はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下の各手段は、「絵柄表示装置(リール)を変動表示させたあとに停止させる遊技機としては、例えばスロットマシンがある。スロットマシンでは、絵柄表示装置に複数の図柄が付与されており、絵柄表示装置に付与された図柄の一部が視認可能な構成となっている。そして遊技者がメダルを投入してスタートレバーを操作することで絵柄表示装置が変動表示を開始し、絵柄表示装置が変動表示を開始した後にストップスイッチを操作することで絵柄表示装置が順次停止表示して1回の遊技が終了する。また、スロットマシンの内部では役の抽選を行っており、抽選の結果が当選であり且つ予め設定された有効ライン上に当選となった図柄の組合せが停止すると、所定枚数のメダルが払い出される等の特典が遊技者に付与されたり、遊技状態がビッグボーナスゲーム等の遊技者に有利なボーナスゲーム(特別遊技状態)に移行したりする。近年では、上記スロットマシンに液晶ディスプレイ等の補助表示部を設け、その補助表示部に表示する情報によって演出を行い、遊技に関する情報を教示している。演出として例えば以下のようなものがある。抽選の結果がボーナスゲーム当選であった場合、補助表示部にて当該結果を告知するといった演出である(例えば特許文献1参照)。また、この演出では、ボーナスゲーム当選である場合以外に、その他の役当選に対しても同様な告知演出を行っている。これにより、ボーナスゲーム以外の役(所謂、小役と称されるもので、例えばスイカやチェリー)が当選している遊技回において、遊技性を十分に理解していない遊技者(以下、初級遊技者ともいう)でも、当選となった役に対応した図柄の組合せが停止しなくとも、その役に当選していたことを知ることができる。したがって、上記遊技演出は、初級遊技者の遊技をサポートしているといえる。さらに、遊技演出は、遊技者に遊技を楽しませるという効果もある。しかしながら、上記遊技演出は、初級遊技者や遊技演出を楽しむ遊技者に対しては、十分な効果を奏することとなるが、遊技性を十分に理解した遊技者(以下、上級遊技者ともいう)に対しては、テンポの良い遊技の妨げになるおそれがある。つまり上級遊技者は、仮に有効ライン上に役図柄が揃っていなくても、上記遊技演出を頼りにすることなく停止表示されたリール図柄からどのような役に当選していたかを知る又は推測することができる。また、上級遊技者の他に、遊技演出に興味がない遊技者に対しても上記遊技演出を行うことは、テンポの良い遊技を妨げる要因となるおそれがある。また、スロットマシンによっては、例えば、ボーナスゲームと子役とに同時に当選となる複数当選役が設定されており、初級遊技者では、当選役に気付かないことが一層起こり得る。なお、上記問題はスロットマシンに限らず、演出等によって遊技に関する情報を教示する遊技機であって、複数の絵柄を変動表示させ、その後遊技者の操作に基づいて変動表示を停止させるその他の遊技機にも該当する問題である。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、複数当選役に当選している場合に行われる所定の演出を表示するか否かを遊技者が選択でき、当該演出を表示することが選択された場合に複数当選役に当選していることを好適に遊技者に教示できる遊技機を提供することを目的とするものである。」という背景技術及び発明が解決しようとする課題に基づくものである。
手段1.遊技機前方から視認可能な位置に設けられ、複数種の絵柄が変動表示される絵柄表示装置(リール42L,42M,42R)と、
前記絵柄の変動表示を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー71)と、
役毎に当選情報が定められた当選情報群を記憶する当選情報群記憶手段(通常ゲーム用抽選テーブル)と、
前記当選情報群記憶手段を用いて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置131の抽選処理機能)と、
前記絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップスイッチ72〜74)と、
前記抽選手段にて当選となった役と対応した前記絵柄が変動表示後に前記絵柄表示装置の有効位置に停止している場合に特典を付与する特典付与手段(主制御装置131におけるメダル払出処理)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて前記絵柄の変動表示を開始させるとともに、前記停止操作手段の操作に基づいて前記絵柄の変動表示を停止させるよう前記絵柄表示装置を表示制御する表示制御手段(主制御装置131におけるリール制御処理)と
を備えた遊技機において、
第1所定役(スイカ役)及び第2所定役(BB役)の一方に当選する場合の少なくとも一部について、他方にも当選するように前記当選情報が設定されており、
前記役の抽選の結果を教示する教示手段(補助表示部15)と、
前記第1所定役又は前記第2所定役の一方に当選していることを教示する第1教示を行うよう前記教示手段を教示制御する第1教示制御手段(表示制御装置111の演出抽選処理におけるステップS1415)と、
前記第1所定役及び前記第2所定役に当選しており且つ前記第1教示が行われている場合に予め定められた特定操作が行われた場合、前記第1所定役及び前記第2所定役に当選していることを教示する第2教示を行うよう前記教示手段を教示制御する第2教示制御手段(表示制御装置111における演出抽選処理及び第2教示演出表示処理)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段1によれば、第1所定役又は第2所定役の一方に当選していることを教示する第1教示が行われる。第1所定役及び第2所定役に当選しており、第1教示が行われている状況において予め定められた特定操作が行われた場合に、第1所定役及び第2所定役に当選していることを教示する第2教示が行われる。
複数当選役に当選している状況において第1教示が行われており且つ特定操作が行われた場合に第2教示が行われるため、特定操作を行うか否かによって第2教示を行うか否かを遊技者は選択することができる。これにより、第2教示を認識したい遊技者は第2教示を行わせ、第2教示を認識したくない遊技者又は第2教示に興味がない遊技者は第2教示を行わせずに遊技を行うことができる。
例えば、遊技性を十分に理解していない遊技者(以下、初級遊技者ともいう)では、絵柄の変動表示が停止した場合に、停止した絵柄から当選している役に気付かないことが考えられる。さらに、本構成によれば、第1所定役及び第2所定役に当選することがあるため、第1所定役及び第2所定役の一方又は両方に当選していることに気付かないことが一層起こり得る。上記初級遊技者は特定操作を行い、第2教示を行わせることによって第1所定役及び第2所定役に当選していることを好適に理解することができる。
また、例えば、遊技性を十分に理解した遊技者(以下、上級遊技者ともいう)は、仮に有効ライン上に役に対応した図柄が揃っていなくても、停止表示された絵柄からどのような役に当選していたかを知る又は推測することができる場合がある。このため、上記上級遊技者や上記上級遊技者以外にも教示が行われることに対して興味がない遊技者に教示を頻繁に行うことは、テンポの良い遊技を妨げる要因となるおそれがある。本発明によれば、上記上級遊技者又は教示が行われることに対して興味がない遊技者は、特定操作を行わず第2教示が行われることをキャンセルすることができる。これによって、過度に教示が行われ、テンポの良い遊技を妨げることを抑制できる。
上述したとおり、本発明によれば、上記初級遊技者、上記上級遊技者、教示が行われることを好む遊技者及び教示が行われることに対して興味がない遊技者等でも、遊技者が第2教示を行わせるか否かを選択することにより、各遊技者が望む教示態様を選択することができる。また、第2教示が行われる頻度を遊技者が選択できるため、同じ態様の教示が繰り返し行われ、遊技が単調化することを抑制することができる。これらにより、遊技者に遊技を行うことが飽きられてしまうことを抑制でき、どのような遊技者に対しても好適に遊技を行うことを促すことができる。よって、例えば、遊技機が設置されている遊技店等において遊技機が飽きられてしまい、遊技機の稼働率が低下することを抑制する効果も発揮される。
なお、「当選していることを教示」とは、具体的に役に当選していることを教示する構成だけでなく、絵柄等を用いてその絵柄等に対応した役に当選していることを教示する構成も含まれる。
手段2.手段1において、前記絵柄表示装置は、前記絵柄を変動表示する複数の変動表示部(リール42L,42M,42R)を備え、
前記絵柄表示装置における前記絵柄の変動表示は、前記変動表示部を用いて行われるものであり、
前記変動表示部は、前記絵柄を周方向に変動表示させるものであり、
前記停止操作手段は、前記変動表示部に対応して複数設けられており、
さらに、前記特典付与手段は、前記変動表示部において役に対応した前記絵柄の組合せが前記有効位置に成立した場合に前記特典を付与するものであり、
前記表示制御手段は、前記停止操作手段の操作タイミングから予め定められた規定期間(190msec)内に前記変動表示部の変動表示を停止させるよう停止制御し、
前記変動表示部には、前記第1所定役及び前記第2所定役に対応した前記絵柄の組合せを形成する役対応絵柄がそれぞれ配置されているとともに、
前記第1所定役に対応した前記役対応絵柄又は前記第2所定役に対応した前記役対応絵柄の少なくとも一方は、前記有効位置に先に到達する前記役対応絵柄と、前記有効位置に次に到達する同種又は同一の前記役対応絵柄との間隔が前記規定期間内に前記到達絵柄の移動できる絵柄数より大きく形成されるように配置されていることを特徴とする遊技機。
手段2によれば、役対応絵柄の間隔が規定期間内に到達絵柄の移動できる絵柄数よりも大きく形成されている。この場合、役対応絵柄が規定期間内に有効位置に到達できるタイミングにて停止操作手段が操作されなければ、役対応絵柄が有効位置に到達しない。このため、停止操作手段の操作タイミングによっては役対応絵柄の組合せが有効位置に成立しない。これにより、遊技者は、役対応絵柄が規定期間に有効位置に到達できるタイミングで停止操作手段を操作しようとする。よって、遊技への積極的参加を遊技者に促すことができる。
また、停止操作手段の操作タイミングによっては、役対応絵柄の組合せは成立しないことがある。このため、例えば、上記初級遊技者は、停止表示した絵柄から第2所定役又は第1所定役に当選していたことに気付かないことが考えられる。よって、第1教示及び第2教示によって当選している役を遊技者に教示することによる遊技をサポートする効果を好適に発揮することができる。
なお、「同種の役対応絵柄」とは、当選している役に対応した絵柄が複数種設定されている構成が含まれる。また、複数種の役に完全重複した当選情報が設定されており、当該複数種の役のうちいずれかの役に対応した絵柄の組合せが有効位置に停止した場合の遊技結果が同一に設定されている構成が含まれる。例えば、3種の絵柄の組合せによって役対応絵柄が構成されている遊技機において、第1所定役に当選した場合に、内部的には、対応した絵柄の組合せが「スイカ」、「スイカ」、「スイカ」である役と、対応した絵柄の組合せが「スイカ」、「スイカ」、「リプレイ」である役とに当選しており、遊技者は「スイカ」、「スイカ」、「スイカ」又は「スイカ」、「スイカ」、「リプレイ」の組合せが有効位置に停止した場合に、第1所定役に対応した絵柄の組合せが停止したと認識するようなものが考えられる。
手段3.手段1又は手段2において、前記絵柄表示装置は、前記絵柄が変動表示される複数の変動表示部(リール42L,42M,42R)を備え、
前記絵柄表示装置における前記絵柄の変動表示は、前記変動表示部を用いて行われるものであり、
前記停止操作手段は、前記変動表示部に対応して複数設けられており、
前記特典付与手段は、前記変動表示部において役に対応した前記絵柄の組合せが前記有効位置に成立した場合に前記特典を付与するものであり、
さらに、前記変動表示部には、前記第2所定役及び前記第1所定役に対応した前記絵柄の組合せを形成する役対応絵柄を配置し、
前記有効位置に停止表示している前記絵柄を把握する絵柄把握手段(表示制御装置111の演出抽選処理におけるステップS1411、ステップS1412)を備え、
前記複数の変動表示部のうち一部の変動表示部における前記絵柄の変動表示が停止している場合に、前記第1教示制御手段は、前記絵柄把握手段が把握した前記有効位置に停止した当該変動表示部の絵柄に基づいて、前記第1所定役又は前記第2所定役のうち前記役対応絵柄が前記有効位置に停止している役について当選していることを教示するよう前記教示手段を教示制御することを特徴とする遊技機。
手段3によれば、第1教示は、第1所定役又は第2所定役のうち、役対応絵柄が有効位置に停止している役について当選していることを教示する。これにより、第1教示が行われた場合に、第1教示にて教示された役に対応した役対応絵柄がすでに有効位置に停止しておらず、教示された役に対応した絵柄の組合せを遊技者が成立させることができなくなっていることを抑制することができる。
さらに、上記手段2のように、停止操作手段の操作タイミングによっては役に対応した絵柄の組合せが成立しないことがある遊技機に適用すれば、遊技者は第1教示を認識してから当選している役に対応した絵柄の組合せが成立するよう停止操作手段を操作しようとする。これにより、当選している役を遊技者に教示することによる第1教示の遊技をサポートする効果を高めることができる。
手段4.手段1乃至手段3のいずれかにおいて、前記教示手段は、前記第1教示及び前記第2教示を表示領域にて表示する表示手段(補助表示部15)であることを特徴とする遊技機。
手段4によれば、第1教示及び第2教示が表示領域にて表示されるため、遊技者にとっては目視により第1教示及び第2教示を認識することができる。また、表示領域にて表示することで、各教示態様の自由度が高まる。
手段5.手段4において、各種演出を記憶する記憶手段(表示制御装置111のCPUのROM)を備え、
少なくとも1種類以上の図柄又は動画を連続して表示することにより、当選した役を教示する連続演出が、連続演出の前半部分を前半演出、連続演出の後半部分を後半演出として前記記憶手段に記憶されており、
前記第1教示として前記前半演出が前記第1教示制御手段によって前記表示手段に表示制御され、
前記第2教示として前記後半演出が前記第2教示制御手段によって前記表示手段に表示制御されることを特徴とする遊技機。
手段5によれば、少なくとも1種類以上の図柄又は動画を連続して表示することにより当選した役を教示する連続演出が、連続演出の前半を前半演出、連続演出の後半を後半演出として分割され、演出を記憶する記憶手段に記憶されている。第1教示として前半演出が第1教示制御手段によって表示手段に教示制御され、第2教示として後半演出が第2教示制御手段によって表示手段に教示制御される。すなわち、第1教示において連続演出を途中まで表示し、第2教示においては第1教示で表示された連続演出の続きを表示する。したがって、第1教示と第2教示との両方を視認することによって、連続演出を視認することができ遊技者は遊技を楽しむことができる。
手段6.手段1乃至手段5のいずれかにおいて、前記特定操作は、前記停止操作手段を用いて行われる操作態様であることを特徴とする遊技機。
手段6によれば、特定操作は、停止操作手段を用いて行われる操作態様である。すなわち、遊技者は停止操作手段を用いて特定操作をするか否かによって第2教示を行うか否かを選択することができる。したがって、第2教示を行わない場合は、停止操作手段の基本的操作である停止操作を行うだけでよく何ら特別な操作を必要としない。
手段7.手段6において、前記絵柄表示装置は、前記絵柄を変動表示する複数の変動表示部(リール42L,42M,42R)を備え、
前記絵柄表示装置における前記絵柄の変動表示は、前記変動表示部を用いて行われるものであり、
前記停止操作手段は、前記変動表示部に対応して複数設けられており、
前記特定操作に用いられる前記停止操作手段は、複数設けられている前記停止操作手段の中の1つであることを特徴とする遊技機。
手段7によれば、特定操作に用いられる停止操作手段は、変動表示部に対応して複数設けられている停止操作手段の中の1つである。すなわち、遊技者は第2教示を行わせる場合、1つの停止操作手段を用いて特定操作をすればよい。したがって、第2教示を行わせる場合にすべての停止操作を用いて特定操作を行う必要があるわけではなく、特定操作に用いられる停止操作手段を除き、遊技者は特に意識することなく停止操作を行うことができる。
手段8.手段6又は手段7において、前記絵柄表示装置は、前記絵柄を変動表示する複数の変動表示部(リール42L,42M,42R)を備え、
前記絵柄表示装置における前記絵柄の変動表示は、前記変動表示部を用いて行われるものであり、
前記停止操作手段は、前記変動表示部に対応して複数設けられており、
前記各停止操作手段による停止操作のうち最後の停止操作であるか否かを判断する停止操作判断手段(表示制御装置111において行われる第2教示演出表示処理のステップS1504)を備え、
停止操作が最後の停止操作であると前記停止操作判断手段によって判断された場合、且つ、最後の停止操作において前記特定操作が行われた場合に、前記第2教示を行うよう前記教示手段を前記第2教示制御手段が教示制御することを特徴とする遊技機。
手段8によれば、一の遊技回において行われる停止操作のうち、停止操作が最後の停止操作か否かが停止操作判断手段によって判断される。停止操作が最後の停止操作と判断され、特定操作が行われた場合に第2教示が教示手段にて行われる。すなわち、最後の停止操作に特定操作が行われることによって第2教示が行われる。したがって、第2教示を行わせる場合においても最後の停止操作を除き、意識することなく停止操作を行うことができる。
また、最後の停止操作に特定操作が行われると第2教示が行われるため、第2教示が行われる場合には、全ての絵柄が停止表示されており、第2教示が行われなかったとしても、第2教示が行われた場合と比較して遊技者が特典付与手段によって付与される特典に差が生じない。
手段9.手段6乃至手段8のいずれかにおいて、前記停止操作手段の操作期間を計測する期間計測手段(表示制御装置111において行われる第2演出表示処理のステップS1506、ステップS1507)を備え、
前記期間計測手段によって計測された前記停止操作手段による操作期間が、予め定めた所定期間(時間T)に達した場合に、前記第2教示を行うよう前記教示手段を前記第2教示制御手段が教示制御することを特徴とする遊技機。
手段9によれば、期間計測手段によって計測された停止操作手段による操作期間が所定期間(時間T)に達した場合に第2教示が行われる。すなわち、特定操作とは、所定期間の間停止操作手段が操作されることである。したがって、特定操作を行うのに停止操作手段を用いたため、新たな装置等を設ける必要がない。
なお、「操作期間を計測する」とは具体的に期間及び時間を計測する構成に限らず、定期的にカウントアップ又はカウントダウンを行うことによって間接的に時間を計測し、予め定めた時間が経過した場合に予め定めた期間が経過したとする構成も含まれる。
手段10.手段9において、前記停止操作手段の停止操作の開始を検知する開始検知手段(ストップ検出センサ72a〜74a)と、
前記開始検知手段によって前記停止操作手段が停止操作されたと検知されてから、前記停止操作手段が操作され続けているか否かを判断する操作判断手段(表示制御装置111において行われる第2教示演出表示処理のステップS1505、ステップS1511)とを備え、
前記期間計測手段は、前記開始検知手段による検知から前記停止操作手段が操作され続けていると前記操作判断手段に判断されている期間を計測するよう構成され、
前記第2教示制御手段は、前記期間計測手段によって計測された期間が前記所定期間(時間T)に達した場合に、前記第2教示を行うよう前記教示手段を教示制御することを特徴とする遊技機。
手段10によれば、停止操作手段に停止操作が開始されたことが開始検知手段によって検知され、開始検知手段によって検知されてから停止操作が続けられているか否かが操作判断手段によって判断される。停止操作が続けられている期間が所定期間(時間T)に達した場合に第2教示が行われる。すなわち、特定操作とは停止操作手段が停止操作の開始から所定期間操作され続けることである。このように特定操作を設定することで、停止操作手段の本質的操作、つまり変動表示される絵柄を停止表示させるための操作から連続して特定操作を行うことができる。したがって、第2教示を行わせるための特定操作を遊技者は容易に行うことができる。
手段11.手段10において、前記停止操作手段の停止操作の終了を検知する終了検知手段(ストップ検出センサ72a〜74a)を備え、
前記操作判断手段は、前記停止操作手段の停止操作の終了が前記終了検知手段によって検知されるまで、前記停止操作手段の停止操作がされ続けていると判断することを特徴とする遊技機。
手段11によれば、操作判断手段は、停止操作手段の停止操作の終了が終了検知手段によって検知されるまで、前記停止操作手段の停止操作がされ続けていると判断する。したがって、停止操作手段の停止操作が終了したか否かを判断することができる。
手段12.手段10又は手段11において、前記特定操作が行われるか否かに関係なく、前記表示制御手段は、前記開始検知手段の検知によって変動表示する絵柄を停止表示するよう前記絵柄表示装置を表示制御することを特徴とする遊技機。
手段12によれば、特定操作が行われるか否かには関係なく、停止操作手段が操作されると変動する絵柄が停止表示される。したがって、遊技者が第2教示を行わせる必要がない場合は、特に意識をすることなく、第2教示が行われることをキャンセルすることができる。
手段13.手段1乃至手段12のいずれかにおいて、遊技を統括管理する主制御手段(主制御装置131)と、この主制御手段の補助的な役割を果たす副制御手段(表示制御装置111)とを備えた構成とし、前記副制御手段が前記第1教示制御手段及び前記第2教示制御手段を備えていることを特徴とする遊技機。
手段13によれば、副制御手段が第1教示制御手段及び第2教示制御手段を備えている。これにより、遊技を統括管理する主制御手段の負荷を軽減することができる。
手段14.手段1乃至手段13のいずれかにおいて、前記第1教示及び前記第2教示を行うか否かの抽選を行う教示抽選手段(表示制御装置111のCPU181における演出抽選処理におけるステップS1402、ステップS1403、ステップS1405、ステップS1406)を備え、
前記第1教示制御手段及び前記第2教示制御手段は、前記教示抽選手段にて前記第1教示及び前記第2教示を行うことに当選した場合に、それぞれ前記第1教示及び前記第2教示を行うよう制御することを特徴とする遊技機。
手段14によれば、抽選により第1教示及び第2教示を行うか否かを決定することで、第1教示及び第2教示の実行に関して不規則性が付加される。
手段15.手段14において、前記教示抽選手段は、前記始動操作手段が操作された場合に前記第1教示及び前記第2教示を行うか否かの抽選を行うことを特徴とする遊技機。
手段15によれば、第1教示及び第2教示を行うか否かの抽選契機を明確にすることができる。また、始動操作手段が操作された場合に各教示を行うか否かの抽選を行うようにすることで、絵柄表示装置における絵柄の変動表示の開始タイミングから任意のタイミングで第1教示を開始させることも可能となり、各教示の開始タイミングの自由度を高めることができる。
手段16.手段14又は手段15において、前記第2教示が行われることに当選したことを報知する第2教示報知手段(スピーカ14)と、
前記第2教示が行われることに当選した場合、前記第2教示が行われることに当選したことを報知するよう前記第2教示報知手段を報知制御する第2教示報知制御手段(表示制御装置111の演出抽選処理におけるステップS1407)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段16によれば、第2教示が行われることに当選した場合、第2教示が行われることに当選したことが報知される。これにより、遊技者は第2教示を行うことができる遊技回を好適に理解することができ、毎遊技回において特定操作をする必要がなくなる。よって、第2教示を認識したい遊技者が、第2教示が行われない遊技回においても特定操作をしなければならないことを抑制できる。
手段17.遊技機前方から視認可能な位置に設けられ、複数種の絵柄が変動表示される絵柄表示装置(リール42L,42M,42R)と、
前記絵柄の変動表示を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー71)と、
役毎に当選情報が定められた当選情報群を記憶する当選情報群記憶手段(通常ゲーム用抽選テーブル)と、
前記当選情報群記憶手段を用いて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置131の抽選処理機能)と、
前記絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップスイッチ72〜74)と、
前記抽選手段にて当選となった役と対応した前記絵柄が変動表示後に前記絵柄表示装置の有効位置に停止している場合に特典を付与する特典付与手段(主制御装置131におけるメダル払出処理)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて前記絵柄の変動表示を開始させるとともに、前記停止操作手段の操作に基づいて前記絵柄の変動表示を停止させるよう前記絵柄表示装置を表示制御する表示制御手段(主制御装置131におけるリール制御処理)と
を備えた遊技機において、
第1所定役(スイカ役)及び第2所定役(BB役)の一方に当選する場合の少なくとも一部について、他方にも当選するように前記当選情報が設定されており、
前記役の抽選の結果を教示する教示手段(補助表示部15)と、
前記第1所定役又は前記第2所定役の一方に当選していることを教示する第1教示を行うよう前記教示手段を教示制御する第1教示制御手段(表示制御装置111の演出抽選処理におけるステップS1415)と、
前記第1所定役及び前記第2所定役に当選しており且つ前記第1教示が行われている場合に予め定められた特定操作が行われた場合、前記第1所定役又は第2所定役の他方に当選していることを教示する第2教示を行うよう前記教示手段を教示制御する第2教示制御手段(表示制御装置111における演出抽選処理及び第2教示演出表示処理)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段17によれば、第1所定役又は第2所定役の一方に当選していることを教示する第1教示が行われる。第1所定役及び第2所定役に当選しており、第1教示が行われている状況において予め定められた特定操作が行われた場合に、第1所定役又は第2所定役の他方に当選していることを教示する第2教示が行われる。
複数当選役に当選している状況において第1教示が行われており且つ特定操作が行われた場合に第2教示が行われるため、特定操作を行うか否かによって第2教示を行うか否かを遊技者は選択することができる。これにより、第2教示を認識したい遊技者は第2教示を行わせ、第2教示を認識したくない遊技者又は第2教示に興味がない遊技者は第2教示を行わせずに遊技を行うことができる。
例えば、遊技性を十分に理解していない遊技者(以下、初級遊技者ともいう)では、絵柄の変動表示が停止した場合に、停止した絵柄から当選している役に気付かないことが考えられる。さらに、本構成によれば、第1所定役及び第2所定役に当選することがあるため、第1所定役及び第2所定役の一方又は両方に当選していることに気付かないことが一層起こり得る。上記初級遊技者は特定操作を行い、第2教示を行わせ、第1教示及び第2教示を認識することによって第1所定役及び第2所定役に当選していることを好適に理解することができる。
また、例えば、遊技性を十分に理解した遊技者(以下、上級遊技者ともいう)は、仮に有効ライン上に役に対応した図柄が揃っていなくても、停止表示された絵柄からどのような役に当選していたかを知る又は推測することができる場合がある。このため、上記上級遊技者や上記上級遊技者以外にも教示が行われることに対して興味がない遊技者に教示を頻繁に行うことは、テンポの良い遊技を妨げる要因となるおそれがある。本発明によれば、上記上級遊技者又は教示が行われることに対して興味がない遊技者は、特定操作を行わず第2教示が行われることをキャンセルすることができる。これによって、過度に教示が行われ、テンポの良い遊技を妨げることを抑制できる。
上述したとおり、本発明によれば、上記初級遊技者、上記上級遊技者、教示が行われることを好む遊技者及び教示が行われることに対して興味がない遊技者等でも、遊技者が第2教示を行わせるか否かを選択することにより、各遊技者が望む教示態様を選択することができる。また、第2教示が行われる頻度を遊技者が選択できるため、同じ態様の教示が繰り返し行われ、遊技が単調化することを抑制することができる。これらにより、遊技者に遊技を行うことが飽きられてしまうことを抑制でき、どのような遊技者に対しても好適に遊技を行うことを促すことができる。よって、例えば、遊技機が設置されている遊技店等において遊技機が飽きられてしまい、遊技機の稼働率が低下することを抑制する効果も発揮される。
なお、例えば、第1所定役と第2所定役とにおいて、役に対応した絵柄が有効位置に成立した場合に付与される特典の期待値に差異が設けられている遊技機に適用した場合、上記期待値が高い役に当選しているか否かに遊技者は特に注目して遊技を行っているものと考えられる。この場合、第1教示において上記期待値の低い役に当選していることを教示し、第2教示において上記期待値の高い役に当選していることを教示する構成にすれば、上記期待値の高い役に当選しているか否かに遊技者は注目し、第2教示を行わせるために、特定操作を遊技者が行うことを好適に促すことができる。
さらに、上記期待値の高い役に当選する確率が上記期待値の低い役に当選する確率よりも低い構成にすれば、第2教示が行われた場合には当選する確率が低く且つ上記期待値の高い役に当選していることが教示されることとなる。かかる構成にすることによって、第2教示を行わせるために、特定操作を遊技者が行うことを好適に促す効果を高めることができる。
この場合において、仮に第1教示にて当選する確率の低い役に当選していることを教示する場合、第1教示が行われる頻度が低くなる。これにより、遊技者が特定操作を行う機会がほとんど与えられなくなることが考えられる。よって、第1教示において当選する確率の高い役に当選していることを教示することによって第1教示が行われる頻度が過度に低くなることを抑制し、第2教示を行わせるように特定操作を行う機会が遊技者にほとんど与えられないことを抑制できる。
なお、上記手段2〜16のいずれかの構成を、上記手段1に代えて上記手段17に対して適用してもよい。
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、上下一対の支軸25a,25bが設けられている。支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、各支軸25a,25bに対応して当該支軸25a,25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a,26bが設けられている。そして、各支軸25a,25bの上方に支持金具26a,26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a,26bの挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖することができるように構成されている。
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、前面扉12の右端側上部には解錠操作部たるキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。キーシリンダ20が設けられる位置は前面扉12の中でも肉厚の薄い上部位置とされており、その結果、全長の短い汎用性のあるキーシリンダ20を採用することができる。なお、本実施の形態では、キーシリンダ20として、不正解錠防止機能の高いオムロック(商標名)が用いられている。連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の支持金具23に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と支持金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル30が設けられている。遊技パネル30には、縦長の3つの表示窓31L,31M,31Rが横並びとなるように形成されている。表示窓31L,31M,31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L,31M,31Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓31L,31M,31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板40によりその内部が上下2分割されており、仕切り板40の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール42L,中リール42M,右リール42Rを備えている。なお、各リール42L,42M,42Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール42L,42M,42Rが各表示窓31L,31M,31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L,42M,42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓31L,31M,31Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール42L,42M,42Rが正回転すると、各表示窓31L,31M,31Rを通じてリール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール42L,42M,42Rは、それぞれがステッピングモータ61L,61M,61Rに連結されており、各ステッピングモータ61L,61M,61Rの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール42L,42M,42Rは同様の構成をしているため、ここでは左リール42Lを例に挙げて図6に基づいて説明する。なお、図6は左リール42Lの組立斜視図である。
左リール42Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部にはボス部51形成されており、円盤状のボス補強板52を介して左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸に取り付けられている。従って、左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、左リール42Lが円環状のリール面に沿って周回するようになっている。
左リール用ステッピングモータ61Lは、リールユニット41(図3)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール42Lと一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール42Lが1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置131に検出信号が出力される。従って、主制御装置131はこの検出信号に基づいて左リール42Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ61Lは例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ61Lの回転位置、すなわち左リール42Lの回転位置が制御される。
各リール42L,42M,42Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール42L,42M,42Rに付された図柄のうち、表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓31L,31M,31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
ここで、各リール42L,42M,42Rに付される図柄について説明する。図7には、左リール42L,中リール42M,右リール42Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L,42M,42Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。また、各リール42L,42M,42Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置131が表示窓から視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール42L,42M,42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト20番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト19番目)、「青年」図柄(例えば、左ベルト18番目)、「7」図柄(例えば、左ベルト17番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト13番目)、「チャンス」図柄(例えば、左ベルト12番目)、「スイカ」図柄(例えば、左ベルト9番目)、「リーチ」図柄(例えば、左ベルト6番目)、「ラッキー」図柄(例えば、左ベルト1番目)の9種類がある。そして、図7に示すように、各リール42L,42M,42Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
なお、リールユニット41の各リール42L,42M,42Rは識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、主表示部を構成する。但し、可変表示手段は、図柄を周方向に可変表示する構成であれば、これ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に加えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
遊技パネル30には、各表示窓31L,31M,31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。これら各組合せラインに対応して、表示窓31L,31M,31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32,33,34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル数の払出処理や、特別遊技状態たるBBゲーム等のボーナスゲームへの移行処理などが実行される。
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に払い出されるメダル払出枚数とが示されている。
メダル払出が行われる小役入賞としては、スイカ入賞と、ベル入賞と、チェリー入賞とがある。有効ライン上に左から「スイカ」図柄、「スイカ」図柄、「スイカ」図柄と並んで停止した場合、スイカ入賞として10枚のメダル払出、有効ライン上に左から「ベル」図柄、「ベル」図柄、「ベル」図柄と並んで停止した場合、ベル入賞として15枚のメダル払出が行われる。また、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、チェリー入賞として2枚のメダル払出が行われる。即ち、チェリー入賞の場合には、中リール42M及び右リール42Rの有効ライン上に停止する図柄はどのような図柄であってもよい。故に、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、各有効ライン上にてチェリー入賞が成立し、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われる。結果として、本実施形態では4枚のメダル払出が行われる。
また、遊技状態が移行する状態移行入賞としてBB入賞がある。有効ライン上に左から「7」図柄、「7」図柄、「7」図柄と並んで停止した場合、BB入賞として遊技状態が特別遊技状態たるBBゲームに移行する。但し、「7」図柄が有効ライン上に左・中・右と並んで停止したとしても、メダル払出は行われない。すなわち、「7」図柄の組合せが有効ライン上に成立した際には、BBゲームに移行するのみである。換言すれば、「7」図柄は、遊技状態をBBゲームに移行させるための状態移行図柄であるといえる。
更に、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄と並んで停止した場合には、再遊技入賞となる。再遊技入賞が成立すると、メダル払出や状態移行は行われないものの、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能となる。
その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に上記した図柄の組合せが停止しなかった場合には、メダル払出や遊技状態の移行等は一切行われない。すなわち、左リール42Lの「チャンス」図柄及び「ラッキー」図柄、中リール42Mと右リール42Rの「チェリー」図柄、各リール42L,42M,42Rの「青年」図柄及び「リーチ」図柄は、入賞と一切関与していない。換言すれば、上記各図柄は、遊技者に付与される特典と無関係な無特典図柄であると言える。このように、各リール42L,42M,42Rには、例えば「ベル」図柄等の入賞と関係する特典図柄と、例えば「青年」図柄等の入賞と無関係な無特典図柄がそれぞれ付されている。なお、以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せともいう。例えば、BB図柄の組合せとは、BB入賞となる図柄の組合せ、すなわち「7」図柄、「7」図柄、「7」図柄の組合せである。
遊技パネル30の下方左側には、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L,42M,42Rを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。スタートレバー71は、遊技者が遊技を開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー52が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー71の右側には、回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72,73,74が設けられている。各ストップスイッチ72,73,74は停止対象となるリール42L,42M,42Rに対応する表示窓31L,31M,31Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ72が操作された場合には左リール42Lの回転が停止し、中ストップスイッチ73が操作された場合には中リール42Mの回転が停止し、右ストップスイッチ74が操作された場合には右リール42Rの回転が停止する。ストップスイッチ72,73,74はリール42L,42M,42Rの回転に基づく可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ72,73,74は、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口75が設けられている。メダル投入口75は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
メダル投入口75から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ84によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。すなわち、セレクタ84にはメダル通路切替ソレノイド83が設けられ、そのメダル通路切替ソレノイド83の非励磁時には排出用通路82側とされ、励磁時には貯留用通路81側に切り替えられるようになっている。貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返還される。
メダルを遊技者に付与する特典付与手段としてのホッパ装置91は、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
メダル投入口75の下方には、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ84内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ84が機械的に連動して動作され、当該セレクタ84内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方左側には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ77が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状のスイッチとして、第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ77〜79は前記メダル投入口75とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77〜79は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、第1クレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートレバー71の左側には、ボタン状の精算スイッチ80が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状態で精算スイッチ80が押下操作されることで、仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。
なお、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するように設定された「クレジットモード」と、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」とを切換可能としたスロットマシンの場合には、前記精算スイッチ80に、モード切換のための切換スイッチとしての機能を付加してもよい。この場合、精算スイッチ(切換スイッチ)80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるように構成される。そして、精算スイッチ80がオン状態のときにはクレジットモードとされ、精算スイッチ80がオフ状態のときにはダイレクトモードとされる。クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際に仮想メダルがある場合には、その分の仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。これにより、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることで自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる精算スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。
遊技パネル30の表示窓31L,31M,31R下方には、貯留記憶された仮想メダル数を表示するクレジット表示部35と、BBゲームが終了するまでに獲得できる残りのメダル数を表示する残獲得枚数表示部36と、入賞時に獲得したメダルの枚数を表示する獲得枚数表示部37とがそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚未満であれば、スロットマシン内部に貯蓄されると共にクレジット表示部35の仮想メダル数が加算表示される。一方、仮想メダル数が50枚のとき又は50枚に達したときには、セレクタ84により貯留用通路81から排出用通路82への切替がなされ、メダル排出口17からメダル受け皿18へと余剰メダルが返却される。
また、クレジット表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。
第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が1つ減算され、第1有効ライン表示部32が点灯して中ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が2つ減算され、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が3つ減算され、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えばクレジット表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、クレジット表示部35の数値が全て減算されて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に各種情報を与える補助表示部15とが設けられている。補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための表示制御装置111が設けられている。なお、上部ランプ13及びスピーカ14の位置や数は特に以上説明したものに限られない。
メダル受け皿18の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。また、メダル受け皿18の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿19が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ123は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ123は、エラー状態をリセットする場合のほか、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット41の上方には、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。なお、ボックスベースとボックスカバーとを鍵部材を用いて開封不能に連結する構成としてもよい。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置131には、演算処理手段であるCPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU151には、電源ボックス121の内部に設けられた電源装置161の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路154や、入出力ポート155などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。また、BBゲームにおける残払出枚数をカウントする残払出枚数カウンタ156が備えられている。
主制御装置131の入力側には、スタートレバー71の操作を検出するスタート検出センサ71a、各ストップスイッチ72,73,74の操作を個別に検出するストップ検出センサ72a,73a,74a、メダル投入口75から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ75a、各クレジット投入スイッチ77,78,79の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ77a,78a,79a、精算スイッチ80の操作を検出する精算検出センサ80a、各リール42の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55、ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ91a、リセットスイッチ123の操作を検出するリセット検出センサ123a、設定キー挿入孔124に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ124a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート155を介してCPU151へ出力されるようになっている。
なお、投入メダル検出センサ75aは実際には複数個のセンサより構成されている。即ち、メダル投入口75からホッパ装置91に至る貯留用通路81は、メダルが1列で通行可能なように構成されている。そして、貯留用通路81には第1センサが設けられるとともに、それよりメダルの幅以上離れた下流側に第2センサ及び第3センサが近接(少なくとも一時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接)して設けられており、これら第1乃至第3の各センサによって投入メダル検出センサ75aが構成されている。主制御装置131は、第1センサから第2センサに至る時間を監視し、その経過時間が所定時間を越えた場合にはメダル詰まり又は不正があったものとみなしてエラーとする。エラーになると、エラー報知が行われるとともにエラー解除されるまでの遊技者による操作が無効化される。また、主制御装置131は第2センサと第3センサとがオンオフされる順序をも監視し、第2,第3センサが共にオフ、第2センサのみオン、第2,第3センサが共にオン、第3センサのみオン、第2,第3センサが共にオフという順序通りになった場合で、かつ各オンオフ切換に移行する時間が所定時間内である場合にのみメダルが正常に取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラーとする。このようにするのは、貯留用通路81でのメダル詰まりの他、メダルを投入メダル検出センサ75a付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正を防止するためである。
また、主制御装置131の入力側には、入出力ポート155を介して電源装置161に設けられた停電監視回路161bが接続されている。電源装置161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部161aや、上述した停電監視回路161bなどが搭載されている。
停電監視回路161bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ122による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路161bは、電源部161aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU151と入出力ポート155のそれぞれに供給され、CPU151ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。
電源部161aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置131などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置131による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置131の出力側には、各有効ライン表示部32,33,34、クレジット表示部35、残獲得枚数表示部36、獲得枚数表示部37、各リール42L,42M,42Rを回転させるための各ステッピングモータ61(61L,61M,61R)、セレクタ84に設けられたメダル通路切替ソレノイド83、ホッパ装置91、表示制御装置111、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板171等が入出力ポート155を介して接続されている。
表示制御装置111は、上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置131からの信号を受け取った上で、表示制御装置111が独自に上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示部15を駆動制御する。従って、表示制御装置111は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置131との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部32〜37を表示制御装置111が制御する構成としてもよい。また、表示制御装置111にはRAM112が備えられており、RAM112には第1教示演出が行われる場合に第1教示演出フラグを格納する第1教示演出格納エリア112a、第2教示演出が行われる場合に第2教示演出フラグを格納する第2教示演出格納エリア112b及び停止操作手段が操作されている場合に操作フラグをセットする操作フラグ格納エリア112cが備えられている。また、表示制御装置111には、今回の停止操作が何回目の停止操作かを判断するために用いる操作開始カウンタ113が備えられている。第1教示演出及び第2教示演出に関しては後述する。
上述したCPU151には、このCPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図10以降のフローチャートに示される各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM152に記憶されている。
RAM153は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源ボックス121内に設けられた電源装置161からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM153には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、各リール42L,42M,42Rを停止させる処理を行う際に使用するための当選番号格納エリア153a,スベリテーブル格納エリア153b,停止したリールの図柄番号を記憶する停止目格納エリア153c、BBゲームである場合にBB設定フラグを格納するBB設定フラグ格納エリア153d等の格納エリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ122の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理(図12参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図13参照)において実行される。なお、CPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路161bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
続いて、主制御装置131内のCPU151により実行される各制御処理を図10〜図24のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU151の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図10はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置161の停電監視回路161bでは停電信号が生成され、主制御装置131に対して出力される。NMI端子を介して停電信号を受信した主制御装置131では、NMI割込み処理が実行される。
NMI割込み処理では、まずステップS101において、CPU151内に設けられた使用レジスタのデータをRAM153内に設けられたバックアップエリアに退避させる。続いて、ステップS102では、停電フラグをRAM153内に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。その後、ステップS103にてRAM153のバックアップエリアに退避させたデータを再びCPU151の使用レジスタに復帰させる。この復帰処理でNMI割込み処理が終了する。なお、CPU151の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグのセット処理が可能な場合には、バックアップエリアへの退避および復帰処理を省くことができる。
図11は、主制御装置131で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置131のCPU151により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU151内の全レジスタの値をRAM153のバックアップエリアに退避させる。ステップS202では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
ここで、停電時処理について図12を用いて説明する。この停電時処理は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの送信処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。なお、このことは後述する復電時処理用の処理プログラムについても同様である。
ステップS301では、コマンド送信が終了しているか否かを判定する。送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンド送信を終了させる。このように停電時処理の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理を優先し、単位コマンドの送信処理終了後に停電時処理を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してROM152の小容量化を図ることができる実益を有する。
ステップS301がYES、すなわちコマンドの送信が完了している場合には、ステップS302に進み、CPU151のスタックポインタの値をRAM153内のバックアップエリアに保存する。その後ステップS303では、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポート155における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。ステップS304では、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値とは、具体的にはRAM153の作業領域アドレスにおけるチェックサムの2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAM153のチェックサムは0となる。RAM153のチェックサムを0とすることにより、ステップS305においてそれ以後のRAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM153への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、詳細な説明は省略するが、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合には後述するメイン処理に移行する。
なお、電源装置161の電源部161aは、上述したNMI割込み処理及び停電時処理を実行するのに十分な時間、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力が保持されるように構成されている。本実施形態では、30msecの間、駆動電圧が出力され続けるようになっている。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、CPU151自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール42L,42M,42Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ61L〜61Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入出力ポート155に接続された各種センサ(図9参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントした結果を外部集中端子板171へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS210では、後述する抽選結果コマンド、操作開始コマンド、操作終了コマンド等の各種コマンドを表示制御装置111へ送信するコマンド出力を行う。各種コマンドを表示制御装置111へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、クレジット表示部35、残獲得枚数表示部36及び獲得枚数表示部37にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS212では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部35〜37に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS213では、入出力ポート155からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS214では、先のステップS201にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU151内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS215にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
図13は電源投入後に実行される主制御装置131でのメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS401では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU151内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU151内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、ステップS402では設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されてON操作されているか否か、より詳しくは設定キー検出センサ124aからON信号を受信しているか否かを判定する。設定キーのON操作がなされている場合にはステップS403に進み、強制的RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。続くステップS404では当選確率設定処理を行う。
ここで、当選確率設定処理について図14を用いて説明する。スロットマシン10には、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、当選確率設定処理とは、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定するための処理である。
ステップS501では設定キーが挿入されてON操作されているか否かを判定し、ON操作されていない場合にはそのまま本処理を終了する。ON操作されている場合には、ステップS502にて次回のタイマ割込みを許可する。その後、ステップS503にて現在の設定値を読み込むと共に、ステップS504では現在の設定値をクレジット表示部35に表示する。但し、設定キーが挿入されてON操作された直後の処理では、先の強制的RAMクリア処理によりRAM153のデータがクリアされているため、クレジット表示部35に表示される設定値は「1」である。
ステップS505ではスタートレバー71が操作されたか否かを判定し、操作されていない場合にはステップS506〜ステップS507に示す設定更新処理を行う。ステップS506では、リセットスイッチ123が操作されたか否かを判定する。リセットスイッチ123が操作されていない場合にはそのままステップS504に戻り、操作された場合にはステップS507にて設定値を1更新した後にステップS504に戻る。つまり、設定更新処理では、リセットスイッチ123が操作される毎に設定値が1更新され、更新された設定値がクレジット表示部35に表示される。なお、設定値が「6」のときにリセットスイッチ123が操作された場合、設定値は「1」に更新される。
ステップS505にてスタートレバー71が操作された場合には、ステップS508にて設定キーのON操作が継続してなされているか否かを判定する。設定キーのON操作が継続してなされている場合にはそのまま待機し、ON操作が終了された場合にはステップS509にて次回のタイマ割込みを禁止する。その後、ステップS510にて設定値を保存し、ステップS511にてRAM153に記憶された設定値以外のデータをクリアして本処理を終了する。
メイン処理の説明に戻り、ステップS404にて当選確率設定処理を行った後には、ステップS405にて遊技に関わる主要な制御を行う通常処理を実行する。
一方、ステップS402にて設定キーが挿入されていない場合には、ステップS406以降に示す復電処理を行う。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させる処理である。従って、復電処理では先ずRAM153のデータが正常かどうかを確認する必要がある。
そこで、ステップS406では設定値が正常か否かを判定する。具体的には、設定値が1〜6のいずれかである場合に正常であると判定し、0又は7以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、ステップS407にて停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされている場合には、さらにステップS408にてRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM153のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM153のデータは正常であると判定する。
ステップS408においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS409に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU151のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS410において、復電処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置111に送信する。その後、ステップS411にて遊技状態として打ち止め及び自動精算設定保存処理を行い、ステップS412にてスタート検出センサ71a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS413にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS204)が実行されることとなる。
一方、ステップS406〜ステップS408のいずれかがNO、すなわち、設定値が異常である、電源遮断時にセットされる筈の停電フラグがセットされていない、又はRAM判定値が異常である場合には、RAM153のデータが破壊された可能性が高い。このような場合には、ステップS414〜ステップS416に示す動作禁止処理を行う。動作禁止処理として、先ずステップS414にて次回のタイマ割込み処理を禁止し、ステップS415では入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ステップS416にてホール管理者等にエラーの発生を報知するエラー報知処理を行う。かかる動作禁止状態は、上述した当選確率設定処理が行われるまで維持される。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図15のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS601では、メダルがベットされているか否かを判定する。メダルがベットされているときには、続いてステップS602にてスタートレバー71が操作されたか否かを判定する。ステップS601,ステップS602が共にYESの場合には、ステップS603の抽選処理、ステップS604のリール制御処理、ステップS605のメダル払出処理、ステップS606のBBゲーム処理を順に実行し、ステップS601に戻る。一方、ステップS601にてメダルがベットされていない、またはステップS602にてスタートレバー71が操作されていない場合には、ステップS601に戻る。
次に、ステップS603の抽選処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。
抽選処理では、先ずステップS701〜ステップS703にて、当否決定用の抽選テーブルを選択する抽選テーブル選択処理を実行する。つまり、ステップS701にて、RAM153のBB設定フラグ格納エリア153dにBB設定フラグが格納されているか否かを判定する。遊技状態が通常ゲームでありBB設定フラグが格納されていない場合にはステップS702に進み、通常ゲーム用抽選テーブルを選択する。一方、遊技状態がBBゲームでありBB設定フラグが格納されている場合にはステップS703に進み、BBゲーム用抽選テーブルを選択する。
ここで、通常ゲーム用抽選テーブル及びBBゲーム用抽選テーブルについて説明する。先ず通常ゲーム用抽選テーブルについて説明する。通常ゲーム用抽選テーブルはスロットマシン10の現在の設定状態に対応させて設けられており、さらにベットされるメダルの枚数に対応させて設けられている。したがって、ステップS702における処理では現在の設定状態及び今回の遊技回にてベットされたメダルの枚数に対応した通常ゲーム用抽選テーブルを選択する。ちなみに、スロットマシン10の設定状態は「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときにBB役当選確率が最も低い通常ゲーム用抽選テーブルが選択され、「設定6」のときにBB役当選確率が最も高い通常ゲーム用抽選テーブルが選択される。また、ベットされるメダルの枚数は1〜3枚のいずれかであり、ベット枚数が多いほどBB役当選確率が高い通常ゲーム用抽選テーブルが選択される。
「設定1」の状態下で3枚ベットされた場合に選択される通常ゲーム用抽選テーブルを図17(a)に例示する。通常ゲーム用抽選テーブルには、当選となる役のインデックス値IVが設定されている。通常ゲーム下では、再遊技、チェリー、ベル、スイカ、BB、BB+スイカの6種類の役に当選し得るため、1〜6の6つのインデックス値IVが設定されている。そして、各インデックス値IVには、入賞となる役がそれぞれ一義的に対応付けられると共に、ポイント値PVが設定されている。ここで、BB+スイカ役(以下、複数対応役ともいう)とは、かかる複数対応役が当選となることで、BB入賞とスイカ役入賞とのいずれかを入賞させることができる。
ちなみに、図17(a)に示した通常ゲーム用抽選テーブルが選択された場合、BB役に単独で当選する確率は約607分の1である。一方、再遊技及び小役当選確率はBB役当選確率よりも高く設定されており、再遊技当選確率は約7.3分の1、チェリー役当選確率は128分の1、ベル役当選確率は約7分の1、スイカ役に単独で当選する確率は128分の1、複数対応役当選確率は約607分の1である。単独で当選する確率と、複数対応役として当選する確率を合算することにより、BB役に当選する確率は約303.5分の1、スイカ役に当選する確率は約105分の1となる。
次に、BBゲーム用抽選テーブルについて説明する。BBゲーム用抽選テーブルは、通常ゲーム用抽選テーブルと異なり1パターンのみとなっている。つまり、BBゲーム用抽選テーブルはスロットマシン10の現在の設定状態とは無関係に設けられている。
BBゲーム用抽選テーブルを図17(b)に例示する。BBゲーム用抽選テーブルは、インデックス値IVが1つのみ設定されており、このインデックス値IVにはベル役が対応付けられている。また、このインデックス値IVに対応したポイント値PVは「63150」となっている。上述したように、本スロットマシン10では「0〜65535」の65536個の乱数を生成しているため、BBゲーム用抽選テーブルではベル役当選確率は約1.04分の1となっている。したがって、BBゲームでは、ベル役当選が比較的高い確率で発生することとなる。
ステップS702又はステップS703の処理を実行した後は、ステップS704にてインデックス値IVを1とし、続くステップS705では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、スタートレバー71が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。ここで、乱数カウンタについて簡単に説明すると、本スロットマシン10では、8ビットのシフトレジスタを2つ用いて「0〜65535」の乱数を生成している。各シフトレジスタは定期的(例えば100ns毎)に1ずつ更新され、各シフトレジスタの上位ビットと下位ビットを入れ替えた値がCPU151に入力され、スタートレバー71が操作されたとき(すなわちスタート検出センサ71aのON信号を受信したとき)に入力されている値が乱数値としてラッチされる。これは初回の判定値設定処理にて用いられる乱数値を不規則なものとするための工夫であり、例えば各シフトレジスタのビットをランダムに入れ替えた値が乱数値としてラッチされる構成であってもよい。
その後、ステップS706ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定し、65535を超えた場合には、ステップS707にてそのときのインデックス値IVと対応する役の当選フラグをRAM153に設けられた対応する各当選フラグ格納エリアに格納する。例えば、BB役に対応したインデックス値IVである場合にはBB当選フラグ格納エリアにBB当選フラグを格納する。
ここで、当選フラグが小役当選フラグ又は再遊技当選フラグである場合、これら当選フラグは、該当選フラグが格納された遊技回の終了時にクリアされる。一方、当選フラグがBB当選フラグである場合、そのBB当選フラグはBB図柄の組合せが有効ライン上に成立したことを条件の1つとしてクリアされる。すなわち、BB当選フラグは、複数の遊技回にわたって有効とされる場合がある。なお、BB当選フラグを持ち越した次の遊技回以降における役の当否判定では、小役又は再遊技の当否判定は行うが、BB役に関する当否判定は行わない。
ステップS706にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS708にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS709ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき役があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき役がある場合にはステップS705に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS705では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS706では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ステップS707にて当選フラグを格納した後、又はステップS709にて当否判定すべき役がないと判定された場合には、ステップS710にてリール停止制御用のスベリテーブル(停止テーブル)を設定するスベリテーブル設定処理を行った後に、ステップS711に進み、その役の抽選結果を示す抽選結果コマンドをセットする。つまり、ベル役に当選していたならば、ベル当選を示す抽選結果コマンドがセットされ、役の抽選に当選しなかったならば、非当選(ハズレ)を示す抽選結果コマンドがセットされる。抽選結果コマンドをセットしたら本抽選処理を終了する。
次に本実施形態におけるスベリテーブルに関するデータ構成について説明する。
本スロットマシン10では、ストップスイッチ72〜74が操作された場合に、到達図柄をそのまま停止させる場合、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる場合、2図柄分滑らせた後に停止させる場合、3図柄分滑らせた後に停止させる場合、4図柄分滑らせた後に停止させる場合の5パターンがリールの停止態様として用意されている。これは、遊技者がストップスイッチ72〜74を操作するタイミングと、各表示窓32L,32M,32Rから視認可能な範囲に停止する図柄配列(以下、「停止出目」と言う)とを密接に関連付けるための工夫である。つまり、ストップスイッチ72〜74が操作されたタイミングから規定時間(190msec)が経過するまでに各リール42L,42M,42Rを停止させることにより、遊技者の操作によってあたかも停止出目が決定されたかのような印象を遊技者に抱かせることが可能となる。また、4図柄分までは滑らせることが可能な構成とすることにより、かかる規定時間内で可能な限り抽選に当選した役と対応する図柄の組合せを有効ライン上に停止させることが可能となる。
このような停止態様に関する停止データは、左リール42Lに5種類(滑りなし、1コマ滑り、2コマ滑り、3コマ滑り、4コマ滑り)、中リール42Mに5種類、右リール42Rに5種類必要である。この場合、各リール42L,42M,42Rに関する停止データをビット単位で割り振る構成とすると、各リール42L,42M,42Rに3ビットの停止データが必要となり、1バイトに納めることができなくなる。
この点、本実施の形態では、各5種類の停止データが必要であるから、各停止データをまとめて6進数と仮定して圧縮データを作成している。即ち、停止データを「(左リール42Lのデータ)×36+(中リール42Mのデータ)×6+(右リール42Rのデータ)」からなる構成とする。この場合、各リール42L,42M,42Rの停止データとして準備できる数は各々最大6種類であり、停止データ全体としては6×6×6=216の組合せパターンが存在するが、これは1バイトで表現できる最大値である256以内となる。その結果、各リール42L,42M,42Rに5種類も停止データが存在するにもかかわらず、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる。また、各リール42L,42M,42Rには21個の図柄が付されていることから、1つのスベリテーブルを21バイトで構成することができ、主制御装置131の記憶容量を削減することが可能となる。ちなみに、本実施の形態では、21バイトからなるスベリテーブルが約60種類予めROM152に記憶されている。
また、各停止データを圧縮データとして記憶する本スロットマシン10では、各停止データを使用するにあたって所定の解凍処理を行う。具体的には、到達図柄の図柄番号と対応する圧縮データを「36」(=6×6)で除算し、得られた商を左リール42Lの停止データとして把握する。さらに、その除算して得られた余りを「6」で除算し、得られた商を中リール42Mの停止データとして把握すると共に、その余りを右リール42Rの停止データとして把握する。
上述した処理を経て、CPU151は各リール42L,42M,42Rの停止データを解凍データとして把握することができる。なお、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる構成であればよく、例えば各停止データをまとめて5進数と仮定して圧縮データを作成してもよい。停止データが1バイト内におさまる条件としては、各リール42L,42M,42Rの停止データとして準備可能な最大数を乗算したときに得られる値が256以下であればよい。従って、各リール42L,42M,42Rにおいて、準備可能な停止データの最大数が同一である必要もない。例えば、左リール42Lに6種類、中リール42Mに8種類、右リール42Rに4種類の停止データを準備可能とした場合であっても、停止データ全体の組合せパターンは6×8×4=192通りとなり、1バイトで表現できる最大値256以下となるため、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる。ちなみに、かかる場合には、圧縮データを「(右リール42Rのデータ)×48+(中リール42Mのデータ)×6+(左リール42Lのデータ)」とし、解凍処理では、到達図柄の図柄番号と対応する圧縮データを「48」で除算して得られた商を右リール42Rの停止データとし、その除算して得られた余りを「6」で除算して得られた商を中リール42Mの停止データとし、更にその余りを左リール42Lの停止データとして把握することとなる。
図18は、スイカ図柄を有効ライン上に停止させる場合にセットされるスベリテーブルの一例である。滑り数が0である番号の図柄は、下ライン上に実際に停止する図柄である。例えば、左リール42Lの7番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは滑ることなくそのまま停止し、9番図柄たる「スイカ」図柄が上ライン上に停止する。また、滑り数が0でない番号の図柄は、記載された図柄数分だけリールが滑ることを意味する。例えば、左リール42Lの8番図柄たる「リプレイ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは1図柄分だけ滑り、9番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に停止する。すなわち、滑り数が0でない番号の図柄が下ライン上に到達している際にストップスイッチが押された場合、対応するリールは滑り数が0の図柄が下ライン上に到達するまで滑った後に停止する。このように、スベリテーブルでは、各リール42L,42M,42Rに付された図柄が下ライン上に到達したタイミングでストップスイッチ72〜74を押された場合の滑り数が図柄番号毎に設定されている。そして、例えば図柄番号0における左滑り数2、中滑り数0、右滑り数3の停止データが1バイトの圧縮データとされ、各図柄番号についての圧縮データすなわち21バイトの圧縮データから1つのスベリテーブルが構成されている。
図19に示すように、スベリテーブル設定処理では、先ずステップS801にてBB当選フラグがセットされているか否かを判定する。BB当選フラグがセットされていない場合にはステップS802に進み、当選フラグと一義的に対応する第1当選番号をRAM153の当選番号格納エリア153aにセットする。当選番号とはスベリテーブルをセットする際に用いるための番号であり、第1当選番号がセットされている場合には、当選フラグがセットされていない又は当選フラグが1つだけセットされていることを意味する。続くステップS803では、第1当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルをRAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットし、本処理を終了する。このとき、本スロットマシン10では、左リール42Lの当選フラグと対応する図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように、中リール42M及び右リール42Rの当選フラグと対応する図柄が中ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。また、当選フラグがセットされていない外れの場合には、いずれの入賞態様も成立しないスベリテーブルをセットする。
図18に示すスベリテーブルは、スイカ当選フラグがセットされている場合に第1当選番号に基づいてセットされるスベリテーブルである。換言すれば、スイカ当選フラグがセットされている場合に最初にセットされるスベリテーブルであるとも言える。かかるスベリテーブルでは、例えば中リール42Mの4番図柄たる「チェリー」図柄が下ライン上に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mは滑ることなくそのまま停止し、5番図柄たる「スイカ」図柄が中ライン上に停止する。また、中リール42Mの5番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mは3図柄分だけ滑って8番図柄たる「リーチ」図柄が下ライン上に停止し、9番図柄たる「スイカ」図柄が中ライン上に停止する。右リール42Rについても同様であり、例えば右リール42Rの4番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に右ストップスイッチ74が押された場合、右リール42Rは3図柄分だけ滑って7番図柄たる「リーチ」図柄が下ライン上に停止し、8番図柄たる「スイカ」図柄が中ライン上に停止する。このように、中リール42M及び右リール42Rについては、「スイカ」図柄が中ライン上に停止するように設定されている。
但し、左リール42Lについては、上ライン又は下ラインのいずれかに「スイカ」図柄が停止するように設定されている。すなわち、7番の「ベル」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、9番の「スイカ」図柄は上ライン上に停止し、8番の「リプレイ」図柄又は9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、9番の「スイカ」図柄は下ライン上に停止する。これは、一般的に左リール42L→中リール42M→右リール42Rの順に回転を停止させるべくストップスイッチ72〜74が操作されることを考慮し、停止出目を多様化させるための工夫である。
また、かかるスベリテーブルが最初にセットされた場合であっても、ストップスイッチの押されたタイミングによっては「スイカ」図柄が有効ライン上に停止せず、所謂取りこぼしが発生することもある。これは、滑らせることのできる範囲をストップスイッチの押されたタイミングから190msec以内(最大4図柄分)と予め決めており、下ライン上に到達した「スイカ」図柄から次に下ライン上に到達する「スイカ」図柄までの間隔が5図柄分以上離れている区間を設定しているためである。例えば中リール42Mでは、5番の「スイカ」図柄から9番の「スイカ」図柄までは3図柄分離れているのみである一方、9番の「スイカ」図柄から5番の「スイカ」図柄までは16図柄分離れている。このため、例えば中リール42Mの11番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達しているタイミングで中ストップスイッチ73が押された場合、仮に中リール42Mを4図柄分滑らせても「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。
スベリテーブル設定処理の説明に戻り、ステップS801にてBB当選フラグがセットされていると判定した場合には、さらにステップS804にて他の当選フラグがセットされているか否かを判定する。他の当選フラグがセットされていない場合にはBB当選フラグのみがセットされていることを意味するため、上述したステップS802〜ステップS803の処理を行い、本処理を終了する。一方、他の当選フラグがセットされている場合には、ステップS805に進み、セットされている当選フラグと一義的に対応する第2当選番号をRAM153の当選番号格納エリア153aにセットする。第2当選番号がセットされている場合には、BB当選フラグと、小役当選フラグ又は再遊技当選フラグの2つがセットされていることを意味する。続くステップS806では、第2当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルをRAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットし、本処理を終了する。このとき、本スロットマシン10では、BB当選フラグと他の当選フラグの少なくとも一方と対応する図柄が有効ライン上のいずれかに停止するよう設定されたスベリテーブルをセットする。具体的に説明すると、他の当選フラグが再遊技当選フラグである場合、「7」図柄より「リプレイ」図柄が優先して有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。一方、他の当選フラグが小役当選フラグである場合、「7」図柄が優先して有効ライン上に停止するように、且つ「7」図柄を有効ライン上に停止させられない場合は小役当選フラグと対応する図柄が有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。さらに、他の当選フラグが小役当選フラグたるベル当選フラグである場合には、上述した設定に加えて、「7」図柄と「ベル」図柄とを共に有効ライン上に停止させることが可能な場合、「7」図柄と「ベル」図柄が共に有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。
次に、ステップS604のリール制御処理について、図20、21のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS901において各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。回転開始処理では、前遊技回においてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、当該時間が経過するまで待機するウエイト処理を行った後に各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる。このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、直ちに各リール42L,42M,42Rが回転を開始しない場合がある。続くステップS902では、ストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を受信したか否かを判定し、停止指令が発生していない場合には停止指令が発生するまで待機する。但し、本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから所定の速度で定速回転するまでの期間を無効期間として設定しており、この無効期間内にストップスイッチ72〜74が押下操作されても、ストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を無効化する。ちなみに本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから0.5秒が経過するまでの期間を無効期間として設定している。
ステップS902にてストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS903に進み、操作開始コマンドをセットする。操作開始コマンドは表示制御装置111に送信されるコマンドである。表示制御装置111は、当該コマンドを受信することにより、いずれかのリールを停止させるべくストップスイッチが押下操作されたことを認識する。操作開始コマンドをセットしたらステップS904に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否か、すなわち1つのリールのみが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。今回の停止指令が第3停止指令でない場合にはステップS905にてスベリテーブル第1変更処理を行う。
ここで、スベリテーブル第1変更処理について図22のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第1変更処理では、ステップS1001にて今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち全てのリールが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令である場合にはステップS1002〜ステップS1005に示す第1停止変更処理を行う。第1停止変更処理では、ステップS1002にていずれのストップスイッチが操作されたかを確認し、ステップS1003では、左ストップスイッチ72が操作されたか否かを判定する。そして、左ストップスイッチ72が操作された場合には、スベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。これは、先のスベリテーブル設定処理(図19参照)において、左ストップスイッチ72が最初に操作されることを想定してスベリテーブルを設定しているためである。一方、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合、想定された順序と異なる順序でストップスイッチが操作されたことを意味する。かかる場合にはステップS1004に進み、RAM153の当選番号格納エリア153aにセットされた当選番号を確認する。続くステップS1005では、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、当選番号及び操作されたストップスイッチと対応する変則押し用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。換言すれば、第1停止変更処理は、セットされている当選フラグの種別と、操作されたストップスイッチとに基づいてスベリテーブルを変更する処理であると言える。
ステップS1001にて今回の停止指令が第1停止指令でないと判定した場合には、当該停止指令が第2停止指令であること、すなわち1つのリールが停止している状況下でストップスイッチが押下操作されたことを意味する。かかる場合には、ステップS1006〜ステップS1009に示す第2停止変更処理を行う。第2停止変更処理では、先ずステップS1006において、第1停止指令時に操作されたストップスイッチと、第2停止指令時に操作されたストップスイッチ、すなわちストップスイッチの操作された順序を確認する。続くステップS1007では、第2停止指令時に操作されたストップスイッチと対応するストップ検出センサからON信号を受信したタイミングにおいて、下ライン上に何番の図柄が到達しているかを確認する。続くステップS1008では、下ライン上に到達している到達図柄が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄か否かを確認する。到達図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致した場合にはステップS1009に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。また、到達図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致しなかった場合にはそのまま本処理を終了する。換言すれば、第2停止変更処理は、スベリテーブルから導かれる当選フラグの種別と、ストップスイッチの操作タイミング(リールの停止開始位置)とに基づいてスベリテーブルを変更する処理であると言える。
ここで、スイカ当選フラグがセットされた場合を例として、第1停止変更処理と第2停止変更処理について説明する。スイカ当選フラグがセットされた場合、スベリテーブル設定処理では、左リール42Lの「スイカ」図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように、中リール42M及び右リール42Rの「スイカ」図柄が中ライン上に停止するように設定されたスベリテーブル(図18参照)がセットされる。
第1停止指令が左ストップスイッチ72ではなく中ストップスイッチ73であった場合、例えば9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達しているタイミングで中ストップスイッチ73が操作されると、図18に示すスベリテーブルでは9番の「スイカ」図柄ではなく11番の「リプレイ」図柄が下ライン上に停止する。つまり、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで中ストップスイッチ73が操作されたにも関わらず、「スイカ」図柄が有効ライン上に停止しない。第1停止変更処理では、かかる不具合の発生を回避すべく、下ライン上に9番の「スイカ」図柄が停止し得るスベリテーブルに変更する。より詳しくは、スベリテーブル設定処理でセットされるスベリテーブルと同様、各有効ライン上のいずれか(本実施形態では中ライン又は下ライン上)に中リール42Mの「スイカ」図柄が停止するスベリテーブルが予め用意されており、中ストップスイッチ73が操作された場合にはかかるスベリテーブルに変更する。第1停止指令が右ストップスイッチ74であった場合も同様である。
また、左リール42Lの上ライン上に「スイカ」図柄が停止している状況下で第2停止指令として右ストップスイッチ74が操作された場合、スイカ入賞を成立させるためには上ライン又は下ライン上に「スイカ」図柄が停止するよう右リール42Rを停止させる必要がある。一方、図18に示すスベリテーブルは右リール42Rの「スイカ」図柄を中ライン上に停止させるスベリテーブルであるため、「スイカ」図柄を上ライン及び下ライン上に停止させることはできない。したがって、第2停止変更処理では、下ライン上に到達している到達図柄を確認し、上ライン又は下ライン上のいずれかに「スイカ」図柄が停止し得るスベリテーブルに変更する。例えば、8番の「スイカ」図柄が中ライン上に到達したタイミングで右ストップスイッチ74が操作された場合、上ライン上に「スイカ」図柄を停止させることはできないため、下ライン上に8番の「スイカ」図柄を停止させるスベリテーブルに変更する。
リール制御処理の説明に戻り、スベリテーブル第1変更処理を行った後、または今回の停止指令が第3停止指令であった場合には、ステップS906にて下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。ステップS907では、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルから到達図柄と対応するスベリ数を算出し、ステップS908にて下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。停止図柄の番号が決定したらステップS909にて今回の停止指令が第1停止指令か否かを判定し、第1指令であった場合にはステップS910に進み、ステップS908にて決定した到達図柄の番号と、今回発生している停止指令が各リール42L、42M、42Rのうちどのリールに対する停止指令であるかとを、停止目格納エリア153cに入力する。停止目格納エリア153cに格納されたデータは後述する演出設定処理にて参照される。
ステップS911では到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS912にてリールを停止させるリール停止処理を行う。リール停止処理を行ったらステップS913に進み、停止指令が終了したか否かを判定し、停止指令が終了するまで待機する。ここで、停止指令が終了したか否かは、押下操作されたストップスイッチと対応するストップ検出センサからの検出信号がONからOFFに切り替わったか否かに基づいて判定している。つまり、ステップS913では、押下操作されたストップスイッチが引戻操作されたか否かを確認し、引戻操作がされるまで待機する。ステップS913にて引戻操作がされたと判断された場合、ステップS914に進み、操作終了コマンドをセットする。操作終了コマンドは表示制御装置111に送信されるコマンドである。表示制御装置111は当該コマンドを受信することにより、押下操作されたストップスイッチが引戻操作されたことを認識する。ステップS915では全てのリールが停止したか否かを判定し、全てのリールが停止していない場合にはステップS916にてスベリテーブル第2変更処理を行う。
ここで、スベリテーブル第2変更処理について図23のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第2変更処理では、ステップS1101にて現在停止しているリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1102では、停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号と一致しているか否かを判定する。一致しない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。一致した場合にはステップS1103に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153bにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。そして、スベリテーブル第2変更処理を行った後は、回転中のリールが存在するためステップS902に戻る。換言すれば、スベリテーブル第2変更処理は、スベリテーブルから導かれる当選フラグの種別と、リールの停止位置とに基づいてスベリテーブルを変更する処理であると言える。
具体例を説明すると、再遊技当選フラグがセットされた場合、スベリテーブル設定処理では、左リール42Lの「リプレイ」図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように、中リール42M及び右リール42Rの「リプレイ」図柄が中ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルがセットされる。このため、例えば左リール42Lの「リプレイ」図柄が上ライン上に停止した場合には、スベリテーブル第2変更処理において、上ライン又は右下がりライン上に再遊技入賞が成立するスベリテーブルに変更する。また、2つのリールを停止させた後のスベリテーブル第2変更処理では、どの有効ライン上に入賞図柄が2つ停止しているかを確認し、当選フラグがセットされている場合であれば全てのリールが停止した時に入賞図柄の組合せが成立し得るように、当選フラグがセットされていない場合であれば全てのリールが停止した時に入賞図柄の組合せが成立しないように、スベリテーブルを変更する。
また、スベリテーブル第2変更処理では、入賞を成立させる有効ラインを変更する場合の他、成立させるべき入賞図柄の組合せを変更する場合にもスベリテーブルを変更する。すなわち、BB当選フラグと小役当選フラグがセットされている場合には、有効ライン上に「7」図柄が停止しているか否かを判別し、「7」図柄が停止していない場合には、小役当選フラグと対応する入賞が成立し得るようにスベリテーブルを変更する。
なお、BB当選フラグが持ち越されていない場合、1つ目のリールを停止させた後に行われるスベリテーブル第2変更処理と、2つ目のリールを停止させる前に行われる第2停止変更処理(スベリテーブル第1変更処理)とは、入賞を成立させる有効ラインを中ラインから変更する処理という点で同じである。そこで、本スロットマシン10では、当選フラグの種別に応じて一方の処理のみを行う構成としている。具体的には、ベル入賞等の取りこぼしの発生しない当選フラグがセットされている場合にスベリテーブル第2変更処理を行い、スイカ入賞等の取りこぼしの発生し得る当選フラグがセットされている場合に第2停止変更処理を行うこととしている。これは、主制御装置131の処理負荷を軽減させつつ、取りこぼしの発生する機会を軽減させるための工夫である。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS915にて全てのリールが停止していた場合には、ステップS917に進み、払出判定処理を行って本処理を終了する。払出判定処理とは、入賞図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。具体的には、小役入賞が有効ライン上に成立しているか否かを判定し、小役入賞が有効ライン上に成立していないときには小役当選フラグをリセットすると共にRAM153の払出予定数格納エリアに0をセットする。小役入賞が有効ライン上に成立しているときには、その小役入賞が小役当選フラグと対応する図柄の組合せか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ13等によりエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに0をセットする。一致しているときには小役当選フラグをリセットすると共に、RAM153の払出予定数格納エリアに成立した役と対応する払出数をセットする。また、再遊技入賞が有効ライン上に成立した場合には、再遊技当選フラグをリセットすると共に払出予定数格納エリアに0をセットし、再遊技を可能とする再遊技処理を行う。再遊技処理では、かかる遊技回のベット数を確認し、確認結果と同数のベット数を再度設定する処理を行う。従って、再遊技入賞が成立すると、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次の遊技回の遊技を行うことが可能となる。払出判定処理を行ったらステップS918に進み、ステップS910にて停止目格納エリア153cに格納したどのリールに対する停止指令かと、停止図柄番号とをクリアして本リール制御処理を終了する。
次に、ステップS605のメダル払出処理について、図24のフローチャートに基づき説明する。
メダル払出処理では、先ずステップS1201にて払出数カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS1202にてクレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する。上限に達していないときには、ステップS1203,S1205にてクレジットカウンタのカウント値及び払出数をそれぞれ1加算する。その後、ステップS1206では、クレジット表示部35及び獲得枚数表示部37の枚数をそれぞれ1加算する表示部変更処理を行う。
一方、ステップS1202にてクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには、ステップS1204にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置91からメダル排出口17を介してメダル受け皿18へ払い出す。続くステップS1205ではホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサ91aのメダル検出信号に応じて払出数を1加算する。その後、ステップS1206にて獲得枚数表示部37の枚数を1加算する表示部変更処理を行う。ステップS1206にて表示部変更処理を行った後、再びステップS1201に戻る。ステップS1201で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS1207にて現在の遊技状態がボーナスゲームか否かを判定する。ボーナスゲームでない場合にはステップS1209に進み、払出終了処理を行った後に本処理を終了する。払出終了処理では、払出予定数格納エリアや払出数カウンタの値を0にリセットする。なお、獲得枚数表示部37の値は、次の遊技回を開始すべくメダルがベットされたときにリセットされる。また、現在の遊技状態がボーナスゲームである場合には、ステップS1208にて残獲得数カウンタ156のカウント値から払出数を減算すると共に、残獲得枚数表示部36の枚数を減算する処理を行う。その後、ステップS1209にて払出終了処理を行い、本処理を終了する。なお、残獲得枚数表示部36の枚数を減算する処理は、ステップS1206の表示部変更処理にて行ってもよい。
次に、ステップS606のBBゲーム処理について、図25のフローチャートに基づき説明する。
BBゲーム処理では、先ずステップS1301にてRAM153のBB設定フラグ格納エリア153dにBB設定フラグが格納されているか否かを判定する。遊技状態が通常ゲームである場合にはBB設定フラグが格納されていないため、ステップS1301にて否定判定しステップS1302に進む。
ステップS1302では、RAM153のBB当選フラグ格納エリアにBB当選フラグが格納されているか否かを判定する。BB当選フラグが格納されていない場合にはそのまま本BBゲーム処理を終了する。BB当選フラグが格納されている場合には、ステップS1303にて今回有効ライン上にBB入賞に対応した図柄の組合せが停止したか否かを判定する。BB入賞に対応した図柄の組合せが停止していない場合には、そのまま本BBゲーム処理を終了する。BB入賞に対応した図柄の組合せが停止している場合には、ステップS1304にてBBゲーム開始処理を実行した後に本BBゲーム処理を終了する。
BBゲーム開始処理では、RAM153のBB当選フラグ格納エリアからBB当選フラグをクリアするとともに、RAM153のBB設定フラグ格納エリア153dにBB設定フラグを格納する。また、CPU151の残払出数カウンタ156に「345」をセットする。また、BBゲーム開始処理では、開始コマンドをセットする。この開始コマンドは、上述したタイマ割込み処理(図11)におけるステップS210のコマンド出力処理にて表示制御装置111に対して出力される。表示制御装置111では、主制御装置131から開始コマンドを入力することにより、補助表示部15を制御してBBゲーム用の表示を開始する。
一方、遊技状態がBBゲームである場合にはBB設定フラグが格納されているため、ステップS1301にてBB設定フラグ有りと判断され、ステップS1305に進む。ステップS1305では、残払出数カウンタ156が「0」か否かを判定する。残払出数カウンタ156が「0」でない場合には、そのまま本BBゲーム処理を終了する。残払出数カウンタ156が「0」の場合には、ステップS1305にて肯定判定し、ステップS1306にてBBゲーム終了処理を実行した後に本BBゲーム処理を終了する。
ここで、上述したようにBBゲーム開始処理に際して残払出数カウンタ154に「345」がセットされる。したがって、BBゲームは345枚以上のメダルが払い出されることを条件として終了する。また、BBゲーム処理はメダル払出処理の後に実行される。したがって、メダルの払出途中で残払出数カウンタ156が「0」となったとしても、その遊技回の入賞に関わるメダルの払い出しは完了される。つまり、BBゲーム中における入賞に関わるメダルの払い出しは、メダルの総払出枚数が規定数に達したことに基づいて途中で中止されないようになっている。
BBゲーム終了処理では、RAM153のBB設定フラグ格納エリア153dからBB設定フラグをクリアする。また、BBゲーム終了処理では、終了コマンドをセットする。この終了コマンドは、上述したタイマ割込み処理(図11)におけるステップS210のコマンド出力処理にて表示制御装置111に対して出力される。表示制御装置111では、主制御装置131から終了コマンドを入力することにより、補助表示部15を制御してBBゲーム用の表示を終了する。
次に、本スロットマシン10におけるBBゲームについて詳細に説明する。
抽選処理(図16)におけるステップS703においてBBゲーム用抽選テーブルが選択されることにより、抽選役がベル役のみとなる。但し、かかるベル役の当選確率は通常ゲームに比べ非常に高くなっている。また、上述したようにBBゲーム処理(図24)におけるステップS1304のBBゲーム開始処理において残払出数カウンタ156に「345」がセットされることにより、BBゲームは345枚以上のメダルが払い出されることを条件として終了する。これは、BBゲーム中のメダル払出数に上限をもたせることにより遊技者の射幸心を抑え、遊技の健全性を担保するための工夫である。
なお、本実施の形態ではBBゲームにおいてはベル役のみの抽選を行う構成としたが、BBゲームにおいてベル役以外の役の抽選が行われてもよい。例えば、ベル役以外にスイカ役に当選してもよいし、チェリー役に当選してもよいし、それぞれの役に対応した図柄が有効ラインに成立した場合のメダル払出枚数が通常ゲームとは異なってもよい。BBゲームが通常ゲームよりもメダルを獲得できる確率が高く設定されていればよい。
次に、表示制御装置111によって行われる演出抽選処理について図26、27に基づいて説明する。図26、27は演出抽選処理を示すフローチャートである。
先ずステップS1401では、主制御装置131から抽選結果コマンドを受信したか否かを判別する。抽選結果コマンドとは、上述したように、主制御装置131の抽選処理にて行われた役の抽選結果を示すコマンドである(図16のステップS711参照)。抽選結果コマンドを受信していなければ、そのまま演出抽選処理を終了する。一方、抽選結果コマンドを受信していれば、ステップS1402に進み、第1教示演出を行うか否かの抽選を行う。
この第1教示演出の抽選では、第1教示演出乱数カウンタが用いられる。詳細に説明すると、表示制御装置111は、主制御装置131から抽選コマンドを受信した際に、第1教示演出乱数カウンタよりラッチした乱数を、予め設定された第1教示演出乱数テーブルに照らして、第1教示演出の抽選を行う。ここで第1教示演出とはスタートレバー71を操作した場合又は第1停止指令が発生した場合に、遊技者に当選している可能性のある役を表示する等、遊技に関する情報を教示する第1教示演出図柄を補助表示部15に表示させることである。第1教示演出図柄は各役毎に複数用意されており、表示制御装置111のCPUのROM152に記憶されている。
続くステップS1403では第1教示演出の抽選に当選したか否かを判別し、第1教示演出の抽選に当選していない場合はそのまま演出抽選処理を終了する。一方、第1教示演出の抽選に当選した場合にはステップS1404に進み、表示制御装置111におけるRAM112の第1教示演出フラグ格納エリア112aに第1教示演出フラグをセットする。第1教示演出フラグをセットしたらステップS1405に進み、第2教示演出を行うか否かの抽選を行う。この第2教示演出の抽選では、第2教示演出乱数カウンタが用いられる。詳細に説明すると、表示制御装置111は、第1教示演出の抽選に当選した際に、第2教示演出乱数カウンタよりラッチした乱数を予め設定された第2教示演出乱数テーブルに照らして、第2教示演出の抽選を行う。ここで第2教示演出とは、ストップスイッチ72〜74における第3停止操作(本実施形態における最終停止操作)が、特定操作として所定時間T(例えば2s)操作され続けると、補助表示部15に第2教示演出図柄を表示し、その遊技回において、役が当選であるか、或いは非当選であるかを遊技者に教示する演出である。
第2教示演出抽選を行ったらステップS1406に進み、第2教示演出の抽選に当選したか否かを判定する。第2教示演出を行う場合には、ステップS1407に進み第2教示演出報知処理を行う。第2教示演出報知処理では、スピーカ14を制御して第2教示演出当選を示す音(報知音)を発生させる処理が行われる。報知音の発生により、その遊技回において第2教示演出図柄を表示させ得ることを遊技者は知ることができる。第2教示演出を行うことに当選しなかった場合にはそのままステップS1408に進む。
ステップS1408では役の抽選結果がBB+スイカ役か否かを判定する。役の抽選結果は、上述した抽選結果コマンドの内容から判定する。ステップS1408にて当選している役はBB+スイカ役ではないと判定された場合、ステップS1409に進み、第1教示演出設定処理を行う。第1教示演出設定処理では、ステップS1402においてラッチされた第1教示演出乱数カウンタの乱数を第1教示演出図柄乱数テーブルに照らして第1教示演出図柄を決定する。
一方、ステップS1408において役の抽選結果がBB+スイカ役であった場合、ステップS1410に進み、第1停止指令有りか否かを判定する。第1停止指令無しと判定された場合は、第1停止指令が発生するまで待機する。ステップS1410にて、第1停止指令有りと判定された場合は、ステップS1411に進み、停止図柄番号の参照を行う。停止図柄番号の参照とは、リール制御処理におけるステップS910にて停止目格納エリア153cに格納された第1停止指令にて停止されたリールと、下ライン上に到達している図柄番号とを参照することである。これにより、第1停止指令にて停止したリールと、有効ラインに停止している図柄とを把握することができる。停止図柄番号の参照を行ったら、ステップS1412に進み、有効ライン上に「7」図柄が停止しているか否かを判定する。具体的には、例えば第1停止指令にて左リール42Lが停止した場合、下ラインに到達している図柄番号が15〜17の場合、有効ライン上に「7」図柄が停止していると判断される。
ステップS1412にて、「7」図柄が停止していると判定された場合、ステップS1413に進み、BB役に当選していることを教示する図柄を選択するBB教示用第1教示演出設定処理を行う。また、ステップS1412にて、「7」図柄が停止していないと判定された場合はステップS1414に進み、スイカ役に当選していることを教示する図柄を選択するスイカ教示用第1教示演出設定処理を行う。当選役がBB+スイカ役の場合に、ステップS1410〜ステップS1414の処理を行うことによって、停止目から遊技者に教示する役を選択することができる。これは、第1教示が行われた時点で、教示されている役に対応した図柄が有効ライン上に停止しておらず、遊技者が教示されている役を成立させることができないことを抑制するための工夫である。
第1教示演出設定処理、BB教示用第1教示演出設定処理又はスイカ教示用第1教示演出設定処理を行ったら、ステップS1415に進み、各第1教示演出設定処理において設定された演出図柄を補助表示部15に表示する各第1教示演出図柄表示処理を行う。各第1教示演出図柄表示処理を行ったらステップS1416に進み、第2教示演出を行うか否かの抽選に当選していたか否かを判定する。具体的には、ステップS1405、ステップS1406にて選択された乱数を参照し、第2教示演出を行うか否かの抽選に当選していたかを確認する。第2教示演出を行わない場合は、そのまま本演出抽選処理を終了する。一方、第2教示演出を行う場合はステップS1417に進み、第2教示演出フラグを表示制御装置111のRAM112に備えられた第2教示演出フラグ格納エリア112bにセットする。
続くステップS1418では第2教示演出図柄の設定処理を行う。本実施の形態では、第2教示演出図柄は各第1教示演出図柄に対応してそれぞれ複数用意されており、表示制御装置111のCPUのROMに記憶されている。第2教示演出図柄の設定処理では、これら複数の第2教示演出図柄の中から1種の第2教示演出図柄を選択して決定する。その選択では、先ず決定された第1教示演出図柄、BB用第1教示演出図柄又はスイカ用第1教示演出図柄に対応した第2教示演出図柄テーブルを決定する。そして、第2教示演出図柄テーブルを抽選結果コマンドの示す内容と照らして第2教示演出図柄を決定する。例えば、検出結果コマンドが示す内容がBB+スイカ役に当選である場合に、スイカ教示用第1教示演出設定処理が行われ、スイカ役に当選していることを教示する図柄が選択されていた場合、BB+スイカ役に対応した第2教示演出図柄テーブルを選択し、さらにBB役及びスイカ役に当選していることを教示する第2教示演出図柄が第2教示演出図柄テーブルから選択される。すなわち、第1教示演出図柄の種類と、抽選結果コマンドの示す内容とから、設定処理する第2教示演出図柄を決定しているといえる。第2教示演出図柄設定処理を行ったら、本演出抽選処理を終了する。
上述したとおり、BB+スイカ役に当選していた場合、第2教示演出図柄は、BB役及びスイカ役に当選していることを教示する図柄が選択される。遊技者はBBゲームに移行することを期待して遊技を行っていることがあり、BBゲームに移行するためにBB役に当選しているか否かに特に注目して遊技を行っているものと考えられる。BB+スイカ役の複数当選役に当選している場合にBB役に当選していることを第1教示演出又は第2教示演出において教示することによって遊技者にBB役に当選していることを好適に理解させることができる。
次に、第1教示演出図柄、第2教示演出図柄が表示される場合の表示制御装置111による第2教示演出表示処理の具体的手順について概説する。図28は、表示制御装置111内のCPUにより実行される第2教示演出表示処理を示すフローチャートである。
先ず、ステップS1501において上記演出抽選処理にて第2教示演出格納エリア112bに第2教示演出フラグがセットされたか否かを判別する。第2教示演出フラグがセットされていない場合はそのまま第2教示演出表示処理を終了する。
第2教示演出フラグがセットされている場合はステップS1502に進み、主制御装置131から操作開始コマンドを受信したか否かを判別する。操作開始コマンドを受信していない場合は、第2教示演出処理を終了する。操作開始コマンドを受信したことは、ストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作をされたことを意味し、操作開始コマンドを受信している場合、ステップS1503に進み、表示制御装置111に設けられた操作開始コマンドの受信回数を記憶するための操作開始カウンタ113を1インクリメントする。
続くステップS1504において、操作開始カウンタ113の値が3か否かを判別する。操作開始カウンタの値が3か否かとは、そのストップスイッチの押下操作が第3停止操作(本実施形態における最終停止操作)か否か、つまりリール42L,42M,42Rのうち、いずれかの2つのリールが停止表示された状況下(例えば、リール42L,42Mが停止表示しており、リール42Rが変動表示している場合)において、最後の変動表示しているリールに対応したストップスイッチに押下操作がされたか否かを意味する。操作開始カウンタが3でない場合、そのまま第2教示演出表示処理を終了する。
一方、操作開始カウンタが3である場合、ステップS1505に進み、回転しているリールに対応したストップスイッチ72〜74が停止操作として操作され、操作開始コマンドを受信してからストップスイッチの押下操作が行われ続けていることを示す操作フラグを、表示制御装置111のRAM112に設けられた操作フラグ格納エリア112cにセットする。操作フラグをセットしたらステップS1506に進む。
続くステップS1506において、そのストップスイッチの押下操作がされている時間を計測するタイマをセットする。タイマをセットとは表示制御装置111のRAMに設けられた図示しないタイマカウンタに例えば1342(2s)が入力され、ステップS208のタイマ減算処理が発生する度(1.49ms周期)にタイマカウンタの値が減算されるよう構成されている。
そして、ステップS1507では、操作開始コマンドを受信して操作フラグがセットされてから所定時間T(2s)が経過したか否かを判別する。すなわち、タイマカウンタの値が0か否かを判別することによって、ストップスイッチに対して特定操作として所定時間Tの長押しがされたか否かを判別する。なお、タイマカウンタはステップS208のタイマ減算処理が発生する度(1.49ms周期)に減算される必要はなく、タイマ割込み処理とは独立して1ms、2ms、3ms等他の周期で減算される構成としてもよい。また、タイマカウンタは1342から減算される構成にしたが、タイマカウンタの値が0から加算されていき予め定めた1342になった時点で所定時間Tが経過したと判定する構成にしてもよい。
所定時間Tが経過している場合、ステップS1508に進み、第2教示演出図柄表示処理を行う。第2教示演出図柄表示処理とは、演出抽選処理における第2教示演出図柄設定処理にて決定した第2教示演出図柄を表示するよう補助表示部15を表示制御することである。ステップS1508で第2教示演出図柄の表示を行った後、ステップS1509に進む。ステップS1509では、操作終了コマンドを受信したか否か、つまり、押下操作をされたストップスイッチが引戻し操作をされたか否かを判別する。操作終了コマンドを受信していなければ、受信するまで待機する。また、ステップS1507にて所定時間Tが経過していないと判別した場合、ステップS1510に進み、操作終了コマンドを受信したか否かを判別する。操作終了コマンドを受信していなければ、ステップS1507に戻る。
ステップS1509で操作終了コマンドを受信した場合又は所定時間Tの経過前に操作終了コマンドを受信した場合(ステップS1507がNO、且つステップS1510がYES)、ステップS1511に進み、操作フラグをリセットしてからプS1512に進む。ステップS1512ではコマンド情報、タイマカウンタ、操作開始カウンタ113、第1教示演出フラグ及び第2教示演出フラグをリセットして第2教示演出表示処理を終了する。したがって、所定時間Tの経過前に操作終了コマンドを受信した第2教示演出表示処理では、第1教示演出の抽選に当選し、且つ、第2教示演出の抽選に当選していても、第1教示演出図柄は補助表示部15に表示されるが、第2教示演出図柄は補助表示部15に表示されない。
次に、第2教示演出フラグがセットされ、且つ、ストップスイッチ72〜74のいずれかにおいて、第3停止操作すなわち最終停止操作の押下操作が所定時間T経過した場合に行われる第2教示演出の一例を、図29の一連の変動態様に基づいて説明する。なお、図29に示す遊技回では、役抽選でスイカ役に当選した場合を示す。また、図29では、時間の経過は左から右へ流れているものとする。
先ず、第2教示演出が行われる遊技回では、スタートレバー71の操作に伴って、補助表示部15に第1教示演出図柄が表示され、スピーカ14から報知音が発生する(演出抽選処理のステップS1407における第2教示演出報知処理)。これにより、遊技者は、その遊技回において、第2教示演出図柄を表示させ得ることを知ることができる。
スタートレバー71が操作され、リール42L,42M,42Rが回転している場合には、補助表示部15には、鉄球が吊り下げられたクレーンを操作する少年キャラクタと、「スイカ」が付された箱と、外れを示す「桜」が付された箱とが描かれた静止図柄が表示される(図29の(b0))。これにより、遊技者はスイカ役に当選しているのではと思い、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させようとする。一方、リール42L,42M,42Rは停止操作がされていないため回転している(図29の(a0))。ストップスイッチ72がON操作、つまり押下操作をされると、その押下操作のタイミングA1で左リール42Lは停止表示される(図29の(a1))。一方、補助表示部15は、鉄球が吊り下げられたクレーンを操作する少年キャラクタと、「スイカ」が付された箱と、外れを示す「桜」が付された箱とが描かれた静止図柄が表示されたままである(図29の(b0))。
次いで、第2停止操作として、ストップスイッチ73が押下操作をされると、その押下操作のタイミングA2で中リール42Mは停止表示される(図29の(a2))。この状態においても、補助表示部15は、鉄球が吊り下げられたクレーンを操作する少年キャラクタと、「スイカ」が付された箱と、外れを示す「桜」が付された箱とが描かれた静止図柄が表示されたままである(図29の(b0))。そして、最終停止操作として、ストップスイッチ74が押下操作されたタイミングA3で、右リール42Rは停止表示される(図29の(a3))。そして、ストップスイッチ74の押下操作をされている時間tが所定時間T(例えば2s)を経過したタイミングBで、第2教示演出図柄として、鉄球が「桜」の付された箱に落ち、「スイカ」が付された箱が残った状態を示す静止図柄が表示される(図29の(b1))。これにより、この遊技回でスイカ役に当選していたことを遊技者は知ることができる。
仮にストップスイッチ72、ストップスイッチ73の押下操作のタイミングA1、タイミングA2では、押下操作をされている時間tが所定時間Tを経過したとしても、補助表示部15に表示されている表示図柄は、鉄球が吊り下げられたクレーンを操作する少年キャラクタと、「スイカ」が付された箱と、外れを示す「桜」が付された箱とが描かれた静止図柄が表示されたままである(図29の(b0))。なお、ストップスイッチ74が引戻し操作されたタイミングで第2教示演出図柄の表示が終了する。
次に、第1教示演出図柄が表示されて、第2教示演出の抽選に当選している場合、且つ、第2教示演出図柄を表示しない場合を、図29に基づいて説明する。
先ず、上述のように第2教示演出が行われ得る遊技回では、補助表示部15に第2教示演出図柄が表示され、且つ、スタートレバー71の操作に伴って、スピーカ14から効果音が発生し、補助表示部15には、鉄球が吊り下げられたクレーンを操作する少年キャラクタと、「スイカ」が付された箱と、外れを示す「桜」が付された箱とが描かれた静止図柄が表示される(図29の(b0))。
第1停止操作としてストップスイッチ72が押下操作をされると、その押下操作のタイミングA1では、左リール42Lが停止表示される。次いで第2停止操作としてストップスイッチ73が押下操作されると、その押下操作のタイミングA2では中リール42Mが停止表示される。そして、最終停止操作としてストップスイッチ74が押下操作されると右リール42Rが停止表示される。ここで、この押下操作をしている時間tを所定時間Tより短く(第2教示演出図柄を表示する場合、tはTより長い)した場合、すなわち、ストップスイッチ74に押下操作をしてから所定時間Tが経過する前に引戻し操作(OFF操作)をすると、補助表示部15に第2教示演出図柄が表示されず、第1教示演出図柄が表示された状態のままである。すなわち、補助表示部15には、鉄球が吊り下げられたクレーンを操作する少年キャラクタと、「スイカ」が付された箱と、外れを示す「桜」が付された箱とが描かれた静止図柄が表示されたままである(図29の(b0))。
したがって、遊技者が第2教示演出に興味を持たない遊技回においては、最終停止操作の押下操作から所定時間Tの経過前に引戻し操作をすることで、第2教示演出図柄を見ることなく、遊技を進行させることができる。すなわち、第2教示演出図柄を表示するか否かを、遊技者が選択することができる。
また、スイカ役に当選していた場合、最終停止操作が行われ全リールが停止表示されても、「スイカ」図柄を揃えることができなかったときに、取りこぼし目が表示されることがある。この場合、抽選に当選したBB役以外の役に対応した図柄を揃えることができなかったのか、BB役に当選しリーチ目が停止表示されたのかを遊技者は理解することが困難であった。第2教示演出図柄によって抽選に当選した役が表示されるために、遊技者は容易に抽選に当選していた役を理解することができる。
ここで取りこぼし目とは、抽選に当選しているボーナスゲーム以外の役が有効ライン上に揃わなかった場合に、各リールによって停止表示されることがある図柄の組合せのことである。また、リーチ目とはボーナスゲームの抽選に当選しており、ボーナスゲーム図柄を有効ライン上に揃えられなかった場合に各リールによって停止表示されることがある図柄の組合せのことであり、取りこぼし目とリーチ目とを識別できないことがある。
次に、BB役及びスイカ役に当選となる複数当選役に当選し、第2教示演出フラグがセットされ、且つストップスイッチ72〜74のいずれかにおいて、第3停止操作すなわち最終停止操作の押下操作が所定時間T経過した場合に行われる第2教示演出の一例を、図30の一連の変動態様に基づいて説明する。なお、図30では、時間の経過は左から右へ流れているものとする。
先ず、第2教示演出が行われる遊技回では、上述したとおりスタートレバー71の操作に伴って、スピーカ14から報知音が発生する(演出抽選処理のステップS1407の演出報知処理)。ただし、スタートレバー71が操作されたタイミングでは、当選している役を教示する図柄は表示されない。
スタートレバー71が操作され、リール42L,42M,42Rが回転している場合には、補助表示部15には、鉄球が吊り下げられたクレーンを操作する少年キャラクタが描かれた静止図柄が表示される(図30の(b0))。一方、リール42L,42M,42Rは停止操作がされていないため回転している(図30の(a0))。ストップスイッチ72がON操作、つまり押下操作をされると、その押下操作のタイミングA1で左リール42Lは停止表示される(図30の(a1))。ここで、停止目にて「スイカ」図柄が表示されているため、補助表示部15には、第1教示演出図柄としてスイカ役に当選していることを教示する図柄が選択される。具体的には、鉄球が吊り下げられたクレーンを操作する少年キャラクタと、「スイカ」が付された箱とが描かれた静止図柄が表示される(図30の(b1))。
次いで、第2停止操作として、ストップスイッチ73が押下操作をされると、その押下操作のタイミングA2で中リール42Mは停止表示される(図30の(a2))。この状態においても、補助表示部15は、鉄球が吊り下げられたクレーンを操作する少年キャラクタと、「スイカ」が付された箱とが描かれた静止図柄が表示されたままである(図30の(b1))。そして、最終停止操作として、ストップスイッチ74が押下操作されたタイミングA3で、右リール42Rは停止表示される(図30の(a3))。そして、ストップスイッチ74の押下操作をされている時間tが所定時間T(例えば2s)を経過したタイミングBで、第2教示演出図柄として、「スイカ」が付された箱と、「7」が付され落下した鉄球とが描かれた静止図柄が表示される(図30の(b2))。これにより、遊技者は、この遊技回でスイカ役と、BB役とに当選していたことを知ることができる。
仮にストップスイッチ72、ストップスイッチ73の押下操作のタイミングA1、タイミングA2では、押下操作をされている時間tが所定時間Tを経過したとしても、補助表示部15に表示されている表示図柄は、鉄球が吊り下げられたクレーンを操作する少年キャラクタと、「スイカ」が付された箱とが描かれた静止図柄が表示されたままである(図30の(b0))。なお、ストップスイッチ74が引戻し操作されたタイミングで第2教示演出図柄の表示を終了する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1教示演出及び第2教示演出は、第1教示演出図柄及び第2教示演出図柄を補助表示部15に表示する構成とした。これにより、遊技者は演出図柄を目視によって理解することができる。さらに、図柄によって演出を構成することにより、演出の自由度を高める効果も発揮される。
第2教示演出が行われる場合、ストップスイッチ72〜74の最終停止操作において特定操作がされることで、第2教示演出図柄が補助表示部15に表示され、特定操作がされない場合には第2教示演出図柄が補助表示部15に表示されない構成とした。これにより、遊技者が第2教示演出図柄を視認したい場合は、ストップスイッチ72〜74の最終停止操作において特定操作をすれば、第2教示演出図柄を視認することができる。これにより、第2教示演出図柄を視認したい遊技者は、第2教示演出図柄を視認することで当選していた役を理解することができる。すなわち、第2教示演出図柄を表示するか否かを遊技者が選択することができる。
例えば、遊技性を十分に理解していない遊技者(以下、初級遊技者ともいう)では、リールにおいて停止した図柄から当選している役に気付かないことが考えられる。さらに、本実施形態によれば、BB役及びスイカ役に当選することがあるため、BB役及びスイカ役の一方又は両方に当選していることに気付かないことが一層起こり得る。上記初級遊技者は特定操作を行い、第2教示演出図柄を視認することによってBB役及びスイカ役に当選していることを好適に理解することができる。
また、例えば、遊技性を十分に理解した遊技者(以下、上級遊技者ともいう)は、仮に有効ライン上に役図柄が揃っていなくても、停止した図柄からどのような役に当選していたかを知る又は推測することができる場合がある。このため、上記上級遊技者や上記上級遊技者以外にも演出が行われることに対して興味がない遊技者に演出を頻繁に行うことは、テンポの良い遊技を妨げる要因となるおそれがある。本実施形態によれば、上記上級遊技者又は演出が行われることに対して興味がない遊技者は、特定操作を行わないことによって第2教示演出図柄が表示されることをキャンセルすることができる。これによって、過度に第2教示演出図柄が表示され、テンポの良い遊技を妨げることを抑制できる。
上述したとおり、本発明によれば、上記初級遊技者、上記上級遊技者、演出が行われることを好む遊技者及び演出が行われることに対して興味がない遊技者等でも、遊技者が第2教示演出図柄を表示するか否かを選択することにより、各遊技者が望む頻度で第2教示演出図柄を表示させることができる。第2教示演出図柄が表示される頻度を遊技者が選択できるため、同じ態様の演出が繰り返し行われ、遊技が単調化することを抑制することができる。これらにより、遊技者に遊技を行うことが飽きられてしまうことを抑制でき、どのような遊技者に対しても好適に遊技を行うことを促すことができる。よって、例えば、遊技機が設置されている遊技店等において遊技機が飽きられてしまい、遊技機の稼働率が低下することを抑制する効果も発揮される。
第2教示演出図柄を表示するか否かを選択するための装置として既存のストップスイッチ72〜74を用いたことにより、その選択のために新たな装置を設ける必要がない。
第1教示演出及び第2教示演出を行うか否かは抽選によって決定する構成とした。かかる構成にすることにより、第1教示演出及び第2教示演出の実行に不規則性が追加され、一層遊技が単調化することを抑制することができる。また、抽選のタイミングをスタートレバー71が操作されたタイミングで行うことによって、第1教示演出をスタートレバー71が操作されたタイミングから任意のタイミングで開始することができるため、第1教示演出の開始タイミングの自由度を高めることができる。
第2教示演出図柄を表示させるためのストップスイッチ72〜74の操作として、最終停止操作において長押し操作をすることを特定操作とした。これにより、リール42L,42M,42Rを停止させる操作と連続して、第2教示演出図柄を表示させるための操作を行うことができ、それら一連の操作が容易となる。最終停止操作を行う場合に長押し操作をすれば、第2教示演出図柄が表示されるため、第2教示演出図柄を表示させる場合に、すべての停止操作において長押し操作をする必要がない。また、ストップスイッチ72〜74が押下操作されたタイミングでリール42L,42M,42Rが停止表示される構成であるため、遊技者が第2教示演出図柄を視認しない場合は、ストップスイッチ72〜74を単に停止操作のためだけに押下操作すればよい。したがって、特別な操作をすることなく、第2教示演出図柄の表示をキャンセルすることができる。
第1教示演出を行うか否かを抽選する構成とした。これにより、第1教示演出図柄が表示される場合と、第1教示演出図柄が表示されない場合があり、常に第1教示演出図柄が表示されるわけではないために、演出が単調化することを防ぐことができる。
また、上記第2教示演出の抽選において、当選した場合には、補助表示部15に第1教示演出図柄を表示し、且つ、スタートレバー71の操作時にスピーカ14からその当選を示す報知音を発生させる構成とした。これにより、その遊技回において第2教示演出図柄を表示させるか否かを選択できることを遊技者は知ることができる。この結果、補助表示部15に第1教示演出図柄が表示され報知音が発生した場合に、最終停止操作において特定操作を行えば第2教示演出図柄を遊技者は見ることができ、毎回の遊技で特定操作を行う必要がない。
停止操作が行われた場合に操作開始カウンタ113をカウントアップすることによって、停止操作が最終停止操作か否かを判断した。これにより、加算処理を行うのみで最終停止操作か否かを判断できるため、表示制御装置の処理負荷の軽減を図ることができる。
表示制御装置111が、演出における各種処理を実行する構成とした。これにより、遊技の統括管理をする主制御装置の処理負荷の軽減を図ることができる。
複数当選役として、スイカ役と、BB役とに共に当選する構成とした。遊技者は少しでも多くのメダルを獲得したいと考えることがあり、メダルの獲得期待値の高いBBゲームに移行することを期待して遊技を行っている。スイカ役に当選した場合にはBB役にも当選していることがあるため、例えば、スイカ役に当選していた場合にBB役にも当選していたか否かに遊技者は注目して遊技を行い、遊技への注目度の向上を図ることができる。また、BB役は当選となった遊技回においてBB入賞を成立させることができなかったとしても次の遊技回に持ち越される。よって、スイカ役入賞が成立したために、BB入賞を次以降の遊技回において成立させることができなくなることを抑制できる。
BB役は、単独で当選する場合と、スイカ役と共に当選する場合とがある構成とした。これにより、BB役に当選となる態様が単純化することを抑制し、遊技における興趣を高める効果が発揮される。
第1教示演出においてスイカ役又はBB役の一方に当選していることを教示し、第2教示演出においてスイカ役及びBB役に当選していることを教示する構成とした。これにより、第2教示演出図柄を視認することによってスイカ役及びBB役に共に当選していたことを遊技者に好適に理解させることができる。
さらに、第2教示演出が行われなかったとしても、第1教示演出によってスイカ役又はBB役の一方に当選していることが教示されるため、第2教示演出図柄を視認したくない遊技者や、特定操作を行うことに対して煩わしさを感じる遊技者に対してもスイカ役又はBB役の少なくとも一方に当選していることを教示することができる。
BB役及びスイカ役は諸謂取りこぼしが発生する構成とした。これにより、遊技者は、「7」図柄、「スイカ」図柄が有効ラインに到達できるタイミングにてストップスイッチ72〜74を操作しようとする。よって、遊技への積極的参加を遊技者に促すことができる。また、「7」図柄を有効ラインに停止させることができるタイミングでストップスイッチ72〜74が操作された場合は「7」図柄が有効ラインに停止するように、「7」図柄を停止させることができないタイミングでストップスイッチ72〜74が操作され、「スイカ」図柄が有効ラインに停止させることができる場合は「スイカ」図柄を有効ラインに停止させるよう制御する構成とした。これにより、遊技者がBB入賞を成立させようとしているにもかかわらず「スイカ」図柄が有効ラインに成立するよう制御され、BB入賞を成立させることができないことを抑制できる。
複数当選役に当選している場合、第1停止操作によって停止した停止図柄に基づいて第1教示演出において教示する役を決定する構成とした。これにより、第1教示演出が行われたタイミングで第1教示演出によって教示された役を成立させることが不可能になっていることを抑制できる。これにより、第1教示演出図柄を視認してから教示された役を成立させようと、ストップスイッチ72〜74を操作するため、遊技への積極的参加を一層促すことができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記実施の形態では、第1教示演出を行うか否かを抽選によって決定したが、第1教示演出を行うか否かの抽選がなく必ず第1教示演出が行われる構成であっても良い。かかる構成とすることにより、遊技者は常に第1教示演出のサポートを受けることができる。また、この構成であっても、第2教示演出を行うか否かの抽選が行われ、さらに遊技者が第2教示演出図柄の表示を必要としない場合は、ストップスイッチ72〜74に本実施の形態の如く停止操作をすることで、第2教示演出図柄の表示をキャンセルすることができ、同じ演出が繰り返し行われることを抑制することができる。第1教示演出が毎遊技回行われる構成にするならば、演出抽選処理のステップS1402における第1教示演出抽選が必要なくなる。
(2)上記実施の形態では、第1教示演出が行われる場合に第2教示演出を行うか否かを抽選したが、この構成を変更し、第1教示演出が行われる場合には、常に第2教示演出が行われるようにしてもよい。すなわち、第1教示演出図柄が表示される場合には、常に第2教示演出図柄が表示され得る。これによって、第2教示演出図柄を視認することを好む遊技者は、第1教示演出が行われる全ての遊技回において第2教示演出図柄を表示させ得るため、第2教示演出図柄を表示させて遊技を楽しむことができる。かかる構成にするならば、第2教示演出を行うか否かの抽選を行う必要がなく演出抽選処理におけるステップS1405、ステップS1406の処理が必要なくなる。
(3)第1教示演出図柄、第2教示演出図柄は静止図柄を用いる構成としたが、これに限るものでなく動画等を用いてもよい。動画を用いることによって、演出に動きが発生し、遊技者が演出を一層楽しむことができる。動画を用いるならば、予め各教示演出図柄として表示制御装置111のROMに動画を記憶させておけばよい。
また、第1教示演出図柄及び第2教示演出図柄として1種類以上の図柄又は動画を用いて遊技に関する情報を表示する連続演出が、連続演出の前半部分と、連続演出の後半部分とに分割されて表示制御装置111のCPUのROMに記憶されており、連続演出の前半部分に用いる図柄又は動画が第1教示演出図柄、連続演出の後半部分に用いる図柄又は動画が第2教示演出図柄として補助表示部15に表示制御される構成にしてもよい。
(4)上記実施の形態では、第2教示演出が行われる場合、スピーカ14から報知音を発生させる構成としたが、スピーカ14から報知音を発生させる構成を変更し、上部ランプ13を点灯させても良い。かかる構成であっても、上部ランプ13が点灯することにより第2教示演出図柄を表示し得ることを遊技者は理解することができる。また、第2教示演出が行われる場合にスピーカ14から報知音を発生させるだけでなく、非当選である場合にもスピーカ14から報知音を発生させても良い。この場合、当選、非当選で発生させる音を2種類設定することで、遊技者は第2教示演出図柄を表示し得ることを知ることができる。
また、第2教示演出図柄が表示され得ることを報知するタイミングはスタートレバー71の操作タイミングに限られるものではなく、第1停止操作,第2停止操作,第3停止操作が行われたタイミングで報知されても構わないし、各停止操作とは関係ないタイミングで報知されても構わない。
(5)上記実施の形態では、特定操作として最終停止操作が長押し操作をされると、第2教示演出図柄が表示される構成としたが、長押し操作以外の操作であっても良い。例えば、同じストップスイッチが所定時間内に2度押下操作をされた場合に第2教示演出図柄が表示される構成や、ストップスイッチが押下操作中に別のストップスイッチが押下操作をされた場合に、第2教示演出図柄が表示される構成が考えられる。これらの場合も、既存のストップスイッチを用いる構成であるため、第2教示演出図柄の表示、非表示を選択するために新たな装置を設ける必要がない。また、長押し操作をされると第2教示演出図柄を表示する停止操作は、第3停止操作に限るものではなく、第1停止操作、第2停止操作等、他の停止操作が長押し操作がされることによって、第2教示演出図柄を表示しても構わない。
また、第2教示演出図柄を表示するための別の装置が備えられている構成にしてもよい。例えば、ストップスイッチ72〜74の横に新たなスイッチが設けられており、当該スイッチが操作されることによって第2教示演出図柄が表示される構成が考えられる。
(6)上記実施の形態では、第1教示演出を行うか否かの抽選と、第2教示演出を行うか否かの抽選を表示制御装置111が行う構成としたが、主制御装置131がその抽選を行う構成であってもよい。また、表示制御装置111を単に補助表示部15の表示制御を行う制御装置とし、第2教示演出に係るその他の処理(例えば、ストップスイッチの押下操作から引戻し操作までの時間計測等)を主制御装置131が行う構成であっても良い。
(7)上記実施の形態では、リール42L,42M,42Rを用いて、図柄の変動表示を行う構成としたが、リールに換えて、表示部を有する絵柄を表示する表示装置としても良い。この場合、表示部として、例えば液晶ディスプレイといった表示画面とし、この表示部で図柄を変動表示させる構成とする。また、当該表示部と上記実施の形態での補助表示部15を一体にする構成であっても良い。つまり、表示部において図柄の変動表示を行うと共に、第1教示演出図柄や第2教示演出図柄を表示する構成であっても良い。
(8)上記実施の形態では、円筒骨格部材50の外周面に、図柄が印刷されたベルトを貼付する構成としたが、円筒骨格部材とベルトとを一体形成し、このベルトの外周面に図柄を個別に貼付する構成としてもよい。
(9)上記実施の形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして5ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではない。リールが3つではなく2つ、4つ、5つ又はそれ以上備えられていてもよいし、有効ラインが1ライン、2ライン、3ライン又はそれ以上有する構成にしてもよい。例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。
(10)各リール42L,42M,42Rの図柄は、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
(11)上記実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消することができる。
(12)上記実施の形態では、最終停止操作を長押し操作を行い、第2教示演出図柄が表示された場合に、遊技者がストップスイッチの長押し操作を終了すると第2教示演出図柄の表示が終了される構成としたが、長押し操作を終了しても第2教示演出図柄が表示され続ける構成にしてもよい。例えば、長押し操作を行い、第2教示演出図柄が補助表示部15に表示されている場合に、長押し操作を終了しても第2教示演出図柄の表示は終了されることなく継続する。すなわち、ストップスイッチに押下操作をされている時間として所定時間Tが経過し、補助表示部15に第2教示演出図柄が表示されてから、ストップスイッチの引き戻し操作(OFF操作)をしても、補助表示部15に表示されている第2教示演出図柄の表示が終了されてしまうことはない。したがって、遊技者が、第2教示演出図柄を表示させ続けたい場合に、ストップスイッチを押下し続ける必要がない。
また、長押し操作を終了しても第2教示演出図柄が表示され続けるならば、その表示は、次の遊技回を遊技するためにメダルが投入されるまで表示され続けてもよいし、メダルが投入されスタートレバー71が操作されるまで表示され続けてもよい。また、第2教示演出図柄が表示されるための長押し操作は最終停止操作に限定するものではなく、第1停止操作又は第2停止操作において行われる構成にしてもよい。ただし、これらの構成に変更しても、第1教示演出が行われることを阻害する構成であってはならない。
さらに、所定時間Tは何秒に設定してもよく、1s、2s、3s、4s又は5s等何秒に設定しても構わない。所定時間Tは第2教示演出表示処理のステップS1506においてタイマをセットする場合に、入力する値を変更するのみで簡単に変更することができる。
(13)ストップスイッチに長押し操作がされている場合に、ストップスイッチに長押し操作がされていることを補助表示部15に表示してもよい。かかる構成によれば、ストップスイッチに長押し操作がされているか否かを、遊技者が表示部15を確認するだけで把握することができる。すなわち、第2教示演出図柄を視認できているのか否かを遊技者が混乱することなく容易に理解することができる。
また、第2教示演出図柄が表示されていることを報知する構成にしてもよい。ストップスイッチの長押し操作がされていることや、第2教示演出図柄が補助表示部15に表示されていることを報知する方法はランプ等を用いてもかまわないし、スピーカ14を用いて音によって遊技者に報知する構成にしてもよい。
(14)第1教示演出及び第2教示演出は、補助表示部15にそれぞれ対応した図柄を表示する構成としたが、これに限定するものではない。スピーカ14を用いて音を発生させることによって第1教示演出及び第2教示演出を行う構成にしてもよいし、ランプ等を用いて光によって第1教示演出及び第2教示演出を行う構成にしてもよい。
また、図柄を表示する場所は補助表示部15以外に複数設けられており、複数の箇所にて図柄が表示される構成にしてもよい。
(15)BB役とその他の役とに当選している場合、「7」図柄を有効ラインに停止させることができるタイミングにてストップスイッチ72〜74が操作された場合、「7」図柄が優先して有効ラインに停止する構成にしたが、「7」図柄が優先して有効ラインに停止する構成にしなくともよく他の役に対応した図柄が優先して有効ラインに停止する構成にしてもよい。
(16)上記実施の形態では、第1教示演出図柄はスタートレバー71が操作されたタイミング又は第1停止操作がされたタイミングで補助表示部15に表示される構成としたが、かかる構成に限定されるものではない。第2停止操作がされた場合に第1教示演出図柄が補助表示部15に表示される構成にしても構わないし、第3停止操作がされた場合に補助表示部15に表示される構成にしても構わないし、各停止操作がされるタイミングとは関係なく表示されてもかまわない。ただし、第2教示演出図柄が表示されるのを阻害する構成であってはならない。さらに、複数当選役に当選している場合には第1停止操作による停止図柄に基づいて教示する役を決定しているため、第1停止操作以降に第1教示演出図柄が表示されなければならない。
(17)上記実施の形態では、リール制御処理にてストップスイッチ72〜74が操作されているか否かの信号を表示制御装置111に送信する構成にしたが、リール制御処理ではなく、タイマ割込み処理にて、ストップスイッチ72〜74が操作されているか否かの信号を表示制御装置111に送信する構成にしてもよい。
(18)上記実施の形態では、BBゲーム中に払い出される残りのメダル数を残獲得枚数表示部36に減算表示する構成としたが、かかる構成に加えて、補助表示部15にてBBゲームに移行してから払出されたメダル数を加算表示してもよい。
また、補助表示部15にてBBゲームに移行してから増加した遊技者の所有するメダル数を表示する構成としてもよい。かかる構成を実現するためには、払い出したメダル数からベットされたメダル数を減算し、当該結果を補助表示部15に表示すればよい。
(19)上記実施の形態では、BB当選フラグがBB当選フラグ格納エリアにセットされると、次の遊技回以降の抽選処理ではBB役の抽選を行わない構成としたが、BB役の抽選を行ってもよい。また、BB当選フラグがセットされた状態でさらにBBに当選した場合、当該結果を無効とする構成としてもよいし、BB当選フラグを複数セットする構成としてもよい。
(20)BBゲームのゲーム内容を変更してもよい。いわゆるAタイプ、Bタイプ、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプでも構わない。また、RBゲーム、CTゲーム、RTゲーム、ATゲームのようなBBゲーム以外の特別遊技状態を備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよく、何れの場合であっても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(21)複数当選役に当選している状況において第1停止操作が行われた場合に、第1停止操作による停止図柄に基づいて、複数当選役の一方に当選していることを教示する第1教示演出図柄を決定する構成としたが、かかる構成に限定されるものではない。
第1停止操作だけでなく、第2停止操作による停止図柄をも参照して第1教示演出図柄を決定するようにしてもよい。すなわち、第2停止操作が行われた後に第1教示演出図柄が表示される。かかる構成にするならば、演出抽選処理において第1停止操作、第2停止操作による停止図柄を参照し、当該停止図柄に基づいて第1教示演出図柄を決定すればよい。すなわち、一の遊技回において複数回停止操作が行われる遊技機において一部の停止操作が行われた場合に、当該停止操作による停止図柄を参照して第1教示演出図柄を決定する。なお、かかる構成の場合、第1教示演出図柄が表示されるタイミングは特に限定しなくともよいが、第2教示演出図柄が表示されることを阻害する構成であってはならない。
さらに、上記構成とは異なり、第1停止操作による停止図柄にかかわらず、第1教示演出図柄を決定してもよい。すなわち、第1停止操作による停止図柄を参照せず、抽選により第1教示演出図柄を決定する。演出抽選処理におけるステップS1410〜1414が必要なく、演出抽選処理におけるステップS1409の第1教示演出設定処理にて全ての第1教示演出図柄を決定することができる。
(22)複数当選役としてBB役とスイカ役とが共に当選するよう設定されていたが、かかる構成に限定されるものではない。
複数当選役としてBB役と共に当選となる役がスイカ役でなくともよく、リプレイ、チェリー、ベル役等とBB役とが共に当選するよう設定されていても構わない。また、複数当選役として2種の役が重複して当選するよう設定されていなくともよく、複数当選役としてBB役、スイカ役及びチェリー役に当選するよう設定されている等、3種類以上の役が共に当選するように複数当選役が設定されていてもよい。
さらには、複数当選役としてBB役に当選するよう設定されておらず、ベル役とチェリー役等のBB役以外の役に複数当選するよう設定されていてもよい。
(23)上記実施の形態では、役の抽選を行う場合、スイカ役、BB役及びスイカ+BB役はそれぞれ異なった役としてポイント値PVが設定されていたが、かかる構成に限定されるものではない。
スイカ役とBB役とにおいてポイント値PVの一部が重複するように設定されていてもよい。例えば、ポイント値PVが0〜65535まで設定されており、リプレイ役に対応したポイント値PVは0〜8979であり、チュリー役に対応したポイント値PVは8980〜9491であり、ベル役に対応したポイント値PVは9492〜18853であり、スイカ役に対応したポイント値PVは18854〜199365であり、BB役に対応したポイント値PVは19257〜19473に設定されている遊技機が考えられる。この場合、ポイント値PVが19257〜19465においてはスイカ役及びBB役に当選している。上記のように設定するならば、スイカ役+BB役に対応したインデックス値IVを設定する必要はなく、スイカ役、BB役にそれぞれインデックス値IVを設定するのみでよい。
(24)上記実施の形態では、第2教示演出にてBB役及びスイカ役に当選していることを教示する構成としたが、かかる構成に限定されるものではない。第1教示演出にてBB役又はスイカ役の一方に当選していることを教示し、第2教示演出にてBB役又はスイカ役の他方に当選していることを教示してもよい。
また、上記実施の形態では第1停止における停止図柄に基づいて第1教示にて教示する役を決定したが、停止図柄に関係なく、第1教示演出においてスイカ役に当選していることを教示し、第2教示演出においてBB役に当選していることを教示してもよい。すなわち、第1教示演出よりも第2教示演出にて成立した場合に遊技者により大きな特典が付与される役に当選していることを教示すればよい。