JP5586552B2 - 電子写真用現像剤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、電子写真用現像剤製造方法に関する。
紙等の記録媒体上に形成した画像の色を消去し、記録媒体を再利用する方法は、記録媒体の使用量削減による環境保護や、経済性の観点から、非常に有効である。
消去可能な色材としては、呈色性化合物及び顕色剤を含有し、加熱することにより消去可能な色材が知られている。このような消去可能な色材の製法としては、従来から用いられている混練粉砕法の他に、近年ではケミカル製法が用いられている。
ケミカル製法においては、消去可能な色材を樹脂微粒子とともに凝集させ、加熱融着することにより色材粒子が作られる。しかしながら、樹脂粒子と色材の化学的親和性が異なるため、均一な凝集体を作成するのが難しいだけでなく、凝集体を加熱・融着させる際に、樹脂のみで凝集が進んで色材を弾き出しやすい傾向が見られ、樹脂中に均一に色材が分散されたトナーを得ることが困難であった。
特開2010−191430公報
このような分散不良のトナーを用いると、画像形成装置内で、キャリアや現像器部材などの汚染等を起こし、画像不良が生じる、また、現像剤のライフが短くなる等の問題が発生する。さらに分離した色材がトナーの表面に出ることにより、より低い定着温度で画像が消えてしまう問題が発生し、定着可能な温度領域がせまくなり、定着器の制御が難しくなるという問題があった。
本発明は、上記の問題に鑑みて、色材と樹脂粒子が均一に分散した消色可能な現像剤の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の実施形態の電子写真用現像剤の製造方法は、少なくともバインダー樹脂を含有する第1の微粒子と、呈色性化合物、顕色剤、及び消色剤を含有し、バインダー樹脂と溶融混練することによりマスターバッチ処理がされ、予備分散される第2の微粒子とを含有する分散液中で、前記第1および第2の微粒子を凝集させ、凝集粒子を形成することを含む
本実施形態に係る現像剤の製造方法の一例を表すフローである。 図1に示す現像剤の製造方法のモデル図である。 現像剤の変形例を示すモデル図である。 本実施形態に用いられる高圧型湿式微粒化機の概略図である。 本実施形態に係る現像剤を適用可能な画像形成装置の概略構成図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明の実施態様に係る現像剤の製造方法では、少なくともバインダー樹脂を含有する第1の微粒子と、呈色性化合物、顕色剤、及び消色剤を含有し、マスターバッチ処理を施した第2の微粒子を別々に調整する。マスターバッチ処理により、第2の微粒子を予備分散させる。次に、第1および第2の微粒子を含む分散液を凝集させ、凝集粒子を形成する。その後、例えば凝集粒子を加温して融着させ、得られた融着粒子を洗浄、乾燥することによりトナー粒子を形成することができる。
図1に本発明の実施の一形態に係る現像剤の製造方法を表すフローを示す。
例えば、少なくともバインダー樹脂を含有する樹脂粒子の分散液を機械的せん断に供し、この樹脂粒子を微粒化して、樹脂粒子の粒径よりも小さい粒径を有する微粒子にすることにより、第1の微粒子を形成することができる(ACT 1)。
呈色性化合物、顕色剤、及び消色剤を含有するコア成分を、このコア成分をシェル成分でカプセル化することにより第2の微粒子(色材)を形成する(ACT 2)。
呈色性化合物としては、例えば消色温度以上の温度に加熱されると消色し、復色温度以下の温度に冷却されると発色するロイコ染料を代表的な材料として用いることが出来る。
カプセル化の方法は、界面重合法、コアセルベーション法、in situ重合法、液中乾燥法、液中硬化被膜法等がある。
特に、メラミン樹脂をシェル成分として使用するin situ重合法、ウレタン樹脂をシェル成分として使用する界面重合法等が良い。
in situ重合法の場合、まず、上述した呈色性化合物、顕色剤、及び消色剤を溶解混合し、水溶性高分子または界面活性剤水溶液中に乳化させる。その後、メラミンホルマリンプレポリマー水溶液を添加し、加熱し重合することによりカプセル化することができる。
界面重合法の場合は、上記3成分と多価のイソシアネートプレポリマーを溶解混合し、水溶性高分子または界面活性剤水溶液中に乳化させる。その後、ジアミンまたはジオール等の多価塩基を添加し、加熱重合することによりカプセル化することができる。
次に、シェル成分でカプセル化した第2の微粒子に対してマスターバッチ処理を施す(Act 3)。本実施の形態では、マスターバッチ処理は、カプセル化した第2の微粒子とバインダー樹脂を溶融混練することにより第2の微粒子を予備分散させてマスターバッチを形成することである。
マスターバッチの作成方法の例として、カプセル化した第2の微粒子とバインダー樹脂を混合し、3本ロールにて消色温度よりも低い温度にて溶融混練する方法が挙げられる。溶融混練は、その他、2本ロール、加圧ニーダ、2軸押出し機、ニーデックス、バンバリーミキサーのような混練機を用いて行うこともできる。
マスターバッチの作成の際に用いるバインダー樹脂としては、特に種類を制限されるものではないが、低温度で第2の微粒子と混合・混練することが可能で、第1の微粒子および第2の微粒子の両方に親和性が高い材料を選ぶのが好ましい。また、定着温度よりも低い融点を持つものが好ましい。
バインダー樹脂の好ましく使用できる材料の例としては、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、パラフィンワックス、エステルワックスなどが挙げられる。
次に、Act1で得られた第1の微粒子、カプセル化し、マスターバッチ処理を行った第2の微粒子、及び水系媒体を含む分散液を調製する(Act 4)。
第1及び第2の微粒子を凝集する(Act 5)。
凝集粒子をさらに加熱融着する(Act 6)。
加熱融着は、例えば40℃から95℃の温度範囲で行うことができる。この温度範囲で融着できるよう、バインダー樹脂及び離形剤等を選択することができる。
融着された粒子のロイコ染料の発色温度を確認し(Act 7)、ロイコ染料が発色していない場合(Act 7のNo)に、さらに、復色温度まで冷却する(Act 8)。他方、ロイコ染料が発色している場合(Act 7のYes)には、Act 9に進む。
得られた融着粒子を洗浄(Act 9)、乾燥(Act 10)することによりトナー粒子を得ることができる。Act 9での洗浄装置としては、例えば、遠心分離装置やフィルタープレスなどが用いられる。洗浄液としては、例えば水、イオン交換水、精製水、酸性に調整された水や塩基性に調整された水などが使用される。Act 10での乾燥装置としては、例えば真空乾燥機や気流式乾燥機、流動乾燥機などが用いられる。
上記のような本実施形態の現像剤の製造方法によれば、色材である第2の微粒子をマスターバッチ処理して使用することにより、樹脂粒子である第1の微粒子と親和性が増す。それにより分散性を上げることができ、第1の微粒子と第2の微粒子が均一に分散した、良質で消色性能も良好なトナーを得ることができる。
さらに、色材である第2の微粒子の表面をマスターバッチ処理でくるむことにより熱の伝導が抑えられ、画像形成装置の熱定着の際にトナーが消色する温度を上げることができ、結果的に消去特性を損なうことなく定着可能温度を広くすることができる。
また、呈色性化合物、顕色剤、及び消色剤を含有するコア成分をシェル成分でカプセル化することにより、より迅速な消色が可能となる。
図2は、本実施形態に係る現像剤の製造方法の一例の一部を示すモデル図である。図中、図1と同じ符号Act 3〜10は、同じ工程を示すものとする。
図示するように、ロイコ染料等の呈色性化合物111、顕色剤112、及び消色剤成分113を含むコア材料がシェル材114によりカプセル化された第2の微粒子102と、バインダー樹脂である任意成分のワックス粒子103を混合し、マスターバッチ処理を施す(Act 3)。
次に、バインダー樹脂を含有した第1の微粒子101と、マスターバッチ処理した第2の微粒子102を水系媒体に分散させる(Act 4)。
次に、第1の微粒子101とマスターバッチ処理をした第2の微粒子102を水系媒体中で凝集させる(Act 5)。
得られた凝集粒子を、加熱融着させ、トナー粒子104を得る(Act 6)。
このトナー粒子104では、呈色性化合物111、顕色剤112が結合して発色している。消色する際には、例えば、顕色剤112と消色成分113を結合させて、呈色性化合物111と顕色剤112の結合を阻害することができる。
Act 6にて得られたトナー粒子104は、図1のAct 7〜Act 10が行われる。
図3に、本実施形態の現像剤に用いられるトナー粒子の他の一例を表すモデル図を示す。
このトナー粒子104’は、消色剤成分113の代わりに消色作用を有する媒体115を含む第2の微粒子102’を含有すること以外は、図2に示すトナー粒子104と同様の構成である。
呈色性化合物の一例として挙げたロイコ染料および顕色剤および消色剤を以下に説明する。
ロイコ染料とは、顕色剤により発色することが可能な電子供与性の化合物である。例えば、ジフェニルメタンフタリド類、フェニルインドリルアザフタリド類、フルオラン類、スチリノキノリン類、ジアザローダミンラクトン類が挙げられる。
具体的には、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−〔2−エトキシ−4−(N−エチルアニリノ)フェニル〕−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−
4−アザフタリド、3,6−ジフェニルアミノフルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、2−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、2−N,N−ジベンジルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(3−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−メチルアニリノ)−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、1,3
−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−キシリジノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−(3−メトキシ−4−ドデコキシスチリル)キノリン、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミ
ジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジエチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾ
フラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(N−エチル−N−i−アミルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−フェニル、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロ
フタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド等である。さらに、ピリジン系、キナゾリン系、ビスキナゾリン系化合物等を挙げることができる。これらは、2種以上混合して使用しても良い。
顕色剤は、ロイコ染料にプロトンを与える電子受容性化合物である。例えば、フェノール類、フェノール金属塩類、カルボン酸金属塩類、芳香族カルボン酸及び炭素数2〜5の脂肪族カルボン酸、ベンゾフェノン類、スルホン酸塩、リン酸類、リン酸金属塩類、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステル金属塩類、亜リン酸類、亜リン酸金属塩類、モノフェノール類、ポリフェノール類、1、2、3−トリアゾール及びその誘導体等があり、さらにその置換基としてもアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエステル又はアミド基、ハロゲン基等を有するもの、及びビス型 トリス型フェノール等、フェノール−アルデヒド縮合樹脂等、さらにそれらの金属塩が挙げられる。これらは、2種以上混合して使用しても良い。
具体的には、フェノール、o−クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、ジヒドロキシ安息香酸またはそのエステル、たとえば2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチル、レゾルシン、没食子酸、没食子酸ドデシル、没食子酸エチル、没食子酸ブチル、没食子酸プロピル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、2,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,6−ジヒドロキシアセトフェノン、3,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,3,4−トリヒドロキシアセトフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4’−ビフェノール、4,4’−ビフェノール、4−[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2,3−ベンゼントリオール、4−[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2,3−ベンゼントリオール、4,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2,3−ベンゼントリオール、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)ビス(ベンゼン−1,2,3−トリオール)]、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)ビス(1,2−ベンゼンジオール)]、4,4’,4’’−エチリデントリスフェノール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビスフェノール、メチレントリス−p−クレゾール等がある。
消色剤は、呈色性化合物、顕色剤、消色剤の3成分系において、熱によりロイコ染料と顕色剤による発色反応を阻害し、無色にすることができるものであれば、公知のものが使用できる。
例えば、消色剤の形態としては、1)ロイコ染料と顕色剤が結合し発色した成分と消色剤成分が、発色および消色作用が少ない又は無い媒体中に分散している形態、2)消色剤成分が、ロイコ染料と顕色剤が結合し発色した成分の媒体として使用される形態がある。
2)の形態として使用する消色剤は、特に、特開昭60−264285、特開2005−1369、特開2008−280523等で公知である消色剤のヒステリシスを利用した発色消色機構が、瞬時消去性において優れている。この発色した3成分系の混合物を、特定の消色温度Th以上に加熱すると、消色化させることができる。さらに、消色した混合物をTh以下の温度に冷却しても消色状態が維持される。さらに温度を下げると特定の復色温度Tc以下においてロイコ染料と顕色剤による発色反応が再度復活し、発色状態に戻るという可逆的な発色消色反応を起こすことが可能である。特に本実施形態で使用する消色剤は、室温をTrとするとTh>Tr>Tcという関係を満たすことが好ましい。
この温度ヒステリシスを引き起こすことが可能な消色剤は、例えばアルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、酸アミド類が挙げられる。
特にエステル類が良い。具体的には、置換芳香族環を含むカルボン酸エステル、無置換芳香族環を含むカルボン酸と脂肪族アルコールのエステル、分子中にシクロヘキシル基を含むカルボン酸エステル、脂肪酸と無置換芳香族アルコール又はフェノールのエステル、脂肪酸と分岐脂肪族アルコールのエステル、ケイ皮酸ジベンジル、ステアリン酸ヘプチル、アジピン酸ジデシル、アジピン酸ジラウリル、アジピン酸ジミリスチル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジステアリル、トリラウリン、トリミリスチン、トリステアリン、ジミリスチン、ジステアリン等が挙げられる。これらは2種以上混合して使用しても良い。
次に、1)の形態として使用する消色剤としては、特開2000−19770等で公知である消色剤が使用できる。コレステロール、スチグマステロール、プレグネノロン、メチルアンドロステンジオール、エストラジオールベンゾエート、エピアンドロステン、ステノロン、β−シトステロール、プレグネノロンアセテート、β−コレスタロール、5,16−プレグナジエン−3β−オール−20−オン、5α−プレグネン−3β−オール−20−オン、5−プレグネン−3β,17−ジオール−20−オン−21−アセテート、5−プレグネン−3β,17−ジオール−20−オン−17−アセテート、5−プレグネン−3β,21−ジオール−20−オン−21−アセテート、5−プレグネン−
3β,17−ジオール ジアセテート、ロコゲニン、チゴゲニン、エスミラゲニン、ヘコゲニン、ジオスゲニン、コール酸、コール酸メチルエステル、コール酸ナトリウム、リトコール酸、リトコール酸メチルエステル、リトコール酸ナトリウム、ヒドロキシコール酸、ヒドロキシコール酸メチルエステル、ヒオデオキシコール酸、ヒオデオキシコール酸メチルエステル、テストステロン、メチルテストステロン、11α−ヒドロキシメチルテストステロン、ヒドロコルチゾン、コレステロールメチルカーボネート、α−コレスタノール、D−グルコース、D−マンノース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ソ
ルボース、L−ラムノース、L−フコース、D−リボデソース、α−D−グルコース=ペンタアセテート、アセトグルコース、ジアセトン−D−グルコース、D−グルクロン酸、D−ガラクツロン酸、D−グルコサミン、D−フルクトサミン、D−イソ糖酸、ビタミンC、エルトルビン酸、トレハロース、サッカロース、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオース、ラフィノース、ゲンチアノース、メレジトース、スタキオース、メチル=α−グルコピラノシド、サリシン、アミグダリン、オイキサンチン酸、シクロドデカノール、ヘキサヒドロサリチル酸、メントール、イソメントール、
ネオメントール、ネオイソメントール、カルボメントール、α−カルボメントール、ピペリトール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、1−p−メンテン−4−オール、イソプレゴール、ジヒドロカルベオール、カルベオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、フロログルシトール、クエルシトール、イノシトール、1,2−シクロドデカンジオール、キナ酸、1,4−テルピン、1,8−テルピン、ピノールヒドラート、ベツリン、ボルネオール、イソボルネオール、アダマンタノール、ノルボルネオール、フェンコール、ショウノウ、1,2:5,6−ジイソプロピリデン−D−マンニトール等が挙げられる。
ロイコ染料、顕色剤、消色剤の混合する割合は、濃度、変色温度、各成分の種類によって異なるが、ロイコ染料1に対して、顕色剤は0.1〜100、好ましくは0.1〜50、より好ましくは0.5〜20、消色剤は1〜800、好ましくは5〜200、より好ましくは5〜100の範囲である。
バインダー樹脂を含む第1の微粒子の分散液を作成する方法は、既知の方法により作成できる。例えば、バインダー樹脂粒子分散液の場合、乳化重合、シード重合、ミニエマルジョン重合、懸濁重合、界面重合、in−situ重合等のモノマーまたは樹脂中間体を重合することによる重合法、バインダー樹脂を、溶剤・アルカリ・界面活性剤を使用するか、または加熱により軟化させ油相を形成し、水を主とした水相を添加することにより粒子を得る転相乳化法、バインダー樹脂を溶剤、または加熱により軟化させ、高圧式微粒化機、ローターステーター型攪拌機等を用い、水系媒体中に機械的に微粒子化する機械的乳化法等がある。離形剤粒子分散液、帯電制御分散液の場合は、これらの材料を、高圧式微粒化機、ローターステーター型攪拌機、メディア式微粒化機等を用い、水系媒体中に機械的に微粒子化する機械的微粒子化法等により得ることができる。
第1の微粒子は、例えば少なくともバインダー樹脂を含有する樹脂粒子の分散液を機械的にせん断に供し、該樹脂粒子を微粒化して、該樹脂粒子の粒径よりも小さい粒径を有する微粒子にすることにより得られる。
機械的せん断の一例として、機械的乳化法の一つである高圧式微粒化機にて作成する方法の具体例を示す。
まず、少なくともバインダー樹脂を含有する、粗く粒状化された粒子を調製する。粗く粒状化された粒子は、例えばバインダー樹脂と離形剤を含有する混合物を溶融混練して粗粉砕する工程により得られる。粗く粒状化された粒子は、好ましくは、0.01mmないし2mmの体積平均粒径を有する。体積平均粒径が0,01mm未満であると、水系媒体中に分散させるために強い攪拌が必要となり、攪拌により発生した泡が混合品の分散を低下させる傾向があり、2mmを超えるとせん断部に設けられたギャップと比較して粒子径が大きいため、せん断部に粒子が詰まったり、混合物の内部と外部での受けたエネルギーの違いにより、組成や粒子径の不均一な粒子が発生したりする傾向がある。
粗く粒状化された粒子は、より好ましくは、0.02mmないし1mmの体積平均粒径を有する。
次に、粗く粒状化された粒子を水系媒体中に分散させ、粗く粒状化された粒子の分散液を形成する。
粗く粒状化された粒子の分散液を形成する工程において、水系媒体に、界面活性剤またはアルカリ性のpH調整剤を添加することができる。
界面活性剤を添加することにより、粒子表面に吸着した界面活性剤の働きにより容易に水系媒体中に分散することができる。トナー成分であるバインダー樹脂や離形剤は親水性が低く、界面活性剤無しで、水中に分散させるのは困難である。
この時の界面活性剤濃度は臨界ミセル濃度以上であることが望ましい。臨界ミセル濃度とは、水中でミセルを形成するのに必要な最低限の界面活性剤濃度を指し、表面張力や電気伝導度の測定により得ることができる。この濃度以上の界面活性剤が含まれていると、さらに分散が容易となる。
一方、アルカリ性のpH調整剤を添加することにより、バインダー樹脂表面の解離性官能基の解離度を増加させたり、極性を高めたりすることにより、自己分散性を向上することができる。
続いて、必要に応じ得られた分散液の脱泡を行う。トナー成分であるバインダー樹脂や離形剤は親水性が低いため、界面活性剤を用いて水中に分散することが可能となるが、混合時には少なからず泡がみを起こしてしまう。この泡が混入した状態で、後工程の高圧微粒化機で微粒化処理を行うと、高圧ポンプのプランジャーで空打ちが生じ、プランジャーの動作が不安定となる。特に脈流をなくすためにプランジャーを複数連装している場合、複数のプランジャーの動きを制御しているため、空打ちが起こると、微粒子化処理ができない場合もある。また、高圧式微粒子化機は逆止弁を有するため、処理液に泡が混入していると、この逆止弁に粒子が付着しやすくなり、逆止弁に詰まりが起きる。逆止弁に詰まりが発生すると、処理液が流れなくなり微粒子化処理が出来なくなる場合もある。
脱泡方法は、真空減圧脱泡、遠心脱泡、消泡剤の添加等がある。泡が除去できれば、どの方法でも良いが、消泡剤を添加する場合は、後工程に影響のないものを選ぶ必要がある。また、トナーに残留して帯電特性等が悪化しないことも重要である。簡易的な方法としては、減圧脱泡が良い。攪拌機を有する耐圧容器内に処理液を投入し、攪拌しながら、真空ポンプにて−0.09MPa程度まで減圧をし、脱泡を行う。
この分散液を形成した後、必要に応じて湿式粉砕をしても良い。粉砕しさらに粒径を小さくすることにより、この後の処理が安定することもある。
本発明に用いられる高圧型湿式微粒化機の一例を図4に示す。
高圧式微粒化機とは、高圧ポンプにより、10〜300MPaの圧力をかけながら、微小なノズルを通過させることにより、せん断をかけ微粒子化する装置である。
図示するように、高圧式湿式微粒化機の一例となる高圧ホモジナイザー210は、ホッパータンク201、送液ポンプ202、高圧ポンプ203、加熱部204、微粒化部205、減圧部206、冷却部207、および減圧部208を順に配置した構成と、各部を接続する配管とを含む。なお、減圧部206、208は、必要により設けることが出来る。
ホッパータンク201は、処理液を投入するタンクである。装置稼動時は、装置内に空気を送り込まないよう常に液を満たしておく必要がある。処理液の粒子径が大きく、沈降性があるものの場合は、さらに攪拌機を設けることができる。
送液ポンプ202は、高圧ポンプ203に処理液を連続的に送るために設置する。また、高圧ポンプ203に設けられた図示しない逆止弁での詰まりを回避するためにも有効である。このポンプ202としては、例えばダイアフラムポンプ、チュービングポンプ、ギアポンプ等が使用できる。
高圧ポンプ203は、プランジャー式ポンプであり、図示しない処理液入口および処理液出口に逆止弁を有する。プランジャーの数は、生産規模に応じ、1から10個使用される。脈流を極力減らすために、2個以上あることが望ましい。
加熱部204は、オイルバス等の加熱器具内に熱交換面積を多くとるためにらせん状に形成された高圧配管209が設置されている。この加熱部204は、分散液の流れる方向に対し、高圧ポンプ203の上流側または下流側のどちらでも問題が無いが、少なくとも微粒化部205の上流側である必要がある。高圧ポンプ203の上流側に加熱部204を設置する場合は、ホッパー201に加熱装置を付与してもよいが、高温下での滞留時間が長いため、バインダー樹脂の加水分解が起こりやすくなる。
微粒化部205には、強力なせん断をかけるための微小な径を有するノズルが含まれている。ノズル径は0.05mmから0.5mmまでが望ましい。また、形状は、通過型ノズル、または衝突型ノズルが望ましい。また、このノズルは多段で構成しても良く、多段にする場合は異なるノズル径を複数並べても良い。複数並べる方法は並列でも直列でもよい。ノズルの材質は、高圧に耐えることが可能なダイヤモンド等が使用される。
冷却部207には、冷水が連続的に流されるバス内に熱交換面積を多くとるためにらせん状に形成された配管211が配置されている。
必要により設けられる減圧部206、208の構成としては、微粒化部205のノズル径より、大きくかつ接続配管径より小さい流路を有するセル、または2方向バルブを1つ以上配置する。
この高圧微粒化機による処理は以下のように行う。
まず、ホッパータンク201からの処理液は、送液ポンプ202、高圧ポンプ203を経て、加熱部204でバインダー樹脂のガラス転移温度Tg以上に加熱される。加熱を行う理由は、バインダー樹脂を溶融させる目的がある。
この加熱温度はバインダー樹脂の溶融特性により異なる。融け易い樹脂は低い温度でも問題ないが、融け難い樹脂は高い温度が必要となる。また、連続的に熱交換器を通過させ加熱する方法の場合、分散液の流速及び熱交換の配管の長さにも影響する。流速が速い場合や配管が短い場合は高い温度が必要で、逆に流速が遅い場合や配管が長い場合は十分に分散液が加熱されるため、低い温度での処理が可能となる。流量が300〜400cc/min、熱交換配管が3/8インチ・12mの高圧配管、バインダー樹脂のTgが60℃、トナーの軟化点Tmが130℃の場合、加熱温度は、100℃から200℃で良い。トナーの軟化点測定は、島津製作所製フローテスターCFT−500の昇温法により行い、フローチャートよりプランジャー降下量の2mmに相当する曲線上の点を軟化点とする。
次に、この加熱された分散液を微粒化部205で10MPa以上の圧力をかけながらせん断を与える。この時、せん断を与えるのはノズルである。10MPa以上の高圧をかけながら、ノズルを通過することにより、溶融したトナー成分が微粒子化される。この時の圧力は10MPaから300Paであると良い。
最後に冷却部207で分散液をバインダー樹脂のガラス転移温度Tg以下まで冷却する。この冷却により、溶融した微粒子が固化される。処理液が急速に冷却されるため、冷却による凝集や合一が起こり難くなる。
前述したように、必要に応じ、減圧部206、208により、上記冷却部207の前後に背圧を付与したり、減圧を行っても良い。背圧または減圧とは、ノズル通過後にすぐに大気圧に開放するのではなく、1段階(背圧)または、多段階(減圧)で大気圧付近に戻すことを意味する。背圧部または減圧部通過後の圧力は0.1〜10MPa、望ましくは0.1〜5MPaである。この減圧部は径の異なるセル又はバルブを複数並べるとさらに良い。多段階で減圧することにより粗粒子が少なく粒子分布がシャープな微粒子を得ることができる。
以上により、バインダー樹脂を含む第1の微粒子の分散液を得ることが可能となる。
次に、少なくともバインダー樹脂を含む第1の微粒子分散体を、重合法の一つである乳化重合にて作成する方法の具体例を示す。
まず、ビニル系重合性単量体と必要に応じ、連鎖移動剤を混合した油相成分を作成する。それらを界面活性剤水溶液である水相成分中に乳化分散し、水溶性の重合開始剤を添加し、加熱することにより重合を行う。油相成分にはトナー成分である離形剤や帯電制御剤等を混合しても良い。また、離形剤や帯電制御剤等の微粒子を水系媒体中に分散した分散体を重合過程で添加し、乳化重合粒子内にこれらの成分を含有させることもできる。この乳化重合により少なくともバインダー樹脂を含むトナー成分の0.01から1μmの微粒子分散体を作成できる。この乳化重合の方法としては、水相成分に油相成分を滴下しながら重合しても良いし、分子量調整のために重合開始剤を重合途中に再度添加しても良い。
次に少なくともバインダー樹脂を含む第1の微粒子の分散体を、転相乳化法にて作成する方法の具体例を示す。
まず、少なくともバインダー樹脂を含むトナー成分を含む油相成分を加熱溶融する。そこへ界面活性剤、pH調整剤を含む水溶液を徐々に添加する。水溶液を添加していくと、W/OからO/Wに転相する。転相終了後、冷却し、少なくともバインダー樹脂を含む0.01から5μmのトナー成分の微粒子分散体を作成できる。ここで、油相成分中には界面活性剤、pH調整剤、溶剤、イオン交換水等をあらかじめ添加しても良く、特に、溶剤を添加した場合には、油相成分の粘度が低下するため、加熱の必要がない場合もある。ただし、溶剤を使用した場合には、転相乳化後に溶剤を除去する必要がある。
次に、マスターバッチ処理を行った少なくともロイコ染料等の呈色性化合物および顕色剤および消色剤の一部または全部を含有する第2の微粒子と、少なくともバインダー樹脂を含む第1の微粒子とを水等の媒体中で凝集融着する方法の例を以下に示す。
ここで、少なくともバインダー樹脂を含む第1の微粒子は、例えば、バインダー樹脂の微粒子、離形剤の微粒子、帯電制御剤の微粒子を混合しても良いし、バインダー樹脂中に離形剤や帯電制御剤が含まれた微粒子でも良い。さらにそれらの混合物でも良い。
まず、第1および第2の微粒子の分散液に凝集剤を添加する。凝集剤の添加量は、この各微粒子の分散安定性によって異なる。分散安定性が高いと添加量は多く、分散安定性が低いと添加量は少なくなる。また、凝集剤の種類によっても、凝集剤の添加量は異なる。凝集剤として、例えば凝集性の強い硫酸アルミニウムを使用する場合、微粒子に対して0.1〜50wt%、望ましくは、0.5〜10wt%添加すると良い。凝集剤を添加後、0.1〜10μmの粒子径の微粒子が得られる。一方、例えば塩化ナトリウムなどの凝集性の弱い凝集剤を使用する場合、凝集剤添加時に凝集が起こらないこともある。この添加する際、微粒子の急激な凝集を防ぐため、ローターステーター型の分散機を使用すると良い。また、同じく急激な凝集を防ぐために、凝集剤を添加する前に、微粒子分散液にpH調整、界面活性剤の添加を行っても良い。これらの操作により、最終的に得られるトナーの粒子径を均一にすることが可能となる。
次に、加熱による凝集を行う。加熱により、2μmからターゲットの粒子径までの粒子径を有する凝集粒子を作成する。
次に、加熱による融着を行う。この凝集粒子に必要に応じpH調整剤、界面活性剤等の安定化剤の添加を行い、凝集粒子を安定化させた後、少なくともバインダー樹脂のガラス転移温度Tg以上に加熱を行うことにより、凝集粒子の表面を融着する。この融着により、最終的なターゲットの粒子径になる。
微粒子の種類や固形分濃度、凝集剤の種類によっては、凝集と融着が同時に行われることもある。
また、この凝集および融着における攪拌条件は粒子径および粒度分布に大きな影響を与える。攪拌速度は適度なせん断を与える条件が良く、せん断が弱すぎると粒子径が大きくなり、かつ粗粒ができやすい。一方、強すぎると粒子径が小さくなり、かつ微粉ができ易くなる。また、反応槽にはバッフルを設置するとよい。バッフルは、泡がみを抑制する効果、槽内の攪拌状態を均一にする効果、かつせん断を強くする効果がある。攪拌条件の他に、昇温速度や添加剤の投入速度等も粒子径および粒度分布に大きな影響を与える。
必要に応じ、凝集粒子表面を樹脂にて被覆させることができる。被覆させる第一の方法としては、凝集粒子分散液へ樹脂粒子等を添加し、凝集剤の添加、pH調整等により、凝集粒子表面に樹脂粒子等を付着させた後、樹脂粒子等を凝集粒子表面に融着させることにより得る方法がある。第二の方法としては、凝集粒子含有溶液へ重合性単量体を添加することにより、凝集粒子表面を単量体により包括または膨潤させた後、単量体を重合することにより得る方法がある。第三の方法としては、凝集粒子を融着させた後、その粒子を洗浄乾燥し、ハイブリダイザー等を用い機械的に融着粒子表面に樹脂粒子等を付着させて得る方法がある。
この中でも、第一の方法が簡易的で高い被覆率のトナー粒子を得ることができる。この方法における、被覆させる樹脂粒子は、上述の微粒化方法により得ることができる。
この被覆によりトナー粒子表面の色材や離形剤を内包することができ、連続通紙の画像の安定性が向上する。
以上のように凝集融着粒子を形成した後、洗浄、固液分離、乾燥することにより凝集融着粒子の粉体が得られる、その粉体に外添剤を添加しトナーを得ることができる。
本実施形態の現像剤の製造方法で用いられる具体的な製造装置の一例を以下に示す。
混練機としては、溶融混練が可能であれば特に限定されないが、例えば1軸押出機、2軸押出機、加圧型ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダーミキサー等が挙げられる。具体的には、FCM(神戸製鋼所社製)、NCM(神戸製鋼所社製)、LCM(登録商標)(神戸製鋼所社製)、ACM(神戸製鋼所社製)、KTX(神戸製鋼所社製)、GT(池貝社製)、PCM(池貝社製)、TEX(登録商標)(日本製鋼所社製)、TEM(東芝機械社製)、ZSK(ワーナー社製)、及びニーデックス(三井鉱山社製)などが挙げられる。
粉砕機としては、乾式で粉砕可能であれば特に限定されないが、例えば、ボールミル、アトマイザー、バンタムミル、パルベライザー、ハンマーミル、ロールクラッシャー、カッターミル、ジェットミル等が挙げられる。
微粒化機としては、湿式で微粒化が可能であれば特に限定されないが、例えば、ナノマイザー(吉田機械興行社製)、アルティマイザー(スギノマシン社製)、NANO3000(登録商標)(美粒社製)、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ホモゲナイザー(イズミフードマシナリー社製)等の高圧式微粒化機、ウルトラタラックス(IKAジャパン社製)、TKオートホモミクサー(プライミックス社製)、TKパイプラインホモミクサー(プライミックス社製)、TKフィルミックス(登録商標)(プライミックス社製)、クレアミックス(登録商標)(エム・テクニック社製)、クレアSS5(エム・テクニック社製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)のようなローターステーター型攪拌機、ビスコミル(アイメックス製)、アペックスミル(寿工業社製)、スターミル(アシザワ、ファインテック社製)、DCPスーパーフロー(日本アイリッヒ社製)、エムピーミル(登録商標)(井上製作所社製)、スパイクミル(登録商標)(井上製作所社製)、マイティーミル(登録商標)(井上製作所社製)、SCミル(三井鉱山社製)などのメディア攪拌機等が挙げられる。これらの微粒化機はトナー成分粒子と凝集剤を混合する際にも使用できる。
洗浄装置としては、例えば、遠心分離装置やフィルタープレスなどが好適に用いられる。洗浄液としては、例えば水、イオン交換水、精製水、酸性に調整された水や塩基性に調整された水などが使用される。
乾燥装置としては、例えば真空乾燥機や気流式乾燥機、流動乾燥機などが好適に用いられる。
本実施形態で使用される材料は、重合性単量体、連鎖移動剤、架橋剤、重合開始剤、界面活性剤、凝集剤、pH調整剤、消泡剤、樹脂、離形剤等トナー材料として公知のものを全て使用できる。
ビニル系重合性単量体としては、スチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、フェニルスチレン、クロロスチレン等の芳香族系ビニル単量体類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のエステル系単量体類、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボン酸含有単量体類、アミノアクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルピロリドン等のアミン系単量体類及びそれらの誘導体を単独または複数混合することにより使用できる。重縮合系の重合性単量体としては、アルコール成
分として、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−ブテンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール類、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール類、グリセリン、
ペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコール等及びそれらの誘導体を単独または複数混合することにより使用できる。カルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸類、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸類、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸類、トリメリット酸、ピロリメット酸等の3価以上の多価カルボン酸類及びそれらの誘導体を単独または複数混合することに
より使用できる。
連鎖移動剤としては、四臭化炭素、ドデシルメルカプタン、トリクロロブロモメタン、ドデカンチオール等が使用される。
架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル、ジビニルナフタレン、ジエチルグリコールメタクリエート等の不飽和結合2個以上有するものが使用される。
重合開始剤は、重合方法により使い分ける必要があり、水溶性開始剤・油溶性開始剤の二種類がある。水溶性開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、2,2−アゾビス(2−アミノプロパン)等のアゾ系化合物、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイト等が使用される。また、油溶性開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ系化合物、ベンゾイルペルオキシド、ジクロロベンゾイルペルオキシド等の過酸化物が使用される。また、必要であればレドックス系開始剤を使用することもできる。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が使用できる。アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、アルケニルコハク酸塩、アルカンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸塩
等がある。カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、アルキル4級アンモニウム塩等がある。両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド等がある。非イオン性界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノール
アミド等がある。これらは単独または複数併用して使用できる。
凝集剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、硫酸ナトリウム等の1価の塩、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化亜鉛、塩化第二鉄、硫酸第二鉄等の2価の塩、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の3価の塩が使用できる。また、ポリヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロリド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド等の4級アンモニウム塩等の有機凝結剤や有機の高分子凝結剤が使用できる。
pH調整剤としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、クエン酸、りん酸等の酸性類、水酸化ナトリウム、アンモニア、アミン化合物等のアルカリ類を使用することができる。アミン化合物として、例えば、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン,イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパンなどが挙げられる。また、酸性またはアルカリ性を示す界面活性剤も使用できる。
消泡剤としては、低級アルコール系消泡剤、有機極性化合物系消泡剤、鉱物油系消泡剤、シリコーン系消泡剤などがある。低級アルコール系消泡剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどが使用できる。有機極性化合物系消泡剤としては、2−エチルヘキサノール、アミルアルコール、ジイソブチルカルビノール、トリブチルフォスフェート、オレイン酸、トール油、金属セッケン、ソルビタンラウリン酸モノエステル、ソルビタンオレイン酸モノエステル、ソルビタンオレイン酸トリエステル、低分子ポリエチレングリコールオレイン酸エステル、ノニルフェノールEO低モル付加物、プルロニック型EO低モル付加物、ポリプロピレングリコール、及びその誘導体等が使用できる。鉱物油系消泡剤としては、鉱物油の界面活性剤配合品、鉱物油と脂肪酸金属塩の界面活性剤配合品等が使用できる。シリコーン系消泡剤としては、シリコーン樹脂、シリコーン樹脂の界面活性剤配合品、シリコーン樹脂の無機粉末配合品等が使用できる。
バインダー樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・アクリル共重合体などのスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポトエチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン・ノルボルネン共重合体、ポリエチレン・ビニルアルコール共重合体などのエチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、アリルフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びマイレン酸系樹脂が挙げられる。これら樹脂は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの樹脂を重合するには、上述の重合性単量体、連鎖移動剤、架橋剤、重合開始剤等が使用できる。また、これらの樹脂のガラス転移温度は40〜80℃、軟化点は80〜180℃がよい。特に、定着性が良好なポリエステル樹脂が望ましい。また、ポリエステル樹脂の酸価が1以上あるとよい。酸価を有することにより、微粒化におけるアルカリ性pH調整剤の効果が発揮され、小流径の微粒子を得ることができる。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス、酸価ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、または、それらのブロック共重合体、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、ライスワックスの如き植物系ワックス、みつろう、ラノリン、鯨ろうの如き動物系ワックス、オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムの如き鉱物系ワックス、モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したものなどがあげられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸、ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸、ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコールの如き飽和アルコール、ソルビトールの如き多価アルコール、リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N′−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N′−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類、m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N′−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(−般に金属石けんといわれているもの)、脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス、ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物、植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
帯電制御剤としては、例えば含金属アゾ化化合物が用いられ、金属元素が鉄、コバルト、クロムの錯体、錯塩、あるいはその混合物が望ましい。その他、含金属サリチル酸誘導体化合物も使用可能であり、金属元素がジルコニウム、亜鉛、クロム、ボロンの錯体、錯塩、あるいはその混合物が望ましい。
さらに、必要に応じて電荷調整剤、外添剤等を添加できる。
添加剤として、トナー粒子に対して流動性や帯電性を調整するために、トナー粒子表面に、トナー全重量に対し0.01〜20重量%の無機微粒子を添加混合することができる。このような無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナ、及びチタン酸ストロンチウム、酸化錫等を単独であるいは2種以上混合して使用することができる。無機微粒子は疎水化剤で表面処理されたものを使用することが環境安定性向上の面から好ましい。このような無機酸化物以外に1μm以下の樹脂微粒子をクリーニング性向上のために外添してもよい。
以下に、本実施形態に係るトナー粒子の作成の具体的な実施例およびその比較例を示す。
実施例
カプセル化された消去可能な着色微粒子(第2の微粒子)の作成
以下、部は重量部、%は重量%を表すものとする。
ロイコ染料として、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド1部、顕色剤として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5部、消色剤としてピメリン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル化合物50部からなる成分を加温溶解し、さらにカプセル化剤として芳香族多価イソシアネートプレポリマー20部、酢酸エチル40部を混合した溶液を8%ポリビニルアルコール水溶液250部中に投入し、乳化分散し、90℃で約1時間攪拌を続けた後、反応剤として水溶性脂肪族変性アミン2部を添加し、さらに液温を90℃に保って約3時間攪拌を続けて無色のカプセル粒子を得た。さらに、このカプセル粒子分散体を冷凍庫に入れて発色させ、固液分離を行い乾燥させ、青色の着色粒子Aを得た。この着色粒子Aを島津製作所製SALD7000にて測定したところ、その体積平均粒径は2μmであった。また、完全消色温度Thは79℃で、完全発色温度Tcは−10℃であった。
色材(第2の微粒子)のマスターバッチ分散液の作成
色材50部、及びマスターバッチ材(バインダー樹脂)としてエステルワックス(融点70℃)50部を混合した後、80℃に温度設定した2軸混練機にて溶融混練し、混練品を得た。 得られた混練品を奈良機械製作所社製ハンマーミルにて体積平均粒径1.2mmに粗粉砕し、粗粒子を得た。 粗粒子をホソカワミクロン社製バンタムミルにて体積平均粒径0.05mmに中粉砕し、中砕粒子を得た。中砕粒子30部、アニオン性界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.2部、アミン化合物としてトリエチルアミン1部、イオン交換水67.8部をNANO3000にて160MPa、120度にて処理し体積平均粒径が350nmである分散液を調整した。
樹脂微粒子(第1の微粒子)分散液の作成
バインダー樹脂としてポリエステル樹脂30部、アニオン性界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5部、アミノ化合物としてトリエチルアミン1部、イオン交換水67.5部をNANO3000にて160MPa、150度にて処理し体積平均粒径が150nmである分散液を調整した。
トナー粒子の作成
色材マスターバッチ分散液3部、樹脂微粒子分散液17部、イオン交換水75部を混合した後、凝集剤として5%硫酸アルミニウム水溶液5部を30度で添加した。金属塩添加後40度まで昇温し、1時間放置した後、10%ポリカルボン酸ナトリウム塩水溶液10部を添加後、75度まで昇温し1時間放置した。
冷却後、得られた分散液の固形分について、遠心分離機を使った遠心分離、上澄み液の除去、及びイオン交換水による洗浄を繰り返し行い、上澄みの導電率が50μS/cmとなるまで洗浄した。その後、真空乾燥機にて含水率が1.0%以下となるまで乾燥させトナー粒子を得た(体積D50;8μm)。
更に疎水性シリカ2部、酸化チタン0.5部を加え、ヘンシェルミキサにて混合した後、♯200メッシュの篩を通してトナーを得た。なお、作成した混練の熱により消色するため、−20℃の冷凍庫に2日間保管して冷却して再発色させた。
得られたトナーをシリコン樹脂でコートしたフェライトキャリアと混合し、東芝テック製MFP(e―Studio4520C(登録商標))にて画像出しを行った。定着器温度75℃に設定し、紙送り速度を30mm/secに調整し、画像濃度0.52(マクベス画像濃度計RD―918にて測定)の発色画像を得た。 定着器温度を90℃まで上げると消去が開始して画像濃度が下がり始めたが、定着可能温度領域を70〜90℃に確保することができた。
この現像剤(トナーおよびキャリア)を用いて、定着設定温度80℃にて2万枚のライフ試験を行ったところ、画像は安定して画像濃度の低下や白地の汚れ等もなく、また定着にて画像が薄くなるような不具合も見られなかった。 トナーをSEM(Scanning Electron Microscope)で観察すると、トナー粒子内部に色材(第2の微粒子)がきれいに分散できていることを確認できた。
比較例1
カプセル化された消去可能な着色微粒子(第2の微粒子)の作成は実施例1と同様の手順で行う。
色材(第2の微粒子)の分散液の作成
調整し乾燥したカプセル化された色材を30部、アニオン性界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.2部、アミン化合物としてトリエチルアミン1部、イオン交換水67.8部を均一に混合し、色材の分散液を作成した。
ワックス分散液の作成
エステルワックス(融点70℃)を30部、アニオン性界面活性剤をしてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.2部、アミン化合物としてトリエチルアミン1部、イオン交換水67.8部を均一に混合し、NANO3000にて160MPa、120度にて処理し、体積平均粒径が350nmであるワックス分散液を調整した。
トナー粒子の作成
色材分散液1.5部、ワックス1.5部、樹脂微粒子分散液17部、イオン交換水75部を混合した後、5%硫酸アルミニウム水溶液5部を30度で添加した。以下、実施例1と同様の手順で8μmのトナーを得た。
得られたトナーを、実施例1と同様に、シリコン樹脂でコートしたフェライトキャリアと混合し、東芝テック製MFP(e―Studio4520C)にて画像出しを行った。定着温度75℃にて画像濃度が0.42と低く、十分な画像濃度を得られなかった。定着温度を90℃まで上げると、消去が進んで画像濃度は0.28まで下がった。消去が起きない定着可能温度領域は70〜84℃であった。
この現像剤(トナー及びキャリア)を用いて、定着設定温度77℃にて連続通紙を行ったところ、10数枚に数回の頻度で定着後に画像が消去しかけているものが見られた。2万枚のライフ試験を行ったところ、画像濃度が徐々に低下して0.35まで下がった。また、白地にかぶりが多く見られるようになった。さらに、クリーニング不良の画像が見られるようになり、感光体上を観察すると、遊離した色材粒子が多く見られた。また、トナー粒子をSEMで観察すると、トナーバインダーで十分に覆われずに表面から浮き出たり、遊離した色材が多く見られた。
以下に、本発明の実施の形態に係る現像剤を適用可能な画像形成装置について説明する。図5は画像形成装置の概略構成図である。
図5に示される画像形成装置1は、原稿の画像情報を光の明暗として捉え、画像信号を形成するスキャナ部2、画像信号に基づいて、コピーまたはプリントアウトと呼ばれる画像出力に用いられる非転写媒体すなわち用紙Pに現像剤すなわちトナーにより可視化された出力画像を転写し定着して画像出力を行う画像形成部3を含む。
画像形成部3には、所定の異なるサイズで、任意の枚数の用紙を保持し1枚ずつ用紙を供給可能な複数の用紙カセットからなる用紙保持部4が設けられている。画像形成部3において、出力画像が形成されるタイミングに合わせて、用紙保持部4から所望サイズの用紙Pが供給される。
用紙保持部4と画像形成部3との間には、用紙保持部4から画像形成部3に向けて用紙Pを案内する用紙搬送部として働く搬送路5が設けられている。搬送路5は、後述するが、画像形成部3において形成されたトナー像が転写される転写位置5Aを経由して、用紙Pに転写されたトナー像を用紙Pに定着する定着装置6に用紙Pを搬送する。
画像形成部3は、例えば、絶縁性の所定の厚さのフィルムがベルト状に形成された中間転写ベルト11を有する。中間転写ベルト11は、駆動ローラ12、第1のテンションローラ13および第2のテンションローラ14により所定の張力が与えられるとともに、駆動ローラ12が回転されることで駆動ローラ12の軸線に平行な任意の位置が矢印A方向に移動される。換言すると、中間転写ベルト11は、ベルト面が駆動ローラ12の外周面が移動される速度で、一方向に循環される。
中間転写ベルト11のベルト面が実質的に平面状に移動される区間には、第1ないし第4の画像形成ユニット21、22、23および24が所定の間隔で配列されている。なお、図5に示す例では、駆動ローラ12と第1のテンションローラ13との間を中間転写ベルト11が実質的に平面状に移動される区間において、駆動ローラ12の側に第1の画像形成ユニット21が位置され、第1のテンションローラ13の側に第4の画像形成ユニット24が位置されている。
第1ないし第4の画像形成ユニット21〜24のそれぞれは、C(cyan, シアン)、M(magenta, マゼンタ)、Y(yellow, イエロ)、およびBK(black, ブラック)の色のトナー及びキャリアを収容した現像装置と、それぞれの現像装置が現像すべき静電像を保持する感光体、例えば感光体ドラムを少なくとも含む。それぞれの画像形成ユニットの感光体には、画像形成ユニット内の現像装置が現像すべき色の静電像が、露光装置31からの画像光によってそれぞれ形成され、対応する現像装置によりトナーが供給されて、現像される。
第1ないし第4の画像形成ユニット21〜24のそれぞれとの間に中間転写ベルト11を介在させた状態で、中間転写ベルト11の背面側には、個々の画像形成ユニットの感光体上で静電像が現像装置によって現像された現像剤像であるトナー像を、中間転写ベルト11に転写するための転写ローラ41〜44が対応して設けられている。それぞれの画像形成ユニット21〜24においては、順次転写されるトナー像が中間転写ベルト11上で互いに重なるよう、それぞれの感光体に所定のタイミングで静電像が順次形成され、現像装置により現像される。
それぞれ異なる転写電圧が印加される転写ローラ41〜44の作用により、中間転写ベルト11上で重ね合わせられたトナー像は、搬送路5の転写位置5Aにおいて中間転写ベルト11に所定の圧力で接触される転写ローラ51により、転写位置5Aに搬送される用紙Pに、転写される。なお、転写ローラ51は、用紙Pに対するトナー像の転写が要求されていない場合は、図示しないローラ解除機構により中間転写ベルト11と接することのない退避位置に、位置される。
用紙Pに転写されたトナー像は、定着装置6により定着された後、排紙部に排出される。
上述したような画像形成装置に、本実施形態に係る製造方法で製造された現像剤は用いることができる。この種の画像形成装置に好適な現像剤としては、トナーとキャリアから成る現像剤(二成分現像剤)があるが、他に、キャリアを含まず、主としてトナーからなる現像剤(一成分現像剤)もある。
上記の実施形態に示す現像剤の製造方法を用いれば、色材と樹脂粒子が均一に分散した良質で、消色性能も良好なトナーを得ることが可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
101 第1の微粒子
102 第2の微粒子
103 ワックス粒子
104 トナー粒子
111 呈色性化合物
112 顕色剤
113 消色剤
114 シェル材

Claims (5)

  1. 少なくともバインダー樹脂を含有する第1の微粒子と、呈色性化合物、顕色剤、及び消色剤を含有し、バインダー樹脂と溶融混練することによりマスターバッチ処理がされ、予備分散される第2の微粒子とを含有する分散液中で、前記第1および第2の微粒子を凝集させ、凝集粒子を形成する電子写真用現像剤の製造方法。
  2. 前記第2の微粒子は、呈色性化合物、顕色剤、及び消色剤を含有するコア成分と、該コア成分をカプセル化するシェル成分とを有するカプセル化された微粒子であ請求項1に記載の電子写真用現像剤の製造方法。
  3. 前記第2の微粒子は、消色温度以上の温度に加熱されると消色し、復色温度以下の温度に冷却されると発色する微粒子である請求項1あるいは2に記載の電子写真用現像剤の製造方法。
  4. 前記第2の微粒子のマスターバッチ処理は、前記消色温度よりも低い温度にて、前記バインダー樹脂と溶融混練する請求項1乃至3の何れか1項に記載の電子写真用現像剤の製造方法。
  5. 前記呈色性化合物は、ロイコ染料を含み、前記凝集粒子をさらに、加熱融着して、トナー粒子を得た後、前記ロイコ染料の発色を確認し、前記トナー粒子が十分に発色していない場合に、さらに冷却する請求項1乃至4の何れか1項に記載の電子写真用現像剤の製造方法。
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