JP5590726B2 - 加工可能で硬化可能な充填剤入りハロゲン化イソオレフィンエラストマー - Google Patents

加工可能で硬化可能な充填剤入りハロゲン化イソオレフィンエラストマー Download PDF

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Description

この発明は、グリーンコンパウンドの加工性が改善されたエラストマーに関し、特に、タイヤのインナーライナーに使用可能な充填剤入りエラストマー組成物であって、外力により所定量変形したとき、速やかに応力が緩和する未硬化のエラストマー組成物に関する。
ハロゲン化されたイソブチレン/イソプレン共重合体であるハロブチルゴムは、乗用車、トラック、バス及び航空機のタイヤ空気保持層用ポリマーとして最も優れている。ブロモブチルゴム、クロロブチルゴム、及びハロゲン化星状分岐ブチルゴムは、チューブやインナーライナー等の特定のタイヤ用途向けに配合処方することができる。
最終商品用の配合処方用の原料と添加剤の選択は、目的とする諸物性のバランスに依存し、詳しくはタイヤ製造工場での加工性、及びグリーン(未硬化)コンパウンドのタック性と、硬化されたタイヤ用組成物の使用時の性能とのバランスに依存する。
このようなエラストマーの例として、ブチル(イソブチレン−イソプレンゴムまたはIIR)、ブロモブチルゴム(臭素化イソブチレン−イソプレンゴムまたはBIIR)、 クロロブチルゴム(塩素化イソブチレン−イソプレンゴムまたはCIIR)、星状分岐ブチルゴム(SBB)、 EXXPROTMエラストマー(臭素化イソブチレン−-p-メチル-スチレン共重合体またはBIMSM)等が挙げられる。
本願は、特にBIMSM等のハロゲン化イソオレフィンポリマーに関する。
従来、臭素化されたイソブチレン−パラメチルスチレン共重合体、あるいはこれらの共重合体と他のポリマーのブレンド物を用いてナノコンポジットタイヤを形成することはよく知られている。参照として、米国特許5,807,629、米国特許6,034,164が挙げられる。従来のタイヤのインナーライナーの充填剤にはカーボンブラックまたはその他の充填剤が用いられ、ナノコンポジットには一般にクレイが含まれている。
カーボンブラックは、ハロゲン化イソオレフィンゴム用として公知の補強剤である。タイヤのインナーライナーに用いられるカーボンブラックは主にN660であり、N660の窒素により測定した表面積は35 m2/gである。W. Barbin らのScience and Technology of Rubberの第9章(J. E. Markら編、第2版、Academic Press社: New York、1994年)参照。またN234も一般的なカーボンブラックである。N234の窒素により測定した表面積は126 m2/gで、補強性に優れる。少量の粘着剤を含むブチルポリマーのタック特性は、例えばM. F. Tseの「Green Tack of Butyl Polymers」(Polym. Prepr.、45巻、1号、980頁、2004年)に記載されている。
ナノコンポジットは、少なくとも1方向の長さがナノメートルオーダーの無機粒子を含むポリマー系である。ナノコンポジットの例は、米国特許6,060,549, 6,103,817, 6,034,164, 5,973,053, 5,936,023, 5,883,173, 5,807,629, 5,665,183, 5,576,373,及び5,576,372に開示されている。ナノコンポジットに用いられる一般的な無機粒子は、いわゆる「ナノクレイ」または「クレイ」に分類される無機物質である、フィロシリケート(phyllosilicate)である。
クレイの存在により種々のポリマーブレンドの空気遮断特性が強化されることに鑑み、空気透過性がより低いナノコンポジットが求められており、特にタイヤの製造に用いられる、動的に加硫されたエラストマーのナノコンポジットが求められている。
一般に、オルガノクレイは、溶液中において、モンモリロナイトナトリウムの表面に存在するナトリウムイオンを、本願の属する技術分野で一般に膨潤剤または剥離剤として知られているアルキルまたはアリールアンモニウム化合物でイオン交換して製造されている。参照として、米国特許5,807,629、国際公開WO 02/100935及びWO 02/100936が挙げられる。他の参照として、米国特許5,576,373, 5,665,183, 5,807,629, 5,936,023, 6,121,361、国際公開WO 94/22680, WO 01/85831,及びWO 04/058874が挙げられる。
また、エラストマーのナノコンポジットのインナーライナーは、複合化剤とゴムを用いることによっても形成されている。ここで、複合化剤は、正に荷電した基を有する反応性ゴムであって、ゴムの中に層状のシリケートが均一に分散された反応性ゴムである。例えば、Kresgeらの米国特許5,665,183及び5,576,373が参照される。
使用する充填剤の種類にかかわらず、タイヤインナーライナーに用いられる臭素化されたイソブチレンとパラメチルスチレンの共重合体、及びそのブレンド物は、従来の臭素化ブチルゴムと同様の加工性を有する。特に、様々な濃度のカーボンブラック、クレイ粒子等の充填剤を用いた場合、従来の臭素化ブチルゴムと同様の加工性を示す。
ポリマーが変形されたとき、エントロピーの減少によりポリマー中に応力が蓄積される。しかし、ポリマーの緊張状態が継続すると、ポリマー鎖が熱力学的確率の最も高い等方性状態へ拡散するため、応力が低下あるいは緩和する。良好な加工性を示すには、所定量の変形が与えられたときに、グリーンまたは未硬化組成物の応力が速やかに緩和することが必要である。
従って、本願では加工性という用語と応力緩和という用語は、同義で用いられる。加工性が悪いこと、あるいは応力緩和が遅いことはタイヤの製造時に問題を生じる。これは、時間の経過に従い収縮するゴムのコンパウドを取り扱うことは容易ではないためである。
この用途は数十年にわたり存在してきたが、カーボンブラックまたは他の充填剤が添加されたグリーンコンパウンドの加工性に関する研究はほとんどされていない。通常、カーボンブラックの添加量は40-100 phrである。ここで、phrはparts per hundred of rubberの略である(エラストマー=100 gのとき、カーボンブラック=40-100 g)。加工性の他、遮断性、耐屈曲疲労性、硬化接着性等のインナーライナー用エラストマーコンパウンドとして優れた性能をできるだけ保持していることが望ましいことは当然である。
ブチルゴム中のカーボンブラック添加量が低いとき、ゴム組成物は流体挙動を示すといえる。多くのブチルゴムにおいて、カーボンブラック添加量を増加させた場合、カーボンブラックの量が十分高いとき、および/または、ポリマーがカーボンブラックと十分強い相互作用を有し、カーボンブラック粒子がポリマーに浸透して均一なネットワークを形成するときに、ゲル状の流体挙動を示す。ゲル状または擬似固体状挙動が生じるカーボンブラックまたは他の充填剤の添加量は、パーコレーション閾値と呼ばれている。
Y. Yurekliらの「Structure and Dynamics of Carbon Black-Filled Elastomers」(J. Polym. ScL, Polym. Phys. Ed., 39巻, 256頁 (2001年)、及びM. F. Tseらの「Structure and Dynamics of Carbon Black Filled Elastomers II, IMS and IR」(Rubber World, 228巻 1号, 30頁 (2003年) に記載されているように、通常ポリマー/充填剤の相互作用が強くなると、臨界充填剤濃度、またはパーコレーション閾値は低下する。
充填剤添加量を増加させたとき、パーコレーション閾値は種々の現象として現われる。
この現象とは、例えば、緩和時間の急激な増加;定常粘度(steady state viscosity)と呼ばれる応力緩和曲線の下の面積の急激な増加(Strobl著「The Physics of Polymers」第2版, Springer社、ドイツ(1997年)参照)(緩和時間が短いほど面積が小さくなる。すなわち、定常粘度が低下するか、または加工性が向上する。);低周波数域における貯蔵弾性率(G')の、損失弾性率と同程度までの増加;等である。
いずれの場合にも、充填剤の添加量がパーコレーション閾値を超えたとき、加工性の低下が認められる。ポリマーの応力緩和の説明は、W. Tobolskyの「Properties and Structure of Polymers」(John Wiley & Sons, Inc社、New York, NY, 219頁 (1960年))に記載されている。
星状分岐ブチルゴム及びハロブチルゴムを用いたゴムのコンパウンドの加工性の改良は、例えばPowersらの米国特許5,071,913に開示されている。ポリマーが少量の星状分岐ポリマー分子と低分子量直鎖分子とのブレンドから成るようにする独自の重合条件により、高度の分岐を生成させて分子量分布を広くすることが可能になる。この特許の加工性の利点には、応力緩和が早いこと、グリーン強度が強化されること、及び混合性、カレンダー加工性、押出加工性が改善されることが含まれる。
この発明は、カーボンブラックまたは他の充填剤が添加されたハロゲン化イソオレフィンエラストマーに関し、このエラストマーは、グリーンゴムコンパウンドの大変形に起因する応力の速やかな緩和と、小変形における粘弾性特性の改善に適した分子量と組成を有する。この分子量と組成により、充填剤の浸透が始まり、連続したネットワークを形成し始める充填剤濃度が決定される。
カーボンブラック、クレイ、または他の充填剤が添加されたとき、ハロゲン化イソオレフィンエラストマー、例えば特定のアルキルスチレン含有量、臭素含有量、ムーニー粘度、分子量、及び分岐指数を有する臭素化イソブチレン−パラメチルスチレンエラストマーは、従来のブロモブチルゴムと同等の応力緩和を有するという、予想外の知見が得られた。
充填剤入りグリーンコンパウンドの加工性を改良するためには、ハロゲン化イソオレフィンエラストマーが特定のムーニー粘度、分子量、及び分岐指数を備えていなければならないことを見出した。このようなエラストマーを用いることにより、粘度、緩和挙動、グリーン強度、その他の物性等、充填剤入り組成物の溶融特性と加工特性が改善される。また、ガス遮断性も改善される。
このようなエラストマーから成形された最終製品の物性は、ナノコンポジット、あるいは従来のブロモブチルゴム(臭素化イソブチレン−イソプレンゴム、またはBIIR)等のゴムから製造された充填剤入り組成物からから成形された最終製品と同等である。例えば、この発明の組成物は、インナーライナーやインナーチューブ等の空気バリア材に用いることができる。
ひとつの実施形態では、この発明により、充填剤入りで硬化可能なゴム配合処方において加工可能なエラストマー組成物が提供される。このエラストマー組成物には、C4からC7のイソオレフィンと、3から20重量パーセント(wt%)のアルキルスチレンとから成り、ハロゲン化された中間体ポリマーが含まれる。この中間体ポリマーには、0.2から2モル%(mol%)のハロアルキルスチレンが含まれる。この中間体ポリマーは、ムーニー粘度が27未満で、数平均分子量が270,000未満で、重量平均分子量が470,000未満で、z平均分子量が700,000未満で、分岐指数(g')が0.4から1.1である。
ひとつの実施形態では、イソオレフィンがイソブチレンで、アルキルスチレンがp-メチルスチレンで、ハロゲンが臭素である。
ひとつの実施形態では、この中間体ポリマーは、ムーニー粘度が15から26で、数平均分子量が170,000から270,000、重量平均分子量が300,000から470,000、および/または、z平均分子量が400,000から700,000である。別の実施形態では、ムーニー粘度が15から21で、数平均分子量が170,000から240,000、重量平均分子量が300,000から440,000、および/または、z平均分子量が400,000から650,000である。
エラストマー組成物にはさらに、第2のゴム、加工助剤、硬化剤、劣化防止剤、充填剤、柔軟剤等、またはこれらの組合せが含まれる。ひとつの実施形態では、エラストマー組成物には20から70phrのカーボンブラックが含まれ、別の実施形態では1から30phrのナノ充填剤が含まれ、またさらに別の実施形態では、20から70phrのカーボンブラックと1から30phrのナノ充填剤とが含まれる。
別の側面では、この発明により、硬化された充填剤入りゴム製品を製造する方法が提供される。
この方法には、(a)エラストマー組成物と、充填剤及び硬化剤とをコンパウンド化する工程であって、エラストマー組成物が上記の物である工程と、(b) コンパウンド化されたエラストマー組成物を、ゴム製品の所定形状に成形する工程と、(c) 所定形状のゴム製品を得るためにエラストマー組成物を硬化させる工程とが含まれる。ゴム製品は、例えばインナーライナーまたはインナーチューブである。
別の実施形態では、この発明により、(a) エラストマー組成物と、充填剤及び硬化剤とをコンパウンド化する工程であって、エラストマー組成物が上記の物、例えばエラストマー組成物がイソブチレンと3から20重量パーセントのp-メチルスチレンから成り、0.2から2モルパーセントのブロモメチルスチレンを含み、ムーニー粘度が27未満で、数平均分子量が270,000未満、重量平均分子量が470,000未満、z平均分子量が700,000未満、分岐指数(g')が0.4から1.1である工程と、(b) コンパウンド化されたエラストマー組成物を、タイヤ用のインナーライナー形状に成形する工程と、(c) タイヤ用のインナーライナーを得るためにコンパウンド化されたエラストマー組成物を硬化する工程とが含まれる方法で製造されたインナーライナーを備えるタイヤが提供される。
以下の説明は、この発明を実施するための最も好ましい形態である。以下の記載はこの発明の実施形態を説明するためのものであり、この発明を限定するものではない。この発明の範囲は特許請求の範囲よって定められる。
この発明は、加工可能な、充填剤入りで未硬化のエラストマー組成物と、このエラストマー組成物から製品を製造する方法と、この方法により製造された製品に関する。ひとつの実施形態では、エラストマー組成物または製品は、ハロゲン化エラストマーとクレイから成るナノ組成物であり、さらにカーボンブラックを補強用充填剤として含み、例えばインナーライナーまたはインナーチューブ等の空気バリア材への使用に適している。
<エラストマー>
この発明のエラストマーには、C4からC7のイソオレフィンから誘導されたユニットを有するエラストマーが含まれる。このエラストマーはハロゲン化されていることが好ましい。イソオレフィンは、C4からC7の化合物であり、ひとつの実施形態ではイソブチレン、イソブテン、2-メチル-l-ブテン、3-メチル-l-ブテン、2-メチル-2-ブテン、及び4-メチル-l-ペンテンから選択される。
このエラストマーには、他のモノマーに由来するユニットも含まれ得る。ひとつの実施形態では、このエラストマーには少なくとも1のスチレン系モノマーが含まれる。スチレン系モノマーは、置換されたスチレン系モノマーのユニットであってもよく、好ましくは、スチレン、α-メチルスチレン、あるいはアルキルスチレン(オルト、メタ、またはパラ)であり、ここでアルキル基はC1からC5のアルキル基、または分岐鎖アルキル基から選択される。好ましい実施形態では、スチレン系モノマーはパラメチルスチレンである。
ひとつの実施形態では、この発明のエラストマーはイソブチレン等のC4からC7のイソオレフィンと、パラアルキルスチレン、好ましくは、パラ異性体の重量を基準として少なくとも80%、より好ましくは少なくともと90%のパラメチルスチレンとを含むエラストマー性のランダム共重合体であり、さらに官能化された中間体ポリマーであって、少なくともスチレン系モノマーユニット中のアルキル置換基の一部にベンジル型ハロゲンまたは他の置換基が含まれる、官能化された中間体ポリマーが含まれる。
この発明の別の実施形態では、中間体ポリマーは、エチレンまたはC3からC6のα-オレフィンと、パラアルキルスチレン、好ましくは、パラ異性体の重量を基準として少なくとも80%、より好ましくは少なくともと90%のパラメチルスチレンとを含むエラストマー性のランダム共重合体であり、さらに官能化された中間体ポリマーであって、少なくともスチレン系モノマーユニット中のアルキル置換基の一部にベンジル型ハロゲンまたは他の置換基が含まれる、官能化された中間体ポリマーが含まれる。
好ましい材料は、以下の複数のモノマーユニットがポリマー鎖に沿ってランダムに分布した中間体ポリマーである。
Figure 0005590726
ここで、R10とR11はそれぞれ独立して、水素、低級アルキル基、好ましくはC1からC7のアルキル基、及び一級または二級アルキルハライドのいずれかであり、Xはハロゲン等の官能基である。好ましくは、R10とR11は水素である。
ひとつの実施形態では、最大60モルパーセントのパラ-置換スチレンユニットが、好ましくは官能化された構造で、中間体ポリマー中に存在する。別の実施形態では、0.1から5モルパーセントのパラ-置換スチレンユニットが、好ましくは官能化された構造で、中間体ポリマー中に存在する。また別の実施形態では、中間体ポリマー中に官能化された構造のパラ-置換スチレンユニットが0.4から1モルパーセント存在する。
官能基Xはハロゲン、またはハロゲンと他の置換基の組合せである。ここで他の置換基は、ベンジル型ハロゲンが求核反応によって、例えばカルボン酸基、カルボン酸塩基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、カルボン酸イミド基、水酸基、アルコキシド基、フェノキシド基、チオレート基、チオエーテル基、キサンテート基、シアニド基、ニトリル基、アミノ基、及びこれらの組合せ等の置換基によって置換された置換基である。このような官能化されたイソオレフィン共重合体、その製造方法、官能化方法、及び硬化方法は、米国特許5,162,445により詳しく開示されており、特に以下説明する官能化されたアミンについて詳しく開示されている。
特に有用な官能化された材料は、パラ-メチルスチレンを0.5から20または30重量パーセント含むイソブチレンとパラ-メチルスチレンのエラストマー性ランダム共重合体であり、ここで、ベンジル環上のメチル置換基の最大60モルパーセントが臭素または塩素原子を有し、好ましくは臭素原子を有し(パラブロモメチルスチレン)、あるいはパラブロモメチルスチレンと、エステルやエーテル等の他の置換基との組合せを有する。
このようなハロゲン化エラストマーはEXXPROTM Elastomers(ExxonMobil Chemical Company社, Houston TX)として市販されており、「BIMSM」と略記されている。これらのエラストマーは、所望により、そのポリマーの少なくとも95重量%が、ポリマーの平均パラ-アルキルスチレン含量に対し10%以内のパラ-アルキルスチレン含量を有する実質的に均一な組成分布を備える。
好ましいポリマーは、ポリマー中の全モノマーユニットに対し0.1から5モルパーセントのブロモメチルスチレンを含む臭素化されたポリマーである。
別の実施形態では、ブロモメチル基の量は0.2から3.0モルパーセント、別の実施形態では0.3から2.8モルパーセント、別の実施形態では0.4から2.5モルパーセント、別の実施形態では0.3から2.0モルパーセントであり、ここで、好ましい範囲はこれらの上限値のいずれかと、これらの下限値のいずれかとの組合せである。
別言すると、好ましい共重合体には共重合体の重量に対し0.2から10重量パーセントの臭素が含まれ、別の実施形態では0.4から6重量パーセントの臭素が含まれ、別の実施形態では0.6から5.6重量パーセントの臭素が含まれており、実質的に環状ハロゲン、またはポリマー主鎖中のハロゲンが存在しない。
この発明のひとつの実施形態では、中間体ポリマーはC4からC7のイソオレフィン由来のユニット(またはイソモノオレフィン)と、パラメチルスチレン由来のユニットと、パラ-(ハロメチルスチレン)由来のユニットとから成る共重合体であり、ここで、ポリマー中間体中にパラ-(ハロメチルスチレン)由来のユニットが、パラメチルスチレン由来のユニットの全量に対し0.4から3.0モルパーセント存在する。
さらに、ひとつの実施形態では、パラメチルスチレン由来のユニットがポリマーの全重量に対し3から15重量パーセント存在し、別の実施形態では、パラメチルスチレン由来のユニットがポリマーの全重量に対し4から10重量パーセント存在する。
別の実施形態では、パラ-(ハロメチルスチレン)はパラ-(ブルモメチルスチレン)である。
この発明では、エラストマーのムーニー粘度は27未満であり、別の実施形態では、15から26、または15から21、または15から18である。好ましいポリマー中間体は5未満の狭い分子量分布(Mw/Mn)を有し、より好ましくは2.5未満の狭い分子量分布(Mw/Mn)を有する。
中間体ポリマーは、ゲル透過クロマトグラフィーで測定した粘度平均分子量が2,000から2,000,000であることが好ましく、数平均分子量が2500から750,000であることが好ましい。
特定の実施形態では、同様の主鎖構造の中間体ポリマーを2種類以上用いることが好ましい。例えば、重量平均分子量が150,000未満の低分子量中間体ポリマーと、重量平均分子量が250,000を超える高分子量中間体ポリマーとをブレンドして用いることができる。
この発明のポリマーは、ルイス酸触媒を用いてモノマーの混合物をスラリー重合し、次に溶液中でハロゲン化、好ましくは臭素化することにより製造することができる。ハロゲン化は、溶液中において、ハロゲンと、熱ラジカル開始剤、光ラジカル開始剤、および/または化学ラジカル開始剤との存在下で行う。さらに、所望により求核反応によって臭素を他の置換基で置換することもできる。
<充填剤及び他の添加剤>
この発明の組成物には、炭酸カルシウム、クレイ、マイカ、シリカ、シリケート、タルク、ニ酸化チタン、カーボンブラック等の充填剤が含まれていてもよい。本願で充填剤というとき、無機のクレイ、および/またはナノコンポジットのマトリックスの一部を構成するオルガノクレイ粒子が含まれ、所望により、例えばナノメートルオーダーの粒径のクレイ粒子、あるいは、充填剤として使用可能な大粒径のクレイを単独、またはナノコンポジット中の小粒径クレイと組み合わせて用いることができる。
ひとつの実施形態では、充填剤はカーボンブラック、または修飾されたカーボンブラックである。充填剤は、半補強グレードのカーボンブラックで、ブレンド物中に10から150phrの量で存在し、より好ましくは30から120phrの量で存在し、特に好ましくは35から100phrの量で存在する。有用なカーボンブラックのグレードは、「RUBBER TECHNOLOGY」の 59-85頁 (1995年)に記載された、N110からN990である。
より好ましくは、例えばタイヤのトレッドに有用なカーボンブラックはASTM (D3037, D1510, D3765)に規定されたN229, N351, N339, N220, N234, N110である。例えばタイヤのサイドウォールに有用なカーボンブラックはN330, N351, N550, N650, N660, N762である。例えばタイヤのインナーライナーに有用なカーボンブラックはN550, N650, N660, N762, N990である。
この発明のナノコンポジットは、膨潤性無機クレイを含むことができる。この発明に適した膨潤性層状無機クレイには,天然または合成フィロシリケートが含まれ、特にモンモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト、フォルコンスコイト、ラポナイト、ヘクトライト、サポナイト、ソーコナイト、マガダイト、ケンヤイト、ステベンサイト等、あるいは、バーミキュライト、ハロサイト、酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等が含まれる。
これらの層状クレイは一般に、厚みが8-12Åのシリケートのプレートを多数含む粒子から成り、この多数のシリケートのプレートの層間間隔は4Å未満で、互いに固く結合しており、層間表面にNa+, Ca2+, K+またはMg2+等のイオン交換可能なカチオンを有する。
層状クレイは、水中に懸濁させることにより剥離させることができる。水中のクレイの濃度は、粒子間の相互作用を最小限にとどめてクレイを完全に剥離させるために、十分低いことが好ましい。ひとつの実施形態では、クレイの水性スラリー中のクレイ濃度は0.1から5.0重量%であり、別の実施形態では0.1から3.0重量%である。
いくつかの実施形態では、クレイの水性スラリーは、クレイと水とを、室温においてクレイを剥離させるために必要な時間撹拌することにより、調製することができる。ひとつの実施形態では、クレイと水とを0.25から24時間撹拌する。別の実施形態では、クレイと水とを4から16時間、または10から14時間撹拌する。
別の実施形態では、クレイを有機液体と混合してクレイ懸濁液を調製することができる。クレイは、無機クレイでも、有機的に修飾されたクレイでもよく、有機液体は、水と混和性でも非混和性でもよい。いくつかの実施形態では、クレイ懸濁液中のクレイ濃度は0.1から5.0重量パーセント、別の実施形態では0.1から3.0重量パーセントである。
層状クレイは、層状シリケートの層間表面にあるカチオンとイオン交換可能な有機分子(膨潤剤または剥離剤または添加剤)で処理することにより、インターカレートさせ、剥離させることができる。好ましい剥離添加剤には、アンモニウムイオン、アルキルアミン、アルキルアンモニウムイオン(一級、二級、三級、及び四級)、脂肪族、芳香族、アリール脂肪族アミン、ホスフィン、スルフィドの、ホスホニウムまたはスルホニウム誘導体等の、カチオン性界面活性剤が含まれる。
好ましいアミン化合物(または対応するアンモニウムイオン)は、R12R13R14Nで表され、ここでR12、R13及びR14は、ひとつの実施形態では、同一または異なるC1からC30のアルキル基またはアルケン基であり、別の実施形態では、同一または異なるC1からC20のアルキル基またはアルケン基である。ひとつの実施形態では、剥離剤はいわゆる長鎖三級アミンであり、少なくともR12がC14からC20のアルキル基またはアルケン基である。
また剥離剤は、ジアミノアルカン、N-アルキル-ジアミノアルカン, N,N-ジアルキル-ジアミノアルキル、 N,N,N'-トリアルキル-ジアミノアルカン, N,N,N',N'-テトラアルキル-ジアミノアルカン等の、ジアミン化合物(または対応するアンモニウムイオンまたはジアンモニウムイオン)であってもよい。
好ましいジアミンはR18R19N-R20-NR21R22で表され、R18、R19、R20、R21、及びR22は同一または異なるC1からC30のアルキル基またはアルケン基、または、同一または異なるC1からC20のアルキル基またはアルケン基である。
長鎖ジアミンを用いる場合、少なくとも1のN-アルキル基またはN-アルケン基の炭素数が8から30であり、好ましくは炭素数が14から20である。非限定的例示として、N-ココ-l,3-ジアミノプロパン、N-オレイル-l,3-ジアミノプロパン、N-タロー-1,3-ジアミノプロパン、N,N,N'-トリメチル-N'-タロー-l,3-ジアミノプロパン等が挙げられる。
別の種類の剥離添加剤は、層間表面に共有結合可能な添加剤である。このような剥離添加剤は-Si(R15)2R16で表され、ここでR15は同一でも異なっていてもよく、アルキル基、アルコキシ基、またはオキシシラン基から選択され、R16はこの発明の組成物のマトリックであるポリマーと相溶性の有機置換基である。
別の剥離添加剤は、炭素数2-30のプロトン化されたアミノ酸及びその塩であり、例えば12-アミノドデカン酸、イプシロン-カプロラクタム等が含まれる。好ましい膨潤剤と層状シリカをインターカレートする方法は,米国特許4,472,538, 4,810,734, 4,889,885と国際公開WO92/02582に開示されている。
この発明の好ましい実施形態では、剥離剤または剥離添加剤は、中間体ポリマーのハロゲンサイトと反応して、クレイの剥離を助長する複合体を形成するものである。
ひとつの実施形態では、剥離添加剤には全ての一級、二級、三級アミン及びホスフィン、アルキル及びアリールスルフィド、アルキル及びアリールチオール、及びこれらの多官能化合物が含まれる。好ましい剥離添加剤には、N,N-ジメチル-オクタデシルアミン、N,N-ジオクタデシル-メチルアミン等の長鎖三級アミン、いわゆる脱水素タローアルキル-メチルアミン等、及び、アミン末端ポリテトラヒドロフラン、ヘキサメチレンチオスルフェートナトリウム等の、長鎖チオール及びチオスルフェート化合物が含まれる。
本願に開示する剥離添加剤は、この発明の組成物中に、後述するガス透過性試験で測定したとき、最適の空気保持性が得られる量で存在する。例えば、ひとつの実施形態では、剥離添加剤の添加量は0.1から20phrであり、別の実施形態では0.2から15phrであり、また別の実施形態では0.3から10phrである。
剥離添加剤は、この発明の組成物に任意の段階で添加することができる。例えば、剥離添加剤を先ず中間体ポリマーに添加し、次にクレイを添加することができる。または、剥離添加剤を中間体ポリマーとクレイの混合物に添加することができる。あるいは、別の実施形態では、剥離添加剤を先ずクレイと混合し、次に中間体ポリマーに添加してもよい。
エラストマーに添加可能な別の充填剤には、ナノサイズのタルクが含まれる。このようなタルクは、従来のサイズのプレート状タルクと比較して、非常に大きな表面積を有する。ナノサイズのタルクの最大寸法は100から200nmの範囲にある。
この発明の別の実施形態では、少なくとも1の多官能性硬化剤の存在により、中間体ポリマーの改良されたガス遮断性が達成される。このような多官能性硬化剤は式Z--R17-- Z'で表され、ここでR17はC1からC15のアルキル基、C2からC15のアルケニル基、置換または非置換のC6からC12の環状芳香族部位の内のいずれか1であり、Z及びZ'は同一または異なっており、不飽和基等の反応性基を有する1以上のポリマー鎖と分子間または分子内で架橋可能な、チオスルフェート基、メルカプト基、アルデヒド基、カルボン酸基、ペルオキシド基、アルケニル基、その他同様の基の内のいずれか1である。いわゆる、ビス-スルフェート化合物は、上記の式で表される化合物に含まれる多官能性化合物の一例である。
このような多官能性硬化剤の非限定的例示として、ヘキサメチレンビス(チオスルフェートナトリウム)と、ヘキサメチレンビス(桂皮アルデヒド)、及びその他ゴムのコンパウンドの技術分野で公知の多官能性硬化剤が挙げられる。
このほかの好ましい多官能性硬化剤は、例えば「BLUE BOOK, MATERIALS, COMPOUNDING INGREDIENTS, MACHINERY AND SERVICES FOR RUBBER」 (D. R. Smith著、 Lippincott & Petto Inc.社、2001年) に記載されている。
多官能性硬化剤が用いられる場合、ひとつの実施形態では多官能性硬化剤は組成物中に0.1から8phr存在し、別の実施形態では0.2から5phr存在する。
上記のように膨潤剤で処理することにより、層状プレート片のインターカレーションまたは「剥離」が生じる。これは、膨潤剤によりプレート片の各層を互いに結合しているイオン性結合力が低下するとともに、各層の間に分子が進入して各層間の距離が4Å以上、好ましくは9Å以上になる結果である。
このような剥離により、層状シリケートはより容易に、重合可能なモノマー、あるいはポリマーを層間に取り込むことができる。さらに、インターカレートされた層状シリケートとポリマーマトリックス材とを剪断下で混合して、剥離された各プレート片をポリマーマトリックス中に均一に分散させる際に、各層の層剥離が促進される。
この発明においてナノコンポジットに添加するクレイまたは剥離されたクレイの量は、例えば引張強度や酸素透過性等の、ナノコンポジットの機械的物性やバリア性を向上させるために十分な量である。ナノコンポジット中のクレイの量は、ナノコンポジット中のポリマーの量に対し、ひとつの実施形態では0.5から10重量パーセント、別の実施形態では1から8重量パーセント、別の実施形態では1から5重量パーセントである。ゴム100重量部に対する重量部で表すと、クレイまたは剥離されたクレイの量は、ひとつの実施形態では1から30phr、別の実施形態では5から20phrである。
炭酸カルシウム、クレイ、マイカ、シリカ、シリケート、タルク、二酸化チタン、カーボンブラック等の充填剤の添加により、エラストマーのムーニー粘度は、添加前の値の27未満から,空気遮断性ゴムコンパウンドの製造に通常用いられている市販のエラストマーのムーニー粘度とほぼ同じ値まで上昇する。
いくつかの市販のエラストマーのムーニー粘度の値を下記に示す。
Figure 0005590726
この発明の組成物は、任意成分として、ブレンド物中の官能化されたエラストマー共重合体を硬化させて硬化された組成物を生成可能な、硬化剤系を含むことができる。この発明のエラストマー共重合体成分用の好ましい硬化剤系には、有機化酸化物、酸化亜鉛とステアリン酸亜鉛またはステアリン酸との組合せ、あるいは、以下に示す促進剤または加硫剤が、1以上含まれる。
Permalux (ジカテコールボレートのジ-オルト-トリルグアニジン塩)、HVA-2 (m-フェニレンビスマレイミド)、Zisnet (2,4,6-トリメルカプト-5トリアジン)、ZDEDC (ジエチルジチオカルバメート亜鉛)、及びその他のジチオカルバメート、Tetrone A (ジペンタ-メチレンチウラムヘキサスルフィド)、Vultac-5 (アルキル化フェノールジスルフィド)、SP1045 (フェノールホルムアルデヒド樹脂)、SP1056 (臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂)、DPPD (ジフェニルフェニレンジアミン)、 サリチル酸(o-ヒドロキシ安息香酸)、ウッドロジン(アビエチン酸)、及びTMTDS (テトラメチルチウラムジスルフィド)と硫黄との組合せ。
この発明の組成物を、紫外線または電子線照射により硬化させることもできる。
この発明の組成物に、顔料、色素、酸化防止剤、耐熱及び耐光剤、可塑剤、オイル、この技術分野で公知のその他の副原料等、従来の添加剤が含まれていてもよい。
充填剤、添加剤および/または硬化剤成分のブレンド操作は、所定の成分と、この発明のナノコンポジットとを組み合わせて、適切な混合装置を用いて行うことができる。適切な混合装置は、バンバリーミキサーTM、ブラベンダーミキサーTM、または、好ましくはミキサー/押出機である。混合は、各成分がポリマー中に均一に分散したナノコンポジットを形成するために十分な剪断下において、120℃から300℃の温度で行う。
<ナノコンポジットの製造>
エラストマーとクレイのナノコンポジットは、溶液ブレンディング、メルトブレンディング、またはエマルジョンプロセス等の、様々なプロセスにより製造することができる。
例えば、2007年1月18日に公開された「Functionahzed Isobutylene Polymer-Inorganic Clay Nanocomposites and Organic-Aqueous Emulsion Process」と題する米国特許出願公開2007/015853には、クレイとブチルゴムのナノコンポジットを、ゴム溶液とクレイの水性分散液とから成るエマルジョンを用いて製造する方法が開示されており、この出願ではクレイは無機クレイでもよいとしている。
別のナノコンポジットの製造方法の例は、W. Weng らが2005年7月18日に出願した「Split-Stream Process for Making Nanocomposites」と題する米国特許出願番号11/183,361であり、この出願には、ゴムのスリップストリームからナノコンポジットの濃縮液を調製し、この濃縮液をゴムのメインストリームとブレンドすることにより、クレイとブチルゴムのナノコンポジットを製造する方法が開示されている。
上記のエラストマーとナノクレイから成るナノコンポジットは、例えばW. Weng らの2006年8月17日に公開された「Polymeric Nanocomposites and Processes for Making the Same」と題する国際公開WO 2006/085957に開示されているようなポリマーメルトブレンド法により製造することができる。
各成分のブレンド操作は、ポリマー成分とインターカレートされたクレイとを組み合わせて、適切な混合装置を用いて行うことができる。適切な混合装置は、バンバリーミキサーTM、ブラベンダーミキサーTM、または、好ましくはミキサー/押出機である。混合は、インターカレートされたクレイが剥離され、ポリマー中に均一に分散してナノコンポジットを形成するように、十分な剪断下において120℃から300℃の温度で行う。
<エマルジョンプロセス>
この発明のナノコンポジットを、エマルジョンプロセスで製造することもできる。
ひとつの実施形態では、エマルジョンプロセスには、無機クレイの水性スラリーと、ポリマー溶液(セメント)とを混合する工程が含まれる。エマルジョンまたはミクロエマルジョンが形成されるように、撹拌は十分行う。
いくつかの実施形態では、エマルジョンは水性の懸濁液、または有機溶媒の懸濁液として形成される。この発明のナノコンポジットの製造には、バッチ式あるいは連続式を含め、ラボ用及び大規模な生産用の、標準的方法及び装置を用いることができる。
いくつかの実施形態では、ナノコンポジットは;水と少なくとも1の層状クレイとを含む溶液Aと、溶媒と少なくとも1のエラストマーを含む溶液Bとを接触させる工程と;溶液Aと溶液Bを接触させて得られた生成物から溶媒と水を除去してナノコンポジットを回収する工程と;を含むプロセスにより製造される。
いくつかの実施形態では、エマルジョンは高剪断撹拌装置を用いて混合物を撹拌することにより製造される。
いくつかの実施形態では、ナノコンポジットは水と少なくとも1の層状クレイとを含む溶液Aと、溶媒と少なくとも1のエラストマーを含む溶液Bとを接触させる工程を含むプロセスにより製造され、接触はエマルジョン化剤または界面活性剤の存在下で行われる。
この発明のエマルジョンは、公知のエマルジョン化技術により形成される。すなわち、炭化水素と、水と、場合により界面活性剤との混合物を、市販のブレンダーやその均等物により、エマルジョンを形成するために必要な時間、例えば通常は少なくとも数秒間、適切な剪断下で撹拌することにより形成することができる。
エマルジョンに関する一般的情報は、「Colloidal Systems and Interfaces」(S. Ross 、I. D. Morrison著、J. W. Wiley社、NY、1988年)に記載されている。
エマルジョンは、クレイの剥離を行うために十分な時間、懸濁状態に保たれる。こととき、連続または間欠的混合または撹拌や、加熱または温度制御を行ってもよく、あるいは行わなくてもよい。ひとつの実施形態では、エマルジョンは0.1から100時間懸濁状態に保たれ、別の実施形態では、2から20時間懸濁状態に保たれる。
界面活性剤を用いる場合、相対的に安定なエマルジョンが形成される濃度の界面活性剤を添加する。好ましくは、使用する界面活性剤の量は、全エマルジョンの少なくとも0.001重量パーセント、より好ましくは約0.001から3重量パーセント、最も好ましくは0.01から2重量パーセント未満である。
この発明のエマルジョンの調製に使用できるカチオン性界面活性剤には、三級アミン、ジアミン、ポリアミン、アミンの塩、または四級アミン化合物が含まれる。この発明のエマルジョンの調製に使用できる非イオン性界面活性剤には、アルキルエトキシレート、直鎖アルコールエトキシレート、アルキルグルコシド、アミドエトキシレート、アミンエトキシレート(例えばココ-、タロー-、及びオレイル-アミンエトキシレート)、フェノールエトキシレート、及びノニルフェノールエトキシレートが含まれる。
<溶液ブレンディング>
この発明のナノコンポジットは、溶液ブレンディングで製造することもできる。
いくつかの実施形態では、ナノコンポジットは、炭化水素と少なくとも1の層状充填剤またはクレイとを含む溶液Aと、溶媒と少なくとも1のエラストマーを含む溶液Bとを接触させる工程と;溶液Aと溶液Bを接触させて得られた生成物から溶媒を除去してナノコンポジットを形成する工程と;を含むプロセスにより製造される。
前記の実施形態では、層状充填剤は上記の方法により有機化合物で処理された層状クレイであってもよい。
また別の実施形態では、ナノコンポジットを、少なくとも1のエラストマーと少なくとも1の層状充填剤とを溶媒中で接触させる工程と、接触により生じた生成物から溶媒を除去してナノコンポジットを形成する工程とを有するプロセスで製造することができる。
別の実施形態では、ナノコンポジットを、少なくとも1のエラストマーと少なくとも1の層状充填剤とを、2種類の溶媒を含む混合溶媒中で接触させる工程と、接触により生じた生成物から混合溶媒を除去してナノコンポジットを形成する工程とを有するプロセスで製造することができる。
また別の実施形態では、ナノコンポジットを、少なくとも1のエラストマーと少なくとも1の層状充填剤とを、2種類以上の溶媒を含む混合溶媒中で接触させる工程と、接触により生じた生成物から混合溶媒を除去してナノコンポジットを形成する工程とを有するプロセスで製造することができる。
別の実施形態では、ナノコンポジットを、少なくとも1のエラストマーを溶媒または少なくとも2種類の溶媒から成る混合溶媒中に溶解させ、次に少なくとも1の層状充填剤をこの溶媒または混合溶媒中に分散させて接触生成物を生成させる工程と、接触により生じた生成物から混合溶媒を除去してナノコンポジットを形成する工程とを有するプロセスで製造することができる。
また別の実施形態では、ナノコンポジットを、少なくとも1の層状充填剤を溶媒または少なくとも2種類の溶媒から成る混合溶媒中に分散させ、次に少なくとも1のエラストマーをこの溶媒または混合溶媒中に溶解させて接触生成物を生成させる工程と、接触により生じた生成物から混合溶媒を除去してナノコンポジットを形成する工程とを有するプロセスで製造することができる。
上記の実施形態では、ナノコンポジットの製造における溶媒の量は、ナノコンポジットを含む組成物の全重量に対し30から99重量パーセント、または40から99重量パーセント、または50から99重量パーセント、または60から99重量パーセント、または70から99重量パーセント、または80から99重量パーセント、または90から99重量パーセント、または95から99重量パーセントである。
さらに、いくつかの実施形態では、ナノコンポジットを含む組成物の製造に2種類以上の溶媒を用いる場合、全溶媒の容積を100容積パーセントとしたとき、各溶媒は全溶媒の0.1から99.9容積パーセント、または1から99容積パーセント、または10から90容積パーセントを占める。
<ナノコンポジットの性質>
別の実施形態では、エラストマーの空気遮断性を改良するために上記のプロセスで製造されたナノコンポジットは、本願に開示する硬化されたナノコンポジット組成物または製品について測定したとき、40℃における酸素透過性が160 mm.cc/[m2.日]以下である。
または、本願に開示する硬化されたナノコンポジット組成物について測定したとき、40℃における酸素透過性が150 mm.cc/[m2.日]以下である。本願に開示する硬化されたナノコンポジット組成物について測定したとき、40℃における酸素透過性が140 mm.cc/[m2.日]以下である。本願に開示する硬化されたナノコンポジット組成物について測定したとき、40℃における酸素透過性が130 mm.cc/[m2.日]以下である。本願に開示する硬化されたナノコンポジット組成物について測定したとき、40℃における酸素透過性が120 mm.cc/[m2.日]以下である。本願に開示する硬化されたナノコンポジット組成物について測定したとき、40℃における酸素透過性が110 mm.cc/[m2.日]以下である。本願に開示する硬化されたナノコンポジット組成物について測定したとき、40℃における酸素透過性が100 mm.cc/[m2.日]以下である。本願に開示する硬化されたナノコンポジット組成物について測定したとき、40℃における酸素透過性が90 mm.cc/[m2.日]以下である。本願に開示する硬化されたナノコンポジット組成物について測定したとき、40℃における酸素透過性が80 mm.cc/[m2.日]以下である。または、本願に開示する硬化されたナノコンポジット組成物について測定したとき、40℃における酸素透過性が70 mm.cc/[m2.日]以下である。
<第2ゴム成分>
第2ゴム成分、または「汎用ゴム」成分をこの発明の組成物、またはこの発明による最終製品にブレンドすることができる。
このようなゴムの非限定的例示として、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリ(スチレン-ブタジエン)ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリポリ(イソプレンブタジエン)ゴム(IBR)、スチレン-イソプレン-ブタジエンゴム(SIBR)、エチレン-プロピレンゴム(EPM)、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、ポリスルフィド、ニトリゴム、プロピレンオキサイドポリマー、星状分岐ブチルゴム、及びハロゲン化星状分岐ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、星状分岐ポリイソブチレンゴム、星状分岐臭素化ブチル(ポリイソブチレン/イソプレン共重合体)ゴム;他のポリ(イソブチレンp-メチルスチレン)、及びハロゲン化ポリ(イソブチレンp-メチルスチレン)エラストマー、例えばイソブチレン由来のユニット、p-メチルスチレン由来のユニット、及びp-ブロモメチルスチレン由来のユニットから成るターポリマーであって、モノマー含有量、分子量、ムーニー粘度、分岐指数、または他の性質が前記のBIMSMの規格に適合しないターポリマー及びこれらの組合せが挙げられる。
これらのゴムの大部分は、Subramaniamの「RUBBER TECHNOLOGY」の179-208頁 (M. Morton, Chapman & Hall社 1995年)、「THE VANDERBILT RUBBER HANDBOOK」の105-122頁 (R. F. Ohm 著、R.T. Vanderbilt Co., Inc.社、1990年)、あるいはE. KresgeとH. C. Wangの「8 KIRK-OTHMER ENCYCLOPEDIA OF CHEMICAL TECHNOLOGY」の934-955頁 (John Wiley & Sons, Inc.社、第4版、1993年) に記載されている。
第2ゴム成分として好ましいものは、天然ゴムである。この発明において好ましい天然ゴムは、SMR CV, SMR 5, SMR 10, SMR 20, SMR 5及びこれらの組み合わせ等のマレーシア産ゴムである。天然ゴムの100℃におけるムーニー粘度(ML1+4)は、30から120、好ましくは40から65である。本願におけるムーニー粘度は、ASTM D-1646に準拠する。
ポリブタジエンゴム(BR)も、この発明の組成物に好ましい第2ゴムである。ポリブタジエンゴムの100℃におけるムーニー粘度(ML1+4)は、35から70、別の実施形態では40から65、別の実施形態では40から60である。好ましいゴムはcis-ポリブタジエン(cis-BR)である。「cis-ポリブタジエン」または「高cis-ポリブタジエン」というときは、1,4- cis-ポリブタジエンが用いられ、cis成分が少なくとも95%であることを意味する。この発明の組成物に用いられる市販の高cis-ポリブタジエンの例は、BUDENETM1207である。
EPMやEPDM等の、エチレンとプロピレンに由来するユニットを有するゴムも、第2ゴムとして好ましい。EPDMの製造に用いられるコモノマーの例は、エチリデンノルボルネン、1,4-ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、その他である。市販のエチレン-プロピレンとしては、VISTALONTM(ExxonMobil Chemical Company社, Houston TX)が入手可能である。
別の実施形態では、第2ゴムはターポリマー成分の一部としてのハロゲン化ゴムである。ハロゲン化ブチルゴムは、臭素化ブチルゴムであり、別の実施形態では塩素化ブチルゴムである。
この発明の第2ゴムの非限定的例示として、少なくとも1以上の臭素化ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、星状分岐ポリイソブチレンゴム、星状分岐臭素化ブチル(ポリイソブチレン/イソプレン共重合体)ゴム、ハロゲン化(ポリイソブチレン-p-メチルスチレン)、例えばイソブチレン由来のユニット、p-メチルスチレン由来のユニット、及びp-ブロモメチルスチレン由来のユニットから成るターポリマー(BrIBMS)、及び米国特許5,162,445, 4,074,035, 4,395,506に開示されたハロメチル化芳香族中間体ポリマー、ハロゲン化イソプレンとハロゲン化イソブチレンの共重合体、ポリシクロプレン等、およびこれらの組合せが挙げられる。いくつかのハロゲン化ゴム成分は、米国特許4,703,091及び4,632,963に開示されている。
この発明で使用される第2ゴムには、ハロゲン化ブチルゴム成分が含まれる。この発明で「ハロゲン化ブチルゴム」というときは、ブチルゴムと、下記に説明する、いわゆる「星状分岐」ブチルゴムの両者を意味する。
この発明のひとつの実施形態では、ハロゲン化ゴム成分はC4からC7のイソオレフィンとマルチオレフィンとの共重合体のハロゲン化物である。
別の実施形態では、ハロゲン化ゴム成分は、ポリジエンまたはブロック共重合体と、C4からC7のイソオレフィンの共重合体と、結合または「星状分岐」したブチルゴムとのブレンド物である。従って、この発明で使用されるハロゲン化ブチルポリマーは、C4からC7のイソオレフィン由来のユニットと、マルチオレフィン由来のユニットと、ハロゲン化マルチオレフィン由来のユニットとから成るハロゲン化エラストマーであり、「ハロゲン化ブチルゴム」と、いわゆる「ハロゲン化星状分岐」ブチルゴムの両者が含まれる。
ひとつの実施形態では、ハロゲン化ブチルゴムは臭素化ブチルゴムであり、別の実施形態では塩素化ブチルゴムである。
この発明のハロゲン化ゴム成分の非限定的例示には、臭素化ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、星状分岐ポリイソブチレンゴム、星状分岐臭素化ブチル(ポリイソブチレン/イソプレン共重合体)ゴム、イソブチレン/メタ-ブロモメチルスチレン、イソブチレン/パラ-ブロモメチルスチレン、イソブチレン/クロロメチルスチレン等のイソブチレン-ブロモメチルスチレン共重合体、ハロゲン化イソブチレンシクロペンタジエン、及びイソブチレン/パラ-クロロメチルスチレン、及び米国特許4,074,035と4,395,506に開示されたハロメチル化芳香族中間体ポリマー等、イソプレンとハロゲン化イソブチレンの共重合体、ポリクロロポレン等、及びこれらの組合せが含まれる。
いくつかのハロゲン化ゴム成分は、米国特許4,703,091及び4,632,963に開示されている。
別の実施形態では、第2ゴム成分として使用されるハロゲン化ブチルゴムまたは星状分岐ブチルゴムは、ハロゲン化が先ずアリル型で生じるようにしてハロゲン化される。これは一般に、遊離ラジカルによる臭素化または遊離ラジカルによる塩素化によって達成され、または、例えばゴムを加熱すること等の、求核反応によりハロゲン化されたゴムの二次的処理により、アリル型ハロゲン化ブチルゴム及び星状分岐ブチルゴムを生成させる方法により達成される。
アリル型ハロゲン化ポリマーを生成させる一般的方法は、Gardnerらの米国特許4,632,963, 4,649,178,及び4,703,091に開示されている。
すなわち、この発明のひとつの実施形態では、ハロゲン化ブチルゴムは、ハロゲン化されたマルチオレフィンユニットが最初のアリル型ハロゲン化ユニットとなり、この最初のアリル型構造は、ひとつの実施形態では少なくとも20モルパーセント(ハロゲン化されたマルチオレフィンの全量に対して)であり、別の実施形態では30モルパーセントである。
このような構成は下記構造式で表される。
Figure 0005590726
ここで、Xはハロゲンで、好ましくは塩素または臭素であり、qはハロゲンの全モル数に対し、ひとつの実施形態では少なくとも20モルパーセントであり、別の実施形態では少なくとも30モルパーセントであり、また別の実施形態では25モルパーセントから90モルパーセントである。
この発明の第2ゴム成分として使用されるハロゲン化ブチルゴムの市販品はBromobutyl 2222 (ExxonMobil Chemical Company社, Houston, TX)である。このハロゲン化ブチルゴムのムーニー粘度は27から37(ML 1+8 ,125℃, ASTM 1646, 修正)で、臭素含有量はBromobutyl 2222に対し1.8から2.2重量パーセントである。またBromobutyl 2222の硬化特性は次の通りである。MHが28から40 dN-m、MLが7から18 dN-m (ASTM D2084, 修正)。
別の第2ゴム成分として使用されるハロゲン化ブチルゴムの市販品はBromobutyl 2255 (ExxonMobil Chemical Company社, Houston, TX)である。このハロゲン化ブチルゴムのムーニー粘度は41から51(ML 1+8 ,125℃, ASTM 1646, 修正)で、臭素含有量はBromobutyl 2222に対し1.8から2.2重量パーセントである。またBromobutyl 2255の硬化特性は次の通りである。MHが34から48 dN-m、MLが11から21 dN-m (ASTM D2084, 修正)。
この発明は、ハロゲン化ゴム成分の販売元によって限定されない。
この発明のエラストマー組成物は、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、または射出成形により、繊維、フィルム、自動車部品、家電のハウジング、日用品、包材等の工業用品等の様々な製品に成形することができる。成形された製品は、高い耐衝撃強度とガス遮断性を有する。特に、この発明のエラストマー組成物は、ブラダー、空気バネのスリーブ、及び車両用(トラック、商業車、自家用車を含む)または航空機用のインナーライナーおよびインナーチューブ等の空気バリア材に有用である。この発明のエラストマー組成物で製造できるその他の製品としてホース、シール材、ベルト、成形品、ケーブルのハウジング、その他「THE VANDERBILT RUBBER HANDBOOK」(637-772頁、R. F. Ohm著、R.T. Vanderbilt Company, Inc社. 1990年)に記載された製品が挙げられる。
このような空気バリア材用、特にタイヤ用ブラダー用、インナーライナー用、タイヤインナーチューブ、及びガスケット、Oリングを含むエアースリーブ用のエラストマー組成物は公知の混練技術、例えばバンバリーTMミキサーにより製造されていた。過剰な温度上昇をもたらすことなく、充填剤、活性剤、及び硬化剤をポリマーマトリックス中に分散させるための混合順序、及び温度は、ゴムの加工業者に周知である。
有用な混練方法では、タンジェンシャルローターを備えるバンバリーTMミキサーが用いられ、このミキサー内に、エラストマーと、カーボンブラック、クレイ、または可塑剤等の他の成分を投入し、この組成物を所定時間、または所定温度混練することにより、各原料の良好な分散が得られる。混練は、用いられるエラストマー、および/またはいずれかの第2ゴムの融点から、ひとつの実施形態では40℃から250℃、別の実施形態では100℃から200℃で行われる。クレイが添加される場合、混練はインターカレートクレイが剥離し、ポリマー中に均一に分散してナノコンポジットが形成されるような剪断下で行われる。
一般に、1以上のエラストマーの70%から100%を、先ず20から90秒間混練するか、または、温度が40℃から75℃に達するまで混練する。次に、充填剤の3/4と、及び残りのエラストマーがある場合はその全量とをミキサーに投入し、温度が90℃から150℃に達するまで混練を続ける。次に残りの充填剤と加工助剤を投入し、温度が140℃から190℃に達するまで混練を続ける。このマスターバッチ混合物を、オープンロールでシート状にし、例えば硬化剤を添加した場合は0℃から100℃まで放冷して仕上げる。
バンバリーTMミキサーにおけるクレイの混練は当業者に公知の方法で行い、ひとつの実施形態ではクレイはポリマーにカーボンブラックと同時に添加する。一般に、加工助剤の投入は混練サイクルの後半で、カーボンブラックとクレイがエラストマーマトリックス中に十分分散した後に行う。
コンパウンド化されたゴムをタイヤのインナーライナーに使用する場合、コンパウンド化されたゴムをカレンダー加工によりシート厚みがおよそ1から2mm(40から80mil)のシートとし、このシートをインナーライナーに適した幅の複数のストリップに切断することにより、インナーライナー成形用材料を調製する。この段階では、インナーライナー成形用材料は粘着性のある未硬化の物質であるため、タイヤ製造時のハンドリング、及び切断操作に伴い、変形したり、裂けたりする。
これにより、インナーライナーは空気タイヤの製造用の部材として使用可能になる。
空気タイヤは多層構造の積層体であり、トレッドとサイドウォール部材を含む外層、トレッドの半径方向内側のベルト補強層、中間のカーカス構造体、(カーカス構造体は、ゴム状マトリックスに埋め込まれたタイヤ補強用繊維(例えばレーヨン、ポリエステル、ナイロン、または金属繊維)からなる多数のより糸を含み、より糸の末端は一組の非伸張性ビーズ環に巻かれている)、及びカーカス構造体の内面に積層されるインナーライナーを含む。
通常、タイヤはタイヤ組立て用ドラムを用いて組立てられ、一段または二段組立てプロセスで組立てられる。未硬化のグリーンタイヤが組み立てられた後、未硬化のタイヤは、タイヤの内部で膨張してインナーライナーに接触する膨張ブラダーを備える加熱成形型に入れられる。次に、未硬化のタイヤは加硫温度まで加熱され、硬化される。
加硫温度は通常約100℃から約250℃で、好ましくは125℃から200℃であり、時間は約1分から数時間で、好ましくは、乗用車用タイヤの場合約5から30分である。加硫時間と温度は、タイヤの大きさ、タイヤの厚み、タイヤに用いられるエラストマーの種類等の、様々な要素に依存する。組立てられたタイヤを加硫することにより、エラストマー性の構成部材が加硫され、これらの構成部材の接着が強化される結果、硬化され、一体となったタイヤが得られる。
引用した先行技術文献は、それが許される全ての法域において本願に参照として組み込まれる。また本願に引用した試験方法等の文献は、それが許される全ての法域において本願に参照として組み込まれる。

Claims (14)

  1. 硬化可能なゴム配合処方において加工可能なエラストマー組成物であって、
    充填剤と、C4からC7のイソオレフィンと、3から20重量パーセントのアルキルスチレンとを含み、0.2から2モル%のハロアルキルスチレンが含まれ、ムーニー粘度が15から26、数平均分子量が270,000未満、重量平均分子量が470,000未満、z平均分子量が700,000未満、分岐指数(g')が0.4から1.1であるハロゲン化中間体ポリマーを含む、エラストマー組成物。
  2. イソオレフィンがイソブチレンで、アルキルスチレンがp-メチルスチレンで、ハロゲンが臭素である、請求項1に記載のエラストマー組成物。
  3. 数平均分子量が170,000から270,000で、重量平均分子量が300,000から470,000で、および/または、z平均分子量が400,000から700,000である、請求項2に記載のエラストマー組成物。
  4. 定常粘度が、2000 kPa-s未満である、請求項1に記載のエラストマー組成物。
  5. さらに、第2のゴム、加工助剤、硬化剤、劣化防止剤、柔軟剤、またはこれらの組合せが含まれる、請求項1に記載のエラストマー組成物。
  6. 前記エラストマー組成物のゴム100重量部に対して1から30重量部のクレイが含まれる、請求項5に記載のエラストマー組成物。
  7. 硬化された充填剤入りゴム製品を製造する方法において、
    エラストマー組成物と硬化剤とをコンパウンド化する工程であって、エラストマー組成物が、充填剤と、イソブチレンと、3から20重量パーセントのp-メチルスチレンとを含み、0.2から2モル%のブロモメチルスチレンが含まれ、ムーニー粘度が15から26、数平均分子量が270,000未満、重量平均分子量が470,000未満、z平均分子量が700,000未満、分岐指数(g')が0.4から1.1の臭素化された中間体ポリマーを含む工程と、
    コンパウンド化されたエラストマー組成物を、ゴム製品の所定形状に成形する工程と、
    所定形状のゴム製品を得るためにエラストマー組成物を硬化させる工程とが含まれる、硬化された充填剤入りゴム製品を製造する方法。
  8. 数平均分子量が170,000から270,000で、重量平均分子量が300,000から470,000で、z平均分子量が400,000から700,000である、請求項7に記載の方法。
  9. コンパウンド化された組成物の1 kPaまでの応力緩和時間が300秒未満であり、製造時にコンパウンド化された組成物を変形させる工程が含まれ、変形した状態を、応力が1 kPa未満まで緩和される時間保ち続ける、請求項7に記載の方法。
  10. コンパウンド化された組成物の定常粘度が、2000 kPa-s未満である、請求項7に記載の方法。
  11. コンパウンド化された組成物に、さらに第2のゴム、加工助剤、劣化防止剤、柔軟剤、またはこれらの組合せが含まれる、請求項7に記載の方法。
  12. 前記充填剤に、前記エラストマー組成物のゴム100重量部に対して1から30重量部のクレイが含まれる、請求項7に記載の方法。
  13. ゴム製品が、インナーライナーまたはインナーチューブである、請求項7に記載の方法。
  14. エラストマー組成物と硬化剤とをコンパウンド化する方法により製造されたインナーライナーを備えるタイヤにおいて、
    エラストマー組成物が、充填剤と、イソブチレンと、3から20重量パーセントのp-メチルスチレンとを含み、0.2から2モル%のブロモメチルスチレンが含まれ、ムーニー粘度が15から26、数平均分子量が270,000未満、重量平均分子量が470,000未満、z平均分子量が700,000未満、分岐指数(g')が0.4から1.1の臭素化された中間体ポリマーを含み
    コンパウンド化されたエラストマー組成物を、タイヤ用インナーライナーの形状に成形する工程と、
    タイヤ用インナーライナーを得るためにエラストマー組成物を硬化させる工程とが含まれる方法により製造されたインナーライナーを備えるタイヤ。
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