JP5590319B2 - 木材注入用防腐防蟻処理粒子液の作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は木材注入用防腐防蟻処理粒子液の作製方法に関する。
木材を長期にわたって腐朽やシロアリの被害から保護するためには、防腐防蟻薬剤(以下、薬剤と記す)を木材内部まで浸透させる必要があり、日本農林規格(JAS)では用途毎に薬剤浸潤度の品質規格を定めている。例えば非特許文献1等に示されているように、木材の組織構造50は、管状の細胞51の集合体であり(図3(a))、各細胞は細胞壁で仕切られている。前記細胞壁には壁孔と呼ばれる小孔52が点在し(図3(b))、壁孔52の内部は網目(網目孔)53で仕切られている(図3(c)(d))。つまり、薬剤が木材内部まで浸透する際には、この網目53の網目孔が薬剤の最も狭い経路となる。例えば非特許文献2によれば、網目孔53の大きさは、平均有効半径が10〜200nmであり、比較的大きい網目孔53の半径でも100から1000nmであると記述されている。
上述のような構造をもつ木材の内部に、防腐防蟻効果のある薬剤の有効成分を浸透させるには、それを木材の細胞壁孔52内の網目孔53を通過させる必要がある。その薬剤の有効成分を木材に注入処理し浸透させるには、当然ながら液体の薬剤が好ましく、さらにコストや安全性を考慮すると、薬液は水を溶媒にした組成が適している。したがって、薬剤の有効成分は水溶性であることが好ましいが、ホウ酸などの例に見られるように、水溶性の有効成分は、長期間の雨風や湿気によって、処理済み木材から外部に溶出し、処理寿命の点や環境負荷の点で問題となることが指摘されている。最近米国では、この問題点を解決する技術として、固体粒子の分散液を用いた木材保存剤が開発されている。この液は水に溶けにくい有効成分を有する粒子を液体に分散させた薬液であり、この液を木材に注入処理することで、有効成分の溶出量の低減を図るものである。このような液が、高い防腐防蟻効果を発揮するためには、その有効成分を含有する粒子が、木材の細胞壁孔52を通過できることが不可欠であり、そのためには網目孔53内で目詰まりを起こさないようにすることが必要となる。
粒子を微粒化する既知の方法としては、超音波分散法や湿式ミリング法が知られている。一般的な超音波分散法はエネルギーを局所的に集中させることが難しく、粉砕に必要なエネルギーが得られないことから粒子の粉砕・分散(微粒化)には使用できない。このため、特許文献1と特許文献2では、従来法である湿式ミリング(ビーズミル)法を用いている。ここで、特許文献1記載の木材保存剤は、直径が0.3mm高密度ケイ酸ジルコニウムビーズを使用した湿式ミリング法を用いて、粒子の少なくとも50%が250nm、200nm又は150nmより小さい直径を有する粒度分布を有する銅系粒子と、1000nmのサイズを超える粒子のほとんど完全な除去を達成する(段落0101)と記述されている。また、特許文献2記載の木材保存剤は、0.3mmビーズでの湿式ミリング法を用いて、スラリー中の銅塩、水酸化銅、またはその両方の平均粒径(メジアン径:d50)が、100から700nmで、かつ、最大粒径(d98)が約1000nm未満である(段落0046)と記述されている。
特表2007−526139号公報 特表2008−522878号公報
"木材保存学入門 改訂2版"(社)日本木材保存協会 2005年12月発行 "木材理学総論"渡辺治人、農林出版株式会社 1978年3月発行 "高圧噴射分散処理装置「スターバースト」によるナノ電子材料の微粒化", 原島謙一,工業調査会,電子材料 2008年9月号
しかしながら、上述のビーズミル法に代表される接触式粉砕法は、粒子の表面が磨り潰されることから粒子の表層から金属成分が脱落することと、粒子同士が擦れあって大きな磨耗粉が発生することで新たな凝集体が形成されるという大きな問題点を有している。さらに、接触式粉砕法では粉砕用媒体と粒子との接触箇所で、運動エネルギーが熱エネルギーに代わることにより、局所的な大きな温度上昇(発熱)が発生するとともに、液全体の温度も上昇し易い。これらの現象によって、粉砕した粒子を含めて液中の粒子の凝集が進行して、強固に結合した大きな粒子が形成され易くなる(再凝集)。この特徴のため、この処理方法にてナノ粒子への粉砕を行う場合には、緩やかな低速回転でかつ長時間の作製条件に設定する必要がある。またこの方法では、処理した粒子がビーズ同士の空隙に入り込む現象が起きることから、ある程度の粒径のところで粒子が粉砕されなくなる。以上のことから、接触式粉砕法を用いた場合、粒子の微粒化がすすむものの、大きな粒子がなくなることがなく、結果的に粒子の粒度分布が広くなるという現象が起こる。それゆえ、木材への注入を目的とした薬液を作製する場合には、目詰まりの原因となる強固に結合した大きな粒子を取り除く分級処理や、長時間の処理が必要になる。この点、上記特許文献1と2では、ビーズミル法を用いて銅系粒子を粉砕しているので、注入に適した細かな粒子の作製が可能ではあるが、木材に深く注入できる特徴を有する薬液を作製するためには、注入に適さない大きな粒子を分級するための特別な処理、あるいは、長時間処理が必要となり、その製造コストは非常に高いものになる。さらに、防腐剤としてよく使用される銅、酸化銅、水酸化銅、銀などの金属又は金属化合物からなる金属粒子は、ジルコニアやアルミナなどの硬いセラミックスとは異なり、その構造から塑性変形し易い特性があるため、機械的に擦れあうことで単に変形したり、複数の粒子の凝着物を形成する傾向がある。その結果、塑性変形し易い特性をもつ粒子を接触式のビーズミル法で粉砕する場合、その粒子形状は球状ではなく、平らで歪な形状となる(図13(b)の粒子101bを参照、参考文献:“粉砕・分級と表面改質”、粉体工学会編(有)エヌジーティー、2001年4月発行、142頁)。このように処理された粒子の分散液を使用する場合、その粒子形状から、微粒化されたとしても液の粘度が大幅に増大する傾向を示す。
一般的に液粘度と流量との関係は、管径が一定の円管を流れる粘性流体の流量を示すハーゲン・ポアズイユ流れの式にしたがう。その式において、流量は管径の4乗に比例し、粘度に反比例する傾向を示す。つまり、粒子の径と粘度は注入処理において重要なパラメータであり、強固に結合した大きな粒子を含み、粘度の高い状態の液は、一部が微粒化されたとしてもナノサイズの壁孔の網目を通過させる必要がある木材の注入用薬剤としては適していないことになる。
上述の問題を解決する方法として、本願発明者はビーズなどの接触式の粉砕方法を用いずに、液体の乱流と高圧流によるキャビテーションを利用した高圧湿式ジェットミル法に着目し、薬剤の調合とその処理条件を最適化することにより、粒子を強固に凝集させることなく、粒子の外径が1000nm未満の単分散状態の銅、銀系粒子を含む薬液を作製することに成功した。この高圧湿式ジェットミル法による処理は、薬液の粘度を処理前に比べて大幅に下げることができ、この方法で作製した薬液を使用して注入処理した木材は、高い耐朽・耐蟻性を有することを明らかにした。
本発明の目的は、単体では微粒化が困難な塑性変形し易い金属やその化合物を、微粒化するとともに低粘度の薬液を作製することで、薬液中の有効成分を木材に浸透し易く、かつ、注入した成分が木材から溶出し難くしたことで、高い防腐防蟻効果を発揮する木材注入用防腐防蟻処理粒子液の作製方法を提供することにある。
本発明の木材注入用防腐防蟻処理粒子液の作製方法は、防腐防蟻効果を有する金属または金属化合物を含有する粒子を木材組織表面で目詰まりさせずに内部深く浸透させるために、高圧湿式ジェットミル装置を用いて、前記粒子と分散剤等の薬剤とを混合した混合液に対して高圧噴射処理を1回以上施すことで、前記粒子の平均粒径を1000nm未満としたことを特徴とする。ここで平均粒径は、粒度分布測定により得られる累積質量が50%のメジアン粒径値d50で表すか、又は面積平均径MAや体積平均径MVなどの粒子の粒径の平均値を表す。
本発明では、前記粒子と分散剤と分散媒との混合液を、高圧湿式ジェットミル装置のチャンバーノズルから所定の圧力で高圧噴射することで、分散剤のない状態で合成された粒子の凝集をほぐし、あるいは粉砕により微粒化させるものである。また、本発明の非接触処理により、歪な粒子形状の発生を防ぎ、低粘度の薬液が作製できる。本発明は、高圧噴射された混合液内で、従来の超音波振動子によるキャビテーションより、遙かに強いキャビテーションを発生させることで、前記粒子をほぐすか、粉砕することができる。その一方で、本発明は接触式とは異なり分散媒を介したソフトな微粒化方法であるから、従来の接触式粉砕法のように、硬いビーズとの直接的な物理的接触がなく、粒子の基本的構造自体を破壊することはない。また、装置処理部分全体の冷却が可能であるために、装置処理部分での大きな発熱もない。この特徴は分散剤の熱劣化を防ぐとともに、ナノサイズ粒子特有の性質である材料の融点が低下することによる再凝集効果を防ぐことができるので、長期に亘る安定な分散状態が維持できる。
本発明は、前記高圧噴射処理による微粒化とともに、前記薬液の粘度を減少させたことを特徴とし、これらの特徴から強く結合した再凝集体が存在しないことと、粉砕した前記粒子の形態が球状に近くなるために、木材注入に適した低い粘度の薬液を容易に作製することができる。
前記防腐防蟻金属としては、銅(Cu)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)等が挙げられる。前記防腐防蟻金属化合物としては、例えば水酸化銅(Cu(OH)2)、酸化銅(CuO)等が挙げられる。前記分散剤は、前記粒子と分散媒との界面を改質する添加剤である。前記分散媒としては、水、アルコールなどの有機溶媒、およびそれらの混合物が挙げられる。また、本発明による薬液は、前記金属や前記金属化合物以外の防腐防蟻成分を有する薬液と配合して用いることもできる。
防腐防蟻剤としてよく使用される銅、酸化銅、水酸化銅、銀などの金属又は金属化合物からなる粒子は、塑性変形し易く凝集し易い特徴がある。本発明は、最大粒径が100nm以下のシリカ粒子を、前記金属(銅や銀)の濃度に対するシリカの濃度割合をモル比で10:1から1:1となるように添加することを特徴とし、前記粒子の凝集を防止でき、前記粒子を木材に十分な深さまで注入処理することができるようになる。ここで最大粒径は、粒度分布測定により得られる累積質量が98%の粒径値d98で表すか、累積質量が95%の粒径値d95で表す。
前記シリカ粒子は前記高圧噴射処理を施す前に添加することが好ましい。これにより、微粒化に適した水酸化銅の安定性を高め、再凝集を防止することができ、長時間にわたって微粒化した状態で、薬液の低粘度状態が維持できる。
本発明は、前記高圧噴射処理を複数回繰り返すことで、前記粒子の微粒化後の最大粒径を2000nm未満としたことを特徴とする。
本発明によれば、前記高圧噴射処理を複数回繰り返すことで、銅や銀などの塑性変形し易い金属においても前記粒子(粒子)の平均粒径を1000nm以下とし、かつ、最大粒径を2000nm未満とすることができるので、薬剤の有効成分をより深く浸透させることが可能になる。前記粒子の微粒化のためのエネルギーは、チャンバーノズルからの圧力を30から245MPaの範囲で変化させて制御する。木材内部へのよりよい注入を可能とするために、前記粒子のより微粒化とその粒子分布状態の改善として、前記粒子の最大粒径が2000nm未満となるまで前記高圧湿式ジェットミル装置のチャンバーノズルから前記混合液を所定の圧力で高圧噴射する作業を複数回繰り返すことも可能である。実施例によれば、前記高圧湿式ジェットミル装置のチャンバーノズルから前記混合液を所定の圧力で高圧噴射する作業を繰り返す回数が多くなるにしたがって、前記粒子の粒径のばらつきが小さくなり、木材注入に適した単分散状態に近づけることが可能である。また、この方法は原理的に強く結合した再凝集体が存在しない特長と、粉砕した前記粒子の形状が球体に近くなる特長を有するため、木材注入に適した微粒化された有効成分をもつ低粘度の薬液を容易に作製することができる。
本発明によれば、前記高圧噴射処理の前記粒子が強く結合した再凝集体を作らず、粒子の凸凹を取り去る作用にて、粉砕した前記粒子の形状が滑らかな球体に近づくために、木材注入に適した低い粘度の薬液を容易に作製することができる。そして、本発明の木材注入用防腐防蟻処理粒子液の使用により、薬液の有効成分が木材に浸透し易く、かつ、木材から溶出し難い特長をもつ高い防腐防蟻効果を発揮する木材注入用防腐防蟻処理が実現できる。
本発明を適用した銅を含有する薬液を注入処理した結果を示す木材の内部断面図である。 比較例として、高圧湿式ジェットミル装置による処理を施していない前記液を注入処理した結果を示す木材の内部断面図である。 木材の組織構造を示す図である。 従来のビーズミル法による粉砕例を示す粒度分布図であり、(a)は銀粒子の粉砕例であり、(b)はセラミックス粒子の粉砕例である。 本発明で用いる高圧湿式ジェットミル装置によるセラミックス粒子の粉砕例を示す粒度分布図である。 従来のビーズミル法によるセラミックス粒子の粉砕例と本発明で用いた高圧湿式ジェットミル装置によるセラミックス粒子の粉砕例とを比較して示す粒度分布図である。 ビーズミル法におけるセラミックス粒子凝集の例と、高圧湿式ジェットミル装置によって、前記セラミックス粒子の凝集体の粉砕を試みた結果を示す粒度分布図である。 本発明で用いる高圧湿式ジェットミル装置によるCu(OH)2粒子の粉砕例を示す粒度分布図である。 粒子の状態を示す模式図であり、(a)は粒子1つ1つ(1次粒子)の状態を例示し、(b)は薬液中で粒子が凝集した状態を例示している。 本発明を適用した実施形態の木材注入用防腐防蟻処理粒子液の製造手順を示す製造工程フロー図である。 本実施形態の木材注入用防腐防蟻処理粒子液におけるCuO粒子の平均粒径d50と粘度ηの処理回数依存性を示す図である。 本実施形態の木材注入用防腐防蟻処理粒子液にシリカ粒子を、Cuに対するSiの濃度割合がモル比で10:1となるように添加したときの、それら粒子の平均粒径d50と粘度ηの処理回数依存性を示す図である。 薬液中の粒子の状態を示す模式図であり、(a)は本発明のジェットミル処理後の粒子の状態を例示しており、(b)は従来のビーズミル処理後の粒子の状態を例示している。 高圧湿式ジェットミル装置のチャンバーノズル内での乱流、キャビテーションの状態を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態を、分散媒に水を用いた例で説明する。
図9(a)は1次粒子の状態を例示した模式図であり、図9(b)は薬液(符号10)中で粒子が凝集した状態を例示した模式図である。ここでは、粒子を符号1、薬液中で凝集した粒子を符号1a、本発明のジェットミル処理によって微細化された粒子を符号1bとして、以下に説明する。図14は高圧湿式ジェットミル装置のチャンバーノズル内での乱流とキャビテーションの状態を示す模式図である。高圧湿式ジェットミル装置は、粒子(符号1a)を含む混合液10を、図14に示すチャンバーノズル41から高圧噴射することで、微粒化した粒子(符号1b)とする装置であり、原料タンク、高圧ポンプ、ポンプ制御部、チャンバー、及び熱交換器からなる。原料タンクに粒子(符号1a)と分散剤と水との混合液を投入し、高圧ポンプにて加圧した混合液を、チャンバー内のノズルから噴射させ加速して衝突させることで、粒子(符号1a)を微粒化した粒子(符号1b)とするとともに、それを均一に分散した薬液とすることができる。処理中はチャンバー内の温度が上昇した液を、熱交換器にて常温まで冷却し、温度上昇を防ぐ。ビーズを使用しない高圧湿式ジェットミル装置は、コンタミの混入がない状態で処理することができ、キャビテーションによる粒子全体への緩やかな処理を特徴とするため、粒子表面の突起が少なくなって粒子形状が全体的に球状に近くなる。結果として微粒化の作用とともに、薬液の粘度が減少する(図13(a)を参照)。チャンバーにはシングルノズルチャンバー、分離チャンバー、ボール衝突チャンバー等の種類がある。図14に示すシングルノズルチャンバーは、その構造上、水のキャビテーションと水の乱流の作用のみを用いている。
比較例1
銀を含有する粒子とセラミックス粒子をビーズミル法によって処理した場合の粒径分布変化を図4に示す。粒度分布は、レーザードップラー方式の粒度分布計である日機装社UPA-UZ152を用いて測定した。図4(a)は表面に銀を含む粒子の例であり、ビーズミル法によって処理した粒度分布は、約30nmから3000nmと非常に広範囲になり、粒径の大きなピークが2000nmのところに観察された。これは、ビーズによって銀を含む粒子の構造が崩れて、表面から剥離した銀などが凝集したものである。この結果は、ビーズミル法では銀などの塑性変形し易い部分を有する粒子を微粒化することは、原理的に不可能であることを示している。一方、図4(b)はセラミックス粒子を処理した例である。処理時間を30分としたときには、100nm以下の粒子が増加するが、100nm以上の大きな粒子も残存し、全体としてブロードな分布を示している。この場合、処理時間TMを180分と長くしても、より細かな粒子が増加するものの、100nm以上の粒子が無くなることはない。つまり、ビーズミル法はセラミックスのように硬い粒子の場合、微粒子を得ることは可能であるが、大きな粒子を短時間で減少させることは難しく、粒度分布がブロードになることが確かめられた。ここで使用したミルのポッドの容量は100mlで、外径が0.1mmのビーズを用いた。ポッドの中の80%はビーズが占め、処理した薬液は10mlで、処理時間に180分を費やしたので、このときの処理速度は0.055ml/分であった。
実施例1
高圧湿式ジェットミル装置(高圧湿式ジェットミル法)によって、液中の粒子を微粒化した。図5は、高圧湿式ジェットミル法により微粒化処理した後の粒子の粒径分布の変化を示している。使用した高圧湿式ジェットミル装置は、株式会社スギノマシン製の「スターバースト(装置商品名)」である。高圧湿式ジェットミル装置のチャンバーはシングルノズルチャンバーを使用し、そのチャンバーノズル径は0.1mmとし、噴射圧力は245MPaに設定した。処理回数を符号NPとして、以下に説明する。処理を1回行った場合(NP=1)、粒子のd50は約111nmになった。処理を5回行った場合(NP=5)、d50は約70nmになった。さらに処理を10回行った場合(NP=10)、d50は約60nmになり、粒度分布はよりシャープになり、単分散状態に近づくことが分かった。ここで、本発明に係る高圧湿式ジェットミル装置による処理時間は100cc/分であり、高圧噴射を合計5回行う場合の高圧噴射粉砕処理時間は20ml/分である。本発明の方法による処理速度は、5回の高圧噴射処理で従来のビーズミル法の360倍、1回の高圧噴射処理で従来のビーズミル法の1800倍であり、実用上のコストも問題ないレベルである。また、本発明の方法は粒子構造に与える損傷も少なく、処理温度も最高で約70℃と大きな発熱もなく、高圧噴射処理から1年後でも液中粒子の安定な分散が確認された。また、この処理により微粒化された粒子形態を透過電子顕微鏡で観察したところ、粒子が板状ではなく、図13(a)に示してあるような球状に近い形状なっていることが確認できた。
一方、ビーズミル処理により生成された大きな凝集体を、高圧湿式ジェットミル法にて微粒化できないかを試みた。最初、上記セラミックスを分散剤の少ない状態でビーズミル処理を行い、凝集体を作製した。その後分散剤を添加し、高圧湿式ジェットミル処理を1回行った。それぞれの処理の後で、薬液中の粒子の粒度分布を測定した。その結果を図7に示す。ビーズミル処理により、6000nm以上の大きな凝集体が生成されることが分かった。その後、高圧湿式ジェットミル処理によってこの凝集体を粉砕微粒化することはできなかった。これは、ビーズミル処理により生成される凝集体は、高圧湿式ジェットミル処理によるキャビーテーションエネルギーよりも強い結合力を持つことを示しており、ビーズミル処理では、高圧湿式ジェットミル処理でも粉砕できないほど強固に結合した凝集体が形成されることを示している。この強固に結合した大きな粒子は、木材への注入処理では内部に浸入せず、目詰まりの大きな原因となるだけである。
図10は、本発明を適用した実施形態の木材注入用防腐防蟻処理粒子液の製造手順を示す製造工程フロー図である。本発明の製造手順は、混合及び攪拌処理(ステップS1)と、高圧噴射粉砕処理(ステップS2)からなる。次に、化学溶液堆積法(Chemical Solution Deposition)により、Cu(OH)、CuO、Ag、Ni(OH)の粒子(符号1)を作製した。通常は粒子作製時に分散剤を入れることができないので、本実施形態では粒子作製後に本発明の処理を実施した。その実施処理例とその薬液を注入された木材の防腐防蟻特性を以下に説明する。
実施例2
水酸化銅Cu(OH)2からなる粒子を作製し、その後分散剤を添加した水と混合し、攪拌して混合液とした(ステップS1)。本実施例では、混合液中の粒子(符号1)の濃度を0.1mol/lとした。攪拌後の混合液における粒子(符号1a)のd50は約1000nmであり(図8)、高圧噴射粉砕処理前は粒径が1000nm以上の粒子(符号1a)が多い状態である。上記攪拌後の混合液を高圧湿式ジェットミル装置にて、高圧噴射を1回行ったところ(ステップ2)、微粒化した粒子(符号1b)のd50は約200nmになった。さらに、高圧噴射を合計5回行ったところ、粒子(符号1b)のd50は126nmになった(図8)。1回の処理後でも粒径が1000nm以上の粒子(符号1a)が完全になくなり、5回処理後では粒径分布の幅を約60nmから500nmと非常に狭くすることができた。
実施例3
酸化銅(CuO)からなる粒子を作製し、その後分散剤を添加した水と混合し、混合液とした(ステップS1)。本実施例では、混合液中の粒子(符号1)の濃度を1mol/lとした。攪拌後の混合液における粒子(符号1a)のd50は約1500nmの状態であり、混合液の粘度ηは約3.5mPa・sであった(図11)。上記攪拌後の混合液を高圧湿式ジェットミル装置にて、高圧噴射を1回行ったところ(ステップ2)、微粒化した粒子(符号1b)のd50は約1000nmとなり、薬液の粘度ηは約2.5mPa・sまで減少した。図11は、CuO粒子のd50と粘度ηの処理回数NP依存性を示している。1回の処理によってd50とηが減少し、その後処理回数を増やしても、d50とηはあまり変化していないことがわかった。つまり、1回の処理でも大きな粘度低下の効果があることが分かった。
実施例4
酸化銅(CuO)からなる粒子を作製し、その後分散剤を添加した水と混合し、さらに最大粒径が100nm以下のシリカ粒子を、CuO粒子に対するシリカ粒子の割合が、モル比で10:1(10%)となるように添加した混合液を作製した(ステップS1)。本実施例では、粒子(符号1)の濃度を0.5mol/lとした。攪拌後の混合液における粒子(符号1a)のd50は約650nmであり、混合液の粘度ηは約3.5mPa・sであった(図12)。上記攪拌後の混合液を高圧湿式ジェットミル装置にて、高圧噴射を1回行ったところ(ステップ2)、微粒化した粒子(符号1b)のd50は約250nmとなり、ηは約2.2mPa・sまで減少した。図12は、CuO粒子のd50とηの処理回数NP依存性を示している。シリカ粒子を添加した場合でも1回の処理によって、d50とηが減少した。その後処理回数を増やしても、d50とηはあまり変化していないことが分かった。
表1に、酸化銅(CuO)からなる粒子に、粒径が10nmのシリカ粒子を添加した混合液に、高圧湿式ジェットミル装置にて高圧噴射処理を3回行った場合のその処理前後のηとd50、d98の関係を示す。この処理によって、液のηが大幅に減少することが分かった。また、d50もシリカ濃度比率の上昇にしたがって、1510nmから減少し、シリカ濃度比率が50%でd50は139nmまで小さくなり、薬液の木材注入処理に問題のない範囲まで、粒径を小さくできることが分かった。しかしながら、シリカ濃度比率が100%に高くなると、d50は小さくなるものの、微量の沈殿物が生成してd98が逆に大きくなった。銅に対しては、シリカ濃度比率が10から100%が適切な範囲内であり、25から50%の範囲が微粒化薬液に最適と考えられた。このようにシリカ粒子を添加することが、本発明の微粒化にとって非常に有効であることが分かった。
Figure 0005590319
一般に、粒径がナノサイズになると熱エネルギーがその表面エネルギーにのみになるために、融点が下がったり、非常に反応し易くなることが知られている。バルクサイズでも水酸化銅は熱的に不安定であり、60から80℃以上に加熱すると簡単に酸化銅に分解される。そのため、ナノサイズの水酸化銅は室温でも直ぐに酸化銅に変化し易く、大きな凝集体を作りやすい傾向を示した。溶液の温度が一度約90度以上に上がっても、d50が300nm以下の安定な銅化合物を作製することができた。つまり、銅微粒子の長期間と注入処理後に再利用する溶液の安定化のためにも、シリカ粒子の添加が非常に有効であることが分かった。
実施例5
Ag、Cu(OH)、CuO、Ni(OH)の4種類の粒子(符号1)を作製し、各粒子液に分散剤と水と混合して、各粒子の濃度が0.2mol/l(比較例5−1〜5−4)の混合液とした。各混合液に対して、高圧湿式ジェットミル装置にて高圧噴射処理を5回施して各種木材注入用防腐防蟻処理液(実施例5−1〜5−4)を作製した。第2表に各薬液の粒径d50と粘度ηを示した。各薬液は、イオン交換水で第2表の希釈率に希釈して、JIS K1571(2004) 4.2.1.1,並びに4.3.1.1に準じて木材防腐防蟻性能を評価した。すなわち、希釈液を減圧注入した20X20X10mmのスギ辺材試験片を用いて、オオウズラタケ、ならびにカワラタケによる12週間の強制腐朽試験と、イエシロアリ165頭(職蟻150頭、兵蟻15頭)による3週間の強制摂食試験を行い、腐朽や食害による試験片の質量減少率を求めて、防腐防蟻性能を評価した。
オオウズラタケに対する防腐性能に関して、本発明を適用していない混合液(比較例5−1〜5−4)は、いずれの種類も処理試験片の質量減少率が20%以上で、防腐効力は低かった。これに対して、本発明を適用した薬液(実施例5−1〜5−4)はいずれも、対応する種類の混合液(比較例5−1〜5−4)より高い防腐効力を示した。特に、Cu(OH)とCuOでは(実施例5−2と実施例5−3)、本発明を適用することによる防腐効力の向上が顕著に認められた。カワラタケに対する防腐性能に関して、Ni(OH)以外の混合液(比較例5−1〜5−3)は高い防腐効果を示したが、Ni(OH)は質量減少率15.7%の腐朽を受けた(比較例5−4)。これに対して、本発明を適用した薬液では、全ての種類の薬液について防腐効力の向上が認められたが、処理後もd98が26240nmと大きなNi(OH) (実施例5−4)では、高い効果は得られなかった。この結果は、粒子のd98が約2000nm未満の場合に、高い防腐効果が得られることを示している。高い防腐効力を示したCu(OH)とCuOの2種類について、防蟻性能試験を実施した。その結果、本発明を適用したCu(OH)液(実施例5−2)とCuO液(実施例5−3)は、シロアリ食害による質量減少率がそれぞれ2.0%、3.3%で、いずれも本発明を適用していない混合液(比較例5−2、5−3)よりも高い防蟻効果が認められた。以上の結果から、本発明を適用した薬液を使用することにより、注入処理木材の防腐防蟻性能が著しく向上することが分かった。
Figure 0005590319
図1に、実施例5−3の薬液を注入したスギ試験材の内部断面図を示す。図1(a)はその部分の光学像であり、図1(b)はCu元素の分布である。比較のため、比較例5−3の混合液を注入したスギ試験材の内部断面図を図2に示す。図2(a)は、その部分の光学像であり、図2(b)はCu元素の分布である。それぞれの像の領域は、6.0X8.0mmの領域である。Cuの分布の分析には、株式会社島津製作所製のエネルギー分散型微小部蛍光X線分析装置μEDX−1300を用いた。
比較例の図2(b)では、Cuが木材の表面付近(図の上方)のみにしか分布していないのに対し、本発明を適用した図1(b)では、Cuが木材の内部(図の下方)まで深く分布していることが分かる。本発明の適用により粒子の浸透性が著しく向上し、第1表に示した防腐防蟻性能の向上に寄与したものである。本発明の適用により粒子液の浸透性が向上した理由としては、粒径の微細化により粒子が壁孔の網目孔(53)を通過しやすくなったことが挙げられる。それに加えて本発明では、凝集体を生成しても熱による粒子の再凝集が原理的にないため、注入処理時の圧力変化や薬液流動時の摩擦によって、その凝集体が分解することで、網目孔(53)を貫通することができ、目詰まりを起こさなかった。このため優れた防腐防蟻性能が得られたと推察される。
以上、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。前記粒子の粒径が10から200nmの範囲となるよう前記高圧湿式ジェットミル装置のチャンバーノズルからの圧力を30から245MPaの間で調整し、前記粒子の粒径が10から200nmの範囲となるまで、圧力や処理回数を繰り返すことで、多種多様な粒子を分散させた薬液を製造することができる。また、処理条件等によって処理前の粒子(符号1a)が高圧湿式ジェットミル装置のチャンバーノズルからスムーズに吐出されない場合には、超音波分散処理をステップS1とステップS2の間に追加するとよい。このように、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
1 粒子(凝集前の粒子)、
1a 粒子(微粒化前の凝集した粒子)、
1b 粒子(微粒化後の粒子、有効成分)、
50 木材

Claims (5)

  1. 防腐防蟻効果を有する金属または金属化合物を含有する粒子を木材組織表面で目詰まりさせずに内部深く浸透させるために、高圧湿式ジェットミル装置を用いて、前記粒子と分散剤等の薬剤とを混合した混合液に対して高圧噴射処理を1回以上施すことで、前記粒子の平均粒径を1000nm未満としたことを特徴とする木材注入用防腐防蟻処理粒子液の作製方法。
  2. 前記高圧噴射処理を1回以上施すことで、前記混合液の粘度を減少させたことを特徴とする請求項1記載の木材注入用防腐防蟻処理粒子液の作製方法。
  3. 最大粒径が100nm以下のシリカ粒子を、前記金属に対するシリカの濃度割合がモル比で10:1から1:1となるように添加することを特徴とする請求項1または2記載の木材注入用防腐防蟻処理粒子液の作製方法。
  4. 前記高圧噴射処理を複数回繰り返すことで、前記粒子の最大粒径を2000nm未満としたことを特徴とする請求項2または3記載の木材注入用防腐防蟻処理粒子液の作製方法。
  5. 請求項1から4のうちいずれか一項に記載の木材注入用防腐防蟻処理粒子液の作製方法により作製した木材注入用防腐防蟻処理粒子液。

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