JP5592669B2 - 角質剥離用粘着シート - Google Patents

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Description

本発明は、角質剥離用粘着シートに関するものである。
インフルエンザや麻疹等のウイルスによる病気の予防等の薬物を用いた治療には、一般に注射器を用いた薬効成分の投与が行われているが、患者に多大な苦痛を伴っていた。
このような苦痛を伴わない薬効成分の投与方法として、経皮吸収型製剤が知られている。しかしながら、経皮吸収型製剤のみを皮膚に貼付しても、古い角質層により薬効成分の皮膚中への透過が阻害されてしまうため、高分子量の化学製剤やワクチン等の生物製剤を経皮吸収させるのが困難であった。
このような問題を解決するため、経皮吸収型製剤の皮膚への貼付の前に、接着剤や粘着シートを用いて、角質層を除去する方法が報告されている(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、薬効成分の経皮吸収を高めるためには、皮膚表面の角質をできるだけ剥離する必要があるが、皮膚表面は、最大で30μm程度の凹凸が連続した構造をしているため、このような凹凸に追従するような粘着シート(粘着剤)、すなわち、柔軟性の高い粘着剤を用いた粘着シートが必要とされる。
しかしながら、上記のように柔軟性の高い(貯蔵弾性率が低い)粘着剤を用いた場合、皮膚表面の凹凸への追従性は高いが、柔らかいため、シートを剥がす際に、粘着剤が皮膚表面に残ってしまう、いわゆる糊残りという現象が生じるといった問題があった。このため、十分に角質を剥離できないといった問題があった。このような糊残りを抑えるために粘着剤の柔軟性を下げる(貯蔵弾性率を上げる)と皮膚表面の凹凸への追従性が低下するため、十分に角質を剥離できなかった。
特開2007−289672号公報
本発明の目的は、皮膚表面への糊残りを防止しつつ、皮膚表面の角質を確実に除去することが可能な角質剥離用粘着シートを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(5)の本発明により達成される。
(1) 炭素数が6〜12のアルキル基を備えた(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー組成物を重合してなるアクリル系重合体と、
エネルギー線硬化性を有するモノマーまたはオリゴマーと、
エネルギー線重合開始剤と、を含有する角質剥離用粘着剤組成物で構成された粘着層を有する角質剥離用粘着シートであって、
前記粘着層は、エネルギー線照射前の32℃における貯蔵弾性率が、1.0×10 〜7.0×10 Paであり、かつ、エネルギー線としての紫外線を5秒間、照度:400mW/cm 、光量:400mJ/cm の照射条件で照射した後の32℃における貯蔵弾性率が、8.0×10 〜2.1×10 Paであることを特徴とする角質剥離用粘着シート
(2) 前記角質剥離用粘着剤組成物中におけるアクリル系重合体の含有量は、75〜95質量%程度である上記(1)に記載の角質剥離用粘着シート
(3) 前記アクリル系重合体の数平均分子量(Mn)は、40万〜200万である上記(1)または(2)に記載の角質剥離用粘着シート
(4) 前記モノマー組成物中における前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、70モル%以上である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の角質剥離用粘着シート。
(5) 基材シートと、
前記基材シート上に設けられた前記粘着層と、を有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の角質剥離用粘着シート。
本発明によれば、皮膚表面への糊残りを防止しつつ、皮膚表面の角質を確実に除去することが可能な角質剥離用粘着シートを提供することができる。
本発明の角質剥離用粘着シートの好適な実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
《角質剥離用粘着剤組成物》
まず、本発明の角質剥離用粘着剤組成物について説明する。
本発明の角質剥離用粘着剤組成物は、炭素数が6〜12のアルキル基を備えた(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー組成物を重合してなるアクリル系重合体と、エネルギー線硬化性を有するモノマーまたはオリゴマーと、エネルギー線重合開始剤とを含有する点に特徴を有している。
ところで、薬効成分の経皮吸収を高めるためには、皮膚表面の角質をできるだけ剥離する必要があるが、皮膚表面は、最大で30μm程度の凹凸が連続した構造をしているため、このような凹凸に追従するような粘着シート(粘着剤)、すなわち、柔軟性の高い粘着剤を用いた粘着シートが必要とされる。
しかしながら、上記のように柔軟性の高い粘着剤を用いた場合、皮膚表面の凹凸への追従性は高いが、柔らかいため、シートを剥がす際に、粘着剤が皮膚表面に残ってしまう、いわゆる糊残りという現象が生じるといった問題があった。このため、十分に角質を剥離できないといった問題があった。このような糊残りを抑えるために粘着剤の柔軟性を下げると皮膚表面の凹凸への追従性が低下するため、十分に角質を剥離できなかった。
これに対して、本発明の角質剥離用粘着剤組成物は、上述したようにエネルギー線硬化性を有する成分およびエネルギー線重合開始剤を含んでおり、エネルギー線硬化性が付与されたものである。このため、本発明の角質剥離用粘着剤組成物を用いた粘着シートの粘着層は、皮膚への貼着時は貯蔵弾性率が低く(柔軟性が高く)、皮膚表面の凹凸への追従性が高いものとなっている。そして、本発明の角質剥離用粘着剤組成物を用いた粘着シートの粘着層は、粘着層を皮膚から剥離する前に、粘着層に対してエネルギー線を照射して硬化させることで、粘着層の貯蔵弾性率を高くすることができる。これにより、皮膚表面に糊残りが生じるのを防止することができるとともに、皮膚表面の角質を確実に剥離することができる。
本発明において、角質剥離用粘着剤組成物は、エネルギー線を照射することにより、貯蔵弾性率が上昇するものであるのが好ましい。これにより、皮膚表面に糊残りが生じるのをより効果的に防止しつつ、皮膚表面の角質をより確実に剥離することができる。
具体的には、エネルギー線照射前の32℃における角質剥離用粘着剤組成物の貯蔵弾性率が、1.0×10〜7.0×10Paであり、かつ、エネルギー線照射後の32℃における角質剥離用粘着剤組成物の貯蔵弾性率が、8.0×10〜2.1×10Paであるのが好ましい。これにより、皮膚表面の凹凸への追従性をより高いものとすることができるとともに、剥離後の皮膚表面に糊残りが発生するのをより確実に防止することができる。
なお、エネルギー線照射前の32℃における角質剥離用粘着剤組成物の貯蔵弾性率が、1.0×10〜7.0×10Paであるのが好ましいが、2.0×10〜6.0×10Paであるのがより好ましい。これにより、上記効果をより顕著なものとすることができる。
また、エネルギー線照射後の32℃における角質剥離用粘着剤組成物の貯蔵弾性率が、8.0×10〜2.1×10Paであるのが好ましいが、9.0×10〜2.0×10Paであるのがより好ましい。これにより、上記効果をより顕著なものとすることができる。
以下、角質剥離用粘着剤組成物の各構成成分について説明する。
[アクリル系重合体]
本発明の角質剥離用粘着剤組成物の構成成分であるアクリル系重合体は、炭素数が6〜12のアルキル基を備えた(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー組成物を重合してなるものである。
炭素数が6〜12のアルキル基を備えた(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ラウリル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
本発明において、アクリル系重合体の生成に用いる(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数は、6〜12であるが、8〜10であるのがより好ましい。これに対して、上記炭素数が前記下限値未満であると、角質を十分に剥離することができない。また、上記炭素数が前記上限値を超えると、貯蔵弾性率が上昇することによって皮膚表面の凹凸への追従性が低下する。
なお、アクリル系重合体を形成するためのモノマー組成物中には、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外のモノマー成分が含まれていてもよい。このような成分としては、ポリビニルピロリドン、アクリル酸、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、ジメチルアクリルアミド等が挙げられる。
アクリル系重合体を形成するためのモノマー組成物中には、ポリマー分子内に架橋構造を導入し得る架橋型反応性単量体が含まれていることが好ましい。架橋型反応性単量体の具体例としては、分子内に重合性不飽和基を複数有するモノマーが挙げられる。かかる重合性不飽和基としては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられ、これらのうち、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。このような架橋型反応性単量体を用いた場合、アクリル系共重合体の凝集力を十分に高いものとすることができる。
分子内に重合性不飽和基を複数有するモノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ボリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレートなどのポリオール類のジ又はトリ(メタ)アルキル酸エステル類;ジビニルベンゼン;などが挙げられる。
また、アクリル系共重合体における重合性不飽和基を複数有するモノマー由来の繰り返し単位の全繰り返し単位に対する割合は特に限定されないが、0.001〜0.10モル%であることが好ましく、0.01〜0.05モル%であることがより好ましい。
アクリル系重合体の数平均分子量(Mn)は、40万〜200万であるのが好ましく、60万〜160万であるのがより好ましい。これにより、皮膚表面の凹凸への追従性をより高いものとすることができる。
上記モノマー組成物中における上記炭素数が6〜12のアルキル基を備えた(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、70モル%以上であるのが好ましい。
また、角質剥離用粘着剤組成物中におけるアクリル系重合体の含有量は、75〜95質量%程度であるのが好ましい。これにより、エネルギー線照射前と照射後との貯蔵弾性率をより好適なものとすることができる。その結果、皮膚表面の凹凸への追従性をより高いものとすることができるとともに、剥離後の皮膚表面に糊残りが発生するのをより確実に防止することができる。
[エネルギー線硬化性を有するモノマーまたはオリゴマー]
本発明の角質剥離用粘着剤組成物には、上述したようにエネルギー線硬化性を有するモノマーまたはオリゴマーが含まれている。このような成分と、後述するエネルギー線重合開始剤とを含むことで、角質剥離用粘着剤組成物はエネルギー線硬化性を有するものとなる。
エネルギー線硬化性を有するモノマーまたはオリゴマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルオリゴ(メタ)アクリレート、ポリウレタンオリゴ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
角質剥離用粘着剤組成物中における上記モノマーまたはオリゴマーの含有量は、5〜25質量%程度であるのが好ましい。これにより、エネルギー線照射前と照射後との貯蔵弾性率をより好適なものとすることができる。その結果、皮膚表面の凹凸への追従性をより高いものとすることができるとともに、剥離後の皮膚表面に糊残りが発生するのをより確実に防止することができる。
[エネルギー線重合開始剤]
本発明の角質剥離用粘着剤組成物には、上述したようにエネルギー線重合開始剤が含まれている。
エネルギー線重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソフチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンジルジメチルケタール、2,4−ジエチルチオキサンソン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノン、(2,4,6−トリメチルベンジルジフェニル)フォスフィンオキサイド、2−ベンゾチアゾール−N,N−ジエチルジチオカルバメート、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−プロペニル)フェニル]プロパン}等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
角質剥離用粘着剤組成物中におけるエネルギー線重合開始剤の含有量は、0.01〜1質量%程度であるのが好ましい。これにより、エネルギー線照射前と照射後との貯蔵弾性率をより好適なものとすることができる。その結果、皮膚表面の凹凸への追従性をより高いものとすることができるとともに、剥離後の皮膚表面に糊残りが発生するのをより確実に防止することができる。
なお、角質剥離用粘着剤組成物(角質剥離用粘着剤組成物で構成された粘着層)に照射するエネルギー線としては、近紫外線、可視光線などが挙げられる。
上記エネルギー線の波長としては、皮膚に損傷を与えないとの観点から、220〜600nmの範囲であることが好ましい。
[その他の成分]
本発明の角質剥離用粘着剤組成物は、上記成分以外の成分を含有してもよい。かかる成分としては、架橋剤、薬剤、酸化防止剤、粘度調整剤、可塑剤、無機フィラー、有機フィラー等の各種添加剤等が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
《角質剥離用粘着シート》
次に、上述したような本発明の角質剥離用粘着剤組成物を用いて形成された角質剥離用粘着シート(本発明の角質剥離用粘着シート)について説明する。
図1は、本発明の角質剥離用粘着シートの好適な実施形態を示した断面図である。
図1に示すように、角質剥離用粘着シート10は、基材シート1と、基材シート1上に形成された粘着層(角質剥離用粘着層)2と、粘着層2の基材シート1とは反対側の面に設置された離型シート3とを備えている。
基材シート1は、粘着層2を支持する機能およびエネルギー線を透過する機能を備えている。
角質剥離用粘着剤組成物(角質剥離用粘着剤組成物で構成された粘着層)に照射するエネルギー線が、近紫外線または可視光線である場合、基材シート1に要求されるエネルギー線透過性としては、角質剥離用粘着剤組成物に用いられるエネルギー線重合開始剤が近紫外線領域(波長240nm以上380nm未満)に吸収を有する場合には、近紫外線領域(波長240nm以上380nm未満)の波長範囲における全光線透過率の最小値が50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。また、角質剥離用粘着剤組成物に用いるエネルギー線重合開始剤が可視光線領域(380nm以上780nm以下)に吸収を有する場合には、可視光線領域(380nm以上780nm以下)の波長範囲における全光線透過率の最小値が50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
基材シート1の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル等のポリオレフィン系フィルム、ポリウレタン系フィルム、ポリスチレン系の熱可塑性エラストマーフィルム等の樹脂フィルム;これらの積層体;等が挙げられる。
基材シート1の平均厚さは、特に限定されないが、通常5〜250μmであるのが好ましく、10〜100μmであるのがより好ましい。
なお、基材シート1の粘着層2が形成される側の面に、粘着層2との密着性を高めるために、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
粘着層2は、前述した本発明の角質剥離用粘着剤組成物で構成されている層である。
このような粘着層2の平均厚さは、5〜300μmであるのが好ましく、10〜200μmであるのがより好ましい。
離型シート3は、角質剥離用粘着シート10の保管時(未使用時)において、粘着層2の貼着面を保護する機能を有している。
このような離型シートとしては、例えば、ポリエチレンラミネート紙、ポリプロピレンラミネート紙等のラミネート紙類;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系フィルム等の合成樹脂フィルム等が使用できる。また、離型シートは、必要に応じてこれらの材料の片面または両面にシリコーン樹脂等により剥離処理が施されたものを使用してもよい。
また、離型シートの平均厚さは、10〜200μmであることが好ましく、15〜100μmであることがより好ましい。
このような角質剥離用粘着シート10は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、上述した本発明の角質剥離用粘着剤組成物が溶剤に溶解した溶液を用意する。
溶剤としては、例えば、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素系溶媒;およびこれらの溶媒の2種以上からなる混合溶媒;等が挙げられる。
次に、離型シート3を用意し、離型シート3上に上記溶液を塗布した後、塗膜を乾燥させることにより、離型シート3上に粘着層2を形成する。
次に、基材シート1を用意し、この基材シート1と上記粘着層2とを貼り合わせることにより、角質剥離用粘着シート10が得られる。
なお、本発明の角質剥離用粘着シートの製造は、上記方法に限定されず、例えば、基材シート上に粘着層を設けた後、離型シートと貼り合わせてもよい。
また、本実施形態では、角質剥離用粘着シート10が離型シート3を有するものとして説明したが、これに限定されず、離型シート3は無くてもよい。
《角質剥離方法》
次に、上記角質剥離用粘着シートを用いた本発明の角質剥離方法について説明する。
本実施形態に係る角質剥離方法は、上述したような角質剥離用粘着シート10を用いた方法である。
まず、角質剥離用粘着シート10の離型シート3を剥がす。
次に、角質剥離用粘着シート10の粘着層2粘着面を皮膚に貼着する(貼着工程)。
次に、角質剥離用粘着シート10にエネルギー線を照射する(エネルギー線照射工程)。
エネルギー線の照射時間は、エネルギー線の波長によって異なるが、1〜15秒程度であるのが好ましい。
次に、角質剥離用粘着シート10を皮膚から剥がす(剥離工程)。これにより、皮膚の角質を剥離することができる。特に、粘着層2は、本発明の角質剥離用粘着剤組成物で構成されているので、皮膚への糊残りがないとともに、確実に角質を剥離することができる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
次に、本発明の角質剥離用粘着シートの具体的実施例について説明する。
[1]角質剥離用粘着シートの作製
(実施例1)
まず、アクリル酸−2−エチルヘキシル:99.97mol%と、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート:0.03mol%とからなるモノマー組成物を共重合したアクリル系重合体(共重合体)Xの酢酸エチル溶液(固形分:40質量%)を用意した。
次に、上記酢酸エチル溶液に、上記アクリル系重合体X:100質量部に対して、エネルギー線硬化性オリゴマー(ポリウレタンオリゴアクリレート、大日精化工業社製、商品名「セイカビームPU−5」)を15質量%、エネルギー線重合開始剤(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、チバ・ジャパン社製、商品名「IRGACURE651」)を0.47質量部を添加・混合し、混合液Y(角質剥離用粘着剤組成物が溶解した溶液)を得た。
次に、離型シートとしてのポリエチレンテレフタラート(PET)製リリースライナー(リンテック社製、商品名「SP−PET3811」)を用意し、その離型面に、上記混合液Yを乾燥後の平均厚さが30μmとなるように塗布した後、加熱乾燥させ、粘着層を形成した。
その後、基材シートとして平均厚さ:40μmのポリプロピレン(PP)フィルム(王子特殊紙社製、商品名「アルファンPU−002」)を粘着層にラミネートして、角質剥離用粘着シートを得た。
なお、上記基材シートの近紫外線領域(波長240nm以上380nm未満)における全光線透過率の最小値(%)は、79.5%であった。
(実施例2〜6)(比較例1〜3)
アクリル系重合体に共重合するモノマーおよび添加するエネルギー線硬化性オリゴマー、エネルギー線重合開始剤を表1に示すような種類で、表1に示すような含有量(添加量)とした以外は、前記実施例1と同様にして角質剥離用粘着シートを製造した。
(比較例4)
ニチバン社製のセロテープ(ニチバン株式会社の登録商標)を角質剥離用粘着シートとした。
各実施例および各比較例における粘着層を構成する角質剥離用粘着剤組成物の組成を表1に示した。
なお、表中、アクリル酸−2−エチルヘキシルを2EHA、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートをHDDM、ビニルピロリドンをVP、アクリル酸ラウリルをLA、アクリル酸をAAc、アクリル酸ブチルをBA、セイカビームPU−5をPU−5と示した。
また、製造直後の角質剥離用粘着剤組成物(粘着層)の32℃における貯蔵弾性率、および、フュージョン製Hバルブを光源とする紫外線を5秒間、照度:400mW/cm、光量:400mJ/cmの照射条件で照射した後の角質剥離用粘着剤組成物(粘着層)の32℃における貯蔵弾性率を、粘弾性測定装置(Rheometrics社製、装置名「DYNAMIC ANALYZER RDAII」)により測定し、その測定結果を表1に合わせて示した。
Figure 0005592669
[2]角質剥離量の評価
タンパク質定量法(Lowry法)に準拠し、以下のようにして角質剥離量の評価を行った。
まず、実施例1〜6および比較例1〜3の角質剥離用粘着シートをブタ皮膚(ユカタンマイクロピッグ(YMPスキンキット)、日本チャールズ・リバー社より購入)に5分間貼着した後、フュージョン製Hバルブを光源とする紫外線をPETフィルム側から、5秒間、照度:400mW/cm、光量:400mJ/cmの照射条件で照射した。
その後、角質剥離用粘着シートを180°ピールにて剥離した。
剥離した角質剥離用粘着シートを12mmφに打ち抜き、DCプロテインアッセイキット(バイオラッドラボラトリーズ社製)にて角質剥離量を測定し、その結果を表1に合わせて示した。
また、比較例4について、紫外線照射を行わなかった以外は、上記と同様にして試験を行った。
表1からわかるように、本発明の角質剥離用粘着シート(角質剥離用粘着剤組成物)では、糊残りもなく、また、剥離量も多く、優れた結果が得られた。これに対して、比較例では、満足行く結果が得られなかった。
10 角質剥離用粘着シート
1 基材シート
2 粘着層(角質剥離用粘着層)
3 離型シート

Claims (5)

  1. 炭素数が6〜12のアルキル基を備えた(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むモノマー組成物を重合してなるアクリル系重合体と、
    エネルギー線硬化性を有するモノマーまたはオリゴマーと、
    エネルギー線重合開始剤と、を含有する角質剥離用粘着剤組成物で構成された粘着層を有する角質剥離用粘着シートであって、
    前記粘着層は、エネルギー線照射前の32℃における貯蔵弾性率が、1.0×10 〜7.0×10 Paであり、かつ、エネルギー線としての紫外線を5秒間、照度:400mW/cm 、光量:400mJ/cm の照射条件で照射した後の32℃における貯蔵弾性率が、8.0×10 〜2.1×10 Paであることを特徴とする角質剥離用粘着シート
  2. 前記角質剥離用粘着剤組成物中におけるアクリル系重合体の含有量は、75〜95質量%程度である請求項1に記載の角質剥離用粘着シート
  3. 前記アクリル系重合体の数平均分子量(Mn)は、40万〜200万である請求項1または2に記載の角質剥離用粘着シート
  4. 前記モノマー組成物中における前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、70モル%以上である請求項1ないし3のいずれかに記載の角質剥離用粘着シート。
  5. 基材シートと、
    前記基材シート上に設けられた前記粘着層と、を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の角質剥離用粘着シート。
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