JP5584713B2 - アズレンスルホン酸ナトリウムを主剤とする点鼻薬 - Google Patents

アズレンスルホン酸ナトリウムを主剤とする点鼻薬 Download PDF

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Description

本発明は、アレルギー性鼻炎、急性・慢性鼻炎及び急性・慢性副鼻腔炎に使用する点鼻薬に係り、特に鼻に噴霧して使用するアズレンスルホン酸ナトリウムを主剤とする点鼻薬に関する。
従来からアレルギー性鼻炎、急性・慢性鼻炎、及び急性・慢性副鼻腔炎などに使用される点鼻薬には、ケミカルメディエーター遊離抑制薬、ケミカルメディエーター受容体括抗薬、鼻噴霧用ステロイド薬、血管収縮薬などがある。鼻腔、副鼻腔に直接薬剤を噴霧するステロイド薬は、現在のアレルギー性鼻炎の治療薬として症状改善効果の高い薬剤の一つである。
アレルギー性鼻炎の薬物治療には噴霧式の点鼻薬が多用されている。鼻噴霧用ステロイド点鼻薬の作用は抗炎症作用がある。この種の点鼻薬は、微量でも効果は強いことが特徴である。またこの点鼻薬は、鼻腔又は副鼻腔の局所で吸収されにくく、吸収されてもすぐ分解されやすいため、1年以上の長期間の連用でも全身的副作用は出現しにくいなどの特徴がある。
このような点鼻薬は、その薬液を鼻粘膜へ広く散布することにより十分な薬効を得ることができる。使用に際して、例えば水溶性の噴霧用の点鼻薬では、もともと鼻閉がある際には注意が必要であり、また鼻腔内に鼻汁がある際にもよく鼻をかんでから使用する。次に、点鼻薬は最初に数回空打ちして、薬液が確実に噴霧状に出ることを確認する。そこで、一方の鼻孔を指で塞ぎ、他方の鼻孔にノズルの先を鼻中隔に向けないように容器を押して鼻腔内に広く薬液を散布する。
なお、治療に際して鼻粘膜浮腫が強い場合には鼻腔通気を改善するために点鼻用血管収縮薬を使用することも有効である。鼻噴霧用ステロイド薬を鼻粘膜全体へ十分散布することを目的として、鼻噴霧用ステロイド薬使用10〜30分前に点鼻用血管収縮薬を使用することがある。1〜2週間を目途として使用し、鼻噴霧用ステロイド薬の効果発現とともに休薬する。漫然とした点鼻用血管収縮薬の使用は、薬剤性鼻炎の原因となるので避けなければいけないとされている。
このような鼻炎やアレルギー性過敏症の症状の予防、治療及び緩和に使用される薬剤に関する技術について、例えば特許文献1の特開平11−246416号公報「点鼻用添加剤及び点鼻薬」に、保湿効果をもたらし、鼻孔中の粘膜の乾燥を防ぎ、鼻孔を外気から保護することにより、鼻炎やアレルギー性過敏症を予防し、またこれらの症状を治療又は緩和することができる点鼻用添加剤及び点鼻薬が提案されている。
特開平11−246416号公報
本発明の発明者は、噴霧式の点鼻薬としてアズレンズルホン酸ナトリウムに着目した。アズレンスルホン酸ナトリウムは、主に用時水または微温湯に溶解する含嗽用顆粒剤として、あるいは歯肉と頬粘膜の間に挿入する徐放錠として咽頭炎、扁桃炎、口内炎、口腔創傷などに使用されている。しかし、アズレンスルホン酸ナトリウムの用時溶解型の剤形は含嗽後口腔内全体に広がるが、唾液の分泌や舌の動きによって抗炎症作用を持つアズレンスルホン酸ナトリウムが口腔粘膜面から短時間に洗い流される可能性がある。
一方、アズレンスルホン酸ナトリウムの徐放錠では、長時間の持続的な効果が得られるが唾液との接触に乏しい口腔内の狭隘部には効果が少ない可能性がある。アズレンスルホン酸ナトリウムは剤形での使用に適していない。そこで、この両者の長所を合わせ持つ製剤として、アズレンスルホン酸ナトリウムの水溶液に各種増粘剤を添加した合嗽液が提案されている。この増粘剤を添加したアズレンスルホン酸ナトリウムの口腔内滞留性の向上と、増粘剤自体による炎症面の保護効果が期待されている。
本発明の発明者は、このような合嗽液として咽頭炎、扁桃炎、口内炎、口腔創傷など薬効を有するアズレンスルホン酸ナトリウムは、アレルギー性鼻炎、急性・慢性鼻炎、及び急性・慢性副鼻腔炎にも薬効を有することは至当であると考えた。そこで、アズレンスルホン酸ナトリウムの水溶液を点鼻薬に使用することに着目した。
アズレンスルホン酸ナトリウム水溶液は、抗炎症作用を有するので、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、眼のかゆみ、涙目などの症状がみられるアレルギー性鼻炎に適している。このアレルギー性鼻炎は、外部環境中の原因物質に対して体の免疫システムが反応することによって引き起こされるとされている。しかし、アズレンスルホン酸ナトリウム水溶液の単体では、鼻水、鼻づまり、鼻汁がのどに回る後鼻漏、せき、微熱などの症状が出るウイルス性鼻炎に対しては、薬効が少なかった。
また、慢性鼻炎の1種で、鼻の粘膜が薄く硬くなり、鼻腔が広がって乾燥が進みやすい症状が出る萎縮性鼻炎にも薬効が少なかった。
また、点鼻薬は、口腔内に入れる含嗽薬とは異なり、下向きに穴が形成されている鼻腔に噴霧するものであるために、アズレンスルホン酸ナトリウムの薬剤の滞留性が口腔内と比べると極端に低下する。即ち、薬液を鼻腔に噴霧してもすぐに滴下しやすいという問題を有していた。
なお、アズレンスルホン酸ナトリウムなどの薬剤の濃度を高め、薬効を高める方法も考えられるが、鼻腔内の粘膜へ直接刺激性の高い薬剤を噴霧することは治療に適さないという問題を有していた。また、粘性が高い薬液は噴霧が困難であり、かつ鼻腔内で均一に散布しづらいという問題を有していた。
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、主剤に添加物を配合することで、従来は口腔用の含嗽薬に主に使用されていたアズレンスルホン酸ナトリウムの水溶液を噴霧式で鼻、副鼻腔の治療、予防に使用できるようにしたアズレンスルホン酸ナトリウムを主剤とする点鼻薬を提供することにある。
本発明は、薬液を鼻腔、副鼻腔内に直接噴霧して鼻、副鼻腔の治療のための点鼻薬であって、水1ミリリットル中にアズレンスルホン酸ナトリウムの水和物20mg〜60mgを溶解して主剤とし、該主剤に添加物として抗アレルギーの薬効を有する柴胡と抗炎症作用を有する石膏を配合した、ことを特徴とする。
本発明の点鼻薬は、例えば、水1ミリリットル中に、アズレンスルホン酸ナトリウムの水和物20mg〜60mgと、前記抗アレルギーの薬効を有する柴胡20mg〜100mgと、前記抗炎症作用を有する石膏5mg〜50mgとを溶解したものである。
上記の本発明では、アズレンスルホン酸ナトリウム水和物の抗炎症作用等により、1日数回の鼻腔・副鼻腔への噴霧により、アレルギー性鼻炎の治療効果がある。更に、アレルギー性鼻炎以外に、急性・慢性鼻炎、急性・慢性副鼻腔炎の治療及び予防効果がある。本発明のアズレンスルホン酸ナトリウムは微量でも効果は強く、連用によって改善率は上昇する。更に点鼻後直ちに症状の改善、消失等の効果がみられる。
なお、アズレンスルホン酸ナトリウムは、鼻腔、副鼻腔のような局所で吸収されにくく、吸収されてもすぐ分解されるため、1年以上の連用でも全身的副作用は出現しにくいので安全性が高い。
アズレンスルホン酸ナトリウムの抗酸化作用により、患部の消毒ができるため、治療はもとより感染の予防も可能である。
漢方薬の紫胡と石膏の添加により、紫胡の抗アレルギー作用と解熱鎮痛作用及び石膏の抗炎症作用といった異なる作用機序により、それぞれ単独で用いた場合より相補的相乗効果で、消炎解熱鎮痛作用の強化が得られる。
更に紫胡には免疫増強作用もあるため、アレルギーを含む炎症性疾患の治療及び予防になる。
このアズレンスルホン酸ナトリウムに紫胡と石膏を配合した点鼻薬では、紫胡の抗アレルギー作用、石膏の抗炎症作用といった異なる作用機序による相補的相乗効果で、それぞれ単独で用いた場合より抗アレルギー作用の強化が得られる。
また、石膏には排泄作用があるため、鼻腔・副鼻腔の炎症産物の排泄がなされ、治癒を早めることができる。
本発明では、アズレンスルホン酸ナトリウムの主剤に、紫胡と石膏という漢方薬の配合剤を点鼻することにより、鼻腔及び副鼻腔のアレルギー性鼻炎を含み、また感染性疾患を含む炎症性疾患に対して、全く新しい作用機序による治療効果おび予防効果を発揮できる。
本発明は、薬液を鼻腔内に直接噴霧する鼻噴霧用の点鼻薬であって、アズレンスルホン酸ナトリウムの水溶液を主剤とし、この主剤に添加物として抗アレルギーと抗炎症作用の薬効を有する漢方薬を配合したアズレンスルホン酸ナトリウムを主剤とする点鼻薬用である。
以下、本発明の実施例を説明する。
〈アズレンスルホン酸ナトリウムを主剤とする点鼻薬〉
アズレンスルホン酸ナトリウムを主剤とする点鼻薬は、水1ミリリットルにアズレンスルホン酸ナトリウムの水和物を、1回の噴霧量が多い場合として0.5mg〜3.0mgを、1回の噴霧量が少ない場合として20mg〜60mgを溶解した水溶液を主剤とし、この主剤に添加物として抗アレルギーの薬効を有する漢方薬と抗炎症作用の薬効を有する漢方薬を配合することが望ましい。アズレンスルホン酸ナトリウムは濃青色の昇華性の高い結晶である。粘膜の炎症を鎮静化する作用がある。また、アズレンスルホン酸ナトリウムは抗酸化作用により消毒作用があり、抗炎症作用、抗酸化作用を利用し単独でも治療薬として用いられている。
このアズレンスルホン酸ナトリウムの水溶液を主剤に、抗アレルギーの薬効を有する漢方薬として 柴胡(サイコ)を配合した。この添加物の紫胡(サイコ)は、セリ科のミシマサイコ又はその変種の根であり、サポニンを含有する。この紫胡(サイコ)の薬理作用としては、サポニン分画は中枢抑制、鎮痛、鎮咳、解熱、抗炎症、ストレス性潰瘍抑制、利尿作用を有する。また、サイコゲニンAは中枢抑制、鎮痛、鎮咳、解熱、抗炎症の作用を有する。メタノール可溶分画は鎮痛、抗潰瘍の作用を有する。
紫胡(サイコ)は、リンパ球のリンパ球機能調節作用が本質的な作用である。紫胡(サイコ)の作用はステロイドホルモンの作用に類似しているが、ステロイドホルモンではないため、極めて安全性が高い。紫胡(サイコ)は、抗アレルギー作用及び免疫増強作用を有し、解熱薬、解毒薬、鎮痛薬、消炎薬、抗アレルギー薬として使用する。
添加物としての紫胡(サイコ)は、例えば水で数十分煮出して薬液を生成する。この柴胡(サイコ)の配合割合は、アズレンスルホン酸ナトリウムの主剤に、1〜10w%の添加が適していた。
更に、本発明の点鼻薬に添加物として石膏(硫酸カルシウムCaSO・2HO)を配合した。この石膏(CaSO・2HO)は清熱瀉下薬の代表的なものであり、熱をとり潤す生薬で体液の保持、解熱、排泄物の排泄作用を有する。この石膏の主な作用は、抗炎症作用と排泄作用である。抗アレルギー作用もあるとされている。この石膏の配合割合は、アズレンスルホン酸ナトリウムの主剤に、0.4〜5w%の添加が適していた。
なお、アズレンスルホン酸ナトリウムは鼻腔、副鼻腔のような局所で吸収されにくく、吸収されてもすぐ分解されるため、1年以上の連用でも全身的副作用は出現しにくい。アズレンスルホン酸ナトリウムの抗酸化作用により、患部の消毒ができるため、治療はもとより感染の予防ができる。
本発明の点鼻薬は、紫胡の抗アレルギー作用と解熱鎮痛作用、及び石膏の抗炎症作用といった異なる作用機序により、それぞれ単独で用いた場合より相補的相乗効果で、消炎解熱鎮痛作用の強化が得られる。このように紫胡には免疫増強作用もあるため、アレルギーを含む炎症性疾患の治療及び予防になる。
本発明の点鼻薬は、アズレンスルホン酸ナトリウムに紫胡と石膏を配合したので、それぞれの薬剤の持つ抗炎症作用等をそれぞれ単独で用いた場合より相補的、相乗的に強化できる。特に漢方薬と西洋薬では作用機序が全く異なるため、これらの配合は真に相加相乗的となる。また、紫胡の抗アレルギー作用、石膏の抗炎症作用といった異なる作用機序による相補的相乗効果で、それぞれ単独で用いた場合より抗アレルギー作用の強化が得られる。
また、石膏には排泄作用があるため、鼻腔・副鼻腔の炎症産物の排泄がなされ、治癒を早めることができる。
本発明の点鼻薬は、紫胡と石膏とアズレンスルホン酸ナトリウムという漢方薬と西洋薬の配合剤を点鼻することにより、鼻腔及び副鼻腔のアレルギー性鼻炎を含み、また感染性疾患を含む炎症性疾患に対して今まで考えられなかった、全く新しい作用機序による治療効果おび予防効果を発揮する。
本発明の発明者は、紫胡(サイコ)、石膏以外の漢方薬の添加物について薬効があるものを検討してみた。点鼻薬を処方する年代に応じて薬効が相違するので、小児、青年、中高年の場合に分けて検証してみた。
(1)小児の場合
鼻アレルギーの子供には、本発明の点鼻薬に葛根湯(カッコントウ)を添加したものを使用した。良好な薬効を得ることができた。この葛根湯には排膿作用があり、異物を排出する作用があるからと推測される。そこで、添加物は紫胡(サイコ)に代えて葛根湯(カッコントウ)を配合することも可能である。
なお、慢性副鼻腔炎に使う場合は、葛根湯と葛根湯加朮附湯(カツコントウカジュツブトウ)では、葛根湯の方が却って薬効が良いことがある。葛根湯は排膿作用が強いので排膿口が閉鎖されている場合は葛根湯は適さなかった。
(2)青年の場合
青年には、本発明の点鼻薬に柴胡剤(小柴胡湯(ショウサイコトウ)、四逆散(シギャクサン))や柴胡を含む刑芥連勉湯(ケイガイレンギョウトウ)などを添加したものを使用した。特に四逆散には芍薬(シャクヤク)、枳実(キョジツ)が含まれていて排膿散の作用があるので,鼻疾患に有用であった。
(3)中高年の場合
中高年には、葛根湯は適さなかった。本発明の点鼻薬に辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)か補中益気湯(ホチュウエッキトウ)、黄耆連中湯(オウギケンチュウトウ),十全大輔湯(ジュウゼンタイホトウ)などを添加したものを使用した。
鼻に「熱をもつ感じ」で鼻づまりがひどく、後鼻漏があるものは、辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)を添加したものを使用した。
〈漢方薬以外に配合する添加物〉
本発明の点鼻薬には、漢方薬、石膏以外にも次のような添加物を配合することができる。これらは、増粘剤、抗酸化剤、分散剤、安定化剤又は香料などを目的とする。例えば、エデト酸ナトリウム、ベンザルコニウム塩化物、等張化剤、グリセリン、メントール、エタノール、pH調節剤、等張化剤、香料、カルボキシビニルポリマー、アルギニン、セルロース、CMC−Na、プロピレングリコール、ポリソルベート、クエン酸、D−ソルビトール、ポリビニルアルコール、シリコーン樹脂、リン酸二水素、塩化ナトリウム、フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール、ホウ酸、ホウ砂、炭酸水素ナトリウムなどがある。
これらの添加物は、点鼻薬の主な治療目的に応じて選択し、その配合量が決められる。または成人用、小児用の別に応じても選択され、その配合量が決められる。
〈漢方薬以外に配合する併用薬〉
更に、本発明の点鼻薬には、漢方薬、石膏、添加物以外にも次のような併用薬を配合することができる。例えば、ケミカルメディエーター遊離抑制薬、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬、Th2サイトカイン阻害薬、ステロイド薬、血管収縮薬などがある。
これらの併用薬についても添加物と同様に、点鼻薬の主な治療目的、成人用、小児用の別に応じても選択され、その配合量が決められる。
〈本発明の点鼻薬の使用方法〉
このような配合からなる本発明の点鼻薬は、鼻腔・副鼻腔の鼻粘膜へ広く散布されることで十分な薬効を得ることができる。例えば、鼻腔・副鼻腔内に鼻閉がある場合には使用に注意が必要である。また、鼻腔内に鼻汁がある際にはよく鼻をかんでおく必要がある。
なお、鼻粘膜浮腫が強い場合には鼻腔通気を改善するために点鼻用血管収縮薬を使用することも有効である。本発明の点鼻薬を鼻粘膜全体へ十分散布すべく、この点鼻薬の使用10〜30分前に点鼻用血管収縮薬を使用することが望ましい。
〈各症例における、本発明の点鼻薬A使用による症状の経過〉
点鼻薬Aを使用した複数の人の症状の経過を説明する。
点鼻薬Aは、アズレンスルホン酸ナトリウムの主剤(水1ミリリットルにアズレンスルホン酸ナトリウムの水和物0.5mg〜3.0mgを溶解)に添加物として柴胡(サイコ)と石膏(CaSO)を配合した点鼻薬(アズレンスルホン酸ナトリウムの主剤にそれぞれ、1〜10w%、1〜5w%の添加)であり、1日に1回、1mlの噴霧を行った。
(1)慢性副鼻腔炎(35歳 女性)
5年間も慢性副鼻腔炎の症状があり、難しい場所に膿ができるので頭痛、顔面痛、体調不良で治療中の人が、点鼻薬Aを1日1回、1ml噴霧使用したところ、1ヶ月で諸症状が回復した。
(2)急性鼻炎(10歳 男性)
急性鼻炎の症状がある人に、点鼻薬Aを1日1回、1ml噴霧使用したところ、1週間以内に消失した。
(3)アレルギー性鼻炎(10代から60代の男女多数)
アレルギー性鼻炎の症状のある人に、点鼻薬Aを1日1回、1ml噴霧使用したところ、アレルギー症状の改善が見られた。
〈各症例における、本発明の点鼻薬B使用による症状の経過〉
点鼻薬Bを使用した複数の人の症状の経過を説明する。
点鼻薬Bは、水1ミリリットルにアズレンスルホン酸ナトリウムの水和物20mg〜60mgを溶解したアズレンスルホン酸ナトリウムの主剤に、添加物として柴胡(サイコ)20mg〜100mgと石膏(CaSO) 5mg〜50mgを配合した点鼻薬であり、1日数回、0.1ml/1回の噴霧を行った。
(1)急性鼻炎(生後3か月 男性)
前日から鼻汁、鼻閉の症状があり、点鼻薬Bを1回1噴霧左右の鼻腔に1日2回点鼻した。点鼻開始後、直ちに症状が改善してゆき、3日で治癒を確認した。
(2)急性鼻炎(2歳 女性)
前日から鼻汁、鼻閉の症状があり、点鼻薬Bを1回1噴霧左右の鼻腔に1日2回点鼻した。点鼻開始後、直ちに症状が改善してゆき、5日で治癒を確認した。
(3)急性鼻炎(12歳 男性)
前々日から鼻汁、鼻閉の症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日2回点鼻した。点鼻開始後、直ちに症状が改善してゆき、4日で治癒を確認した。
(4)急性鼻炎(25歳 女性)
前日から鼻汁、鼻閉の症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日2回点鼻した。点鼻開始後、直ちに症状が改善してゆき、3日で治癒を確認した。
(5)急性鼻炎(54歳 男性)
当日から鼻汁、鼻閉の症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日2回点鼻した。点鼻開始後、直ちに症状が改善してゆき、4日で治癒を確認した。
(6)急性鼻炎(78歳 女性)
前々日から鼻汁、鼻閉、くしゃみの症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日2回点鼻した。点鼻開始後、直ちに症状が改善してゆき、7日で治癒を確認した。
(7)急性副鼻腔炎(3歳 男性)
前日から膿性鼻汁、鼻閉の症状があり、点鼻薬Bを1回1噴霧左右の鼻腔に1日4回点鼻した。点鼻開始後、直ちに症状が改善してゆき、6日で治癒を確認した。
(8)急性副鼻腔炎(8歳 男性)
前日から膿性鼻汁、鼻閉の症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日4回点鼻した。点鼻開始後、直ちに症状が改善してゆき、6日で治癒を確認した。
(9)急性副鼻腔炎(14歳 女性)
一週間前から膿性鼻汁、鼻閉の症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日4回点鼻した。点鼻開始後、直ちに症状が改善してゆき、7日で治癒を確認した。
(10)急性副鼻腔炎(37歳 男性)
3日前から膿性鼻汁、鼻閉、頭重感の症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日4回点鼻した。点鼻開始後、直ちに症状が改善してゆき、10日で治癒を確認した。
(11)急性副鼻腔炎(62歳 女性)
当日から膿性鼻汁、鼻閉の症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日4回点鼻した。点鼻開始後、直ちに症状が改善してゆき、6日で治癒を確認した。
(12)慢性副鼻腔炎(10歳 男性)
3カ月前から膿性鼻汁、鼻閉の症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日4回点鼻した。点鼻開始後、直ちに症状が改善してゆき、28日で治癒を確認した。
(13)慢性副鼻腔炎(28歳 女性)
6カ月前から膿性鼻汁、鼻閉及び頭重感の症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日4回点鼻した。点鼻開始後、直ちに症状が改善してゆき、49日で治癒を確認した。
(14)慢性副鼻腔炎(49歳 男性)
2カ月前から膿性鼻汁、鼻閉、異臭の症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日4回点鼻した。点鼻開始後、直ちに症状が改善してゆき、49日で治癒を確認した。特に異臭については7日で消失した。
(15)慢性副鼻腔炎(72歳 男性)
数年来の膿性鼻汁、鼻閉の症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日4回点鼻した。点鼻開始後、直ちに症状が改善してゆき、63日で治癒を確認した。
(16)慢性副鼻腔炎(46歳 女性)
6カ月前から膿性鼻汁、鼻閉の症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日4回点鼻した。点鼻開始後、直ちに症状が改善してゆき、42日で治癒を確認した。
(17)慢性副鼻腔炎(10歳 男性)
3カ月前から膿性鼻汁、鼻閉の症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日4回点鼻した。点鼻開始後、直ちに症状が改善してゆき、28日で治癒を確認した。
(18)アレルギー性鼻炎(軽症)(2歳 女性)
3日前から鼻汁、鼻閉、くしゃみの症状があり、点鼻薬Bを1回1噴霧左右の鼻腔に1日2回点鼻した。点鼻後、直ちに症状が消失した。
(19)アレルギー性鼻炎(軽症)(7歳 女性)
通年性に鼻汁、鼻閉、くしゃみの症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日2回点鼻した。点鼻後、症状が軽減するも尚コントロールできないため、ベボタスチンベジル酸塩を内服させた。これにより症状が消失した。点鼻、内服を続行している。
(20)アレルギー性鼻炎(軽症)(15歳 男性)
4日前から鼻汁、鼻閉、くしゃみの症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日2回点鼻した。点鼻後、直ちに症状が消失した。
(21)アレルギー性鼻炎(軽症)(42歳 男性)
通年制に鼻汁、鼻閉、くしゃみの症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日2回点鼻した。点鼻後、直ちに症状が消失した。点鼻薬Bをやめるとアレルギー症状がでるため、継続して点鼻している。
(22)アレルギー性鼻炎(軽症)(61歳 女性)
通年制に鼻汁、鼻閉、くしゃみの症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日2回点鼻した。点鼻後、直ちに症状が消失した。点鼻薬Bをやめるとアレルギー症状がでるため、継続して点鼻している。
(23)アレルギー性鼻炎(中等症)(2歳 男性)
10日前から鼻汁、鼻閉、くしゃみの症状があり、点鼻薬Bを1回1噴霧左右の鼻腔に1日4回点鼻した。点鼻後、直ちに症状が消失した。
(24)アレルギー性鼻炎(中等症)(14歳 男性)
7日前から鼻汁、鼻閉、くしゃみの症状があり、点鼻薬Bを2回2噴霧左右の鼻腔に1日4回点鼻した。点鼻後、直ちに症状が消失した。
(25)アレルギー性鼻炎(中等症)(33歳 女性)
通年性に鼻汁性、鼻閉、くしゃみの症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日4回点鼻した。点鼻後、症状が軽減するも尚コントロールできないため、ベボタスチンベジル酸塩を内服させた。これにより症状が消失した。点鼻、内服を続行している。
(26)アレルギー性鼻炎(中等症)(46歳 男性)
通年性に鼻汁性、鼻閉、くしゃみの症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日4回点鼻した。点鼻後、直ちに症状が消失した。点鼻を続行している。
(27)アレルギー性鼻炎(中等症)(66歳 女性)
3日前から鼻汁性、鼻閉、くしゃみの症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日4回点鼻した。点鼻後、直ちに症状が消失した。
(28)アレルギー性鼻炎(重症)(2歳 女性)
3日前から鼻汁性、鼻閉、くしゃみの症状があり、点鼻薬Bを1回1噴霧左右の鼻腔に1日6回点鼻した。点鼻後、直ちに症状が消失した。
(29)アレルギー性鼻炎(重症)(11歳 男性)
4日前から鼻汁性、鼻閉、くしゃみの症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日6回点鼻した。点鼻後、直ちに症状が消失した。
(30)アレルギー性鼻炎(重症)(24歳 女性)
通年性に鼻汁性、鼻閉、くしゃみの症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日6回点鼻した。点鼻後、症状が軽減するも尚コントロールできないため、ベボタスチンベジル酸塩を内服させた。これにより症状が消失した。点鼻、内服を続行している。
(31)アレルギー性鼻炎(重症)(40歳 女性)
7日前から鼻汁性、鼻閉、くしゃみの症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日6回点鼻した。点鼻後、直ちに症状が消失した。
(32)アレルギー性鼻炎(重症)(55歳 男性)
5日前から鼻汁性、鼻閉、くしゃみの症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日6回点鼻した。点鼻後、症状が軽減するも尚コントロールできないため、ベボタスチンベジル酸塩を内服させた。これにより症状が消失した。
(33)アレルギー性鼻炎(重症)(55歳 男性)
通年制に鼻汁性、鼻閉、くしゃみの症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日6回点鼻した。点鼻後、症状が軽減するも尚コントロールできないため、ベボタスチンベジル酸塩を内服させた。これにより症状が消失した。点鼻、内服を続行している。
(34)アレルギー性鼻炎(重症)(67歳 女性)
通年制に鼻汁性、鼻閉、くしゃみの症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日6回点鼻した。点鼻後、症状が軽減するも尚コントロールできないため、ベボタスチンベジル酸塩を内服させた。これにより症状が消失した。点鼻、内服を続行している。
(35)アレルギー性鼻炎(重症)(80歳 女性)
2日前から鼻汁性、鼻閉、くしゃみの症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日6回点鼻した。点鼻後、直ちに症状が消失した。
(36)アレルギー性鼻炎(重症)(80歳 男性)
通年制に鼻汁性、鼻閉、くしゃみの症状があり、点鼻薬Bを1回2噴霧左右の鼻腔に1日6回点鼻した。点鼻後、症状が軽減するも尚コントロールできないため、ベボタスチンベジル酸塩を内服させた。これにより症状が消失した。点鼻、内服を続行している。
〈点鼻薬Aを1日1回、1ml/1回噴霧した場合の症状の改善状況〉
点鼻薬Aはアズレンスルホン酸ナトリウムの水和物が抗炎症作用を有し、1日1回の鼻腔・副鼻腔への噴霧により、アレルギー性鼻炎の治療効果がある。更に、アレルギー性鼻炎以外に、急性・慢性鼻炎、急性・慢性副鼻腔炎の治療及び予防効果がある。本発明のアズレンスルホン酸ナトリウムは微量でも効果は強く、連用によって症状の改善率は上昇する。更に効果発現は早く、約1〜2日で効果がみられた。
〈点鼻薬Bを1日数回、0.1ml/1回噴霧した場合の症状の改善状況〉
(1)急性鼻炎について
0〜3歳の患者には、1回1噴霧左右の鼻腔に噴霧した。生後2ヶ月から3歳までの患者、男女30名に、左右の鼻腔に1日2回点鼻した。その結果、3〜7日で、全員治癒した。4〜80歳の患者、男女30名に鞍鼻したのち1回に2噴霧左右の鼻腔に1日2回点鼻した。その結果、3〜10日で、全員治癒した。
(2)急性副鼻腔炎
0〜3歳の患者には、1回1噴霧左右の鼻腔に噴霧した。生後2ヶ月から3歳までの患者、男女30名に、左右の鼻腔に1日4回点鼻した。その結果、5〜14日で、全員治癒した。4〜80歳の患者、男女30名に鞍鼻したのち1回に2噴霧左右の鼻腔に1日4回点鼻した。その結果、5〜10日で、全員治癒した。
(3)慢性副鼻腔炎
4〜80歳の患者、男女20名鞍鼻したのち1回に2噴霧左右の鼻腔に1日4回点鼻した。点鼻開始から4日目から徐々に症状、所見が改善していった。その結果、15〜90日で、全員治癒した。
(4)アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は体質なので、減感作療法が成功しない限り、治癒する疾患ではないが以下のような効果が確認された。
軽症の患者には120名では1〜3歳の患者には、1回1噴霧1日2回左右の鼻腔に噴霧した。4〜80歳の患者、鞍鼻したのち1回に2噴霧1日2回左右の鼻腔に点鼻した。点鼻効果は、5分であらわれた。症状消失80%、症状改善20%、無効0%であった。
中等症の患者には男女100名では、1〜3歳の患者には、1回1噴霧1日4回左右の鼻腔に噴霧した。4〜80歳の患者、鞍鼻したのち1回に2噴霧1日4回左右の鼻腔に点鼻した。点鼻効果は、5分であらわれた。症状消失65%、症状改善35%、無効5%であった。症状消失しない患者には、第二世代の抗ヒスタミン薬を併用し、症状消失100%であった。
重症の患者20名には、1〜3歳の患者には、1回1噴霧1日6回左右の鼻腔に噴霧した。4〜80歳の患者、鞍鼻したのち1回に2噴霧1日6回左右の鼻腔に点鼻した。点鼻効果は、5分であらわれた。症状消失50%、症状改善45%、無効5%であった。症状消失しない患者には、第二世代の抗ヒスタミン薬を併用し、症状消失100%であった。なお、通常、アレルギー性鼻炎の場合、中等症、重症例においてはベボタスチンベジル酸塩のみでは、症状をコントロールできなかった。
点鼻薬Bは、アズレンスルホン酸ナトリウムの水和物の抗炎症作用等により、1日数回の鼻腔・副鼻腔への噴霧により、アレルギー性鼻炎の治療効果があった。更にまた、アレルギー性鼻炎以外に、急性・慢性鼻炎、急性・慢性副鼻腔炎の治療及び予防効果があった。本発明のアズレンスルホン酸ナトリウムは微量でも効果は強く、連用によって症状の改善率は上昇した。また、点鼻後直ちに症状の改善、消失等の効果がみられた。
なお、本発明は、主剤に添加物を配合することで、従来は口腔用にしか使用されていなかったアズレンスルホン酸ナトリウムの水溶液を噴霧式で鼻、副鼻腔の治療に使用することができれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
本発明のアズレンスルホン酸ナトリウムを主剤とする点鼻薬は、アレルギー性鼻炎、急性・慢性鼻炎、及び急性・慢性副鼻腔炎などの治療、予防に利用することができる。

Claims (2)

  1. 薬液を鼻腔、副鼻腔内に直接噴霧して鼻、副鼻腔の治療のための点鼻薬であって、
    水1ミリリットル中にアズレンスルホン酸ナトリウムの水和物20mg〜60mgを溶解して主剤とし、
    該主剤に添加物として抗アレルギーの薬効を有する柴胡と抗炎症作用を有する石膏を配合した、ことを特徴とするアズレンスルホン酸ナトリウムを主剤とする点鼻薬。
  2. 水1ミリリットル中に、アズレンスルホン酸ナトリウムの水和物20mg〜60mgと、
    前記抗アレルギーの薬効を有する柴胡20mg〜100mgと、
    前記抗炎症作用を有する石膏5mg〜50mgとを溶解した、ことを特徴とする請求項1のアズレンスルホン酸ナトリウムを主剤とする点鼻薬。
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