以下、図面を参照して本発明の原料搬出装置1を採用した粉末トッピング装置Sの実施の形態について詳細に説明する。図1は粉末トッピング装置Sの斜視図、図2は粉末トッピング装置Sの縦断側面図をそれぞれ示している。
本実施例における粉末トッピング装置Sは、例えば飲食店などに設置されて器に盛りつけられた飲料やデザートの上からココアやきなこ、ミルクパウダーやバニラパウダー、チョコレートパウダー、更には、フルーツなどのフレーバーパウダーなどの粉末原料を定量排出する装置である。尚、本実施例では、粉末トッピング装置Sを例に挙げて説明しているが、これに限定されるものではなく、飲料の主とした粉末原料、例えば、インスタントコーヒー等の飲料粉末であっても良いものとする。
この粉末トッピング装置Sの本体を構成する筐体部2内に、複数の原料搬出装置1・・が搬出装置取付部材30により着脱自在に配設されている。これら原料搬出装置1・・の下方に位置して、例えば、飲料やデザート等の盛りつけられた器(被トッピング物)7を収納する被トッピング物収納部3が構成されている。本実施例では、各図に示すように、上段に3つの原料搬出装置1・・が並設されていると共に、これと前後方向の位置がずれた状態で、下段に3つの原料搬出装置1・・が並設されている。
上段の原料搬出装置1の後述する各原料放出口13に対応する位置には、粉末案内シュート4が配置されていると共に、下段の原料搬出装置1の各原料放出口13に対応する位置には、粉末案内シュート5が配置されている。
各粉末案内シュート4、5の上端は、各原料放出口に対応する位置にて開口し、下端は、収束して被トッピング物収納部3に収納された被トッピング物の上方に対応して開口している。尚、図において8は、被トッピング物収納部3に収納された被トッピング物の位置を適切な位置に案内するための案内部材である。
また、粉末トッピング装置Sの本体を構成する筐体部2には、上段の原料搬出装置1の前面、及び、下側の原料搬出装置1の前面にそれぞれ対応する位置に前板2Aが取り付けられている。この前板2Aには、各原料搬出装置1を構成する原料収容容器10内の残量を透視可能とする窓部9・・が形成されている。この窓部9は、図1や図5に示すように各原料収容容器10に対応してそれぞれ形成されていても良く、図4に示すように全ての原料収容容器10を透視可能とする透孔により構成しても良い。尚、この前板2Aは、原料搬出装置1の原料収容容器10側と、後述する操作部材70やラック20、ピニオンギヤ16等が設けられる前板部32側とを区画する。
以下、図3乃至図9を参照して本発明の原料搬出装置1について説明する。図3は原料搬出装置1の前方斜視図、図4は原料搬出装置1の後方斜視図、図5は原料搬出装置1の後方斜視図、図6は図4の側面図、図7は図6の後部平断面図、図8はカバー7を取り外した状態の原料搬出装置1の正面図、図9は原料搬出装置1の断面図をそれぞれ示している。
原料搬出装置1は、上面が開口した矩形状の原料収容容器10を備えており、内部に粉末原料が収納される。この原料収容容器10の上面開口は、蓋11にて開閉自在に閉塞される。本実施例では、原料収容容器10は、内部を透視可能な透明材料にて構成される。そのため、前記窓部9を介して内部に収容される粉末原料の残量を透視可能とされる。
原料収容容器10の前下端部(下端部一端側)には、図9に示すように、前方に所定寸法だけ延在して構成される筒状の原料放出部12が形成され、一端部、本実施例では当該前端部は開放された原料放出口13とされる。この原料放出口13の周囲には、下面に開口51Aが形成された放出口部材51が取り付けられている(図6のみ図示する)。この開口51Aは、対応する粉末案内シュート4、5の上面開口に対応する位置にて開口する。
(1)原料収容容器
そして、この原料収容容器10の底面近傍(下部)には、当該原料放出口13から後方に延在する螺旋体15が取り付けられている。この螺旋体15は、回動軸15Aの周囲に螺旋状に回転羽根15Bが設けられており、この外径寸法は、原料放出部12の内径寸法と略きっちり(回動可能に略きっちり)とされ、その一端側は、原料放出口13に進入している。
螺旋体15の一端側となる前端には、当該螺旋体15と同軸的にギヤ部材50が連結されている。このギヤ部材50は、原料放出口13の内面と間隔を存して当該原料放出口13から原料収容容器10内に進入して螺旋体15に連結される。そして、このギヤ部材50の端部(先端部)には、螺旋体15と同軸的にピニオンギヤ16が設けられる。尚、実施例ではピニオンギヤ16はギヤ部材50と別部材にて構成しているが、ギヤ部材50の先端部にピニオンギヤ16を一体に形成しても良い。
そのため、後述する如くピニオンギヤ16が回動されることにより、螺旋体15は、回動軸15Aを中心に回転し、回転羽根15B間に充填された粉末原料は、順次原料放出口13に搬送され、この原料放出口13より放出される。また、この原料放出口13は、ピニオンギヤ16を回動制御するラック20の移動に連動して制御される開閉部材60にて開閉自在に閉塞される。
本実施例では、この螺旋体15の他端側となる後端には、当該螺旋体15と同軸的にキャニスターギヤ(ギヤ)18が連結されており、当該キャニスターギヤ18には、螺旋体15の回転に一定の負荷を付与するダンパー19が設けられている(図7)。このダンパー19は、一例として内部にシリコンオイルが封入されたロータリーダンパーにより構成されており、キャニスターギヤ18にロータリーダンパーを噛み合わせて取り付けることで、螺旋体15の回転に対し、一定の負荷が付与される。
本実施例において、当該ダンパー19は、後述する搬出装置取付部材30を構成する固定部材31Bに、取付部材19Aを介して筐体部2(本体)に固定される。
尚、本実施例では、ダンパー19は、キャニスターギヤ18を介して螺旋体15に設けられ、当該螺旋体15の回転に一定の負荷を付与するものとしているが、これに限定されるものではなく、ピニオンギヤ16に直接又は間接的に設け、ピニオンギヤ16の回転に一定の負荷を付与するものとしても良い。
(2)ピニオンギヤの回動機構
次に、上記ピニオンギヤ16の回動機構について説明する。各原料搬出装置1は、粉末トッピング装置Sの筐体部2内に設けられた搬出装置取付部材30により着脱自在に筐体部2内に配設される。複数、本実施例では3つの原料搬出装置1を並設可能とされており、図4に示すように、各搬出装置1を下方から支持する支持板部31と、当該支持板部31の前端に固定される前板部32と、後述するラック20下部や操作部材70下部を着脱自在に閉塞する下枠部材17とから構成される。
支持板部31は、図4に示すように、各原料搬出装置1の下方に位置する底壁31Dと、当該底壁31Dの両側縁部が上方に起立した側壁31Aと、支持板部31の後縁にネジにて取り付けられ、各原料搬出装置1の後部を内方に押圧して固定する固定部材31Bとから成る。
側壁31Aは、底壁31Dの前端よりも所定寸法だけ前方に延在した後、その先端が内方に向けて略直角に折曲形成されたフランジ31Cを有し、そのフランジ31Cは前板部32と当接して図示しないネジにて固定される。尚、図3では、内部機構を説明すべく、当該前板部32を取り外した状態を示している。
図5に示すように、支持板部31の前端に固定される前板部32は、内部に収納される原料搬出装置1のピニオンギヤ16が挿通される挿通孔34が形成されている。そのため、原料搬出装置1が搬出装置取付部材30(本体)に取り付けられた状態で、原料収容容器10に設けられる螺旋体15の一端にギヤ部材50を介して取り付けられたピニオンギヤ16は、その前端が前板部32の前方に突出して設けられる(図6)。
そして、搬出装置取付部材30の前板部32の後方に位置してこのピニオンギヤ16と噛み合わせ(回転)可能にラック20が設けられる。具体的には、前板部32の上端には、後方に略直角に折曲された上面32Aが形成され、当該上面32Aには、ラック20の上部を挿通可能とする挿通孔36が形成されている。また、この前板部32の下端は、所定角度で後方に折曲された傾斜面32Bとされ、当該傾斜面32Bの下端は、下方に向けて略垂直に折曲形成された取付片32Cとされる。そして、当該傾斜面32Bに至る前板部32の下部には、ラック20の端部(本実施例では下端部)に取り付けられた固定部材37が前板部32後方から前方に挿通され、少なくとも当該ラック20の往復移動範囲で移動可能とする透孔若しくは切欠により形成された連通部38が構成されている。
更に、前板部32の前面上部には、固定部材24が取り付けられる。この固定部材24は、前板部32の前面に当接してネジ止めなどにより固定され、その上端は、前方に略直角に折曲された水平面とされ、当該水平面には、付勢部材(一例としてコイルバネ)39の端部を係止させる係止部40が形成される。
また、このラック20の上部には、所定範囲にて長手方向に延在する長孔21が形成されている。ラック20が面接触する前板部32には、係合部材22が設けられており、当該長孔21をガイドとして、係合部材22を中心にラック20が往復移動可能とされている。本実施例において、当該係合部材22は、上記係止部40が形成された固定部材24を前板部32に固定するネジによって固定される。尚、図3では、係合部材22と長孔21との関係を明らかとするため、前板部32を図示せず、係合部材22のみを図示する。
長孔21は、当該係合部材22が付勢部材39の縮退位置から所定の伸張位置にまで移動可能な範囲に形成される。これにより、ラック20は、常時縮退する方向に付勢された付勢部材39によって、その上部が所定寸法だけ常時突出した状態に付勢されると共に、この付勢部材39の付勢力に抗してラック20の上部を長孔21の上縁部が係合部材22に突き当たるまでの範囲で押し込むことが可能となる。尚、これら固定部材24やラック20、付勢部材39等が取り付けられた前板部32は、カバー7によって着脱自在に隠蔽される。
(3)ラックの構成
ここで、図10乃至図13を参照してラック20の構成について詳述する。図10はラック20の正面図、図11は図10の部分拡大斜視図、図12はピニオンギヤ16に噛み合う歯部27を延長させた状態のラック20の正面図、図13は図12の部分拡大斜視図をそれぞれ示している。
本実施例におけるラック20は、ラック本体25と、このラック本体25に取り付けられ、ピニオンギヤ16に噛み合う歯部27を有する噛合部26から構成される。
ラック本体25は、一端部、本実施例では、上部に上述した如き長孔21が形成されており、他端側、本実施例では、下端側に位置して上述した如き固定部材37を固定するための係合孔48が形成されており、当該係合孔48を用いて固定部材37がネジ部材43により着脱自在に固定される。上述したように、ラック本体25は、固定部材37に係止される付勢部材39によって搬出装置取付部材30(本体)に往復移動自在に保持される。
噛合部26は、ラック本体25のピニオンギヤ16側の側部にラック20の移動方向(この場合、略上下方向)に延在して構成されており、当該噛合部26のピニオンギヤ16側の側面にピニオンギヤ16の歯と噛み合わされる歯部27が長手方向に延在して所定寸法、形成されている。特に、本実施例において、歯部27はピニオンギヤ16側となるラック20の側面の下端まで形成されておらず、下端は平坦面55とされている。
そして、噛合部26は、ラック20の他端側、本実施例では、下端側が、ラック本体25の他端部(この場合下端部)の後面と当接する段差部47とされており、当該段差部47には、ラック20の移動方向(略上下方向)に延在する長孔46が形成されている。
そのため、噛合部26の長孔46とラック本体25の係合孔48とを重合させ、当該長孔46に挿通されてラック本体25に固定部材37を螺合にて固定するネジ部材43によって噛合部26がラック本体25に固定される。
このとき、噛合部26のラック本体25への固定に用いられる長孔46がラック20の移動方向に延在して形成されているため、長孔46が形成されている範囲でラック本体25と噛合部26の固定位置を調整することができる。これにより、ラック本体25に対する噛合部26の固定位置が、ラック20の移動方向において調整可能とされる。
また、本実施例では、噛合部26の長孔46の近傍であって、ラック本体25との当接面側(本実施例では前面)には、歯部27と略同様のピッチにて複数の凸部(係合部)49がラック20の移動方向に渡って形成されている。他方、ラック本体25の噛合部26との当接面側(本実施例では後面)には、上記凸部49と相互に係合し合う複数の凹部(係合部)53が歯部27と略同様のピッチにてラック20の移動方向に渡って形成されている。
更に、このラック20の噛合部26には、ラック20の一端側(本実施例では、上端側)から、即ち、噛合部26の前記一端側に相当する上端側からラック20の移動方向(本実施例では、略上下方向)に突出するシャフト28が設けられている。そして、このシャフト28に隣接して、本実施例では、歯部27とは反対側の側端部に、ラック20の移動方向に延在する当接部45が形成されている。
一方、ラック本体25には、歯部27側の側部後面(側部一面)に、他端側(本実施例では、下端側)から噛合部26のシャフト28が進入する溝29が形成されている。そして、この溝29に隣接して当該溝29が開口する面(この場合後面)とは反対側の面(この場合前面)には、噛合部26の当接部45が当接する被当接部54(図12に図示する)がラック20の移動方向に延在して形成されている。
これにより、噛合部26のシャフト28がラック本体25の溝29内に進入し、溝29が開口する面とは反対側の面に形成された被当接部54に溝29が開口する面とは反対側から噛合部26の隣接して設けられた当接部45が当接した状態で、噛合部26の他端側(この場合下端側)は、ネジ部材43にてラック本体25に固定される。
そのため、噛合部26は、他端側がネジ部材43にてラック本体25に固定されると共に、一端側は、シャフト28が溝29の内面によって開口する面とは反対側への移動が規制され、当接部45がラック本体25の被当接部54との当接によって、溝29の開口する面側への移動が規制される。これにより、ネジ部材43のみの固定によって、容易に且つ、安定的に、ラック本体25に噛合部26を取り付けてラック20を構成することが可能となる。
このように構成されたラック20は、前板部32の後側において、当該前板部32の上面32Aの下方からその上端を上面32Aに形成された挿通孔36に挿通させる。この状態で、ラック20の下端部に固定された固定部材37は、連通部38を介して前板部32の後方から前方に突出する。これにより、前板部32の前側において、図8に示すようにラック20の下端部の固定部材37に付勢部材39の一端を係止させる。そして、この付勢部材39の他端は、前板部32の前面上部に取り付けられた固定部材24の係止部40に係止させる。付勢部材39は、常時縮退する方向に付勢されている。
従って、ラック20は、前板部32に設けられた係合部材22が長孔21内を移動可能な範囲内で、搬出装置取付部材30(本体)に往復移動自在に設けられる。尚、図を明瞭とするため、付勢部材39は、図8の一箇所のみに示しているが、当然に各原料搬出装置1に設けられている。
このとき、本実施例では、付勢部材39の一端が係止される前板部32に固定された係止部40は、図8に示すように、ラック20とピニオンギヤ16との接触位置よりもピニオンギヤ16の軸側に位置して設けられる。更に、ラック20の他端部(下端部)に設けられ、付勢部材39の他端が係止される固定部材37は、よりピニオンギヤ16から離間した位置に設けられる。そのため、ラック20は、係合部材22を中心に反時計方向に回動するようにして、ピニオンギヤ16側に付勢されている。
(4)ラック移動規制手段
次に、本体に対して往復移動するラック20の歯部27と、ピニオンギヤ16との噛み合いを制御するラック移動規制手段について説明する。本実施例におけるラック移動規制手段は、ラック20側に形成される溝56、57と、本体、この場合、搬出装置取付部材30を構成する前板部32側に設けられた係合部23とから構成される。
上記前板部32の前面上部に固定された固定部材24の水平面の前端には、図6及び図8に示すように、略直角に垂下して保持椀41が形成され、当該保持椀41の下端は、所定角度にて前板部32の前面に向けて傾斜した後、当該端部に、前板部32方向に向けて突出する係合部23が設けられている。ここで、固定部材24は、弾性体、この場合、板バネ部材にて構成されており、前板部32側(即ち、後方)に、常時付勢されている。
そして、前板部32の当該係合部23に対応する位置には、係合部23を前板部23の後方に位置するラック20側に突出させるための係合部用孔42(図8に破線で一箇所だけ示す)が形成されている。そのため、前板部32の前側に位置する固定部材24に設けられた係合部23は、当該係合部用孔42を介して、ラック20側(後側。本体側)に突出して設けられる。
一方、ラック20の前板部32側(係合部23側。前側)の面には、ピニオンギヤ16からの距離が異なる第1の溝56と、第2の溝57がラック20の移動方向に延在して形成されている。これら溝56、57は、ラック20の移動方向に延在する仕切壁58によって区画形成されると共に、これらの上端部及び下端部は、それぞれ貫通孔(連続部)61、62において連続して形成される。これにより、前板部32からラック20側(本体内)に突出して設けられた係合部23は、第1の溝56、上部貫通孔61、第2の溝57、下部貫通孔62を連続して移動可能とされる。
本実施例においてピニオンギヤ16に近い方(歯部27側)の溝を第1の溝56とし、ピニオンギヤ16から遠い方の溝を第2の溝57とする。第2の溝57は、上部貫通孔61の下縁(溝57上縁)から下方に行くに従って徐々に溝が浅くなるように底面が高く傾斜した傾斜面57Aが形成された後、その傾斜面57Aの下端は、当該底面高さを維持した平坦面57Bとされ、その下端は、下部貫通孔62によって段差形状とされている。また、この平坦面57Bの下端及び下部貫通孔62の上縁は、上方に向けて所定角度にて傾斜して形成された係合部案内部63とされている。
また、第1の溝56は、下部貫通孔62の上縁(溝56下縁)から上方に行くに従って徐々に溝が浅くなるように底面が高く傾斜した傾斜面56Aが形成された後、その傾斜面56Aの上端は、当該底面高さを維持した平坦面56Bとされ、その側端(ピニオンギヤ16側とは反対側端部)は、上部貫通孔61によって段差形状とされている。また、この平坦面56Bの上端及び上部貫通孔61の上縁は、一連して上方に向けて所定角度にて傾斜して形成された係合部案内部64とされている。
以上により、ラック移動規制手段が構成される。尚、当該ラック移動規制手段の動作説明については、次に詳述する開閉部材60の開閉動作説明と合わせて行う。
(5)開閉部材の開閉機構
次に、原料放出口13を開閉する開閉部材60の開閉機構について説明する。前述した原料収容容器10の原料放出口13は開閉部材60により開閉自在に閉塞されている。この開閉部材60は、放出口部材51の内側において、図9に示すように、原料放出部12と、ピニオンギヤ16のラック20と噛み合う部分との間に位置する。そして、ギヤ部材50の周囲に位置してこのギヤ部材50の軸方向に移動自在とされている。
開閉部材60の内側にはピニオンギヤ16と開閉部材60間に付勢部材としてのコイルバネ66が内蔵され、常時開閉部材60は原料放出口13を閉塞する方向に付勢されている。67は開閉部材60の原料放出口13側の端面に取り付けられたパッキン(シール材)である。
開閉部材60をギヤ部材50の軸方向に移動操作させる操作部材70と、当該操作部材70を上述した如きラック20の往復移動によって操作させる押圧部72により、開閉部材60は、ラック20の往復移動に基づいて原料放出口13を開閉する。
操作部材70は、ラック20の往復移動方向に延在して設けられており、その下端部は、図5に示すように、上記本体を構成する前板部32下部に保持された回動軸71により前後方向に回動自在に枢支されている。
この操作部材70の上下方向の中途部分には係合部70Aが形成されており、開閉部材60のピニオンギヤ16側の端部に形成された鍔60Aが、当該係合部70Aに係合する。そして、この操作部材70の上端には、詳細は後述するストッパ80が係脱自在に係合するための被係合部70Bが屈曲形成されている。
この操作部材70を操作する押圧部72は、上記ラック20の歯部27上方に位置して、当該ラック20の原料放出口13側の面(後面)に設けられる。この押圧部72は、ラック20側からピニオンギヤ16側に延在して構成され、且つ、前方から後方に向けて(ラック20側から原料放出口13側に向けて)低く傾斜した傾斜面72Aを有している。
この押圧部72は、ラック20の搬出待機状態においては、操作部材70の被係合部70Bに上(後上方)から当接している。この搬出待機状態から、ラック20を押し下げると、ラック20に設けられた押圧部72は、操作部材70の上部後面に摺動自在に当接して下方に押し下げていく。これにより、操作部材70は、下部に設けられた回動軸71を中心として上側が前方に移動するように回動する。
これによって、操作部材70の係合部70Aに係止された開閉部材60の鍔60Aは、ピニオンギヤ16と開閉部材60間に内蔵されたコイルバネ66の付勢力に抗してギヤ部材50の軸方向前方に移動し、原料放出口13と離間し、これを開放する。
ここで、本実施例では、当該開閉部材60を開放した状態の操作部材70を係合保持するストッパ80が設けられている。このストッパ80は、上記本体を構成する前板部32上部に保持された回動軸81により回動自在に枢支されている。回動軸81は、ストッパ80の原料放出口13側に偏心して設けられており、これにより、ストッパ80は、ラック20側の端部(前端部)が自重により下側に回動する構成とされる。
ストッパ80は、搬出待機状態において、ラック20の押圧部72によって、ラック20側の端部(前端部)が押し上げられた状態で保持されている。そして、このストッパ80の端部は、ラック20の押し下げ動作によって下側に回動した際、同じくラック20の押し下げ動作によって前方に傾動する操作部材70の被係合部70Bと係合保持される。
(6)粉末原料搬出動作
以上の構成により、ラック20の往復動作による一連の粉末原料の搬出動作について説明する。先ず、粉末原料の搬出待機状態では、ラック20は、付勢部材39の付勢力によってその上端が前板部32の上面の挿通孔36より(実際には、前板部32を前方から閉塞するカバー7にも同様に挿通孔が形成されており当該挿通孔を介して)上方に所定寸法突出した状態で保持される。
このとき、固定部材24の保持椀41の付勢力によって後方、即ち、ラック20側に常時付勢された係合部23は、ピニオンギヤ16側から離れた方に位置する第2の溝57の略下方に位置する下部貫通孔62内に係止された状態とされている。
そして、この搬出待機状態では、ラック20に設けられた押圧部72は図9に示すように、操作部材70の被係合部70Bに上から当接した状態となり、当該押圧部72上端は、ストッパ80のラック20側端部(この場合前端)を下から押し上げた状態で保持している。
粉末原料を搬出する際には、付勢部材39の付勢力に抗してラック20の上部(一端部)を下方向に押し込む(往動作)。当該ラック20の下方への押し込み動作により、押圧部72は操作部材70の上端部からラック20の移動方向に向けて摺動自在に当接して、操作部材70を回動軸71を中心として前方に回動(動作)させる(図14の状態)。
これにより、前方に移動した操作部材70の係合部70Aに係止された開閉部材60の鍔60Aは、ピニオンギヤ16と開閉部材60間に内蔵されたコイルバネ66の付勢力に抗してギヤ部材50の軸方向前方に移動し、原料放出口13と離間し、これを開放する。
そして、当該ラック20が押し下げられることで(ラック20の往動時)、ストッパ80を押し上げていた押圧部72が下がり、ストッパ80の前端部が反時計回りに移動して下側に回動される。このとき、操作部材70の上端部は、前方に回動し、操作部材70により開閉部材60を開放した状態で、ストッパ80の端部は、操作部材70の上端部に形成された被係合部70Bと係合して保持される(図14)。
このように、操作部材70には、ストッパ80が係脱自在に係合するための被係合部70Bが形成されているので、操作部材70とストッパ80との係合を確実なものとでき、開閉部材60による原料放出口13の開放状態を安定して保持することができる。
一方、上記ラック20の押し込み動作(往動作)により、ラック20は下部貫通孔62内に位置する係合部23によって、下部貫通孔62の上縁の傾斜形状に沿ってピニオンギヤ16側に位置する第1の溝56側に軌道が切り替わる。これにより、ラック20の下部が係合部23の係合部案内部63のガイドによってピニオンギヤ16から離間する方向に移動し、ラック20の歯部27と、ピニオンギヤ16との噛み合わせが解除された状態とされる。
その後、ラック20が更に押し込まれると(往動作)、ピニオンギヤ16とラック20の歯部27との噛み合わせが解除された状態を維持しながら、係合部23は第1の溝56内に進入していき、板バネ(固定部材24の保持椀41)によって常時ラック20側に付勢されている係合部23は、第1の溝56の下端に形成された傾斜面56Aに沿って上昇していき、平坦面56Bに至る。
尚、この状態で、ラック20の押し込み動作を解除した場合(中断した場合)には、ピニオンギヤ16とラック20の歯部27とが噛み合わされることなく、付勢部材39の付勢力により、係合部23が同一の軌道、即ち、第1の溝56を辿って元の状態に戻る。
ここで、ラック20を保持している付勢部材39は、図8に示すように上端がラック20とピニオンギヤ16との接触位置よりもピニオンギヤ16の軸側に位置して前板部32の前面に取り付けられた固定部材24の係止部40に係止されていると共に、下端がよりピニオンギヤ16から離間した位置の固定部材37に係止されているため、平坦面56Bに至った係合部23は、第1の溝56内を仕切壁58に沿って移動し、当該仕切壁58を超えた時点で、開放されている第2の溝57側上方に位置する上部貫通孔61側に落ち込み、係合部23の軌道が第1の溝56から第2の溝57に切り替わる。
これにより、上述したように歯部27が形成される噛合部26がラック本体25と別部材にて構成されていても、当該第1の溝56のピニオンギヤ16側の内壁を構成する噛合部26に係合部23からの力が加わらないため、安定したラック20の動作を確保することができる。
そして、係合部23は、前板部32側からラック20側に向けて固定部材24(保持椀41)により付勢されて設けられているため、平坦面56Bの高さ位置から解除された状態で上部貫通孔61から後方に突出する。これにより、係合部23は、後方に突出する側に付勢されるため、第1の溝25へ戻ることが規制される。
この状態で、当該係合部23がピニオンギヤ16から離れた位置に形成される第2の溝57の上方に位置する上部貫通孔61内に係止されることで、付勢部材39によりラック20全体がピニオンギヤ16側に付勢され、この状態で、ピニオンギヤ16とラック20の歯部27とが噛み合わされる。
このとき、係合部材22は、ラック20の長孔21の上縁に当接し、それ以上の押し込み動作が規制される。これにより、この状態で、ラック20の押し込み動作を解除すると、付勢部材39の付勢力に抗する力が解除されて、縮退する方向に付勢された付勢部材39の付勢力によってラック20の下端が持ち上げられ、ラック20が復動(上昇)する。
このとき、係合部23は、ピニオンギヤ16から離れた位置に形成される第2の溝57内に進入し、常時ラック20側に付勢されている係合部23は、第2の溝57の上端に形成された傾斜面57Aに沿って降下していき、平坦面57Bに至る。そして、付勢部材39の付勢力によって、更にラック20が引き上げられ、平坦面57Bの下端に位置した係合部23は、下部貫通孔62内に落ち込み、上記搬出待機状態(初期状態)に戻る。
このようなラック20の復動によって、ラック20の歯部27と噛み合わされたピニオンギヤ16は、ラック20の移動によって噛み合わされた分だけ回転される。これにより、当該ピニオンギヤ16と同軸的に設けられた螺旋体15が粉末原料を放出する向きに所定量だけ回転され、螺旋体15の回転羽根15B間に充填された粉末原料は原料放出口13に搬送される。
このとき、ラック20の往動によって操作される操作部材70により開閉部材60が原料放出口13を開放する。そして、当該開放状態は、当該状態の操作部材70を係合保持するストッパ80によって保持される。
そのため、原料放出口13に搬送された粉末原料は、当該原料放出口13から放出口部材51及びその下面に形成された開口51A、粉末案内シュート4又は5を介して被トッピング物収納部3内に収納された図示しない被トッピング物上に払い出される。
また、この復動時には、操作部材70は、ストッパ80により開放状態に保持されているため、ラック20に設けられた押圧部72は、操作部材70から離間して移動する。そのため、押圧部72は、ラック20の往動時に操作部材70を動作させて、開閉部材60を開放し、ラック20の復動時には、操作部材70から離間して待機位置に戻るため、押圧部72と操作部材70との摺動摩擦が復動時に生じなくなり、ラック20の復動抵抗を減らすことができる。
その後、ラック20が上記搬出待機状態に戻る際に、操作部材70の被係合部70Bと係止しているストッパ80を、ラック20に設けられた押圧部72が上方に押し上げることで、当該被係合部70Bとストッパ80との係合状態が解除される。
これにより、ラック20が復動し、待機状態に復帰したことに連動してストッパ80は解除され、開閉部材60の開放状態を保持していた操作部材70は、コイルバネ66の付勢力によって開閉部材60と共に原料放出口13を閉じる方向に移動する。
このように、本実施例では、簡単な構成によりラック20の往復動に連動して確実に開閉部材60を移動させ、且つ、ストッパ80によって開閉部材60を開放した状態で保持することができ、更に、ラック20が待機状態に復帰したことに連動して操作部材70との係合を解除して、開閉部材60を閉鎖することが可能となる。
上述したように、本実施例では、螺旋体15を回転させる方向にラック20が移動する場合のみ、本実施例では、ラック20の復動作の場合のみ、当該ラック20をピニオンギヤ16に噛み合わせることにより、ラック20を往復動させることで、ピニオンギヤ16により粉末原料を放出する方向に所定量だけ螺旋体15を回転させることができ、粉末原料の定量搬出を実現することができる。
本実施例では、このようにラック20は手動に基づいて往復動させることにより、ピニオンギヤ16をこれと噛み合うラック20の寸法(ラックの歯部27が形成されている部分の寸法)によって定量分だけ螺旋体15を回転させて原料放出口13から定量の粉末原料を放出させることができるため、格別にモータ等を用いて螺旋体15の回転時間の制御を行うことなく所定量の粉末原料の放出が可能となる。そのため、電動部材を用いることなく所定量の粉末原料の放出が可能となり、装置全体の構造を簡素化することができると共に、電源が確保できない場所であっても設置することが可能となる。
原料放出口13は、開閉部材60によって開閉自在に閉塞されるため、原料放出口13において粉末原料が外気と接触することによる吸湿を抑制し、固着による搬出不良の発生を効果的に解消することが可能となる。
そして、この開閉部材60は、ラック20が待機状態にあるとき原料放出口13を閉じており、ラック20の往動に連動して原料放出口13を開放し、ストッパ80により当該開放状態が保持されると共に、ラック20が復動し、待機状態に復帰したことに連動してストッパ80は解除され、開閉部材60は原料放出口13を閉じる。そのため、ラック20の往動に連動して原料放出口13を開放する開閉部材60は、ラック20が更に復動し、待機状態に復帰するまでの間、当該開放状態を保持し、待機状態に復帰したことに連動して原料放出口13を閉じることができる。
これにより、ラック20が往復動している間、開閉部材60によって原料放出口13を開放しておくことが可能となり、螺旋体15によって所定量、搬送された粉末原料を確実に原料放出口13から払い出すことが可能となる。
そのため、ラック20の復動終了間際に、原料放出口13から放出された粉末原料が開閉部材60と原料放出口13との間に挟まってしまうことで、定量よりも少ない粉末原料が放出される、更には、次回、定量よりも多い粉末原料が放出されてしまうといった定量搬出ができなくなる不都合を回避できる。また、開閉部材60と原料放出口13との間に粉末原料が挟まり、これらの間に隙間が生じることで、内部の粉末原料が吸湿して固着等を生じる不都合を回避できる。
また、本実施例では、ラック20の歯部27は、ラック20の側面の下端まで形成されておらず、下端は平坦面55とされているため、ピニオンギヤ16が当該歯部27の下端に至ると、ピニオンギヤ16の回転は停止する。そのため、ラック20の復帰終了間際では、既に、ピニオンギヤ16の回転を停止させておくことができるため、より確実に原料放出口13から放出された粉末原料が開閉部材60と原料放出口13との間に挟まってしまうことによる定量搬出ができなくなる不都合を回避できる。
更に、本実施例では、螺旋体15の他端側となる後端に設けられたキャニスターギヤ18には、当該螺旋体15の回転に一定の負荷を付与するダンパー19が設けられているため、当該螺旋体15の回転をダンパー19によって緩衝することができる。これにより、螺旋体15の回転動作に要する時間を確実に確保することができ、開閉部材60の閉鎖タイミングを遅延させることができる。そのため、定量の原料粉末を確実に、原料放出口から排出することが可能となる。
更に、本実施例では、ピニオンギヤ16は、原料放出口13に進入して螺旋体15の一端に同軸的に連結されたギヤ部材50の先端部に設けられ、開閉部材60は、ギヤ部材50の周囲に位置して当該ギヤ部材50の軸方向に移動自在に設けられて、ラック20の移動により移動して原料放出口13を開閉するので、ラック20の往復移動に連動して開閉部材60により原料放出口13を開閉する装置全体を小型化することが可能となる。また、螺旋体15の軸と直交する方向への位置ずれを生じることなく開閉部材60にて原料放出口13を閉塞することができるようになる。
(7)搬出量の調整
本実施例における原料搬出装置1では、ラック20のラック本体25と噛合部26との固定位置を変更することにより、一度のラック20の往復動作による粉末原料の搬出量を変更することができる。
搬出量を多くする場合には、噛合部26のシャフト28をラック本体25の溝29内に進入させた状態で、ラック本体25に対し噛合部26の位置を他端方向(この場合下方)に移動させ、噛合部26の長孔46内のより上方においてラック本体25の係合孔48と重合させてネジ部材43にて固定する。即ち、噛合部26のラック本体25との固定位置をより一端側(上方)とする。
これにより、ラック本体25に対して、噛合部26の歯部27がラック20の移動方向において、より下方に延在し、ピニオンギヤ16との噛み合わせ寸法が大きくなり、これによって、ラック20の移動によるピニオンギヤ16の回転量が多くなり、粉末原料の搬出量を多く調整することができる。
搬出量を少なくする場合には、噛合部26のシャフト28をラック本体25の溝29内に進入させた状態で、ラック本体25に対し噛合部26の位置を一端方向(この場合上方)に移動させ、噛合部26の長孔46内のより下方においてラック本体25の係合孔48と重合させてネジ部材43にて固定する。即ち、噛合部26のラック本体25との固定位置をより他端側(下方)とする。
これにより、ラック本体25に対して、噛合部26の歯部27がラック20の移動方向において、より上方に縮退され、ピニオンギヤ16との噛み合わせ寸法が小さくなり、これによって、ラック20の移動によるピニオンギヤ16の回転量が少なくなって、粉末原料の搬出量を少なく調整することができる。
このように、ラック20の移動中に当該ラック20の歯部27がピニオンギヤ16に噛み合う寸法を、ラック20の移動方向において調整可能としたことにより、簡単な構成にて、任意に設定された定量分だけ螺旋体15を回転させて原料放出口13から定量の粉末原料を放出させることが可能となる。
このため、格別にモータ等を用いて螺旋体15の回転時間の制御を行うことなく任意に設定した定量の粉末原料の放出が可能となる。これにより、電動部材を用いることなく所定量の粉末原料の放出が可能となり、装置全体の構造を簡素化することができると共に、電源が確保できない場所であっても設置することが可能となる。
特に、本実施例では、上述したように、ラック本体25及び噛合部26に、相互に係合し合う複数の凸部49と凹部53とから成る係合部が、ラック20の移動方向に渡り、歯部27と略同ピッチにて形成されているため、当該係合部(49、53)のピッチの係合位置をラック20の移動方向で調整することで、ラック20の歯部27がピニオンギヤ16に噛み合う寸法を歯部27のピッチに対応して容易に調整することが可能となる。
尚、本実施例では、係合部を構成する凸部49と凹部53のピッチを歯部27と略同ピッチに形成しているが、これに限定されるものではなく、歯部27の整数倍のピッチで形成されていても同様の効果を奏することができる。
尚、上記実施例において、ラック移動規制手段は、前記ラック、又は、本体のうちの何れか一方に形成され、前記ピニオンギヤからの距離が異なる第1及び第2の溝と、他方に設けられた係合部とを有し、前記両溝は端部において連続しており、前記ラックが往動する際、前記係合部は前記第1の溝内を移動し、復動する際には前記第2の溝内を移動するよう構成され、前記係合部が前記両溝のうちの何れか一方の溝内を移動する場合のみ、前記ラックは前記ピニオンギヤに噛み合う構成としている。
そのため、簡単な構造にて、ラックの往復移動により、当該ラックと噛み合わされるピニオンギヤを、原料放出口より粉末原料を放出する向きに螺旋体を回転させる方向にのみ回転させることができる。
また、ラックは、前記本体より突出して設けられ、付勢手段により常時突出した状態に付勢されており、当該付勢手段に抗して前記本体内に押し込むことで、前記往復移動が可能とされている。
係る構成によれば、付勢手段に抗して手動にてラックを本体側に押し込むことで往動させ、これを離すことで付勢手段の付勢力によってラックを本体側から吐出させる復動を実現することができる。これにより、操作性の向上を図ることができる。
また、ラックが前記本体内に押し込まれて往動する際、前記係合部は前記両溝のうちの他方の溝内を移動し、端部まで押し込まれた後、前記付勢手段の付勢力により復動する際、前記係合部は前記一方の溝内を移動する。
係る構成によれば、本実施例の如く、ラックが復動する際に当該ラックとピニオンギヤとを噛み合わせ原料放出口より粉末原料を放出する向きに螺旋体を回転させるものとしている場合、ラックの移動によって、係合部を往動時に位置する他方の溝内の端部にまで移動し一方の溝内に移動しない限り、ラックとピニオンギヤとを噛み合わせしない構造とすることができる。
これにより、ラックの移動が所定量行われず、係合部が往動時に位置する他方の溝内のみを移動する場合には、ピニオンギヤを回転させることができずに、粉末原料の放出が行われないこととなる。従って、確実にラックを所定量移動させた場合にのみ、粉末原料の放出を可能とすることで、粉末原料の定量搬出を確実なものとすることができる。
復動時に、螺旋体を回転させる構成とする場合、本発明の如く、ラックが待機状態に復帰したことに連動してストッパが解除されて開閉部材が原料放出口を閉じる構成とすることで、効果的に開閉部材と原料放出口との間に粉末原料が挟まってしまう不都合を回避することが可能となる。