JP5581480B2 - 金属ナノ粒子クラスター、金属ナノ粒子クラスターを用いた標識材料、金属ナノ粒子クラスターを用いたイムノクロマトグラフィーキット、金属ナノ粒子クラスターの製造方法、金属ナノ粒子クラスターを用いた標識材料の製造方法および金属ナノ粒子クラスターを用いたイムノクロマトグラフィーキットの製造方法。 - Google Patents

金属ナノ粒子クラスター、金属ナノ粒子クラスターを用いた標識材料、金属ナノ粒子クラスターを用いたイムノクロマトグラフィーキット、金属ナノ粒子クラスターの製造方法、金属ナノ粒子クラスターを用いた標識材料の製造方法および金属ナノ粒子クラスターを用いたイムノクロマトグラフィーキットの製造方法。 Download PDF

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本発明では、金属ナノ粒子が媒介物を介して複数個集合して安定したひとまとまりの形態を維持するようにすることを金属ナノ粒子のクラスター化と呼び、金属ナノ粒子が媒介物を介して複数個集合して安定したひとまとまりの形態を維持しているものを金属ナノ粒子クラスターと呼ぶことにして、本発明は、金属ナノ粒子クラスター、金属ナノ粒子クラスターを用いた標識材料、金属ナノ粒子クラスターを用いたイムノクロマトグラフィーキット、金属ナノ粒子クラスターの製造方法、金属ナノ粒子クラスターを用いた標識材料の製造方法および金属ナノ粒子クラスターを用いたイムノクロマトグラフィーキットの製造方法に関する。
粒子サイズが100nm以下の金属ナノ粒子は、その特徴的な物理的性質や化学的性質などのために、標識材料、触媒、電子材料などへの活用に大きな期待が寄せられており、多くの研究開発が行われている。
たとえば、金ナノ粒子は蛋白質、核酸、糖鎖などの標識材料として広く用いられている。なかでも、イムノクロマトグラフィーは簡便性と迅速性を備えており、病原体感染の早期診断や妊娠判定検査などに用いられている。とりわけ最近では、食品工場において食中毒の原因となる細菌やアレルゲンの現場における検査方法としての用途が広がってきている。
しかし、金ナノ粒子とラテックス粒子を用いる従来のイムノクロマトグラフィーの検出感度は不十分であり、高感度化が要求されている。
最近、金ナノ粒子および銀ナノ粒子など、特異的な表面プラズモン共鳴を有する金属粒子を凝集させることにより、可視吸収スペクトルの変化が起こることが観察され、検出試薬としての利用が期待されている。
従来の金コロイド法によるイムノクロマトグラフィーは、安価で目視による判定が可能な点が利点であるものの、金ナノ粒子の発色をそのまま利用しており、目視における検出感度が低く、人の視認性に関しても最適化がなされていない。
金ナノ粒子や銀ナノ粒子のような表面プラズモン共鳴による呈色を利用できる金属ナノ粒子をイムノクロマトグラフィーの標識材料として用いるに際し、視認性を高めようとして粒子サイズを大きくしようとする試みがいくつか行われている。たとえば、金属ナノ粒子を大きく成長させようとする試みや特許文献1に記載されているような金属ナノ粒子をクラスター化することによる改善がある。
特許文献1には、銀ナノクラスターを用いて標識の視認性を高めることが記載されている。特許文献1の実施例にはスペーサー構造を有し、その両側に反応性に富む官能基を持つリンカー分子を用いて、銀ナノ粒子を互いに結合させて銀ナノクラスターを調製したことが記載されている。
特許文献1に記載の銀ナノクラスターの前記リンカー分子としては、一方にアミノ基と反応することにより、安定な酸アミド結合を形成するN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル末端を有し、他方に金属とチオール結合をするジスルフィド構造を有するスクシンイミジル6−[3‘−(2−ピリジルジチオ)−プロピオンアミド]ヘキサノエート(以下、SPDPという)を用いたと記載されている。
特許文献1の例では、粒子径5〜20nmの銀ナノ粒子とアミノエタンチオールとを混合することにより、銀ナノ粒子の表面にアミノ基を導入した。このアミノ基が導入された銀ナノ粒子のリン酸バッファー中でのコロイド溶液300μL(銀ナノ粒子の含有率:0.1質量%)をマイクロチューブにとり、これに20mMのSPDPジメチルスルホキシド(DMSO)溶液5μLおよび20nMのジチオスレイトール(DTT)水溶液0.5μLを加えて30分間室温で静置した。
そして、得られた混合物を遠心分離し、リン酸バッファーで洗浄する操作を2回繰り返すことにより、10〜200nm程度の銀ナノクラスターを得た。
特許文献1の例によれば、リンカー分子との結合性を有する官能基をナノ粒子の表面に導入する手段は、ナノ粒子の表面状態によって異なる。特許文献1には多くのものが例示されているが、これらに限定されないと記載されている。
特許文献1に記載のリンカー分子は、ナノクラスターを形成させるために、スペーサーを有し、このスペーサーの一方の末端にナノ粒子と結合する官能基を有し、他端にナノ粒子または他のリンカー分子と結合する官能基を有することが好ましい。
前記ナノ粒子と結合する官能基は、ナノ粒子と直接結合するか、またはナノ粒子の表面に導入されたリンカー分子との結合性を有する官能基と結合する官能基であればよい。
リンカー分子との結合性を有する官能基がアミノ基である場合、ナノ粒子と結合する官能基としては、例えば、カルボニル基、カルボキシル基などが挙げられる。リンカー分子との結合性を有する基がカルボキシル基である場合、ナノ粒子と結合する官能基としては、例えば、アミノ基、水酸基などが挙げられる。リンカー分子との結合性を有する官能基がチオール基である場合、ナノ粒子と結合する官能基としては、例えば、スルフヒドリル基、ジスルフィド基、マレイミド基などが挙げられる。リンカー分子との結合性を有する官能基がアルデヒド基である場合、ナノ粒子と結合する官能基としては、例えば、ヒドラジド基、アミノ基などが挙げられる。リンカー分子との結合性を有する官能基が水酸基である場合、ナノ粒子と結合する官能基としては、例えば、カルボニル基などが挙げられる。リンカー分子との結合性を有する官能基がヒドラジド基である場合、ナノ粒子と結合する官能基としては、例えば、アルデヒド基などが挙げられる。
リンカー分子としては、バイオコンジュゲート・テクニックイズ、アカデミックプレイス社、1996年、169〜292頁に記載されているリンカー分子を例示することができる。好適なリンカー分子の一例としては、一方の末端にジスルフィド基を有し、他端に置換基を有していてもよいスクシンイミジル基を有するエステル化合物などが挙げられる。このエステル化合物のスクシンイミジル基はナノ粒子の表面上のリンカー分子との結合性を有する基と結合し、ジスルフィド基は、ナノ粒子とチオール結合を形成する性質を有する。前記置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、アミノ基、スルホン酸基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
と特許文献1に記載されている。そして、特許文献1の記載から明らかなように、クラスター化に使用する原材料としてのナノ粒子の製法も、特に限定していない。
特開2009−244109号公報
金属ナノ粒子を大きく成長させる場合、多くの場合凝集体が生じてしまう。そして、粒子サイズの分布の制御が困難で、たとえばその粒子を標識に用いた場合、標識としての呈示色が薄くなったり曖昧になったりするという課題がある。
特許文献1に記載のナノクラスターを標識材料に用いたイムノクロマトグラフィーキットはそれ以前の技術に対して大きな改善を図ったものであるが、検出感度の極めて優れたイムノクロマトグラフィーキットを実現するためには、ナノクラスターのさらなる改善が必要になる。金属ナノ粒子をクラスター化させる場合、金属ナノ粒子クラスターのクラスターサイズの制御は極めて難しいのが現状である。また、金属ナノ粒子クラスターを構成する各金属ナノ粒子間の間隔については問題にされておらず、各金属ナノ粒子間の間隔分布を小さくすることなどは課題とされていない。
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、金属ナノ粒子クラスターをさらに改良し、金属以外の物質に人体に無害でありまた抗体などの生体関連物質への悪影響を極力低減できる物質を用いて、金属ナノ粒子クラスターを構成する各金属ナノ粒子間の間隔を小さくでき、金属ナノ粒子クラスターのクラスターサイズを所定の分布に制御し易くでき、製造工程を簡単にすることができ、標識材料として用いたときの検出感度を大幅に高めることができる金属ナノ粒子クラスター及びそれを用いたイムノクロマトグラフィー標識材料ならびにイムノクロマトグラフィーキットを提供し、さらにその製造コストを大幅に低減せんとするものである。
本発明の発明者は、金属ナノ粒子をクラスター化させるに際して用いる表面修飾剤かつリンカーとしての化合物を種々検討し、適切なものに絞り込むことによって課題を解決することができた。以下、課題を解決するためになした本発明についてさらに具体的に説明する。
課題を解決するためになされた本発明の例としての第1の発明(以下、発明1という)は、一方の端末にイオウ化合物のイオウ原子を介して金属ナノ粒子の表面と安定して結合する官能基を有しているとともに、他方の端末にカルボキシル基とそのα位にアミノ基がある化学構造を有している化合物を表面修飾剤かつリンカー用化合物として表面を修飾した金属ナノ粒子を複数個集合させてクラスター化させたことを特徴とする金属ナノ粒子クラスターである。
発明1を展開してなされた本発明の例としての第2の発明(以下、発明2という)は、発明1に記載の金属ナノ粒子クラスターにおいて、前記表面修飾剤かつリンカーとしての化合物の前記イオウ化合物と前記α位の炭素をつなぐ化合物が直鎖飽和アルキル基の化学構造を有していることを特徴とする金属ナノ粒子クラスターである。
発明2を展開してなされた本発明の例としての第3の発明(以下、発明3という)は、発明2に記載の金属ナノ粒子クラスターにおいて、前記表面修飾剤かつリンカー用化合物がシステインであることを特徴とする金属ナノ粒子クラスターである。
発明2を展開してなされた本発明の例としての第4の発明(以下、発明4という)は、発明2に記載の金属ナノ粒子クラスターにおいて、前記表面修飾剤かつリンカー用化合物がホモシステインであることを特徴とする金属ナノ粒子クラスターである。
発明1を展開してなされた本発明の例としての第5の発明(以下、発明5という)は、発明1に記載の金属ナノ粒子クラスターにおいて、前記表面修飾剤かつリンカーとしての化合物の前記イオウ化合物と前記α位の炭素をつなぐ化合物が分枝飽和アルキル基の化学構造を有していることを特徴とする金属ナノ粒子クラスターである。
発明5を展開してなされた本発明の例としての第6の発明(以下、発明6という)は、発明5に記載の金属ナノ粒子クラスターにおいて、前記表面修飾剤かつリンカー用化合物がペニシラミンであることを特徴とする金属ナノ粒子クラスターである。
発明1〜6を展開してなされた本発明の例としての第7の発明(以下、発明7という)は、発明1〜6のいずれかに記載の金属ナノ粒子クラスターにおいて、前記金属ナノ粒子クラスターを構成する金属ナノ粒子の周囲に前記表面修飾剤かつリンカー用化合物とは異なる物質の分散剤が存在することを特徴とする金属ナノ粒子クラスターである。
発明1〜7を展開してなされた本発明の例としての第8の発明(以下、発明8という)は、発明1〜7のいずれかに記載の金属ナノ粒子クラスターにおいて、前記金属ナノ粒子クラスターの吸収スペクトルが、波長が600nmの近傍に吸光度のピーク値を有することを特徴とする金属ナノ粒子クラスターである。
発明8を展開してなされた本発明の例としての第9の発明(以下、発明9という)は、発明8に記載の金属ナノ粒子クラスタにおいて、前記金属ナノ粒子クラスターの吸収スペクトル−波長特性曲線が、波長が410nmの近傍に吸収スペクトルの吸光度の第1のピークを有するとともに、波長が600nmの近傍に吸収スペクトルの吸光度の第2のピークを有するとともに、前記第1のピークと第2のピークの間の吸光度がクラスター化されていない銀ナノ粒子の吸光度より大きいことを特徴とする金属ナノ粒子クラスターである。
発明9を展開してなされた本発明の例としての第10の発明(以下、発明10という)は、発明9に記載の金属ナノ粒子クラスターにおいて、前記金属ナノ粒子クラスターの吸収スペクトルにおける吸光度が前記第1のピークと前記第2のピークが同程度の吸光度であることを特徴とする金属ナノ粒子クラスターである。
発明1〜10を展開してなされた本発明の例としての第11の発明(以下、発明11という)は、発明1〜10のいずれかに記載の金属ナノ粒子クラスターにおいて、前記金属が銀であることを特徴とする金属ナノ粒子クラスターである。
発明1〜11を展開してなされた本発明の例としての第12の発明(以下、発明12という)は、発明1〜11のいずれかに記載の金属ナノ粒子クラスターにおいて、前記金属が金であることを特徴とする金属ナノ粒子クラスターである。
発明1〜12を展開してなされた本発明の例としての第13の発明(以下、発明13という)は、発明1〜12のいずれかに記載の金属ナノ粒子クラスターにおいて、システインで表面修飾する前の前記金属ナノ粒子のサイズが10nm以上であり、前記金属ナノ粒子クラスターのサイズが50〜400nmであることを特徴とする金属ナノ粒子クラスターである。
発明1〜13を展開してなされた本発明の例としての第14の発明(以下、発明14という)は、発明1〜13のいずれかに記載の金属ナノ粒子クラスターにおいて、前記金属ナノ粒子が湿式還元法により合成された金属ナノ粒子であることを特徴とする金属ナノ粒子クラスターである。
発明1〜14を展開してなされた本発明の例としての第15の発明(以下、発明15という)は、発明1〜14のいずれかに記載の金属ナノ粒子クラスターを呈色材料に用いたことを特徴とする金属ナノ粒子クラスターを用いた標識材料である。
発明1〜15を展開してなされた本発明の例としての第16の発明(以下、発明16という)は、発明1〜14のいずれかに記載の金属ナノ粒子クラスターをイムノクロマトグラフィーキット用標識材料に用いたことを特徴とする金属ナノ粒子クラスターを用いたイムノクロマトグラフィーキットである。
課題を解決するためになされた本発明の例としての第17の発明(以下、発明17という)は、一方の端末にイオウ化合物のイオウ原子を介して金属ナノ粒子の表面と安定して結合する官能基を有しているとともに、他方の端末にカルボキシル基とそのα位の炭素にアミノ基がある化学構造を有している化合物を表面修飾剤かつリンカー用化合物として用いることを特徴とする金属ナノ粒子クラスターの製造方法である。
発明17を展開してなされた本発明の例としての第18の発明(以下、発明18という)は、発明17に記載の金属ナノ粒子クラスターの製造方法において、前記表面修飾剤かつリンカーとしての化合物の前記イオウ化合物と前記α位の炭素をつなぐ化合物が直鎖飽和アルキル基の化学構造を有していることを特徴とする金属ナノ粒子クラスターの製造方法である。
発明18を展開してなされた本発明の例としての第19の発明(以下、発明19という)は、発明18に記載の金属ナノ粒子クラスターの製造方法において、前記表面修飾剤かつリンカー用化合物がシステインであることを特徴とする金属ナノ粒子クラスターの製造方法である。
発明18を展開してなされた本発明の例としての第20の発明(以下、発明20という)は、発明18に記載の金属ナノ粒子クラスターの製造方法において、前記表面修飾剤かつリンカー用化合物がホモシステインであることを特徴とする金属ナノ粒子クラスターの製造方法である。
発明17を展開してなされた本発明の例としての第21の発明(以下、発明21という)は、発明17に記載の金属ナノ粒子クラスターの製造方法において、前記表面修飾剤かつリンカーとしての化合物の前記イオウ化合物と前記α位の炭素をつなぐ化合物が分枝飽和アルキル基の化学構造を有していることを特徴とする金属ナノ粒子クラスターである。
発明21を展開してなされた本発明の例としての第22の発明(以下、発明22という)は、発明21に記載の金属ナノ粒子クラスターの製造方法において、前記表面修飾剤かつリンカー用化合物がペニシラミンであることを特徴とする金属ナノ粒子クラスターの製造方法である。
発明17〜22を展開してなされた本発明の例としての第23の発明(以下、発明23という)は、発明17〜22のいずれかに記載の金属ナノ粒子クラスターの製造方法において、前記金属ナノ粒子クラスターを構成する金属ナノ粒子として、金属ナノ粒子の周囲に前記表面修飾剤かつリンカーとは異なる物質の分散剤が存在する金属ナノ粒子を用いたことを特徴とする金属ナノ粒子クラスターの製造方法である。
発明17〜23を展開してなされた本発明の例としての第24の発明(以下、発明24という)は、発明17〜23のいずれかに記載の金属ナノ粒子クラスターの製造方法を呈色材料の製造方法に用いたことを特徴とする金属ナノ粒子クラスターを用いた標識材料の製造方法である。
発明17〜24を展開してなされた本発明の例としての第25の発明(以下、発明25という)は、発明17〜23のいずれか1項に記載の金属ナノ粒子クラスターの製造方法をイムノクロマトグラフィーキット用標識材料の製造方法に用いたことを特徴とする金属ナノ粒子クラスターを用いたイムノクロマトグラフィーキットの製造方法である。
以上説明したように、本発明の金属ナノ粒子クラスターは、1ポットで簡単に製造することができ、表面修飾剤かつリンカーとして従来に比べてきわめて安価な材料を使用できるなど、その製造コストを大幅に低減することができ、金属ナノ粒子クラスターを構成する金属ナノ粒子の間隔を所定の狭い範囲の分布にすることができ、品質のそろった金属ナノ粒子クラスターにすることができる。本発明によるクラスター化された銀ナノ粒子または金ナノ粒子を標識材料として用いると、従来法よりも一層高感度なイムノクロマトグラフィーキットを構成することが可能である。本発明によるイムノクロマトグラフィーキットではクラスター化における表面プラズモン共鳴のカップリングを利用し、吸収スペクトルの調整を行っており、目視による明確な判別が可能となる。また、本発明による金属ナノ粒子クラスターの表面修飾剤兼リンカーは人体や抗体などの生体関連物質に無害であるという大きな効果を奏するものである。
本発明の実施の形態例としての金属ナノ粒子クラスターとしての銀ナノ粒子クラスターを模式的に説明する図である。 本発明の実施の形態例としての銀ナノ粒子クラスターを構成する銀ナノ粒子と表面修飾剤兼リンカーとしての化合物との結合を模式的に説明する図である。 本発明の実施の形態例としての銀ナノ粒子クラスターを構成する銀ナノ粒子と表面修飾剤兼リンカーとしての化合物との結合を模式的に説明する図である。 本発明の実施の形態例に用いた銀ナノ粒子の吸収スペクトルを説明する図である。 本発明の実施の形態例としての銀ナノ粒子クラスターの吸収スペクトルを説明する図である。 本発明の実施の形態例に用いた銀ナノ粒子の吸収スペクトルを説明する図である。 本発明の実施の形態例としての銀ナノ粒子クラスターの吸収スペクトルを説明する図である。 マイクロ波利用化学反応装置の構成例を説明する図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例について説明する。なお、説明に用いる各図は、本発明の例の説明の都合上、部分的に拡大率を変えて図示する場合もあり、必ずしも実施例などの実物や記述と相似形でない場合もある。また、各図において、同様な構成成分については同一の番号を付けて示し、説明の重複を避けることもある。
また、本発明は、金属ナノ粒子クラスター、金属ナノ粒子クラスターを用いた標識材料、金属ナノ粒子クラスターを用いたイムノクロマトグラフィーキット、金属ナノ粒子クラスターの製造方法、金属ナノ粒子クラスターを用いた標識材料の製造方法および金属ナノ粒子クラスターを用いたイムノクロマトグラフィーキットの製造方法に関する発明であるが、説明の重複を避けるために、以下の説明において、たとえば金属ナノ粒子クラスターの製造の説明で金属ナノ粒子クラスターや金属ナノ粒子クラスターを用いたイムノクロマトグラフィーキットのような製品の部分的な説明も兼ねるなど、誤解を生じない範囲において、1つの形態の説明で他の形態の説明も兼ねることがある。
本発明の発明者等は、まず、代表的な粒子としてポリオール法により合成された粒子サイズが20nmの銀ナノ粒子を用いて金属ナノ粒子のクラスター化の検討を行い、高感度で視認性のよいクラスター化の探索を行った。
銀ナノ粒子クラスターの探索において重要なことは、銀ナノ粒子の表面にクラスター化のための官能基および抗体等の生体分子認識素子との結合のための官能基を導入することであり、そのための最適な化合物のおよび最適な反応条件の探索を行った。
金属ナノ粒子のクラスター化には多くの課題がある。たとえば、金属ナノ粒子クラスターを構成する各金属ナノ粒子を所定の条件に制御することが好ましいが、その制御条件はまだ知られていないことが多い。蒸着などの気相成長分野で知られている原子を複数個集合させたクラスターとは異なり、ナノ粒子のクラスターについての適切な報告が少ない。そして、クラスター形成後に各構成各金属ナノ粒子をできるだけ安定に保つことが好ましい。さらに、金属ナノ粒子のクラスターをたとえばイムノクロマトグラフィーキットの標識材料などに用いる場合、生体にできるだけ悪影響を及ぼさない物質で金属ナノ粒子クラスターを構成することが好ましい。
これらの課題を解決しながら金属ナノ粒子クラスターを形成する諸条件を検討し、いくつかの好適な条件を見出し、標識材料として好ましい金属ナノ粒子クラスターを製造することができるようになり、本発明に到達した。
銀ナノ粒子の表面修飾剤かつリンカーのためのイオウ化合物の探索により、システインが最適なものの1つであることがわかり、さらに詳細な検討を行った。システインはチオール基の他にアミド結合を形成可能なカルボキシル基とアミノ基をともに有しており、粒子間距離の小さいクラスター化に寄与していると考えられる。
また、システインを用いることによりアミノ基およびカルボキシル基などの反応性の官能基を別途導入することなくクラスター化が可能になり、製造工程の簡素化に寄与するものと考えられる。
金属ナノ粒子クラスターの金属が銀の場合を例にとって説明すると、図1は本発明の実施の形態例としての金属ナノ粒子クラスターとしての銀ナノ粒子クラスターを模式的に説明する図、図2と図3は銀ナノ粒子クラスターを構成する銀ナノ粒子と表面修飾剤兼リンカーとしての化合物との結合を模式的に説明する図である。
符号1は後述の表面修飾剤兼リンカーとしての化合物3を用いて表面修飾した銀ナノ粒子クラスタ、2は後述の表面修飾剤兼リンカーとしての化合物3を用いて表面修飾した銀ナノ粒子クラスタ1を構成する銀ナノ粒子、3は銀ナノ粒子2の表面を修飾している表面修飾剤兼リンカーとしての化合物、3a〜3dは表面修飾剤兼リンカーとしての化合物3の部分を説明する符号で、3a〜3cは前記化合物3の端末にある官能基で、3aは前記化合物3の一方の端末にある官能基でイオウ化合物のイオウ原子が当該金属ナノ粒子の表面に強く結合する官能基、3bは前記化合物3の他方の端末にある官能基としてのカルボキシル基、3cは前記化合物3の他方の端末にある官能基としてとして前記カルボキシル基3bのα位にあるアミノ基、3dはスペーサ、3e,4は分散剤である。符号3a1、3b1、3c1、3d1は本発明の実施の形態の特に好ましい例として前記表面修飾剤兼リンカーとしての化合物3に用いたシステインの部分を説明する符号で、3a1は前記官能基3aとしてのチオール基、3b1は前記官能基3bとしてのカルボキシル基、3c1は前記官能基3cとしてのアミノ基、3d1はスペーサである。
図1で、表面修飾剤かつリンカーとしての前記化合物3を表面に結合した銀ナノ粒子2は、前記化合物3を介してクラスター化され銀ナノ粒子クラスター1を形成している。銀ナノ粒子2は、湿式還元法で作製することができ、銀の周囲にPVP(ポリビニルピロリドン)などの分散剤を有している場合が多い。本発明はこのような銀ナノ粒子の周囲に分散剤を有する銀ナノ粒子を用いても実施できるものである。
本発明の実施の形態例においては、図2のように銀ナノ粒子クラスター1を構成する銀ナノ粒子2の周囲にシステイン等の前記化合物3と分散剤3eがあり、システイン等の前記化合物3は、一方の端末にイオウ化合物のイオウ原子を介して前記金属ナノ粒子の表面と強く結合する官能基3aを有しているとともに、他方の端末に官能基3bとしてのカルボキシル基とそのα位に官能基3cとしてのアミノ基がある化学構造を有しており、官能基3aが銀ナノ粒子2に強く結合している。
また、本発明の実施の形態例としての銀ナノ粒子クラスターを構成する銀ナノ粒子と表面修飾剤およびリンカーであるシステイン等の前記化合物と分散剤は、たとえば図3のように、銀ナノ粒子2の周囲に部分的に分散剤4としてのPVPがあり、その間に官能基3a1,3b1,3c1とスペーサ3d1を有するシステインがあり、システインの官能基3a1のイオウ原子が銀ナノ粒子2と強く結合している。
つぎに、本発明の実施の形態例としての銀ナノ粒子クラスターの製造方法の一例を説明する。
まず、湿式還元法を用いて製造された粒子サイズが15nmの銀ナノ粒子(例として、銀原子に換算して0.2mM(ミリモラー)のもの)を用意する。この銀ナノ粒子の製造には湿式還元法における種々の方法を用いることができる。とりわけ、内径1mmの反応管の中を銀前駆体物質を含有する反応液を流通させ、前記反応管の所定の長さにわたって均一なマイクロ波の定在波を照射して還元反応を行わせる工程を用いて製造された銀ナノ粒子は、物性の均一性が高く、本発明の銀ナノ粒子クラスターを均質で歩留まりよく製造するのに好適な例と言える。
前記の銀ナノ粒子は、たとえばPVPを分散剤としたコロイド状態になっている。
これを遠心分離器にかけて余分の分散剤PVPを除去し、水で混濁状態にする。この操作を2回行って、さらにきれいな銀ナノ粒子コロイドを得ることができる。
つぎに、終濃度が10〜20μM(マイクロモラー)になるようにシステインを加え、終濃度0.0005%になるようにTritonX−100を加え、1時間反応させ、銀ナノ粒子とシステインを結合させる。
これを回転数12000rpmの遠心分離器に15分かけて上清に含まれる未反応のシステインを除去する操作を3回繰り返し、未反応のシステインを除去した。その際に用いる溶液として、5mMリン酸バッファー(pH7.0)、0.0005%TritonX−100を用いる。
この場合のTritonX−100は界面活性剤として加える。入れなくてもクラスター化の工程をつくれるが、TritonX−100は界面活性剤として加えると反応管の内壁に沈着が生じるのを的確に防ぐことができる。このときの界面活性剤は、電荷を持たず、分子量がなるべく小さいもの、たとえば分子量が300程度のもの、タンパク質の保護など後工程で抗体をつけるときに好都合のもの、さらに製造コストを安くできるもの等の観点から選択した。
また、リン酸バッファーはpHを安定させる緩衝液としてアミノ基もカルボキシル基も持たないのの中から安価で普及しているものとして選択した。
つぎに、前記未反応のシステインを除去したものに、終濃度5mMになるようにEDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)を、かつ、終濃度2mMになるようにNHSを同時に加え、一晩かけて反応させて、図5のような紫外・可視吸収スペクトル(以下、単に吸収スペクトルという)を有する銀ナノ粒子クラスタを得た。
同時に反応液に加える前記EDC、NHSの量も金属ナノ粒子クラスターの製造方法の重要な要素である。
つぎに、本発明における前記表面修飾剤かつリンカーとしての化合物の検討をさらに進め、前記実施の形態例におけるシステインの代わりにホモシステインを用い、前回と同様に作製した銀ナノ粒子を用いて銀ナノ粒子クラスターの作製を行い、図7のような吸収スペクトルを有する銀ナノ粒子クラスターを得た。クラスター化の速度は前記化合物にシステインを用いた場合よりも速く、常温で1時間で反応による変化がわかるようになり、3時間後には明確な変化が現れた。クラスター化の反応時間が速いことは、標識として用いるときに銀ナノ粒子と抗体をつけるときなどに有利である。
このようにして得られた銀ナノ粒子クラスターの吸収スペクトルを測定し、クラスター化させていない同量の銀原子を含有する銀ナノ粒子の吸収スペクトルと比較をしたところ、後述のように、銀ナノ粒子クラスターの吸収スペクトルは銀ナノ粒子の吸収スペクトルと明確に異なることがわかった。
図4〜図7は吸収スペクトル(吸収強度−波長特性曲線)を説明する図で、図4は前記分散剤にPVPを用いて湿式還元法によって作製した平均粒子サイズが15nmの銀ナノ粒子を遠心分離器にかけて余剰のPVPを除去したものの表面にシステインをつけたものの吸収スペクトルで、図5は、図4と同様の銀ナノ粒子すなわち分散剤としてPVPを用いて湿式還元法によって作製した平均粒子サイズが15nmの銀ナノ粒子を遠心分離器にかけて余剰のPVPを除去したものに表面修飾剤かつリンカーとしてシステインを介してクラスター化させた本発明の実施の形態例としての銀ナノ粒子クラスターの精製前の状態のものの吸収スペクトル、図6は前記分散剤としてPVPを用いて湿式還元法によって作製した平均粒子サイズが15nmの銀ナノ粒子を遠心分離器にかけて余剰のPVPを除去したものの表面にホモシステインをつけたものの吸収スペクトルで、図7は、図6と同様の銀ナノ粒子すなわち分散剤としてPVPを用いて湿式還元法によって作製した平均粒子サイズが15nmの銀ナノ粒子を遠心分離器にかけて余剰のPVPを除去したものに表面修飾剤かつリンカーとしてホモシステインを介してクラスター化させた本発明の実施の形態例としての銀ナノ粒子クラスタの精製前の状態のものの吸収スペクトル、いずれの図でも、縦軸は入射光量÷透過光量の常用対数値で表した吸光度の最大値を1として相対値で表した吸光度、横軸は入射光の波長である。なお、クラスター化に使用する銀ナノ粒子の粒子サイズは、10nm以上の所定の粒径を中心に所定の分布を持ったものを使用することが特に好ましい。粒子サイズが10nm以上のものは水の中で扱いやすい利点がある。
図からも明白であるが、図5と図4は吸収スペクトルが明らかに異なり、図7と図6は吸収スペクトルも明らかに異なる。
すなわち、図5の吸収スペクトル6は、本発明の製造方法によってクラスター化された銀ナノ粒子クラスターにクラスター化されていない状態で残存している銀ナノ粒子がわずかに混在している状態での吸収スペクトルで、波長410nmと600nm近傍に第1のピーク6aと第2のピーク6bの2つのピークを有しており、図4の吸収スペクトル5は波長410nmの近傍に1つのピーク5aを有している。さらに詳しくは、図4の吸収スペクトル5は、波長330nm近傍での相対吸光度0.08から急速に立ちあがり、波長410nmの近傍で前記1つのピーク値1の相対吸光度のピーク5aになり、そこから波長500nm近傍で相対吸光度が0.08程度に、波長600nm近傍で相対吸光度が0.03以下になるというような単調で急峻な低下曲線を示している。これに対して、図5の吸収スペクトル6は、波長330nm近傍での相対吸光度が0.2から図4の場合よりも緩やかに立ち上がり、波長410nm近傍で相対吸光度が1の第1のピーク6aになり、そこから波長500nm近傍で相対吸光度が0.7まで緩やかに谷間6cを形成するように減少して後再び上昇して波長600nm近傍で相対吸光度が0.75の第2のピーク6bになり、そこから波長680nm近傍で相対吸光度が0.35を示すというように徐々に減衰している。
図7の吸収スペクトル8は、本発明の製造方法によってクラスター化された銀ナノ粒子クラスターにクラスター化されていない状態で残存している銀ナノ粒子がわずかに混在している状態での吸収スペクトルで、波長410nmと600nm近傍に第1のピーク8aと第2のピーク8bの2つのピークを有しており、図6の吸収スペクトル7は波長410nmの近傍に1つのピーク7aを有している。さらに詳しくは、図6の吸収スペクトル7は、波長330nm近傍での相対吸光度0.08から急速に立ちあがり、波長410nmの近傍で前記1つのピーク値1の相対吸光度のピーク7aになり、そこから波長500nm近傍で相対吸光度が0.08程度に、波長600nm近傍で相対吸光度が0.03以下になるというような単調で急峻な低下曲線を示している。これに対して、図7の吸収スペクトル8は、波長330nm近傍での相対吸光度0.08から図6の場合よりも緩やかに立ち上がり、波長410nm近傍で相対吸光度が1の第1のピーク8aになり、そこから波長500nm近傍で相対吸光度が0.75まで緩やかに谷間8cを形成するように減少して後再び上昇して波長600nm近傍で相対吸光度が0.9の第2のピーク8bになり、そこから波長680nm近傍で相対吸光度が0.5を示すというように徐々に減衰している。
なお、図5と図7に示した吸収スペクトルは、未クラスター化銀ナノ粒子を除去する精製作業の程度によって、前記第1のピークと第2のピークの相対的な吸光度が異なる。
前記第1のピークと第2のピークの相対的な吸光度を前記図5や図7のようにおおむね同程度にすることにより、優れた検出感度の標識材料を得ることができる。
また、前記金属ナノ粒子クラスターに用いる銀ナノ粒子をポリオール法で作製する場合、その場合の分散剤としてPVPを用いる場合、分子量が10000のPVPを用いたところ、良好な検出感度の標識材料用金属ナノ粒子を作製することができたが、さらなる検討の結果、PVPの分子量が15000以下のものを用いることが好ましく、分子量が12000より小さいものを用いることがより好ましいことがわかった。
本発明による金属ナノ粒子クラスターの大きな特徴は、従来の難題であった製造工程中の銀ナノ粒子の融着を防いでクラスターサイズを制御できたことであり、金属ナノ粒子クラスターを構成する金属ナノ粒子間の間隔を従来に比べて所定の値を中心に狭い範囲に制御することができたとともに、標識材料に用いたときの検出感度を大幅に高めることができたことなどである。
前記クラスターサイズの制御は、たとえば、抗体または2−アミノエタノールに代表されるブロッキング剤を用いて行うことができる。2−アミノエタノールに代表される水溶性のアミノ基を含む化合物をブロッキング剤として用いた場合は、クラスター化反応を抑制することができ、抗体を用いたときもクラスター化反応を抑制することができる。反応液にブロッキング剤を入れるタイミング、抗体を入れるタイミング、あるいは両者を入れるタイミングを選ぶことによってもクラスター化反応を制御することができる。
また、本発明による金属ナノ粒子クラスターの大きな特徴の一つは、クラスター化の製造工程において、前記のように、銀ナノ粒子の活性化工程の後にリンカー導入工程を入れる必要をなくし、製造工程を簡素化することができたことである。
また、本発明による金属ナノ粒子クラスターの製造の例として、表面修飾剤かつリンカーとしての化合物にシステインを用いた例とホモシステインを用いた例をあげたが、この表面修飾剤かつリンカーとしての化合物としては、一方の端末にイオウを介して前記金属ナノ粒子の表面と強く結合する官能基を有しているとともに、他方の端末にカルボキシル基とそのα位にアミノ基がある化学構造を有しているものが好ましい。
さらに詳述すれば、前記表面修飾剤かつリンカーとしての化合物の前記イオウ化合物と前記α位の炭素をつなぐ化合物が直鎖飽和アルキル基の化学構造(次の化1に示す化学構造式で表される構造、nは整数)を有していること、あるいは、前記表面修飾剤かつリンカーとしての化合物の前記イオウ化合物と前記α位の炭素をつなぐ化合物が分枝飽和アルキル基の化学構造を有していることが好ましく、前者の特に好ましい例としてシステインとホモシステインを挙げることができ、後者の好ましい例としてペニシラミンを挙げることができる。
その中で、システインを用いると材料費を安くすることができる。市販価格の一例をあげると、システインは25gで2800円、ホモシステインは1gで5900円、ペニシラミンは5gで7500円であり、システインが最も安いのが現状である。
さらに、特許文献1に記載されている例では、リンカーとしてSPDPを用いているが、SPDPの市販価格が100mgあたり38800円であることと比較すると、本発明の材料コストがきわめて安く、ワンポットで製造できることと併せて、本発明による金属ナノ粒子クラスター、それを用いた標識材料およびイムノクロマトグラフィーキットの製造コストがきわめて安いことが明確である。
本発明では、前記銀ナノ粒子クラスターの製造工程において、終濃度5mMになるようにEDCを、かつ、終濃度2mMになるようにNHSを同時に加えた。システインに代表される本発明の前記化合物(以下、システイン等という)を本発明の銀ナノ粒子の表面修飾剤かつリンカーとして用いた場合には、表面修飾剤かつリンカーとしての化合物として用いる化合物は前記システイン等一種類だけでよく、ほかに表面修飾剤および/またはリンカーを加える必要がなくなり、製造工程がシンプルになり、クラスターのサイズ制御も容易になる。システイン等を用いない場合、リンカーを用いるか、アミノ基を有する化合物とカルボキシル基を有する化合物を表面修飾剤として用いてクラスター化しなければならず、反応条件の調整が難しく、製造工程も複雑になる。
つぎに、本発明に使用する好適な金属ナノ粒子の製造方法を説明する。本発明の金属ナノ粒子クラスターの材料に用いる金属ナノ粒子は、たとえば広く湿式還元法によって作製することができる。
本発明に使用する金属ナノ粒子の湿式還元法による製造方法の好適な例として、金属前駆体物質を含有する反応液を流通管内に流通させ、その流通管の長さ方向にわたって、均一にかつ集中的にマイクロ波の電磁波を前記流通管内に照射し、流通管内の電磁波照射空間を反応液の流通方向にわたって均一に加熱し、金属ナノ粒子を生成させる金属ナノ粒子の連続的製造方法を用いた例を説明する。
図8はマイクロ波利用化学反応装置の構成例を説明する図である。符号11はマイクロ波照射口、12はTM010キャビティ、13は送液ポンプ、14は電界モニター、15は温度計、16はマイクロ波発振器・制御器、17は反応管、18は反応液の流通方向を示す。
マイクロ波発振器・制御器16から発生したマイクロ波は、マイクロ波照射口11を介して円筒型のTM010キャビティー12に照射される。マイクロ波の発振周波数および/あるいは円筒型TM010キャビティー12の内径を、キャビティー12内部にTM010モードの定在波が形成できるように調整することができる。このとき、電界モニター14からの信号をもとに、TM010の定在波が形成されているか知ることができる。もし、定在波が形成されていない場合は、マイクロ波発振器・制御器16から発振されるマイクロ波発振周波数を変化させるか、キャビティー内径を調整するなどにより、定在波が形成されるよう、フィードバック制御を行ってもよい。
マイクロ波発振・制御器16には、キャビティーからの反射波を低減させるため、整合器を組み込んでもよい。また、反射波により、マイクロ波発振器や制御器の破損を防ぐために、反射波を吸収するアイソレータを組み込んでもよい。
反応管としては、内径1mm、外形3mm、長さ200mmのテフロン(登録商標)製の管を用いた。このうち、長さ方向の100mmの部分をキャビティー内に入れ、この部分にマイクロ波が照射されるようにした。ただし、反応管の長さやマイクロ波照射部の長さは、長短いずれにも変更することができる。マイクロ波出力は反応管出口に設置した温度計15の値を一定に保てるよう、マイクロ波発振器・制御器16を介して自動制御することが好ましい。反応管温度を測る方法としては、放射温度計により反応管外壁を非接触で測定することができる。
また、反応液の供給方法は、別々に調製した2種類以上の原料溶液をポンプ等の各供給手段を用いて、反応管の適切な位置において混合させるように、および/あるいは反応管の前段において、それぞれ供給し、混合して、反応液とする。たとえば、金属前駆物質と添加物の反応性が高い場合などは、マイクロ波照射前に目的外の反応が進み、目的外の粒径分布を持つ可能性があるが、本構成ではそのような場合でも、金属ナノ粒子の製造が可能である。
また、本製法の他の例として、マイクロ波照射後あるいは照射中の反応液をマイクロ波照射以外の温度調節手段を有する温度調節器に導入することもできる。反応時間が遅い場合にはこの温度調節器で適切な温度に加温することで、金属ナノ粒子の成長を制御することができる。また、反応時間が早い反応液の場合は、冷却することで金属ナノ粒子の成長を停止させるなどして、均一な粒径を有する金属ナノ粒子の製造を可能にする。
前記マイクロ波を利用した金属ナノ粒子の例として銀ナノ粒子の製造において、金属前駆物質として硝酸銀、液媒体としてエチレングリコール、分散剤としてPVPを用い、マイクロ波照射部分における反応管内の送液速度は10ml/h、照射マイクロ波パワーは25W、溶液温度は160°Cである。
マイクロ波を照射する空胴共振器としては、前記TM010シングルモードキャビティーの他に、TM110モードキャビティー、TM210モードキャビティー、TM020モードキャビティー、TE01モードキャビティーなどを用いることができる。
前記流通管の内径は0.5mm〜2.9mmが好ましい。
マイクロ波の照射強度は0.1mW〜20kWが好ましく、1mW〜100Wがさらに好ましい。
反応管内の送液速度は、0.1ml〜5l/hが好ましく、5〜500ml/hがさらに好ましい。
反応液中の金属前駆物質の濃度は、0.01mM〜1Mが好ましく、0.1mM〜100mMがさらに好ましい。
本発明の金属ナノ粒子クラスターを標識材料として用いる場合、金属ナノクラスターと検出対象物質または前記検出対象物質に特異的に結合する特異的結合物質との接合方法は従来の方法を適宜選択して使用することが出来る。前記特異的結合物質としては、たとえば、検出対象物質が抗体である場合、この抗体の抗原となる物質を、また、検出対象物質が抗原である場合、その抗原に対する抗体をあげることができる。特異的結合物質が生体関連物質の場合、当該生体関連物質がもつ生理活性を維持するのに適切な条件の溶液中で接合を行わせることが出来る。
イムノクロマトグラフィーキットの構成方法は従来広く知られている。本発明の金属ナノ粒子クラスターを標識に用いてイムノクロマトグラフィーキットを構成するには、本発明の金属ナノ粒子クラスターに最適の方法で製造することが出来るが、従来のイムノクロマトグラフィーキットの構成方法を用いて構成することもできる。
本発明の金属ナノ粒子クラスターを用いてイムノクロマトグラフィーキットを作製するにあたって、金属ナノ粒子クラスターのサイズを400nm以下にすることにより、メンブレンに浸透させるときの目詰まりを効果的に減らすことができ、50nm以上にすることにより標識としての検出感度を高めることができる。
以上、本発明の金属ナノ粒子クラスター、金属ナノ粒子クラスターを用いた標識材料、金属ナノ粒子クラスターを用いたイムノクロマトグラフィーキット、金属ナノ粒子クラスターの製造方法、金属ナノ粒子クラスターを用いた標識材料の製造方法および金属ナノ粒子クラスターを用いたイムノクロマトグラフィーキットの製造方法を説明したが、前記説明でも明かなように、本発明は前記実施の形態例に狭く限定されるものでなく、多くのバリエーションを可能とするものである。
本発明の金属ナノ粒子クラスターは、イムノクロマトグラフィーキットを含む医療・健康分野、食品分野、農業分野、環境計測分野、エレクトロニクス分野、化学分野など広い技術分野において使用できる標識材料と好適なものである。
1:銀ナノ粒子クラスター
2:銀ナノ粒子
3:表面修飾剤兼リンカーとしての化合物
3a〜3c:官能基
3a1:チオール基
3b1:カルボキシル基
3c1:アミノ基
3d,3d1:スペーサ
3e,4:分散剤
5,6,7,8:吸収スペクトル
5a,6a,6b,7a,8a,8b:吸収スペクトルのピーク
6c,8c:吸収スペクトルの谷間
11:マイクロ波照射口
12:キャビティ
13:送液ポンプ
14:電界モニター
15:温度計
16:マイクロ波発振器・制御器
17:反応管
18:反応液の流通方向

Claims (7)

  1. 金属ナノ粒子コロイドに、一方の端末にイオウ化合物のイオウ原子を介して金属ナノ粒子の表面と安定して結合する官能基を有しているとともに、他方の端末にカルボキシル基とそのα位にアミノ基がある化学構造を有している化合物を表面修飾剤かつリンカー用化合物として作用させて表面を修飾した金属ナノ粒子を複数個集合させてクラスター化させたことを特徴とする金属ナノ粒子クラスター。
  2. 請求項1に記載の金属ナノ粒子クラスターにおいて、前記表面修飾剤かつリンカー用化合物がシステインであることを特徴とする金属ナノ粒子クラスター。
  3. 請求項1または2に記載の金属ナノ粒子クラスターにおいて、前記金属ナノ粒子クラスターの吸収スペクトルが、波長が600nmの近傍に吸光度のピーク値を有することを特徴とする金属ナノ粒子クラスター。
  4. 請求項3に記載の金属ナノ粒子クラスタにおいて、前記金属ナノ粒子クラスターの吸収スペクトル−波長特性曲線が、波長が410nmの近傍に吸収スペクトルの吸光度の第1のピークを有し、波長が600nmの近傍に吸収スペクトルの吸光度の第2のピークを有しているとともに、前記第1のピークと第2のピークの間の吸光度がクラスター化されていない銀ナノ粒子の吸光度より大きいことを特徴とする金属ナノ粒子クラスター。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属ナノ粒子クラスターにおいて、前記金属ナノ粒子クラスターを構成する金属ナノ粒子の周囲に前記表面修飾剤かつリンカー用化合物とは異なる物質の分散剤が存在することを特徴とする金属ナノ粒子クラスター。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の金属ナノ粒子クラスターを呈色材料に用いたことを特徴とする金属ナノ粒子クラスターを用いた標識材料。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の金属ナノ粒子クラスターをイムノクロマトグラフィーキット用標識材料に用いたことを特徴とする金属ナノ粒子クラスターを用いたイムノクロマトグラフィーキット。


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