JP5589279B2 - 粉砕分級機 - Google Patents

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Description

本発明は、粉砕分級機に関する。さらに詳述すると、原材料を粉砕して微粉を得る循環式の粉砕分級機に関する。
原材料を粉砕して微粉を得る粉砕分級機は、例えば、画像形成装置に使用されるトナー等の粉体を製造するために用いられている。
近年、粉砕機に分級機を内蔵もしくは直結させた粉砕分級機により、製品粉体中の粗粉量を制御しながら効率よく粉砕する装置が広く用いられており、例えば、衝突板式の粉砕部と気流式や回転ローター式の分級部とを備えた装置が提案されている。
例えば、特許文献1には、衝突板式の粉砕部と気流式の分級部を直結し循環させる構造のジェット粉砕装置が開示されている。特許文献1に記載の技術のように、粉砕部と分級部を循環する構造の装置によれば、粉砕部で処理された粉体全体がワンパスで分級部を通過する、即ち、分級部を通過した被処理物は必ず引き続く粉砕部へ導かれるので、所望の粒子径未満となった粒子を効率よく取り除くことができる。また、粉砕部に供給される所望の粒子径未満となった粒子が少なくなり、粉砕の効率を上げることができる。
また、特許文献2には、衝突板式の粉砕部を有する層内に回転ローター式の分級機を内蔵した微粉製造装置が開示されている。特許文献2に記載の技術のように、粉砕機を備えた層に回転ローター式の分級機を備えた構造の装置によれば、粗大粒の通過を精度よく抑制でき、カットポイントのコントロールが簡単な回転ローター式分級装置を利用できる。
また、特許文献3には、機械式のワンパスで処理される回転ローター式の分級機であって、水平に設置された分級ローターの上部から被処理物を供給し、分級ローターの羽根部を通過させた後に底部から排出する構造の装置が開示されている。また、特許文献4には、回転ローター式の分級機を備えた流動層式粉砕分級機が開示されている。
特開平6−154639号公報 特開平10−174896号公報 特開平11−216425号公報 特開2004−243317号公報
しかしながら、特許文献1のように気流式の分級機は、回転ローター式の分級機に比べて精度が劣り、回転ローター式が回転数の調整でカットポイントを変更できるのに比べてカットポイントの調整が難しく、粉砕部の能力が分級部の性能によって制約されるという問題があった。
また、特許文献2に記載の技術は、層内で粉体が混合してしまうため、分級された被処理物が層内で循環してしまい、粉砕部を通過せずに分級部へ再供給されてしまうことで分級の効率があげられなかったり、分級部に到達する前に層内循環で粉砕部に再供給されてしまうことで、粉砕部の効率を上げられなかったり、所望の粒子径よりも小さすぎる粒子を生成する過粉砕を起こすなど、粉砕部で処理された粉体全体を分級部にワンパスで通過させることができないことによる粉砕部の効率が挙げられないという問題があった。また、特許文献3に記載の技術も、所望の粉砕効率をあげることができないという問題があり、特許文献4に記載の技術における回転ローター式の分級機の周囲の気流も、特許文献2と同様、ワンパスで通過させることができないため同様の問題がある。
そこで本発明は、分級ローターを備える分級部および被処理物を粉砕する粉砕部を備え、被処理物を分級部と粉砕部を循環させながら微粉を取り除きつつ処理する粉砕分級機において、分級精度および粉砕性能の向上を図ることができる粉砕分級機を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、請求項1に記載の粉砕分級機は、分級ローターを備える分級部および被処理物を粉砕する粉砕部を備え、被処理物を分級部と粉砕部を循環させながら微粉を取り除きつつ処理する粉砕分級機において、分級部の鉛直方向における上方に設置された分散室と、該分散室の鉛直方向における下方であって、分級ローターの鉛直方向における上方に設置され、複数の羽根で構成された分散ローターと、を備え、分級ローターの回転軸は、本体設置面に対して垂直であって、循環する被処理物の再供給口が分級ローターの回転軸方向における上方側に設置され、被処理物は、分散室および分散ローターを順に経て分級ローターへ供給され、再供給口の分級ローターを介した反対側から吸引されるものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の粉砕分級機において、分級ローターから吸引する微粉を、再供給口の分級ローターを介した反対側に設けられた排出口から吸引するものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の粉砕分級機において、被処理物を、分級ローターの直径よりも小さな分散室を経て分級ローターの端面から供給するものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3までのいずれかに記載の粉砕分級機において、粉砕部は、ノズルから噴出する圧縮空気によって加速管に連通した粉砕室に設けた衝突板に粉体を衝突させて粉砕するものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項1からまでのいずれかに記載の粉砕分級機において、分級ローターの側面から二次空気を導入する二次空気導入部を設けるものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項1からまでのいずれかに記載の粉砕分級機において、新規の原料供給部を、分級部の上流であって、粉砕部の下流に設けるものである。
本発明によれば、分級ローターを備える分級部および被処理物を粉砕する粉砕部を備え、被処理物を分級部と粉砕部を循環させながら微粉を取り除きつつ処理する粉砕分級機において、分級精度および粉砕性能の向上を図ることができる。
以下、本発明に係る構成を図1から図5に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
1.第1の実施形態
図1は、本発明に係る粉砕分級機の一態様である循環式の粉砕分級機の全体構成図である。
本実施形態の粉砕分級機は、複数の羽根を有する円筒形の回転ローターである分級ローター2を備えた分級部と、導入口6、圧縮空気を噴出する粉砕用圧縮空気噴出ノズル7(以下、ノズル7ともいう)、加速管14、衝突板13を備える衝突板式粉砕部1(以下、粉砕部1ともいう)とを備え、被処理物を分級部と粉砕部を循環させながら微粉を取り除く処理を行うものである。
具体的には、被処理物は、原料供給口15aもしくは15bから供給され、循環流路11によって、分級ローター2と粉砕部1とを循環する。ここで、分級ローター2を通過して、分級ローターの排出口4を経た微粉は、後段に設置された不図示のブロア等によって微粉排出口10を経て機外へ排出される。一方、分級ローター2を通過しない粗粉は、再供給口8から分級ローター2を介して反対側に設置されている粉砕部1の加速管によるインジェクション効果に伴う吸引力によって、再供給口8とは分級ローター2を介して反対側に吸引される。尚、符号9は、分級ローター2のモーターを示している。
粉砕部1は、ノズル7から噴出する圧縮空気によって加速管14に連通した粉砕室に設けた衝突板13に粉体を衝突させて粉砕する衝突板式の気流式粉砕機構であることが好ましい。
このように構成することで、被処理物を一方向に流すことができるので、分級部および粉砕部1のそれぞれを交互にワンパスの繰り返しで通過させることができる。また、衝突板式の気流式粉砕機構は、その構造上一方向に流れる推進力を有するが、被処理物と圧縮空気の流れの関係にベンチュリ、エジェクタ−、リングノズル構造の関係を有していることが更に好ましい。
循環する被処理物の再供給口8は、分級ローター2の回転軸方向の一端面側に設置され、被処理物は、分級ローター2を介した再供給口8の反対側から吸引される。本実施形態では、再供給口8は、分級ローター2の回転軸方向の駆動側の端面であって、分級部の上部に設置された分散室3に設けられる。
また、分級ローター2から吸引する微粉は、再供給口8の分級ローター2を介した反対側に設けられた分級ローターの排出口4から吸引することが好ましい。
このように、被処理物、特に循環後再び被処理物となる粗粉を分級ローター2を介して吸引側とは反対側から供給することで、被処理物を、分級ローター2表面に一方向に流すことができる。被処理物を、分級ローター2近傍で不要な循環を起こさず、ワンパスで一方向に流すことによって、通過する被処理物である粉体中の各粒子に対して等しく分級される機会を与えることができるので、分級精度の向上、即ち、効率よく所望の粒子径以下の微粒子を、分級部を介して効率よく系外へ排出することができる。
さらに、所望の粒子径以下の微粒子を効率よく排出することができることによって、粉砕部1に供給される被処理物を減らすことができるので、粉砕能力を向上させることができる。また、所望の粒子径未満の粒子が粉砕部1に供給されないために、過剰に粉砕処理された微粒子の発生を抑制することができる。
ここで、被処理物を分級ローター2の駆動側の端面から供給するにあたり、その再供給口8は分級ローター2の外周より内側に設置し、また、再供給口8は、分級ローター2の回転軸を中心として、供給量が対称、かつ位置関係も対称となり得るように設置する。
例えば、円筒状の再供給口8であれば、再供給口8の円断面の中心を分級ローターの中心に合わせるのが好ましい。また、二本の再供給口8を用いる場合には、分級ローター2の回転中心軸に対して軸対称に設置することが好ましい。再供給口8を上記のように設置することで、分級ローター2の側面の一部に被処理物が片流れすることを防ぐことができる。
更に、被処理物は、分級ローター2の直径よりも小さな分散室3を経て供給されることが好ましい。ここで分散室3とは、被処理物を分散する機構を有する空間である。具体的には、分級ローター2に被処理物が供給される前に、あらかじめ分級ローター2の全周方向に被処理物を分散する機構を有したものであり、分散室3のサイズは、分級ローター2の直径のよりも小さい円筒もしくは円錐形状であって、分級ローター2の厚みよりも低い高さで構成される。分散する機構としては、例えば、ルーバーを経て被処理物を導入する機構、回転体で構成される分散機によって分散する機構等を用いることができる。
このようにすることにより、分級部に被処理物が侵入する前に被処理物を分散しておくことができ、分級精度を向上させることができる。ここで、被処理物が分級部で十分に分散していない(凝集している)場合、凝集粒子は、見かけ上適切に粉砕されていない粗大粒子として振る舞うので、分級ローター2で適切に分給されず、再び粉砕部に循環し、過粉砕が生じる原因となる。尚、分級ローター2の直径よりも小さな分散室3を経ず、直接分級ローター2に供給することは、分級ローター2の供給部近傍部位の被処理物濃度が高くなり、融着が発生したり、分級精度が低下したりするため好ましくない。
また、分級ローター2は、回転軸が設置面に対し垂直であって、その回転方向が水平となるように設けられることが好ましい。このようにすることにより、被処理物の流れを鉛直方向とすることができ、重力の影響による分級部での濃度ムラを抑止することができる。
特に、循環する被処理物の再供給口8を、分級ローター2の鉛直方向の上部とすることで、分級部における気流と被処理物の流れを重力に逆らわない鉛直方向下向きとすることができ、分級部での被処理物の流れを均一にすることができる。再供給口8からの気流および被処理物の流れを鉛直方向上向きに構成すると、分級部において、重力の影響による鉛直方向下向きの流れ、すなわち逆流が発生し、分級部での流れが不均一になる(分級部での滞留時間にムラが出る)ためである。
また、循環する被処理物の再供給口8は、分級ローター2の回転軸の方向であって駆動軸16の向きに設置すること、即ち、分級ローター2の回転軸上に設置された動力伝達部たる駆動軸16の設置された側から再供給することが好ましい。このようにすることにより、再供給口8に対して分級ローター2を隔てた対向側の空間を確保し、分級部と粉砕部1のレイアウトが単純化できる。
また、分級精度を向上させ、分級のカットポイントを制御するために、分級ローター2の側面から、二次空気を導入する二次空気導入部を備えることが好ましい。
そこで、本実施形態では、分級部の空気量を調整するため二次空気の導入口5を備えるようにしている。
二次空気の導入口5は、例えば、分級ローター2の外周面の周方向と平行な方向に等間隔をおいて環状に配列されケーシングに固定された複数個の垂直方向に延びる案内羽根によって構成されていることが好ましい。二次空気を分級部の一方向から供給することは、気流にムラが生じ、分級精度が下がるからである。
また、分級部の静圧を装置の外部より高くすることにより粉漏れが生じるため、二次空気の導入は吸引(分級部の静圧を外部より低く保つ運転状態)とすることが好ましい。
尚、分級ローター2の羽根構造および分級ローター2と二次空気の導入口5との間の構造は、例えば、特許文献3に記載された構造と同様に構成することができる。
即ち、分級ローター2は、回転方向が水平に設置され、頂壁と、この頂壁に対して垂直下方に間隔をおいて対向配置された貫通孔を有する底壁と、頂壁と底壁の間に配置された案内羽根環とから成り、分級ローター2を格納するケーシングは、案内羽根環の外側に同軸状に配置され、案内羽根環を構成する複数個の案内羽根間の間隙を介して分級空間に連通した環状の分級空気供給室と、分級ローターの下方において駆動軸16と同軸状に配置された排出口4と、この微粉排出室内部の微粉を外部に案内するための微粉排出口10を有し、分級空間の内部には、分級空間内部における被分級物の滞留時間と凝集を制御するための螺旋状の渦巻部材が分級ローター2と同軸状に配置されている。尚、渦巻部材は帯状の部材を螺旋状に形成したもので、案内羽根環の内周部に固定され、分級空間の高さ方向のほぼ全長にわたって延びている。また、渦巻部材の内周部と案内羽根環の外周部の間には微小な間隙が形成される。
次に、図5を用いて図1に示した本実施形態の粉砕分級機における主な気流の流れを説明する。
図5に示すように、系内への主な流入空気流は、粉砕用の圧縮空気24、二次空気流25である。その他の流入気流としては、例えば、原料供給口15からの入気、回転体の摺動部のシールエア(分級ローター2の回転軸受けのシールエア、分級ローター2と回転部の隙間のシールエア等)などがある。
系内からの主な排気流は、微粉を粉砕分級機の系外へ搬送する気流26である。尚、気流26は、分級ローターの表面近傍を通過する気流(粗粉の搬送気流)22と実質的に同じ気流である。
系内の循環気流としては、循環する被処理物の搬送気流21、分級ローター2の表面近傍を通過する気流22、粗粉を粉砕部へ誘引する気流27がある。尚、分級ローターを通過する気流23および気流26は、微粉を粉砕分級機の系外へ搬送する気流26の後段に設置された不図示のブロア等の気流吸引装置によって吸引される。
2.第2の実施形態
図2に、本発明に係る粉砕分級機の他の実施形態(第2の実施形態)を示す。尚、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
分級精度を更に向上させるために、分級ローター2の上部に、分散ローターを備えることも好ましい。そこで、本実施形態の粉砕分級機は、分散室3の後段であって、分級ローター2の上部に、複数の羽根で構成される分散ローター12を備えることを特徴としている。尚、分散ローター12は、分散室3に引き続き設置されるか、分散室3内に設置することが好ましい。
本実施形態の粉砕分級機によれば、分散室3で分散された被処理物は、分散ローター12の内部をへて、分散ローター12の回転によって更に分散をさらに促進してから、分級ローター2へ供給される。
図3に分散ローター12の分散羽根環の断面図を、図4に分散ローター12の周辺構造の概略構成図を示す。
分散ローター12の羽根構造は、回転方向が水平(回転軸が垂直)に設置され、貫通口19を有する頂壁20aと、この頂壁20aに対して垂直下方に間隔をおいて対向配置された底壁20bと、頂壁20と底壁20bとの間に配置された分散羽根環とからなる。
分散ローター12は、分級ローター2の頂壁18に固定して設置し、駆動軸16を介して分級ローター2と同じ回転数で回転するように構成されている。
循環する原料の再供給口8は、分散ローター12の貫通口19の直径と同じかそれ以下に構成される。また、再供給口8は、貫通口19を経て分散ローターの内部へやや進入するように設置されることがさらに好ましい。尚、分級部の上部ケーシング17と分散ローター12の底壁20bとの間には、微小な間隙が形成されている。
また、供給される原料の粒度域によっては、新規の原料供給部(原料供給口15a,15b)を、分級ローター2の上流であって粉砕部1の下流に設置することが好ましい。具体的には、原料があらかじめ予備粉砕されており、所望の粒子径未満の粒子群をより多く含む場合には、最初に分級部を通過させておくことで、それら所望の粒子径未満の粒子群をのぞくことができる。これにより、粉砕部1の能力を向上することができ、かつ過剰に粉砕処理された微粒子の発生を抑制することができる。
尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
本発明の粉砕分級機を用いて以下のような実験を行った。本実施例においては、スチレンーアクリル共重合体樹脂85重量部とカーボンブラック15重量部との混合物を溶融混練、冷却し、これをハンマーミルで粗粉砕した粉体材料を、本発明に係る粉砕分級機(図1,図2)及び図6および図7に示すような従来構成の粉砕分級機を用いて粉砕を行った。
各粉砕分級機の分級ローターは外径約200mm、高さ約120mm、分級部のケーシング内径約250mmとした。粉砕部1の粉砕用圧縮空気噴出ノズル7と衝突板13、加速管14およびそれらの周辺部品の構成は共通とした。
新規の原料再供給口はいずれも15bとした。尚、図6の装置は、粉砕部1を分級ローター2下部の空間内に設置したのみで、被処理物の循環機構が存在しない。
図7の装置は、再供給口8を分級ローター2の一側面とした。それ以外はレイアウト上都合よい寸法形状とし、特別な制約は設けていない。
分級ローター2の回転数はいずれも5200rpmとし、粉砕に使用する圧縮空気量は8.5m/minとした。原料の供給速度は10kg/hとした。
分級ローター2からの吸引空気量は、装置内の静圧がマイナス1kPaとなるように吸引量を定めたところ約10m/hであった。尚、これらの吸引空気量は、装置隙間や新規の原料供給口15からの誘引空気と分級部を含む装置各部のシールエア量をすべて包含した値を示す。
粉砕の基準としては、5μm未満の過粉砕粒子量、20.2μm以上の粗大粒子量のそれぞれが少なければ少ないほど良いとた。尚、粒子径の計測は、コールターカウンター法による値とし、コールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いた。
以下、図1の装置による粉砕例を実施例1、図2の装置による粉砕例を実施例2、図6の装置による粉砕例を比較例1、図7の装置による粉砕例を比較例2とする。上記条件をまとめたものを表1に示し、実験結果を表2に示す。
Figure 0005589279
Figure 0005589279
表2から明らかなように、本発明に係る粉砕分級機による粉砕例が、粗大粒である20.4μM以上の粒子量、過粉砕粒子である5μM未満の粒子数がより少なく、従来構成に比べてより優れていることがわかった。
実施例1と比較例1との実験結果からは、循環する構成の効果が確認され、また、実施例1と比較例2との実験結果からは、循環する構成とし、さらに、分級ローターの端面に循環する構成によりより粉砕性能を向上させることができることが確認できた。また、実施例1と実施例2との実験結果からは、分散ローターにより分級前の分散機構を適切に構成することで、粉砕性能をさらに向上させることができることが確認できた。
尚、上記効果は、ワンパスで粉砕部と分級部とを循環させる構造が、それぞれの部位における処理の確率を均等にする(滞留時間分布を狭くする)効果があるため、分級効率を向上させることができ、また、同時に分級除去される粒子が再び粉砕作用を受けることを避けることで粉砕効率が向上することの相乗効果によるものであると考察できる。
本実施例により、本発明に係る粉砕分級機が従来の構成の粉砕分級機に比して高い粉砕性能を得られることが確認できた。
本発明に係る粉砕分級機の一例を示す概略構成図である。 本発明に係る粉砕分級機の他の例を示す概略構成図である。 分散ローターの羽根形状の一例を示す図である。 分散ローター周辺構造の一例を示す図である。 粉砕分級機内部の気流を説明するための図である。 比較例1に係る粉砕分級機の概略構成図である。 比較例2に係る粉砕分級機の概略構成図である。
符号の説明
1 衝突板式粉砕部(粉砕部)
2 分級ローター
3 分散室
4 分級ローターの排出口
5 二次空気の導入口
6 粉砕部の導入口
7 粉砕用圧縮空気噴出ノズル
8 被処理物の再供給口
9 分級ローターのモーター
10 微粉排出口
11 循環流路
12 分散ローター
13 衝突板
14 加速管
15a,15b 原料供給口
16 駆動軸
17 分級部の上部ケーシング
18 分級ローター頂壁
19 分散ローター貫通口
20a 分散ローター頂壁
20b 分散ローター底壁
21 循環する被処理物の搬送気流
22 分級ローターの表面近傍を通過する気流(粗粉の搬送気流)
23 分級ローターを通過する気流(微粉の搬送気流)
24 粉砕用の圧縮空気
25 二次空気流
26 微粉を粉砕分級機の系外へ搬送する気流
27 粗粉を粉砕部へ誘引する気流

Claims (6)

  1. 分級ローターを備える分級部および被処理物を粉砕する粉砕部を備え、
    前記被処理物を前記分級部と前記粉砕部を循環させながら微粉を取り除きつつ処理する粉砕分級機において、
    前記分級部の鉛直方向における上方に設置された分散室と、
    該分散室の鉛直方向における下方であって、前記分級ローターの鉛直方向における上方に設置され、複数の羽根で構成された分散ローターと、を備え、
    前記分級ローターの回転軸は、本体設置面に対して垂直であって、循環する前記被処理物の再供給口が前記分級ローターの回転軸方向における上方側に設置され、
    前記被処理物は、前記分散室および前記分散ローターを順に経て前記分級ローターへ供給され、前記再供給口の前記分級ローターを介した反対側から吸引されることを特徴とする粉砕分級機。
  2. 前記分級ローターから吸引する微粉を、前記再供給口の前記分級ローターを介した反対側に設けられた排出口から吸引することを特徴とする請求項1に記載の粉砕分級機。
  3. 前記被処理物を、前記分級ローターの直径よりも小さな分散室を経て前記分級ローター
    の端面から供給することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の粉砕分級機。
  4. 前記粉砕部は、ノズルから噴出する圧縮空気によって加速管に連通した粉砕室に設けた衝突板に粉体を衝突させて粉砕することを特徴とする請求項から1から3までのいずれかに記載の粉砕分級機。
  5. 前記分級ローターの側面から二次空気を導入する二次空気導入部を設けることを特徴とする請求項から1からまでのいずれかに記載の粉砕分級機。
  6. 新規の原料供給部を、前記分級部の上流であって、前記粉砕部の下流に設けることを特徴とする請求項から1からまでのいずれかに記載の粉砕分級機。
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