以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。
図1を参照して、無線通信システム301は、たとえば3GPP(Third Generation Partnership Project)で規格化されたLTE(Long Term Evolution)に従う移動体通信システムであり、マクロ基地局201と、フェムト基地局(無線基地局装置)101A,101B,101C,101Dと、ゲートウェイ装置203と、上位装置205とを備える。
以下、フェムト基地局101A,101B,101C,101Dの各々をフェムト基地局101と称する場合がある。また、図1では、1つのマクロ基地局と、4つのフェムト基地局とを代表的に示しているが、少数またはさらに多数のマクロ基地局およびフェムト基地局が設けられてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、フェムト基地局101A,101B,101C,101Dが、それぞれ隣接セル処理装置として動作する。すなわち、フェムト基地局101A,101B,101C,101Dの各々は、単体で隣接セル情報の最適化を行なう。
マクロ基地局201は、たとえば半径数キロメートルのマクロセルMCを形成する。また、フェムト基地局101A,101B,101C,101Dは、たとえば半径数10メートルのフェムトセルFCA,FCB,FCC,FCDをそれぞれ形成する。
マクロ基地局201は、マクロセルMC内に存在する無線端末装置202と無線信号を送受信することにより、当該無線端末装置202と通信することが可能である。
フェムト基地局101A,101B,101C,101Dは、宅内および地下街等、マクロ基地局201からの無線信号を無線端末装置202が受信しにくい場所に設置され、それぞれフェムトセルFCA,FCB,FCC,FCD内に存在する無線端末装置202と無線信号を送受信することにより、当該無線端末装置202と通信することが可能である。
ゲートウェイ装置203は、フェムト基地局101A,101B,101C,101Dとコアネットワーク204における上位装置205との間で送信される種々の通信データの中継処理等を行なう。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るフェムト基地局の構成を示す図である。
図2を参照して、フェムト基地局101は、アンテナ91と、サーキュレータ92と、無線受信部93と、無線送信部94と、信号処理部95とを備える。信号処理部95は、受信信号処理部96と、送信信号処理部97とを含む。信号処理部95は、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)等によって実現される。
サーキュレータ92は、アンテナ91において受信された無線端末装置202からの無線信号を無線受信部93へ出力し、また、無線送信部94から受けた無線信号をアンテナ91へ出力する。
無線受信部93は、サーキュレータ92から受けた無線信号をベースバンド信号またはIF(Intermediate Frequency)信号に周波数変換し、この周波数変換した信号をデジタル信号に変換して受信信号処理部96へ出力する。
受信信号処理部96は、無線受信部93から受けたデジタル信号に対してCDMA(Code Division Multiple Access)方式における逆拡散等の信号処理を行ない、この信号処理後のデジタル信号の一部または全部を所定のフレームフォーマットに変換してゲートウェイ装置203へ送信する。
送信信号処理部97は、ゲートウェイ装置203から受信した通信データを所定のフレームフォーマットに変換した通信データまたは自ら生成した通信データに対してOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式におけるIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)等の信号処理を行ない、この信号処理後のデジタル信号を無線送信部94へ出力する。
無線送信部94は、送信信号処理部97から受けたデジタル信号をアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号を無線信号に周波数変換してサーキュレータ92へ出力する。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る信号処理部の構成を示す図である。
図3を参照して、受信信号処理部96は、ハンドオーバ情報取得部11と、隣接セル情報生成部12とを含む。送信信号処理部97は、隣接セル情報送信部13を含む。
ハンドオーバ情報取得部11は、無線端末装置202のハンドオーバ動作履歴を示すハンドオーバ情報を他のフェムト基地局101および無線端末装置202の少なくとも一方からの情報に基づいて取得する。
隣接セル情報生成部12は、ハンドオーバ情報取得部11によって取得されたハンドオーバ情報に基づいて、隣接セル情報を与える対象となるフェムト基地局(以下、対象フェムト基地局とも称する。)以外の無線通信システム301における複数のフェムト基地局101のうち、対象フェムト基地局の周辺に設置された1または複数のフェムト基地局101を示す隣接セル情報を生成する。
たとえば、隣接セル情報生成部12は、対象フェムト基地局と通信する無線端末装置202のハンドオーバ先候補となる1または複数のフェムト基地局101を示す隣接セル情報を生成する。本発明の第1の実施の形態に係るフェムト基地局では、対象フェムト基地局は自己のフェムト基地局101である。
隣接セル情報送信部13は、隣接セル情報生成部12によって生成された隣接セル情報を自己のフェムト基地局101と通信可能な無線端末装置202、すなわち自己のフェムト基地局101によって形成されるフェムトセルに存在する無線端末装置202へ送信する。
[初期の隣接セル情報の生成]
図4は、フェムト基地局の設置場所およびフェムトセル配置の一例を示す図である。
図4を参照して、フェムト基地局101A,101B,101C,101Dがたとえば地下街に設置され、フェムトセルFCA,FCB,FCC,FCDの各々の一部が重なり合うように形成されている。この地下街は、複数の構造物WAで区切られることにより、複数の通路PAが形成されている。
たとえば、各フェムト基地局101は、設置されて起動されると、自ら周辺のフェムト基地局101を検索し、検索したフェムト基地局を示す初期の隣接セル情報を生成する。図4では、フェムト基地局101Cが、検索したフェムト基地局101A,101B,101Dを示す初期の隣接セル情報を生成している。無線通信システム301では、初期の段階における最適化されていない隣接セル情報の生成方法および収集方法は任意である。
図5は、初期の隣接セル情報を生成する方法の他の例を示す図である。
図5を参照して、フェムト基地局101A,101B,101C,101Dは、各フェムト基地局101が共通に接続されているゲートウェイ装置203から隣接セル情報を取得してもよい。たとえば、ゲートウェイ装置203は、接続されている配下のフェムト基地局101A,101B,101C,101Dから対象フェムト基地局を除いた隣接セル情報を各フェムト基地局101に通知する。
[ハンドオーバ情報の収集]
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおける無線端末装置およびフェムト基地局間の通信開始からハンドオーバ完了までのシーケンスの一例を示す図である。
図6を参照して、まず、無線端末装置202およびフェムト基地局101A間で無線制御信号のリンク設定、すなわちIP(Internet Protocol)パケット等の通信データを送受信する前段階の各種制御処理が行われる(ステップS1)。
次に、無線端末装置202およびフェムト基地局101A間でNAS(Non-Access Stratum)層のセキュリティ処理、すなわち通信の暗号化に必要な情報の送受信が行われる(ステップS2)。たとえば、LTEでは、無線端末装置202は、コアネットワーク204における上位装置205との間で当該情報をやりとりし、フェムト基地局101Aは当該情報を中継する役割を果たす。
次に、無線端末装置202およびフェムト基地局101A間で無線データリンクの設定が行われる。たとえば、フェムト基地局101Aでは、IPパケット等の通信データを送受信するためのリソース割り当て処理が行われ、その後、無線端末装置202およびフェムト基地局101A間で通信データが送受信される。また、フェムト基地局101Aは、他のフェムト基地局101から送信される無線信号の受信レベルを無線端末装置202に測定させるための測定開始要求を無線端末装置202へ送信する(ステップS3)。たとえば、LTEでは、フェムト基地局101Aから無線端末装置202に通知される無線データリンクの設定要求に、この測定開始要求が含まれる。
次に、無線端末装置202は、フェムト基地局101Aから測定開始要求を受信して、自ら保持している隣接セル情報の示すフェムト基地局101から送信される無線信号の受信レベルを測定する(ステップS4)。
次に、無線端末装置202は、この受信レベルの測定結果を示す測定結果通知をフェムト基地局101Aへ送信する(ステップS5)。
次に、フェムト基地局101Aは、無線端末装置202から受信した測定結果通知に基づいて、当該無線端末装置202がハンドオーバすべきか否かを判断し、ハンドオーバすべきであると判断すると、たとえばフェムト基地局101Bをハンドオーバ先として決定する(ステップS6)。
ここで、本発明の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、ハンドオーバとは、通話中またはデータ通信中の無線端末装置202の通信相手となるフェムト基地局101が切り替えられることを意味する。
次に、フェムト基地局101Aは、フェムト基地局101Bへハンドオーバ要求を送信する(ステップS7)。
次に、フェムト基地局101Bは、フェムト基地局101Aからハンドオーバ要求を受信して、フェムト基地局101Aへ当該ハンドオーバ要求に対するハンドオーバ応答を送信する(ステップS8)。
次に、フェムト基地局101Aは、フェムト基地局101Bから受信したハンドオーバ応答がハンドオーバ可能である旨を示している場合には、無線端末装置202へハンドオーバ指示を送信する(ステップS9)。
次に、無線端末装置202およびフェムト基地局101B間で無線制御信号のリンク設定が行われる(ステップS10)。この際、無線端末装置202およびフェムト基地局101A間で無線制御信号のリンクおよび無線データリンクの設定解除等も行われる。
次に、無線端末装置202およびフェムト基地局101B間でNAS層のセキュリティ処理が行われる(ステップS11)。
次に、無線端末装置202およびフェムト基地局101B間で無線データリンクの設定が行われ、その後、無線端末装置202およびフェムト基地局101B間でIPパケット等の通信データが送受信される(ステップS12)。
次に、フェムト基地局101Bは、フェムト基地局101Aへハンドオーバ完了通知を送信する(ステップS13)。
次に、フェムト基地局101Aは、フェムト基地局101Bからハンドオーバ完了通知を受信することにより、ハンドオーバ情報を取得する、すなわち、自己の保持しているハンドオーバ回数等を更新する(ステップS14)。そして、フェムト基地局101Aは、必要に応じて隣接セル情報の最適化を行なう。
次に、フェムト基地局101Aは、無線端末装置202による通話またはデータ通信が終了すると、無線端末装置202に割り当てたリソースを解放する(ステップS15)。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、フェムト基地局がハンドオーバ情報を取得するシーケンスの一例を示す図である。
図7を参照して、まず、無線端末装置202Aにおいてフェムト基地局101Aをハンドオーバ先またはハンドオーバ元とするハンドオーバが発生する(ステップS21)。
次に、フェムト基地局101Aは、無線端末装置202Aにおいて発生したハンドオーバ動作の内容をハンドオーバ情報に反映して更新する(ステップS22)。
次に、無線端末装置202Bにおいてフェムト基地局101Aをハンドオーバ先またはハンドオーバ元とするハンドオーバが発生する(ステップS23)。
次に、フェムト基地局101Aは、無線端末装置202Bにおいて発生したハンドオーバ動作の内容をハンドオーバ情報に反映して更新する(ステップS24)。
次に、無線端末装置202Cにおいてフェムト基地局101Aをハンドオーバ先またはハンドオーバ元とするハンドオーバが発生する(ステップS25)。
次に、フェムト基地局101Aは、無線端末装置202Cにおいて発生したハンドオーバ動作の内容をハンドオーバ情報に反映して更新する(ステップS26)。
次に、フェムト基地局101Aは、更新後のハンドオーバ情報に基づいて、隣接セル情報の最適化を行なう(ステップS27)。
図8は、図4に示す設置場所において無線端末装置が移動する経路の一例を示す図である。
図8を参照して、フェムトセルFCBに存在し、フェムト基地局101Bと通信中の無線端末装置202が図8の各矢印に示すように移動した場合、無線端末装置202は、フェムト基地局101Bからフェムト基地局101A、フェムト基地局101Cおよびフェムト基地局101Dへそれぞれハンドオーバする。
すなわち、フェムトセルFCBに存在し、フェムト基地局101Bと通信中の無線端末装置202が図8の各矢印に示すように移動した場合、無線端末装置202の通信相手は、フェムト基地局101Bからフェムト基地局101A、フェムト基地局101Cおよびフェムト基地局101Dへそれぞれ切り替えられる。
図9は、本発明の第1の実施の形態に係るフェムト基地局がハンドオーバ情報を取得するシーケンスおよび取得したハンドオーバ情報の一例を示す図である。
図9を参照して、フェムト基地局101Bは、図6および図7に示すシーケンスに従ってハンドオーバ情報を取得する。すなわち、フェムト基地局101Bは、各無線端末装置202においてハンドオーバが発生し、このハンドオーバが完了するたびに(ステップS51およびS53)、ハンドオーバ回数をハンドオーバ先のフェムト基地局ごとにカウントし、保持しているハンドオーバ回数テーブルを更新する(ステップS52およびS54)。
具体的には、まず、フェムト基地局101Bでは、フェムト基地局101Bからフェムト基地局101Aへのハンドオーバが19回発生し、フェムト基地局101Bからフェムト基地局101Cへのハンドオーバが1回発生し、フェムト基地局101Bからフェムト基地局101Dへのハンドオーバが15回発生したことを示すハンドオーバ回数テーブルが得られている。
次に、フェムト基地局101Bからフェムト基地局101Aへのハンドオーバが無線端末装置202において発生すると、フェムト基地局101Aは、ハンドオーバ完了通知をフェムト基地局101Bへ送信する(ステップS51)。
次に、フェムト基地局101Bは、フェムト基地局101Aからハンドオーバ完了通知を受信して、ハンドオーバ回数テーブルにおいてフェムト基地局101Bからフェムト基地局101Aへのハンドオーバ回数を19回から20回に変更する(ステップS52)。
次に、フェムト基地局101Bからフェムト基地局101Cへのハンドオーバが無線端末装置202において発生すると、フェムト基地局101Cは、ハンドオーバ完了通知をフェムト基地局101Bへ送信する(ステップS53)。
次に、フェムト基地局101Bは、フェムト基地局101Cからハンドオーバ完了通知を受信して、ハンドオーバ回数テーブルにおいてフェムト基地局101Bからフェムト基地局101Cへのハンドオーバ回数を1回から2回に変更する(ステップS54)。
フェムト基地局101Bは、ハンドオーバ完了通知を受信するたびに、あるいは所定周期ごとに隣接セル情報の最適化を行なう。たとえば、フェムト基地局101Bにおけるハンドオーバ情報取得部11は、無線端末装置202がフェムト基地局101Bからフェムト基地局101A、フェムト基地局101Cおよびフェムト基地局101Dへそれぞれハンドオーバする回数を、たとえば6時間〜1日程度の期間カウントしてハンドオーバ情報を得る。
図9に示す例では、所定の測定期間において、フェムト基地局101Bからフェムト基地局101Aへのハンドオーバが20回発生し、フェムト基地局101Bからフェムト基地局101Cへのハンドオーバが2回発生し、フェムト基地局101Bからフェムト基地局101Dへのハンドオーバが15回発生したことを示すハンドオーバ回数テーブルが得られている。
このように、フェムト基地局101Bにおけるハンドオーバ情報取得部11は、対象フェムト基地局すなわちフェムト基地局101Bとフェムト基地局101B以外のフェムト基地局101A,101C,101Dの各々との間における無線端末装置202のハンドオーバの回数、たとえばフェムト基地局101A,101C,101Dがハンドオーバ先となる回数を示すハンドオーバ情報を取得する。
[隣接セル情報の最適化]
フェムト基地局101Bにおける隣接セル情報生成部12は、フェムト基地局101A,101C,101Dの中から、ハンドオーバ情報の示すハンドオーバの回数が所定値以下となるフェムト基地局101を少なくとも除いた隣接セル情報を生成する。
具体的には、上記ハンドオーバ回数テーブルにより、フェムト基地局101Bからフェムト基地局101Cへハンドオーバする無線端末装置202の数は、フェムト基地局101Bからフェムト基地局101Aおよび101Dへそれぞれハンドオーバする無線端末装置202の数と比べて極端に少ないことが分かる。このため、隣接セル情報生成部12は、フェムトセルFCCは、フェムトセルFCBから移動する無線端末装置202の実際の経路上には存在しないセルであると推測し、フェムト基地局101Bを対象フェムト基地局とする隣接セル情報からフェムト基地局101Cを削除してもよいと判断する。
このときの具体的な判定方法としては、たとえば以下のようなものが考えられる。すなわち、隣接セル情報生成部12は、ハンドオーバ回数が、最もハンドオーバ回数の多いフェムト基地局101Aの20回のN分の1以下(Nは2以上の自然数)であるハンドオーバ先のフェムト基地局101を隣接セル情報から削除する。あるいは、隣接セル情報生成部12は、全体の平均ハンドオーバ回数すなわちフェムト基地局101A、フェムト基地局101Cおよびフェムト基地局101Dへのハンドオーバ回数の平均値のN分の1以下(Nは2以上の自然数)であるハンドオーバ先のフェムト基地局101を隣接セル情報から削除する。
なお、ハンドオーバ情報取得部11は、現在から過去の一定期間における無線端末装置202のハンドオーバ動作履歴を示すハンドオーバ情報を取得する構成であってもよい。すなわち、隣接セル情報生成部12は、現在から過去の一定期間におけるハンドオーバ動作履歴に基づいて隣接セル情報を生成する構成であってもよい。たとえば、隣接セル情報生成部12は、現在時刻から1日前までの期間におけるハンドオーバ動作履歴に基づいて隣接セル情報を生成してもよい。また、隣接セル情報生成部12は、ハンドオーバの所定回数分の履歴に基づいて隣接セル情報を生成してもよい。たとえば、隣接セル情報生成部12は、過去の最新30回分のハンドオーバの試行履歴に基づいて隣接セル情報を生成してもよい。このような構成により、たとえば電源がオフになったフェムト基地局101が隣接セル情報にいつまでも残ったままになってしまうことを防ぐことができる。
[隣接セル情報の通知]
上述のように、フェムト基地局101は、ハンドオーバ情報の更新に伴い、あるタイミングで隣接セル情報の最適化を行なう。そして、この最適化された隣接セル情報は無線端末装置202へ通知する必要がある。すなわち、フェムト基地局101における隣接セル情報送信部13は、隣接セル情報生成部12によって生成された隣接セル情報を対象フェムト基地局である自己のフェムト基地局101と通信可能な無線端末装置202へ送信する。この通知方法としては、たとえば以下の3つの方法が考えられる。
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、フェムト基地局が隣接セル情報を無線端末装置へ通知する方法の一例を示す図である。
図10を参照して、フェムト基地局101Aは、アイドル状態すなわち通話およびデータ通信を行なっていない状態の無線端末装置202に対して、隣接セル情報を報知情報に含めて通知する。この場合、フェムト基地局101Aは、報知情報変化通知を利用して、隣接セル情報が更新されたことを無線端末装置202に通知する。
より詳細には、フェムト基地局101Aは、隣接セル情報の最適化が発生すると(ステップS27)、報知情報変化通知をフェムトセルFCAに存在する各無線端末装置202へブロードキャストする(ステップS28)。
次に、フェムト基地局101Aは、更新した隣接セル情報を含んだ報知情報をフェムトセルFCAに存在する各無線端末装置202へブロードキャストする。そして、報知情報変化通知を受信した無線端末装置202は、フェムト基地局101Aから送信される報知情報から隣接セル情報を読み出し、自ら保持している隣接セル情報を、読み出した隣接セル情報に更新する(ステップS29)。
次に、無線端末装置202は、自律的にまたはフェムト基地局101Aから測定開始要求を受信して、更新した隣接セル情報の示すフェムト基地局101から送信される無線信号の受信レベルを測定する(ステップS30)。
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、フェムト基地局が隣接セル情報を無線端末装置へ通知する方法の一例を示す図である。
図11を参照して、たとえばLTEでは、RRC(Radio Resource Control)コネクションの確立処理を行なう無線端末装置202すなわちフェムト基地局101Aと通信を開始するための処理を行なう無線端末装置202に対して、フェムト基地局101Aは、無線データリンクを設定する際に隣接セル情報を通知する。
より詳細には、まず、無線端末装置202およびフェムト基地局101A間で無線制御信号のリンク設定が行われる(ステップS31)。
次に、無線端末装置202およびフェムト基地局101A間でNAS層のセキュリティ処理が行われる(ステップS32)。
次に、無線端末装置202およびフェムト基地局101A間で無線データリンクの設定が行われ、その後、無線端末装置202およびフェムト基地局101A間でIPパケット等の通信データが送受信される。また、フェムト基地局101Aは、他のフェムト基地局から送信される無線信号の受信レベルを無線端末装置202に測定させるための測定開始要求を無線端末装置202へ送信する(ステップS33)。たとえば、LTEでは、フェムト基地局101Aから無線端末装置202に通知される無線データリンクの設定要求に、当該測定開始要求が含まれる。そして、この測定開始要求に隣接セル情報が含まれる。
次に、無線端末装置202は、フェムト基地局101Aから測定開始要求を受信して、自ら保持している隣接セル情報を、新たに通知された隣接セル情報に更新し、更新した隣接セル情報の示すフェムト基地局101から送信される無線信号の受信レベルを測定する(ステップS34)。
図12は、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、フェムト基地局が隣接セル情報を無線端末装置へ通知する方法の一例を示す図である。
図12を参照して、フェムト基地局101Aは、自己と通信中の無線端末装置202に対して、測定変更要求を利用して隣接セル情報の更新を通知する。
より詳細には、フェムト基地局101Aは、隣接セル情報の最適化が発生すると(ステップS27)、更新された隣接セル情報を測定変更要求に含めて無線端末装置202へ送信する(ステップS41)。
次に、無線端末装置202は、自ら保持している隣接セル情報を、フェムト基地局101Aから受信した測定変更要求に含まれる隣接セル情報に変更し、変更した隣接セル情報の示すフェムト基地局101から送信される無線信号の受信レベルを測定する(ステップS42)。
ところで、フェムト基地局の購入者は、当該フェムト基地局の設置場所を独自に決めることができる。このため、フェムト基地局が設置された無線通信システムでは、フェムト基地局の移動および電源のオン/オフが起こりやすいことから、周辺にフェムト基地局が存在する無線基地局装置において適切な隣接セル情報を生成することが困難となる。
たとえば、無線端末装置は、この隣接セル情報を用いて、自律的に、またはフェムト基地局からの指示に従い、隣接セル情報に登録されたフェムト基地局からの受信電力を測定し、この測定結果をフェムト基地局に報告する。この場合、ハンドオーバ先としては向かないフェムト基地局が隣接セル情報に登録されていると、無線端末装置が無駄な測定動作を行ない、また、無駄なハンドオーバが発生してしまう。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、ハンドオーバ情報取得部11は、無線端末装置202のハンドオーバ動作履歴を示すハンドオーバ情報を、無線端末装置202からの情報すなわちハンドオーバ完了通知に基づいて取得する。隣接セル情報生成部12は、ハンドオーバ情報取得部11によって取得されたハンドオーバ情報に基づいて、対象フェムト基地局以外の複数のフェムト基地局101のうち、対象フェムト基地局の周辺に設置された1または複数のフェムト基地局101を示す隣接セル情報を生成する。
このような構成により、フェムト基地局の移動および電源のオン/オフに関わらず、隣接セル情報を自動的に最適化することができるため、人手を介すことなく、無線通信システム301における動作の効率化を図ることができる。また、自動的に隣接セル情報の最適化が行われることから、フェムト基地局101に対する特別な設置処理が不要となるため、フェムト基地局101を設置するための作業時間および費用の低減を図ることができる。
また、特許文献1に記載の技術を用いて自動的にフェムト基地局の設定を行なうと、周辺のフェムト基地局をすべて隣接セルとして扱って隣接セル情報に登録し、ハンドオーバ先の候補としてしまう。このため、無線端末装置に対してフェムト基地局が壁の向こう側に存在する等、本来ハンドオーバ先としては向かないフェムト基地局も隣接セル情報に登録してしまう可能性がある。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、ハンドオーバ情報取得部11によって取得されたハンドオーバ情報に基づいて、対象フェムト基地局以外の複数のフェムト基地局101のうち、対象フェムト基地局と通信する無線端末装置202のハンドオーバ先候補となる1または複数のフェムト基地局101を示す隣接セル情報を生成する。
このような構成により、設置されたフェムト基地局101のフェムトセル内におけるハンドオーバ動作を最適な状態にすることが可能となる。また、隣接セル情報の最適化を行なうことにより、通信中の無線端末装置202のハンドオーバ先候補となる隣接セルの数を低減することができるため、無駄なハンドオーバが発生することを防ぐことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、対象フェムト基地局以外の複数のフェムト基地局101のうち、無線端末装置202の測定対象となる1または複数のフェムト基地局101を示す隣接セル情報を生成する。
このように、隣接セル情報の最適化を行なうことにより、無線端末装置202が測定を行なう対象となる隣接セルの数を低減することができるため、無線端末装置202が無駄な測定動作を行なうことを防ぐことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、対象フェムト基地局以外の複数のフェムト基地局101のうち、無線端末装置202が受信レベルを測定する対象となる無線信号を送信する1または複数のフェムト基地局101を示す隣接セル情報を生成する。
このように、隣接セル情報の最適化を行なうことにより、無線端末装置202が受信レベル測定を行なう対象となる隣接セルの数を低減することができるため、無線端末装置202が無駄な測定動作を行なうことを防ぐことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、対象フェムト基地局以外の複数のフェムト基地局101のうち、アイドル状態すなわち対象フェムト基地局と通信中でない無線端末装置202が受信レベルを測定する対象となる無線信号を送信する1または複数のフェムト基地局101を示す隣接セル情報を生成する。
このような構成により、フェムト基地局101からの報知情報等によって指示される定期的な電力測定の対象となる隣接セルの数を低減することができるため、無線端末装置202が無駄な測定動作を行なうことを防ぐことができる。特に、アイドル状態の無線端末装置202の消費電力を低減することができるため、顕著な効果が得られる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、ハンドオーバ情報取得部11は、対象フェムト基地局と対象フェムト基地局以外の複数のフェムト基地局101の各々との間における無線端末装置202のハンドオーバの回数を示すハンドオーバ情報を取得する。
このように、隣接セル情報にどのフェムト基地局を含めるかの判断基準としてハンドオーバ回数を用いることにより、適切な隣接セル情報を生成することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部12は、対象フェムト基地局以外の複数のフェムト基地局101の中から、対象フェムト基地局と対象フェムト基地局以外の複数のフェムト基地局101の各々との間における無線端末装置202のハンドオーバ回数が所定値以下となるフェムト基地局101を少なくとも除いた隣接セル情報を生成する。
このような構成により、実際にハンドオーバ先として選択された実績の少ないフェムト基地局101を隣接セル情報から適切に削除することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、フェムト基地局101が、単体で隣接セル情報の最適化を行なう。すなわち、本発明の第1の実施の形態に係る隣接セル処理装置は、フェムト基地局101に含まれる。このような構成により、たとえばゲートウェイ装置203または上位装置205で各フェムト基地局101の隣接セル情報の最適化を行なう必要がなくなり、無線通信システム301における処理負荷の分散、ならびにフェムト基地局101とゲートウェイ装置203または上位装置205との間における通信量の低減を図ることができる。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、フェムト基地局101は、他の各フェムト基地局101がハンドオーバ先となる回数すなわち自己から他の各フェムト基地局101へのハンドオーバ回数をハンドオーバ情報として取得し、これに基づいて隣接セル情報を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。フェムト基地局101は、他の各フェムト基地局101がハンドオーバ元となる回数すなわち他の各フェムト基地局101から自己へのハンドオーバ回数をハンドオーバ情報として、このハンドオーバ情報をたとえば自己へハンドオーバしてきた無線端末装置202からの情報に基づいて取得し、隣接セル情報を生成する構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムでは、ハンドオーバの動作として、無線端末装置202の通信相手となるフェムト基地局101がフェムト基地局101主導で切り替えられる構成であるとしたが、これに限定するものではない。無線端末装置202の通信相手となるフェムト基地局101が無線端末装置202主導で切り替えられる構成であってもよい。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る無線通信システムと比べてフェムト基地局の代わりにゲートウェイ装置が隣接セル処理装置として動作する無線通信システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る無線通信システムと同様である。
図13は、本発明の第2の実施の形態に係るゲートウェイ装置の構成を示す図である。
図13を参照して、ゲートウェイ装置203は、基地局側送受信部81と、データ処理部82と、コアネットワーク側送受信部83とを備える。
基地局側送受信部81は、データ処理部82から受けた通信データを各フェムト基地局101へ送信し、また、各フェムト基地局101から受信した通信データをデータ処理部82へ出力する。
データ処理部82は、基地局側送受信部81から受けた通信データに種々の処理を行ない、コアネットワーク側送受信部83へ出力し、また、コアネットワーク側送受信部83から受けた通信データに種々の処理を行ない、基地局側送受信部81へ出力する。
コアネットワーク側送受信部83は、データ処理部82から受けた通信データをコアネットワーク204における上位装置205へ出力し、また、コアネットワーク204における上位装置205から受信した通信データをデータ処理部82へ出力する。
本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムでは、ゲートウェイ装置203が、その配下のフェムト基地局全体を監視して隣接セル情報の最適化を行なう。たとえば、ゲートウェイ装置203は、各フェムト基地局101間におけるハンドオーバ回数の統計情報を収集する。
図14は、本発明の第2の実施の形態に係るゲートウェイ装置におけるデータ処理部の構成を示す図である。
図14を参照して、データ処理部82は、ハンドオーバ情報取得部21と、隣接セル情報生成部22と、隣接セル情報送信部23とを含む。
ハンドオーバ情報取得部21は、無線端末装置202のハンドオーバ動作履歴を示すハンドオーバ情報を各フェムト基地局101からの情報に基づいて取得する。
隣接セル情報生成部22は、ハンドオーバ情報取得部21によって取得されたハンドオーバ情報に基づいて、対象フェムト基地局以外の無線通信システム301における複数のフェムト基地局101のうち、対象フェムト基地局の周辺に設置された1または複数のフェムト基地局101を示す隣接セル情報を生成する。
たとえば、隣接セル情報生成部22は、対象フェムト基地局と通信する無線端末装置202のハンドオーバ先候補となる1または複数のフェムト基地局101を示す隣接セル情報を生成する。
隣接セル情報送信部23は、隣接セル情報生成部22によって生成された隣接セル情報を対象フェムト基地局へ送信する。
図15は、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムにおけるハンドオーバ動作の一例およびゲートウェイ装置がハンドオーバ情報を取得する動作を示す図である。
図15を参照して、ゲートウェイ装置203は、フェムト基地局101A,101B,101C,101Dの各々からの情報に基づいて、あるフェムト基地局101をハンドオーバ元とする他の各フェムト基地局101へのハンドオーバ回数、またはあるフェムト基地局101をハンドオーバ先とする他の各フェムト基地局101からのハンドオーバ回数を示すハンドオーバ回数テーブルをハンドオーバ情報として取得する。
図16は、本発明の第2の実施の形態に係るゲートウェイ装置がハンドオーバ情報を取得するシーケンスおよび取得したハンドオーバ情報の一例を示す図である。
図16を参照して、ハンドオーバが発生すると、ゲートウェイ装置203は、各フェムト基地局101から当該ハンドオーバ動作を示す情報を収集する。
このときフェムト基地局101から通知される情報は、どのフェムト基地局101からどのフェムト基地局101へハンドオーバが行われたかを確認可能な情報である。すなわち、この情報は、ハンドオーバ元のフェムト基地局の識別情報、およびハンドオーバ先のフェムト基地局の識別情報を含む。なお、ハンドオーバ元およびハンドオーバ先のいずれのフェムト基地局101が当該情報をゲートウェイ装置203に通知するかは任意である。
また、ゲートウェイ装置203は、収集した情報に基づいてハンドオーバ回数テーブルを更新し、更新したハンドオーバ回数テーブルに基づいて隣接セル情報を更新すると、更新した隣接セル情報を各フェムト基地局101へ通知する。ゲートウェイ装置203は、各フェムト基地局101が必要とする隣接セル情報を別個に生成して、各フェムト基地局101へ通知する。フェムト基地局101は、ゲートウェイ装置203から受信した隣接セル情報を、本発明の第1の実施の形態に係るフェムト基地局と同様の方法で無線端末装置202へ通知する。
より詳細には、まず、ゲートウェイ装置203では、フェムト基地局101Aおよびフェムト基地局101B間においてハンドオーバが19回発生し、フェムト基地局101Aおよびフェムト基地局101C間においてハンドオーバが12回発生し、フェムト基地局101Aおよびフェムト基地局101D間においてハンドオーバが0回発生し、フェムト基地局101Bおよびフェムト基地局101C間においてハンドオーバが5回発生したことを示すハンドオーバ回数テーブルが得られている。
次に、フェムト基地局101Bからフェムト基地局101Aへのハンドオーバが無線端末装置202において発生すると、フェムト基地局101Aは、当該ハンドオーバ動作を示す情報をゲートウェイ装置203へ送信する(ステップS61)。
次に、ゲートウェイ装置203は、フェムト基地局101Aから受信した情報に基づいて、ハンドオーバ回数テーブルにおけるフェムト基地局101Aおよびフェムト基地局101B間のハンドオーバ回数を19回から20回に変更する(ステップS62)。
次に、フェムト基地局101Bからフェムト基地局101Cへのハンドオーバが無線端末装置202において発生すると、フェムト基地局101Bは、当該ハンドオーバ動作を示す情報をゲートウェイ装置203へ送信する(ステップS63)。
次に、ゲートウェイ装置203は、フェムト基地局101Bから受信した情報に基づいて、ハンドオーバ回数テーブルにおけるフェムト基地局101Bおよびフェムト基地局101C間のハンドオーバ回数を5回から6回に変更する(ステップS64)。
次に、フェムト基地局101Cからフェムト基地局101Bへのハンドオーバが無線端末装置202において発生すると、フェムト基地局101Cは、当該ハンドオーバ動作を示す情報をゲートウェイ装置203へ送信する(ステップS65)。
次に、ゲートウェイ装置203は、フェムト基地局101Cから受信した情報に基づいて、ハンドオーバ回数テーブルにおけるフェムト基地局101Bおよびフェムト基地局101C間のハンドオーバ回数を6回から7回に変更する(ステップS66)。
図16に示す例では、所定の測定期間において、フェムト基地局101Aおよびフェムト基地局101B間においてハンドオーバが20回発生し、フェムト基地局101Aおよびフェムト基地局101C間においてハンドオーバが12回発生し、フェムト基地局101Aおよびフェムト基地局101D間においてハンドオーバが0回発生し、フェムト基地局101Bおよびフェムト基地局101C間においてハンドオーバが7回発生したことを示すハンドオーバ回数テーブルが得られている。
この場合、ゲートウェイ装置203は、たとえば、フェムト基地局101Aを対象フェムト基地局とする隣接セル情報からハンドオーバ回数の少ないフェムト基地局101Dを削除する。
ここで、本発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、たとえば1日の午前においてある方向の移動者が多く、1日の午後においてその反対方向の移動者が多い場所にフェムト基地局が設置され、フェムト基地局による測定期間が午前中である場合には、ハンドオーバ回数が少ないとして隣接セル情報からフェムト基地局を誤って削除してしまう場合がある。
これに対して、本発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムでは、ハンドオーバ情報取得部21は、対象フェムト基地局から対象フェムト基地局以外の複数のフェムト基地局101への無線端末装置202のハンドオーバの回数、および対象フェムト基地局以外の複数のフェムト基地局から対象フェムト基地局への無線端末装置202のハンドオーバの回数を示すハンドオーバ情報を取得する。すなわち、2つのフェムト基地局101間における双方向のハンドオーバ回数に基づいて、隣接セル情報からのフェムト基地局101の削除を判断する構成であるため、より最適な隣接セル情報を生成することができる。
なお、本発明の第2の実施の形態に係るゲートウェイ装置は、フェムト基地局101と別個に設けられる構成であるとしたが、これに限定するものではない。ゲートウェイ装置203が、無線通信システム301における各フェムト基地局101のうちの少なくとも1つに含まれる構成であってもよい。この場合、ゲートウェイ装置203を搭載するフェムト基地局101は、自己の形成するフェムトセルに存在する無線端末装置202、および他のフェムト基地局101からの情報に基づいてハンドオーバ情報を取得する。そして、ゲートウェイ装置203は、生成した隣接セル情報を、自己の形成するフェムトセルに存在する無線端末装置202、および他のフェムト基地局101へ通知する。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る無線通信システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第2の実施の形態に係る無線通信システムと比べてハンドオーバ情報の内容を変更した無線通信システムに関する。以下で説明する内容以外は第2の実施の形態に係る無線通信システムと同様である。
図17は、本発明の第3の実施の形態に係る無線通信システムにおけるハンドオーバ動作の一例およびゲートウェイ装置がハンドオーバ情報を取得する動作を示す図である。
図17を参照して、フェムトセルFCAに存在し、フェムト基地局101Aと通信中の無線端末装置202が図17の矢印R1で示すように移動した場合、無線端末装置202は、フェムト基地局101Aからフェムト基地局101Cへハンドオーバし、そして、フェムト基地局101Cからフェムト基地局101Dへハンドオーバする。また、フェムトセルFCBに存在し、フェムト基地局101Bと通信中の無線端末装置202が図17の矢印R2で示すように移動した場合、無線端末装置202は、フェムト基地局101Bからフェムト基地局101Cへハンドオーバし、そして、フェムト基地局101Cからフェムト基地局101Aへハンドオーバする。また、フェムトセルFCBに存在し、フェムト基地局101Bと通信中の無線端末装置202が図17の矢印R3で示すように移動した場合、無線端末装置202は、フェムト基地局101Bからフェムト基地局101Cへハンドオーバし、そして、フェムト基地局101Cからフェムト基地局101Dへハンドオーバする。
図18は、本発明の第3の実施の形態に係るゲートウェイ装置が取得したハンドオーバ情報の一例を示す図である。
図18を参照して、ゲートウェイ装置203は、以下のようなハンドオーバ情報を取得する。すなわち、フェムト基地局101Aとフェムト基地局101Dとの間をフェムト基地局101C経由で無線端末装置202がハンドオーバしたときの、無線端末装置202がフェムト基地局101Cへハンドオーバしてからフェムト基地局101Aまたはフェムト基地局101Dへハンドオーバするまでの時間、すなわちフェムトセルFCCにおける滞在時間の平均が20秒である。
また、フェムト基地局101Aとフェムト基地局101Bとの間をフェムト基地局101C経由で無線端末装置202がハンドオーバしたときの、無線端末装置202がフェムト基地局101Cへハンドオーバしてからフェムト基地局101Aまたはフェムト基地局101Bへハンドオーバするまでの時間、すなわちフェムトセルFCCにおける滞在時間の平均が5秒である。
また、フェムト基地局101Bとフェムト基地局101Dとの間をフェムト基地局101C経由で無線端末装置202がハンドオーバしたときの、無線端末装置202がフェムト基地局101Cへハンドオーバしてからフェムト基地局101Bまたはフェムト基地局101Dへハンドオーバするまでの時間、すなわちフェムトセルFCCにおける滞在時間の平均が2秒である。
これらの情報を用いて、ゲートウェイ装置203は、フェムト基地局101Cをフェムト基地局101A,101B,101Dの隣接セル情報からそれぞれ削除すべきか否かを判断する。すなわち、フェムト基地局101Aを対象フェムト基地局とする隣接セル情報については、フェムト基地局101Aとフェムト基地局101Bとの間のハンドオーバにおけるフェムト基地局101Cでの滞在時間が5秒と短いが、フェムト基地局101Aとフェムト基地局101Dとの間のハンドオーバにおけるフェムト基地局101Cでの滞在時間が20秒と長いことから、フェムト基地局101Cを削除しない。
また、ゲートウェイ装置203は、フェムト基地局101Dを対象フェムト基地局とする隣接セル情報については、フェムト基地局101Dとフェムト基地局101Bとの間のハンドオーバにおけるフェムト基地局101Cでの滞在時間が2秒と短いが、フェムト基地局101Dとフェムト基地局101Aとの間のハンドオーバにおけるフェムト基地局101Cでの滞在時間が20秒と長いことから、フェムト基地局101Cを削除しない。
他方、ゲートウェイ装置203は、フェムト基地局101Bを対象フェムト基地局とする隣接セル情報については、フェムト基地局101Bとフェムト基地局101Aとの間のハンドオーバにおけるフェムト基地局101Cでの滞在時間が5秒と短く、かつフェムト基地局101Bとフェムト基地局101Dとの間のハンドオーバにおけるフェムト基地局101Cでの滞在時間が2秒と短いことから、フェムト基地局101Cを削除する。
このように、本発明の第3の実施の形態に係る無線通信システムでは、ゲートウェイ装置203におけるハンドオーバ情報取得部21は、対象フェムト基地局以外の複数のフェムト基地局101のうちの第1のフェムト基地局および残りの複数の第2のフェムト基地局について、対象フェムト基地局と残りの複数の第2のフェムト基地局の各々との間を第1のフェムト基地局経由で無線端末装置202がハンドオーバしたときの、無線端末装置202が第1のフェムト基地局へハンドオーバしてから対象フェムト基地局および残りの複数の第2のフェムト基地局へそれぞれハンドオーバするまでの各滞在時間を示すハンドオーバ情報を取得する。たとえば、ハンドオーバ情報取得部21は、このハンドオーバ情報を第1のフェムト基地局からの情報に基づいて取得する。
図17および図18では、対象フェムト基地局がフェムト基地局101A,101B,101Dであり、第1のフェムト基地局がフェムト基地局101Cである場合が一例として示されている。
このように、隣接セル情報にどのフェムト基地局を含めるかの判断基準として、ハンドオーバ時に無線端末装置202が経由したフェムト基地局における無線端末装置202の滞在時間を用いることにより、適切な隣接セル情報を生成することができる。
そして、隣接セル情報生成部22は、対象フェムト基地局以外の複数のフェムト基地局の中から、第2のフェムト基地局のすべてについてハンドオーバ情報の示す滞在時間が所定値以下、図18に示す例ではたとえば5秒以下となる第1のフェムト基地局を少なくとも除いた隣接セル情報を生成する。
このような構成により、無線端末装置202がハンドオーバ動作において経由する必要のないフェムト基地局101を隣接セル情報から適切に削除することができる。
図19は、本発明の第3の実施の形態に係る無線通信システムにおけるセル配置の一例を示す図である。図20は、図19に示すセル配置における、意図しない圏外状態の発生を示す図である。
図19を参照して、無線端末装置202が矢印で示すようにフェムトセルFCBからフェムトセルFCC経由でフェムトセルFCAへ移動する場合には、無線端末装置202は、フェムト基地局101Bからフェムト基地局101Aへフェムト基地局101Cを介してハンドオーバする。この場合、フェムトセルFCAおよびフェムトセルFCB間の距離が短いため、無線端末装置202がフェムト基地局101Cへハンドオーバしてからフェムト基地局101Aへハンドオーバするまでの滞在時間は短くなる。このため、図17および図18で説明したように、ゲートウェイ装置203は、フェムト基地局101Bを対象フェムト基地局とする隣接セル情報からフェムト基地局101Cを削除する。
しかしながら、図19に示すセル配置では、フェムトセルFCBとフェムトセルFCAとは実際には隣接していないことから、図20で示すように、無線端末装置202が矢印の経路でフェムトセルFCBからフェムトセルFCAへ移動した場合、無線端末装置202がフェムト基地局101Bからフェムト基地局101Aへ直接ハンドオーバすることができず、無線端末装置202は圏外状態になってしまう。
そこで、本発明の第3の実施の形態に係るゲートウェイ装置203は、フェムトセルFCBに存在し、フェムト基地局101Bと通信中の無線端末装置202がフェムト基地局101Aと通信可能であるか否か、たとえばフェムト基地局101Aから受信した無線信号のレベルが所定値以上であるか否かをハンドオーバ情報として取得する。
すなわち、ハンドオーバ情報取得部21は、対象フェムト基地局と通信する無線端末装置202が上記第2のフェムト基地局と通信可能か否かを示すハンドオーバ情報を無線端末装置202からの受信電力情報等に基づいて取得する。
このように、ハンドオーバ動作履歴の情報に加えて、他の内容の情報をハンドオーバ情報として取得する構成により、より最適な隣接セル情報を生成することができる。
図21は、本発明の第3の実施の形態に係るゲートウェイ装置が隣接セル情報の最適化を行なう際の動作手順を示すフローチャートである。
図21を参照して、隣接セル情報生成部22は、対象フェムト基地局以外の複数のフェムト基地局101の中から、第2のフェムト基地局のすべてについてハンドオーバ情報の示す滞在時間が所定値以下となり(ステップS71でYES)、かつ対象フェムト基地局と通信する無線端末装置202がすべての第2のフェムト基地局と通信可能となる場合(ステップS72でYES)における第1のフェムト基地局101を少なくとも除いた隣接セル情報を生成する(ステップS73)。
このような構成により、実際には隣接していないフェムトセルがあたかも隣接しているように認識され、圏外状態が発生してしまうことを防ぐことができる。
なお、本発明の第3の実施の形態に係るゲートウェイ装置では、たとえばフェムト基地局101Bを対象フェムト基地局とする場合、すべての第2のフェムト基地局すなわちフェムト基地局101A,101Dの両方についてハンドオーバ情報の示す滞在時間が所定値以下となる第1のフェムト基地局すなわちフェムト基地局101Cを少なくとも除いた隣接セル情報を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。
ハンドオーバ情報取得部21が上記すべての第2のフェムト基地局のうち、一部の第2のフェムト基地局についての滞在時間をハンドオーバ情報として取得し、隣接セル情報生成部22が、このハンドオーバ情報に基づいて第1のフェムト基地局を隣接セル情報から除くか否かを判断する構成であってもよい。
このような構成により、各フェムト基地局の設置環境に応じて隣接セル情報からの第1のフェムト基地局の削除条件を調整することができる。
ただし、本発明の第3の実施の形態に係るゲートウェイ装置のように、すべての第2のフェムト基地局に関するハンドオーバ情報を取得し、隣接セル情報生成部22が、このハンドオーバ情報に基づいて第1のフェムト基地局を隣接セル情報から除くか否かを判断する構成により、ある一部のフェムト基地局をハンドオーバ先またはハンドオーバ元とする場合にハンドオーバの経路として必要となる第1のフェムト基地局を隣接セル情報から誤って削除することを防ぐことができる。
また、同様に、ハンドオーバ情報取得部21が、対象フェムト基地局と通信する無線端末装置202が第2のフェムト基地局と通信可能か否かを示すハンドオーバ情報を各第2のフェムト基地局の一部について取得し、隣接セル情報生成部22が、このハンドオーバ情報に基づいて第1のフェムト基地局を隣接セル情報から除くか否かを判断する構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態または第2の実施の形態に係る隣接セル情報の最適化と、本発明の第3の実施の形態に係る隣接セル情報の最適化とを組み合わせてもよい。すなわち、隣接セル情報にどのフェムト基地局を含めるかの判断基準として、無線端末装置202のハンドオーバ回数と、ハンドオーバ時に無線端末装置202が経由したフェムト基地局における無線端末装置202の滞在時間とを組み合わせることも可能である。さらに、隣接セル情報にどのフェムト基地局を含めるかの判断基準として、この組み合わせに、無線端末装置202が、ハンドオーバ先候補となるフェムト基地局101と通信可能か否かの情報を加えることも可能である。
また、本発明の第3の実施の形態に係るゲートウェイ装置は、フェムト基地局101と別個に設けられる構成であるとしたが、これに限定するものではない。ゲートウェイ装置203が、無線通信システム301における各フェムト基地局101のうちの少なくとも1つに含まれる構成であってもよい。この場合、ゲートウェイ装置203を搭載するフェムト基地局101は、自己の形成するフェムトセルに存在する無線端末装置202、および他のフェムト基地局101からの情報に基づいてハンドオーバ情報を取得する。そして、ゲートウェイ装置203は、生成した隣接セル情報を、自己の形成するフェムトセルに存在する無線端末装置202、および他のフェムト基地局101へ通知する。
また、本発明の第1〜第3の実施の形態に係るフェムト基地局と同様の動作を、マクロ基地局が行なうことも可能である。
その他の構成および動作は第2の実施の形態に係る無線通信システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第4の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る無線通信システムと比べて隣接セル情報において順位付けを行なう無線通信システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る無線通信システムと同様である。
無線基地局装置は、自らの形成するセルおよび周辺セルについての情報、すなわち無線信号の周波数および周辺セルのID(identification)等を無線端末装置に通知する。無線端末装置は、無線基地局装置から通知された情報に基づいて、周辺セルの検出および測定を行なう。無線端末装置は、この測定結果に基づいて、周辺セルへの移動を開始する。ここで、無線端末装置の「移動」とは、ハンドオーバを意味することに加えて、アイドル状態の無線端末装置が今後通信を開始する、すなわち通話またはデータ通信を開始する際にどのセルを介して通信を行なうかを選択することを意味する。
たとえば、無線端末装置が無線基地局装置と通信しているときには、無線端末装置の移動先は無線基地局装置または上位装置が決定する。また、無線端末装置が無線基地局装置と通信していないときには、無線端末装置の移動先は無線端末装置が決定する。
図22は、本発明の第4の実施の形態に係るフェムト基地局のアクセスモードと接続可能な無線端末装置との関係を示す図である。
図22を参照して、本発明の第4の実施の形態に係るフェムト基地局は、3つのアクセスモードを有する。すなわち、クローズドアクセスモードでは、フェムト基地局と接続可能な無線端末装置は登録済みの無線端末装置のみである。また、オープンアクセスモードでは、フェムト基地局と接続可能な無線端末装置はすべての無線端末装置であり、通常のマクロ基地局と同様である。また、ハイブリッドモードでは、フェムト基地局と接続可能な無線端末装置はすべての無線端末装置である。ただし、ハイブリッドモードでは、メンバーすなわち登録されている無線端末装置は、ノンメンバーすなわち登録されていない無線端末装置と比べて、フェムト基地局の通信リソースの割り当ておよび課金等で優遇される場合がある。
すなわち、本発明の第4の実施の形態に係るフェムト基地局は、すべての無線端末装置202に対して通信を許可するオープンアクセスモードで動作するか、無線端末装置202を登録することが可能であり、登録された無線端末装置202に対して通信を許可するクローズドアクセスモードで動作するか、または無線端末装置202を登録することが可能であり、登録された無線端末装置202および登録されていない無線端末装置202の両方に対して通信を許可するハイブリッドモードで動作するかを設定可能である。
クローズドアクセスモードのセルにおいては、無線端末装置202が自立的に周辺セルを検出することが3GPPで規定されている。また、オープンアクセスモードのマクロセルにおいては、事業者が計画的に無線基地局装置を設置する場合には、周辺のマクロセルに関する情報も事業者が把握しており、無線基地局装置の設置時および保守時等に設定される。
ところで、ユーザは、フェムト基地局を任意の場所に設置できることから、フェムト基地局が現在地を把握することは困難である。このため、フェムト基地局において、周辺セルの情報を得ることも困難である。
前述のように、クローズドアクセスモードのセルにおける無線端末装置のフェムトセル検出方法および移動方法は3GPPで規定されている。しかしながら、マクロセルまたはフェムトセルから、マクロセルまたはオープンアクセスモードのフェムトセルへ無線端末装置が移動する場合には、移動元の無線基地局装置が移動先の無線基地局装置の情報を無線端末装置に通知する必要がある。
ここで、フェムト基地局はユーザによって独自に使用場所が決められるため、フェムト基地局の移動および電源のオン/オフが起こり得る。これにより、次の2つが課題となる。すなわち、フェムト基地局が現在地を把握できないので、周辺に配置されたセルの情報をOAM機能(保守機能)によって取得することが困難である。また、無線基地局装置の周辺にフェムト基地局が存在する場合であってフェムト基地局の電源がオフされているときには、無線端末装置は当該フェムト基地局へ移動することができないので、フェムト基地局の電源のオン/オフを検出する必要が生じてしまう。
なお、フェムト基地局がGPS(Global Positioning System)等を利用して現在地を特定できる場合には、フェムト基地局が事業者網に問い合わせを行ない、地理的に近いセルの情報を取得することも考えられるが、精度の問題から、正確な位置を特定することは困難である。
[構成および基本動作]
図23は、本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムにおける無線基地局装置の配置例を示す図である。
図23を参照して、無線通信システム301では、無線基地局装置501A,501C,501Dがフェムト基地局であり、無線基地局装置501Bがマクロ基地局である。無線基地局装置501Bが形成するマクロセルMCB内に、複数のフェムト基地局が存在する状態を考える。
無線基地局装置501Aおよび無線基地局装置501Cがそれぞれ形成するフェムトセルFCA,FCCの各々の一部が重なり合っている。また、無線基地局装置501Aおよび無線基地局装置501Dがそれぞれ形成するフェムトセルFCA,FCDの各々の一部が重なり合っている。
本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムでは、無線基地局装置501A,501B,501C,501Dが、それぞれ隣接セル処理装置として動作する。
以下、無線基地局装置501A,501B,501C,501Dの各々を無線基地局装置501と称する場合がある。
図24は、本発明の第4の実施の形態に係る無線基地局装置における信号処理部の構成を示す図である。
図24を参照して、信号処理部105は、受信信号処理部106と、送信信号処理部107とを含む。受信信号処理部106は、ハンドオーバ情報取得部31と、隣接セル情報生成部32とを含む。送信信号処理部107は、隣接セル情報送信部33と、電力測定指示部34とを含む。
隣接セル情報生成部32は、ハンドオーバ情報取得部31によって取得されたハンドオーバ情報に基づいて、隣接セル情報を与える対象となる無線基地局装置(以下、対象基地局とも称する。)以外の無線通信システム301における複数の無線基地局装置501のうち、対象基地局の周辺に設置された1または複数の無線基地局装置501を示す隣接セル情報を生成する。本発明の第4の実施の形態に係る無線基地局装置では、対象基地局は自己の無線基地局装置501である。
隣接セル情報送信部33は、隣接セル情報生成部32によって生成された隣接セル情報を自己の無線基地局装置501と通信可能な無線端末装置202、すなわち自己の無線基地局装置501によって形成されるセルに存在する無線端末装置202へ送信する。
電力測定指示部34は、他の無線基地局装置501から送信される無線信号の受信レベルを無線端末装置202に測定させるための測定開始要求を無線端末装置202へ送信する。
[動作]
次に、本発明の第4の実施の形態に係る無線基地局装置が隣接セル情報を生成する際の動作について説明する。
図25は、本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置が隣接セル情報を生成するシーケンスの一例を示す図である。
図25を参照して、無線基地局装置501の起動時等、無線基地局装置501が隣接セル情報を有していない状態では、最初に無線端末装置202が当該無線基地局装置501とのRRCコネクションを確立した時に、当該無線基地局装置501は、当該無線端末装置202に対して全周波数検索を指示する。ここで、全周波数検索とは、無線通信システムにおいて設定されたすべての種類の送信周波数について、各無線基地局装置501からの無線信号の受信レベルを測定することを意味する。
そして、無線基地局装置501は、無線端末装置202からの測定結果の報告に基づいて隣接セル情報を生成し、図示しない記憶部に保存する。
より詳細には、まず、無線基地局装置501Aは、無線端末装置202の測定対象となる他の無線基地局装置を設定する(ステップS101)。
次に、無線基地局装置501Aは、設定した他の無線基地局装置から送信される無線信号の受信レベルを無線端末装置202に測定させるための測定開始要求を無線端末装置202へ送信する。この測定開始要求に、測定対象となる無線基地局装置の情報が含まれる(ステップS102)。
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置501Aから測定開始要求を受信して、受信した測定開始要求の示す無線基地局装置から送信される無線信号の受信レベルを測定する(ステップS103)。
次に、無線端末装置202は、この受信レベルの測定結果を示す測定結果通知を無線基地局装置501Aへ送信する(ステップS104)。
次に、無線基地局装置501Aは、無線端末装置202から受信した測定結果通知に基づいて、初期の隣接セル情報を生成する(ステップS105)。
なお、無線基地局装置501Aは、起動時に限らず、一定期間ごとに最初にRRCコネクションを確立した無線端末装置202に対して全周波数検索を指示してもよい。
また、無線基地局装置501Aがフェムト基地局であり、かつハイブリッドモードで動作する場合には、無線基地局装置501Aは、たとえばノンメンバーの無線端末装置202がRRCコネクションを確立する際に、当該無線端末装置202に対して全周波数検索を指示する。
すなわち、電力測定指示部34は、対象基地局がハイブリッドモードで動作する場合には、登録されていない無線端末装置202に対して、対象基地局以外の無線基地局装置501から送信される無線信号の受信レベルをすべての周波数において測定することを指示する。
このような構成により、登録ユーザの所有する無線端末装置202の電力が消費されることを防ぐことができるため、適切な通信サービスを提供することができる。
あるいは、電力測定指示部34は、対象基地局がハイブリッドモードで動作する場合には、登録された無線端末装置202に対して、対象基地局以外の無線基地局装置501から送信される無線信号の受信レベルをすべての周波数において測定することを指示する構成であってもよい。
このような構成により、無線端末装置202を即時に充電できる環境を有していない場合が多い非登録ユーザの所有する無線端末装置202の電力が消費されることを防ぐことができるため、適切な通信サービスを提供することができる。
次に、図25に示すシーケンス等によって生成した隣接セル情報の更新方法について説明する。
無線基地局装置501は、図示しない記憶部に保存された初期の隣接セル情報が示す無線基地局装置のリストに対して、指標を用いて順位付けを行なう。すなわち、隣接セル情報生成部32は、ハンドオーバ情報取得部31によって取得されたハンドオーバ情報に基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置501を順位付けした隣接セル情報を生成する。
たとえば、無線端末装置202のハンドオーバ動作において、無線基地局装置501は、上位装置205に対してハンドオーバ要求を送信する際に、この要求に含まれるハンドオーバ先の無線基地局装置を、図示しない記憶部に保存する。
また、無線基地局装置501は、上位装置205からのハンドオーバ完了通知により、ハンドオーバの成功を認識し、この情報を図示しない記憶部に保存する。これにより、ハンドオーバ回数またはハンドオーバ成功率を順位決めの指標の1つとすることが可能となる。
ここで、ハンドオーバ成功率は、ハンドオーバ完了通知数/ハンドオーバ要求数で求められる。
図26は、本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムにおいて、無線基地局装置がハンドオーバ情報を取得するシーケンスの一例を示す図である。
図26を参照して、まず、無線基地局装置501Aは、無線端末装置202の測定対象となる他の無線基地局装置501を設定する(ステップS81)。
次に、無線基地局装置501Aは、設定した他の無線基地局装置501から送信される無線信号の受信レベルを無線端末装置202に測定させるための測定開始要求を無線端末装置202へ送信する。この測定開始要求には、測定対象となる無線基地局装置501の情報が含まれる。たとえば、図25に示すシーケンスによって生成した隣接セル情報が含まれ、また、各無線基地局装置501の送信周波数が含まれる(ステップS82)。
次に、無線端末装置202は、無線基地局装置501Aから測定開始要求を受信して、受信した測定開始要求の示す無線基地局装置501から送信される無線信号の受信レベルを測定する(ステップS83)。
次に、無線端末装置202は、この受信レベルの測定結果を示す測定結果通知を無線基地局装置501Aへ送信する。たとえば、無線端末装置202は、受信レベルの測定を定期的に行ない、無線基地局装置501Aとの通信状態が悪くなった場合、および無線基地局装置501A以外の他の無線基地局装置501との通信状態が良くなった場合に、測定結果通知を無線基地局装置501Aへ送信する(ステップS84)。
次に、無線基地局装置501Aは、無線端末装置202から受信した測定結果通知に基づいて、当該無線端末装置202がハンドオーバすべきか否かを判断し、ハンドオーバすべきであると判断すると、隣接セル情報を参照してたとえば無線基地局装置501Bをハンドオーバ先として決定し、無線基地局装置501Bを示すハンドオーバ要求を上位装置205へ送信する(ステップS85)。
そして、無線基地局装置501Aは、ハンドオーバ先の情報を取得する、すなわち無線端末装置202の無線基地局装置501Bへのハンドオーバ試行を認識し、この情報に基づいてハンドオーバ情報を更新する(ステップS86)。
次に、上位装置205は、無線基地局装置501Aからハンドオーバ要求を受信して、無線基地局装置501Bへ当該ハンドオーバ要求を送信する(ステップS87)。
次に、無線基地局装置501Bは、上位装置205からハンドオーバ要求を受信して、上位装置205へ当該ハンドオーバ要求に対するハンドオーバ応答を送信する(ステップS88)。
次に、上位装置205は、無線基地局装置501Bからハンドオーバ応答を受信して、無線基地局装置501Aへハンドオーバ指示を送信する(ステップS89)。
次に、無線基地局装置501Aは、上位装置205からハンドオーバ指示を受信して、無線端末装置202へRRCコネクション再確立指示を送信する(ステップS90)。
次に、無線基地局装置501Aは、上位装置205へ自己の通信状態等を示す状態通知を送信する(ステップS91)。
次に、上位装置205は、無線基地局装置501Aから状態通知を受信して、無線基地局装置501Bへ無線端末装置202との通信内容等を示す状態通知を送信する(ステップS92)。
また、無線端末装置202および無線基地局装置501B間でRRCコネクションが確立されると、無線端末装置202は、無線基地局装置501BへRRCコネクション確立通知を送信する(ステップS93)。
次に、無線基地局装置501Bは、無線端末装置202からRRCコネクション確立通知を受信して、上位装置205へハンドオーバ完了通知を送信する(ステップS94)。
次に、上位装置205は、無線基地局装置501Bからハンドオーバ完了通知を受信して、端末情報解放指示を無線基地局装置501Aへ送信する(ステップS95)。
次に、無線基地局装置501Aは、上位装置205から端末情報解放指示を受信して、無線端末装置202に関する情報を解放し、上位装置205へ端末情報解放完了通知を送信する(ステップS96)。
そして、無線基地局装置501Aは、ハンドオーバ結果の情報を取得する、すなわち無線端末装置202の無線基地局装置501Bへのハンドオーバ成功を認識し、この情報に基づいてハンドオーバ情報を更新する(ステップS97)。
次に、本発明の第4の実施の形態に係る無線基地局装置が隣接セル情報を更新する動作を説明する。
再び図23を参照して、無線通信システム301において、無線基地局装置501Aと通信している無線端末装置202が無線基地局装置501Aから離れる場合には、移動先としては無線基地局装置501B,501C,501Dが考えられる。
ここでは、無線基地局装置501Aが無線端末装置202に通知する測定対象の無線基地局装置すなわち移動先候補が3つである場合の更新方法の具体例を説明する。
図27は、本発明の第4の実施の形態に係る無線基地局装置が隣接セル情報を更新する動作を示す図である。
図27を参照して、まず、無線基地局装置501Aでは、ある期間において、ハンドオーバが12回試行されている。すなわち、無線基地局装置501Aでは、無線基地局装置501Aから無線基地局装置501Bへのハンドオーバが5回試行されて5回成功し、無線基地局装置501Aから無線基地局装置501Cへのハンドオーバが6回試行されて2回成功し、無線基地局装置501Aから無線基地局装置501Dへのハンドオーバが1回試行されて0回成功したことを示すハンドオーバ情報すなわちハンドオーバ履歴テーブルが得られている。
また、このハンドオーバ履歴テーブルでは、無線基地局装置501Aから無線基地局装置501Bへのハンドオーバの成功率が1.00であり、無線基地局装置501Aから無線基地局装置501Cへのハンドオーバの成功率が0.33であり、無線基地局装置501Aから無線基地局装置501Dへのハンドオーバの成功率が0であることも示されている。
また、無線基地局装置501Aでは、無線基地局装置501Bが1位であり、無線基地局装置501Cが2位であり、無線基地局装置501Dが3位である隣接セル情報が得られている(図27の(1))。
この状態において、無線基地局装置501Aの形成するフェムトセルFCAに存在する無線端末装置202の無線基地局装置501Dへのハンドオーバが試みられるとする。
無線基地局装置501Aが無線基地局装置501Dに対してハンドオーバ要求を送信すると、無線基地局装置501Aのハンドオーバ履歴テーブルにおける無線基地局装置501Dへのハンドオーバ試行回数が2に更新される(図27の(2))。
そして、無線基地局装置501Aは、無線基地局装置501Dからハンドオーバ完了通知を受信すると、ハンドオーバ履歴テーブルにおいて無線基地局装置501Dへのハンドオーバ成功回数を1に変更し、ハンドオーバ成功率を算出して0.50に変更する。
これにより、ハンドオーバ成功率を順位決めの指標とする場合には、隣接セル情報において、無線基地局装置501Dが無線基地局装置501Cより上位となる。すなわち、無線基地局装置501Aは、無線基地局装置501Bが1位であり、無線基地局装置501Dが2位であり、無線基地局装置501Cが3位である隣接セル情報に更新する(図27の(3))。
一方、ハンドオーバ成功数を順位決めの指標とする場合には、隣接セル情報における無線基地局装置の順位に変更はない。
そして、無線基地局装置501Aは、隣接セル情報を更新した場合には、たとえば、更新した隣接セル情報を各無線端末装置202に報知する。ここで、無線基地局装置501Aは、たとえば順位付けした無線基地局装置のうち、上位からN個(Nは1以上の整数)を隣接セル情報として無線端末装置202に報知する。
具体的には、無線端末装置202に通知する隣接セル情報に登録可能な無線基地局装置が2つと限定されている場合であってハンドオーバ成功率を順位決めの指標とするときには、無線基地局装置501Aは、無線基地局装置501Bが1位であり、無線基地局装置501Dが2位であることを示す隣接セル情報を各無線端末装置202に通知する。また、無線端末装置202に通知する隣接セル情報に登録可能な無線基地局装置が2つと限定されている場合であってハンドオーバ成功数を順位決めの指標とするときには、無線基地局装置501Aは、無線基地局装置501Bが1位であり、無線基地局装置501Cが2位であることを示す隣接セル情報を各無線端末装置202に通知する。
図28は、本発明の第4の実施の形態に係る無線基地局装置が隣接セル情報を更新する動作の他の例を示す図である。
図28を参照して、まず、無線基地局装置501Aでは、図27の(3)と同じ内容のハンドオーバ履歴テーブルおよび隣接セル情報が得られている(図28の(1))。
この状態において、無線基地局装置501Aの形成するフェムトセルFCAに存在する無線端末装置202の無線基地局装置501Cへのハンドオーバが試みられるとする。
すなわち、無線基地局装置501Aが無線基地局装置501Cに対してハンドオーバ要求を送信すると、無線基地局装置501Aのハンドオーバ履歴テーブルにおける無線基地局装置501Cへのハンドオーバ試行回数が7に更新される(図28の(2))。
その後、無線基地局装置501Aは、このハンドオーバが失敗し、無線基地局装置501Cからハンドオーバ失敗通知を受信すると、ハンドオーバ履歴テーブルにおいて無線基地局装置501Cへのハンドオーバ成功回数は2のままとし、ハンドオーバ成功率を算出して0.29に変更する。このとき、ハンドオーバ成功率を順位決めの指標とする場合およびハンドオーバ成功数を順位決めの指標とする場合のいずれでも、隣接セル情報における順位に変更はない(図28の(3))。
なお、無線基地局装置501Aにおいてハンドオーバ元を認識することが可能である場合には、ハンドオーバ先の情報に限らず、ハンドオーバ元の情報を用いて隣接セル情報を生成してもよい。
また、無線基地局装置501が新規基地局を発見した場合には、当該無線基地局装置501は、一定期間もしくは新規基地局へのハンドオーバ試行回数が所定値に達するまで、新規基地局を隣接セル情報に加え続け、この隣接セル情報を無線端末装置202に通知してもよい。この場合、無線基地局装置501は、隣接セル情報において既にリストされている無線基地局装置はそのまま残し、隣接セル情報にリストする基地局数を一時的に増やしてもよい。
また、ハンドオーバ情報取得部31は、現在から過去の一定期間における無線端末装置202のハンドオーバ動作履歴を示すハンドオーバ情報を取得する構成であってもよい。すなわち、無線基地局装置501は、現在から過去の一定期間におけるハンドオーバ動作履歴に基づいて隣接セル情報を生成してもよい。
たとえば、無線基地局装置501は、現在時刻から1日前までの期間におけるハンドオーバ動作履歴に基づいて隣接セル情報を生成してもよい。また、無線基地局装置501は、ハンドオーバの所定回数分の履歴に基づいて隣接セル情報を生成してもよい。たとえば、無線基地局装置501は、過去の最新30回分のハンドオーバの試行履歴に基づいて隣接セル情報を生成してもよい。
このような構成により、たとえば電源がオフになった無線基地局装置501の順位がいつまでも高いままになってしまうことを防ぐことができる。
また、ハンドオーバ情報取得部31は、対象基地局と対象基地局以外の複数の無線基地局装置の各々との間における最新の一定回数分の無線端末装置202のハンドオーバ動作履歴を示すハンドオーバ情報を取得する構成であってもよい。すなわち、無線基地局装置501は、現在から過去の一定回数分のハンドオーバ動作履歴に基づいて隣接セル情報を生成してもよい。
具体例として、無線基地局装置501Aでは、最新の30回分の無線端末装置202のハンドオーバ動作履歴を示すハンドオーバ情報が得られており、無線基地局装置501Aから無線基地局装置501Bへのハンドオーバ成功回数が15であり、無線基地局装置501Aから無線基地局装置501Cへのハンドオーバ成功回数が5であり、無線基地局装置501Aから無線基地局装置501Cへのハンドオーバ成功回数が10であるとする。この場合、無線基地局装置501Aは、無線基地局装置501Bが1位であり、無線基地局装置501Dが2位であり、無線基地局装置501Cが3位である隣接セル情報を生成する。
また、無線基地局装置501は、本発明の第1〜第3の実施の形態に係る無線通信システムと同様に、現在から過去の一定回数分のハンドオーバ動作履歴に基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置501の中から、ハンドオーバ成功数が所定値以下となる無線基地局装置501を少なくとも除いた隣接セル情報を生成する構成であってもよい。
このような構成により、たとえば電源がオフになった無線基地局装置501の順位がいつまでも高いままになってしまうことを防ぐことができる。
また、無線基地局装置501は、ハイブリッドモードで動作する場合には、メンバー/ノンメンバーの別に応じた重みづけを行なってハンドオーバ試行数およびハンドオーバ成功数をカウントしてもよい。すなわち、隣接セル情報生成部32は、対象基地局がハイブリッドモードで動作する場合には、登録された無線端末装置202のハンドオーバ情報および登録されていない無線端末装置202のハンドオーバ情報を重み付けし、重み付けした結果に基づいて隣接セル情報を生成する。
このような構成により、登録された無線端末装置202および非登録の無線端末装置202の別に応じた適切な隣接セル情報を生成することができる。
以上のように、本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部32は、ハンドオーバ情報取得部31によって取得されたハンドオーバ情報に基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置501を順位付けし、順位付けの結果に基づいた隣接セル情報を生成する。
このような構成により、本発明の第1〜第3の実施の形態に係る隣接セル処理装置と比べて、詳細な隣接セル情報を生成し、無線通信システムにおける動作のさらなる効率化を図ることができる。たとえば、無線基地局装置501は、順位付け結果において上位の無線基地局装置を優先的にハンドオーバ先として選択することにより、ハンドオーバの成功率を高めることができる。
また、本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部32は、順位付けした複数の無線基地局装置501のうち、上位からN個(Nは1以上の整数)の無線基地局装置を示す隣接セル情報を生成する。
このような構成により、たとえば無線端末装置202に通知する隣接セル情報に含めることができる無線基地局装置の数に制限がある場合において、上位N個の無線基地局装置を隣接セル情報に含めることで、適切な隣接セル情報を無線端末装置202に通知することが可能となる。
また、本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部32は、順位付けした無線基地局装置501の順位をさらに示す隣接セル情報を生成する。
このような構成により、さらに詳細な隣接セル情報を生成し、無線通信システムにおける動作のさらなる効率化を図ることができる。たとえば、無線端末装置202は、隣接セル情報における無線基地局装置の順位に従い、測定順序の決定、および測定対象の無線基地局装置の絞り込み等を行ない、効率的な測定動作を行なうことができる。
また、本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部32は、対象基地局と通信する無線端末装置202が、対象基地局以外の無線基地局装置501から送信される無線信号の受信レベルをすべての周波数について測定した結果に基づいて、隣接セル情報の初期情報を生成する。
このような構成により、適切な隣接セル情報を早期に構築することが可能となり、無線通信システム301における動作の効率化を早期に実現することができる。
また、本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムにおける複数の無線基地局装置501のうちの少なくともいずれかはフェムト基地局である。
このように、無線基地局装置の移動および電源のオン/オフが頻繁に起こる無線通信システムにおいて適切な隣接セル情報を生成することにより、無線通信システムにおける動作の効率化を図るという効果をより顕著に得ることができる。
また、本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムでは、ハンドオーバ情報取得部31は、対象基地局と対象基地局以外の複数の無線基地局装置501の各々との間における無線端末装置202のハンドオーバの成功率を示すハンドオーバ情報を取得する。
このように、隣接セル情報にどの無線基地局装置を含めるか、および無線基地局装置の順位付けの判断基準としてハンドオーバ成功率を用いることにより、適切な隣接セル情報を生成することができる。
また、このハンドオーバ成功率を、本発明の第1〜第3の実施の形態に係る無線通信システムにおいてハンドオーバ回数の代わりに用いてもよい。すなわち、隣接セル情報生成部32は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置501の中から、ハンドオーバ情報の示すハンドオーバの成功率が所定値以下となる無線基地局装置501を少なくとも除いた隣接セル情報を生成する。
このような構成により、実際にハンドオーバが成功した実績の少ない無線基地局装置501を隣接セル情報から適切に削除することができる。
また、本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部32は、ハンドオーバ情報取得部31によって取得されたハンドオーバ情報の示すハンドオーバの成功率が大きい無線基地局装置501の順位を、ハンドオーバの成功率が小さい無線基地局装置501よりも上げた隣接セル情報を生成する。
このような構成により、実際にハンドオーバ先として選択された実績に応じて無線基地局装置501の順位付けを適切に行なうことができる。
また、本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部32は、ハンドオーバ情報取得部31によって取得されたハンドオーバ情報の示すハンドオーバの成功回数が多い無線基地局装置501の順位を、ハンドオーバの成功回数が少ない無線基地局装置501よりも上げた隣接セル情報を生成する。
このような構成により、実際にハンドオーバが成功した実績に応じて無線基地局装置501の順位付けを適切に行なうことができる。
なお、本発明の第4の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部32は、たとえば図27のように各無線基地局装置501の順位を示す隣接セル情報を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。隣接セル情報において各無線基地局装置501の順位を示すことは必須ではなく、たとえば、隣接セル情報生成部32が、順位付けした複数の無線基地局装置501のうち、上位からN個(Nは1以上の整数)の無線基地局装置を示す隣接セル情報を生成する場合には、隣接セル情報において各無線基地局装置501の順位を示す必要がないと考えられる。
また、本発明の第4の実施の形態に係る無線基地局装置では、隣接セル情報生成部32は、対象基地局と通信する無線端末装置202が、対象基地局以外の無線基地局装置501から送信される無線信号の受信レベルをすべての周波数について測定した結果に基づいて、隣接セル情報の初期情報を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。無線通信システムにおける無線基地局装置501の送信周波数を全種類測定する構成に限らず、それらの一部である複数の周波数を測定する構成であってもよい。
また、本発明の第1〜第4の実施の形態に係る無線通信システムでは、隣接セル情報生成部は、ハンドオーバ情報取得部によって取得されたハンドオーバ情報に基づいて、対象基地局以外の複数の無線基地局装置のうち、対象基地局の周辺に設置された1または複数の無線基地局装置を示す隣接セル情報を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。
隣接セル情報生成部は、無線端末装置のハンドオーバ動作履歴を示すハンドオーバ情報に加えて、無線基地局装置から送信される無線信号の測定結果を示す測定情報、および無線基地局装置の属性を示す属性情報の組み合わせに基づいて隣接セル情報を生成する構成であってもよい。測定情報としては、たとえば、受信レベル、および無線基地局装置の存在を検出した回数または検出率が考えられる。また、属性情報としては、たとえば、無線基地局装置がフェムト基地局であるかマクロ基地局であるかの情報が考えられる。
また、本発明の第4の実施の形態に係る無線基地局装置が、本発明の第1の実施の形態に係るフェムト基地局と同様のハンドオーバ情報を取得し、隣接セル情報における無線基地局装置の順位付けを行なう構成であってもよい。
また、本発明の第2および第3の実施の形態に係るゲートウェイ装置と同様に、本発明の第4の実施の形態において、無線基地局装置501の代わりに、ゲートウェイ装置203または上位装置205が隣接セル処理装置として動作する構成であってもよい。
また、無線基地局装置が複数のセクタを有している場合、すなわち1つのセルが複数のセクタに分割されている場合には、隣接セル情報において1つのセクタを1つの無線基地局装置として扱えばよく、本発明は、このような場合にも適用される。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る無線通信システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第5の実施の形態>
本実施の形態は、第4の実施の形態に係る無線通信システムと比べて無線基地局装置の代わりにゲートウェイ装置が隣接セル処理装置として動作し、かつハンドオーバ情報の内容を変更した無線通信システムに関する。以下で説明する内容以外は第4の実施の形態に係る無線通信システムと同様である。
図29は、本発明の第5の実施の形態に係るゲートウェイ装置が取得したハンドオーバ情報の一例を示す図である。
図29を参照して、ゲートウェイ装置203は、以下のようなハンドオーバ情報を取得する。すなわち、無線基地局装置501Aと無線基地局装置501Cとの間を無線基地局装置501B経由で無線端末装置202がハンドオーバしたときの、無線端末装置202が無線基地局装置501Bへハンドオーバしてから無線基地局装置501Aまたは無線基地局装置501Cへハンドオーバするまでの時間、すなわち無線基地局装置501Bの形成するセルにおける滞在時間の平均が20秒である。
また、無線基地局装置501Aと無線基地局装置501Dとの間を無線基地局装置501B経由で無線端末装置202がハンドオーバしたときの、無線端末装置202が無線基地局装置501Bへハンドオーバしてから無線基地局装置501Aまたは無線基地局装置501Dへハンドオーバするまでの時間、すなわち無線基地局装置501Bの形成するセルにおける滞在時間の平均が6秒である。
また、無線基地局装置501Aと無線基地局装置501Bとの間を無線基地局装置501C経由で無線端末装置202がハンドオーバしたときの、無線端末装置202が無線基地局装置501Cへハンドオーバしてから無線基地局装置501Aまたは無線基地局装置501Bへハンドオーバするまでの時間、すなわち無線基地局装置501Cの形成するセルにおける滞在時間の平均が2秒である。
また、無線基地局装置501Aと無線基地局装置501Dとの間を無線基地局装置501C経由で無線端末装置202がハンドオーバしたときの、無線端末装置202が無線基地局装置501Cへハンドオーバしてから無線基地局装置501Aまたは無線基地局装置501Dへハンドオーバするまでの時間、すなわち無線基地局装置501Cの形成するセルにおける滞在時間の平均が20秒である。
また、無線基地局装置501Aと無線基地局装置501Bとの間を無線基地局装置501D経由で無線端末装置202がハンドオーバしたときの、無線端末装置202が無線基地局装置501Dへハンドオーバしてから無線基地局装置501Aまたは無線基地局装置501Bへハンドオーバするまでの時間、すなわち無線基地局装置501Dの形成するセルにおける滞在時間の平均が8秒である。
また、無線基地局装置501Aと無線基地局装置501Cとの間を無線基地局装置501D経由で無線端末装置202がハンドオーバしたときの、無線端末装置202が無線基地局装置501Dへハンドオーバしてから無線基地局装置501Aまたは無線基地局装置501Cへハンドオーバするまでの時間、すなわち無線基地局装置501Dの形成するセルFCDにおける滞在時間の平均が4秒である。
図30は、本発明の第5の実施の形態に係るゲートウェイ装置が生成する隣接セル情報の一例を示す図である。
図30を参照して、図29に示すようなハンドオーバ情報を用いて、ゲートウェイ装置203は、無線基地局装置501B,501C,501Dの順位付けを行なう。すなわち、無線基地局装置501Aを始点または終点とした無線基地局装置501Bを経由するハンドオーバにおいて、無線基地局装置501Bでの滞在時間の平均は(20秒+6秒)/2=13秒であり、無線基地局装置501Aを始点または終点とした無線基地局装置501Cを経由するハンドオーバにおいて、無線基地局装置501Cでの滞在時間の平均は(2秒+20秒)/2=11秒であり、無線基地局装置501Aを始点または終点とした無線基地局装置501Dを経由するハンドオーバにおいて、無線基地局装置501Dでの滞在時間の平均は(8秒+4秒)/2=6秒である。ゲートウェイ装置203は、このような各平均時間を算出し、平均時間の最も長い無線基地局装置501Bを1位とし、次に平均時間の長い無線基地局装置501Cを2位とし、平均時間の最も短い無線基地局装置501Dを3位とする。そして、ゲートウェイ装置203は、順位付けした無線基地局装置のうち、たとえば、最下位の無線基地局装置501Dを除いた、上位2つの無線基地局装置501B,501Cを示す隣接セル情報を生成する。
このように、本発明の第5の実施の形態に係る無線通信システムでは、ゲートウェイ装置203におけるハンドオーバ情報取得部31は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置501のうちの第1の無線基地局装置および残りの複数の第2の無線基地局装置について、対象基地局と残りの複数の第2の無線基地局装置の各々との間を第1の無線基地局装置経由で無線端末装置202がハンドオーバしたときの、無線端末装置202が第1の無線基地局装置へハンドオーバしてから対象基地局および残りの複数の第2の無線基地局装置へそれぞれハンドオーバするまでの各滞在時間を示すハンドオーバ情報を取得する。たとえば、ハンドオーバ情報取得部31は、このハンドオーバ情報を第1の無線基地局装置からの情報に基づいて取得する。
図29および図30では、対象基地局が無線基地局装置501Aであり、第1の無線基地局装置が無線基地局装置501B,501C,501Dである場合が一例として示されている。
このように、隣接セル情報における無線基地局装置の順位付けの判断基準として、ハンドオーバ時に無線端末装置202が経由した無線基地局装置における無線端末装置202の滞在時間を用いることにより、適切な隣接セル情報を生成することができる。
そして、隣接セル情報生成部32は、対象基地局以外の複数の無線基地局装置のうち、対象基地局の周辺に配置された1または複数の無線基地局装置を順位付けし、かつすべての第2の無線基地局装置に対応するハンドオーバ情報の示す滞在時間の平均が長い無線基地局装置の順位を、滞在時間の平均が短い無線基地局装置よりも上げた隣接セル情報を生成する。
このような構成により、無線端末装置202がハンドオーバ動作において経由する必要性の高低に応じて無線基地局装置501の順位付けを適切に行なうことができる。
なお、本発明の第5の実施の形態に係るゲートウェイ装置では、本発明の第3の実施の形態に係るゲートウェイ装置と同様に、ハンドオーバ情報取得部が、対象基地局と通信する無線端末装置202が上記第2の無線基地局装置と通信可能か否かを示すハンドオーバ情報を無線端末装置202からの受信電力情報等に基づいて取得する構成であってもよい。
このように、ハンドオーバ動作履歴の情報に加えて、他の内容の情報をハンドオーバ情報として取得する構成により、より最適な隣接セル情報を生成することができる。すなわち、実際には隣接していないセルがあたかも隣接しているように認識され、圏外状態が発生してしまうことを防ぐことができる。
なお、本発明の第5の実施の形態に係るゲートウェイ装置では、たとえば無線基地局装置501Aを対象基地局とする場合、すべての第2の無線基地局装置に対応するハンドオーバ情報の示す滞在時間の平均が長い無線基地局装置の順位を、滞在時間の平均が短い無線基地局装置よりも上げた隣接セル情報を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。
ハンドオーバ情報取得部31が上記すべての第2の無線基地局装置のうち、一部の第2の無線基地局装置についての滞在時間をハンドオーバ情報として取得し、隣接セル情報生成部32が、このハンドオーバ情報に基づいて第1の無線基地局装置の順位付けを行なう構成であってもよい。
このような構成により、各無線基地局装置の設置環境に応じて隣接セル情報における無線基地局装置501の順位付けの判断基準を調整することができる。
ただし、本発明の第5の実施の形態に係るゲートウェイ装置のように、すべての第2の無線基地局装置に関するハンドオーバ情報を取得し、隣接セル情報生成部32が、このハンドオーバ情報に基づいて第1の無線基地局装置の順位付けを行なう構成により、ある一部の無線基地局装置をハンドオーバ先またはハンドオーバ元とする場合にハンドオーバの経路として必要となる第1の無線基地局装置を、隣接セル情報において誤って下位にしてしまうことを防ぐことができる。
また、同様に、ハンドオーバ情報取得部31が、対象基地局と通信する無線端末装置202が第2の無線基地局装置と通信可能か否かを示すハンドオーバ情報を各第2の無線基地局装置の一部について取得し、隣接セル情報生成部32が、このハンドオーバ情報に基づいて第1の無線基地局装置の順位付けを行なう構成であってもよい。
また、本発明の第4の実施の形態に係る隣接セル情報の最適化と、本発明の第5の実施の形態に係る隣接セル情報の最適化とを組み合わせてもよい。すなわち、隣接セル情報における無線基地局装置の順位付けの判断基準として、無線端末装置202のハンドオーバ回数またはハンドオーバ成功率と、ハンドオーバ時に無線端末装置202が経由した無線基地局装置における無線端末装置202の滞在時間とを組み合わせることも可能である。さらに、隣接セル情報における無線基地局装置の順位付けの判断基準として、この組み合わせに、無線端末装置202が、ハンドオーバ先候補となる無線基地局装置501と通信可能か否かの情報を加えることも可能である。
また、本発明の第5の実施の形態に係るゲートウェイ装置では、隣接セル情報における無線基地局装置の順位付けの判断基準として、ハンドオーバ時に無線端末装置202が経由した無線基地局装置における無線端末装置202の滞在時間を用いる構成であるとしたが、これに限定するものではない。隣接セル情報における無線基地局装置の順位付けの判断基準として、ハンドオーバ回数またはハンドオーバ成功率を用いる構成であってもよい。
たとえば、本発明の第5の実施の形態に係るゲートウェイ装置において、本発明の第2の実施の形態に係るゲートウェイ装置と同様に、ハンドオーバ情報取得部31は、対象基地局から対象基地局以外の複数の無線基地局装置501への無線端末装置202のハンドオーバ回数またはハンドオーバ成功率、および対象基地局以外の複数の無線基地局装置501から対象基地局への無線端末装置202のハンドオーバ回数またはハンドオーバ成功率を示すハンドオーバ情報を取得する構成であってもよい。この場合、隣接セル情報生成部32は、2つの無線基地局装置501間における双方向のハンドオーバ回数またはハンドオーバ成功率に基づいて、無線基地局装置501の順位付けを行なう。このような構成により、より最適な隣接セル情報を生成することができる。
また、さらにこの場合、本発明の第5の実施の形態に係るゲートウェイ装置が、無線通信システム301における各無線基地局装置501のうちの少なくとも1つに含まれる構成であってもよい。この場合、ゲートウェイ装置203を搭載する無線基地局装置501は、自己の形成するセルに存在する無線端末装置202、および他の無線基地局装置501からの情報に基づいてハンドオーバ情報を取得する。そして、ゲートウェイ装置203は、生成した隣接セル情報を、自己の形成するセルに存在する無線端末装置202、および他の無線基地局装置501へ通知する。
その他の構成および動作は第4の実施の形態に係る無線通信システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
なお、本発明の第1〜第4の実施の形態では、隣接セル情報生成部は、無線端末装置202のハンドオーバ動作履歴に基づいて隣接セル情報を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。無線基地局装置と通信中の無線端末装置202が行なう基地局間移動(セル間移動)動作であるハンドオーバに限らず、アイドル状態の無線端末装置202が行なう基地局間移動(セル間移動)動作についても、本発明は適用される。
この場合、無線基地局装置は、ハンドオーバ情報取得部の代わりに移動情報取得部を備え、移動情報取得部は、無線端末装置202の移動動作履歴を示す移動情報を、無線端末装置202からの情報すなわち移動完了通知に基づいて取得する。そして、隣接セル情報生成部は、移動情報取得部によって取得された移動情報に基づいて、対象フェムト基地局以外の複数のフェムト基地局101のうち、対象フェムト基地局の周辺に設置された1または複数のフェムト基地局101を示す隣接セル情報を生成する。すなわち、本発明の第1〜第4の実施の形態において、「ハンドオーバ」を「移動」に置き換えた構成および動作についても、本発明は適用される。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。