JP5582928B2 - 印刷システム、印刷制御装置及びその制御方法 - Google Patents

印刷システム、印刷制御装置及びその制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、印刷システム、印刷制御装置及びその制御方法に関する。
従来、インクジェットプリンタのようなプリンタでは、CMYKといったカラーインク以外に、透明インク(クリアインク)を用いて印刷が行われている。その場合、記録媒体の印字可能領域全体に塗布することで効果を得ることが一般的であるが、画像データのみに透明インクを塗布することでも一定の効果を得ることができる。
印刷データに基づいて、透明インクを用いる領域を決定し、印刷領域のうち、画像のみに透明インクを塗布する技術が開示されている。この技術によると、アプリケーションが生成した印刷対象の印刷データを読み込み、プリンタドライバの解析処理部が、処理対象の印刷データにどのようなデータが含まれているかを解析する。この解析結果は、アトリビュートデータとしてデータ化される。アトリビュートデータには、印刷領域のどの部分に画像データが存在しているか等の情報が含まれている。更に、二値化処理部において、透明インクを塗布する「オン」が設定されている領域には透明インクが塗布される。
一般に、白部分を含む写真画像等の画像データの印刷では、インクが吐出された部分と用紙の地の部分とが混在するために、光沢ムラが生じる場合がある。しかし、このような印刷物では、写真領域全体に透明インクを塗布することが可能となり、画質を向上させることができる(例えば、特許文献1参照)。
一方で、情報処理装置から送信されてきたフォームデータを、透明トナーが転写されるデータとして画像形成装置内に登録し、当該登録したフォームデータをコンテンツデータに合成する画像形成装置がある。ここでは、色が透明である付加情報をフォームデータとして画像形成装置に送信すると共に、当該フォームデータのその色が透明である付加情報であることを示すコマンドを画像形成装置に送信する(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−119279号公報 特開2009−188816号公報
アプリケーションが生成した印刷対象のデータは、オペレーティングシステム(OS)を介してプリンタドライバに渡される。しかしながら、OSやアプリケーションの種類によっては、オブジェクトとしてのデータを必ずしも正確に渡す機能を持っていないものが存在する。このため、例えば写真以外の領域も広めに含む誤った写真領域として渡される場合など、写真以外を含む部分にも広く透明インクが塗布され、新たな画像不良の原因となっている。
一方、オフセット印刷や電子写真方式のオンデマンド印刷をはじめとする各種商用印刷の世界では、透明インクを用いて印刷物に装飾性を付与することが主流となりつつある。しかしながら、このような技術は、プリンタ側に十分なリソースを備えることと、かつ、煩雑な操作を要するため熟練のオペレータが介在することが必要であり、従来、大規模で高価なプリンタシステムでしか実現されていなかった。また、非常にランニングコストのかかるものとなっていた。
しかしながら、インクジェットプリンタのような廉価なコンシューマシステムにおいても、透明インクを用いて簡便にデザイン性の高い画像を得たいという市場のニーズは強くあった。
本発明は、透明インクの塗布方法が異なる複数の塗布モードから選択された塗布モードが、設定されている印刷設定において使用可能でない場合、設定されている印刷設定を変更するシステム、装置及び方法を提供する。
本発明に係る印刷システムは以下の構成を備える。すなわち、カラーインクと透明インクとを印刷媒体に塗布する印刷装置と前記印刷装置を制御する印刷制御装置とを含む印刷システムであって、
前記印刷制御装置は、
前記透明インクの塗布領域が異なる複数の透明インク塗布モードから1つの透明インク塗布モードをユーザに選択させる選択手段と、
前記選択手段により選択された第1の透明インク塗布モードによる透明インクの塗布が、設定されている第1の印刷設定のもと実行不可であると予め決定されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が、前記選択手段により選択された第1の透明インク塗布モードによる透明インクの塗布が、設定されている第1の印刷設定のもと実行不可であると予め決定されていると判定した場合、前記選択された第1の透明インク塗布モードを変更せずに予め設定されている前記第1の印刷設定とは異なる印刷設定に変更するようユーザに促す表示を表示装置に表示させる表示手段と、
ユーザの指示に従い、前記設定されている第1の印刷設定を、該第1の印刷設定とは異なりかつ前記第1の透明インク塗布モードによる透明インクの塗布が可能な第2の印刷設定に変更する変更手段と、
を有し、
前記印刷装置は、
前記変更手段により変更された第2の印刷設定のもと、前記第1の透明インク塗布モードに従って前記透明インクを前記印刷媒体のインク塗布領域に塗布し、前記印刷設定で前記印刷媒体に印刷を行う印刷手段、
を有する。
本発明によれば、透明インクの塗布方法が異なる複数の塗布モードから選択された塗布モードが、設定されている印刷設定において使用可能でない場合、選択された塗布モードが使用可能な印刷設定をユーザに提示して、設定されている印刷設定を変更する。
従って、実行不可能な透明インク塗布モードを選択できないようにしておく形態と比べ、干渉する設定との相関関係が直感的に分かり難い場合にも、ユーザがその理由を把握することが可能となる。また、その理由を報知するための最適な機会を提供することが可能となる。
本実施形態における印刷システムのハードウェア構成を示す図。 本実施形態におけるプリンタドライバの機能を説明するための図。 印刷データを印刷コマンドに変換する際の画像処理を示す図。 (a)は設定項目の間の依存関係を表す印字モードテーブル、(b)は印字モードごとの使用可能な透明インク塗布モードに関する情報を保持する印字モードテーブルを示す図。 本実施形態における印刷設定画面の一例を示す図。 透明インク塗布モードのプルダウンメニューを示す図。 図4の(b)の印字モードテーブルに基づく制御を示すフローチャート。 図7のS705で表示する画面例を示す図。 図7のS703で表示する画面例を示す図。 印刷設定の変更処理を示すフローチャート。 図10のS1006で表示する画面例を示す図。 コマンド生成モジュールの処理を表すフローチャート。 (a)は自動塗布モードにおけるカラーインク及び透明インクの出力値、(b)は全面塗布モードにおけるカラーインク及び透明インクの出力値を示す図。 付与されるインクのドット断面と光の反射を示す図。 透明インク塗布モードの混在検出処理を表すフローチャート。 データ生成時のジョブ設定整合性判定処理(ミスマッチ処理)を表すフローチャート。 図12のS1216でコマンド生成モジュールが実行するページ設定整合性判定処理を表すフローチャート。 (a)はフォームファイル作成モード選択時の領域506の画面例を示す図、(b)はフォーム合成モード選択時の領域506の画面例を示す図 フォームファイル作成処理を示すフローチャート。 フォームファイルの一例を示す図。 フォーム合成処理を示すフローチャート。 透明インクが塗布された印刷媒体を示す図。
以下、図面を参照しながら発明を実施するための形態について詳細に説明する。以下の実施形態は本発明を限定するものでなく、実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明に必須のものとは限らない。
■印刷システムの構成
まず、本実施形態における印刷システムのハードウェア構成を、図1を用いて説明する。本実施形態では、印刷装置2に接続される印刷制御装置としてパーソナルコンピュータ(パソコン)1を例に挙げて説明する。また、印刷装置2は従来のカラーインクに加えて透明インクも使用可能なインクジェット方式のプリンタである。
図1に示すように、パソコン1は入力インタフェース11、CPU12、ROM13、RAM14、外部記憶装置15、出力インタフェース16、表示部17、キーボード10、マウス18、入出力インタフェース19を有する。ROM13には、初期化プログラムや制御データが格納されており、外部記憶装置15にはアプリケーションプログラム群、オペレーティングシステム(OS)、プリンタドライバやその他各種データが保存されている。RAM14は、CPU12が外部記憶装置15に記憶されている各種プログラムを実行時にワークメモリとして使用される。
一方、印刷装置2は入出力インタフェース21、RAM22、プリントエンジン23、ROM24、CPU25を有する。尚、印刷装置2は入出力インタフェース21を介してパソコン1の入出力インタフェース19に接続される。尚、本実施形態では、接続インタフェースはUSB(登録商標)を想定しているが、他の形態であっても構わない。また、入出力インタフェース21に印刷装置2の機能を拡張する拡張オプションを接続することも可能である。
RAM22はCPU25の主メモリ及びワークメモリとして用いられ、パソコン1から受信した印刷ジョブを一旦保存するための受信バッファを含む。また、RAM22には、印刷ジョブから生成される描画データや各種データが保存される。プリントエンジン23はRAM22に保存された描画データに基づいて印刷を行う。
ROM24にはステータス管理プログラム24aや各種制御プログラムと各プログラムが使用するデータが格納されており、CPU25がこれらのプログラムに従って印刷装置2の各部を制御する。ステータス管理プログラム24aは印刷装置2の内部に設けられている各種センサ(不図示)の情報に従って印刷装置2の状態を監視し、ステータス情報を作成してRAM22に記憶するプログラムである。
尚、図1に示すパソコン1及び印刷装置2の構成や処理の分担は上述の形態に限らず、同様な機能を有するものであれば、他の形態であっても構わない。
■ドライバモジュール構成
図2は、本実施形態におけるプリンタドライバの機能を説明するための図である。図2に示す例では、プリンタドライバ220を中心に概念的に表している。アプリケーション201が作成した印刷データは、OSの印刷サポート機能211を介してスプールデータ214としてスプーラ212のプリントキュー213に一時的に蓄えられる。スプールデータ214は、名称などを付加した印刷ジョブとしてスプーラ212により管理される。また、スプールデータ214はプリンタドライバ220によって印刷装置2が解釈可能な印刷コマンドに変換されて印刷装置2に供給される。
アプリケーション201は印刷指示を行う際にOSの印刷サポート機能211を介してユーザインタフェースモジュール221から返却された印刷設定情報を印刷ジョブに付加する。印刷設定情報は、アプリケーション201からの印刷開始指示を行う前に予め設定されている情報である。
ユーザインタフェースモジュール221は、これから印刷を開始するという通知をOSの印刷サポート機能211から受け取ると、処理を開始する。また、ユーザインタフェースモジュール221は、印刷開始の通知をOSの印刷サポート機能211から受け取ったことで、ステータス情報表示モジュール227を起動する。
一方、プリンタドライバ220に渡された印刷ジョブは、ページ構成モジュール222により印刷設定情報に従って印刷ジョブのページを並べ替える処理や複数のページを1つのページにまとめる処理(ページ構成処理)が行われる。そして、印刷ジョブはコマンド生成モジュール225により印刷設定情報に従って印刷ジョブの印刷データを印刷装置2が解釈可能な印刷コマンドに変換される。
次に、印刷コマンドは、コマンド送受信モジュール226により順次印刷装置2に送信される。ここで、コマンド送受信モジュール226は、印刷装置2でエラーが発生したという情報や現在印刷中のページ情報など、印刷装置2の状態を読み出し、ステータス情報表示モジュール227に渡す。
一方、ステータス情報表示モジュール227は、印刷装置2の状態を解析し、印刷装置2の情報をパソコン1の表示部17上にステータス情報表示画面を表示する。これにより、ユーザが印刷ジョブの状態や印刷装置2の状態を確認することができる。
尚、本実施形態では、ステータス情報表示モジュール227がステータス情報表示画面を表示してユーザに情報を通知しているが、これだけに限定されるものではない。例えば、ステータス情報表示モジュール227は印刷装置2の状態解析等を行い、情報表示画面を用いてユーザに情報を伝える処理はOSの印刷サポート機能211を用いる構成としても良い。
■画像処理概要説明
次に、図3を用いてコマンド生成モジュール225が印刷データを印刷コマンドに変換する際の画像処理を説明する。入力されたレッド(R),グリーン(G),ブルー(B)各色8ビット(各256階調)の画像データをシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K),透明インク(P)各色1ビットのビットイメージデータとして出力する。
尚、ここでは簡単のために、C,M,Y,K4色のカラーインクを用いる例で説明するが、これに限定されるものではない。ライトマゼンタ、ライトシアンなどの中間的な色のインクの追加やライトグレー、グレー、ダークグレー、フォトブラック、マットブラックなどモノトーン系のインクを更に追加し、例えば12色を用いる場合にも適用できる。
また、入力データ及び出力データのビット数はこれに限定されるものではない。例えば、RGB各色16ビットの画像データが入力され、出力データもCMYKP各2ビット(4階調)などの多値データとすることも可能である。
図3に示すように、RGB各色8ビットの輝度データは、第1色変換処理301に入力され、3次元ルックアップテーブル(LUT)を用いてR′G′B′各色8ビットデータに変換される。このRGBデータからR′G′B′データへの色変換処理は、輝度データが表す入力画像の色空間と印刷装置2で再現可能な色空間との差を補正する処理である。同時に、RGBの輝度データが表わす入力画像の色空間をデバイス非依存のXYZ系の色空間に変換する色空間変換処理及びこのデバイス非依存の色空間を印刷装置2に依存する色空間へ変換する処理である。
図3では、第1色変換処理301の結果を信号R′G′B′として表わしている。また、第1色変換処理301では、3次元LUTを用いて処理を行っているが、全ての入力の組み合わせに対して格子点を持つ必要はなく、補間処理が併用されることは公知のものと同様である。
次に、第1色変換処理301の結果であるR′G′B′各色8ビットデータは、次段の第2色変換処理302に入力され、3次元LUTを用いてCMYKP各色8ビットデータに変換される。この処理は、輝度信号で表現される入力系のRGB系データを濃度信号で表現するための出力系のCMYK系データに色変換する処理や、マスキング、下色除去、黒生成等の処理である。
尚、第2色変換処理302の3次元LUTも、第1色変換処理301の3次元LUTと同様に、3次元空間上の点のうち所定間隔にある点に対するデータのみが用意され、所定間隔にある点以外の点の8ビットデータに対する変換は補間処理を用いて行われる。
次に、第2色変換処理302によって得られたCMYKP各色8ビットデータは、出力ガンマ処理303に入力され、各色1次元LUTを用いてγ補正される。この処理は印刷媒体の単位面積当たりに記録されるドットの数とこれを測定して得られる反射濃度などの出力特性とは通常、線形関係にならないことから行われる処理である。従って、この出力ガンマ処理303によりCMYKP各色8ビットの入力階調レベルと、記録される画像の濃度レベルとの線形関係を保証することができる。
そして、この出力ガンマ処理303の後、2値化処理304を行う。本実施形態の印刷装置2は、2値の印刷装置であるので、上述のように得られたCMYKP各色8ビットのデータがCMYKP各色1ビットのデータに量子化される。
尚、上述した画像処理(色変換、出力ガンマ処理、2値化処理)は、印刷設定の内容によって異なる処理が行われる。また、使用する印刷媒体の種類によって適切な画像処理が異なり、更には印刷品質の設定によっても、印刷速度より画質を優先するようなモードに適した画像処理と、画質よりも印刷速度を優先するモードに適した画像処理とでは異なるためである。
本実施形態では、印刷設定の項目のうち、「用紙の種類」、「印刷品質」、「カラー/モノクロ設定」、「フチ無し印刷」のそれぞれの設定値の組み合わせにより上述した画像処理の処理内容を変更する。ここで、「用紙の種類」は印刷媒体の種類を指定する項目であり、「印刷品質」は画質優先モードか速度優先モードかを指定する項目である。また、「カラー/モノクロ設定」はカラー印刷を行うかモノクロ印刷を行うかを指定する項目であり、「フチ無し印刷」フチ無し印刷を指定する項目である。
具体的には、第1色変換処理301、第2色変換処理302で使用される3次元LUT、出力ガンマ処理303で使用される1次元LUTを変更することで、印刷設定に最適な画像処理を行う。また、2値化処理で適用される2値化方法(ディザマトリクス法、誤差拡散法など)や使用されるマトリクスや各種パラメータなどを変更することで、印刷設定に最適な画像処理を行う。
■印字モードとメニューリンクの説明(ミスマッチ処理の説明)
印刷設定においては、設定項目の間に依存関係が存在する。例えば、用紙の種類の設定値により、提供される印刷品質の種類が異なる。より具体的には、用紙の種類の設定値とカラー/モノクロの設定値、フチ無し印刷の設定値によって提供される印刷品質の種類が決定される。図4の(a)は設定項目の間の依存関係を表す印字モードテーブル401の一例を示す図である。この印字モードテーブル401では、左に記載されている設定項目の優先順位が強く、右に記載されている設定項目は左側に記載されている設定項目の設定値によって影響を受けることを表している。
即ち、用紙の種類の設定値によって選択可能なカラー/モノクロ設定値が決定される。用紙の種類とカラー/モノクロの設定値によって選択可能なフチ無し印刷の設定値が決定される。そして用紙の種類、カラー/モノクロ、フチ無し印刷の設定値によって選択可能な印刷品質が決定される。例えば、普通紙、カラー、フチ無し印刷のOFFが設定されている状態では印刷品質は標準と速度優先が選択可能だが、普通紙、カラー、フチ無し印刷のONが設定されている状態では印刷品質は標準のみが選択可能となる。これは、印刷媒体の材質によってはフチなし印刷のように印刷媒体の外寸よりも外側にはみ出してインクを塗布するような印刷方法が好ましくない場合があるからである。そして、フチなし印刷を行う場合には印刷媒体に対してはみ出してインクを塗布するため、より精度の高い印刷制御が必要となることから、印刷品質の選択可能値が制限されるなど、印刷装置の構造、印刷媒体の材質などに基づいて決定される。
このように、上位の設定項目である用紙の種類から下位の設定項目である印刷品質までの設定値によって画像処理、印字制御の方法が決定されるため、本実施形態ではそれらの設定値の組み合わせ一つ一つを印字モードと呼ぶこととする。印字モードテーブル401の「印字モード番号」欄が、各印字モードを特定する番号である。印刷設定によって上述した画像処理方法が変更されると説明したが、具体的には印字モード毎に画像処理方法が変更される。
■UI、各モードの処理内容、プロセス的内容の説明
図5は、プリンタドライバ220のユーザインタフェースモジュール221が表示する印刷設定画面の一例を示す図である。上述したように、印刷設定画面501を用いることにより、ユーザは使用する用紙の種類、用紙のサイズ、給紙方法、印刷品位など、様々な項目についての設定を行うことができる。プルダウンメニュー503は透明インクの塗布方法を適切に決定する「透明インク塗布モード」を選択する部分である。このプルダウンメニュー503でプリンタドライバ220の提供する透明インク塗布モードの一覧を表示し、ユーザが任意の透明インク塗布モードを選択することで透明インク塗布モードが設定される。この透明インク塗布モードとしては、図6に示すように、「自動」、「全面」、「ユーザ設定」の3つのモードを有し、ユーザはこのプルダウンメニュー503から任意のモードを選択することで透明インクの塗布方法を指定することができる。尚、この透明インク塗布モードはデフォルトでは「自動」が選択されている。これらの透明インク塗布モードの処理については以下の通りである。
塗布モードの全面(全面塗布モード)は、印刷媒体の印刷範囲全体(インク塗布可能領域全体)に透明インクを塗布するモードである。全面モードの場合、印刷媒体上に塗布されているインク、オブジェクト等について何の判定をすることもなく、印刷媒体上全体に渡り透明インクを塗布する。ただし「フチ有り印刷」が設定されている場合は、フチの部分は透明インクを塗布せず、有効印字領域全体にのみ透明インクを塗布する。
透明インクは媒体によってより効果のあるものが存在することがわかっている。即ち、普通紙やマットコートされた用紙は透明インクを塗布することによる効果があまり大きくないが、光沢のある光沢紙などは透明インクを塗布することによる光沢感の均一化、色域の拡大などがわかっている。
そこで、塗布モードの自動(自動塗布モード)では、透明インクを塗布することで効果が高くない媒体の場合は透明インクを塗布せず、透明インクを塗布することで効果が高い媒体の場合は印刷データ中の白点領域以外に透明インクを塗布する。白点領域とは、どのカラーインクも塗布されない領域のことである。即ち、この自動塗布モードは、ジョブ設定の用紙の種類の設定値によって透明インクを塗布するか否かを切り替える。
尚、本実施形態では、透明インクの効果が高くない媒体には透明インクを塗布しないようにしたが、用いる透明インクと媒体の組み合わせによっては光沢紙のみならず、普通紙といった媒体に対して塗布することも可能である。また、透明インクの塗布量を普通紙、光沢紙などの媒体によって変えても良い。
図2で説明したように、本実施形態において、アプリケーション201が作成した印刷データは、OSの印刷サポート機能211を介してスプールデータ214として一時的に蓄えられる。そして、スプールデータ214はプリンタドライバ220によって印刷装置2が解釈可能な印刷コマンドに変換される。
ここで、OSの種類によっては、渡される印刷コマンドがイメージデータの位置座標を必ずしも正確に渡す機能を持っていないものが存在する。そのため、自動塗布モードは、印刷データ中の白点領域以外の部分に透明インクを塗布する部分塗布モードである。
更に、自動塗布モードの場合は、上述したように、ジョブ設定の用紙の種類の設定値によって透明インクを塗布するか否かを判断しているため、ユーザが複雑な判断をすることなく、操作性の向上につながっている。
次に、塗布モードのユーザ設定(ユーザ設定モード)は、透明インクを一部塗布しないことにより、見え方を変化させて印刷物にデザイン性を付与するモードであり、フォームファイル作成モードとフォーム合成印刷モードとを有する。フォームファイル作成モードは、透明インクを塗布しない領域(透明インク削除領域)を作成し、フォームファイルとしてパソコン1に保存するモードである。また、フォーム合成印刷モードは、選択されたフォームファイルに含まれる透明インク削除領域で指定されている領域のみ、透明インクを塗布せずに印刷するモードである。尚、フォーム合成印刷モードについては、後に詳述する。
<自動、全面 透明インクの入れ方プロセス説明>
ここで、全面塗布モード、自動塗布モードにおいて、光沢紙A、Bが選択された場合の透明インクの出力信号量について詳述する。図13は、第2色変換処理302が決定する透明インクの出力値の変化を表す図である。
図13の(a)は自動塗布モードにおけるカラーインク及び透明インクの出力値を表し、図13の(b)は全面塗布モードにおけるカラーインク及び透明インクの出力値を表している。ここまで簡単のために、カラーインクをCMYK4色への色分解を説明したが、本実施形態は更に中間的な色のインクを追加して、例えば12色を用いる場合にも適用できる。
一般に、ライトグレー、グレー、ダークグレー、フォトブラック、マットブラックなどモノトーン系インクを更に追加した場合、白から黒にかけてモノトーン部のよりなめらかな諧調性を表現できるようになる。図13の(a)、(b)は、12色のインクにおけるLUTで、R=G=B=255の白点からR=G=B=0の黒点への部分(以降、グレーラインと称する)を抜き出したグラフである。
このグラフによると、R=G=B=255の白点からR=G=B=240の格子点まではライトグレー(LGray)のインクのみで印字を行う。また、R=G=B=240からグレー(Gray)のインクが入り、LGrayインクはR=G=B=215の付近で最大値となり、その後減り始める。更に、R=G=B=120からダークグレー(DGray)が入り、その後Grayインクは最大値となって減少している。そして、R=G=B=64からブラック(以降PBk)が入り、その後DGrayインクは最大値となって減少し、最後のR=G=B=0ではPBkインクのみとなる。尚、グレーラインにおいて、調色のために他のカラーインクを更に組み合わせることが一般的に行われているが、この例では省略している。
全面塗布モードでは、印刷媒体の白地と印字部との境界に光沢の差が発生しないように、印刷媒体の印字可能な領域全てに印字を行う。図13の(b)のように、R=G=B=255からR=G=B=215付近まで、主にLGrayインクが単色で出力される濃度では、透明インクを多めに出力する制御を行っている。この理由を以下に説明する。
一般的に、顔料インクは、光沢を有する用紙である光沢紙に塗布すると、染料インクと比較して光沢紙の表面に顔料粒子が残る。そのため、顔料が多く用いられる部分では顔料粒子自体が有する光沢が目立ち、その部分のみ光の反射が強くなる。
この光の反射について図14を用いてより詳細に説明する。図13からわかるように、白点に近い部分では、LGrayの出力値は少ない。この場合、単位面積当たりのドット断面イメージは、図14の(a)に示すように、LGrayが付与されている部分と印刷媒体表面が出ている部分が現れる。
通常、フィルムのような印刷媒体でなければ、光沢紙自身の光の反射は、顔料インクに覆われている場合の光の反射よりも小さくなる。よって、印刷媒体表面が出ている部分が多ければ、それだけ光の反射が小さくなる。また、この場合、画像表面上は、LGrayが付与された部分とされていない部分で、凹凸が出来た状態になっている。このとき、図14の(a)の光の反射イメージに示すように、画像表面上の凹凸によって光が散乱するため、光の反射が小さくなる(図中の白抜きの矢印が光を表すものとする)。
よって、白点付近で発生する隙間をより多くの透明インクで埋めると、表面上の凹凸が少なくなり、図14の(b)のように光の散乱を抑えられる。即ち、ここでは、光の反射を高めることにより、他のカラーインク塗布部と均一な光沢感を付与できる。
また、R=G=B=215では、LGrayインクの出力値が最大付近では、図14の(c)のように、LGrayインクのみほぼ単色で用紙上が埋まった場合は、画像表面上の凹凸が少なくなるので、顔料粒子そのものによる光の反射が強くなる傾向にある。従って、ここでは顔料粒子を覆い均一な光沢を付与するために、より多くの透明インクが必要となる。
一方、図14の(d)のように、LGrayとGrayのインクが同時に使われる部分では、LGrayとGrayのインクは複数パスの間にランダムに印字されていくので、画像表面上に凹凸が発生する。このため、光の散乱が発生し、単色で印字した場合よりも、顔料粒子そのものによる光の反射が比較的弱くなる。言い換えると、複数インクが同時に使われるより黒色に近い高い濃度領域では透明インクの量を減らして塗布できる。以上をまとめると以下のようになる。
即ち、白点と、LGrayを単色で印字を行っている白点に近い部分では用紙の白地を埋めて光の反射を強くするため、ほぼLGray単色で用紙が埋まっている部分では光の反射を抑えるため、透明インクの塗布量を多くすることが必要である。また、LGrayにGrayといった複数色のインクで印字される部分になると、画像表面上の凹凸が発生するので、比較的光の反射が弱まっていく。このため、透明インクの塗布量を、白点付近及び低濃度付近よりも減らすことができる。
このようにして印刷された全面塗布画像を模式的に表現した図が図22の(b)であり、斜線の部分(全面)に透明インクが塗布される。尚、図22の(a)は、オリジナルを示す図である。
次に、自動塗布モードのうち、光沢紙A、Bが選択された場合、透明インクを塗布する際に、白点は透明インクを塗布しないように処理する。これは、アプリケーションやOSによっては、オブジェクトとしての画像データを必ずしも正確に渡す機能を持っていないものが存在し、その場合、印刷データ中の画像データのみに透明インクを塗布することができない。このような場合、画像データ領域の特定に代わるものとして、カラーインクが塗布された部分にのみ透明インクを塗布し、白点には塗布しない方法により、同等の効果が得られる。このようにして印刷された画像を模式的に略表現した図が図22の(c)であり、斜線の部分(画像データの部分)に透明インクが塗布される。
この場合、単に白点の透明インクの出力値をゼロとするだけでは、白点の周りに濃度の低い部分が隣接していると、光沢の差が目立ってしまう。そこで、透明インクの出力値を緩やかに増加させることで、白点周りの低濃度領域における光沢の差は目立ち難くなる。即ち、図13の(a)のように、R=G=B=215のLGrayインクの出力値が最大付近までは、透明インクを増加させるように制御する。R=G=B=215のLGrayインク出力値が最大付近で、透明インクを多くするのは、上述の全面塗布と同様であり、画素が単色のLGrayで打たれる付近は、顔料インクで表面が埋まり光沢度が高くなる傾向にあるからである。
尚、透明インクの最大量は印刷媒体毎に効果的な許容量を有し、その最大量をR=G=B=215付近に設定している。更に、R=G=B=255からR=G=B=215までの透明インクの増加量は、その最大値に至るまで、n次近似曲線のような一般的な近似を行うことで、なだらかに値が推移し、白点周りの低濃度領域の光沢差は、より目立ち難くなる。
それ以降黒色に至るまでの濃度の高い領域における透明インクの出力値は、本実施形態では一定量とした。しかし、全面塗布の場合と同様に、LGrayとGrayのインクが同時に使われる部分では、上述したように、画像表面上に凹凸が発生するため多くの透明インクを必要としない。即ち、R=G=B=255からR=G=B=215まで一旦上げた透明インクの出力値を、R=G=B=215からR=G=B=0に至るまでの、複数インクが打たれる格子点に至る領域ではなだらかに下げて設定しても良い。
<自動、全面、OFFの切り替え>
既に説明したように、プリンタドライバ220は各印字モードで使用する第2色変換処理302の3次元LUTをパラメータファイルとして有しており、印刷設定の内容に従って使用するLUTを変更することで、各印字モードに適した色変換処理を行う。本実施形態では、透明インク塗布モードの設定値と用紙の種類の設定値とに基づき、上述したように透明インクの塗布方法を変更する。そのため、各印字モード用の第2色変換処理302の3次元LUTは、以下のようなものを有している。
透明インクを使用しない印字モードに対しては「自動塗布モード」用のLUTのみ有し、そのLUTは色変換処理後のCMYKPデータにおいて透明インクを表すPのプレーンデータが全てゼロとなっているものである。これにより、「自動塗布モード」が設定された場合には、これらの印字モードに対しては透明インクを塗布しない印刷結果を得ることができる。
また、透明インクを使用する印字モードに対しては、「自動塗布モード」のうち、光沢紙などを選択した場合の透明インク塗布結果となるようなLUTを「自動塗布モード」用のLUTとして有している。
更に、全面塗布モードにおける透明インク塗布結果となるようなLUTを「全面塗布モード」用のLUTとして有しており、選択された透明インク塗布モードに応じて何れかのLUTをロードして色変換処理を実施する。そして、自動塗布モードと全面塗布モードとの透明インク塗布方法の切り替えを実現する。
尚、先に述べたように、透明インクの効果が高くない媒体に対しても透明インクを塗布する、少量の透明インクを塗布する方法などが考えられる。しかし、その場合には、そのような透明インク出力値が得られるようなLUTをその印字モードに対して用意することで実現可能である。つまり、「自動塗布モード」の場合で普通紙等に透明インクを塗っても良い。
ここで、図5に示す印刷設定の説明に戻る。ユーザインタフェースモジュール221が表示するプルダウンメニュー503により、ユーザは透明インク塗布モードのうち任意のモードを選択する。図5のラジオボタン504、505及び領域506は、3つの透明インク塗布モードのうち、ユーザ設定モードが選択された場合の詳細設定の項目である。これらは、プルダウンメニュー503で自動塗布モード、全面塗布モードが選択されている場合は、操作不能な状態に表示される。
一方、ユーザ設定モードが選択されている場合は、操作可能な状態に表示される。このユーザ設定モードにおいて、ユーザはラジオボタン504又は505により領域指定用のフォーム作成モードか、フォーム合成印刷モードかを選択する。
アイコン表示領域502は、各透明インク塗布モードの概念を表すアイコンを表示する領域である。ここで、プリンタドライバ220は各透明インク塗布モードを視覚的に表現したアイコンを保有しており、ユーザインタフェースモジュール221は設定されている透明インク塗布モードに対応するアイコンをアイコン表示領域502に表示する。
透明インク塗布モードはジョブ設定の印字モード毎に使用可能なモードが異なり、以下の3通りに分類される。
・「自動塗布モード」/「全面塗布モード」/「ユーザ設定モード(フォームファイルの作成/フォーム合成印刷)」が可能な印字モード
・「自動塗布モード」/「全面塗布モード」が可能な印字モード
・「自動塗布モード」のみ可能な印字モード
「自動塗布モード」のみ使用可能な印字モードは、透明インクを塗布しない印字モードである。本実施形態では、普通紙やマットコートされた用紙など透明インクの効果が高くない媒体では、透明インクを用いない前提で画像処理用の3次元LUTを設計している。そのため、透明インク塗布モードとして「自動塗布モード」のみが使用可能であり、この場合の「自動塗布モード」は「透明インクを塗布しない」ことを表すことになる。
一方、透明インクを使用することで光沢感の均一化などの効果を得ることができる用紙の種類においては、透明インクを塗布する「自動塗布モード」と「全面塗布モード」とが使用可能となる。これらの用紙の種類において、「ユーザ設定モード」が使用可能か否かが印字モードによって異なっている。これは、速度を優先する印字モードなど透明インクを用いた装飾効果が得られないような印字モードにおいては「自動塗布モード」と「全面塗布モード」のみを使用可能としているためである。これにより、装飾効果が得られないような印字モードにおいて、ユーザ設定モードが選択されないようにしている。
図4の(b)の印字モードテーブル402は、印字モードごとの使用可能な透明インク塗布モードに関する情報を保持する印字モードテーブルの一例である。例えば、「光沢紙A、カラー、フチ無し印刷(ON)、画質優先」という印字モード(7)では、自動塗布モード、全面塗布モード、ユーザ設定モードの全てが使用可能であることを表している。また、「光沢紙A、カラー、フチ無し印刷(ON)、標準」という印字モード(8)では、自動塗布モード、全面塗布モードのみが使用可能であることを表している。
尚、印字モードテーブルは印字モードテーブル402の構成に限定されるものではない。例えば、普通紙等の媒体に対しても透明インクを塗布する構成とした場合には、それらの媒体を使用する印字モードにおいても、「全面塗布モード」を使用可能な構成としても良い。更に、「ユーザ設定モード」も使用可能な構成とすることも可能である。
■UIモジュールの処理
ユーザインタフェースモジュール221は、現在の印刷設定から決定される印字モードによらず、プルダウンメニュー503に「自動」、「全面」、「ユーザ設定」の各モードを常に表示しても良い。そして、1つのモードが選択された際に、その選択されたモードの可否により実際に使用する透明インク塗布モードへの切り替えやユーザへのガイダンス制御を行う。
ユーザインタフェースモジュール221が図4の(b)の印字モードテーブルに基づいて実行する制御を、図7を用いて説明する。ユーザにより任意の透明インク塗布モードが選択されると、ユーザインタフェースモジュール221は現在の印刷設定から決定される印字モードにおいて選択された透明インク塗布モードが使用可能であるか否かをS701で判断する。判断の結果、使用可能である場合はS707へ進み、選択された透明インク塗布モードに変更し、この処理を終了する。
一方、判断の結果、使用不可能である場合はS702へ進み、現在の用紙の種類を変更せずに、選択された透明インク塗布モードが使用可能な印刷品質が存在するか否かを判定する。判定の結果、使用可能な印刷品質が存在しない場合はS705へ進み、選択された透明インク塗布モードが使用可能な用紙の種類を列挙し、その中の何れかに変更するかをユーザに問い合わせるメッセージを表示する。図8は、このS705で表示する画面例を示す図である。
続いてS706で、他の用紙の種類の選択及び該用紙への変更に対するユーザの応答を待ち、変更が許可された場合はS708へ進み、選択された透明インク塗布モード及び該用紙の種類へ印刷設定を変更する。また、S706で、変更が許可されず透明インク塗布モードの選択が取り消された場合はS709へ進み、すべての印刷設定を透明インク塗布モードが選択される前の状態に戻し、印刷設定を一切変更しないようにする。
一方、上述のS702で、使用可能な印刷品質が存在する場合はS703へ進み、その印刷品質に変更した上で選択した透明インク塗布モードに変更するか否かをユーザに問い合わせるメッセージを表示する。図9は、このS703で表示する画面例を示す図である。
その後、ユーザの応答があれば、S704で判定し、印刷品質の変更が許可された場合はS710へ進み、選択された透明インク塗布モード及び該透明インク塗布モードが使用可能な印刷品質に変更する。また、S704でユーザの応答が透明インク塗布モード変更の取り消しであった場合はS709へ進み、透明インク塗布モードが選択される前の状態に戻し、印刷設定を一切変更しないようにする。更に、S704でユーザの応答が印刷品質変更拒否であった場合は上述のS705以降の制御を行う。
このように、現在の印刷設定から決定される印字モードによらず、全ての透明インク塗布モードを選択できるように制御し、選択された透明インク塗布モードによる印刷が現在の印刷設定では実行不可能なモードであった場合に、その旨を報知する形態とする。これにより、実行不可能な透明インク塗布モードを選択できないようにしておく形態と比べ、干渉する設定との相関関係が直感的に分かり難い場合にも、ユーザがその理由を把握することが可能となる。また、その理由を報知するための最適な機会を提供することが可能となる。
以上の制御において、S701で、現在の印刷設定から決定される印字モードにおいて選択された透明インク塗布モードが使用不可であった場合、他の印刷設定への変更を提示せず、競合する他の印刷設定について通知するだけのガイダンス方法も考えられる。
また、S702〜S703で、透明インク塗布モードで使用可能な印刷品質が複数存在する場合は、まず現在の用紙の種類に対する標準の印刷品質、次に現在の印刷品質により近く、且つ上位の印刷品質といった特定の優先順位で変更候補を決定しても良い。或いは、S705で提示する用紙の種類と同様に、変更候補を列挙し、ユーザに選択を委ねても良い。
また更に、上述した通り、制御は図4の(b)の印字モードテーブルに基づいて行われるが、本実施形態はこれだけに限らない。例えば、透明インク塗布モードと干渉する他の印刷設定が存在するようなケースで、当該印刷設定の変更を同様にユーザに問い合わせる形態へと応用できることは言うまでもない。
次に、任意の透明インク塗布モードが選択された状態から、該透明インク塗布モードの使用可否に作用し得る他の印刷設定が変更され、選択された塗布モードの可否が変化する場合の制御を、図10を用いて説明する。
ユーザにより何らかの印刷設定が変更されると、S1001で、該設定自体、その設定変更指示により副次的に変更すべき設定の何れもが透明インク塗布モードの使用可否に作用しない設定か判断する。ここで、透明インク塗布モードの使用可否に作用しない設定の場合はS1008へ進み、そのままユーザに変更指示と、副次的に変更すべき印刷設定に変更する。これ以降、ユーザによって直接変更指示がなされた設定と、それによって副次的に変更される設定とを合わせてユーザ指示によって変更される印刷設定と記す。
また、ユーザ指示によって変更される印刷設定が透明インク塗布モードの使用可否に作用する用紙の種類であった場合はS1002へ進み、現在設定されている透明インク塗布モードが該変更後の印刷設定下で使用可能であるか否かを判断する。ここで、使用可能な場合はS1008へ進み、そのままユーザ指示によって変更される印刷設定に変更する。しかし、使用不可能な場合はS1003へ進み、指定された用紙の種類で現在の透明インク塗布モードが使用可能な印刷品質が存在するか否かを判定する。判定の結果、該印刷品質が存在する場合はS1004へ進み、その印刷品質に変更した上でS1008へ進み、上述の変更処理を行う。
また、上述のS1003で、該印刷品質が存在しない場合はS1006へ進み、全ての印刷設定で使用可能な透明インク塗布モードである自動塗布モードに変更するかをユーザに問い合わせるメッセージを表示する。図11は、このS1006で表示する画面例を示す図である。
その後、S1007で、これに対するユーザの応答を判断し、透明インク塗布モードの変更が許可された場合はS1009へ進み、透明インク塗布モードを自動塗布モードに変更した上で、その他の設定をユーザ指示によって変更される印刷設定に変更する。また、S1007で、ユーザの応答が印刷設定変更の取り消しであった場合はS1010へ進み、印刷設定変更が指示される前の印刷設定を維持、即ち印刷設定を一切変更しないようにする。
一方、上述のS1001で、ユーザ指示によって変更される印刷設定が透明インク塗布モードの仕様可否に作用する印刷品質であった場合はS1005へ進み、現在設定されている透明インク塗布モードが該印刷設定下で使用可能であるか否かを判断する。ここで、使用可能な場合はS1008へ進み、上述の変更処理を行う。また、使用不可能な場合はS1006へ進み、上述した処理を行う。
以上の制御において、ユーザ指示によって変更される印刷設定により現在の透明インク塗布モードが使用不可能になる場合、特に図11に示すようなメッセージを表示することなく、現在可能な透明インク塗布モードを変更する形態としても良い。
また、用紙に対する印刷を伴わないフォームファイル作成モードから印刷を伴う自動塗布モードに変更される場合のように、ユーザにとって影響が大きい変更が発生する場合のみ、上述のメッセージを表示する形態としても良い。
また、S1003〜S1004では、透明インク塗布モードの使用可否に影響を与える下位の設定については判断することなく、透明インク塗布モード変更の必要性を報知するS1006の変更を行うS1009へと遷移する形態としても良い。
また更に、上述した通り、制御は図4の(b)の印字モードテーブルに基づいて行われるが、本実施形態はこれだけに限らない。例えば、透明インク塗布モードの使用可否に影響する他の印刷設定が存在するようなケースで、当該印刷設定の変更に対して同様の制御ができることは言うまでもない。
■プリント実行後のコマンド生成モジュールの処理
図12は、コマンド生成モジュールの処理を表すフローチャートである。印刷が指示されるとコマンド生成モジュール225は印刷ジョブ中の印刷設定情報を参照して設定項目の間の不整合の有無を判定し、エラー表示や一部項目の設定値を変更するジョブ設定整合性判定処理を行う(S1201)。このジョブ設定整合性判定処理は、使用できない組み合わせが設定されているか否かを判定する処理であり、詳細は後述する。尚、ジョブ設定とは、ページ単位で印刷設定を変更可能な印刷システムにおいては、最初のページの印刷設定を示す。
次に、ジョブ設定から透明インク塗布方法の設定を判定する(S1202)。ここで、透明インク塗布モードが「ユーザ設定モード」であると判定された場合、更に「フォームファイル作成モード」であるか「フォーム合成印刷モード」であるかを判定する(S1203)。フォームファイル作成モードであればフォームファイル作成処理へ進む(S1204)。フォーム合成印刷モードであればフォーム合成印刷処理へ進む(S1205)。それぞれの処理の詳細は後述する。
一方、透明インク塗布モードが「自動塗布モード」か「全面塗布モード」であると判定された場合、現在ページの印刷ジョブを元にラスタライズを行い、多値のラスターデータを作成する(S1206)。このラスタライズ処理は、ドライバが提供するプログラム、及びOSの提供する機能の何れを利用して実施しても良い。
次に、S1207で、入力画像のRGBデータを印刷装置2に依存する色空間に適したデータR′G′B′に変換する第1色変換処理301を行う(S1207)。次に、第2色変換処理302を行う際に、透明インク塗布モードの設定を判定する(S1208)。判定の結果、「全面塗布モード」であれば、全面塗布モード用の第2色変換処理302を行い、CMYKP各色8ビットデータに変換する(S1209)。ここでは、全面塗布モード用の3次元LUTをロードして使用することで、全面塗布モード用の第2色変換処理302を行う。
一方、「自動塗布モード」であれば、自動塗布モード用の第2色変換処理302を行いCMYKP各色8ビットデータに変換する(S1210)。ここでは、自動塗布モード用の3次元LUTをロードして使用することで、自動塗布モード用の第2色変換処理302を行う。尚、前述したように、用紙の種類で光沢紙などが設定されていた場合には、ここで使用される自動塗布モード用のLUTは、図13の(b)で説明したような透明インク塗布を行うものである。一方、その他の用紙の種類が設定されていた場合には、透明インクを塗布しない変換結果を得られるようなLUTである。
このように、自動塗布モードでは、用紙の種類の設定値によって透明インクを塗布するか否かを切り替え、ユーザに複雑な判断をさせないことで操作性の向上を実現している。尚、ここでも簡単のために、CMYK4色のカラーインクを用いる例を説明したが、これに限定されるものではないことは言うまでもない。
次に、出力ガンマ処理303を行った後に(S1211)、2値化処理304を行う(S1212)。本実施形態では、印刷装置2が2値印刷装置であるので、ここで得られたCMYKP各色8ビットのデータは、CMYKP各色1ビットのデータに量子化される。そして、印刷装置2が解釈できる印刷コマンドへの変換、送信を行う(S1213)。印刷コマンドはコマンド送受信モジュール226を介して印刷装置2へ送られ、印刷装置2で受信された印刷コマンドに対応する画像が印刷媒体上に形成される。
最後に、S1214で、全ページが終了したか否かを判定し、残りページがある場合は次のページに進める(S1215)。ページ単位で印刷設定情報が指定されている場合、S1216で後述するページ設定整合性判定処理を行った後、再度S1216から処理を行う。その後、全ページの処理が終了すると、この処理を終了する。
■透明インク塗布モードに関する整合性処理
■ページ構成モジュールによるページ間設定混在判定処理
図15は、ページ構成モジュール222による透明インク塗布モードの混在検出処理を表すフローチャートである。まず、ページ構成モジュール222は、現在のページの印刷設定から透明インク塗布モードの設定値を参照する(S1501)。ここで、透明インク塗布モードの設定が自動塗布モード、若しくは全面塗布モードである場合、現在ページの設定情報であるRAM14上の変数Scに自動/全面であることを示すフラグを格納する(S1502)。
一方、S1501で、透明インク塗布モードがユーザ設定モードであった場合、現在の印刷設定に対応する印字モードにおいて、ユーザ設定モードが使用可能であるか否かを、印字モードテーブル402を参照して判定する(S1503)。ユーザ設定モードが使用できないと判定した場合はS1502へ進む。しかし、ユーザ設定モードが使用できると判断した場合はS1504へ進み、フォームファイル作成モードかフォーム合成モードかを判定する。フォームファイル作成モードの場合、Scにフォームファイル作成モードであることを示すフラグを格納する(S1505)。また、フォーム合成印刷モードの場合、Scにフォーム合成印刷モードであることを示すフラグを格納する(S1506)。
続いて、S1507では、1つ前のページの設定情報を示すRAM14上の変数Spが存在する場合、ScとSpに格納されているフラグの値が等しいか否かを判定する。判定の結果、Spが存在し、且つScとSpの値が等しくない場合、現在の印刷設定では印刷を続行できない旨のエラー情報をステータス情報表示モジュール227に通知して処理を終了する(S1508)。
この処理により、透明インク塗布モードの自動塗布モードと全面塗布モード以外の設定同士のページ間での切り替えを禁止している。これは、コマンド生成モジュール225の構成上、自動塗布モードと全面塗布モード以外の設定同士のページ間での切り替えが困難であるため、ページ構成モジュール222でこのような印刷ジョブを事前に終了することを目的としている。例えば、フォームファイル作成モードで動作途中に、自動塗布モードに切り替えられた場合、フォームファイルの作成終了処理と、印刷の開始処理を実行する必要がある。ページ間でこのようなジョブ全体の初期化や終了に関連する処理を実行することはシーケンス上困難である。
また、S1507で、Spが存在しない場合、或いはScとSpが等しい場合は、SpにScの値を代入する(S1509)。そして、S1510で残りページがあるか否かを判定し、残りページがある場合は次ページへ進み(S1511)、S1501からS1509の処理を繰り返す。その後、残りページがなくなれば、この処理を終了する。
印刷システムによっては、コマンド生成モジュール225で印刷ジョブにおける現在のページ以降のページを先読みできないため、ページ構成モジュール222が代わりにこの処理を実行する。また、コマンド生成モジュール225でページの先読みができる場合、図15の処理をコマンド生成モジュール225で実施しても良い。
尚、ページ単位で印刷設定が変更できないような印刷システムにおいては、この処理は不要である。また、図15の処理はページ構成モジュール222における透明インク塗布モードの混在検出処理のみを示しており、ページレイアウト変更やページの複製などの、ページ構成モジュール222が一般的に行う処理については記載していない。
■ジョブ設定整合性判定処理
図16は、コマンド生成モジュールによるデータ生成時のジョブ設定整合性判定処理(ミスマッチ処理)を表すフローチャートである。コマンド生成モジュール225はデータ生成時のミスマッチ処理において、まず印刷設定情報から透明インク塗布モードの設定値を参照する(S1601)。透明インク塗布モードの設定値が自動塗布モードを示す値であれば、全ての印字モードにおいて自動塗布モードは使用可能であるため、ミスマッチは存在しないものとしてミスマッチ判定処理を終了する。
また、S1601で透明インク塗布モードの設定値が全面塗布モードを示す値であれば、現在の印刷設定に対応する印字モードにおいて、全面塗布モードが使用可能であるか否かを、印字モードテーブル402を参照して判定する(S1602)。判定の結果、使用可能であれば、ミスマッチは存在しないため、この処理を終了する。しかし、設定されている印字モードにおいて、全面塗布モードが使用できないと判定された場合、透明インク塗布モードを自動塗布モードに変更し(S1603)、この処理を終了する。
更に、S1601で透明インク塗布モードの設定値がユーザ設定モードを示す値であれば、現在の印刷設定に対応する印字モードにおいて、ユーザ設定モードが使用可能であるか否かを、印字モードテーブル402を参照して判定する(S1604)。判定の結果、使用可能であれば、ミスマッチは存在しないため、この処理を終了する。しかし、設定されている印字モードにおいて、ユーザ設定モードが使用できないと判定された場合、ユーザ設定モードのフォーム作成モードであるかフォーム合成印刷モードであるかを更に判定する(S1605)。ここで、フォーム合成印刷モードであれば、透明インク塗布モードを自動塗布モードに変更し(S1603)、この処理を終了する。フォーム作成モードであれば、現在の印刷設定ではフォーム作成が行えない旨のエラー情報をステータス情報表示モジュール227に通知し(S1606)、処理を終了する。
本実施形態では、印刷設定に対応する印字モードにおいて、使用できない透明インク塗布モードが設定されていた場合、印刷処理が続行可能となるように透明インク塗布モードをデフォルトの設定値である自動塗布モードに変更している。但し、例外として、ユーザ設定モードのフォームファイル作成ジョブで合った場合には、エラー表示を行い印刷処理を中止する。これは、フォーム作成処理ではフォームファイルが生成されるのみであり、印刷は行われないのに対してコマンド生成モジュール225のミスマッチ判定処理により他の塗布モードに変更して処理を続行すると、印刷が行われる処理になってしまうためである。フォームファイル作成を指定したユーザは印刷媒体への出力処理が行われることは期待しておらず、予期しない印刷処理が発生すると用紙が無駄に消費される結果となってしまい好ましくない。
尚、本実施形態では、ステータス情報表示モジュール227はドライバ構成モジュールとしたが、前述した通り、OSの提供する印刷サポート機能211を用いてエラー情報を通知しても良い。その場合、コマンド生成モジュール225がエラー情報をユーザに通知する際にステータス情報表示モジュール227に通知するのではなく、印刷サポート機能211を用いて通知すれば良い。
また、コマンド生成モジュール225がジョブ設定整合性判定処理を行う構成としたが、プリンタドライバ220を構成する他のモジュールが整合性判定処理を行い、コマンド生成モジュール225にその結果を通知する構成であっても良い。
■コマンド生成モジュールによるページ設定整合性判定処理
図17は、図12のS1216でコマンド生成モジュールが実行するページ設定整合性判定処理を表すフローチャートである。コマンド生成モジュール225は、まず現在ページの印刷設定情報から透明インク塗布モードの設定値を参照する(S1701)。ここで、透明インク塗布モードの設定値が自動塗布モードを示す値である場合、ジョブ設定整合判定処理と同様に何もせず終了する。
また、透明インク塗布モードの設定値が全面塗布モードを示す値であれば、現在ページの印刷設定に対応する印字モードにおいて、全面塗布モードが使用可能であるか否かを、印字モードテーブル402を参照して判定する(S1702)。判定の結果、使用可能であれば、ミスマッチは存在しないため、この処理を終了する。一方、設定されている印字モードにおいて、全面塗布モードが使用できないと判定された場合には、透明インク塗布モードを自動塗布モードに変更し(S1703)、処理を終了する。
更に、透明インク塗布モードの設定値がユーザ設定モードを示す値であれば、透明インク塗布モードを自動塗布モードに変更し(S1703)、処理を終了する。このページ設定整合性判定処理が実行されるタイミングでは、透明インク塗布モードをユーザ設定モードに変更することは許容していないため、ユーザ設定モードは一律自動塗布モードに変更する。
尚、ページ単位で印刷設定が変更できないような印刷システムにおいては、このページ設定整合性判定処理は不要である。また、ページ設定整合性判定処理をコマンド生成モジュール225が行う構成で説明したが、プリンタドライバを構成する他のモジュールを用いて整合性判定処理を行い、コマンド生成モジュール225にその結果を通知する構成であっても良い。
■ユーザ設定モードの動作
■フォームファイル作成モード
ここで、ユーザ設定モードのフォームファイル作成モードについて説明する。ユーザインタフェースモジュール221が表示する図5の画面上で、ユーザがプルダウンメニュー503のユーザ設定モードとフォームファイル作成モードを選択すると、プリンタドライバ220は印刷実行時にフォームファイルの作成を行う。図18の(a)は、フォームファイル作成モード選択時の領域506の画面例を示す図である。存在するフォームファイル一覧1801、1802に、既に作成済みのフォームファイルを列挙表示する。列見出し1801には、フォームファイルの名称、作成日時、用紙サイズ、ページ数、フチなし設定の有無、用紙の向きといった、フォームファイルの情報を表示する。
ここで特に、用紙サイズ、フチなし設定の有無、用紙の向きなどは、フォームのページレイアウトに関する情報であり、後述するフォーム合成印刷時に、合成対象となる原稿とのレイアウトの一致を確認するための情報である。複数ページ分のデータを1ページ分の領域に集約する割付印刷や、両面印刷などの設定を含む形態も考えらる。
作成済みのフォームファイルを削除するボタン1803は、ユーザがフォームファイル一覧1802から削除したいフォームファイルを選択し、押下されたときに、該フォームファイルの削除を指示するものである。フォームファイル名の入力欄1804は、ユーザがこれから作成するフォームファイルにつける名称を入力する欄で、印刷処理を実行すると、入力したフォーム名称を持つフォームファイルが作成される。そして、これ以後、本画面を表示した際に、フォームファイル一覧1801にその名称のフォームが表示されるようになる。
ユーザインタフェース上の設定に基づき、フォームファイル作成モードで印刷処理が実行された場合に、コマンド生成モジュールがS1204で行うフォームファイル作成処理を、図19を参照して詳細に説明する。尚、フォームファイルの構造については後述する。
まず、外部記憶装置15内の規定の場所を参照し、不完全な形で存在するフォームファイルがあった場合は削除する(S1901)。この処理は、フォームファイル作成処理の途中で不正終了した場合などに残った不完全なフォームファイルを削除することを目的としている。
次に、規定の上限数以上のフォームファイルが存在するか調べ(S1902)、存在しなかった場合はS1904へ進む。規定の上限数以上のフォームファイルが存在した場合は、フォームファイル数が上限に達している旨のエラー情報をステータス情報表示モジュール227に通知し(S1903)、処理を終了する。この処理は、フォームファイルが大量に生成されることによる外部記憶装置15の逼迫を避けることを目的としている。
次に、印刷設定情報中のフォーム名を調べ(S1904)、正しいフォーム名が指定されている場合はS1905へ進む。コマンド生成モジュール225は、フォーム名が空白ではなく、かつ同一の名称を持つ既存のフォームファイルが存在しない場合に、正常であると判断する。フォーム名が不正な場合には、フォーム名が不正である旨のエラー情報をステータス情報表示モジュール227に通知し(S1903)、処理を終了する。この処理は、意図しないフォームファイルの生成や上書きを避けることを目的としている。
次に、外部記憶装置15内のフォームファイルを作成するための規定の場所に空のフォームファイルを作成し(S1905)、作成したフォームファイルに対してジョブヘッダを書き込む(S1906)。
ここで、ジョブヘッダの構造を図20の(a)を参照して詳細に説明する。このジョブヘッダ2001は、バージョン2002、フォーム名2003、総ページ数2004から構成される。バージョン2002はフォームファイルのフォーマットに関するバージョン情報を表す。フォーム名2003はフォームファイルの名称を表し、S1904で正否が判定されたフォーム名が格納される。総ページ数2004はフォームファイル中に存在する透明インク削除領域情報のページ数を表し、後述するS1915で格納される。
ここで図19の処理に戻り、ジョブヘッダを書き込んだ後、フォームファイルに同一の透明インク削除領域を持つページが存在するか否かを調べる(S1907)。コマンド生成モジュール225は、部数印刷の2部目以降を処理していると認識した場合、既に同一の透明インク削除領域が存在すると判断する。判断の結果、存在する場合はS1908へ進み、既存のページを参照する情報を含むページヘッダを書き込み、現在のページに対する処理を終了する。この処理により、フォームファイル作成処理を高速に完了すると共に、フォームファイルのサイズを小さくすることができる。
一方、同一の透明インク削除領域が存在しない場合はS1909へ進み、ページヘッダを書き込む。ここで、ページヘッダの構造を図20の(b)を参照して詳細に説明する。ページヘッダ2005は、ページID2006、印刷設定2007、ページサイズ2008、幅2009、高さ2010、ページデータ位置2011により構成される。
ページID2006は、ページを一意に識別するための識別子(ID)である。印刷設定2007は、フォームファイル作成モードでの印刷実行時の各種印刷設定である。この印刷設定には、用紙サイズや、印刷の向きに関する情報などが含まれ、フォームファイルを一覧表示する際に、ユーザインタフェースモジュール221によって参照される。
ページサイズ2008は、ページヘッダ2005が参照する透明インク削除領域のサイズをバイト単位で表す。幅2009、高さ2010は、ページヘッダ2005が参照する透明インク削除領域の幅と高さをピクセル単位で表す。ページデータ位置2011は、ページヘッダ2005が参照するインク削除領域の位置を表し、フォームファイルの先頭からのオフセット位置が格納される。
上述のページヘッダを書き込んだ後、現在ページの印刷ジョブを元にラスタライズを行い、多値のラスターデータを作成する(S1910)。そして、多値のラスターデータを二値化し、二値のラスターデータを作成する(S1911)。ここでは、多値のラスターデータにおいて、純白の領域を“1”、純白以外の領域を“0”として二値化する。このようにして作成した二値のラスターデータをフォームファイルに書き込む(S1912)。この二値のラスターデータが現在ページにおける透明インク削除領域情報を表し、フォーム合成印刷時に、“0”の領域には透明インクが塗布されない。
このように、純白以外の領域はユーザがフォーム領域として指定した透明インク削除領域であるとみなし、純白以外の領域を全て“0”として保存する。インクジェットプリンタで用いる透明インクは、印字領域全体に透明インクを塗布することで最も効果を呈するものが一般的である。
一方、装飾する文字や模様部分は、一般的に全体領域の中に占める面積は少ない。そのため、上述したように文字や模様でない領域に透明インクを塗布するようにすることで、装飾効果を付与する際もできるだけ光沢感の均一化や色域の拡大などの効果が低下しないようにする。
次に、残りページが存在するか調べ(S1913)、存在した場合は次のページを参照し(S1914)、S1907に戻る。残りページが無くなった場合は、ジョブヘッダに格納するページ数を最終的な情報に更新する(S1915)。同時に、フォームファイル作成が正常に完了したことを示す情報を付加する。この情報は、ジョブヘッダに含まれても良いし、フォームファイルの名称を特定のものとすることで正常に完了したことを表現しても良い。或いは、正常に作成されたフォームファイルに関する情報を一覧で格納する管理リストを別途作成し、そこに追記することで表現しても良い。
上述のS1915で付加されるフォームファイル作成が正常に完了したことを示す情報を持たないフォームは、次回のフォームファイル作成時、S1901で不完全なフォームファイルとして削除される。最後に、S1916でフォームファイルをクローズし、このフォーム作成処理を終了する。
以上のように、コマンド生成モジュール225は、フォームファイル作成モードの印刷ジョブを受け取ると、印刷装置2に対して印刷コマンドを供給することなく、透明インク削除領域情報を含むフォームを外部記憶装置15に外部ファイルとして作成する。
■フォームデータの構造
このようにして生成されるフォームファイルの一例を図20の(c)を参照して詳細に説明する。フォームファイルの先頭には、S1906で付加されるジョブヘッダがある。次に、1番目のページヘッダ2013と、1番目の透明インク削除領域情報2014とがある。1番目のページヘッダ2013の要素の1つであるページデータ位置には、1番目の透明インク削除領域情報2014の先頭位置が格納される。
次に、2番目のページヘッダ2015がある。ここで、コマンド生成モジュール225は、図19のS1907で、2番目の透明インク削除領域情報が、1番目と同じであると判断したとする。このような場合、2番目のページヘッダ2015の要素の1つであるページデータ位置には、1番目の透明インク削除領域情報2014の先頭値が格納される。このような既存ページを参照する形でのページヘッダは、図19のS1908の処理により作成される。以後は、ページヘッダと必要に応じて透明インク削除領域情報が繰り返し格納される。
■フォーム合成モード
続いて、ユーザ指定モードのフォーム合成モードについて説明する。ユーザインタフェースモジュール221が表示する図5の画面上で、ユーザがプルダウンメニュー503のユーザ設定モードとフォーム合成モード505を選択すると、プリンタドライバ220は印刷実行時にフォーム合成印刷を行う。図18の(b)は、フォーム合成モード選択時の領域506の画面例を示す図である。この画面は、フォームファイル作成モードと同様に、フォームファイル一覧1801、1802に、既に作成済みのフォームファイルを列挙表示する。列見出し1801には、フォームファイルの名称、作成日時、用紙サイズ、ページ数、フチなし設定の有無、用紙の向きといった、フォームファイルの情報を表示する。
ユーザは、この一覧の中からフォーム合成印刷で使用する透明インクの塗布領域が指定されたフォームファイルを選択する。ここで、ラジオボタン1813は、フォームファイルで指定されている透明インクを塗布する領域及び塗布しない領域を反転させるボタンである。プルダウンメニュー1814は、複数ページから成るフォームファイルをフォーム合成する際に、該フォームのページごとの領域指定を合成対象ページに順に適用していくか、1ページ目の領域指定を合成対象の全ページに適用するかを指定するメニューである。プルダウンメニュー1815は、フォーム合成時に使用するパターンを指定することができるメニューである。
パターンとは、フォームファイルにおいて透明インクを塗布しない領域として指定された領域に対して繰り返し適用される模様を表す画像であり、フォームファイルと同様に、透明インクの塗布領域を指定するものである。
プルダウンメニュー1816は、該パターンのサイズを指定するメニューである。尚、上述のパターンの画像は、パターンの種類と、サイズの指定によって決定され、プリンタドライバ220が予めそれらの組み合わせに対応するパターン画像を保有している形態としている。しかしながら、フォームファイルと同様の任意の領域指定ファイルをユーザが指定できるようにしても良い。
この何れの形態も含めて、フォームファイルとは別に指定する透明インク塗布領域指定用の画像を、以降パターンと表記する。この形態により、改めてフォームデータを作成し直すことなく、簡単な操作で合成したい画像によって僅かに模様に変化を施すことが可能となり、印刷物に装飾性を付与するためのより柔軟な機能を提供することが可能となる。
次に、ユーザインタフェース上の設定に基づき、フォーム合成モードで印刷処理が実行された場合に、コマンド生成モジュール225がS1205で行うフォーム合成処理を、図21を参照して詳細に説明する。
まず、印刷設定情報に格納されたフォーム合成印刷時に用いるフォームファイルの場所と名前を参照し、フォームファイルが存在するか否かを調べる(S2101)。ここで、フォームファイルが存在しない場合は、フォームファイルが存在しない旨のエラー情報をステータス情報表示モジュール227に通知し(S2102)、処理を終了する。一方、フォームファイルが存在した場合は、フォームファイルを開き(S2103)、フォームファイルの先頭に格納されているジョブヘッダ2001を読み込む(S2104)。
次に、処理ページ数Nを1に初期化する(S2105)。そして、現在ページのラスタライズ(S2106)、第1色変換処理301(S2107)を行う。これらの処理は、図12のS1206、S1207の処理と同じである。次に、第2色変換処理302(S2108)を行う。ここで実施する第2色変換処理302は、図12のS1209で実施した全面塗布モード用の第2色変換処理302と同じであり、全面塗布モード用のLUTをロードして使用することで、全面塗布モード用の第2色変換処理302を行う。
従って、S2108を終えた時点で、CMYKP各色8ビットデータが生成され、Pは印刷範囲全体で何らかの値を持つ。その後、出力ガンマ処理303を行う(S2109)。この処理は、図12のS1211の処理と同じである。
次に、印刷設定情報を参照し、フォームの適用方法を調べる(S2110)。フォームの適用方法として、全ページ同じが選択されていた場合は、Nfに1を代入する(S2111)。一方、フォームの適用方法として、ページごとが選択されていた場合は、NfにNを代入する(S2112)。そして、指定されたNf番目のページヘッダを読み込む(S2113)。このように、フォームの適用方法として、全ページ同じが指定されていた場合は、常に1ページ目の透明インク削除領域を、またページごとが選択されていた場合は、現在の処理中のページと同じページの透明インク削除領域を利用する。
尚、S2112の処理後、S2114でNfがフォームの総ページ数より大きい場合、Nf番目のフォームが存在しないことになるので、フォームの適用処理をスキップする。このようなケースでは、以後のページは全面塗布モードと同じの出力結果となる。また、フォームの総ページ数は、ジョブヘッダ2001の要素の1つである総ページ数2004により知ることができる。
S2113の処理後、Nf番目のページヘッダ2005の要素の1つであるページデータ位置2011が指し示す透明インク削除領域情報をRAM14読み込む(S2115)。そして、印刷設定情報を参照してフォームの反転が指定されているか否かを調べる(S2116)。フォームの反転が指定されていた場合、RAM14に読み込んだ透明インク削除領域情報の“1”と“0”の値を反転させる(S2117)。また同様に、印刷設定情報を参照してパターンの適用が指定されているか否かを調べる(S2118)。
パターンは、透明インク削除領域情報と同じく、“0”と“1”の二値で構成される。コマンド生成モジュール225は、パターンの適用が指定されていた場合、指定に従って利用するパターンの画像をRAM14に読み込む(S2119)。そして、RAM14に読み込んだ透明インク削除領域情報に対してパターンを繰り返し合成する(S2120)。この合成は、透明インク削除領域情報に対してパターンのORを繰り返し計算することでなされる。
これにより、透明インク削除領域情報において、値が“0”である領域(=透明インクが塗布されない領域)にパターンが重ね合わせられる。これらの処理をフォーム合成印刷時に実行することで、ユーザは、フォームファイルを再度作成することなく、透明インク削除領域を調整,装飾することができる。
次に、出力ガンマ処理303(S2109)後の透明インクプレーン情報から、S2115〜S2120の処理によって読み込み、編集された透明インク削除領域に従って透明インクを削除する(S2121)。具体的には、コマンド生成モジュール225は、透明インク削除領域の値が“0”である画素について、出力ガンマ処理303後の透明インクプレーンの画素値を0とする処理を行う。透明インク削除領域の値が“1”である画素、或いは透明インク削除領域が存在しない領域に対しては、出力ガンマ処理303後の透明インクプレーンの値は変更しない。
その後、2値化処理304(S2122)、コマンド付与及び送信処理(S2123)を行う。これらの処理については、図12のS1212、S1213の処理と同じである。最後に、S2124で全ページが終了したか否かを判定し、残りページがある場合は、次のページに進める(S2125、S2126)。その後、残りページがなくなったら、S2103でオープンしたフォームファイルをクローズし(S2127)、処理を終了する。
このようにして、インクジェットプリンタのようなコンシューマプリンタで、プリンタドライバのユーザインタフェースを用いて一般のユーザが簡単にフォームファイルを作成し、透明インクを用いたデザイン性の高い画像を簡便に得ることができる。
<変形例1>
次に、透明インク塗布モードとして、『自動塗布モード2』を更に追加する変形例1を説明する。つまり、プリンタドライバ220の提供する図5に示す透明インク塗布モードの一覧に、4つ目のモードとして『自動塗布モード2』追加する。尚、他の3つのモードについては、本実施形態と同じであり、ここでは自動塗布モード2を説明する。
また、透明インクは本実施形態と同様に、印刷媒体によってより効果のあるものが存在するものがあり、自動塗布モード2においても、透明インクを塗布することで効果が高くない媒体の場合は、自動的に透明インクを全く塗布しない設定となる。また、透明インクを塗布することで効果が高い媒体の場合は、透明インクを塗布するモードとなる。即ち、自動塗布モード2において、ジョブ設定の用紙の種類の設定値によって透明インクを塗布するか否かを切り替えることは本実施形態で説明した自動塗布モードと同様である。
本実施形態で説明したように、図2のアプリケーション201が作成した印刷データはOSの印刷サポート機能211を介してスプールデータ214として一時的に蓄えられる。そして、プリンタドライバ220によって印刷装置2が解釈可能な印刷コマンドに変換される。また、前述した通り、OSやアプリケーションの種類によっては、渡される印刷コマンドが画像データの位置の座標を必ずしも正確に渡す機能を持っていないものが存在する。そのため、本実施形態では、自動塗布モードのうち、光沢紙などを選択した場合、印刷データ中の白点領域以外に透明インクを塗布するモードを用いていた。
よって、変形例1では、画像データの位置座標を精度良く渡すことができるとわかっているOSやアプリケーションに対しては自動塗布モード2を適用することにする。即ち、自動塗布モード2のうち光沢紙などを選択した場合、画像データ領域に対しては全面塗布を行う。また、画像データ領域以外の領域、つまりグラフィックスやオブジェクトの存在しない領域に対しては白点領域以外に透明インクを塗布する自動塗布モードと同様の塗布を行う。
即ち、画像データを正確に渡すことができるとわかっているOSやアプリケーションにおいて、画像データ領域における透明インクの塗布制御としては、その画像データ全体に塗布する制御となる。また、画像データの中で、白及び白に近い濃度のライトグレーでは、透明インクを多めに塗布する制御となる。
また同様の前提において、画像データ以外と判別される領域では、白点の透明インクの塗布量をゼロとし、白点に近く、画素濃度がある一定の値以下の濃度レベルまでは、透明インクの塗布量を徐々に増やしてもよい。このように、透明インクが塗布されている領域と塗布されていない領域の境界領域において、塗布する透明インクを徐々に増やすことで、透明インクが塗布されている領域と塗布されていない領域の光沢の差が目立たないように制御できる。
次に、複数のインクが打たれるような濃度レベルから更に濃い黒に至るまでは、そのままの一定量の透明インクを保持して塗布するか、若干量を下げて塗布してもよい。
このようにして得られる画像を模式的に略表現した図が図22の(d)であり、斜線の部分には透明インクが塗布される。尚、透明インクの入れ方の詳細については、前述した本実施形態と同様であり、ここでは説明を省略する。
変形例1によれば、画像データを精度良く渡せるOSやアプリケーションにおいても、より適切な透明インクの塗布方法を提供することができる。また、ユーザにとって印刷媒体を意識しない操作性の向上を提供している点も本実施形態と同様である。
自動塗布モード2として、4つ目のモードを提供する形態に限定されるものではない。例えば、他の形態として、プリンタドライバのセットアップ時に、OSの種類を自動判定する判定部を設ける。そして、自動判定の結果として画像データの位置を正確に渡せない種類のOSとなれば、ユーザインタフェースとして、全面塗布モード、自動塗布モード、ユーザ設定モードの3つのモードを選択可能な形態を提供する。且つ、自動判定の結果が画像データの位置を精度良く渡せる種類のOSとなれば、ユーザインタフェースとして、全面塗布モード、自動塗布モード2、ユーザ設定モードの3つのモードを選択可能な形態を提供する。
また、アプリケーションから渡されるスプールデータ、或いは変換された印刷コマンドを解析する解析部を設ける。そして、画像データを正確に渡せるアプリケーションでないと解析された場合、全面塗布モード、自動塗布モード、ユーザ設定モードの3つのモードを選択可能な形態を提供する。また、画像データの位置を精度良く渡せる種類のアプリケーションであると解析された場合、ユーザインタフェースとして、全面塗布モード、自動塗布モード2、ユーザ設定モードの3つのモードを選択可能な形態を提供する。
このように、ユーザインタフェースをどちらか3つのモードに切り替える構成を備えることで、更なるユーザ操作性の向上が可能となる。
<変形例2>
次に、透明インク塗布モードとして、「OFFモード」を更に追加する変形例2を説明する。つまり、前述した実施形態又は変形例1の提供する透明インク塗布モードに、4つ目又は5つ目のモードとして「OFFモード」を追加する。他のモードについては、既に説明したので、ここでは説明を省略し、OFFモードを説明する。
変形例2では、全ての印字モードにおいて、「OFF」モードが選択可能な印字モード構成とする。そして、各印字モードに対して、第2色変換処理のLUTとして透明インクの出力値が全てゼロとなっているLUTを備え、「OFFモード」が選択された場合には該LUTを用いて第2色変換処理を行うことにより、透明インクを塗布しない出力結果を得る。
変形例2によれば、透明インクを塗布しないことを明示的に指定する「OFFモード」を更に備えることで、透明インク塗布方法の選択においてより高い自由度を提供することができる。尚、変形例2でも、「自動塗布モード」又は「自動塗布モード2」を選択することで印刷媒体に応じた塗布結果となり、印刷媒体を意識しない操作性の向上を提供している点は、前述した本実施形態又は変形例1と同様である。
[他の実施形態]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (11)

  1. カラーインクと透明インクとを印刷媒体に塗布する印刷装置と前記印刷装置を制御する印刷制御装置とを含む印刷システムであって、
    前記印刷制御装置は、
    前記透明インクの塗布領域が異なる複数の透明インク塗布モードから1つの透明インク塗布モードをユーザに選択させる選択手段と、
    前記選択手段により選択された第1の透明インク塗布モードによる透明インクの塗布が、設定されている第1の印刷設定のもと実行不可であると予め決定されているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段が、前記選択手段により選択された第1の透明インク塗布モードによる透明インクの塗布が、設定されている第1の印刷設定のもと実行不可であると予め決定されていると判定した場合、前記選択された第1の透明インク塗布モードを変更せずに予め設定されている前記第1の印刷設定とは異なる印刷設定に変更するようユーザに促す表示を表示装置に表示させる表示手段と、
    ユーザの指示に従い、前記設定されている第1の印刷設定を、該第1の印刷設定とは異なりかつ前記第1の透明インク塗布モードによる透明インクの塗布が可能な第2の印刷設定に変更する変更手段と、
    を有し、
    前記印刷装置は、
    前記変更手段により変更された第2の印刷設定のもと、前記第1の透明インク塗布モードに従って前記透明インクを前記印刷媒体のインク塗布領域に塗布し、前記印刷設定で前記印刷媒体に印刷を行う印刷手段、
    を有する
    ことを特徴とする印刷システム。
  2. 前記複数の透明インク塗布モードは、少なくとも、前記印刷媒体上にカラーインクで印字される領域を判定することなく、前記印刷媒体の有効印字領域全体に前記透明インクを塗布する全面塗布モードと、前記印刷媒体上に前記カラーインクが塗布されない領域である白点を除く部分に前記透明インクを塗布する部分塗布モードとを含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
  3. 前記部分塗布モードは、前記透明インクを塗布する部分のうち、画素濃度がある一定の値以下の濃度レベルまで前記透明インクの塗布量を当該濃度レベルに応じて増やしていくモードであることを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
  4. 前記全面塗布モードは、画素濃度がある一定の値以下の濃度レベルの場合、他の濃度レベルの領域よりも前記透明インクの塗布量を多くするモードであることを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
  5. 前記部分塗布モードは、前記印刷媒体の種類により前記印刷媒体の白点を除く部分にも前記透明インクを塗布しないモードを含むモードであることを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
  6. 前記透明インクは顔料インクであることを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
  7. カラーインクと透明インクとを印刷媒体に塗布する印刷装置と接続し、前記印刷装置を制御する印刷制御装置であって、
    前記透明インクの塗布領域が異なる複数の透明インク塗布モードから1つの透明インク塗布モードをユーザに選択させる選択手段と、
    前記選択手段により選択された第1の透明インク塗布モードによる透明インクの塗布が、設定されている第1の印刷設定のもと実行不可であると予め決定されているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段が、前記選択手段により選択された第1の透明インク塗布モードによる透明インクの塗布が、設定されている第1の印刷設定のもと実行不可であると予め決定されていると判定した場合、前記選択された第1の透明インク塗布モードを変更せずに予め設定されている前記第1の印刷設定とは異なる印刷設定に変更するようユーザに促す表示を表示装置に表示させる表示手段と、
    を有することを特徴とする印刷制御装置。
  8. ユーザの指示に従い、前記設定されている第1の印刷設定を、該第1の印刷設定とは異なりかつ前記第1の透明インク塗布モードによる透明インクの塗布が可能な第2の印刷設定に変更する変更手段を更に有し、
    前記変更手段により変更された第2の印刷設定を用いて前記印刷装置による印刷を制御する
    ことを特徴とする請求項7に記載の印刷制御装置。
  9. 前記透明インクは顔料インクであることを特徴とする請求項7に記載の印刷制御装置。
  10. カラーインクと透明インクとを印刷媒体に塗布する印刷装置と接続し、前記印刷装置を制御する印刷制御装置の制御方法であって、
    前記透明インクの塗布領域が異なる複数の透明インク塗布モードから1つの透明インク塗布モードをユーザに選択させる選択工程と、
    前記選択工程により選択された第1の透明インク塗布モードによる透明インクの塗布が、設定されている第1の印刷設定のもと実行不可であると予め決定されているか否かを判定する判定工程と、
    前記判定工程が、前記選択工程により選択された第1の透明インク塗布モードによる透明インクの塗布が、設定されている第1の印刷設定のもと実行不可であると予め決定されていると判定した場合、前記選択された第1の透明インク塗布モードを変更せずに予め設定されている前記第1の印刷設定とは異なる印刷設定に変更するようユーザに促す表示を表示装置に表示させる表示工程と、
    を有することを特徴とする印刷制御装置の制御方法。
  11. コンピュータを、請求項7乃至9の何れか一項に記載の印刷制御装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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