JP5586387B2 - ペリクル - Google Patents

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本発明は、LSI(大規模集積回路)、TFT型LCD(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)等の半導体装置を製造する際のリソグラフィー工程で使用されるフォトマスクやレティクルに異物が付着することを防止するために用いられるペリクルに関する。
従来、シリコンウエハ(以下、「ウエハ」ともいう。)への半導体素子パターン形成、及び液晶パネル等のフラットパネルディスプレー基板にパターンを形成するためのフォトリソグラフィー技術においては、一般にペリクルと呼ばれる防塵手段を用いて、フォトマスク(以下、「マスク」ともいう。)への異物の付着を防止することが行われている。
ペリクルとは、マスクの形状に合わせた形状を有する厚さ数ミリ程度の枠体(以下、「ペリクル枠体」ともいう。)の上縁面に、厚さ10μm以下の透明な光学用有機高分子材料からなる膜(以下、「ペリクル膜」という。)を展張して接着剤で接着し、かつ該枠体の下縁面に粘着材層を積層したものである。
ペリクル膜の材料としては、セルロース系、フッ素樹脂系のものが広く使用されているが、この他、シクロオレフィン系樹脂、例えばノルボルネン系モノマー重合体、及びエチレン・ノルボルネン共重合体、からなるペリクル膜も提案されおり、そしてペリクル膜用接着剤として、天然ゴム、合成ゴム、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、ポリビニルエーテル、アクリル系、変性ポリオレフィン系、およびこれらにイソシアナートなどの硬化剤を添加した硬化型粘着剤、ポリウレタン系樹脂溶液とポリイソシアナート系樹脂溶液を混合するドライラミネート用接着剤、合成ゴム系接着剤、エポキシ系接着剤が知られている(特許文献1)。この他、ニトロセルロースを主膜としたコーティング層を併せ持つ多層構造のペリクル膜とペリクル枠体を接着させる手法として、コーティング層を溶解可能な接着剤を用い、主膜に接着させる方法等も知られている(特許文献2)。
特開平11−295879号公報 特開平4−199055号公報
ところで、ペリクルはその経済的な事情から、露光に際し一枚のペリクルが繰り返し使用されている。そして、ペリクルの使用前及び/又は使用後には通常、膜面に付着した異物を取り除く為のエアブローが行われる。しかし、従来の接着剤によるペリクル膜の接着方法は接着剤とペリクル膜との分子間相互作用による接着であったため、接着力が充分でなく、繰り返しエアブローを行った際に膜が剥がれてしまうという懸念が生じていた。本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、ペリクル膜と接着剤層との接着性に優れたペリクルであって、繰り返しエアブローを行っても膜が剥がれにくいペリクルを提供することを目的としている。
本発明者らが鋭意検討した結果、接着剤層とペリクル膜との間に、前記ペリクル膜を形成する光学用有機高分子材料と接着剤層を形成させるために用いた接着剤成分との混合成分から形成される混合層することでかかる問題点を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下の通りである。[1]光学用有機高分子材料からなるペリクル膜と、前記ペリクル膜の表面上に接着された接着剤層と、前記接着剤層と接する枠体と、を備えるペリクルであって、前記接着剤層と前記ペリクル膜の間に、前記光学用有機高分子材料と前記接着剤層を形成させるために用いた接着剤成分との混合成分から形成される混合層を有し、前記ペリクル膜の厚みに対する前記混合層の厚みが0.05〜0.7倍であることを特徴とするペリクル。
[2]前記光学用有機高分子材料が、シクロオレフィン系樹脂であることを特徴とする[1]に記載のペリクル。
[3]前記接着剤成分にジシクロペンタジエン骨格を有するアクリル系モノマーを含むことを特徴とする[1]又は[2]に記載のペリクル
[4]前記接着剤成分中のジシクロペンタジエン骨格を有するアクリル系モノマーの含有量が30〜70質量%であることを特徴とする[3]に記載のペリクル。
[5]前記接着剤層がジシクロペンタジエン骨格を有するアクリル系ポリマーを含有することを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載のペリクル。
]枠体上にジシクロペンタジエン骨格を有するアクリル系モノマーを含む接着剤を塗布する第一の工程、前記接着剤とシクロオレフィン系樹脂からなるペリクル膜を2分〜50分接触させる第二の工程、前記接着剤を硬化させる第三の工程、をこの順に含むペリクルの製造方法。
本発明によれば、繰り返しエアブローを行っても膜が剥がれにくい為、経済性に優れるペリクルを提供することが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本実施形態に係るペリクルは光学用有機高分子材料をからなるペリクル膜と、前記ペリクル膜の表面上に接着された接着剤層と、前記接着剤層と接する枠体と、を備えるペリクルであって、前記接着剤層と前記ペリクル膜の間に、前記光学用有機高分子材料と前記接着剤層を形成させるために用いた接着剤成分との混合成分から形成される混合層を有することを特徴としている。
本実施形態に係るペリクルで使用する接着剤層の接着剤成分は、ペリクル膜を溶解し、ペリクル膜を形成する光学用有機高分子材料と接着剤成分の混合成分から形成される混合層を形成する為、分子間相互作用によって接着させるよりも接着力が強固なものとなる。その為、繰り返しエアブローを行っても膜が枠体から剥がれにくい。
まず、ペリクル膜の材料(以下、膜材とする。)について説明する。ペリクル膜の膜材に使用する光学用有機高分子に関しては、露光波長において実質的に透明であれば特に限定はなく、そのような光学用有機高分子としては、セルロースやセルロース系誘導体であるセルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースナイトレート、ニトロセルロースなどが考えられ、その他、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフロロクロロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4メチルペンテン、ポリブチルアクリレート、ポリビニルアセテート、ポリメチルアクリレート、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリビニルホルマール、ポリイソブテン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリルニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリイソプレン、ナイロン6、ナイロン66、ブタジエン−スチレン共重合体、ユリア−ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、ポリクロロプレン、ポリジアリルフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリサルホン、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、水素原子の一部若しくは全部がフッ素原子により置換されたフルオロアルキルポリエーテル、環式または鎖式のフッ素置換フルオロアルキルポリエーテル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン系樹脂、等が挙げられる。
ところで、フォトマスクはその製造時にその表面を洗浄する為に酸性物質を含むマスク洗浄剤を使用している。近年、マスク洗浄剤中に含まれる硫酸イオンと、空気中に存在するアンモニアなどの塩基性物質とが露光中に反応を起こし、マスク上に異物を発生させることが知られている。その為、膜材はアンモニア透過係数が小さいものを使用することが好ましい。
上記光学用有機高分子材料の中でもアンモニア透過係数が小さく、かつ光学物性、機械物性などの膜実用性、製造しやすさ等の点から、フッ素系樹脂である、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフロロクロロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、水素原子の一部若しくは全部がフッ素原子により置換されたフルオロアルキルポリエーテル、環式または鎖式のフッ素置換フルオロアルキルポリエーテルやシクロオレフィン系樹脂からなる群から選ばれる樹脂が好ましい。
更に、近年アモルファスITOがTFT液晶パネルの製造におけるITO電極の主流となってきており、エッチング液として蓚酸が使用されはじめている。そのため、マスク使用環境中に蓚酸イオンが存在し、湿度を介して、その蓚酸イオンが環境中のアンモニウム等と反応してマスク上に異物を発生させる問題がおきている。このような蓚酸由来の異物の発生を抑制する為にも、ペリクル膜の蓚酸透過量が少ない方が好ましい。
上記光学用有機高分子材料の中でも特に蓚酸透過量とアンモニア透過係数が小さい材料として、シクロオレフィン系樹脂が挙げられる。具体的にはノルボルネンの重合体又は共重合体(水素添加したものを含む)が好ましい。例えば、アペル(登録商標)(三井化学社製)、トパス(登録商標)(ポリプラスチックス株式会社製)、ゼオネックス(登録商標)又はゼオノア(登録商標)(日本ゼオン社製)、アートン(登録商標)(JSR社製)等がペリクル膜に好ましいシクロオレフィン系樹脂として挙げられるが、この中でも特にゼオノア(登録商標)(日本ゼオン社製)が蓚酸透過量が少なく、アンモニア透過係数が小さい材料として特に好ましい。以上理由から、ペリクル膜はシクロオレフィン系樹脂から形成することが好ましい。尚、用いる光学用有機高分子材料の性質を損なわない範囲で光学用有機高分子材料に酸化防止剤、光安定剤、触媒等を添加しても良い。
そして上記膜材は夫々に適した溶媒に溶解させ、ポリマー溶液として使用される。ペリクル膜の成膜法には、スピンコート法、ロールコート法、ナイフコート法、キャスト法、スリット法等があるが、均一性や異物の管理の点から、スピンコート法が好ましい。スピンコート法により成膜基板上に成膜した後、必要に応じてホットプレート、クリーンオーヴン、(遠)赤外線加熱等により溶媒を乾燥することにより、均一な膜が形成される。ペリクル膜の膜厚は、0.5μm〜10μm程度が好適であり、ペリクル膜の強度や均一な膜の作り易さから、2μm〜8μmが好ましい。この時の成膜基板としては、合成石英、溶融石英、無アルカリガラス、低アルカリガラス、ソーダライムガラス等が利用出来る。
大型ペリクル成膜用の基板サイズは大きいので、乾燥時の温度斑により成膜基板が割れることがある。これを防ぐために、成膜用基板の熱膨張係数は小さいほど好ましい。特に、0℃〜300℃における線膨張係数が50×10-7m/℃以下であることが好ましい。
また、基板表面には、シリコーン系、フッ素系等の材料により、あらかじめ離型処理を施しておけば良い。また、上記のペリクル膜の片側、あるいは両側に、該ペリクル膜よりも屈折率の低い層(即ち、反射防止層)を形成することにより、露光光線に対する透過率を高めることができ、好ましい。反射防止層の材料としては、フッ素系ポリマー(テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレンの3元コポリマー、主鎖に環状構造を持つポリマーであるデュ・ポン社製のテフロン(登録商標)AF(商品名)、旭硝子社製のサイトップ(商品名)、アウジモント社製のアルゴフロン(商品名)、ポリフルオロアクリレート等)や、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム等屈折率の低い材料が使用される。
反射防止層は、ポリマーの場合、前述と同様のスピンコート法やスリット法等により、無機物の場合、真空蒸着やスパッタリング等の薄膜形成法により形成することが出来る。異物の点からは、ポリマー溶液によるスピンコート法が好ましい。
上記により基板上に形成されたペリクル膜は、アルミニウム合金、ステンレススチール、樹脂等に粘着材を貼り付けた仮枠により、基板から剥がし取って所望のペリクル枠体に貼り替えても良い。また基板上で所望のペリクル枠体を接着後、基板から剥がし取っても良い。
ぺリクル膜とペリクル枠体に接着するための接着剤は、ペリクル膜を溶解する材料であれば如何なる種類でも良い。好ましくは、硬化型(熱硬化、光硬化、嫌気性硬化等)の材料である。前記材料の中でも、紫外線硬化型の接着剤は硬化時間を調整し易く、特に好ましい。
特に膜材にシクロオレフィン系樹脂を使用する際、接着剤に膜への溶解性を持たせるために、ジシクロペンタジエン骨格を有するアクリル系モノマーを含む紫外線硬化型接着剤を使用することが、シクロオレフィン系樹脂との相溶性の観点から、好ましい。中でも、ジシクロペンタジエン骨格を有する1官能アクリレート及び/または1官能メタクリレートを含む紫外線硬化型接着剤が、シクロオレフィン系樹脂と特に高い相溶性を示す為さらに好ましい。その中でも、分子あたりの運動量が少ない低分子量のジシクロペンタジエン骨格を有する1官能アクリレートまたは1官能メタクリレートであるとシクロオレフィン系樹脂と特に高い相溶性を示す。具体的には、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレートのうち1種類以上を使用することが特に好ましい。
接着剤中に含まれるジシクロペンタジエン骨格を有するアクリル系モノマーの含有量に関しては特に限定はないが、接着剤中に含まれるジシクロペンタジエン骨格を有するアクリル系モノマーの含有量が少なすぎると、シクロオレフィン系膜が溶けにくいため、生産効率が悪くなり、また多すぎると瞬時にシクロオレフィン系膜が溶けしまうので生産に不向きとなってしまう。その為、接着剤層中に含まれるジシクロペンタジエン骨格を有するアクリル系モノマーの含有量は30〜70質量%とすることが好ましい。
ペリクル膜とペリクル膜を溶解する材料を含む接着剤とを接触させた後、硬化させることにより、前記光学用有機高分子材料と前記接着剤層を形成させるために用いた接着剤成分との混合成分から形成される混合層が形成される。
ここでいう混合層とは、ペリクル膜と接着剤層間の厚さ方向の断面をSEMで観察した時のSEM画像において、接着剤層とペリクル膜のうち、明度が低い方の明度をα、明度が高い方の明度をβとした際の、以下の式(1)で表される値以上、式(2)で表される値以下の明度を有する部分を指す。
α+5×(β−α)/100・・・・式(1)
α+95×(β−α)/100・・・式(2)
明度は、SEM画像をグレースケール表示等のコントラストを数値化する方法で表示可能である。
ペリクル膜の厚みに対する混合層の厚みがあまりに小さいとペリクル膜と接着剤層との接着性が弱く、逆にペリクル膜の厚みに対する混合層の厚みがあまりに大きいとペリクル膜の強度が弱くなり、外力を受けた際に破れ易くなってしまう。膜接着力と膜強度のバランスからペリクル膜の厚みに対する混合層の厚みが0.05〜0.7倍であると、好ましい。より好ましくは、0.1〜0.5倍であり、更に好ましくは、0.15倍〜0.4倍である。
混合層の厚みは、ペリクル膜と接着剤を接触させてから接着剤を硬化させるまでの時間の調整や、接着剤中のペリクル膜を溶解する材料の含有量を調整により調節することが出来る。
シクロオレフィン系樹脂から形成されるペリクル膜とジシクロペンタジエン骨格を有するアクリル系モノマーを30〜70質量%含有する接着剤とを接触させて混合層を形成する場合は、2分〜50分程度接触させた後、硬化させることが好ましい。上記接触時間とすることで、膜接着力と膜強度のバランスに優れたペリクルの作製が可能となる。より好ましい接触時間は、5分〜40分であり、更に好ましくは、10分〜30分である。また、接着剤の硬化に使用する紫外線の紫外線露光量は20〜300mJ/cm2とすることが好ましく、より好ましくは30〜250mJ/cm2、更に好ましくは40〜200mJ/cm2である。
また、ジシクロペンタジエン骨格を有するアクリル系モノマーを含有する接着剤を使用した後、紫外線硬化させることにより、ジシクロペンタジエン骨格を有するアクリル系ポリマーを含有する接着剤層を形成することが出来る。ジシクロペンタジエン骨格を有するアクリル系ポリマーから形成される接着剤層は硬化度が高い為、ヘイズの原因となる揮発性物質を発生が少ないという点で優れる接着剤層である。
接着剤層中に含まれるジシクロペンタジエン骨格を有するアクリル系ポリマーの含有量は60質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。
本実施形態に係るペリクルのペリクル枠体を構成する材料は、例えば、機械構造用炭素鋼(SCシリーズ等)、工具鋼(炭素工具鋼SKシリーズ、高速度工具鋼SKHシリーズ、合金工具鋼SKSシリーズ、SKDシリーズ、SKTシリーズ等)、マルテンサイト系ステンレスシリーズ(SUS403、SUS410、SUS410S、SUS420J1、SUS420J2、SUS429J1、SUS440A等)、アルミニウム、アルミニウム合金(5000系、6000系、7000系等)等の金属、セラミックス(SiC、AlN、Al2O3等)、セラミックスと金属の複合材料(Al-SiC、Al-AlN、Al-Al2O3等)があげられ、中でもアルミニウムやその合金をあげることができ、より具体的にはアルミニウムとマグネシウムの合金、アルミニウムとマグニシウムそしてケイ素の合金、アルミニウムと亜鉛そしてマグネシウムの合金、をあげることができる。
尚、上記の各鋼材は磁性材料のため磁石で固定出来、特に大型ペリクルの枠体の場合、加工作業が良くなり好ましく用いられる。ペリクル枠体の表面に、黒色クロムメッキ、黒色アルマイト、黒色塗装等の黒色化処理を施すことも出来る。
また、必要に応じてペリクル枠体の内壁面又は全面に、異物を補足するための粘着材(アクリル系、酢酸ビニル系、シリコン系、ゴム系等)やグリース(シリコーン系、フッ素系等)を塗布しても良い。更に、必要に応じてペリクル枠体の内部と外部を貫通する微細な穴を開けて、ペリクルとフォトマスクで形成された空間の内外の気圧差がなくなるようにすると、膜の膨らみや凹みを防止出来る。また、この時、微細な穴の外側に異物除去フィルターを取り付けると、気圧調整が可能な上、ペリクルとフォトマスクで形成された空間の中に異物が侵入することを防げるので好ましい。ペリクルとフォトマスクで形成された空間容積が大きい場合には、これらの穴やフィルターを複数個設けると、気圧変動による膜の膨らみや凹みの回復時間が短くなり、好ましい。
ペリクル枠体をフォトマスクに貼り付けるためのマスク粘着材には、それ自身に粘着力のあるホットメルト系(ゴム系、アクリル系)、基材の両面に粘着材を塗布したテープ系(基材としてアクリル系、PVC系等のシートあるいはゴム系、ポリオレフィン系、ウレタン系等のフォーム等が適用出来、粘着材としてゴム系、アクリル系、シリコーン系等の粘着材が適用される)等が使用される。
本実施形態に係るペリクルでは、マスク粘着材として、ペリクルをフォトマスクに低荷重で均一に貼り付けるために、比較的柔らかいホットメルト材料やフォームが好適である。フォームの場合は、その断面にアクリル系や酢酸ビニル系の粘着性材料あるいは非粘着性材料で覆うことにより、フォームからの発塵を防ぐことが出来る。
マスク粘着材の厚さは通常0.2mm以上とされるが、フォトマスクへの均一な貼付のために、好ましくは1mm以上とされる。上記マスク粘着材の粘着面をフォトマスクに貼り付けるまでの間保護するために、シリコーンやフッ素で離型処理されたポリエステルフィルムが使用される。
ペリクルを輸送する際のケースは、アクリル系、ABS系、PVC系、PET系等の材料を、射出成型や真空成型することにより作成される。これらの材料は帯電を防止するために、帯電防止剤を練り込んでも良いし、帯電防止構造をもったポリマー(クレハ製BAYON(商標)、旭化成製ADION(商標))を利用しても良い。
本発明に係る超大型ペリクル用のケースは、輸送中にケースが歪みケース内のペリクルのダメージを与えないように、ケースの蓋、トレイ、またはその両方にリブ構造を設け、外力に対する抵抗性を高めることが好ましい。
以下に、より具体的に本実施形態を実施例をあげて説明する。
[参考例1]
ペリクル枠体は、外径580mm×350mmのアルミニウム合金製の長方形のものを使用し、枠体の辺の幅が長辺、短辺共に7mmのものを用いた。また、ペリクル枠体とマスク粘着材の和(スタンドオフ)は7mmであった。用いたペリクル枠体は黒色アルマイト処理を施したマイクロクラックのない物であった。
ペリクル膜としては、シクロオレフィンポリマーであるZeonor1060R(日本ゼオン社製ゼオノア(商標登録))10gをデカヒドロナフタレン(キシダ化学株式会社製)90gに添加し、室温で4時間攪拌し溶解させ、70℃で4時間攪拌し、溶解させた。この溶液を低アルカリガラス上に塗布しスピンコーター上で回転塗布し、乾燥させ、ペリクル膜を成形した。この時、ペリクル膜の厚みは6μmであった。次に、ペリクル枠体とは別のアルミニウム合金製の仮枠を用意し、前記ペリクル膜を仮枠上に剥離した。次いでペリクル枠体上に接着剤を塗布した後、仮枠上に展張したペリクル膜とペリクル枠体上に設けた接着剤を接触させた。
接着剤はジシクロペンテニルアクリレートを20質量%、ウレタンアクリレートプレポリマーを20質量%、その他は、アクリル酸エステル、光開始剤、安定剤を配合させたUV硬化型の接着剤を使用した。ペリクル膜と接着剤層の接触時間を20分とし、その後、紫外線露光量を100mJ/cm2として硬化させ、ペリクル膜をペリクル枠体に貼着させてペリクルとした。同じ条件のペリクルを5枚ずつ作製した。
参考例1で用いた接着剤の配合比を表1に示す。ここで接着剤の配合比とは、接着剤層
を形成させるために用いた接着剤中に含まれるジシクロペンテニルアクリレートの含有量
(単位は質量%)を表している。
<耐風圧試験>
次に、ペリクル枠体長辺のうち一辺を選び、選んだ長辺の長さ方向中点を、ノズル口径が直径0.65mmのものを用いて、ペリクルの内側で、接着エリアから5mmの膜面の位置に45度の方向から、ノズル口径から膜面までの距離を3mmに保ちながら、エアブローを行った。この時のエアブローの風圧は0MPaから1.0MPaに0.1MPaずつ徐々に風圧を上げていった。
上記テストを各試料5回ずつ行い、先に膜が破けた場合を「A」、先に接着面から膜が剥がれた場合を「B」として接着剤評価を行った。更に先に膜が破けた又は先に接着面から膜が剥がれた時の風圧(耐風圧値)を記録した。結果を表2に記載する。
最後に、作成したペリクルのペリクル膜の厚みに対する混合層の厚みの割合(混合層の割合)を測定した。測定点は、前記耐風圧試験を行った辺とは異なる側のペリクル枠体長辺の中点とした。ペリクル膜の厚みに対する混合層の厚みの割合(混合層の割合)を表1に
示す。
[実施例2]
使用する接着剤をジシクロペンテニルアクリレートを30質量%、ウレタンアクリレー
トプレポリマーを60質量%、その他は、アクリル酸エステル、光開始剤、安定剤を配合
させたUV硬化型の接着剤とした以外は参考例1と同様にしてペリクルを作製した。実施
例2で用いた接着剤の配合比と混合層の割合を表1に示す。
次いで、参考例1と同様に耐風圧試験を行った。その結果を表2に記載する。
[実施例3]
使用する接着剤をジシクロペンテニルアクリレートを50質量%、ウレタンアクリレー
トプレポリマーを40質量%、その他は、アクリル酸エステル、光開始剤、安定剤を配合
させたUV硬化型の接着剤とした以外は参考例1と同様にしてペリクルを作製した。実施
例3で用いた接着剤の配合比と混合層の割合を表1に示す。
次いで、参考例1と同様に耐風圧試験を行った。その結果を表2に記載する。
[実施例4]
使用する接着剤をジシクロペンテニルアクリレートを70質量%、ウレタンアクリレー
トプレポリマーを20質量%、その他は、アクリル酸エステル、光開始剤、安定剤を配合
させたUV硬化型の接着剤とした以外は参考例1と同様にしてペリクルを作製した。実施
例4で用いた接着剤の配合比と混合層の割合を表1に示す。
次いで、参考例1と同様に耐風圧試験を行った。その結果を表2に記載する。
[参考例5]
使用する接着剤をジシクロペンテニルアクリレートを80質量%、ウレタンアクリレー
トプレポリマーを10質量%、その他は、アクリル酸エステル、光開始剤、安定剤を配合
させたUV硬化型の接着剤とした以外は参考例1と同様にしてペリクルを作製した。参考例5で用いた接着剤の配合比と混合層の割合を表1に示す。
次いで、参考例1と同様に耐風圧試験を行った。その結果を表2に記載する。
[比較例1]
使用する接着剤をイソボニルアクリレート50質量%、ウレタンアクリレートプレポリ
マーを40質量%、その他は、アクリル酸エステル、光開始剤、安定剤を配合させたUV
硬化型の接着剤とした以外は参考例1と同様にしてペリクルを作製した。比較例1で用い
た接着剤の配合比と混合層の割合を表1に示す。
次いで、参考例1と同様に耐風圧試験を行った。その結果を表2に記載する。
Figure 0005586387
Figure 0005586387
本発明のペリクルは、繰り返しエアブローを行っても膜が剥がれにくい為、経済性に優れる。その為、LSI(大規模集積回路)、TFT型LCD(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)等の半導体装置を製造する際のリソグラフィー工程で使用されるフォトマスクやレティクルに異物が付着することを防止するためのペリクルとして、好適に用いることが出来る。

Claims (6)

  1. 光学用有機高分子材料からなるペリクル膜と、前記ペリクル膜の表面上に接着された接着剤層と、前記接着剤層と接する枠体と、を備えるペリクルであって、前記接着剤層と前記ペリクル膜の間に、前記光学用有機高分子材料と前記接着剤層を形成させるために用いた接着剤成分との混合成分から形成される混合層を有し、前記ペリクル膜の厚みに対する前記混合層の厚みが0.05〜0.7倍であることを特徴とするペリクル。
  2. 前記光学用有機高分子材料が、シクロオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のペリクル。
  3. 前記接着剤成分にジシクロペンタジエン骨格を有するアクリル系モノマーを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のペリクル。
  4. 前記接着剤成分中のジシクロペンタジエン骨格を有するアクリル系モノマーの含有量が30〜70質量%であることを特徴とする請求項3に記載のペリクル。
  5. 前記接着剤層がジシクロペンタジエン骨格を有するアクリル系ポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のペリクル。
  6. 枠体上にジシクロペンタジエン骨格を有するアクリル系モノマーを含む接着剤を塗布する第一の工程、前記接着剤とシクロオレフィン系樹脂からなるペリクル膜を2分〜50分接触させる第二の工程、前記接着剤を硬化させる第三の工程、をこの順に含むペリクルの製造方法。
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