JP5591157B2 - 構造物における地震および風の観測システム - Google Patents

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Description

本発明は、高層建物等の各種構造物に生じる地震や強風による振動の観測データを蓄積するための構造物における地震および風の観測システムに関するものである。
一般に、高層や超高層建物等の構造物の耐震設計は、過去の地震記録を用いた地震応答解析に基づいて行われており、また耐風設計は、建物模型を用いた風洞実験による風圧力分布等に基づいて行われている。
このような耐震設計や耐風設計を行うに際して、実際の構造物において地震時や強風時に生じる振動が、どの程度上記解析等で得られた結果と一致しているかについて検証されていれば、今後新設される構造物における設計精度を高めて、その安全性を向上させることが可能になる。
そこで近年、多くの既存の上記構造物においては、振動センサーや風力計を設置して、地震時や強風時に当該構造物に作用する振動を長期間にわたって観察し、これらをデジタルデータとして保存するための地震および風の観測システムが設置されている。
ところで、上記構造物に発生する振動を記録するに際して、地震に起因する振動は瞬間的かつ短時間に発生して、周期が短く振幅が大きいのに対して、強風に起因する振動は、長時間にわたって発生するとともに、周期が長く振幅が小さいという特徴がある。したがって、一方の地震による振動は、数百Hzといった高いサンプリング頻度でデータを取得する必要があり、他方の強風による振動は、その1/10程度の低いサンプリング頻度でデータを取得すれば十分であるという相違がある。
このため、強風に起因する振動についてまで、地震による振動の観測と同様の高いサンプリング頻度でデータを取得すると、高振動数のノイズが含まれる(風データのSN比が悪くなる)うえに、不必要に大きな容量の保存装置が必要になる。
しかしながら、上記地震に起因する振動の観測システムと、風に起因する振動の観測システムとを、独立して設置すると、近似した構成の制御あるいは記録手段が重複することになり、経済的で無いという問題点を生じる。
そこで、当該問題点を解決すべく、下記特許文献1においては、構造物の振動を検出して前記構造物の振動を表す時系列のデジタル信号を生成し、生成した前記デジタル信号を記録する方法であって、風速を測定して風速に係わる第1の統計量を取得し、取得した前記第1の統計量が第1のしきい値を上回るとき、前記デジタル信号を第1の頻度で記録し、振動を表す前記デジタル信号にもとづいて前記構造物の振動の大きさに係わる第2の統計量を取得し、取得した前記第2の統計量が、第2のしきい値を上回るとき、前記デジタル信号を、前記第1の頻度より高い第2の頻度で記録することを特徴とする構造物の振動観測方法が提案されている。
上記構成からなる従来の振動観測方法は、風により建物が振動した場合には、低い頻度の第1の頻度で建物の振動を表すデジタル信号を記録し、地震の場合にのみ、高い頻度の第2の頻度で振動を表すデジタル信号を記録することにより、不必要に多量のデータを記録することなく地震と風とによる両方の振動を記録しようとするものである。
特開平11−14448号公報
ところが、上記従来の構造物の振動観測方法にあっては、構造物に振動センサーに加えて風速計も設置することが必須となる。このため、地震観測用の振動センサーのみが設置されている既存建物に対して、新たに強風による振動の観測も行う必要が生じた場合には、別途風速計およびその電源や信号線を設置する必要があり、経費が嵩むという問題点がある。
また、高層や超高層建物等の構造物においては、当該構造物の地盤付近の下層階と、頂部等の上層階においては、各々地震時や強風時に生じる振動の発生形態が異なる。例えば、当該構造物の地盤付近においては、風による振動の影響は小さく、かつ地震時には地盤からの振動がそのまま伝搬するのに対して、上層階においては、中小地震時の揺れと、強風時の揺れが同程度になる可能性がある。
この結果、上記構造物に対する振動センサーの設置位置によっては、当該構造物に生じた振動が、地震に起因するものであるか、あるいは強風に起因するものであるかを正しく判断することが難しいという問題点もある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、風速計を設置することなく、風データのSN比を確保し、振動センサーのみで構造物に発生した振動の要因を、高い精度で地震または風と判断して、地震データまたは風データとして別個に保存処理することが可能になる構造物における地震および風の観測システムを提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、構造物または地盤に設置された振動センサーと、当該振動センサーからの検出信号を第1のサンプリング頻度で地震観測仕様のデジタルデータに変換するA/D変換器と、このA/D変換器で変換された振動のデジタルデータから一定時間毎に統計値を取得する地震観測仕様のデータの作成手段と、上記A/D変換器で変換された上記振動のデジタルデータを上記第1のサンプリング頻度よりも少ない第2のサンプリング頻度で取得するリサンプリング手段と、このリサンプリング手段で作成された振動のデジタルデータから上記一定時間毎に統計値を取得する風観測仕様のデータの作成手段と、これら地震観測仕様および風観測仕様のデータから、上記振動センサーによって観測された振動が地震に起因するものか風に起因するものか判断して、各々地震データまたは風データとして別個に保存処理する制御手段とを備えてなり、上記制御手段は、上記地震観測仕様のデータにおける上記下層階の振動の上記統計値が、予め設定されている上記下層階の地震動による第1の閾値以上である場合に、上記一定時間に観測された振動が地震に起因するものと判断し、上記第1の閾値未満であって、かつ上記一定時間の一つ前の一定時間に観測された振動が地震に起因するものと判断されていない場合に、上記風観測仕様のデータにおける上記上層階の上記統計値が、予め設定されている上記上層階の風振動による第2の閾値以上である場合に、上記一定時間に観測された振動が風に起因するものと判断するとともに、上記地震観測仕様のデータにおける上記下層階の振動の上記統計値が、上記第1の閾値未満であって、かつ上記一定時間の一つ前の一定時間に観測された振動が地震に起因するものと判断されている場合に、上記一定時間に観測された上記地震観測仕様のデータにおける上記下層階の振動の統計値が、予め設定されている上記第1の閾値よりも小さい上記下層階の地震振動による第3の閾値以上である場合、または上記上層階の振動の統計値が、予め設定されている上記上層階の地震振動による第4の閾値以上である場合に、上記一定時間に観測された振動が上記地震に起因するものと判断することを特徴とするものである。
これに対して、請求項2に記載の発明は、構造物の頂部を含む上層階に設置された水平方向の振動センサーおよび上下方向の振動センサーと、当該振動センサーからの検出信号を第1のサンプリング頻度で地震観測仕様のデジタルデータに変換するA/D変換器と、このA/D変換器で変換された振動のデジタルデータから一定時間毎に統計値を取得する地震観測仕様のデータの作成手段と、上記A/D変換器で変換された上記振動のデジタルデータを上記第1のサンプリング頻度よりも少ない第2のサンプリング頻度で取得するリサンプリング手段と、このリサンプリング手段で作成された振動のデジタルデータから上記一定時間毎に統計値を取得する風観測仕様のデータの作成手段と、これら地震観測仕様および風観測仕様のデータから、上記振動センサーによって観測された振動が地震に起因するものか風に起因するものか判断して、各々地震データまたは風データとして別個に保存処理する制御手段とを備えてなり、かつ上記制御手段は、上記地震観測仕様のデータにおける上記上層階の上下方向の振動の上記統計値が、予め設定されている当該上層階の地震による上下方向の第5の閾値以上である場合に、上記一定時間に観測された振動が地震に起因するものと判断し、上記第の閾値未満であって、かつ上記風観測仕様のデータにおける上記上層階の水平方向の上記統計値が、予め設定されている上記上層階の風振動による水平方向の第6の閾値以上である場合に、上記一定時間に観測された振動が風に起因するものと判断することを特徴とするものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、上記制御手段が、上記一定時間の一つ前の一定時間に観測された振動が地震に起因するものと判断されている場合において、上記一定時間に観測された上記地震観測仕様のデータにおける上記上層階の上下方向の振動の統計値が、予め設定されている上記第1の閾値よりも小さい上記上層階の地震振動による上下方向の第3の閾値以上である場合、または上記上層階の水平方向の振動の統計値が、予め設定されている上記上層階の地震振動による水平方向の第4の閾値以上である場合に、上記一定時間に観測された振動が上記地震に起因するものと判断することを特徴とするものである。
なお、請求項1または2に記載の発明において、予め設定されている下層階の地震振動による第1の閾値および第2の閾値、並びに上層階の地震振動による閾値および風振動による閾値は、いずれも地震観測仕様のデータあるいは風観測仕様のデータの作成手段において取得される統計値と同じもの(例えば、取得される統計値が最大値である場合には、閾値も振動の最大値を示すもの)である。また、予め設定される上記閾値としては、過去の地震記録を用いた地震応答解析や、建物模型を用いた風洞実験等のよって得られた値、さらには上記値に対する以前の観測データによる補正値等を用いることができる。
また、上記統計値としては、当該一定時間に観測された振動の平均値、最大値、RMS値、振動の最小値、標準偏差、ピークファクター等を用いることもでき、さらには、これらの複数またはこれらの比、差等を適用することも可能である。
請求項1または2に記載の発明によれば、地震観測仕様のデータを、当該地震動の観測に適した高い頻度の第1のサンプリング頻度で取得し、他方風観測仕様のデータを、上記第1のサンプリング頻度よりも少ない第2のサンプリング頻度で取得しているために、最終的に地震データおよび風データを別個に保存するに際しても、過度の保存容量を必要とすることがない。
しかも、上記地震観測仕様のデータおよび上記風観測仕様のデータにおける上記統計値と、予め設定されている地震振動による第1の閾値および風振動による第2の閾値とを対比することによって、上記一定時間に観測された振動が風に起因するものと判断しているために、風速計を設置することなく、振動センサーのみで構造物に発生した振動の要因を、高い精度で地震または風と判断して、地震データまたは風データとして別個に保存処理することが可能になる。
また、上記制御手段において、風による振動の影響が少ない地震観測仕様のデータにおける下層階の振動の統計値と、予め設定されている当該下層階の地震振動による第1の閾値とを比較して、当該第1の閾値以上である場合に、上記一定時間に観測された振動が地震に起因するものと判断しているために、構造物の上層部において強風時に観測される振動のデータを排除して、正確な判断を行うことができる。
さらに、上記地震観測仕様のデータに基づいて、上記一定時間に観測された振動が地震によるものではないと判断された場合に、風による振動の影響が大きい風観測仕様のデータにおける上層階の統計値と、予め設定されている上層階の風振動による閾値とを比較して、当該閾値以上である場合に、上記一定時間に観測された振動が風に起因するものと判断しているために、地震による振動と峻別した風による振動のデータを取得することができる。
他方、請求項に記載の発明においては、構造物の上層部では、地震時に水平方向および上下方向の双方向に振動が発生するのに対して、強風時には上下方向については顕著な振動は生ぜず、主として水平方向のみに大きな振動が生じることに着目し、当該上層部に水平方向の振動センサーと、上下方向の振動センサーとを設置して、これら上層部の振動センサーのみによって、観測された振動が地震に起因するものか風に起因するものか判断することができるために、システムの一層の簡易化を図ることが可能になる。
さらに、請求項に記載の発明によれば、上記一定時間の一つ前の一定時間に観測された振動が地震に起因するものと判断されている場合において、上記一定時間に観測された上記地震観測仕様のデータにおける下層階および上層階の振動の統計値が、地震の継続や後揺れに起因するものであることを確認して、地震データとして保存処理することができる。
本発明に係る構造物における地震および風の観測システムの第1の実施形態を示す概略構成図である。 図1の制御手段におけるフローチャートの前段を示すものである。 図2のフローチャートの後段を示すものである。 本発明の第2の実施形態を示す概略構成図である。 図4の制御手段におけるフローチャートの前段を示すものである。
(第1の実施形態)
図1〜図3に基づいて、本発明の構造物における地震および風の観測システムの第1の実施形態について説明する。
図1は、上記観測システムの概略構成を示すもので、この観測システムにおいては、地震時や強風時における高層建物(構造物)1の挙動を観測するために、建物1の複数箇所(図では、1階(下層階)2a、中間階2b、2cおよび頂部(上層階)2d)に、各々振動センサー3a、3b、3c、3dが設置されている。ちなみに、振動センサー3a〜3dは、水平2方向(X−Y方向)に設けられており、当該振動センサー3a〜3dとしては、変位センサー、速度センサーまたは加速度センサーが使用可能である。
そして、この観測システムは、上記振動センサー3a〜3dからの検出信号を100Hzの高い頻度(第1のサンプリング頻度)で振動のデジタルデータに変換するA/D変換器4と、このA/D変換器4で変換されたデジタルデータがリアルタイムに伝送されるパーソナルコンピュータ(以下、PCと略す。)5と、このPC5からの制御信号に基づいて上記デジタルデータをIIRフィルタ(ノイズ除去手段)6を用いたデシメーション処理を行うことにより10Hzの低い頻度(第2のサンプリング頻度)でリサンプリングするリサンプリング手段7とを備えている。
ここで、PC5は、CPUにインターフェイスを介してHDD等の記憶媒体8が接続された周知のもので、上記記憶媒体には、A/D変換器4から伝送されたデジタルデータを、10分(一定時間)毎にファイルを作成して当該10分間分の100Hzデータとして記憶媒体8に保存するプログラムと、この100Hzデータをノイズ除去手段6に伝送してデシメーション処理を行った後に、同様にファイルを作成して当該10分間分の10Hzデータとして記憶媒体8に保存するプログラムが組み込まれている。
また、PC5には、記憶媒体8に保存されている100Hzデータから、当該10分内における各観測位置2a〜2dの振動の最大値およびRMS値(統計値)を算出するプログラム(地震観測仕様のデータの作成手段)9と、同様に10Hzデータから、当該10分内における各観測位置2a〜2dの振動の最大値およびRMS値(統計値)を算出するプログラム(風観測仕様のデータの作成手段)10が組み込まれている。
さらに、PC5には、予め1階2aに生じた振動が、地震発生時に起因するものであるか否かを判断するための閾値α (第1の閾値)(例えば、1.0Gal)と、これより小さな値の閾値であって、地震継続時に起因するものであるか否かを判断するための閾値α (第3の閾値)(例えば、0.8Gal)、さらに頂部2dに生じた振動が、地震の後揺れに起因するものであるか否かを判断するための閾値α (第4の閾値)、および頂部2dに生じた振動が、強風に起因するものであるか否かを判断するための閾値α (第2の閾値)が設定されている。
そして、このPC5には、プログラム9、10で得られた10分間の振動の最大値と、上記閾値α1〜α4に基づいて、高層建物1に生じた振動が、地震に起因するものか風に起因するものか判断して、各々地震データまたは風データとして当該記憶媒体8に作成した別個のフォルダに保存処理する制御プログラム(制御手段)11が組み込まれている。
次に、図2および図3に基づいて、上記制御プログラム11の構成を、その作用とともに説明する。
先ず、図2に示すように、この制御プログラムは、プログラム9によって算出された100Hzデータ(地震観測仕様のデータ)における1階2aのX―Y方向の振動の最大値の一方が、上記閾値α1以上である場合に、当該10分間に観測された振動が地震に起因するものと判断して、この100Hzデータを地震データとして記憶媒体8に保存する。
他方、100Hzデータにおける1階2aのX―Y方向の振動の最大値が、いずれも上記閾値α1未満である場合には、前の10分間が地震データであったか否かを判断し、当該前の10分間が地震データではなかった場合に、さらに図3に示す強風判定を行う。そして、その10Hzデータ(風観測仕様のデータ)における頂部2dの最大値が、風振動による上記閾値α4以上である場合に、当該10分間に観測された振動が風に起因するものと判断して、この10Hzデータを風データとして記憶媒体8に保存する。
これに対して、図2に示すように、前の10分間が地震データであったか否かを判断して、当該前の10分間が地震データであった場合には、上記10分間の100Hzデータを参酌し、その1階2aのX―Y方向の振動の最大値が、上記閾値α2以上である場合に、地震が継続しているものとして、当該10分間の100Hzデータを地震データとして保存する。
さらに、上記10分間の100Hzデータにおける頂部2dのX―Y方向の振動の最大値が、上記頂部2dの地震振動による上記閾値α以上である場合には、上記地震の後揺れであると判断して、同様に当該10分間の100Hzデータを地震データとして保存する。
以上の判断に加えて、この制御プログラムにおいては、上記の結果、地震が発生していると判断された場合にも、同時に強風の観測記録が含まれているか否かの判断を行っている。
すなわち、図3に示すように、地震データであると判断された100Hzデータをリサンプリングした10Hzデータに対して、その頂部2dの最大値が、風振動による上記閾値α4以下である場合には、強風による観測記録が含まれていないと判断する。
これに対して、上記頂部2dの最大値が上記閾値α4以上である場合には、さらに上記10分間の前の10分間における10Hzデータの頂部2dの最大値を参酌し、これが上記閾値α4以上であって強風と判断されていた場合には、上記地震とともに強風も発生していたと判断して、上記10分間の10Hzデータを風データとして記憶媒体8に保存する。
以上のように、上記構成からなる構造物における地震および風の観測システムによれば、風速計を設置することなく、振動センサー3a〜3dのみによって、高層建物1に発生した振動の要因を、高い精度で地震または強風であると判断して、地震データまたは風データとして別個に記憶媒体8に保存処理することができる。加えて、高層建物1に、地震と強風とが同時に作用して振動が発生している場合にも、それぞれ地震データおよび風データとして蓄積することが可能になる。
しかも、強風に起因した振動の観測に風速計を必要としないために、地震観測用の振動センサーのみが設置されている既存建物に対して、新たに強風による振動の観測も行う必要が生じた場合にも、PC5に組み込まれているプログラムを換えるのみで、極めて容易に対応することができ、経済性にも優れる。
(第2の実施形態)
図3〜図5は、本発明の構造物における地震および風の観測システムの第2の実施形態を示すもので、図1〜図3に示したものと同一構成部分については、同一符号を付してその説明を簡略化する。
図4に示すように、この観測システムにおいては、地震時や強風時における高層建物(構造物)1の挙動を観測するために、建物1の頂部(上層階)2dに、水平方向の振動を検出する上記振動センサー3dと、上下方向の振動を検出する振動センサー3eが設置されている。
次に、図5および図3に基づいて、上記制御プログラム11の構成を、その作用とともに説明する。
先ず、図5に示すように、この制御プログラムは、プログラム9によって算出された100Hzデータ(地震観測仕様のデータ)における頂部2dの上下(Z)方向の振動の最大値が、予め設定されている頂部2dにおける地震動による上下(Z)方向の上記閾値α (第5の閾値)以上である場合に、当該10分間に観測された振動が地震に起因するものと判断して、この100Hzデータを地震データとして記憶媒体8に保存する。
他方、100Hzデータにおける頂部2dのZ方向の振動の最大値が、いずれも上記第1の閾値α未満である場合には、前の10分間が地震データであったか否かを判断し、当該前の10分間が地震データではなかった場合に、さらに図3に示したものと同様の強風判定を行う。そして、その10Hzデータ(風観測仕様のデータ)における頂部2dの水平(X−Y)方向の最大値が、風振動による上記閾値α (第6の閾値)以上である場合に、当該10分間に観測された振動が風に起因するものと判断して、この10Hzデータを風データとして記憶媒体8に保存する。
また、同様に、この制御プログラムにおいても、図5に示すように、前の10分間が地震データであったか否かを判断して、地震データであった場合には、上記10分間の100Hzデータを参酌し、その頂部2dのZ方向の振動の最大値が、上記閾値α2以上である場合に、地震が継続しているものとして、当該10分間の100Hzデータを地震データとして保存する。
さらに、上記10分間の100Hzデータにおける頂部2dのX―Y方向の振動の最大値が、上記頂部2dの地震振動による上記閾値α3以上である場合には、上記地震の後揺れであると判断して、同様に当該10分間の100Hzデータを地震データとして保存する。
以上の判断に加えて、この制御プログラムにおいても、上記の結果、地震が発生していると判断された場合にも、図3に示した第1の実施形態と同様に、同時に強風の観測記録が含まれているか否かの判断を行っている。
上記構成からなる地震および風の観測システムによれば、第1の実施形態に示したものと同様の作用効果が得られることに加えて、さらに高層建物1の頂部2dに設置した水平方向および上下方向の振動センサー3d、3eのみによって、当該高層建物1に発生した振動の要因を、高い精度で地震または強風であると判断して、地震データまたは風データとして別個に記憶媒体8に保存処理することができ、よってシステムの一層の簡易化を図ることができるという効果も得られる。
なお、上記実施形態においては、本発明に係る地震および風の観測システムを、高層建物1に設置した場合についてのみ説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、中低層建物、超高層建物あるいは塔などの様々な構造物に対しても、同様に適用することができる。
高層建物等の構造物に生じた振動が、地震に起因するものか強風に起因するものかを判断して観測データとして蓄積するために利用可能である。
1 高層建物(構造物)
2a 1階(下層階)
2d 頂部(上層階)
3a〜3e 振動センサー
4 A/D変換器
5 PC
6 ノイズ除去手段
7 リサンプリング手段
8 記憶媒体
9 地震仕様のデータ作成手段
10 風仕様のデータ作成手段
11 制御プログラム(制御手段)

Claims (2)

  1. 構造物の頂部を含む上層階に設置された上部振動センサーと、地盤を含む上記構造物の下層階に設置された下部振動センサーと、当該振動センサーからの検出信号を第1のサンプリング頻度で地震観測仕様のデジタルデータに変換するA/D変換器と、このA/D変換器で変換された振動のデジタルデータから一定時間毎に統計値を取得する地震観測仕様のデータの作成手段と、上記A/D変換器で変換された上記振動のデジタルデータを上記第1のサンプリング頻度よりも少ない第2のサンプリング頻度で取得するリサンプリング手段と、このリサンプリング手段で作成された振動のデジタルデータから上記一定時間毎に統計値を取得する風観測仕様のデータの作成手段と、これら地震観測仕様および風観測仕様のデータから、上記振動センサーによって観測された振動が地震に起因するものか風に起因するものか判断して、各々地震データまたは風データとして別個に保存処理する制御手段とを備えてなり、
    上記制御手段は、上記地震観測仕様のデータにおける上記下層階の振動の上記統計値が、予め設定されている上記下層階の地震動による第1の閾値以上である場合に、上記一定時間に観測された振動が地震に起因するものと判断し、上記第1の閾値未満であって、かつ上記一定時間の一つ前の一定時間に観測された振動が地震に起因するものと判断されていない場合に、上記風観測仕様のデータにおける上記上層階の上記統計値が、予め設定されている上記上層階の風振動による第2の閾値以上である場合に、上記一定時間に観測された振動が風に起因するものと判断するとともに、上記地震観測仕様のデータにおける上記下層階の振動の上記統計値が、上記第1の閾値未満であって、かつ上記一定時間の一つ前の一定時間に観測された振動が地震に起因するものと判断されている場合に、上記一定時間に観測された上記地震観測仕様のデータにおける上記下層階の振動の統計値が、予め設定されている上記第1の閾値よりも小さい上記下層階の地震振動による第3の閾値以上である場合、または上記上層階の振動の統計値が、予め設定されている上記上層階の地震振動による第4の閾値以上である場合に、上記一定時間に観測された振動が上記地震に起因するものと判断することを特徴とする構造物における地震および風の観測システム。
  2. 構造物の頂部を含む上層階に設置された水平方向の振動センサーおよび上下方向の振動センサーと、当該振動センサーからの検出信号を第1のサンプリング頻度で地震観測仕様のデジタルデータに変換するA/D変換器と、このA/D変換器で変換された振動のデジタルデータから一定時間毎に統計値を取得する地震観測仕様のデータの作成手段と、上記A/D変換器で変換された上記振動のデジタルデータを上記第1のサンプリング頻度よりも少ない第2のサンプリング頻度で取得するリサンプリング手段と、このリサンプリング手段で作成された振動のデジタルデータから上記一定時間毎に統計値を取得する風観測仕様のデータの作成手段と、これら地震観測仕様および風観測仕様のデータから、上記振動センサーによって観測された振動が地震に起因するものか風に起因するものか判断して、各々地震データまたは風データとして別個に保存処理する制御手段とを備えてなり、
    かつ上記制御手段は、上記地震観測仕様のデータにおける上記上層階の上下方向の振動の上記統計値が、予め設定されている当該上層階の地震による上下方向の第5の閾値以上である場合に、上記一定時間に観測された振動が地震に起因するものと判断し、上記第の閾値未満であって、かつ上記風観測仕様のデータにおける上記上層階の水平方向の上記統計値が、予め設定されている上記上層階の風振動による水平方向の第6の閾値以上である場合に、上記一定時間に観測された振動が風に起因するものと判断することを特徴とする構造物における地震および風の観測システム。
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