JP5582821B2 - 色素増感型太陽電池モジュールの製造法 - Google Patents

色素増感型太陽電池モジュールの製造法 Download PDF

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Description

本発明は、対向する絶縁性板状体の間に、直列に接続された複数の色素増感型太陽電池セルが組み込まれているモジュールであって、対向電極に金属部材を使用したものに関する。
太陽電池は従来、主としてシリコンを光電変換素子に用いたものが使われているが、より経済的な次世代太陽電池として「色素増感型太陽電池」がある。色素増感型太陽電池の開放電圧は1V以下であるため、単セルで一般の電子機器を動作させるには電圧不足となりやすい。このため、複数のセルを直列に接続した色素増感型太陽電池モジュールの実用化が研究されている。
特許文献1には、基板上に光電極および対向電極を交互に配列して直列構造を形成したタイプのモジュール(以下、「W型モジュール」という)が開示されている。しかし、W型モジュールの場合、対向電極側からの入射光を利用するセルが半数を占める。光が対向電極側から入射する場合、対向電極での反射や電解液での吸収によって半導体層に到達する光の強度が低下し、モジュール全体の光電変換効率の低下を招く要因となる。
特許文献2には、一対の基板間に光電極構成材料、電解質を含有する多孔性絶縁層、対向電極構成材料を積層したセルを構成し、対向電極を構成する導電部材がセル間絶縁層を乗り越えて隣のセルの光電極に接続された構造のモジュール(以下、「モノシリックモジュール」という)が開示されている。モノシリックモジュールの場合、一つの基板上に光電極から対向電極まで順に積層していくため連続的な製造に適している。しかし、対向電極部材が高さ数十μmのセル間絶縁層を乗り越えるように連続した層を形成する必要があるため高度な積層技術が要求され、製造コストが増大する。
特許文献3〜6には、光電極と対向電極が各セルでそれぞれ同じ基板側にあるモジュールにおいて、隣接するセルの光電極と対向電極を導電部材の挿入によって直列に接続したタイプのモジュール(以下、「Z型モジュール」という)が開示されている。Z型モジュールは一方の基板側からの入射光を各セルで均等に利用できるためW型モジュールのような効率低下は生じない。しかし、電極間を繋ぐ導電部材の挿入が必要であり、光電極−導電部材−対向電極の通電経路において良好な導電性を実現することは必ずしも容易ではなく、十分に満足できる導電性を確保しつつ、製造コストの低減を図ったものは未だ出現していない。
また、電池の出力を増大させるためには1つのセルの面積を大きくすることが有利となるが、その場合、電極間の間隔を確保するためのスペーサーとして、変形しにくく強度を安定して負担できるものを適用することが望まれる。特にモジュール全体の面積が大きい場合、セル間の領域にもスペーサーの機能を有する高強度部材を設ける必要がある。ただし、セル間領域の割合が増えると有効な受光面積の割合が減少するので変換効率の低下を招く。このためセル間領域はできるだけ小面積とすることが望まれる。従来のZ型モジュールにおけるセル間の構造では、少ない面積で安定して優れたスペーサー機能を果たすことが難しい。
特開2007−18809号公報 特開2008−16351号公報 特開2001−357897号公報 特表2002−535808号公報 特表2002−540559号公報 特開2007−18862号公報
本発明は、各セルの受光面が同じ側にあり、隣接セル間で良好な通電機能と安定したスペーサー機能を発揮するシンプルな構造の色素増感型太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
上記目的は、対向する絶縁性かつ透光性の板状体Aと絶縁性の板状体Bとの間に、直列に接続された複数の色素増感型太陽電池セルが組み込まれているモジュールであって、
各セルは、板状体A側から板状体B側に向かって、透光性導電部材、半導体層、電解質層、触媒層、金属部材を有し、その透光性導電部材と半導体層により光電極が構成され、触媒層と金属部材により対向電極が構成されており、
隣接するセルの間では、一方のセルの光電極を構成している透光性導電部材の一部表面と、他方のセルの対向電極を構成している薄肉部と厚肉部を有する金属部材の当該厚肉部表面(触媒物質の金属が付着している場合を含む)とが積層して接触することによりセル間の直列の導通が確保されると共に、当該金属部材の厚肉部をスペーサーとして光電極と対向電極の間隙が確保され、
隣接するセルの光電極同士および対向電極同士はそれぞれ絶縁部材により絶縁されている、色素増感型太陽電池モジュールによって達成される。
前記金属部材は、前記板状体Bの表面上に支持された金属シートに対して、「レジスト膜によるマスキング→エッチング→レジスト膜の除去」の手法を適用することにより形成されたものを採用することができる。
前記金属部材の材料としては、ニッケル、チタン、チタン合金、クロム、アルミニウム、アルミニウム合金、モリブデン、または鋼のシート材に由来するものとすることができる。「シート材に由来する」とは、シート材を加工することによって得られたものを意味する。
特に、前記金属部材としてはステンレス鋼を採用することができる。「ステンレス鋼」とは、JIS G0203:2009の番号3801に示されているように、Cr含有量10.5質量%以上、C含有量1.2質量%以下として耐食性を向上させた合金鋼である。具体的なステンレス鋼種としては、例えば規格鋼種であれば下記(A)または(B)のものが挙げられる。各成分元素の含有量範囲を例示すると下記(C)または(D)が挙げられる。
(A)JIS G4305:2005に規定されるフェライト系鋼種に属し、且つCr含有量が16〜32質量%、Mo含有量が0.3〜3質量%の範囲にあるステンレス鋼。
(B)JIS G4305:2005に規定されるオーステナイト系鋼種に属し、且つCr含有量が16〜32質量%、Mo含有量が0.3〜7質量%の範囲にあるステンレス鋼。
(C)質量%でC:0.0001〜0.15%、Si:0.001〜1.2%、Mn:0.001〜1.2%、P:0〜0.04%、S:0〜0.03%、Ni:0〜0.6%、Cr:16.0〜35.0%、Mo:0.3〜3.0%、Cu:0〜1.0%、Nb:0〜1.0%、Ti:0〜1.0%、Al:0〜0.2%、N:0〜0.025%以下、B:0〜0.01%、残部Feおよび不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼。
(D)質量%でC:0.0001〜0.15%、Si:0.001〜4.0%、Mn:0.001〜2.5%、P:0〜0.045%、S:0〜0.03%、Ni:6.0〜28.0%、Cr:16.0〜35.0%、Mo:0.3〜7.0%、Cu:0〜3.5%、Nb:0〜1.0%、Ti:0〜1.0%、Al:0〜0.1%、N:0〜0.3%、B:0〜0.01%、残部Feおよび不可避的不純物からなるオーステナイト系ステンレス鋼。
上記(C)、(D)において含有量の下限が0%であるものは、当該元素が任意含有元素であることを意味する。
このようなモジュールの製造方法として、対向する絶縁性かつ透光性の板状体Aと絶縁性の板状体Bとの間に、直列に接続された複数の色素増感型太陽電池セルが組み込まれているモジュールを製造するに際し、
[1]光電極側構造体作製工程;
透光性導電部材の膜を表面に有する板状体Aを用意し、
セルのピッチに等しいピッチで前記透光性導電部材にその膜厚を貫通する溝を形成することにより溝を挟んで両側の透光性導電部材同士を離間させるステップ(図2(b)参照)、
隣接するセルの間となる領域に位置する透光性導電部材の表面部分に「重ねしろ」となる表面領域を残し、セル内部となる領域に位置する透光性導電部材の表面部分に半導体層を形成するステップ(図2(c)参照)、
前記半導体層に増感色素を担持させるステップ(図2(d)参照)、
前記溝の部分に絶縁部材を挿入して隣接する透光性導電部材同士を絶縁するステップ(図2(e)参照)、
を有する手順により光電極側構造体を得る工程、
[2]対向電極側構造体作製工程;
セルを構築したときの[板状体Aと板状体Bの間隔]−[前記透光性導電部材の厚さ]に相当する厚さ以上の金属シートが板状体Bの表面に接合されたものを用意し、
「レジスト膜によるマスキング→エッチング→レジスト膜除去」の手法により、隣接するセルの間となる領域に位置する金属シートの表面部分を厚肉部として残し、セル内部となる領域に位置する金属シートの表面部分をエッチングして薄肉部とするステップ(図3(f)(g)参照)、
「レジスト膜によるマスキング→エッチング→レジスト膜除去」の手法により、セルのピッチに等しいピッチの溝を形成することにより金属シートを離間させ、個々の金属部材に区分するステップ(図3(h)(i)参照)、
前記金属部材に触媒層を形成させるステップ(図3(j)参照)、
前記溝の部分に絶縁部材を挿入して隣接する金属部材同士を絶縁するステップ(図3(j)参照)、
を有する手順により対向電極側構造体を得る工程、
[3]合体工程;
前記の光電極側構造体と対向電極側構造体を、前者の各「重ねしろ」と後者の各厚肉部表面(触媒物質の金属が付着している場合を含む)がそれぞれ接触して重なるように合体させて、半導体層と触媒層の間に電解質層が充填された状態で封止する工程、
を有する色素増感型太陽電池モジュールの製造法が提供される。
本発明は以下のようなメリットを有する。
(1)対向電極を金属材料で構成しているので電池内部の導電性が向上し、光電変換効率の向上に有利となる。
(2)セル間の通電を担う導体と、対向電極とが1つの金属部材で構成されるのでモジュールの構造が簡素化され、コストメリットに優れる。
(3)前記の金属部材はモジュール基板(絶縁性の板状体)の上に配置した金属シートに対してフォトエッチングの手法を利用して直接形成させることが可能であるため、寸法精度に優れる。
(4)セル間では前記金属部材が一定の電極間隔を確保するためのスペーサーとして機能するので、他のスペーサー部材が不要となり、セル間領域の占める面積率を低減させることができる。これによりモジュールに入射する光を有効に利用でき、光電変換効率の向上に繋がる。
(5)前記金属部材からなるスペーサーは変形しにくく強度を安定して負担できるので、広い受光面積をもつ色素増感型太陽電池モジュールの構築に有利となる。
本発明の色素増感型太陽電池モジュールの断面構造を模式的に例示した図。 光電極側構造体作製工程における部材断面状態を模式的に例示した図。 対向電極側構造体作製工程における部材断面状態を模式的に例示した図。
図1に、本発明の色素増感型太陽電池モジュール10の断面構造を模式的に例示する。この図は厚さ方向を誇張して描いてあり、実際のモジュールの寸法形状をそのまま反映したものではない。絶縁性かつ透光性の板状体Aと絶縁性の板状体Bが一定距離で対向しており、その間に、透光性導電部材1、半導体層2、電解質層3、触媒層4および金属部材5によって構成される色素増感型太陽電池セル9が組み込まれている。厚さ方向に見てセルの存在する部分をセル領域100、隣り合うセル同士の間の部分をセル間領域200と呼ぶ。各セル9において、透光性導電部材1と半導体層2により光電極20が構成され、触媒層4と金属部材5により対向電極40が構成されている。セル間では、一方のセルの光電極20を構成する透光性導電部材1の一部表面と他方のセルの対向電極40を構成する金属部材5の一部表面が重なっている。これによりセル間の直列接続が実現される。セル間で直列接続を担う金属部材5は薄肉部51と厚肉部52を有している。
セル領域100では金属部材5の薄肉部51の表面に触媒層4が形成され、対向電極40が構成されている。
セル間領域200では金属部材5の厚肉部52の表面が透光性導電部材1の一部表面と積層して接触している。これにより隣接セル間の導通が確保されると共に、厚肉部52が光電極20と対向電極40の間隔を保つためのスペーサーとして機能する。厚肉部52の表面には製造工程の途中で触媒物質の金属が付着することがある。この部分に触媒の機能は必要ないが、触媒物質の金属が付着していることに問題はない。すなわち、セル間領域200において積層している透光性導電部材1と金属部材5の間には触媒物質の金属が介在していることがある(図1では当該介在金属の記載を省略してある)。隣り合うセル9の光電極20同士および対向電極40同士はそれぞれ絶縁部材6Aおよび6Bにより絶縁されている。金属部材5の厚肉部52における表面金属と積層して接触している透光性導電部材1の表面領域を本明細書では「重ねしろ」と呼ぶ(符号11)。
各セル9において、板状体A側から入射した光が半導体層2に届くと、光電極20と対向電極40との間に起電力が生じ、電子は「半導体層2→透光性導電部材1」の経路で移動してセル外へ出て行き、「金属部材5→触媒層4→電解質層3」の経路で移動してセル内へ入ってくる。各セル9はセル間領域200において直列に繋がっており、最も低電位側のセル9(図1では左端のセル)における透光性導電部材1と、最も高電位側のセル9(図1では右端のセル)における金属部材5との間に、当該色素増感型太陽電池モジュール10によって発電される電圧が生じる。そして、導線8と負荷7によって回路を構成したとき、負荷7で電力が消費される。
図1は3セルを直列配置したモジュールの構造を例示したものであるが、実際には要求される起電力に応じて直列配置するセルの数が設定される。
〔金属部材〕
本発明の色素増感型太陽電池モジュールは、対向電極40を構成する金属部材5に特徴がある。最も高電位側のセルを除き、各セル9に使用される金属部材5は薄肉部51と厚肉部52を有している。これらの金属部材5は基本的に板状の部材であり、板面内に板厚の異なる部分があると捉えることができる。薄肉部51と厚肉部52の板厚差は例えば20〜100μm程度とすればよい。最も高電位側のセルにおける金属部材5はスペーサーとして利用する場合を除き厚肉部52を有している必要はなく、セル領域200において他のセルの薄肉部51に相当する板厚を有している。本明細書では厚肉部52を有していない金属部材5の、薄肉部51に相当する板厚部分も便宜上薄肉部51と呼ぶ。各セル9の対向電極40は、薄肉部51の表面に触媒層4を形成したものである。セル間領域200において、厚肉部52がスペーサーとして機能する。厚肉部52の表面は隣のセルから伸びている透光性導電部材1の重ねしろ11の部分と積層して接触し、板状体AとBの間を埋める。図1ではモジュールの厚さ方向の寸法を誇張して描いてあるが、厚肉部52はモジュールの厚さ方向を板厚とする板状の金属体であるから、透光性導電部材1と積層することにより板状体A、B間にかかる荷重を安定して負担することができる。すなわち、金属部材5の厚肉部52は単純な構造で良好な導電性と高い強度を同時に担うものである。
金属部材5の金属としては、電解質層3に使用される電解液に対して耐食性を有する材料であれば種々の金属材料が適用できる。発明者らの検討によれば、ニッケル、チタン、チタン合金、クロム、アルミニウム、アルミニウム合金、モリブデン、または鋼を使用することができる。これらの金属材料を用いると、後述のように「レジスト膜によるマスキング→エッチング→レジスト膜の除去」の手法を利用して薄肉部51、厚肉部52の形成および隣り合うセルの金属部材5同士を離間する溝の形成を精度良く行うことが可能である。色素増感型太陽電池モジュールはパーソナルユースの比較的安価な機器への搭載も考えられ、機器の耐用期間を考慮して最適な耐食性レベルの金属材料を選択すればよい。上記において、チタンおよびチタン合金としては例えばJIS H460:2007の表2に記載の組成を有するものが挙げられる。またアルミニウムおよびアルミニウム合金としては例えばJIS H400:2006の表2に記載の組成を有するものが挙げられる。
良好な耐食性を示し、かつ貴金属やチタン合金より安価な金属材料としてステンレス鋼がある。本発明に適用する金属部材5の材料としてステンレス鋼は好適な対象である。中でも、Cr含有量が16.0質量%以上、かつMo含有量が0.3質量%以上であるステンレス鋼はヨウ素を使用した色素増感型太陽電池の電解液に対して優れた耐食性を呈し、長期間にわたって初期の光電変換効率が高く維持されるので、耐久性の高い色素増感型太陽電池モジュールを構築するうえで有利である。具体的なステンレス鋼種としては前記(A)〜(D)に示したものが挙げられる。特にCr含有量は17.0質量%以上とすることがより好ましく、Mo含有量は0.8質量%以上とすることがより好ましい。
金属部材5としてステンレス鋼を使用する場合、エッチングによって薄肉部51の表面にエッジ状境界を持つピットを多数形成させることができる。このような粗面化表面は表面積が大きく、白金などの触媒の担持量が比較的少ない場合でも優れた光電変換効率を得ることができる。具体的な粗面化の手法は本出願人により特願2009−191348に開示された。
〔モジュールの製造〕
本発明の色素増感型太陽電池モジュールは、例えば板状体Aをベースとする「光電極側構造体」と、板状体Bをベースとする「対向電極側構造体」を別々に作製したのち、それら両部材を合体させる手法により効率的に製造することができる。以下、その製造方法について例示する。
[1]光電極側構造体作製工程
図2に、光電極側構造体を作製するための工程における部材断面状態を模式的に示す。図2中の手順(a)〜(e)に基づいて説明する。なお、この手順は例示であり必ずしもこれに限られるものではない。
(a)透光性導電部材1の膜を表面に有する板状体Aを用意する。板状体Aは透光性かつ絶縁性を有するものであり、ガラス板や透光性プラスチックシート(アクリルシートその他)が使用できる。透光性導電部材1としては、例えばITO(インジウム−錫酸化物)、FTO(フッ素ドープ酸化錫)、TO(酸化錫)、ZnO(酸化亜鉛)等の酸化物導電膜が使用できる。その膜厚は例えば0.1〜1.0μm程度とすればよい。透光性導電部材1と板状体Aは容易に剥がれないように接合されていることが望ましい。
(b)板状体A上の透光性導電部材1に、セルのピッチに等しいピッチで、その膜厚を貫通する溝61を形成する。この溝61によって両側の透光性導電部材1同士の導通を断ち切ることが重要である。その方法として、例えばレーザートーチ60を用いてレーザー光を照射する手法が挙げられる。
(c)溝61により区分された各透光性導電部材1のセル配列方向(図2では左右方向)の一端部寄りに「重ねしろ」となる表面領域(符号11)を残し、それ以外の表面領域内に半導体層2を形成する。半導体層2は比表面積の大きいTiO2等の半導体粒子を用いた多孔質層であり、例えばTiO2粒子を含有するペーストを塗布し乾燥させる手法により半導体層2を形成させることができる。必要に応じて400〜500℃程度の温度に加熱して焼成する。ペーストの塗布をスクリーン印刷法によって行うと所定範囲に精度良く半導体層2を配置することができる。半導体層2の乾燥膜厚は例えば5〜40μm程度とすればよい。
(d)半導体層2にルテニウム錯体等の増感色素を担持させる。その手法としては半導体層2を板状体Aに搭載された状態のまま増感色素が分散した溶液中に浸漬する手法が採用できる。半導体層2の細孔に増感色素が行き渡ったのち溶液中から引き上げ、乾燥させると、増感色素を担持した半導体層2が得られる。
(e)溝61の部分に絶縁部材6Aを挿入して隣接する透光性導電部材1同士を絶縁する。絶縁部材6Aの素材としては例えば熱硬化性樹脂が適用できる。その場合、後述の合体工程において熱硬化性樹脂を硬化させることができる。
上記の(b)〜(e)を行う手順は、(d)が(c)の後となり、(e)が(b)の後となる限り、順序は不同である。例えば、(b)における溝の形成は(d)における増感色素の担持後に行っても構わない。
このようにして光電極側構造体70が作製される。
[2]光電極側構造体作製工程
図3に、対向電極側構造体を作製するための工程における部材断面状態を模式的に示す。図3中の手順(f)〜(j)に基づいて説明する。なお、この手順は例示であり必ずしもこれに限られるものではない。
(f)板状体Bの表面に金属シート50が接合された板状部材を用意する。板状体Bは絶縁性を有している必要があるが、透光性は必要ないため、種々のプラスチックシートなどが使用できる。金属シート50は前述のようにニッケル、チタン、チタン合金、クロム、アルミニウム、アルミニウム合金、モリブデン、または鋼のシート材などが適用対象となり、当該モジュールが搭載される機器の耐用期間などに応じて適切な耐食性を有する材料が選択される。金属シート50の厚さはセルを構築したときの[板状体Aと板状体Bの間隔]−[前記透光性導電部材の厚さ]に相当する厚さとすればよい。それ以上の厚さのものを用意して、後工程のエッチングにて厚さを調整することも可能である。後述のように厚肉部52の表面に触媒物質の金属が付着する場合には、前記の「相当する厚さ」は付着する金属の厚さを差し引いた厚さとなる。具体的には例えば40〜500μm程度の金属シート50を使用することができる。金属シート50と板状体Bは容易に剥がれないように接着剤などにより接合されていることが望ましい。薄肉部51となる部分を除いてレジスト膜63を塗布してマスキングする。
(g)金属シート50を板状体Bに接合されたままの状態でエッチング液64に浸漬し、レジスト膜63でマスキングされていない部分をエッチングし、所定の厚さの薄肉部51を形成する。その薄肉部51の厚さは例えば20〜50μmである。金属シート50がステンレス鋼である場合、エッチング液として塩化第二鉄を含む酸を使用すると、そのエッチングによって金属シート50の表面がアンカー効果の高いピットに覆われた粗面化表面となり、光電変換効率の向上に有利となる。薄肉部51が所定の厚さになったのちエッチング液64から取り出し、レジスト膜63を除去する。
(h)薄肉部51を形成した金属シート50の表面に、セルのピッチで離間させるための溝となる部分を除き、再度レジスト膜63を塗布する。
(i)再びエッチング液64に浸漬し、セルのピッチに等しいピッチの溝65を形成して金属シート50を個々の金属部材5に区分する。溝65によって隣り合う金属部材5同士が離間され導通を有していないことが重要である。各金属部材5は薄肉部51を有し、図1のセル間領域200となる金属部材5の部分には前述した透光性導電部材1の重ねしろ11に対応する厚肉部52を有するものとなる。溝65による離間が完了したのちエッチング液64から取り出し、レジスト膜63を除去する。
(j)金属部材5の薄肉部51の表面に触媒層4を形成させると共に、各金属部材5を絶縁するために溝65の部分に絶縁部材6Bを挿入する。触媒物質としては白金、ニッケル、ポリアニリン、ポリエチレンジオキシチオフェン、カーボンなどが適用できる。白金、ニッケルなどの金属膜の場合は、例えばスパッタリング法により形成させることができる。発明者らの検討によれば、平均膜厚が約1nmと極めて薄い白金膜を形成させた場合でも電池として機能することが確認された。触媒層4の平均膜厚は例えば1〜300nm程度とすればよい。変換効率の安定性と経済性を両立させる上では、10〜200nm、あるいは20〜100nmの範囲にコントロールすることより効果的である。スパッタリング法を適用する際には、マスキングしない限り厚肉部52の表面にも触媒物質の金属が付着するが、特に問題はない。触媒層4の膜厚を薄く設定する場合には溝65の部分に触媒の金属物質が付着しても両側の金属部材5同士の導通を防止することは可能であるが、先に絶縁部材6Bを挿入した後に触媒層4を形成することによって金属部材5同士の導通は完全に回避される。絶縁部材6Bの素材としては例えば熱硬化性樹脂が適用できる。その場合、後述の合体工程において熱硬化性樹脂を硬化させることができる。
上記の(f)〜(j)を行う手順は、(g)が(f)の後となり、(i)が(h)の後となり、(j)の触媒層形成が(g)の後となり、(j)の絶縁部材の挿入が(i)の後となる限り、順序は不同である。例えば、(i)における溝の形成は(j)における触媒層の形成後に行っても構わない。
このようにして対向電極側構造体80が作製される。なお、上記[1]と[2]は順序不同である。
[3]合体工程
上述のようにして得られた光電極側構造体70と対向電極側構造体80を、前者の各重ねしろ11と後者の各厚肉部52の表面(触媒物質の金属が付着している場合を含む)がそれぞれ接触して重なるように合体させる。その際、半導体層2と触媒層4の間に電解質層3を充填した状態として、封止する。電解質層3は例えばヨウ素を含むような色素増感型太陽電池用の電解液そのもので構成するか、あるいはそのような電解液を含浸させてイオンが移動できる状態とした媒体で構成することができる。絶縁部材6A、6Bとして熱硬化性樹脂を使用している場合は、封止の段階で加熱を行い、樹脂を硬化させるとよい。
このようにして図1に示したような断面構造の色素増感型太陽電池モジュール10が構築される。
対向電極40を構成する金属部材5として種々の金属材料を用い、図1に示した構造で5セルを直列配置した色素増感型太陽電池モジュールを作製して、各モジュールの開放電圧を評価した。
〔光電極側構造体の作製〕
光電極用の透光性基板として、ガラス基板上に厚さ約1μmのFTO膜を形成した材料(旭硝子社製)を用意した(図2(a))。このガラス基板は板状体Aに相当し、FTO膜は透光性導電部材1に相当する。その透光性導電部材1にYAGレーザーを照射することによりセルのピッチに等しいピッチで膜厚を貫通する溝61を形成した(図2(b))。TiO2ペースト(Solaronix社製;Ti−Nanoxide D/DP)を透光性導電部材1の表面に「重ねしろ11」の部分を残してスクリーン印刷により塗布し、450℃で焼成することにより半導体層2を形成した(図2(c))。半導体層2の平均乾燥膜厚は約10μmである。増感色素としてルテニウム錯体色素(Solaronix社製;Ruthenium 535−bisTBA)を使用し、これをアセトニトリルとtert−ブタノールの混合溶媒に分散させて色素溶液62を得た。半導体層2を板状体Aごと色素溶液62に浸漬し、増感色素が担持された半導体層2を得た(図2(d))。その後、溝61の部分に熱硬化性樹脂からなる絶縁部材6Aを注入した。このようにして光電極側構造体70を得た。
〔対向電極側構造体の作製〕
金属部材5の素材として、ニッケル、チタン、クロム、アルミニウム、モリブデンのシート材(以上、いずれもニラコ社製、純度;スリーナイン)、JIS G3141に規定される冷間圧延鋼板SPCC、およびJIS G4305に規定される冷間圧延ステンレス鋼板SUS447J1(30%Cr−2%Moフェライト系鋼)を用意した。クロムは板厚2.0mmであり、その他はいずれも板厚0.1mmの金属シートである。各金属シートの片面に、厚さ約0.1mmのPEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム(帝人デュポンフィルム社製;テオネックス)を、熱可塑性樹脂フィルム(三井デュポンケミカル社製;サーリン)を用いて融着させた。PENフィルムおよび融着層が図1の板状体Bに相当する。
その板状体B上の金属シートの表面に、フォトレジスト装置を用いて、セル間領域200となる幅2mmの部分に等間隔でレジスト膜(東京応化工業社製;EPPR)63を塗布してマスキングし、セル領域100となる幅10mmの部分を露出させた(図3(f))。これを各金属のエッチング液64に浸漬させることにより前記露出部の金属を深さ50μmまで溶解させ、薄肉部51を形成させた(図3(g))。薄肉部51の厚さは50μmとなる。エッチング液64としては、ニッケルには硝酸、チタンには弗酸、クロムには塩化第二鉄・塩酸混合液、アルミニウムには水酸化ナトリウム水溶液、モリブデンには硝酸・硫酸混合液、冷延鋼板およびステンレス鋼板には塩化第二鉄・塩酸混合液を用いた。次に、そのレジスト膜63を除去した後、厚肉部52の一部に幅1mmの部分を残し、その他の部分を再度レジスト膜でマスキングした(図3(h))。これを再びエッチング液64に浸漬させ、レジスト膜が塗布されていない部分の金属を完全に溶解させ、幅1mmの溝65を形成させた(図3(i))。これにより金属シートはセルのピッチで離間され、隣同士で導通のない金属部材5に区分された。レジスト膜63を除去した後、金属部材5の表面に触媒物質の白金をスパッタコーティングした。その後、溝65の部分に熱硬化性樹脂からなる絶縁部材6Bを注入した(図3(j))。スパッタ時間は10分間であり、これにより金属部材5の薄肉部51の表面に平均膜厚約50nmの白金からなる触媒層4が形成された。図3中には図示していないが、厚肉部52の表面にも白金が付着している。また、溝65の部分に白金のスパッタによる導通が認められないことを確認している。このようにして対向電極側構造体80を得た。
〔色素増感型太陽電池モジュールの作製(合体工程)〕
上記で得られた光電極側構造体70と対向電極側構造体80を、前者の各重ねしろ11と後者の各厚肉部52がそれぞれ接触して重なるように合体させた。その際、ホットプレス機により加熱して絶縁部材6A、6Bの熱硬化性樹脂を硬化させた。その後、予め対向電極側構造体80に設けておいた電解液注入口からヨウ素を含む電解液3(ペクセルテクノロジーズ社製;PECE−K01)を注入し、半導体層2の多孔質中に液が含浸されるように光電極20と対向電極40の間に充填した。この状態で封止し、図1に示したタイプの5セルからなる色素増感型太陽電池モジュールを構築した。ここで、透光性導電部材1と金属部材5の肉厚部52との間には触媒物質の金属(白金)が介在している。
〔開放電圧VOCの測定〕
作製した色素増感型太陽電池モジュールの板状体A側の面から、ソーラーシミュレータ(山下電装社製;YSS−100)を用いてAM1.5、100mW/cm2の疑似太陽光を照射しながら、ソースメータ(KEYTHLEY社製;2400型)により当該モジュールの開放電圧VOC(V)を測定した。結果を表1に示す。
単セルの開放電圧は0.7Vであるところ、5セルを直列接続した各モジュールの開放電圧は単セルの開放電圧の和となっており、単セルが良好に直列接続されていることが確認された。
表2に示す各ステンレス鋼種からなる板厚0.1mmの冷延焼鈍鋼板(2D仕上げ材)を一般的なステンレス鋼板製造工程により製造し、これを供試材とした。表2中、組織の欄は「α」がフェライト系、「γ」がオーステナイト系を意味する。表中におけるハイフン「−」は製鋼現場における通常の分析手法にて測定限界以下であることを意味する。
これら各種ステンレス鋼板を対向電極40の金属部材5に用いて実施例1と同様に5セルからなる色素増感型太陽電池モジュールを作製した。各モジュールについて実施例1と同様の手法で疑似太陽光を照射しながら、前記ソースメータにより短絡電流JSC(mA/cm2)および開放電圧VOC(V)を測定した。その後、各モジュールを85℃の恒温槽中に100h放置させた後、同様に短絡電流JSCおよび開放電圧VOCを測定した。結果を表3に示す。
表3からわかるように、モジュール作製直後はいずれも高い短絡電流JSCおよび良好な開放電圧VOCを示した。85℃×100h放置後には、Mo無添加またはMo含有量が0.3質量%未満であるステンレス鋼種を金属部材5に用いたモジュール(No.1〜3、21、22)において短絡電流JSCおよび開放電圧VOCの低下が見られた。これは、ステンレス鋼の腐食が進行したことに起因する導電性の低下が主たる原因であると考えられる。ただし、比較的耐用期間の短い低廉な機器に搭載する用途であれば、このようなステンレス鋼種を用いた低コストのモジュールが有用となりうる。
一方、Cr:16.0質量%以上、かつMo:0.30質量%以上を含有するステンレス鋼種を用いたモジュール(No.4〜9、23)では、85℃×100h放置後においても初期の性能が維持されており、高い信頼性を有することが確認された。
A 絶縁性かつ透光性の板状体
B 絶縁性の板状体
1 透光性導電部材
2 半導体層
3 電解質層
4 触媒層
5 金属部材
6A、6B 絶縁部材
7 負荷
8 導線
9 色素増感型太陽電池セル
10 色素増感型太陽電池モジュール
11 重ねしろ
20 光電極
40 対向電極
50 金属シート
51 薄肉部
52 厚肉部
60 レーザートーチ
61、65 溝
62 色素溶液
63 レジスト膜
64 エッチング液
70 光電極側構造体
80 対向電極側構造体
100 セル領域
200 セル間領域

Claims (6)

  1. 対向する絶縁性かつ透光性の板状体Aと絶縁性の板状体Bとの間に、直列に接続された複数の色素増感型太陽電池セルが組み込まれているモジュールであって、
    各セルは、板状体A側から板状体B側に向かって、透光性導電部材、半導体層、電解質層、触媒層、金属部材を有し、その透光性導電部材と半導体層により光電極が構成され、触媒層と金属部材により対向電極が構成されており、
    隣接するセルの間では、一方のセルの光電極を構成している透光性導電部材の一部表面と、他方のセルの対向電極を構成している薄肉部と厚肉部を有する金属部材の当該厚肉部表面(触媒物質の金属が付着している場合を含む)とが積層して接触することによりセル間の直列の導通が確保されると共に、当該金属部材の厚肉部をスペーサーとして光電極と対向電極の間隙が確保され、
    隣接するセルの光電極同士および対向電極同士はそれぞれ絶縁部材により絶縁されている、色素増感型太陽電池モジュールを製造するに際し、
    [1]光電極側構造体作製工程;
    透光性導電部材の膜を表面に有する板状体Aを用意し、
    セルのピッチに等しいピッチで前記透光性導電部材にその膜厚を貫通する溝を形成することにより溝を挟んで両側の透光性導電部材同士を離間させるステップ、
    隣接するセルの間となる領域に位置する透光性導電部材の表面部分に「重ねしろ」となる表面領域を残し、セル内部となる領域に位置する透光性導電部材の表面部分に半導体層を形成するステップ、
    前記半導体層に増感色素を担持させるステップ、
    前記溝の部分に絶縁部材を挿入して隣接する透光性導電部材同士を絶縁するステップ、
    を有する手順により光電極側構造体を得る工程、
    [2]対向電極側構造体作製工程;
    セルを構築したときの[板状体Aと板状体Bの間隔]−[前記透光性導電部材の厚さ]に相当する厚さ以上の金属シートが板状体Bの表面に接合されたものを用意し、
    「レジスト膜によるマスキング→エッチング→レジスト膜除去」の手法により、隣接するセルの間となる領域に位置する金属シートの表面部分を厚肉部として残し、セル内部となる領域に位置する金属シートの表面部分をエッチングして薄肉部とするステップ、
    「レジスト膜によるマスキング→エッチング→レジスト膜除去」の手法により、セルのピッチに等しいピッチの溝を形成することにより金属シートを離間させ、個々の金属部材に区分するステップ、
    前記金属部材に触媒層を形成させるステップ、
    前記溝の部分に絶縁部材を挿入して隣接する金属部材同士を絶縁するステップ、
    を有する手順により対向電極側構造体を得る工程、
    [3]合体工程;
    前記の光電極側構造体と対向電極側構造体を、前者の各「重ねしろ」と後者の各厚肉部表面(触媒物質の金属が付着している場合を含む)がそれぞれ接触して重なるように合体させて、半導体層と触媒層の間に電解質層が充填された状態で封止する工程、
    を有する色素増感型太陽電池モジュールの製造法。
  2. 前記金属部材は、ニッケル、チタン、チタン合金、クロム、アルミニウム、アルミニウム合金、モリブデン、または鋼のシート材に由来するものである請求項1に記載の色素増感型太陽電池モジュールの製造法
  3. 前記金属部材は、JIS G4305:2005に規定されるフェライト系鋼種に属し、且つCr含有量が16.0〜32.0質量%、Mo含有量が0.3〜3.0質量%の範囲にあるステンレス鋼からなるものである請求項1に記載の色素増感型太陽電池モジュールの製造法
  4. 前記金属部材は、JIS G4305:2005に規定されるオーステナイト系鋼種に属し、且つCr含有量が16.0〜32.0質量%、Mo含有量が0.3〜7.0質量%の範囲にあるステンレス鋼からなるものである請求項1に記載の色素増感型太陽電池モジュールの製造法
  5. 前記金属部材は、質量%でC:0.0001〜0.15%、Si:0.001〜1.2%、Mn:0.001〜1.2%、P:0〜0.04%、S:0〜0.03%、Ni:0〜0.6%、Cr:16.0〜35.0%、Mo:0.3〜3.0%、Cu:0〜1.0%、Nb:0〜1.0%、Ti:0〜1.0%、Al:0〜0.2%、N:0〜0.025%以下、B:0〜0.01%、残部Feおよび不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼からなるものである請求項1に記載の色素増感型太陽電池モジュールの製造法
  6. 前記金属部材は、質量%でC:0.0001〜0.15%、Si:0.001〜4.0%、Mn:0.001〜2.5%、P:0〜0.045%、S:0〜0.03%、Ni:6.0〜28.0%、Cr:16.0〜35.0%、Mo:0.3〜7.0%、Cu:0〜3.5%、Nb:0〜1.0%、Ti:0〜1.0%、Al:0〜0.1%、N:0〜0.3%、B:0〜0.01%、残部Feおよび不可避的不純物からなるオーステナイト系ステンレス鋼からなるものである請求項1に記載の色素増感型太陽電池モジュールの製造法
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