JP5586894B2 - 外熱式回転炉およびその炉心管 - Google Patents

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Description

本発明は、外熱式回転炉に用いられる炉心管と、その炉心管を用いた外熱式回転炉に関し、特に、加熱対象物である粉体、粒体等への金属混入(コンタミネーション)の抑止に有効なものに関する。
金属、セラミックスなどの熱処理には、加熱炉が用いられる。特に、粉体、粒体等を熱処理する場合、焼きムラなどを生じさせないために、炉心管を回転させて内部の加熱対象物を攪拌しつつ外部から加熱する外熱式回転炉(外熱式ロータリーキルン)が用いられる。
ところで、従来の炉心管には、金属製(鉄鋼製)の筒体が多く用いられてきた。金属製の筒体を用いれば、製作サイズや加熱方式の選択自由度が大きいのみならず、加熱対象物の攪拌を促す掻揚羽根(リフター)の設計自由度も大きくなる。さらに、金属製の筒体であれば、それをハンマーなどでノッキングして直接衝撃を加えること(いわゆるノッカーを設けること)によって、筒体の内周面に付着した(焼き付いた)加熱対象物を振るい落とすこともできる。また、筒体内に配設するリフターも金属製であれば、下記の特許文献にあるような複雑な形状を採用し易い。
特開2009−103345号公報
しかし、加熱対象物への金属の混入(コンタミネーション)が厳しく制限される場合や加熱中の加熱対象物から金属腐食ガス等が発生する場合さらには、例えば1000℃を超えるような高温で加熱する場合などには、金属製の炉心管を用いるのは好ましくない。従来、そのような加熱対象物は、セラミックスなどの耐火性容器(匣鉢)内に詰められ、その容器をトンネルキルン等で加熱することにより、熱処理がなされていた。もっとも、このような方法で熱処理を行うと、匣鉢の内壁面付近とその中央部との間、さらには、被熱処理物の表面部分とその中心部分との間で、温度差を生じ易くなり、加熱対象物を均一に熱処理することが困難となる。特に、匣鉢内へ加熱対象物を多く充填する程、その傾向が強くなる。
そこで、セラミックスなどからなる筒体を用いたロータリーキルンによって、上記のような加熱対象物を熱処理することが考えられる。しかし、その筒体が単なる筒状では、粒状または粉末状の加熱対象物がその筒体の内周面を滑るのみで、加熱対象物を十分に攪拌することができない。また、筒体がセラミックスなどからなる場合、金属製の場合とは異なり、その内周面に従来のような掻揚羽根を形成することも困難である。また筒体の形状を楕円形状としても、掻揚羽根がある場合に比べて攪拌性が劣ることに変わりない。
さらに、セラミックスなどからなる筒体は、耐衝撃性や靱性が低いため、ノッカーなどによってその筒体へ強い衝撃を加えることができない。このため非金属製の筒体では、加熱対象物の攪拌が困難であるのみならず、その内周面に付着した加熱対象物の振るい落とし(剥落)も困難とある。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、筒体を非金属製としつつも、加熱中の加熱対象物の攪拌や筒体内周面に付着した加熱対象物の剥落を確保できる炉心管と、その炉心管を用いた外熱式回転炉を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、非金属材からなる筒体中へ、非金属材からなる攪拌プレートを配設して炉心管を構成することを思いつき、この発想を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《炉心管》
(1)本発明の外熱式回転炉用の炉心管は、回転しつつ外部から加熱され得る筒状の筒体と、該筒体内に配設され該筒体の回転に追動して該筒体に導入された加熱対象物を少なくとも攪拌し得る攪拌体と、を備える外熱式回転炉用の炉心管であって、
前記筒体は、セラミックス、ガラスまたはカーボンのいずれかである非金属材からなると共に内周面から突出した係合突部を有し、前記攪拌体は、セラミックス、ガラスまたはカーボンのいずれかである非金属材からなると共に該係合突部に端部が係合して挙上されることにより該筒体内で該筒体に対して旋回動する板状の攪拌プレートであり、前記筒体は、前記係合突部とは別に、該攪拌プレートが自由に旋回し得る旋回量を規制する規制突部をさらに有することを特徴とする。
(2)本発明の外熱式回転炉用の炉心管によれば、筒体および攪拌プレートが非金属材からなるので、加熱対象物がどのような材質のものであれ、加熱中に炉心管から加熱対象物へ金属が混入することが防止される。
そして、外熱式回転炉の稼働により炉心管が回転すると、筒体内へ配設された攪拌プレートは、筒体の内周面から突出した係合突部によって端部が係合されて挙上する。このように、攪拌プレートが係合突部を介して筒体へ追動することにより、筒体内の加熱対象物は攪拌プレートにより攪拌されることになる。
もっとも、攪拌プレートは筒体に固定されていないので、規制を設けない限り、攪拌プレートの筒体への追動は、筒体の周方向の所定範囲内に限られる。つまり、攪拌プレートは、ある領域を超えると、筒体から独立して自ら旋回動を行う。具体的には、攪拌プレートの一端部に係合した筒体の係合突部が最上(頂上)付近を過ぎると、攪拌プレートはその自重により筒体の係合突部を離れて、筒体の回転方向へ自由落下的に旋回動を開始する。通常、このとき、攪拌プレートは筒体の回転よりも早く動くので、その際、攪拌プレートの周囲にあった加熱対象物も、より大きく攪拌されることになる。本発明の攪拌プレートは、このような動作をすることにより、従来の掻揚羽根等よりも優れた攪拌性を発揮し得る。
また、上記のように係合突部を離れて自ら旋回動を開始した攪拌プレートは、その旋回動が収束するまでの間、少なくとも一方の端部を筒体の内周面に接触させて摺動さらには揺動する。これにより、筒体の内周面に付着していた加熱対象物は、その内周面に摺接する攪拌プレートの端部によって削ぎ落とされる。
さらに、攪拌プレートが係合突部を離れて自ら旋回動を開始した場合、その係合突部を離れた攪拌プレートの端部は、筒体の内周面に衝突する。この衝突は穏やかではあるが、攪拌プレートの急激な速度変化を伴うので、筒体の内周面には衝撃が加えられる。この衝撃が従前のノッカーに類似した作用を果たし、筒体の内周面や攪拌プレートの表面等に付着していた加熱対象物の剥落に寄与する。
このように本発明の攪拌プレートは、掻揚げ等による加熱対象物の攪拌、筒体の内周面に対する摺動による付着した加熱対象物の削落し、さらには筒体への衝撃付与による筒体の内周面や攪拌プレートの表面等に付着した加熱対象物の剥落などの複数の作用効果を相乗的に発揮し得る。
しかも、本発明に係る筒体および攪拌プレートは、その形状が比較的簡素であるため、非金属材を用いた場合でも製造が容易である。これにより、炉心管さらには外熱式回転炉の低コスト化を図れる。
《外熱式回転炉》
(1)本発明は、上述した炉心管としてのみならず、それを用いた外熱式回転炉としても把握される。つまり、本発明は、上述した炉心管と、この炉心管を外部から加熱する外部加熱手段と、を備えることを特徴とする外熱式回転炉としても把握される。
(2)本発明の外熱式回転炉を用いれば、どのような種類の加熱対象物に対しても金属コンタミネーションなどを伴うことなく、加熱対象物を筒体へ多く充填等した場合であっても、均質的で効率的な熱処理が可能となる。また、上述したように、筒体および攪拌プレートの形状が比較的簡素であるので、外熱式回転炉の価格上昇を抑制できる。
《その他》
本明細書でいう加熱対象物は、代表的には金属コンタミネーションが厳しく制限される金属化合物などであるが、当然、それ以外の加熱対象物に対しても利用できる。従って、本明細書でいう加熱対象物の種類は問わない。
本発明の一実施例である外熱式ロータリーキルンの全体斜視図である。 その外熱式ロータリーキルンの縦断面図である。 その外熱式ロータリーキルンの構成部材を示す透視斜視図である。 その外熱式ロータリーキルンの筒体および攪拌プレートに関する部分断面図である。
R 外熱式ロータリーキルン(外熱式回転炉用)
2 炉心管
20 筒体
201〜208 突起
211〜214 攪拌プレート
6 加熱装置(外部加熱手段)
実施形態を挙げて本発明をより詳しく説明する。なお、以下の実施形態を含め、本明細書で説明する内容中から任意に抽出した一つまたは二つ以上の構成を、上述した本発明の構成に付加し得る。また、本明細書で説明する内容は、本発明に係る炉心管のみならず、それを用いた外熱式回転炉にも適宜適用される。さらにいずれの実施形態が最良であるか否かは対象、要求性能等によって異なる。
《材質》
本発明の筒体および攪拌プレートはいずれも、非金属材からなる。筒体と攪拌プレートとは、同じ材質でもよいし異なる材質でもよい。この非金属材には、外熱式回転炉の性質上、耐熱性が要求される。もっとも、その要求される程度(耐熱温度など)は、加熱対象物の種類、外熱式回転炉の仕様などによって異なる。
非金属材(原料)は、例えば、セラミックス、ガラス、カーボンなどがある。セラミックスには、金属などの酸化物、窒化物、炭化物、硼化物、珪化物等があり、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)などが代表的である。ガラスには種々あるが、耐熱性を有するケイ酸塩ガラス、石英ガラスなどが代表的である。また非金属材をカーボンとした場合、通常、筒体や攪拌プレートは炭素成形材からなる。
《筒体および攪拌プレート》
(1)筒体は、その断面形状を問わない。もっとも、筒体が円筒状であると、非金属材による成形または製造が容易であり好ましい。
(2)筒体の内周面に設ける係合突部は、攪拌プレートの端部を係合させて所定範囲内で攪拌プレートを追動させ得るものであれば足る。係合突部の外形状は問わないが、滑らかな曲面状であると攪拌プレートの係合や離間がスムーズになされ、非金属材による筒体との一体成形も容易である。例えば、係合突部の断面は、略円弧状であるとよい。
係合突部は、その大きさを問わず、攪拌プレートの端部が係合する程度であれば足る。もっとも、係合突部が過大になると、非金属材による筒体との一体成形が困難になり、また、クラックや割れ等も生じ易くなる。係合突部は、筒体の軸方向に必ずしも連続している必要はないが、連続していれば筒体と一体成形し易い。さらに係合突部は、少なくとも筒体の内周面に1箇所または1条あればよい。もっとも、攪拌プレートをその両端部で係合、支持するように、筒体の内周面に対向した1対(または1対毎)として設けられると、攪拌プレートをより安定的に支持し得る。
なお、ここで係合突部に関して説明した内容は、後述の規制突部についても同様に当てはまる。
(3)本発明の炉心管では、筒体内に少なくとも攪拌プレートが1枚配設されていれば足る。もっとも、筒体の軸方向に複数の攪拌プレートを分割的に配設すれば、一つの攪拌プレートのサイズを比較的小さくでき、攪拌プレートの製造が容易となり、攪拌プレートのコスト低減も図れる。
さらに、攪拌プレートの筒体周方向の配置は、筒体の軸方向に関して同じ位相(筒体の周方向の位置)でもよいが、その軸方向に沿って、攪拌プレートの位相を変化させると好ましい。これにより、ある攪拌プレートから別の攪拌プレートへ加熱対象物が移行する際に、加熱対象物の攪拌性や搬送性を高めることができる。また、攪拌プレートの配置を調整することにより、その攪拌性や搬送性を制御し易くなる。
ところで、位相を変えて攪拌プレートを配置する場合、攪拌プレートの枚数に応じて、位相の異なる位置に係合突部を設ける必要がある。そこで本発明では、筒体の係合突部が筒体の周方向の異なる位置から突出した少なくとも第1係合突部と第2係合突部とからなる場合、攪拌プレートが該筒体の軸方向の異なる位置に配設され、少なくとも該第1係合突部に係合し得る第1攪拌プレートと第2係合突部に係合し得る第2攪拌プレートとからなると好適である。勿論、攪拌プレートおよび係合突部の数は、3つ以上でもよい。
(4)筒体の係合突部は、攪拌プレートの端部の一方側に当接または係合し得るだけである。このため、筒体が回転すると、ある位置で、攪拌プレートの端部は係合突部から離間し、攪拌プレートは自重により(自由落下的に)旋回動をする。この旋回動を所定範囲に収めれば、攪拌プレートの挙動を制御でき、安定して加熱対象物の攪拌、削落とし、剥落等を行えるようになる。
また、自由落下的に旋回動する攪拌プレートが筒体に与える衝撃を調整でき、これにより攪拌プレートや筒体(係合突部を含む)に生じるクラックや割れなどを抑止できる。従って本発明の筒体は、さらに、攪拌プレートが自由に旋回し得る旋回量を規制する規制突部を有すると好適である。
前述したように、この規制突部は係合突部と同様に、形状、大きさ、数等が限定されるものではない。もっとも、一つの突部が、係合突部と規制突部との両機能を発揮すると好都合である。例えば、第1攪拌プレートが第1係合突部に係合し、第2攪拌プレートが第2係合突部に係合する場合、第1攪拌プレートにとって第2係合突部は規制突部となり得るし、また、第2攪拌プレートにとって第1係合突部が規制突部となり得る。
このように、一つの突部が両機能を果たす場合、筒体の回転方向側が係合突部となり、その反対面側が規制部となる。これらのことは、攪拌プレートおよび対応する係合突部が3セット以上ある場合でも同様である。
《外熱式回転炉》
本発明の外熱式回転炉は、上述した炉心管と、その外部から加熱する外部加熱手段とからなる。外部加熱手段の種類は問わないが、筒体が非金属材からなるので、電熱ヒータなどが好ましい。この他、加熱対象物を連続的に効率よく熱処理するために、適宜、加熱対象物を供給するホッパーやフィーダー、熱処理後の加熱対象物を一時貯留するフードなどを備えるとよい。
実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
《外熱式回転炉》
(1)本発明の外熱式回転炉に係る一実施例である外熱式ロータリーキルンRの概要を図1〜図3に示した。なお、説明に用いる方向は図上に示した。
外熱式ロータリーキルンRは、炉心管2と、スクリューフィーダー3と、上流側フード4と、ホッパー5と、加熱装置6(外部加熱手段に相当)と、下流側フード7と、架台9とから主になる。
炉心管2は、セラミックス(非金属材)からなり前後方向に延在する直管状の筒体20(図3では透過して示す。)と、筒体20の内部軸方向に沿って順次配設された攪拌プレート21(211〜214)と、筒体20の前後端付近の外周面に周設されたタイヤ22およびタイヤ23と、タイヤ22の前方近傍に設けられ筒体20へ回転力を伝達するスプロケット24とからなる。なお、攪拌プレート21も筒体20と同じセラミックス(非金属材)からなる。
スクリューフィーダー3は、前後方向に延びる供給パイプ30(図3では透過して示す。)と、シャフト31と、シャフト31へ回転力を伝達するスプロケット311と、スクリュー32とからなる。供給パイプ30の前端は炉心管2の筒体20内部に開放されており、その後端は封止板300により封止されている。
上流側フード4は、中空底を有する短い円筒状をしている。その前部開口部40に炉心管2の筒体20の後端部が収容され、その後部開孔部41には供給パイプ30が嵌挿される。なお、前部開口部40の内縁と筒体20外周面との間には摺動シール部材(図略)が介装され、機密性を保持しつつ筒体20の回転が可能となっている。
ホッパー5は、ほぼ逆円筒錐状をした容体であり、フランジ部301を介して供給パイプ30の内部に接続されている。これによりホッパー5の内部に貯留した加熱対象物Hが順次スクリューフィーダー3へ供給される。
加熱装置6は、略直方体状のハウジング60と、ハウジング60の内面を層状に覆う断熱材61と、電熱式の加熱コイル62からなる。この加熱装置6を炉心管2の筒体20が前後方向に貫通している。
下流側フード7は、ほぼ逆四角錐状をした容体である。その後部開口部70に炉心管2の筒体20の前端部が収容される。この後部開口部70内縁と筒体20外周面との間にも摺動シール部材(図略)が介装され、機密性を保持しつつ筒体20の回転が可能となっている。なお、下流側フード7の下方に連設したロータリーバルブ71、72によって、熱処理後の加熱対象物Hの流出量が調整される。
架台9は、筒体20の両端近傍に配設されたタイヤ22およびタイヤ23を支持するローラー90およびローラー91と、スクリューフィーダー3のシャフト31の後端近傍を支持する軸受部92と、工場の床に固定された土台フレーム93と、土台フレーム93上に配設した基台フレーム94と、土台フレーム93に対して基台フレーム94を枢軸95まわりに傾斜させ得る傾斜角度調節部96とからなる。なお、この傾斜角度調節部96により炉心管2に水平方向からの傾斜が付与され、炉心管2の内部に導入された加熱対象物H(粉末または粒子状の金属化合物など)は筒体20の後方から前方にかけて流動、搬送させる。
(2)上述した実施例に、さらに、炉心管の筒体内の雰囲気制御を行える雰囲気制御装置を加えてもよい。この制御雰囲気は、真空雰囲気または不活性ガス(窒素やアルゴンなど)雰囲気などである。例えば真空雰囲気の場合であれば、筒体に通ずる位置の設けた排気弁と、それに連なる真空ポンプなどから雰囲気制御装置が構成される。不活性ガス雰囲気の場合であれば、筒体に通ずる位置の設けた供給弁および排気弁と、供給弁に連なるガス供給源などから雰囲気制御装置が構成される。
《炉心管》
(1)次に本実施例に係る炉心管2について詳述する。
炉心管2は、前述した図3の分解斜視図からも分かるように、筒体20内に4枚の攪拌プレート211〜214が配設されてなる。その様子を示す一例として、攪拌プレート211が配設されている位置における筒体20の断面図を図4に示す。
図3および図4からも分かるように、筒体20の内周面には、軸方向に延びる8条の突起201〜208が形成されている。これら突起201〜208は、断面が略半円状であり、筒体20の周方向に等間隔(45°の位相間隔)で配設されている。なお、突起201〜208もセラミックスからなり、筒体20の外周殻と一体的に成形および焼成されたものである。
攪拌プレート211〜214は、突起201〜208の中の隣接突起により形成された区画内に順次配設される。例えば、攪拌プレート211は、隣接する突起201と突起202の間および突起205と突起206の間に配設される。同様に、攪拌プレート212は隣接する突起202と突起203の間および突起206と突起207の間に、攪拌プレート211は隣接する突起203と突起204の間および突起207と突起208の間に、攪拌プレート211は隣接する突起204と突起205の間および突起208と突起201の間にそれぞれ配設される。
(2)この炉心管2がスプロケット24を介して、図3および図4に示す方向に回転すると、攪拌プレート211〜214は、それぞれの端部が前述した突起201〜208のいずれかにより区画された規制区間内で旋回動または揺動する。この具体的な様子を、一例として選んだ攪拌プレート211に着目して以下に説明する。
攪拌プレート211は、突起201および突起205に係合し得るので、筒体20が回転して図4に示す位置(図4に実線で示した攪拌プレート211の位置)に至るまでの間、筒体20と共に回転(追動)する。その頂上付近の位置(以下「トップ位相位置」という。)を超えて筒体20がさらに回転すると、攪拌プレート211の端部211aおよび端部211bがそれぞれ突起201および突起205を離脱して、筒体20とは独立して自ら旋回動を始める。具体的には、攪拌プレート211は、突起205の近傍にある端部211b付近を瞬間中心として、重心位置の高い端部211aが自然に倒れるような回動運動をする。
もっとも、攪拌プレート211の回動は、端部211aが突起201の回転方向側に隣接する突起202に当接するか、または、端部211bが突起205の回転方向側に隣接する突起206に当接して規制される位置(図4に波線で示した攪拌プレート211の位置)までである。
以上のことから、攪拌プレート211を例にとると、筒体20が図3および図4に示す方向に回転するとき、突起201および突起205が本発明でいう係合突部に、突起202および突起206が本発明でいう規制突部に相当することになる。勿論、攪拌プレート211から観ると規制突部であっても、筒体20の軸方向に延びる突起202および突起206は、攪拌プレート212から観れば係合突部に該当する。同様に、攪拌プレート211から観ると係合突部であっても、筒体20の軸方向に延びる突起201および突起205は、攪拌プレート214から観れば規制突部に該当する。そして、例えば、攪拌プレート211を本発明でいう第1攪拌プレートとし、攪拌プレート212を第2攪拌プレートとすれば、一対の突起201および突起205が第1係合突部に、一対の突起202および突起206が第2係合突部に相当することになる。
ここでは攪拌プレート211を中心に説明したが、上述の事情は位相が45°づつ異なる他の攪拌プレート212〜214についても同様に該当する。
(3)このように本実施例では、筒体20内に4枚の攪拌プレート211〜214が突起201〜208を介して異なる位相に配設されている。
これにより、炉心管2の筒体20の回転と共に、その内部に導入された加熱対象物Hは攪拌プレート211〜214により攪拌されつつ入口から出口に向けて搬送されていく。
ここで攪拌プレート211〜214はいずれも、その幅(筒体20の半径方向の長さ)が筒体20の内径より僅かに小さいだけである。このため、攪拌プレート211〜214は、突起201〜208により区画された可動範囲内で、それらの端部211a〜214aまたは端部211b〜214bを筒体20の内周壁面に摺接させつつ移動する。この際に、攪拌プレート211〜214の端部211a〜214aまたは端部211b〜214bは、筒体20の内周壁面に付着した加熱対象物Hを削ぎ落とす作用を果たす。
さらに、攪拌プレート211〜214の各端部211a〜214aまたは各端部211b〜214bが突起201〜208に当接(衝突)する際、筒体20へ衝撃が与えられ、筒体20や攪拌プレート211〜214は微振動する。この振動が、筒体20の内周壁面や攪拌プレート211〜214の表面に付着した加熱対象物Hの剥落に寄与する。特に本実施例の場合、筒体20が1回転する間に8回の衝撃、振動が筒体20へ加えられる。このため、各攪拌プレートの端部が各突起に衝突する一回あたりの衝撃(振動)自体がさほど大きくないとしても、筒体20へは断続的に繰り返し小刻みな振動が加えられることになり、従来のノッカーを用いた場合と同様に、筒体20の内周面に付着した加熱対象物Hを十分に剥落させることが可能となる。

Claims (6)

  1. 回転しつつ外部から加熱され得る筒状の筒体と、
    該筒体内に配設され該筒体の回転に追動して該筒体に導入された加熱対象物を少なくとも攪拌し得る攪拌体と、を備える外熱式回転炉用の炉心管であって、
    前記筒体は、セラミックス、ガラスまたはカーボンのいずれかである非金属材からなると共に内周面から突出した係合突部を有し、
    前記攪拌体は、セラミックス、ガラスまたはカーボンのいずれかである非金属材からなると共に該係合突部に端部が係合して挙上されることにより該筒体内で該筒体に対して旋回動する板状の攪拌プレートであり、
    前記筒体は、前記係合突部とは別に、該攪拌プレートが自由に旋回し得る旋回量を規制する規制突部をさらに有することを特徴とする外熱式回転炉用の炉心管。
  2. 前記筒体の係合突部は、前記筒体の周方向の異なる位置から突出した少なくとも第1係合突部と第2係合突部とからなり、
    前記攪拌プレートは、少なくとも、該第1係合突部に係合し得る第1攪拌プレートと、該第1攪拌プレートに対して該筒体の軸方向の異なる位置に配設され該第2係合突部に係合し得る第2攪拌プレートとからなる請求項1に記載の外熱式回転炉用の炉心管。
  3. 前記係合突部は、前記攪拌プレートの両端部にそれぞれ係合し得る一対からなる請求項1に記載の外熱式回転炉用の炉心管。
  4. 前記規制突部は、前記第1攪拌プレートにとって軸方向に延びる前記第2係合突部または前記第2攪拌プレートにとって軸方向に延びる前記第1係合突部である請求項2に記載の外熱式回転炉用の炉心管。
  5. 前記非金属材は、セラミックス材料である請求項1〜4のいずれかに記載の外熱式回転炉用の炉心管。
  6. 請求項1〜5に記載の炉心管と、
    該炉心管を外部から加熱する外部加熱手段と、
    を備えることを特徴とする外熱式回転炉。
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