する情報を表示させる制御手段と、を具備する構成を採る。
本発明の通信システムは、携帯可能な探索装置と、前記探索装置と無線通信を行う携帯可能な被探索装置と、から構成される通信システムであって、前記探索装置は、前記被探索装置に対して呼出信号を送信する第1送信手段と、前記所定の被探索装置からの応答信号を受信する第1受信手段と、前記呼出信号を生成して前記第1送信手段に出力し、前記受信手段に受信された応答信号を用いて自機と前記被探索装置との距離および自機からみた前記被探索装置の方向を推定する第1制御手段と、を具備し、前記被探索装置は、前記探索装置からの前記呼出信号を受信する第2受信手段と、前記第呼出信号を受信すると前記応答信号を生成する第2制御手段と、前記第2制御手段で生成された応答信号を送信する第2送信手段と、を具備する構成を採る。
本発明の通信システムは、前記第1送信手段が、710MHz以上960MHz以下の周波数で前記呼出信号を送信し、前記第2送信手段が、710MHz以上960MHz以下の周波数で前記応答信号を送信する、構成を採る。
本発明によれば、被探索装置が、ビーコン等、定期的な信号を常に送信する必要が無く、探索装置からの呼出信号を受信した時のみ応答信号を送信すれば良いので、従来の装置に比べて電力消費が少なくなる。したがって、被探索装置は、長期間(例えば3ヶ月以上)に渡って連続して動作することができるので、山岳遭難者等を発見する可能性を高めることができる。
また、本発明によれば、探索装置および被探索装置が、710MHz以上960MHz以下の周波数を用いて無線通信を行うので、被探索装置における探索装置からの電波の受信可能距離が長くなる。したがって、探索装置は、広い範囲(例えば100mから5km)を探索することができるので、山岳遭難者等を発見する可能性を高め、発見されるまでの時間を短縮することができる。
本発明の一実施の形態に係る探索装置の外観図 本発明の一実施の形態に係る被探索装置の外観図 本発明の一実施の形態に係る探索装置の構成を示すブロック図 本発明の一実施の形態に係る被探索装置の構成を示すブロック図 本発明の一実施の形態に係る探索装置と被探索装置との通信の様子を示すシーケンス図 本発明の一実施の形態に係る探索装置と被探索装置との通信の様子を示すシーケンス図 距離と受信信号強度との関係を示す図 本発明の一実施の形態に係る探索装置によって形成される指向性を示す図 本発明の一実施の形態に係る探索装置のメモリ部内に格納される情報テーブルを示す図 本発明の一実施の形態に係る探索装置の表示画面を示す図 本発明の一実施の形態に係る探索装置の動作の流れを示すフロー図 本発明の一実施の形態に係る探索装置の動作の流れを示すフロー図 本発明の一実施の形態に係る被探索装置の動作の流れを示すフロー図
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本発明に係る通信システムは、探索装置1(図1、図3参照)と、1または複数の被探索装置2(図2、図4参照)とから構成される。探索装置1は、各被探索装置2と無線通信を行う。また、探索装置1は、被探索装置2が備える全ての機能を備えており、被探索装置として他の探索装置と無線通信を行うことができる。
[通信モード]
本発明の探索装置1は、ユーザの指示に基づいて、以下の通信モードのいずれかを実行する。
(1)個別探索モード
(2)全探索モード
(3)グループ探索モード
(4)被探索モード
(1)個別探索モードは、探索装置1が、ユーザに指示された単一の被探索装置2と無線通信を行い、当該単一の被探索装置2の相対位置(距離と方向)を推定するモードである。なお、探索装置1は、登録番号(例えば1〜10)に対応付けて被探索装置2を予め登録しておくことができる。
(2)全探索モードは、探索装置1が、全ての被探索装置2を対象として応答信号の送信を要求し、応答信号を受信して通信可能な被探索装置2を特定するモードである。
(3)グループ探索モードは、探索装置1が、予め登録された全ての被探索装置2に対して応答信号の送信を要求し、応答信号を受信して通信可能な被探索装置2を特定するモードである。
(4)被探索モードは、探索装置1が、被探索装置として他の探索装置と無線通信を行うモードである。
[探索装置1の構造]
まず、図1を用いて探索装置1の構造について説明する。図1は、本実施の形態に係る探索装置1の外観図である。図1(A)は正面図、図1(B)は右側面図、図1(C)は背面図、図1(D)はA−A断面図である。
探索装置1は、ユーザ(一般人)が携帯可能な大きさ(例えば、幅W:64mm、高さH:107mm、厚みT:13mm)、および、重さ(例えば、70g)である。
探索装置1の筐体11は、略方形状を為し、非導電性の部材により形成されている。筐体11の正面11aは平板形状を為している。筐体11の正面11aには、表示部12および操作部13が設けられている。
表示部12は、筐体11の正面11a上に設けられ、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等により構成される画面を有する。なお、各通信モードにおける表示画面については後述する。
操作部13は、筐体11の正面11a上の底面11b側(下端側)近傍に設けられ、複数のボタンを有する。操作部13は、ユーザの意志に基づくボタン操作内容を電気信号に変換してCPU(Central Processing Unit)131(図3参照)に伝達する。
筐体11の側面11c、11dは、中央部を境にして、平面11e側(上端側)の方が底面11b(下端側)よりも薄くなっている。右側面11cには、電源スイッチ14が設けられている。
筐体11の内部には、基板15が収められている。基板15の中央より平面11e側(上端側)には、アンテナ101がパターンニングされる。また、基板15には、種々の回路(図3参照)が載置される。
アンテナ101は、中央に放射器となる第1アンテナ素子111と、その両側にそれぞれが導波器または反射器となる第2アンテナ素子112および第3アンテナ素子113と、から構成される。
第1アンテナ素子111の長さは、波長λの1/4(λ/4)である。例えば、探索装置1が920MHzを使用して無線通信を行う場合、第1アンテナ素子111の長さ(λ/4)は、約81.5mmとなる。第2アンテナ素子112および第3アンテナ素子113の長さは、同一であり、第1アンテナ素子111よりも少し短い。
各アンテナ素子111、112、113は、長さH1(例えば40mm)のスペースに収められるために、折り返しパターンで構成され、それぞれ、基板15の両面にパターンニングされてスルーホール中で接続される。
筐体11の背面11fの中央部には、凹部16が設けられている。ユーザは、第1指(親指)で操作部13のボタンを押すことができるように探索装置1を手に持つ場合、凹部16に第2指(人差し指)を収めることにより、探索装置1を安定して持つことができる。
[被探索装置2の構造]
次に、図2を用いて被探索装置2の構造について説明する。図2は、本実施の形態に係る被探索装置2の外観図(正面図)である。
被探索装置2は、ユーザ(一般人)が携帯可能な大きさ(例えば、幅W:40mm、高さH:63mm、厚みT:13mm)、および、重さ(例えば、20g)である。
探索装置2の筐体21は、略方形状を為し、非導電性の部材により形成されている。筐体21の正面21aには、LED(Light Emitting Diode)22および電源スイッチ23が設けられている。
LED22は、個別探索モードにおいて探索装置1から電波を受信した時等、所定のタイミングで発光(点滅)する。
筐体21の内部には、アンテナ(図4参照)および基板(図示せず)が収められている。また、基板には、種々の回路(図4参照)が載置される。
筐体21の平面(上端)には、紐などを通すための穴24aを有する凸部24が設けられている。穴24aに通した紐をユーザの衣服(ベルト等)に結びつけることにより、ユーザが雪崩等にあった場合でも、被探索装置2がユーザから離れることが無い。
[探索装置1の回路構成(ブロック図)]
次に、図3を用いて探索装置1の回路構成について説明する。図3は、本実施の形態に係る探索装置1の構成を示すブロック図である。探索装置1は、筐体11(図3では図示せず)と、表示部12と、操作部13と、電源スイッチ14(図3では図示せず)と、基板15(図3では図示せず)と、アンテナ101と、無線部102と、制御部103と、鳴動部104と、電池105と、から主に構成される。無線部102および制御部103は、基板15に載置される。
無線部102は、無線信号の処理を行う。無線部102は、送信部121と、受信部122と、無線制御部123と、第1クロック124と、第1スイッチ125と、第2スイッチ126と、第3スイッチ127と、を有する。
送信部121は、CPU131から出力されたベースバンドのデジタル信号に対して、変調、増幅、アップコンバート等の無線送信処理を行い、第1アンテナ素子111から無線信号を送信する。送信部121から送信される電波(呼出信号等)の周波数は、710MHz以上960MHz以下である。
受信部122は、第1アンテナ素子111に受信された無線信号に対して、増幅、ダウンコンバート、復調等の無線受信処理を行い、ベースバンドのデジタル信号をCPU131に出力する。また、受信部122は、第1アンテナ素子111に受信された電波の受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)を測定し、測定値(アナログ値)を無線制御部123に出力する。
無線制御部123は、第1クロック124のクロック信号を使用して無線部102内の各部の制御を行う。また、無線制御部123は、受信部122から出力された受信信号強度の測定値をデジタル値に変換して、CPU131に出力する。なお、無線制御部123が行う、各スイッチ125、126、127に対する制御の詳細については後述する。
第1クロック124は、高速・高精度のクロックであり、無線部102内部で使用するための、所定周波数(例えば36MHz)の基準クロック信号を生成する。
第1スイッチ125は、無線制御部123の指示に従って、送信部121あるいは受信部122のいずれかと第1アンテナ素子111とを接続する。第2スイッチ126は、無線制御部123の指示に従って、基板15と第2アンテナ素子112との間を接続/切断する。第3スイッチ127は、無線制御部123の指示に従って、基板15と第3アンテナ素子113との間を接続/切断する。
制御部103は、ベースバンド信号の処理を行う。制御部103は、CPU131と、メモリ部132と、第2クロック133と、第3クロック134と、論理演算部135と、を有する。
CPU131は、制御部103の中央処理装置であり、メモリ部132をワークメモリとして、各種プログラムを実行する。特に、CPU131は、被探索装置2に対して送信する信号を生成し、被探索装置2から電波を受信した際に、取得した所定の情報を表示部12に表示させ、鳴動部104から報知音を出力させる。
メモリ部132は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有し、CPU131が実行する各種プログラム、および、各種データを記憶する。
第2クロック133は、低速クロックであり、待機状態等において制御部103内部で使用するための、所定周波数(例えば32kHz)の基準クロック信号を生成する。第3クロック134は、高速・高精度のクロックであり、被探索装置2との通信状態等において制御部103内部で使用するための、所定周波数(例えば40MHz)の基準クロック信号を生成する。
論理演算部135は、CPU131と協働して、送信フレームの送信タイミングと第3クロック134の基準クロックとの差、受信フレームの受信タイミングと第3クロック134の基準クロックとの差、および、被探索装置2における、送信フレームの送信タイミングと第3クロック234(図4参照)の基準クロックとの差、受信フレームの受信タイミングと第3クロック234の基準クロックとの差に基づいて、被探索装置2との間の伝送路の伝播遅延時間を計算する。
鳴動部104は、ユーザからの指示を受けた場合等、所定のタイミングでスピーカから報知音を出力する。
電池105は、筐体11内に収められ、電源スイッチ14を介してユーザから電源ONを指示されると、探索装置1の各部に電源を供給する。
[CPU131の機能]
次に、図3を用いて探索装置1のCPU131の機能について説明する。CPU131は、本発明に係る機能として、信号生成部131aと、信号取得部131bと、距離推定部131cと、方向推定部131dと、を有する。
信号生成部131aは、ユーザの指示(操作部13から入力された電気信号)に基づいて、各種の情報を含むデジタル信号列(送信フレーム)を生成して送信部121に出力する。信号生成部131aは、個別探索モードでは、ユーザから指示された単一の被探索装置2の識別情報および自機の識別情報をデジタル信号に含める。信号生成部131aは、全探索モードでは、全ての被探索装置2に対して応答信号の送信を要求する旨の情報をデジタル信号に含める。信号生成部131aは、グループ探索モードでは、ユーザから指示されたグループに属する全ての被探索装置2の識別情報をデジタル信号に含める。信号生成部131aは、被探索モードでは、信号取得部131bから自機の識別情報の送信を要求する情報を入力した場合、自機の識別情報および通信相手の探索装置1の識別情報をデジタル信号に含める。なお、信号生成部131aは、個別探索モードにおいて、ユーザからの指示等に基づいて、被探索装置2に対して発光または報知音の出力を指示する情報をデジタル信号(応答確認信号)に含めてもよい。
信号取得部131bは、被探索モード以外の通信モードでは、受信された応答信号のデジタル信号列(受信フレーム)から、被探索装置2の識別情報を取得し、表示部12に出力する。信号取得部131bは、被探索モードでは、受信された呼出信号のデジタル信号列(受信フレーム)から情報を取得し、当該情報が自機の識別情報の送信を要求するものである場合には、その旨を信号生成部131aに出力する。なお、信号取得部131bは、全探索モードにおいて、ユーザの指示に基づいて、取得した被探索装置2の識別情報の内、(1)最も受信信号強度が大きいもののみ、(2)登録されている識別情報と一致するもの、(3)全て、のいずれかを表示部12に出力するようにしても良い。
距離推定部131cは、個別探索モードにおいて、受信部122で測定された電波の受信信号強度、あるいは、論理演算部135で計算された伝播遅延時間に基づいて、被探索装置2までの距離を推定し、推定値を表示部12に出力する。なお、本実施の形態における距離推定の詳細については後述する。
方向推定部131dは、個別探索モードにおいて、第2スイッチ126がONかつ第3スイッチ127がOFFのときの受信信号強度、および、第2スイッチ126がOFFかつ第3スイッチ127がONのときの受信信号強度に基づいて、被探索装置2の方向を推定し、推定値を表示部12に出力する。なお、本実施の形態における方向推定の詳細については後述する。
[被探索装置2の回路構成(ブロック図)]
次に、図4を用いて被探索装置2の回路構成について説明する。図4は、本実施の形態に係る被探索装置2の構成を示すブロック図である。被探索装置2は、筐体21(図4では図示せず)と、LED22と、電源スイッチ23(図4では図示せず)と、基板(図示せず)と、アンテナ201と、無線部202と、制御部203と、鳴動部204と、電池205と、から主に構成される。
無線部202は、無線信号の処理を行う。無線部202は、送信部221と、受信部222と、無線制御部223と、第1クロック224と、第1スイッチ225と、を有する。
送信部221は、CPU231から出力されたベースバンドのデジタル信号に対して、変調、増幅、アップコンバート等の無線送信処理を行い、アンテナ201から無線信号を送信する。送信部221から送信される電波(応答信号等)の周波数は、770MHz以上960MHz以下である。
受信部222は、アンテナ201に受信された無線信号に対して、増幅、ダウンコンバート、復調等の無線受信処理を行い、ベースバンドのデジタル信号をCPU231に出力する。
無線制御部223は、第1クロック224のクロック信号を使用して無線部202内の各部の制御を行う。
第1クロック224は、高速・高精度のクロックであり、無線部202内部で使用するための、所定周波数(例えば36MHz)の基準クロック信号を生成する。
第1スイッチ225は、無線制御部223の指示に従って、送信部221あるいは受信部222のいずれかとアンテナ201とを接続する。
制御部203は、ベースバンド信号の処理を行う。制御部203は、CPU231と、メモリ部232と、第2クロック233と、第3クロック234と、を有する。
CPU231は、制御部203の中央処理装置であり、メモリ部232をワークメモリとして、各種プログラムを実行する。特に、CPU231は、探索装置1に対して送信する信号を生成し、探索装置1から電波を受信した場合あるいは探索装置1から指示を受けた場合に、LED22を発光させ、鳴動部204から報知音を出力させる。
メモリ部232は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有し、CPU231が実行する各種プログラム、および、各種データを記憶する。
第2クロック233は、低速クロックであり、待機状態等において制御部203内部で使用するための、所定周波数(例えば32kHz)の基準クロック信号を生成する。第3クロック234は、高速・高精度のクロックであり、探索装置1との通信状態等において制御部203内部で使用するための、所定周波数(例えば40MHz)の基準クロック信号を生成する。
鳴動部204は、探索装置1から電波を受信した時等、所定のタイミングでスピーカから報知音を出力する。
電池205は、筐体21内に収められ、電源スイッチ23を介してユーザから電源ONを指示されると、被探索装置2の各部に電源を供給する。
[CPU231の機能]
次に、図4を用いて被探索装置2のCPU231の機能について説明する。CPU231は、本発明に係る機能として、信号生成部231aと、信号取得部231bと、を有する。
信号生成部231aは、信号取得部231bから自機の識別情報の送信を要求する情報を入力した場合、自機の識別情報および通信相手の探索装置1の識別情報を含むデジタル信号列(送信フレーム)を生成して送信部221に出力する。
信号取得部231bは、受信された呼出信号のデジタル信号列(受信フレーム)から情報を取得し、当該情報が自機の識別情報の送信を要求するものである場合には、その旨を信号生成部231aに出力する。また、信号取得部231bは、探索装置1から電波を受信した場合あるいは探索装置1から指示を受けた場合に、LED22を発光させ、鳴動部204から報知音を出力させる。
[個別探索モードの通信シーケンス]
次に、本実施の形態に係る探索装置1と被探索装置2との個別探索モードでの通信の様子について、図5のシーケンス図を用いて説明する。
探索装置1は、電源ONされた後、ユーザからの指示(操作部13のボタン操作)があるまでは待機状態になる。待機状態では、消費電力を下げるために、探索装置1の各部には電力が供給されない(スリープ状態)。ただし、操作部13および第2クロック133には電池105から電力が供給される。第2クロック133は、常時、低速のクロック回路を動作させてカウント動作を行う。
被探索装置2は、電源ONされた後、待機状態になる。待機状態では、消費電力を下げるために、被探索装置2の各部には電力が供給されない(スリープ状態)。ただし、第2クロック233には電池205から電力が供給される。第2クロック233は、常時、低速のクロック回路を動作させてカウント動作を行う。
第2クロック233のカウント値が満了するまでの第1間隔(例えば3s)毎に、被探索装置2は、各部に電力を供給する(起動状態)。起動状態では、被探索装置2は、第1期間321(例えば3ms)において受信処理を行う。この時、第1クロック224は、クロック回路を動作させてカウント動作を行う。
そして、被探索装置2は、第1期間321の間に、自機の識別情報の送信を要求する情報を取得できなかった場合にはスリープ状態に戻る。
待機状態において、ユーザから探索対象の被探索装置2の識別情報を指示されると、探索装置1は、各部に電力を供給し、被探索装置2の探索を開始する(サーチ状態)。この時、第1クロック124、第3クロック134は、高速のクロック回路を動作させてカウント動作を行う。
サーチ状態に入った探索装置1は、まず、他の探索装置1が電波を送信していないことを確認するために、第2期間311(例えば5ms)において受信処理を行う。そして、探索装置1は、第2期間311の間に他の探索装置1からの電波を受信しなかった場合、上記第1間隔よりも長い第3期間312(例えば3.5s)において、自機の識別情報、探索対象の被探索装置2の識別情報および当該被探索装置2に対して応答信号の送信タイミングを指示するタイミング情報を含む呼出信号を繰り返し送信する。
被探索装置2は、いずれかの第1期間321−3の間に呼出信号を受信すると、探索装置1との通信を開始する(通信状態)。この時、第3クロック234は、高速のクロック回路を動作させてカウント動作を行う。そして、被探索装置2は、呼出信号に含まれるタイミング情報によって指定された第4期間322−1(例えば2ms)において、自機の識別情報、通信相手の探索装置1の識別情報および距離情報(送信フレームの送信タイミングと第3クロック234の基準クロックとの差、受信フレームの受信タイミングと第3クロック234の基準クロックとの差)を含む応答信号(なお、以下の説明において、呼出信号を受信してから最初に送信する応答信号を「呼出応答信号」という)を送信する。
探索装置1は、第5期間313(例えば3ms)において受信処理を行う。そして、探索装置1は、呼出応答信号を受信すると、すぐに、第6期間314−1(例えば2ms)において、自機の識別情報および探索対象の被探索装置2の識別情報を含む応答確認信号を送信する。なお、応答確認信号のベースバンド周波数は、呼出信号のものと異なる。したがって、被探索装置2は、応答確認信号と他の探索装置1からの呼出信号とを同時に受信しても混信を起こすことがない。
被探索装置2は、第4期間322−1の直後の第7期間323−1(例えば3ms)において受信処理を行う。そして、被探索装置2は、応答確認信号を受信すると、第1間隔よりも短い第2間隔(例えば100ms)が経過した後の第4期間322−2において、再び応答信号を送信する。
以降、ユーザから切断指示があるまで、通信システムは、応答信号の送信/受信、応答確認信号の送信/受信を繰り返す。探索装置1は、応答信号を受信する毎に、当該応答信号を用いて被探索装置2の距離と方向を推定し、被探索装置2の識別情報および被探索装置2の距離および方向に関する情報を表示部12の画面上に表示させる。
ユーザから切断指示があると、探索装置1は、次の第6期間314−7において、自機の識別情報、探索対象の被探索装置2の識別情報および当該被探索装置2に対して送信切断を伝達する情報を含む切断信号を送信する。
被探索装置2は、対応する第7期間323−7において切断信号を受信すると、次の第4期間322−8において、自機の識別情報、通信相手の探索装置1の識別情報および切断信号を受信した旨を示す情報を含む切断応答信号を送信する。
探索装置1は、次の第6期間314−8において、自機の識別情報、探索対象の被探索装置2の識別情報および切断応答信号を受信した旨を示す情報を含む切断確認信号を送信し、待機状態に戻る。また、被探索装置2は、次の第7期間323−8において切断確認信号を受信すると待機状態に戻る。
[全探索(グループ探索)モードの通信シーケンス]
次に、本実施の形態に係る探索装置1と被探索装置2との個別探索モードでの通信の様子について、図6のシーケンス図を用いて説明する。なお、グループ探索モードのシーケンスは、全探索モードと同一になる。また、待機状態における探索装置1と被探索装置2の様子は、全ての通信モードにおいて同一であり、既に図5を用いて説明したので、ここではその説明を省略する。
図6において、探索装置1の電波が届く範囲には、4台の被探索装置2(2−1、2−2、2−3、2−4)が存在しているものとする。
全探索モードの場合、通信状態の探索装置1は、まず、他の探索装置1が電波を送信していないことを確認するために、第2期間311(例えば5ms)において受信処理を行う。そして、探索装置1は、第2期間311の間に他の探索装置1から電波を受信しなかった場合、上記第1間隔よりも長い第3期間312(例えば3.5s)において、全ての被探索装置2に対して識別情報の送信を要求する情報を含む呼出信号を繰り返し送信する。
各被探索装置2は、いずれかの第1期間321−12、321−22、321−31、321−41の間に呼出信号を受信すると、当該第1期間321の開始から第1間隔時間が経過した後の第4期間322において、自機の識別情報を含む呼出応答信号を送信する。
探索装置1は、第3期間312の満了後、上記第1間隔よりも長い第5期間313(例えば3.5s)において呼出応答信号を受信する。
以降、通信システムは、予め定められた回数Nだけ、呼出信号の送信/受信、呼出応答信号の送信/受信を繰り返す。探索装置1は、受信した呼出応答信号に含まれる被探索装置2の識別情報を表示部12の画面上に表示させる。その後、探索装置1および各被探索装置2は、待機状態に戻る。
[距離推定]
次に、本実施の形態に係る探索装置1による被探索装置2までの距離の推定方法について説明する。無線通信の分野における距離の推定方法として、受信信号強度に基づく第1距離推定方法と、伝播遅延時間に基づく第2距離推定方法とが知られている。
図7は、距離と受信信号強度との関係を示す図である。図7において、横軸は距離(m)、縦軸は受信信号強度(dBm)である。図7に示すように距離と受信信号強度との間には相関があり、距離が長くなるほど受信信号強度は低くなる。第1距離推定方法は、この距離と受信信号強度との間には相関を用いて距離を推定する方法である。
ここで、図7に示すように、距離が長くなるほど、単位距離に対する受信信号強度の変動量が小さくなる。したがって、探索装置1は、被探索装置2までの距離が短い場合には、第1距離推定方法を用いることにより、精度良く距離を推定することができる。一方、被探索装置2までの距離が長い場合には、電波変動が緩やかになるため、第1距離推定方法を用いると、精度良く距離を推定することができない。
第2距離推定方法は、計算された伝播遅延時間に電波の速さを乗算することにより距離を推定する方法である。第2距離推定方法の推定精度は、距離によらず略一定である。また、被探索装置2までの距離が長い場合は、その距離が短い場合に比べて推定精度の高さを要求されない。
上記の点に鑑み、本実施の形態に係る探索装置1の距離推定部131cは、測定された受信信号強度が、所定の閾値(例えば−50dBm)よりも大きい場合(近距離モード)には受信信号強度に基づく第1距離推定方法を用いて被探索装置2までの距離を推定し、所定の閾値以下の場合(広域モード)には伝播遅延時間に基づく第2距離推定方法を用いて被探索装置2までの距離を推定する。
なお、本実施の形態では、推定方法の切り替えにヒステリシス制御を用い、第1距離推定方法から第2距離推定方法に切り替えるための第1閾値と、第2距離推定方法から第1距離推定方法に切り替えるための第2閾値(>第1閾値)とを、それぞれ設定してもよい。これにより、推定方法の切り替えが頻繁になって推定距離が短時間で大きく上下してしまうことを防ぐことができる。
また、本実施の形態では、第1距離推定方法から第2距離推定方法への切り替えを受信信号強度と第3閾値との大小関係に基づいて行い、第2距離推定方法から第1距離推定方法への切り替えを伝播遅延時間と第4閾値との大小関係に基づいて行ってもよい。
[アンテナ制御および方向推定]
次に、本実施の形態に係る探索装置1によるアンテナ101の制御および被探索装置2の方向の推定方法について説明する。
無線制御部123は、電波(応答信号)を受信する際、第1スイッチ125を制御して第1アンテナ素子111と受信部122と接続させる。
また、個別探索モードにおいて、無線制御部123は、電波(応答信号)の受信期間中の第1部分期間において、第2スイッチ126をONにして基板15と第2アンテナ素子112との間を接続し、第3スイッチ127をOFFにして基板15と第3アンテナ素子113との間を切断する。
この制御により、接続した第2アンテナ素子112および基板15は、全体として第1アンテナ素子111(放射器)より長くなるので、反射器として作用する。また、第3アンテナ素子113は、第1アンテナ素子111(放射器)より短くなるので、導波器として作用する。
この結果、第1部分期間では、図8の第1受信指向性801が形成される。この時、ユーザが、探索装置1を、平面11e側(上端側)を前方にして略水平に持つと、探索装置1は、右斜め前方からの電波を強く受信することができる。
また、無線制御部123は、電波(応答信号)の受信期間中の第2部分期間において、第2スイッチ126をOFFにして基板15と第2アンテナ素子112との間を切断し、第3スイッチ127をONにして基板15と第3アンテナ素子113との間を接続する。
この制御により、接続した第3アンテナ素子113および基板15は、全体として第1アンテナ素子111(放射器)より長くなるので、反射器として作用する。また、第2アンテナ素子112は、第1アンテナ素子111(放射器)より短くなるので、導波器として作用する。
この結果、第2部分期間では、図8の第2受信指向性802が形成される。この時、ユーザが、探索装置1を、平面11e側(上端側)を前方にして略水平に持つと、探索装置1は、左斜め前方からの電波を強く受信することができる。
そして、探索対象の被探索装置2がユーザの右側に存在する場合、第1部分期間における受信信号強度が、第2部分期間における受信信号強度よりも高くなる。逆に、探索対象の被探索装置2がユーザの左側に存在する場合、第1部分期間における受信信号強度が、第2部分期間における受信信号強度よりも低くなる。
したがって、本実施の形態によれば、第1部分期間と第2部分期間とにおける受信信号強度の差の大きさおよび大小関係によって被探索装置2の方向を推定することができる。
なお、個別探索モードにおける電波送信時、全探索モード時、グループ探索モード時および被探索モード時には、無線制御部123が第2スイッチ126および第3スイッチ127をOFFにし、探索装置1は、無指向性の送受信を行ってもよい。
本実施の形態では、メモリ部132が、図9に示すように、受信信号強度の差の大きさとその符号(大小関係)に基づく推定方向を示す情報テーブルを格納する。方向推定部131dは、第1部分期間内および第2部分期間内においてそれぞれ測定された受信信号強度から、図9の情報テーブルを参照して、被探索装置2の方向を推定し、推定結果を表示部12に出力する。
なお、方向推定部131dは、複数回測定された受信信号強度を平均化し、平均値を用いて被探索装置2の方向を推定しても良い。これにより、伝搬路の変動の影響を吸収することができる。
[表示画面]
次に、図10を用いて、本実施の形態に係る探索装置の画面に表示する情報について説明する。
図10(A)は、既に登録している被探索装置2の探索を開始する際の個別探索モードの開始時の画面である。この画面には、登録番号と共に探索対象の被探索装置2の識別番号(識別情報)1001が表示される。ユーザがこの表示状態で探索実行を指示すると、探索装置1は、画面に識別番号が表示されている被探索装置2について個別探索モードを実行する。
図10(B)は、未登録の被探索装置2の探索を開始する際の個別探索モードの開始時の画面である。この画面には、探索対象の被探索装置2の識別番号(識別情報)の入力が完了した部分1002が表示される。ユーザが識別番号の入力を完了した後にこの表示状態で探索実行を指示すると、探索装置1は、画面に識別番号が表示されている被探索装置2について個別探索モード(図5参照)を実行する。
図10(C)は、全探索モードの開始時の画面である。この画面には、「ALL」の文字1003が表示される。ユーザがこの表示状態で探索実行を指示すると、探索装置1は、全別探索モード(図6参照)を実行する。
図10(D)は、グループ探索モードの開始時の画面である。この画面には、「登録ALL」の文字1004が表示される。ユーザがこの表示状態で探索実行を指示すると、探索装置1は、予め登録された全ての被探索装置2に対してグループ探索モード(図6参照)を実行する。
図10(E)は、個別探索モードを実行し、被探索装置2から応答信号を受信した際の画面である。この画面には、応答があった被探索装置2の識別情報1005−1、被探索装置2までの距離に関する情報1005−2、被探索装置2の方向に関する情報1005−3、受信信号強度を示す情報1005−4等が画面上に表示させる。
なお、本実施の形態では、被探索装置2の方向に関する情報1005−3の更新を1ステップずつに制限する。例えば、前回の方向推定の結果が左75°であり、次の方向推定の結果が右30°であった場合、画面には、左75°から1ステップ(15°)右30°に近づいた左60°を示す情報が表示される。その後、方向推定の結果が継続して右30°であった場合、画面には、左45°、左30°左15°、0°、右15°、右30°をそれぞれ示す情報が順次表示される。これにより、電波遮断等による推定方向の一時的かつ急激な変動の影響を吸収することができる。また、図8の指向性は、ユーザの探索装置1の持ち方等により変動するものであり、受信信号強度から推定した方向と実際の被探索装置2の方向は必ずしも一致しないが、本実施の形態の方向推定は、大まかに被探索装置2の方向を推定することができ、十分有効なものである。
図10(F)は、全探索モードあるいはグループ探索モードを実行し、被探索装置2から呼出応答信号を受信した際の画面である。この画面には、探索された全ての被探索装置2の識別情報1006が画面上に表示させる。この時、受信信号強度が高い順番に、被探索装置2の識別情報1006が上から表示される。
[フローの説明]
次に、図11Aおよび図11Bを用いて、本実施の形態に係る探索装置1の動作の流れを説明する。
探索装置1は、電源がONされた段階ではスリープ状態となり(ST1101)、この状態で、ユーザからの指示を待つ(ST1102)。
ユーザからの指示が個別探索モードであった場合(ST1102:個別探索モード)、探索装置1は、探索対象の被探索装置2に対して呼出信号を送信する(ST1103、ST1104)。そして、探索装置1は、呼出信号において被探索装置2に指示したタイミングで受信処理を行う(ST1105)。
ST1105において呼出応答信号を受信できなかった場合には(ST1106:NO)、探索装置1は、ST1104からST1106のステップを繰り返す(ST1107:NO、ST1108)。そして、呼出信号をM回送信しても呼出応答信号を受信できなかった場合(ST1107:YES)、探索装置1は、応答がない旨のメッセージを表示部12の画面に表示する(ST1109)。そして、フローは、ST1132に進む。
ST1105において呼出応答信号を受信できた場合(ST1106:YES)、探索装置1は、被探索装置2に対して直ぐに応答確認信号を送信する(ST1110)。また、探索装置1は、応答信号の受信信号強度を測定し(ST1111)、被探索装置2までの距離を推定し(ST1112)、被探索装置2の方向を推定する(ST1113)。そして、探索装置1は、被探索装置2の識別情報、および、被探索装置2の距離および方向に関する情報を表示部12の画面に表示する(ST1114)。
その後、ユーザから探索終了の指示がなく(ST1115:NO)、タイマが所定の時間を計時して終了しなければ(ST1116:NO)、探索装置1は、所定の間隔で再び受信処理を行う(ST1117)。
ST1117において応答信号を受信できなかった場合には(ST1118:NO)、探索装置1は、ST1115からST1117のステップを繰り返す。一方、ST1117において応答信号を受信できた場合には(ST1118:YES)、フローはST1110に戻り、探索装置1は、ST1110からST1117のステップを繰り返す(通信状態)。
この通信状態において、ユーザから探索終了の指示があった場合(ST1115:YES)、あるいは、タイマが所定の時間を計時して終了した場合(ST1116:YES)、探索装置1は、切断信号送信、切断応答信号受信および切断確認信号送信の切断処理を行う(ST1119)。そして、フローは、ST1132に進む。
ST1102において、ユーザからの指示が全探索モードあるいはグループ探索モードであった場合(ST1102:全探索モード、グループ探索モード)、探索装置1は、全ての被探索装置2に対して、あるいは、予め登録された全ての被探索装置2に対して、一斉に呼出信号を送信し(ST1121、ST1122)、所定期間に渡って受信処理を行う(ST1123)。探索装置1は、ST1122およびST1123のステップをN回繰り返す(ST1124、ST1125)。
N回のST1123において応答信号を1つも受信できなかった場合には(ST1126:NO)、探索装置1は、探索装置1は、応答がない旨のメッセージを表示部12の画面に表示する(ST1127)。そして、フローは、ST1132に進む。
N回のST1123において1つでも応答信号を受信できた場合(ST1126:YES)、探索装置1は、被探索装置2の識別情報を表示部12の画面に表示する(ST1128)。
その後、ユーザから個別探索モードへの移行指示や探索終了の指示がなく(ST1129:NO、ST1130:NO)、タイマが所定の時間を計時して終了しなければ(ST1131:NO)、探索装置1は、ST1128のステップを繰り返す。
ST1128の後、個別探索モードへの移行指示があった場合(ST1129:YES)、フローはST1103に進む。また、ユーザから探索終了の指示があった場合(ST1130:YES)、あるいは、タイマが所定の時間を計時して終了した場合(ST1131:YES)、フローは、ST1132に進む。
ST1132において、電源がOFFされなければ(ST1132:NO)、フローはST1101に戻る。一方、ST1132において、電源がOFFされれば(ST1132:YES)、フローは終了する。
なお、ST1102において、ユーザからの指示が被探索モードであった場合(ST1102:被探索モード)、フローは図12のST1201に進み、探索装置1は、被探索装置として動作する。
次に、図12を用いて、本実施の形態に係る被探索装置2の動作の流れを説明する。
被探索装置2は、電源がONされた段階ではスリープ状態となり(ST1201)、定期的に(第1間隔で)受信処理を行う(ST1202)。
ST1202において呼出信号を受信できなかった場合には(ST1203:NO)、被探索装置2は、ST1201のスリープ状態に戻る。
ST1202において呼出信号を受信できた場合(ST1203:YES)、被探索装置2は、探索装置1に対して、指定されたタイミングで応答信号を送信し(ST1204)、直ぐに受信処理を行う(ST1205)。
ST1205において応答確認信号を受信できた場合(ST1206:YES)、被探索装置2は、所定時間(第2間隔)経過後、探索装置1に対して再び応答信号を送信する(ST1204)。以降、応答確認信号を受信できた場合(ST1206:YES)、ST1204およびST1205のステップを繰り返す。
ST1205において応答確認信号を受信せず(ST1206:NO)、切断信号を受信した場合(ST1207:YES)、被探索装置2は、切断応答信号送信および切断確認信号受信の切断処理を行う(ST1208)。そして、フローは、ST1209に進む。
ST1205において応答確認信号、切断信号のいずれも受信しなかった場合(ST1206:NO、ST1207:NO)、フローは、ST1209に進む。
ST1209において、電源がOFFされなければ(ST1209:NO)、フローはST1201に戻る。一方、ST1209において、電源がOFFされれば(ST1209:YES)、フローは終了する。
[効果]
以上説明したように、本実施の形態によれば、被探索装置2は、ビーコン等、定期的な信号を常に送信する必要が無く、探索装置1からの呼出信号を受信した時のみ応答信号を送信すれば良いので、従来の装置に比べて電力消費が少なくなる。したがって、被探索装置2は、長期間(例えば3ヶ月以上)に渡って連続して動作することができ、ユーザが入山時等、事前に電源をONにしておいても下山するまで電池が切れる心配が無い。さらに、被探索装置2は、事前に電源をONにしておけば、ユーザの更なる操作を必要とすることなく、探索装置1と無線通信を行うことができるので、ユーザが雪崩等にあって気を失った場合でも、探索装置1は被探索装置2の位置を特定することができる。
また、探索装置1および被探索装置2は、710MHz以上960MHz以下の周波数を用いて無線通信を行うので、被探索装置2における探索装置1からの電波の受信可能距離が長く、探索装置1は、広い範囲(例えば100mから5km)を探索することができる。なお、WLANの2.4GHzのように、より高い周波数を用いると、アンテナが短くなり、受信可能距離が短くなる。また、より高い周波数を用いると、電波の直進性が強くなり、回り込みが少なくなるので、障害物があるような環境において、遭難者等を発見できる可能性が低くなってしまう。一方、より低い周波数を用いると、アンテナが長くなり、装置が大型化してしまう。
また、本実施の形態の距離推定方法を用いることにより、探索装置1は、被探索装置2が近距離に存在する場合には、被探索装置2までの相対距離を精度良く推定することができ、被探索装置2が近距離に存在しない場合には、被探索装置2までの相対距離を所定の精度で推定することができる。
また、本実施の形態のアンテナ構造およびスイッチング制御を用いることにより、アレーアンテナを用いる場合に比べて、アンテナ部分の回路規模を小さくし、装置全体を小型軽量化することができる。電波を受信する第1アンテナ素子111(放射器)では、指向性を切り替えるためのスイッチング行われないので、スイッチングロスが最小限となる。また、第2スイッチ126と第3スイッチ127の切り替えタイミングが同時であるので、スイッチ切り替えのための制御系が1つのみとなる。
また、本実施の形態の探索装置1の筐体11の背面11fの中央部に凹部16を設けることにより、ユーザは、第1指(親指)で操作部13のボタンを押すことができるように探索装置1を手に持つ場合、凹部16に第2指(人差し指)を収めることにより、探索装置1を安定して持つことができる。また、この持ち方は、各アンテナ素子111、112、113の周辺に手や指が来ないので、アンテナ指向性に影響することを防止し、方向推定精度を安定化させることができる。
また、本実施の形態の被探索装置2が、探索装置1から電波を受信した場合あるいは探索装置1から指示を受けた場合に、LED22を発光させ、鳴動部204から報知音を出力させることにより、探索装置1のユーザは、自己の視覚あるいは聴覚によっても被探索装置2を探索することができる。
そして、本実施の形態によれば、上記の効果により、山岳遭難者等を発見する可能性がより高まり、また発見されるまでの時間がより短縮されることが期待できる。
なお、上記実施の形態では、全探索モードあるいはグループ探索モードにおいて、被探索装置2が探索装置1からの呼出信号を受信すると必ず呼出応答信号を送信する場合について説明したが、本発明はこれに限られず、被探索装置2が、予め所定の探索装置1の識別情報を格納しておき、探索装置1からの呼出信号を受信したときに、格納した探索装置1の識別情報の中に当該呼出信号に含まれる探索装置1の識別情報と一致するものがある場合にのみ呼出応答信号を送信するようにしても良い。
これにより、探索装置1は、自機の識別情報が登録されている被探索装置2の識別情報のみを表示させることができる。また、被探索装置2は、呼出応答信号を送信する回数が相対的に減るので、消費電力を抑えることができる。
また、上記実施の形態では、探索装置1のLCD等の画面に、推定した被探索装置2の距離および方向に関する情報を表示する場合について説明したが、本発明はこれに限られず、探索装置1の筐体11の正面に複数のLEDを設け、被探索装置2の距離および方向に応じて、発光させるLEDの位置を変える等、他の表示方法を用いても良い。
また、上記実施の形態では、アンテナ指向性に影響することを防止するために探索装置1の筐体11の背面11fの中央部に凹部16を設ける場合について説明したが、本発明はこれに限られず、背面11fの中央よりもやや平面11e側(上端側)に凸部を設ける等、他の構成値によって、各アンテナ素子111、112、113の周辺に手や指が来ないようにしても良い。
本発明は、他の通信装置の位置を探索するための探索装置、および、探索装置と被探索装置とから構成される通信システムに用いるのに好適である。
1 探索装置
2 被探索装置
11、21 筐体
12 表示部
13 操作部
14、23 電源スイッチ
15 基板
16 凹部
22 LED
101、201 アンテナ
102、202 無線部
103、203 制御部
104、204 鳴動部
105、205 電池(電源部)
111 第1アンテナ素子
112 第2アンテナ素子
113 第3アンテナ素子
121、221 送信部
122、222 受信部
123、223 無線制御部
124、224 第1クロック
125、225 第1スイッチ
126 第2スイッチ
127 第3スイッチ
131、231 CPU
131a、231a 信号生成部
131b、231b 信号取得部
131c 距離推定部
131d 方向推定部
132、232 メモリ部
133、233 第2クロック
134、234 第3クロック
135 論理演算部

Claims (10)

  1. 携帯可能な被探索装置と直接無線通信を行う、携帯可能な探索装置であって、
    前記被探索装置に対して呼出信号を送信する送信手段と、
    前記呼出信号に対応する前記被探索装置からの応答信号を受信する受信手段と、
    前記呼出信号を生成して前記送信手段に出力し、前記応答信号を送信した被探索装置の識別情報を表示させる制御手段と、
    を具備し、
    1つの探索対象の被探索装置と無線通信を行う場合、前記制御手段は、自機と前記探索対象の被探索装置との距離および自機からみた前記探索対象の被探索装置の方向を推定し、前記探索対象の被探索装置の識別情報、および、前記推定した距離および方向に関する情報を表示させる、
    探索装置。
  2. 画面を有する表示部を、さらに有し、
    前記制御手段は、
    前記探索対象の被探索装置の識別情報、および、前記推定した距離および方向に関する情報を前記画面上に表示させる、
    請求項1に記載の探索装置。
  3. 複数の被探索装置それぞれと個別に無線通信を行う場合、前記制御手段は、前記複数の被探索装置に対して応答信号を送信させる呼出信号を生成して前記送信手段に出力し、前記応答信号を送信した被探索装置の識別情報を表示させる、
    請求項1または請求項2に記載の探索装置。
  4. 前記制御手段は、ユーザの指示に基づいて、1つの被探索装置に対して応答信号を送信させる呼出信号か、前記複数の被探索装置に対して応答信号を送信させる呼出信号を、選択的に生成して前記送信手段に出力する、
    請求項3に記載の探索装置。
  5. 前記送信手段は、710MHz以上960MHz以下の周波数で前記呼出信号を無線送信する、
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の探索装置。
  6. 携帯可能な探索装置と、前記探索装置と無線通信を行う携帯可能な被探索装置と、から構成される通信システムであって、
    前記探索装置は、
    前記被探索装置に対して呼出信号を送信する第1送信手段と、
    前記被探索装置からの応答信号を受信する第1受信手段と、
    前記呼出信号を生成して前記第1送信手段に出力し、前記第1受信手段に受信された応答信号を用いて自機と前記被探索装置との距離および自機からみた前記被探索装置の方向を推定する第1制御手段と、
    を具備し、
    前記被探索装置は、
    前記探索装置からの前記呼出信号を受信する第2受信手段と、
    前記呼出信号を受信すると前記応答信号を生成する第2制御手段と、
    前記第2制御手段で生成された応答信号を送信する第2送信手段と、
    を具備する、
    通信システム。
  7. 前記探索装置は、画面を有する表示部を、さらに有し、
    前記第1制御手段は、
    前記被探索装置の識別情報、および、前記推定した距離および方向に関する情報を前記画面上に表示させる、
    請求項6に記載の通信システム。
  8. 前記第1送信手段は、710MHz以上960MHz以下の周波数で前記呼出信号を送信し、
    前記第2送信手段は、710MHz以上960MHz以下の周波数で前記応答信号を送信する、
    請求項6または請求項7に記載の通信システム。
  9. 前記第2受信手段は、前記呼出信号を受信するために第1の間隔毎に起動し、
    前記第2送信手段は、前記応答信号を第2の間隔毎に送信し、
    前記第1の間隔は、前記第2の間隔よりも長い、
    請求項6から請求項8のいずれかに記載の通信システム。
  10. 前記第1送信手段は、前記応答信号を受信する毎に応答確認信号を送信し、
    前記第2制御手段は、前記応答確認信号が受信される度に、発光素子を発光させる、あるいは、鳴動部から報知音を出力させる、
    請求項6から請求項9のいずれかに記載の通信システム。
JP2013245284A 2013-11-27 2013-11-27 探索装置および通信システム Active JP5595578B1 (ja)

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