JP5589954B2 - 塗工方法、及び塗液用ローラ - Google Patents
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Description
しかし、グラビアローラは、製造コストが高いため、リチウム電池の製造コストが高くなる問題があった。
その問題を解決するために、例えば、外周面に螺旋状の溝であるポケットが形成された直径6mm〜20mmのロッドコーター(ウェブ搬送の正転、ブレード無し)を用いる試みがなされている。
ここで、ロッドコーターを用いる場合には、使用する回転領域が高回転領域となるため、塗工材料が飛び散りやすく、塗工が行われる塗工部以外にも、塗工材料が付着する問題があった。その問題を解決するために、特許文献1の塗液用ローラでは、塗工部以外の箇所に対応して、マスクするためのシート基材であるマスクテープを張架している。
例えば、塗工を接着剤層の塗工と、活性剤層の塗工との2回に分けて行う場合に、接着剤層の厚みは、wetで厚みを10μm以下で塗工している。このとき、図5に示すようにマスクテープ200の厚みWが50μm程度と厚いと、図6に示すようにマスクテープ200と接している塗工材料206がマスクテープ200に引きずられて端部206Aの厚みが厚くなる。端部206Aの厚みが厚くなると塗工材料206はそのまま金属箔へ転写されるため、金属箔に塗工される塗工材料の端部もそのまま厚くなる。その結果、dryで0.2μm程度塗工材料の端部の厚みが厚い、いわゆる端高の問題が生じる。塗工材料の厚みがdryで0.2μm端高になると、続いて行う上塗りする活性剤層の塗工にも影響を与え、塗工した活性剤層の塗工液がさらに端高になる。端高となると、例えば、電池を製造するときには、金属箔を数十回巻回するため端高が累積して電池に悪影響を与える問題がある。電池を具体例として記載したがその他のウェブ状の金属箔の表面に塗液材料を塗工し巻回するものであれば同様の問題が生じる。
一方、端高を回避するためには、マスクテープの厚みを10μm以下とすると良いことを、本出願人は、実験により確認している。しかし、マスクテープの厚みを10μmとすると、ウェブ状の金属箔をEPC制御(エッジポジションコントロール)を行ったときに、金属箔がマスクテープに干渉して、マスクテープが移動して、マイク位置の位置精度が保てなくなったり、最悪の場合には、マスクテープが破損する問題があった。
(1)塗液用ローラを用いて、ウェブ状の金属箔に塗液材料を塗工する塗工方法において、塗液用ローラは、塗工が行われる塗工部の両側に溝部が形成されていること、溝部の位置に、マスクテープが張架されていて、マスクテープの一部が、塗液用ローラの外周面から突出していること、を特徴とする。
(1)(3)塗液用ローラを用いて、ウェブ状の金属箔に塗液材料を塗工する塗工方法において、塗液用ローラは、塗工が行われる塗工部の両側に溝部が形成されていること、溝部の位置に、マスクテープが張架されていて、マスクテープの一部が、塗液用ローラの外周面から突出していること、を特徴とするので、例えば、50μm程度の厚いマスクテープを用いても、マスクテープのほとんどの部分を溝内に収納して、塗液用ローラの外周面から突出する量を10μm程度とすることができる。そのため、端高の量を0.05μm以下とすることができ、活性剤層を上に塗工するときにも、活性剤層の端高に悪影響を与えることがない。同時に、マスクテープが50μmの厚みを有しており、かつ溝により位置決めされているので、EPC制御により、金属箔がマスクテープに干渉しても、位置ずれを発生することがなく、また、破損することもない。
図3に塗液用ローラ1の外観斜視図を示す。
図3の塗液用ローラ1は、図示しない塗工装置の要部を示す。塗工装置は、本実施形態においては、リチウム電池の製造において、厚さ10μm程度のウェブ状の金属箔5の表面に塗液材料6を塗工するための装置である。塗工装置の全体像は示さないが、塗液用ローラ1以外に係る部分は、従来技術における塗工装置と変わりがないため説明を割愛する。
図3に示すように塗液用ローラ1は、円筒の筒形状のものであり、本実施形態においては中心軸1aを中心に矢印P方向に反時計回りに回転する。塗液用ローラ1は、金属箔5の矢印Eと同方向に正転する。本実施形態において塗液用ローラ1のロッド径は6〜20mmの径とする。また、塗液用ローラ1は、外周面12に螺旋状の溝であるポケット(図示しない)が形成されたロッドコーターである。螺旋状の溝は、3〜20μmに切削又は転造により成型される。螺旋状の溝の一つのポケットの断面積は、約0.002mm2である。
また、図1に示すようにマスクテープ2をテープ溝部11に挿入すると塗液用ローラ1の外周面12から表出する。マスクテープ2の外周面12から表出した表出高Kは、本実施形態においてはマスクテープ2の厚みIからテープ溝部11の深さFを引いた10μmとなる。
本実施形態においてはある一定の深さF、厚みIを示したが、深さF、厚みIは、表出高Kを決定するために変更することができる。
本実施形態における塗工装置を用いることにより、リチウム電池の製造において、厚さ10μm程度のウェブ状の金属箔5の表面に塗液材料6を塗工することができる。
具体的には、図3に示す金属箔5が図中矢印E方向へ流れ塗液用ローラ1を通過する際に塗液材料6が転写され塗工がされる。
また、本実施形態においてマスクテープ2はテープ溝部11に挿入され張架されている。そのため、マスクテープ2がずれることにより塗工幅がずれることがない。よって、ウェブ状の金属箔5をEPC制御(エッジポジションコントロール)を行ったときに、金属箔5がマスクテープ2に干渉して、マスクテープ2が移動して、マイク位置の位置精度が保てなくなったり、マスクテープ2が破損するということが生じることがない。したがって、金属箔5の表面に塗工幅が安定した塗液材料6を塗工することが可能となる。
図4に、本実施例において実験を行ったdry端高量の厚さ計測測定実験結果を示す。ここでdry端高量とは、金属箔5の表面に塗液材料6を塗工した後に、乾燥装置により乾燥させた後に、金属箔5の塗液材料6の端部の高さ量である。
実験結果においては、塗工後の塗工幅のズレを目視で確認した。また、塗工後のマスクテープの耐久性を目視で確認した。さらに、塗液材料のdry端高量は分光エリプソによる厚さ計測により測定している。
すなわち、塗液用ローラ1は、塗工が行われる塗工部の両側にテープ溝部11が形成され、テープ溝部11の位置に、マスクテープ2が張架され、マスクテープ2の一部が、塗液用ローラ1の外周面12から突出していることにより、例えば、50μm程度の厚いマスクテープ2を用いても、マスクテープ2のほとんどの部分をテープ溝部11内に収納することができる。そのため、塗液用ローラ1の外周面12から突出するマスクテープ2の量を10μm程度とすることができる。よって、dry端高の量を0.05μm以下とすることができ、活性剤層を上に塗工するときにも、活性剤層の端高に悪影響を与えることがない。
また、マスクテープ2が50μmの厚みを有しており、かつテープ溝部11により位置決めされているので、EPC制御により、金属箔5がマスクテープ2に干渉しても、位置ずれを発生することがなく、また、破損することもない。
例えば、本実施形態においては表出高Kを10μmとしたが、表出高Kはテープ溝の高さにより変更することができる。すなわち、表出高Kはマスクテープの厚みからテープ溝を引いた分となるため、テープ溝の高さを変更することにより表出高Kを変更することができる。
11 テープ溝部
12 外周面
2 マスクテープ
5 金属箔
6 塗液材料
Claims (6)
- 塗液用ローラを用いて、ウェブ状の金属箔に塗液材料を塗工する塗工方法において、
前記塗液用ローラは、前記塗工が行われる塗工部の両側に溝部が形成されていること、
前記溝部の位置に、マスクテープが張架されていて、前記マスクテープの一部が、前記塗液用ローラの外周面から突出していること、
を特徴とする塗工方法。 - 請求項1に記載する塗工方法において、
前記塗液用ローラが、外周面に螺旋状の溝であるポケットが形成されたロッドコーターであること、
前記マスクテープに撥水加工がされていること、
を特徴とする塗工方法。 - 請求項1又は請求項2に記載する塗工方法において、
前記塗液材料が塗工された前記ウェブ状の金属箔は、巻回されて電池の電極を形成すること、
を特徴とする塗工方法。 - ウェブ状の金属箔に塗液材料を塗工する塗液用ローラにおいて、
前記塗工が行われる塗工部の両側に溝部が形成されていること、
前記溝部の位置に、マスクテープが張架されていて、前記マスクテープの一部が、前記塗液用ローラの外周面から突出していること、
を特徴とする塗液用ローラ。 - 請求項4に記載する塗液用ローラにおいて、
前記塗液用ローラが、外周面に螺旋状の溝であるポケットが形成されたロッドコーターであること、
前記マスクテープに撥水加工がされていること、
を特徴とする塗液用ローラ。 - 請求項4又は請求項5に記載する塗液用ローラにおいて、
前記塗液材料が塗工された前記ウェブ状の金属箔は、巻回されて電池の電極を形成すること、
を特徴とする塗液用ローラ。
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