JP5590524B2 - オプティカル・コヒーレンス・トモグラフィー装置とその光源 - Google Patents

オプティカル・コヒーレンス・トモグラフィー装置とその光源 Download PDF

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Description

本発明は、オプティカル・コヒーレンス・トモグラフィー装置及びその光源に関する。
オプティカル・コヒーレンス・トモグラフィー(Optical Coherence Tomography; OCT)装置は、光の干渉現象を利用して網膜等の断層像を撮影する装置である。OCT装置は、光源と、光源に接続された干渉計と、干渉計の出力光強度を測定して断層像を導出する断層像導出ユニットとを有している。
OCT装置の光源としては、出力光の波長が連続的に変化する波長可変ファイバーレーザや波長可変半導体レーザなど種々の装置が提案されている。中でも、波長が時間と共に離散的に(例えば、ステップ状に)変化する単一波長レーザ光(縦単一モードレーザ光)を発生する波長可変半導体レーザが、小型で量産性に優れている。このような単一波長レーザ光(以下、離散的波長スイープ光と呼ぶ)を発生する半導体レーザとしては、SSD-DBRレーザ(super-structure-grating distributed Bragg reflector lasers)が存在する。
尚、初期のOCT装置は、干渉計の参照アームの光路長の変化に伴う、干渉光強度の変化から断層像を直接得ていた。しかし、その後のOCT装置は、干渉光の強度をフーリエ変換して断層像を得ている。そこで、干渉光の強度をデータ処理して断層像を得るOCT装置を、以後、単にOCT装置と呼ぶこととする。
特開2006−201087号公報
吉國 裕三、「波長可変レーザの開発動向とそのシステム応用への期待」、応用物理、応用物理学会、2002年、第71巻、第11号、p.1362-1366.
単一波長レーザ光は、可干渉距離が長いので、光の干渉現象を利用するOCTに適している。しかし、サイズの大きな測定対象(例えば、眼球)を測定する場合には、この可干渉距離の長さが測定の妨げになることがある。
OCT像(OCT装置で撮影した断層像)は、そのフーリエ変換の性質により、測定対象の深さ方向に一定の周期で同じ断層像が繰り返される。このため、この繰り返し周期より測定対象が大きい場合には、断層像同士が重なり合って断層像が不明瞭になる。
そこで、本発明の目的は、断層像の重なりの影響を抑制したOCT装置を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、時間と共に離散的に変化する中心波長を中心として、波長が振動する単一波長レーザ光を発生する波長可変レーザ光発生ユニットと、前記単一波長レーザ光を参照光と測定光に分岐し、前記測定光を測定対象に照射して後方散乱光を発生させ、前記後方散乱光と前記参照光を結合して干渉光を生成する干渉計ユニットと、前記干渉光の強度を測定し、前記波長が振動する夫々の期間における前記強度の時間平均と前記中心波長の関係に基づいて前記測定対象の断層像を導出する断層像導出ユニットとを有するオプティカル・コヒーレンス・トモグラフィー装置が提供される。
本発明によれば、断層像の重なりの影響を抑制したOCT装置を提供することができる。
実施の形態のOCT装置の構造を説明する概略図である。 実施の形態の波長可変レーザ光発生ユニットが発生する単一波長レーザ光の波長の時間変化を説明する図である。 離散的波長スイープ光による断層像の重なりを説明する図である。 断層像の一周期より離れた位置の別組織が、OCT像の撮影範囲に侵入した場合を説明する図である。
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。尚、図面が異なっても対応する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
(1)構 造
図1は、本実施の形態のOCT装置2の構造を説明する概略図である。図1に示した実線は、下記各光学部材を接続する光ファイバーである。尚、本実施の形態は、1次元断層像を撮影するOCT装置に関するものである。しかし、本実施の形態のOCT装置2を、2次元断層像又は3次元画像像を撮影するOCT装置に拡張することは容易である。そのためには、よく知られているように、ガルバノミラー等の光走査装置を下記光照射/補足ユニット28に設ければよい。
本実施の形態のOCT装置2は、図1に示すように、時間と共に波長が変化する単一波長レーザ光4を発生する波長可変レーザ光発生ユニット6(OCT用光源)を有している。また、OCT装置2は、単一波長レーザ光4を参照光8と測定光10に分岐し、測定光10を測定対象12に照射して後方散乱光14を発生させ、この後方散乱光14と参照光8を結合して干渉光16a, 16bを生成する干渉計ユニット18を有している。
また、OCT装置2は、干渉光16a,16bの強度を測定し、測定対象12の断層像を導出する断層像導出ユニット20を有している。
―波長可変レーザ光発生ユニット―
波長可変レーザ光発生ユニット6は、SSD-DBRレーザとその制御装置を有している。図2は、波長可変レーザ光発生ユニット6が発生する単一波長レーザ光4の波長の時間変化を説明する図である。図2の横軸は時間である。図2の縦軸は波長である。
単一波長レーザ光4の波長22は、図2に示すように、時間と共に離散的(図2の例では、ステップ状)に変化する中心波長24を中心として振動する。ここで、中心波長24に対応する波数kの間隔δkcは、一定である。
このような単一波長レーザ光4はSSD-DBRレーザの位相調整領域に注入する電流を変調することで、容易に発生することができる(非特許文献1参照)。尚、単一波長レーザ光4のサイドモード抑圧比は、例えば、20dB以上である。また、単一波長レーザ光4の線幅は、例えば100MHz以下である。尚、単一波長レーザ光4のサイドモード抑圧比及び線幅は、夫々、10dB以上及び1GHz以下であってもよい。
尚、背景技術で説明した離散的波長スイープ光は、図2に点線で示した中心波長24と同様に波長が離散的に変化する単一波長レーザ光である。
― 干渉計ユニット―
干渉計ユニット18は、図1に示すように、単一波長レーザ光4を参照光8と測定光10とに分岐する光分岐器26(例えば、方向性結合器)を有している。
また、干渉計ユニット18は、測定光10を測定対象12に照射し且つ測定光10が測定対象12により後方散乱されて発生した後方散乱光14を補足する光照射/補足ユニット28を有している。
また、干渉計ユニット18は、参照光8と後方散乱光14を結合して第1の干渉光16aと第2の干渉光16bを出射する光結合器30(例えば、分岐比が1:1の方向性結合器)を有している。ここで、測定対象が単一の反射面からなる場合、第1の干渉光16aと第2の干渉光16bの強度は、単一波長レーザ光4の波数に対して周期的に変化し、その位相はπずれている。
また、干渉計ユニット18は、参照光8が伝搬する光路(以下、参照アーム)の光学長を微調整する光遅延器32を有している。但し、測定光10と後方散乱光14が伝搬する光路(以下、計測アームと呼ぶ)の光学長と参照アームの光学長が最初から略等しい場合には、光遅延器32を省略することができる。
光照射/補足ユニット28は、図1に示すように、光分岐器26により分岐されその光入射口aに入射した測定光10を、光入出射口bから出射させる第1の光サーキュレータ34を有している。また、光照射/補足ユニット28は、第1の光サーキュレータ34の光入出射口bから出射した測定光を平行光線に変換する第1のコリメータレンズ36を有している。また、光照射/補足ユニット28は、この平行光線を集光して測定対象12に照射する第1のフォーカシングレンズ38を有している。
測定対象12に照射された測定光10は、測定対象12により後方散乱されて後方散乱光14になる。この後方散乱光14は、測定光10が進行して来た光路を逆行して第1の光サーキュレータ34の光入出射口bに入射し、第1の光サーキュレータ34の光出射口cから出射する。光出射口cから出射した後方散乱光14は、光結合器30に入射し、参照光8と結合する。
光遅延器32の構造は、光照射/補足ユニット28と略同じである。光遅延器32は、図1に示すように、光分岐器26により分岐されその光入射口eに入射した参照光8を、光入出射口fから出射させる第2の光サーキュレータ40を有している。また、光遅延器32は、第2の光サーキュレータ40の光入出射口fから出射した参照光8を平行光線に変換する第2のコリメータレンズ42を有している。また、光遅延器32は、この平行光線を集光する第2のフォーカシングレンズ44と、この集光された平行光線(参照光8)が照射される可動ミラー46を有している。
ミラー46に照射された参照光8は、ミラー46により反射されて、進行して来た光路を逆行して第2の光サーキュレータ40の光入出射口fに入射し、第2の光サーキュレータ40の光出射口gから出射する。光出射口gから出射した参照光8は、光結合器30に入射し、後方散乱光14と結合する。
ここで、ミラー46は、参照光8の進行方向に沿って前後に移動する可動ミラーである。この可動ミラー46の位置を調整することで、参照アームの光学長を微調整することができる。この微調整により参照光アームと計測アームの長さを略等しくした状態で、測定対象12の断層像を撮影する。
―断層像導出ユニット―
断層像導出ユニット20は、図1に示すように、第1の干渉光16aを受光してその光強度に対応する信号(例えば、光電流)を出力する第1の光検知器48(例えば、pinフォトダイオード)と、第2の干渉光16bを受光してその光強度に対応する信号(例えば、光電流)を出力する第2の光検知器50(例えば、pinフォトダイオード)とを有している。
また、断層像導出ユニット20は、第1の光検知器48の出力と第2の光検知器50の出力の差を増幅する差動増幅器52を有している。
また、断層像導出ユニット20は、差動増幅器52の出力をアナログデジタル変換するAD変換器54(analogue-to-digital converter )を有している。AD変換器54は、差動増幅器52の出力を積分回路により平均化した後、アナログデジタル変換する。この積分回路時定数は、波長22の振動周期より長く、波長22が振動する期間25より短い8図2参照)。従って、AD変換器54の出力は、中心波長24が一定に保持される期間(すなわち、波長22が振動する夫々に期間25)における干渉光16a,16bの時間平均の差である。
また、断層像導出ユニット20は、AD変換器54の出力を中心波長24の波数k(=2π/波長)に関してフーリエ変換し、その絶対値(または、絶対値の2乗)を算出する演算制御装置56を有している。この絶対値は、測定対象12における測定光10の進行方向に沿った位置座標zの関数であり、測定対象12の後方散乱光強度の深さ方向(測定光10の進行方向)の分布すなわち1次元断層像に対応している。
演算制御装置56は、例えば、OCT装置2の動作を制御し且つ断層像を導出するプログラムがロードされたコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)
と、上記プログラムが記録された補助メモリ(例えば、磁気ディスク)と、このプログラムがロードされる主メモリ(例えば、Random Access Memory)とを有している。
すなわち、本実施の形態の形態では、干渉光16a,16bの強度の時間平均の差をフーリエ変換して、断層像を導出する。これにより、干渉光16a,16bの同相成分が除去され、干渉光16a,16bの差動成分だけが増幅されてSN比(signal to noise ratio)が向上する。しかし、一方の干渉光(例えば、干渉光16a)の強度の時間平均を、直接フーリエ変換してもよい。
以上のように、断層像導出ユニット20は、干渉光の強度を測定し、単一波長レーザ光4の波長22が振動する夫々の期間25における干渉光の強度の時間平均と中心波長24の関係に基づいて、測定対象12の断層像を導出する。ここで、断層像を導出する際のデータ処理の対象は、上記関係に基づいて得られる干渉光強度の時間平均の差であってもよし、一方の干渉光の強度の時間平均であってもよい。
(2)断層像の重なりとその抑制
図3は、離散的波長スイープ光による断層像の重なりを説明する図である。
図3の上部に示した座標軸58は、測定光10に沿った位置座標zを表している。座標軸58の下には、離散的波長スイープ光により得られる眼球のOCT像が示されている。
このOCT像は、フーリエ変換の性質により、π/δkの周期で同じ画像が繰り返される。ここで、δkは、離散的波長スイープ光の波数間隔である。
図3の上段の画像は、z=−π/δkを中心とする1周期分の断層像である。図3の中段及び下段の画像は、夫々、z=0及びz=+π/δkを中心とする1周期分の断層像である。
図3には、角膜や虹彩からなる前眼部の断層像60,60a,60bが示されている。図3の中段に示すように、z=0を中心とした対称位置に、断層像60に対応する折り返し像62が現れる。ここで、破線で示した領域64は、OCT像の一周期π/δkに対応する領域である。図3に示すように、この領域64の右半分には、下段に示す断層像60aの折り返し像62aが現れる。このため、離散的波長スイープ光によるOCT装置では、導出した断層像に折り返し像が含まれないように、OCT像の半周期π/(2δk)に対応する領域66でのみ断層像を導出する。
ところで、通常の臓器では測定光10は、表面から数mmの深さまでしか到達しない。このため、通常は、この範囲のOCT像しか導出されない。しかし、透明な組織(例えば、眼球の水晶体)や空洞を有する臓器では、事情が異なっている。測定光は、透明な組織や空洞を透過して離れた位置に存在する組織にも到達する。このため、図3に示すように、測定対象の組織(例えば、前眼部60)とは別の組織(例えば、網膜68,68c)の断層像も導出される。
この時、測定対象とは別の組織(例えば、網膜68)が断層像の周期π/δk(例えば、0〜12mm)より離れた位置に存在すると、上段に示す一周期前の断層像70における別組織68cの断層像が、OCT像の撮影範囲66に侵入してくる(図3の領域72参照)。
図4は、このような場合の断層像を説明する図である。図4に示す例では、網膜68cの断層像と前眼部60が断層像が略重なり合って、OCT像が不明瞭になっている。
本実施の形態のOCT装置2でも、フーリエ変換により断層像を導出するので、断層像は重なり合う。しかし、本実施の形態によれば、単一波長レーザ光4の波長22を振動させることで、その可干渉距離を短くすることができるので、断層像の重なりの影響を抑制することができる。
断層像導出の基になる干渉光16a,16bの強度差ΔI(=I+−I-)は、次式で表すことができる(特許文献1参照)。但し、測定対象12は、測定光10を後方散乱する反射面を一つだけ含むものとする。
Figure 0005590524
ここで、I及びIsは、夫々、後方散乱光14及び参照光8の強度(パワー)である。また、Lは、測定光10と後方散乱光14が走行する光路(計測アーム)の光学長である。Lは、参照光8が走行する光路(参照アーム)の光学長である。kは、単一波長レーザ光4の波数(=2π/波長)である。ここでLは、測定対象12の反射面の位置により変化する。
ところで、本実施の形態の単一波長光レーザ光4の波長は、図2に示しように振動している。従って、干渉光16a,16bの強度もその波長(=2π/k)にしたがって振動し、その時間平均の差Δ<I>は、次式で表すことができる。
Figure 0005590524
ここで、kは、中心波長24に対応する波数(=2π/波長)である。Δkは、波長22の振幅Δλに対応する波数kの振幅である。Tは、波長振動の周期である。尚、波数kは、時間に対して鋸歯状に振動すると仮定した。
式(2)から明らかように、干渉光強度の時間平均の差Δ<I>は、干渉光の強度差ΔIにsinc関数(=sinx/x;xは変数)を乗じたものである。よく知られているように、sinc関数は、その変数xが0の時に最大になり、変数xが+π(または−π)で0になる。その後、sinc関数は、変数xが0から離れるにしたがって、0を中心に振動しながらその振幅が急速に減少させる。
このため、ΔLがπ/Δk以上(または、−π/Δk以下)の領域で、断層像の強度は急激に減少する。従って、このπ/Δkを、以後、単一波長レーザ光4の可干渉距離と呼ぶこととする。この可干渉距離π/Δkは、例えば12mmである。一方、単一波長レーザ光4の元々の可干渉距離(波長22を振動させない場合の可干渉距離)は、例えば数mに及ぶ。
すなわち、波長を振動させることで単一波長レーザ光4の可干渉距離を狭くすることができる。故に、本実施の形態によれば、OCT像の撮影範囲66に浸み出した他の周期の断層像を容易に減衰させることができるので、断層像の重なりの影響が抑制される。このため、明瞭な断層像を撮影することができる。
本実施例の形態では鋸歯状の波長変化を用いているため、光路長差に対する干渉強度の変化はsinc関数状となり、上記可干渉距離の外側でも周期的に干渉光強度が増加してしまう。しかし、変調波形を調整し変調光の平均スペクトルがガウス型、ローレンツ型などの滑らかな関数となる変調方式をとれば、可干渉距離の外側で単調に減衰するような特性を得る事も可能である。
本実施の形態では、上述したように、干渉光強度の時間平均の差を(中心波長に対応する)波数kに関してフーリエ変換する。従って、OCT像も、離散的波長スイープ光によるOCT像と同様に、π/δkの周期で繰り返される。
よく知られているように、OCT像の座標zは、ΔLの1/2である。従って、OCT像における可干渉距離は、π/(2Δk)になる。このため、本実施の形態のOCT像は、夫々のOCT像の中心(z=0, ±π/δkc, ±2π/δkc・・・)からπ/(2Δk)以上離れた位置で急激に減衰する。
従って、-π/δk+π/(2Δk)≦0すなわち2Δk≧δkとすることで、z=-π/δkcを中心とする一周期前の断層像70を、撮影範囲66において十分に減衰させることができる(図3参照)。この時、単一波長レーザ光22の波長の振幅Δλは、中心波長24の波長間隔δλの1/2以上になる。
例えば、δkに対応する光周波数の幅が25GHzの場合、断層像の周期(π/δk)は6mmになる。この時、Δkに対応する光周波数の幅を12.5GHz以上にすれば、単一波長レーザ光4の可干渉距離(π/2Δk)は6mm以下になり、断層像の重なりの影響を十分に抑制することができる。
尚、2Δk≧2δkでれば、一周期前の断層像70を更に減衰させることができる。また、2Δk≧4δkでれば、一周期前の断層像70を更に減衰させることができる。
(3)動 作
次に、本OCT装置2の動作を、具体的に説明する。
まず、波長可変レーザ光発生ユニット6が、断層像導出ユニット20のコンピュータの命令にしたがって、図2に示すように、時間と共に離散的に変化する中心波長24を中心として、波長22が振動する単一波長レーザ光4を発生する。ここで、中心波長24の範囲は、例えば、1280〜1320nmである。また、中心波長λのステップ数は570であり、その波数間隔は一定である。すなわち、中心波長λの波長間隔δλは、略0.07nm(25GHz)である。この波長間隔δλcに対応する断層像の周期(π/δk)は、6mmである。また、波長22の振幅Δλは、0.035nm(光周波数幅12.5GHz)である。この振幅Δλに対応する干渉光16a,16bの(OCT像における)可干渉距離(π/2Δk)は6mmである。尚、単一波長レーザ光4の線幅Δfは、例えば数十Mzである。この場合、単一波長レーザ光4の元々の可干渉距離(すなわち、波長22が振動しない場合の可干渉距離)は数mである。すなわち、単一波長レーザ光4の波長を振動させることにより、その可干渉距離が著しく狭くなる。
次に、光分岐器26が、この単一波長レーザ光4を参照光8と測定光10に分岐する。
次に、光照射/補足ユニット28が、測定光10を測定対象12に照射して、後方散乱光14を発生させる。一方、光遅延器32は参照光8を遅延させ、参照光アームと計測アームの光路長を略等しくする。
次に、光結合器30が、参照光8と後方散乱光14とを結合して第1の干渉光16aと第2の干渉光16bを生成する。
次に、断層像導出ユニット20が、第1の干渉光16aの強度と第2の干渉光16bの強度を測定する。次に、断層像導出ユニット20は、この測定により得れたデータに基づいて、単一波長レーザ光4の波長22が中心波長24を中心として振動する夫々の期間25における上記強度差の時間平均をフーリエ変換し、その絶対値(または、絶対値の2乗)を求める。これにより、測定対象12の一次元断層像が得られる。
上述したように、上記OCT像の周期は6mmである。一方、このOCT像における単一波長レーザ光4の可干渉距離は6mmである。従って、本実施の形態によれば、OCT像の撮影範囲66における一周期前の断層像70(図3参照)は十分に弱くなる。故に、本実施の形態によれば、断層像の重なりの影響が抑制され、明瞭な断層像を得ることができる。
以上の実施の形態では、波長可変レーザ光発生ユニット6は、SSG-DBRレーザとその制御装置からなる。しかし、波長可変レーザ光発生ユニット6は、このような装置に限られない。例えば、波長可変レーザ光発生ユニット6は、SG-DBRレーザ(sampled grating distributed Bragg reflector lasers)とその制御装置からなる装置であってもよい。
また、以上の実施の形態では、単一波長レーザ光4の波長22は鋸歯状に振動している。しかし、波長の振動様式は、鋸歯状に限られない。例えば、単一波長レーザ光4の波長22が、正弦波状に振動してもよい。又、波長可変レーザ4の制御を簡素化するため、SSG-DBRレーザ等の波長可変光源の外部に位相変調器を付加し、周波数変調を加えることによって、図2のような波長変化を実現する事も可能である。この場合、波長可変レーザ光発生ユニット6は、上記波長可変光源と上記位相変調器を有する。
また、以上の実施の形態では、干渉光強度の時間平均を直接フーリエ変換しているが、ガウシアン等の窓関数を乗じてから、フーリエ変換してもよい。
2・・・OCT装置
6・・・波長可変レーザ光発生ユニット
18・・・干渉計ユニット
20・・・断層像導出ユニット
28・・・光照射/補足ユニット

Claims (1)

  1. 時間と共に離散的に変化する中心波長を中心として、波長が振動する単一波長レーザ光を発生する波長可変レーザ光発生ユニットと、
    前記単一波長レーザ光を参照光と測定光に分岐し、前記測定光を測定対象に照射して後方散乱光を発生させ、前記後方散乱光と前記参照光を結合して干渉光を生成する干渉計ユニットと、
    前記干渉光の強度を測定し、前記波長が振動する夫々の期間における前記強度の時間平均と前記中心波長の関係に基づいて前記測定対象の断層像を導出する断層像導出ユニットとを有し、
    前記波長の振幅は、前記中心波長の波長間隔の1/2以上である
    プティカル・コヒーレンス・トモグラフィー装置。
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