JP5584586B2 - 複数ノズル構成内への不均衡流れ分布を減少させる燃焼器ヘッドエンド案内ベーン - Google Patents

Description

本発明は、複数ノズル燃焼器のヘッドエンドに対する流れ分布に関する。

産業用ガスタービンは、一般的に燃焼器の環状アレイによって形成された燃焼セクションを有する。各燃焼器は、円筒形チャンバでありかつ可燃混合気に混合された気体及び／又は液体燃料並びに燃焼空気を受ける。空気−燃料混合気は、燃焼器内で燃焼して、タービンを駆動するために適用される高温加圧燃焼ガスを発生する。

燃焼器は一般的に、デュアルモード単段式複数バーナユニットである。デュアルモードというのは、気体又は液体燃料を燃焼させる燃焼器の能力を意味する。単段というのは、各燃焼器の円筒形ライニングによって形成された単一の燃焼ゾーンを意味する。

燃焼器内で火炎を安定させることは、連続燃焼、高温燃焼ガスの効率的な発生及び燃焼によるエミッションの低減を可能にするのを助ける。燃焼の火炎は、特に燃料−空気混合気がリーンになる燃焼過渡運転時における燃焼器内の動的圧力変動により、振動する傾向になる。これらの振動は、燃焼器内の火炎を消炎しかつ燃焼器を疲労させるおそれがある。

ガスタービン用の単段式燃焼器は、該燃焼器の中心軸線の周りに配置された外側燃料ノズルの環状アレイと、中心軸線と整列した中心燃料ノズルとを含むことができる。燃焼器にわたる圧力降下を使用して、空気流れを燃焼器に対して分割する。しかしながら、圧力降下は、外側燃料ノズルに対する空気流れの不均衡流れ分布を引き起こす。

米国特許第７，１８５，４９４号公報

１つの実例としての実施形態によると、ガスタービン用の燃焼器は、アレイの形態で設けられた複数のノズルと、ノズルのアレイに対して所望の空気流れ分布をもたらすように構成されたバッフルプレートと、該燃焼器のヘッドエンドからバッフルプレートまで延びかつその外表面内に複数の孔を備えたケーシングとを含む。

別の実例としての実施形態によると、ガスタービンの燃焼器内において空気流れを分布させる方法を提供する。燃焼器は、アレイの形態で配置された複数のノズルと、バッフルプレートと、そのヘッドエンドからバッフルプレートまで延びかつ外表面内に複数の孔を有するケーシングとを含む。本方法は、ケーシングの外表面に空気流れを供給するステップと、バッフルプレートの周りに空気流れを導くステップと、ノズルのアレイに対してバッフルプレートを通して空気流れを分布させるステップとを含む。

実施形態による複数ノズル燃焼器を概略的に示す図。 側部ケーシングを備えた、図１に示すような複数ノズル燃焼器を概略的に示す図。 別の実施形態による複数ノズル燃焼器を概略的に示す図。 図３の燃焼器を通る空気流れを概略的に示す図。

図１を参照すると、複数ノズル燃焼器２は、複数のノズル４を含む。複数ノズル燃焼器２のヘッドエンドに対する流れ分布は、外側ノズルに対して空気流れ８を強制的に送るように調整したバッフルプレート６によって行なわれる。

バッフルプレート６は、ノズル４に対して所望の流れ分布をもたらすように構成することができる複数の孔を含む。空気流れ８は、圧力降下に対する大きな影響ない状態で、バッフルプレート６によってノズル４に対して分布される。しかしながら、バッフルプレート６は、圧力降下を増大させる可能性がある。バッフルプレート６には、異なる寸法の孔２０を設けることができる。

図２を参照すると、燃焼器２は、複数の孔１２を備えたケーシング１０を含むことができる。空気流れ８は、流れスリーブ入口１４を通って燃焼器２のヘッドエンドに流入し、次にケーシング１０の外部に向けて下方に流れる。流れスリーブ入口１４は、所望の圧力降下を達成するように調整することができる。

空気流れ８は、矢印１６で示すように燃焼器２の底部において上方に方向転換し、バッフルプレート６を通って上方に流れる。空気流れ８の幾らかは、ケーシング１０内の孔１２によって抜取ることができる。

図３及び図４を参照すると、燃焼器２は、ケーシング１０の周囲全体の周りに延びる案内ベーン１８を含むことができる。案内ベーン１８は、ケーシング１０に沿って軸方向に配置することができる。図４に示すように、案内ベーン１８は、空気流れ８を捕捉しかつ該空気流れ８をケーシング１０内に強制的に送る外側側部つまりスクープ２２を含む。案内ベーン１８は、空気流れ８を内向きに方向転換させて、アンダフロー外側ノズルに送給する。案内ベーン１８はまた、空気流れ８を外側ノズルに案内する内側側部つまりスクープ２４を含むことができる。案内ベーン１８はまた、内側側部つまりスクープを含まないものとすることができることを理解されたい。

案内ベーン１８は、ケーシング１０が該案内ベーン１８を支持するのを可能にするようなセクション内に設けることができる。また、案内ベーン１８の側部２２、２４はケーシング１０にほぼ平行であるように図示しているが、これら案内ベーン１８の側部２２、２４は、ケーシング１０に対して傾斜させて設けることができることも理解されたい。さらに、案内ベーンの側部２２、２４の長さは、ノズルに対して空気流れの所望の分布をもたらすように構成することができることを理解されたい。

案内ベーン１８及び流れスリーブ入口１４は各々、個々の燃焼器に合わせて構成することができる。流れスリーブ入口は、設計の最終時点で所望の圧力降下が得られるように調整することができる。案内ベーンにより、その他のノズルに対する不均衡流れ分布の許容差を得ることができる。燃焼器の端部においてこの許容差を使用して、所望の流れ分布を得ることができる。

バッフルプレートは、圧力降下に依存しないで所望の流れ分割を行なう。バッフルプレートはまた、圧力降下に対して大きな影響を持たない。

現時点で最も実用的かつ好ましい実施形態であると考えられるものに関して本発明を説明してきたが、本発明は開示した実施形態に限定されるべきものではなく、逆に、特許請求の範囲の技術思想及び技術的範囲内に含まれる様々な変更及び均等な構成を保護しようとするものであることを理解されたい。

２ 燃焼器
４ ノズル
６ バッフルプレート
８ 空気供給
１０ ケーシング
１２ ケーシング孔
１４ 空気入口
１６ 方向転換空気流れ
１８ 案内ベーン
２０ 孔（バッフルプレート）
２２ 案内ベーン外側側部（スクープ）
２４ 案内ベーン内側側部（スクープ）

Claims (8)

1. ガスタービン用の燃焼器（２）であって、
   アレイの形態で設けられた複数のノズル（４）と、
   前記ノズルのアレイに対して所望の空気流れ分布をもたらすように構成されたバッフルプレート（６）と、
   該燃焼器（２）のヘッドエンドから前記バッフルプレート（６）まで延びかつその外表面内に複数の孔（１２）を備えたケーシング（１０）と、
   前記ヘッドエンドと前記バッフルプレートとの間で、前記ケーシング（１０）の外表面の周りに位置する案内ベーン（１８）と、
   を含み、
   前記案内ベーンが、前記複数のノズルに対して前記所望の空気流れ分布をもたらすように構成された前記ケーシングの外表面上における第１の側部及び該ケーシングの内表面上における第２の側部を含む、
   燃焼器。
2. 前記バッフルプレート（６）の複数の孔（２０）が、複数の寸法を含む、請求項１に記載の燃焼器。
3. 前記燃焼器（２）のヘッドエンドに設けられた流れスリーブ入口（１４）をさらに含み、該流れスリーブ入口（１４）を通して前記空気流れ（８）が該燃焼器（２）のヘッドエンドに流入する、請求項１に記載の燃焼器。
4. 前記ケーシング（１０）の外表面に沿った前記空気流れ（８）の一部分が、該ケーシング（１０）の外表面内の前記複数の孔（１２）によって抜取られる、請求項１に記載の燃焼器。
5. 前記案内ベーンが、前記ケーシングの外表面全体の周りに延びる、請求項１に記載の燃焼器。
6. アレイの形態で配置された複数のノズル（４）と、バッフルプレート（６）と、そのヘッドエンドから前記バッフルプレートまで延びかつ外表面内に複数の孔（１２）を有するケーシング（１０）とを含むガスタービンの燃焼器（２）内において空気流れを分布させる方法であって、
   前記ケーシング（１０）の外表面に空気流れ（８）を供給するステップと、
   前記バッフルプレート（６）の周りに前記空気流れを導くステップと、
   前記ノズルのアレイに対して前記バッフルプレート（６）を通して前記空気流れを分布させるステップと、
   前記ヘッドエンドと前記バッフルプレートとの間で、前記ケーシング（１０）の外表面の周りに位置する案内ベーン（１８）を用意するステップと、
   を含み、
   前記案内ベーンが、前記複数のノズルに対して前記所望の空気流れ分布をもたらすように構成された前記ケーシングの外表面上における第１の側部及び該ケーシングの内表面上における第２の側部を含む、
   方法。
7. 前記バッフルプレート（６）内の前記複数の孔（２０）が、異なる寸法になっている、請求項６に記載の方法。
8. 前記ケーシング（１０）の外表面内の前記複数の孔（１２）を通して前記空気流れの一部分を抜取るステップをさらに含む、請求項６に記載の方法。