JP5593807B2 - ワイヤハーネス用のネット状保護材 - Google Patents
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Description
これらのテープおよびチューブからなる外装材としては、従来、テープは塩化ビニルテープが汎用され、コルゲートチューブとしてはポリプロピレン等が用いられ、いずれも樹脂で形成されている。
さらに、実開平4−21119号等で提案されている樹脂糸からなるネットチューブも用いられている。
さらに、従来のネットチューブは縦糸と横糸とを編んで隣接する交点と縦糸と横糸の上下を逆転してネット状に形成している。よって、交点での縦糸と横糸との結合力が弱い。よって、裁断口から解れやすく、かつ、交点に引張力や引裂力が負荷されると、交点での剥がれ、所謂目崩れが生じて、形状保持力が低い問題がある。
前記縦線と横線は断面楕円形状とし、該縦線と横線のいずれか一方または両方の前記融着位置と対向する円弧状の外面に1本のクッション用突起が長さ方向に連続して設けられていることを特徴とするワイヤハーネス用のネット状保護材を提供している。
クッション用突起の形状は、長さ方向と直交方向の断面が矩形状、山形状、円弧状、矢尻状など任意の形状で良い。
このように、ネット状保護材にクッション用突起を設けて厚くすると、ワイヤハーネスの保護機能を高めることが出来ると共に車体に沿って配索するワイヤハーネスが振動で車体に接触を繰り返しても、クッション用突起が接触する事で異音発生を防止または低減することができる。さらに、ネット状保護材自体の耐摩耗性を高めることができる。
このように、縦横線の交点では外周面が線接触で溶着されているのではなく、縦線と横線とを断面楕円形状とし、かつ、一方または両方の線材が相手方の線材中に埋設されるように互いに融着しているため、強固に固着されている。よって、ネット状保護材に引っ張り力や引き裂き力が負荷されても交点で縦横線の結合が剥がれることはなく、目崩れが発生せず、形状保持力が強くネット状保護材としての信頼性が高いものとなる。
前記樹脂成分としては、加工容易性、コストの点等からポリプロピレンが最も好適に用いられる。
このように、難燃性樹脂線材で形成しているため、車両のエンジンルーム内に配索するワイヤハーネスに外装することができる。
チューブとする場合は、一枚のシートの巾方向の端縁を互いに熱融着してチューブとしている。
前記空孔の形状は、要求される伸縮性および強度によって調整される。
即ち、空孔の大きさは、伸縮性の要求度が高い場合にはネットを粗くして各空孔を大きくし、強度および耐摩耗性の要求度が高い場合にはネットを細かくして各空孔を小さくしている。空孔の形状は、伸びやすくするには菱形状とされ、伸びにくくするには正方形や長方形としている。
前記ネット状のシートを所要長さに裁断し、裁断されたネット状シートの巾方向の両端縁がラップして筒状になるように賦形している。
前記サイジング機のアウトダイスとインダイスとからなるダイスセットでネット状シートを成形する際に、アウトダイスまたは/およびインダイスの孔の外面側にクッション用突起成形用の突出した孔を連続して設けることにより、クッション用突起を突設したネット状保護材を簡単に製造することができる。
さらに、ネット状としていることにより、従来の樹脂製の丸チューブと比較して1/2以下にまで軽量化することができる。
図1乃至図5に第一実施形態を示す。
図1に示す第一実施形態のネット状保護材はシート1としている。該シート1は断面楕円形状とした縦線2と横線3を交点4で融着し、縦横線2、3で囲まれた空孔5を設けたネット状である。
該交点4では、上下の断面楕円形状の縦線2と横線3とが面接触し、かつ、下側の横線3の断面積の40〜50%の部分3mを上側の縦線2中に入り込ませる状態で融着している。
詳細には、難燃性樹脂線材10は、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、これらを2種以上の混合物から選択されるノンハロゲンの樹脂成分の一種以上に、臭素系、リン酸エステル、金属水酸化物、メラミンから選択される難燃剤が配合されている。
前記樹脂成分100質量部に対して前記難燃剤が0.5〜100質量部配合されている。さらに必要に応じて、酸化マグネシウムあるいは/および炭酸カルシウムからなる充填剤が前記樹脂成分100質量部に対して0〜50質量部配合されている。
本実施形態では樹脂成分としてポリプロピレン(PP)を用い、難燃剤として「テトラプロモビスフェノール」からなる臭素系難燃剤を用いている。
該シート1をワイヤハーネス20に取り付ける工程では、クッション用突起2aを外周面側としてワイヤハーネス20の電線群Wの長さ方向に沿って縦沿えし、該状態で巻癖をつけたシート1を電線群Wの外周面に巻き付けている。この状態で、巾方向の両端側がラップして電線群Wの全外周面を完全に被覆することができる。その後、シート1の長さ方向の両端から引き出された電線群Wとに粘着テープTを巻き付けて固着している。
図4に示すサイジング機30でシート1を成形している。詳細には、前記樹脂成分に難燃剤、安定剤等をホッパー25に投入し、ホッパー25で撹拌混合し、該撹拌混合した混合物をスクリューコンベヤ26で混練りしながら図4に示すダイセット27へ搬送し、混練物をダイセット27で難燃性樹脂線材10からなるネット状のシート1として成形している。
ついで、ネット状のシート1は冷却槽31へと搬送され、延伸ローラ32で熱延伸され、延伸後、延伸槽33へ搬送され、その後、シート1はコイル41に巻回される。
即ち、台円錐筒形状とした成形機45を用い、該成形機45の上流と下流とに引っ張りロール46A、46Bを配置している。シート1をロール46Aより成形機45に通し、該成形機45の内部で円弧状に癖づけしていき、最終の小径部分では巾方向の端縁部がラップするようにしている。該状態でロール46Bで引き出し、連続したシート1−Bを製造している。該シート1−Bは使用条件に応じて所要長さに裁断機47で裁断している。
また、縦横線2、3とも難燃性樹脂線材10から形成しているため、ネット状のシート1は難燃性を備え、エンジンルームに配索するワイヤハーネスの外装材として用いることができ、かつ、縦横線2、3が互いに強固に固着されているため、各縦横線2、3の裁断端でほつれが生じることはない。しかも、シート1をネット状としているため、丸チューブと比較して重量を半減できる。特に、自動車に配索する多数本のワイヤハーネスの外装材として用いると、自動車の重量軽減にも寄与でき、燃費を向上させることができる。
さらに、前記したように、外面側にクッション用突起が突設されているため、ワイヤハーネスの保護機能を高めることができ、かつ、異音発生の防止、低減を図ることができる。
第二実施形態のシート1では、横線3の外面にもクッション用突起3aを設け、縦横線2、3の外面にそれぞれクッション用突起2a、3aを突設していることにより、ネット状保護材の厚さをより厚くでき、クッション性をたかめることができる。
第三実施形態は、ネット状保護材をネット状のチューブ50としている。
前記第一実施形態で、シート1を円弧形状に賦形し、巾方向の両端側がラップするように賦形した後に、図8(A)に示すように、ラップさせた両端縁を熱融着してチューブ50としている。
このネット状のチューブ50は図8(B)に示すように、収縮させてワイヤハーネス20を挿通し、挿通後に図8(C)に示すように引き伸ばして、ワイヤハーネス20の電線群と粘着テープTで固着している。
2 縦線
2a クッション用突起
3 横線
4 交点
5 空孔
50 ネット状のチューブ
Claims (3)
- 車両に配索されるワイヤハーネス用のネット状保護材であり、シート形状またはチューブ形状であり、樹脂線材からなる縦線と横線との交点が加圧熱融着されてネット状としており、
前記縦線と横線は断面楕円形状とし、該縦線と横線のいずれか一方または両方の前記融着位置と対向する円弧状の外面に1本のクッション用突起が長さ方向に連続して設けられていることを特徴とするワイヤハーネス用のネット状保護材。 - 前記縦線または横線から突設する前記クッション用突起の突出寸法は、縦線または横線の厚さの20〜60%である請求項1に記載のワイヤハーネス用のネット状保護材。
- 前記縦線と横線の交点の融着部分では、そのいずれか一方または両方が、その断面積の40%〜50%が溶融されて相手方の繊維中に埋設された状態で互いに融着され、裁断端でほつれ止めされている請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネス用のネット状保護材。
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