プッシュ通信におけるデータ配信のタイムラグを減らすには、伝送レベルがUDP/IP(User Datagram Protocol/Internet Protocol)形式のようなコネクションレス型プロトコル形式によって配信すると、伝送時間がより高速で好ましいけれども、配信中にあるパケットが消失しても再送信されず、全ての端末機に確実にデータ配信されることが保証されない。このような不確実な通信手順は、確実な送信が強く要求される緊急地震速報の配信に利用することはできない。特許文献6は、コネクションレス型プロトコル形式による不確実な通信手順を補うために、TCP/IP形式で確実に通信するサーバと、UDP/IP形式で高速に通信するサーバとの2台のサーバで緊急通報システムを構成する。特許文献6では、配信先に対して高速なUDP/IP形式で高速に送信し、配信先からの応答は確実なTCP/IP形式で通信することにより、確実で高速な通信手順を確立する。
特許文献6では、多数の配信先からの応答を低速のTCP/IP形式で送信するので、例えば2006年に発生した伊豆半島・伊東−川奈沖での群発地震のように同一地域において地震が短時間に頻発した場合に、後発の地震の緊急速報が遅延していくことがあり、緊急通報システムの作動を常時確認していないので、該システムが実際に地震が発生した際に配信できないことも起こりうる。特許文献6において、緊急通報システムの配信サーバは、TCP/IP形式の通信サーバと、UDP/IP形式の通信サーバとの少なくとも2台のサーバを必要とするため、この緊急通報システムは比較的高価なシステムになってしまう。また、特許文献6の緊急通報システムにおいて、ハッカーが愉快犯的な目的などで偽の地震データを通信回線網へ発信すれば、個々の地震警報装置では偽の地震データをそのまま受信して地震警報を発令してしまい、偽情報で社会に混乱を招くことになる。
本発明は、従来の緊急地震システムなどに関する前記の問題を改善して緊急情報を確実に配信するために提案されたものであり、センターサーバからの速報データおよび各受信端末機からの応答信号(Ack信号)をともに実質的にコネクションレス型プロトコル形式で送信することにより、速報配信先が数千件以上のオーダーでも緊急情報が短時間で完了する緊急通報方法およびシステムを提供することを目的としている。本発明の他の目的は、コネクションレス型プロトコル形式で速報データを高速送信しても該速報データの変更や消失が起こらず、且つ配信可能状態を常時確立している緊急通報方法およびシステムを提供することである。
本発明の別の目的は、受信端末機が記憶する受信認証コードと速報データに含まれる認証確認データとが一致すれば、この速報データを受信端末機が受信することにより、受信端末機が偽の速報データの受信を排除できる緊急通報方法を提供することである。本発明の別の目的は、センターサーバから一定時間ごとに送信する死活確認信号を発信することにより、システムが配信可能状態であることを常時確認でき、且つ受信端末機の時間も正確に調整できる緊急通報方法を提供することである。本発明の別の目的は、受信端末機のグローバルIPアドレスが動的であっても、センターサーバは該受信端末機のIPアドレスを常に正確に認識できる緊急通報方法を提供することである。本発明のさらに別の目的は、センターサーバを少なくとも受信サーバおよび演算配信サーバの組で構成し、該演算配信サーバで高速演算が可能であることにより、受信端末機の負担を軽減する緊急通報システムを提供することである。
本発明に係る緊急通報方法は、通信回線網を介してセンターサーバから複数台の受信端末機へ緊急情報をリアルタイムに配信する。この緊急通報方法は、センターサーバから各受信端末機へコネクションレス型プロトコル形式の死活確認信号を定時的に配信し、この死活確認信号に対して受信端末機がセンターサーバへ端末管理番号付き応答信号を返信することにより、センターサーバが応答信号を返信した受信端末機をそのIPヘッド部から確定し、応答信号を返信しなかった受信端末機について同じ死活確認信号を再送信することで配信可能状態を常時確立している。緊急事態発生時にはセンターサーバが緊急速報を受信して、コネクションレス型プロトコル形式の速報データを各受信端末機へ配信し、この速報データに対して受信端末機がセンターサーバへコネクションレス型プロトコル形式の応答信号を返信することにより、センターサーバは応答信号を返信した受信端末機をそのIPヘッド部から確定し、応答信号を返信しなかった受信端末機について同じ速報データを再送信することで緊急情報を確実に通報する。
本発明に係る他の緊急通報方法では、各受信端末機からセンターサーバへコネクションレス型プロトコル形式の端末管理番号付きDDNS(Dynamic Domain Name System)データを定時的に送信し、このDDNSデータの送信に対してセンターサーバは該データのIPヘッド部から個々の受信端末機を確定し、センターサーバが各受信端末機へDDNS応答信号を返信している。緊急事態発生時にはセンターサーバが緊急速報を受信して、コネクションレス型プロトコル形式の速報データを各受信端末機へ配信し、この速報データに対して受信端末機がセンターサーバへコネクションレス型プロトコル形式の応答信号を返信することにより、センターサーバは応答信号を返信した受信端末機をそのIPヘッド部から確定し、応答信号を返信しなかった受信端末機について同じ速報データを再送信することで緊急情報を確実に通報する。
本発明に係る緊急通報方法において、センターサーバから各受信端末機へ受信認証コード付きのDDNS応答信号または死活確認信号を送信し、この受信認証コードを受信端末機は複数個記憶し、センターサーバが緊急速報を受信すると、ヘッダ部および認証確認データを含むデータ長を1パケットに収めた速報データを各受信端末機へ配信し、この認証確認データが受信端末機で記憶した受信認証コードと一致すれば、受信端末機がこの速報データを受信すると好ましい。特に、緊急事態発生時に配信する速報データに含まれる認証確認データが、受信端末機に記憶された過去2〜5世代の受信認証コードのいずれかと一致したならば、その緊急通報信号が正しいものと認定して各受信端末機が速報データを受信する。また、センターサーバは、同じ死活確認信号を複数回送信しても受信端末機から応答信号の返信がなかった場合には、該受信端末機への配信断絶数をカウントして配信状態に復帰し、一方、受信端末機は、センターサーバから同じ緊急速報である速報データが複数回送信されても応答信号を返信しなかった場合には、速報データの送信を中止して待機状態に復帰すると好ましい。
本発明に係る緊急通報方法において、センターサーバから各受信端末機へコネクションレス型プロトコル形式の時報信号を定時に配信し、この時報信号に対して受信端末機がセンターサーバへ応答信号を返信し、各受信端末機は時報信号の時報データを受信することで時間調整が可能である。典型的には、緊急情報は緊急地震情報であり、この緊急地震情報は、気象庁および気象業務支援センターから随時配信される緊急地震速報に基づいて作成される。また、受信端末機は、一定時間ごとに、ルータに対してポートの割り当てを要求してポート番号が更新され、ポート割り当てが拒否された場合には、その拒否と同時または一定時間ごとにUPnP(Universal Plug and Play)動作で取得したプライベートアドレスおよびポート番号をリセットし、プライベートアドレスおよびポート番号の再設定を要求するように動作すると好ましい。
本発明に係る緊急通報システムでは、通信回線網を介して緊急情報をリアルタイムに送信するセンターサーバと、該センターサーバに通信回線網を介して接続された複数台のルータと、該ルータに接続される少なくとも1台の受信端末機とで構成する。このセンターサーバは、地震認証データを一定時間ごとに作成し且つ緊急速報を受信する受信サーバと、各受信端末機の設置場所における速報地震の震度および配信順位などを高速演算する演算配信サーバとを含む。緊急事態発生時には、演算配信サーバにおいて緊急速報からヘッダを含むデータ長を1パケットに収めた速報データを作成し、この速報データをコネクションレス型プロトコル形式で各受信端末機へ配信し、該速報データに対して受信端末機がセンターサーバへコネクションレス型プロトコル形式の応答信号を返信することにより、センターサーバは応答信号を返信した受信端末機をそのIPヘッド部から確定する。
本発明の緊急通報システムにおいて、センターサーバはDDNSサーバを含み、該DDNSサーバにおいて全受信端末機のグローバルIPアドレスを記録して、各受信端末機の装置IDとグローバルIPアドレスおよびポート番号の対応付けを行い、DDNSサーバから演算配信サーバにグローバルIPアドレスの更新を連絡すると好ましい。また、受信端末機にはコールボタンなどが無線接続され、該受信端末機がコールボタンなどからの信号を受信すると、センターサーバに登録され通信回線網を介して接続された携帯電話機などに、該センターサーバから速報データやコールボタン信号などがメール配信されると好ましい。
本発明に係る緊急通報方法は、センターサーバからの速報データをコネクションレス型プロトコル形式で送信し、この速報データの受信を認める各受信端末機からの応答信号をコネクションレス型プロトコル形式またはこれと類似の形式で発信する。本発明の緊急通報方法は、速報配信先が数千件から数万件であっても、緊急地震通報1つがほんの数秒間で完了し、群発地震があっても後発の地震通報が遅延することは発生しない。本発明の緊急通報方法は、速報データをコネクションレス型プロトコル形式で送信する際に、該速報データの変更や消失が起こりうることを回避するために、この速報データはヘッダを含むデータ長を1パケット例えば100バイト以内に収めるようにプログラム設計する。
本発明に係る緊急通報方法では、受信端末機が一定時間ごとに受信するDDNS応答信号または死活確認信号に含まれる受信認証コードを記憶しており、緊急地震通報の速報データが送信された際に、該速報データに含まれる認証確認データを前記の受信認証コードと比較する。この結果、この認証確認データが前記の受信認証コードと一致すると受信端末機はこの速報データを受信し、両者が不一致であれば受信端末機はこの速報データの受信を拒否する。この結果として、仮にハッカーなどが偽の速報データを通信回線網へ発信しても、個々の受信端末機においてその偽の速報データの受信を拒否するから、虚偽の地震警報が発令されることがなく、偽情報による社会の混乱を未然に防止できる。
本発明に係る緊急通報方法は、センターサーバから一定時間ごとに送信する死活確認信号を発信することにより、緊急通報システムが配信可能状態であることを常時確認している。例えば、震度3のような中程度以上の地震発生という実際に利用される場合が年に1回もないような使用態様において、個別の配信先が定時的に死活確認信号を受信することにより、実際に地震が発生した際に緊急通報システムが作動しないという事態を未然に防止する。
本発明に係る緊急通報方法において、受信端末機は、一定時間ごとにポート番号が更新され、さらにUPnP動作で取得したプライベートアドレスおよびポート番号が随時にリセットされ、プライベートアドレスおよびポート番号を再設定することにより、該受信端末機が常時接続において作動不能になることを回避する。また、センターサーバは、DDNS応答信号を返信することによってグローバルIPアドレスの更新を定期的に受信端末機に連絡する。したがって、各受信端末機は、そのグローバルIPアドレスが比較的高価な固定アドレスでなく、比較的安価な静的アドレスであっても緊急通報を確実に受信することが可能である。
本発明に係る緊急通報システムは、センターサーバを少なくとも受信サーバおよび演算配信サーバの組で構成し、さらにDDNSサーバを含んでおり、該演算配信サーバは高性能で高速演算が可能である。この緊急通報システムでは、演算配信サーバにおいて高速演算することにより、各受信端末機では演算せずに負荷分散することなく、受信端末機の負担を軽減することで低価格のものが使用でき、システム全体としても安価になる。この緊急通報システムは、システムの演算式が改良される際に、各受信端末機の交換またはその演算プログラムを変更する必要がなく、センターサーバだけで改良が完了するので、システム改良を迅速に実施できる。
本発明に係る緊急通報システムは、以下で説明する気象庁からの緊急地震速報のほかに、武力攻撃等における国民保護のための情報伝達に関して、官邸(対策本部)から内閣府が配信する中央防災無線に適用できる。また、比較的小規模なシステムについて、消防庁が配信する消防防災無線にも適用可能である。
本発明を図面によって具体的に説明すると、本発明に係る緊急通報システムは、一例として、通信回線網3を介してセンターサーバ1を個別配信先5と接続するために、ルータ7を個別配信先ごとに取り付け、該ルータに少なくとも1台の受信端末機8をLAN接続する。図1において、通信回線網3は、通常、常時接続型のインターネット回線であり、仮想閉域網、光通信網またはデジタル通信網のような専用通信回線網を用いてもよい。通信回線網3は、具体的には、光アクセスネットワークやIP−VPN(Vertual Private Network)などであり、専用回線18と同一または異なる回線網である。
この緊急通報システムにおいて、地震情報演算部2は、気象庁および気象業務支援センターに存在し、地震発生の検知、地震の規模・位置・発生時刻の推定および結果を「緊急地震速報」として随時配信する。この緊急地震速報は、専用回線18を経由して高度利用者のデータセンターに送られる。このデータセンターには、停電、地震などの自然災害にも耐えうるセンターサーバ1を設置し、該サーバを年中無休体制で管理しているので、緊急地震速報の受信時に遅延なく正確に配信することが可能である。
センターサーバ1は、図1において、基本的に受信サーバ12、演算配信サーバ14およびDDNSサーバ16とからなり、基本的な構成で一致するならば、演算配信サーバ14を演算サーバと配信サーバに分離したり、管理サーバや専用データサーバを別個に設置してもよく、DDNSサーバ16を基本構成外に配置することも可能である。また、センターサーバ1には、ユーザ情報データベース17(図2)用のサーバを設置したり、このユーザ情報データベース17をサーバ12または14あるいは両者に分散させて構築してもよい。
この緊急通報システムは、高速処理の演算配信サーバ14を用いたセンターサーバ演算方式であり、通常、受信端末機8では予報演算を行わない。受信端末機8で予報演算を行うと、負荷分散が可能であるけれども、システムの演算式が改良された際に、各受信端末機を交換したり、各受信端末機の演算プログラムを変更する必要があり、変更情報を各受信端末機へ配信する作業が発生して緊急地震情報の配信が遅延することが起こりうる。一方、センターサーバ1での演算方式であると、演算式が改良された場合に、高速演算のサーバの演算式を改良すれば、全ての受信端末機への改良が完了するので、システム改良を迅速に実施できる。また、受信端末機8が必要とする変更データのみに限定して配信するので、変更データ配信による遅延をきわめて小さくできる。
この緊急通報システムにおいて、受信端末機8は、CPUおよびメモリなどを備えるけれども、予報演算を行わないので比較的低速処理のものであり、1パケットが100バイトである。ルータ7は、通常、市販品であり、個別配信先5の規模に応じて機種を選定すればよく、受信端末機8として市販のパソコンを用いることも可能である。受信端末機8は、ルータ7によってIPアドレス(プライベートアドレス)が動的に割り当てられ、このIPアドレスはその装置IDおよびポート番号とともにDDNSサーバ16に動的に登録される。DDNSサーバ16は、常時接続の通信回線網3において動的に割り当てられたグローバルIPアドレスを変更のつど登録することで更新する。
本発明の緊急通報方法において、各受信端末機8からのDDNSデータおよび応答信号、センターサーバ1からのDDNS応答信号、死活確認信号および速報データ(例えば、地震データ)は、いずれもコネクションレス型プロトコル形式で送信し、この形式は通常はUDP/IP形式である。UDP方式は、TCP方式のようなコネクション型プロトコル形式と比べて、送信側と受信側との間で仮想的な通信回線を確立することがないので転送速度が速く、個別配信先5が数千件で1秒以内に、数万件になっても数秒以内に一斉配信することが可能である。この反面、UDP方式は、TCP方式と比べて信頼性が低く、複数のパケットを送った場合にその順序が入れ替わったり、一部のパケットが消失するという問題が発生しやすい。本発明の緊急通報方法では、UDP方式の欠点を回避するために、速報データおよび死活確認信号の送信に対して、受信端末機8が応答信号を返信することにより、センターサーバ1が各受信端末機8のデータ受信を確認するとともに、すべての送受信データを1パケット以内に納めている。
UDP方式のデータ形態について図4を参照すると、そのデータフレームはヘッダとデータ域からなり、該ヘッダはイーサネット(登録商標)ヘッダ部64、IPヘッダ部66、UDPヘッダ部68からなり、これはどのUDP方式のデータでも同じである。イーサネットヘッダ部64を除いた部分がアプリケーションに読み込まれ、センターサーバ1は、IPヘッダ部66内の発信元IPアドレスと宛先IPアドレスから発信元の受信端末機8のグローバルIPアドレスを認識し、UDPヘッダ部68内の発信元ポート番号と宛先ポート番号から受信端末機8のポート番号を認識できる。また、データ域はデータヘッド39は1バイトであり、これによって送受信データの種類を決定する。一般に、速報データや死活確認信号に対する受信端末機8からの応答信号は、データヘッド39だけを有するUDP/IP形式であり、これによって応答時間を短縮する。
本発明の緊急通報方法において、緊急情報が地震情報ならば速報データは地震データであり、遅滞なく正確に地震データを配信できるように、センターサーバ1から受信端末機8へ定時的つまり一定時間ごと(例えば、1分間、10分間または1日数回)に死活確認信号を発信し、この死活確認信号を受信端末機8が受信したことをセンターサーバ1が認識することにより、緊急通報システムが配信可能状態であることを常時確認している。この死活確認信号の送信は、受信端末機8のリセットなどと重なった際に、センターサーバ1からの地震データの配信にタイムラグが発生しないように、これらと送信時間をずらすように設定している。
センターサーバ1は、応答信号を待ち時間(例えば、100msec)以内に返信しなかった受信端末機8について、同じ死活確認信号を複数回再送信することで配信可能状態を常時確立し、または同じ地震データを再送信することで地震情報の確実且つ継続的な通報を達成する。しかしながら、センターサーバ1は、同じ死活確認信号を複数回送信しても受信端末機8が応答信号を返信しなかった場合には、例えば、センターサーバ1は配信不成功を記憶し、端末機管理者などにメールで警告したり、受信端末機8に警告表示や警報報知などを行ってから配信可能状態に復帰させる(図11参照)。一方、同じ緊急地震速報である地震データを複数回送信しても受信端末機8が応答信号を返信しなかった場合には、例えば、センターサーバ1など配信停止を記録してから配信可能状態に復帰する(図11参照)。これらの復帰後に応答信号を受信できたならば、通信が復活したものとみなして配信失敗の記録をクリアする。受信端末機8は、センターサーバ1からの死活確認信号やDDNS応答信号を所定時間内に受信できなかった場合、自ら警告表示や警報報知などを行って端末機管理者に点検を促してよい。
個々の死活確認信号には、データ域において数バイトの地震認証コードを付加し、秘匿性を確保するために、該地震認証コードは乱数を付加して作成する。個々の受信端末機8は、死活確認信号を受信すると、センターサーバ1へ応答信号を返信するとともに、当該死活確認信号における地震認証コードを記憶する。この地震認証コードは、通常、過去2〜5世代に亘って受信端末機8に保存され、それ以降の世代になればメモリから抹消する。一方、センターサーバ1は、UDP方式の応答信号を受信すると、そのヘッダから当該受信端末機8のグローバルIPアドレスとポート番号を認識し、該サーバに登録しているユーザ情報データベース17(図2)から受信端末機8の装置IDを特定する。
この地震認証コードは、受信端末機8からのDDNSデータの送信に対するセンターサーバ1からのDDNS応答信号に付加してもよい(実施例2参照)。この場合には、死活確認信号には地震認証コードを付加しない。
受信端末機8からのDDNSデータの送信は、その起動とともに開始され、これは定時的(例えば、1分間、10分間、1日に数回)に送信され、ビジネス用途では1分間隔である。これに伴うDDNS応答信号の送信は、送信間隔が短いほどDDNS応答信号による受信端末機8のIPアドレスの更新が迅速に行われるので好ましい。DDNSデータは、個々の端末管理番号(例えば、装置ID)を付加したデータであり、このDDNSデータを受信したセンターサーバ1は、DDNSサーバ16が、該データにおけるヘッドのIPヘッダ部内の発信元グローバルIPアドレスと装置IDとを関連づけて登録する。
センターサーバ1から配信される緊急地震速報の地震データ22(図4参照)は、UDP方式であるので転送速度が速く、送信時のデータ錯誤や消失を防ぐために、全体で80バイト程度で100バイト以下であり、ヘッダおよびデータ域を含んでも1パケットに収めている。地震データ22のデータフレームには、図4に例示するように、データ域にデータヘッド39、地震ID40、発生時刻42、予測震度階44などが記入され、さらに少なくとも1個の認証確認コード48〜52を加えている。図4では3個の認証確認コード48〜52は、例えば、直近の死活確認信号またはDDNS応答信号に付加された地震認証コードさらに過去数世代のおよび死活確認信号に付加された地震認証コードに対応する。地震データ22に付加された複数個の認証確認データは、受信端末機8が記憶した過去2〜5世代の地震認証コードと比較され、その地震認証コードの少なくともいずれかと一致したならば、その地震通報が正しいものと認定し、該受信端末機は地震データ22を受信する。
また、センターサーバ1は、所望に応じて、各受信端末機8へコネクションレス型プロトコルのUDP方式の時報信号を定時(例えば、毎日正午)に配信し、この時報信号の時報データを受信することによって受信端末機8は1日1回時間調整が可能であり、受信端末機8の使用者に回線状態が正常であることを認識させる。各受信端末機8は、所望に応じて、時報信号に対する応答信号をUDP方式で返信してもよい。この時報信号は、死活確認信号のいずれかに時報データを加えるならば、死活確認信号で代用することも可能である。
この緊急通報方法では、センターサーバ1と受信端末機8との送受信に、グローバルIPアドレスとして比較的高価な固定アドレスでなく、比較的安価な動的アドレスを用い、ルータ7は受信端末機8にプライベートIPアドレスを付与する。受信端末機8は、通常、UPnPの手順に則って動作し、設定されたプライベートIPアドレスとポート番号で一定時間が経過すると、該ルータと通信状態に入る。この通信が成功すれば、ルータ7に対してポート開放を再び要求し、通信ポート番号を再設定する。受信端末機8がポート割り当ての要求を繰り返すのは、常時接続時において、ルータ7に登録したはずのポート番号が消滅または閉鎖される現象に対応するためである。
受信端末機8が、ルータ7との通信が不成功であれば、現状の設定をリセットすると同時に、ルータ7に対する初期設定を繰り返し、プライベートアドレスおよびポート番号を再設定する。受信端末機8がルータ7による設定のリセットを繰り返すのは、常時接続時において、ルータ7が勝手に再起動してプライベートIPアドレスが変化したり、一部のルータが連続したポート割り当て要求を拒否する現象に対応するためである。
受信端末機8は、ルータ7との1回の通信不成功で直ちにリセットされても、ルータ7との通信を数回繰り返した後にリセットされるように設定してもよい。また、受信端末機8は、一定時間(例えば、1時間、1日1回)ごとに設定がリセットされ、ルータ7によって定時的にプライベートアドレスと通信ポート番号が再設定されてもよい。この際に、受信端末機8のUPnP動作モードは、ルータ7に応じて変更可能であり、UPnP動作が遅い一部のルータ7において、センターサーバ1から定時的に送信される死活確認信号の送信時刻と重複しないように時間帯をずらして実行すると好ましい。また、ルータ7に登録された通信ポート番号は、他のネットワーク機器のポート番号と干渉する場合があり、このような事態を回避するために通信ポート番号の変更が可能である。
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。図1は、高速処理のセンターサーバ1によって構成する緊急通報システムの一例を概略的に示す。この緊急通報システムは、気象庁および気象業務支援センターにおける地震観測網からデータを集合・演算する地震情報演算部2と、該演算部から緊急地震情報20(図3)を継続的に受信するセンターサーバ1と、通信回線網3であるインターネット回線を介して接続する個別配信先5のルータ7と、該配信先においてルータ7にLAN接続する少なくとも1台の受信端末機8とで構成する。集合住宅では、共有設備としてルータ7を設置し、各戸別に受信端末機8を取り付けてLAN接続すればよい。
気象庁または防災・減災害情報センターに設置した地震情報演算部2とセンターサーバ1とは、通常、専用回線網18のインターネット回線で連絡する。情報演算部2では、多機能地震計などで構成した地震観測網からの情報に基づいて震源決定を行っている。この多機能地震計は、通常、地表面に設置されるため、その設置が比較的容易であって高密度の地震観測網を構築している。この観測網からのデータは、地震情報演算部2の受配信サーバ10に送信し、該受配信サーバにおいて、地震IDおよび発生時刻を付与し、震源位置、震源深さ、地震規模などを算出して緊急地震情報20(図3)を作成する。
センターサーバ1は、図1に例示するように、受信サーバ12、演算配信サーバ14およびDDNSサーバ16とで構成し、ユーザ情報データベース17(図2)はサーバ12または14あるいは両者に分散させて構築する。各サーバ12,14,16は相互に接続されて、相互にデータを送受信する。DDNSサーバ16は、システム全体をサービス領域として、全受信端末機8のグローバルIPアドレスを記録して、各受信端末機の装置IDおよびポート番号とグローバルIPアドレスの対応付けを行い、演算配信サーバ14にグローバルIPアドレスの更新を連絡する。
センターサーバ1における受信サーバ12は、専用回線網18のインターネット回線を介して地震情報演算部2の受配信サーバ10と接続することにより、該地震情報演算部から緊急地震情報20を継続的に受信するとともに、DDNSサーバ16からの更新IP情報を受信する。受信サーバ12では、各受信端末機8に配信する地震データ22(図4)の秘匿性を確保するために、2バイトの地震認証コードを乱数を付加して作成し、この2バイトコードをUDP方式の死活確認信号に付加して各受信端末機8へ定時的に配信する。また、受信サーバ12は、各受信端末機8へコネクションレス型プロトコルのUDP方式の時報信号を定時(例えば、毎日正午)に配信する。
センターサーバ1における演算配信サーバ14は、受信サーバ12が受信した緊急地震情報20を演算・解析し、得た地震データ22(図4)を通信回線網3を介してUDP方式で個別配信先5のルータ7さらに各受信端末機8に配信する。演算配信サーバ14は、例えば、緊急地震情報20の受信とともに、該緊急地震情報に含まれる震源位置24(図5参照)と各配信先5a〜5e(図6参照)の位置とから距離Rを計測し、この距離Rと地震規模26とから各配信先5a〜5eの仮震度の演算を行っている。図6において、この仮震度が所定規模以上になる近隣の配信先5b、5cへ地震データ22を震度強さ順またはS波到達の早い順に配信し、この仮震度が所定規模未満である遠隔地の配信先5a、5d、5eへは地震データ22の配信を中止する。
演算配信サーバ14において、特定の配信先5の予想震度28(図7参照)は、緊急地震情報20に含まれる地震強度である地震規模26および震源深さ30から、震源位置24と配信先5の位置との間の伝播距離による距離減衰を考慮して演算・解析する。この際に、この伝播距離間の地域に固有の地盤増幅率を考慮すればよく、地盤増幅率とは、地表面近傍の地盤の状態によって地震による震動加速度が増減速される程度を表す値である。地盤増幅率を考慮する場合には、それが全国の各地域に固有の値としてあらかじめデータベース(図示しない)に保存している。さらに、この伝播距離と地震規模26から、各配信先5の予想震度28を算出するとともに、地震のS波が各配信先5に到達するまでの猶予時刻32(図7参照)を算出する。
個別配信先5では、ルータ7および複数台の受信端末機8を設置する。受信端末機8は、個別配信先5においてルータ7とLAN接続され、該ルータを経て演算・解析済みの地震データ22をUDP方式で受信する。受信端末機8が液晶表示部を備える場合には、地震データ22を受信すると、図7に示すような地震情報の警告画面34を表示する。受信端末機8は、音声合成ボード(図示しない)を備え、該音声合成ボードは音声出力トランスを経てスピーカ用出力端子と配線する。受信端末機8は、地震データ22を受信した場合に、その出力端子から稼働信号を出力することによって、インターホン総合盤を一斉放送状態に切り替えて各住戸内の各住居インターホンと接続し、インターホン親機に緊急地震速報の音声ガイダンス信号を送信することも可能である。
受信端末機8は、地震データ22を受信すると、図8に示すような地震警報36を猶予時刻に応じて発声する。例えば、猶予時刻が30秒以上であれば、電子音に次いで「地震が発生しました」と3回繰り返す。猶予時刻が10〜30秒になると、電子音に次いで「まもなく地震がきます」と3回繰り返す。猶予時刻が10秒未満になると、電子音に次いで「すぐに地震が来ます」と揺れが発生するまで繰り返す。この警報は日本語に加え、英語、中国語や韓国語など多言語で対応することも可能である。
所望に応じて、受信端末機8には、図1に示すようにコールボタン38を特小無線で接続することが可能であり、図示しないけれども、さらに火災報知器やドア開放センサなどを特小無線で接続したり、エレベータの停止センサに接続し、センターサーバ1からエレベータ制御などの制御信号を出力してもよい。受信端末機8がコールボタン38からデータ送信命令を受信すると、センターサーバ1へ送信要求信号を送信する。送信要求信号を受けたセンターサーバ1は、あらかじめ登録した携帯電話機のメールアドレスへ登録済の電文を送信する(図9参照)。
次に、緊急通報システムの作動を図9に基づいて説明し、図9では、センターサーバ1、ルータ7および受信端末機8の通報シーケンスを概略的に示している。センターサーバ1は、S10において起動時に初期設定を行っている。受信端末機8をルータ7にLAN接続して電源をオンにすると、S11でDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)によってネットワークパラメータの自動設定を行い、通常、S12でルータ7が受信端末機8に対してIPアドレス(プライベートアドレス)とポート番号を動的に割り当て、S13で受信端末機8はIPアドレスを取得する。
受信端末機8は、S14〜S16において、UPnPの手順に則って動作し、ルータ7に対してポート割り当ての要求を繰り返す。図10には、受信端末機8におけるUPnP動作を概略で示している。図10において、受信端末機8は、S13でプライベートアドレスを取得した後に、S100においてルータ7に対してポート開放を要求し、S101で通信ポート番号を設定する。このポート設定は、S14で一定時間(例えば1分間)維持され、その一定時間が経過すると、S16においてルータ7と通信状態に入る。この通信が成功すれば、ルータ7に対してポート開放を再び要求し、S101で通信ポート番号を再設定し、以下、一定時間ごとにこの動作を繰り返す。
受信端末機8が、S16においてルータ7と通信できなければ、S102でルータ7による設定をリセットし、S11に戻って初期設定を繰り返し、プライベートアドレスおよびポート番号を再設定する。図10では、ルータリセットはS16でルータ7との通信不成功で直ちに行われるけれども、ルータ7との通信を数回繰り返した後にリセットされるように設定してもよく、または受信端末機8が一定時間(例えば、1日1回)ごとにリセットされるように設定してもよい。
受信端末機8のUPnP動作モードは、ルータ7に応じて変更可能である。一部のルータ7ではUPnP動作が遅く、前記のリセットと再設定の間にタイムラグが生じることがあり、このような事態を回避するためにUPnP動作のモード変更を設けている。つまり、この再設定の要求動作中は数秒であるが、センターサーバ1からの死活確認信号を受信できない期間が生じるので、該センターサーバから定時的に送信される死活確認信号の送信時刻と重複しないように時間帯をずらして実行すると好ましい。
受信端末機8が起動されると、S21において該受信端末機からルータ7を経てセンターサーバ1へUDP/IP形式の端末管理番号(例えば、装置ID)付きDDNSデータを送信し、この送信に対してセンターサーバ1はS22で受信端末機8へUDP/IP形式のDDNS応答信号を返信する。このDDNS応答信号は、データ域がデータヘッドだけのデータフレームである。
センターサーバ1におけるDDNSサーバ16は、DDNSデータの受信により、受信したUDPのIPヘッド部と装置IDから、各受信端末機8のグローバルIPアドレスおよび装置IDとポート番号を関連づけて登録する。このDDNSデータは、各受信端末機8の起動後においても一定時間(例えば、10分間)ごとに送信され、DDNSサーバ16でその動的IPアドレスとポート番号が更新される。
センターサーバ1は、図9に示すように、S31において死活確認信号を10分間ごとに各受信端末機8へ一斉に配信する。この死活確認信号は、UDP/IP形式であり、2バイトの地震認証コードを付加している。一方、個々の受信端末機8では、S32でUDP/IP形式の死活確認信号を受信すると、S33でセンターサーバ1へUDP/IP形式の応答信号を返信し、この応答信号をセンターサーバ1はS34において受信する。この応答信号は、データ域がデータヘッドだけのデータフレームである。
センターサーバ1は、S31で死活確認信号の一斉配信後に、S34で各受信端末機8からの応答信号を受信し、該応答信号のIPヘッダ部から、この死活確認信号を受信した受信端末機8を確定する。センターサーバ1における各受信端末機8に対する処理動作を図11においてフローチャートで示す。図11において、応答信号を返信しなかった受信端末機8についてS35で同じ死活確認信号を再送信することにより、個々の受信端末機8に対して配信可能状態を常時確立している。この配信可能状態である地震待機状態は、S37において10分間継続し、10分間経過後に再び死活確認信号を配信することを繰り返す。
受信端末機8において、同じ死活確認信号が所定回数(例えば、3回)送信されても応答信号を返信しなかった場合には、S36においてセンターサーバ1などへ配信断絶を連絡してから、復帰ライン60を通って配信可能状態に戻る。配信断絶の連絡は、センターサーバ1から受信端末機8の使用者にメール配信したり、受信端末機8の使用者に電話連絡したり、当該受信端末機に設けた表示LEDを点灯したり警告音を出して使用者に告知してもよい。このような措置を数回行っても受信端末機8が受信不能のままである場合には、該受信端末機への配信を停止する。受信端末機8において、センターサーバ1からの死活確認信号やDDNS応答信号を所定時間内に受信できなかった場合、自ら警告表示や警報報知などを行い端末機管理者に点検を促すことも可能である。
センターサーバ1は、地震発生時に地震情報演算部2から緊急地震情報20を受信し、図4に示すようなUDP/IP形式の地震データ22を作成する。地震データ22のデータフレームは、例えば、ヘッダがイーサネットヘッダ部64、IPヘッダ部66、UDPヘッダ部68からなり、データ域にはデータヘッド39、地震ID40、発生時刻42、受信端末機8がある配信先5の位置に応じた予測震度階44、地震到達までの時間46とが記入され、さらに2バイトの3個の認証確認コード48,50,52を付加している。地震データ22は、40バイトのヘッダを加えても全体で100バイト以下であり、そのデータフレームは1パケット内に収まっている。認証確認コード48,50,52は、直近の死活確認信号に付加された地震認証コードさらに過去2世代のおよび死活確認信号に付加された地震認証コードに対応する。
センターサーバ1がS51で地震データを各受信端末機8へ一斉に配信すると、受信端末機8において、地震データ22に含まれる認証確認データ48,50,52を、該受信端末機に記憶した過去3世代の地震認証コードと比較する。この結果、認証確認データ48,50,52が地震認証コードの少なくともいずれかと一致したならば、その地震通報信号が正しいものと認定し、S52において受信端末機8は地震データ22を受信する。受信端末機8において、認証確認データ48,50,52が、過去3世代の地震認証コードのいずれとも一致しないならば、偽の地震データと判定してその受信を拒否する。
センターサーバ1が地震データを各受信端末機8へ一斉に配信し、これが真正の地震データ22であると各受信端末機8が認定してS52で受信すれば、S53でセンターサーバ1へUDP/IP形式の応答信号を返信し、この応答信号をセンターサーバ1はS54において受信する。この応答信号は、データ域がデータヘッドだけのデータフレームである。応答信号がデータヘッドだけで単純であるので、緊急通報システム全体としての応答時間が早くなる。
センターサーバ1は、地震データ22の一斉配信後に各受信端末機8からの応答信号を受信し、該応答信号のIPヘッダ部から、この地震データを受信した受信端末機8を確定する。図11において、この応答信号を返信しなかった受信端末機8について同じ地震データ22をS55で再送信することにより、個々の受信端末機8に対して確実に送信する。受信端末機8について、同じ地震データ22が所定回数(例えば、3回)送信されても応答信号を返信しなかった場合には、地震データ22の送信を中止し、S56においてセンターサーバ1などに配信停止を記録してから、復帰ライン62を通って配信可能状態に戻る。
また、センターサーバ1は、S40において、毎日正午に各受信端末機8へUDP/IP形式の時報信号を一斉に配信し、受信端末機8はS42でこの時報信号の時報データを受信する。各受信端末機8は、所望に応じて、S43で時報信号に対する応答信号をUDP/IP形式で返信し、センターサーバ1は、該応答信号のIPヘッダ部から、S44においてこの時報信号を受信した受信端末機8を確定する。
受信端末機8は、図1に示すコールボタン38を特小無線で接続している場合に、コールボタン38が押されて受信端末機8がデータ送信命令を受信すると、S61でセンターサーバ1へ送信要求信号をUDP方式で送信する。次に、S62において、この送信要求信号をセンターサーバ1が受信すると、S63においてセンターサーバ1は、あらかじめ登録した携帯電話機のメールアドレスへ登録済の電文を送信する。このメール配信は登録済の緊急連絡文から適宜選択され、これが緊急地震情報であるならば、図7に示すような地震情報の警告画面34を携帯電話機に表示させる。
本発明の変形例では、説明を省略した部分は実施例1と実質的に同一である。各受信端末機8は、その起動時にルータ7を経てセンターサーバ1へUDP/IP形式の端末管理番号(例えば、装置ID)付きDDNSデータを送信し、この送信に対してセンターサーバ1はS22で受信端末機8へUDP/IP形式のDDNS応答信号を返信する。このDDNSデータは、各受信端末機8の起動後において定時的(たとえば、1分または10分間)に頻繁に送信され、この送信に対してセンターサーバ1は受信端末機8へUDP/IP形式のDDNS応答信号を返信する。このDDNS応答信号は、データ域において2バイトの地震認証コードを付加している。
センターサーバ1におけるDDNSサーバ16は、DDNSデータの受信により、受信したUDPのIPヘッド部と装置IDから、各受信端末機8のグローバルIPアドレスおよび装置IDとポート番号を関連づけて登録する。一方、受信端末機8は、DDNS応答信号の受信により、動的IPアドレスが更新された際にこれを記憶できる。各受信端末機8は、DDNSデータを頻繁に受信するので、DDNSサーバ16でその動的IPアドレスが更新されると、遅滞なくIPアドレスを更新できる。
また、センターサーバ1は、死活確認信号を定時的(例えば、1日に数回)に各受信端末機8へ一斉に配信する。この死活確認信号は、UDP/IP形式であり、基本的にデータ域がデータヘッドだけのデータフレームである。一方、個々の受信端末機8では、この死活確認信号を受信すると、センターサーバ1へUDP/IP形式の応答信号を返信する。この応答信号は、データ域がデータヘッドだけのデータフレームである。センターサーバ1は、死活確認信号の一斉配信後に各受信端末機8からの応答信号を受信し、該応答信号のIPヘッダ部から、この死活確認信号を受信した受信端末機8を確定する。
センターサーバ1が地震データを各受信端末機8へ一斉に配信すると、受信端末機8において、地震データ22に含まれる認証確認データ48,50,52(図4)を、該受信端末機に記憶した過去3世代の地震認証コードと比較する。これらの地震認証コードは、センターサーバ1が返信するDDNS応答信号に付加されたものである。この結果、認証確認データ48,50,52が地震認証コードの少なくともいずれかと一致したならば、その地震通報信号が正しいものと認定し、受信端末機8は地震データ22を受信する。受信端末機8において、認証確認データ48,50,52が、過去3世代の地震認証コードのいずれとも一致しないならば、偽の地震データと判定してその受信を拒否する。