JP2009244109A - 標識物質 - Google Patents

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みゆき 近江
Kotaro Idegami
公太郎 井手上
Zen Takamura
禅 高村
Hiroshi Sato
佐藤  寛
Haruki Kataoka
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Abstract

【課題】高感度を有し、軽量化された標識物質、該標識物質が用いられた生体関連物質の標識方法、標識複合体、検出対象物質の検出方法、検出対象物質の検出用キットおよび検出対象物質の電気化学的検出方法を提供すること。
【解決手段】リンカー分子を介して複数のナノ粒子を結合したナノクラスターからなる標識物質、前記標識物質を用いた生体関連物質の標識方法、前記標識物質と検出対象物質等とからなる標識複合体およびその製造方法、前記標識複合体と被検試料とを接触させ、検出対象物質を検出する検出対象物質の検出方法、検出対象物質の検出用キット、および標識複合体と、作用極と対極とからなる一対の電極を有する電気化学検出センサーとを電解液存在下で用い、検出対象物質を検出する検出対象物質の電気化学的検出方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、標識物質に関する。さらに詳しくは、エレクトロニクス、触媒化学、分析化学、生化学、電気化学などの基礎研究、診断などの医療関係、医薬品、農業、食品産業、環境計測などの分野において、物質を検出する際に好適に使用しうる標識物質、生体関連物質の標識方法、標識複合体およびその製造方法、検出対象物質の検出方法、ならびに検出対象物質の検出用キットに関する。
被検試料中に含まれている検出対象物質を検出する方法としては、検出対象物質に特異的に結合する特異的結合物質を用いて、検出対象物質と特異的結合物質とを複合体化させることによって得られた複合体を用いる方法、例えば、化学的性質または物理的性質によって検出することができる標識物質と特異的結合物質との複合体を形成し、形成された複合体と試料と接触させ、前記標識物質によって間接的に検出対象物質を検出する方法などが知られている。この方法に用いられる標識物質としては、酵素、ナノ粒子、ラテックス粒子、量子ドット、磁気ビーズなどが知られている。
標識物質を光学的に検出することにより、検出対象物質を間接的に検出するイムノクロマトグラフィーでは、標識物質として、金ナノ粒子(例えば、非特許文献1参照)、鮮明な色素で着色することができるラテックス粒子(例えば、特許文献1参照)などが知られている。
前記金ナノ粒子は、表面プラズモン共鳴による呈色のため、例えば、粒子径が約40nmである金ナノ粒子のモル吸光係数が約2×10/M・cmであるのに対し、蛍光色素であるフルオレセインのモル吸光係数が約9.2×10/M・cmであることから、実にフルオレセインの22000倍も感度に優れているという利点がある(例えば、非特許文献2参照)。しかし、金ナノ粒子には、その色調が桃色であり、ヒトの目に鋭敏に映る色調を有しないため、視認性が低いという欠点がある。
前記ラテックス粒子は、一般に視認性が低いため、その視認性を高めるために、粒子径が450nm程度に大きくする必要がある。しかし、感度を高めるために、ラテックス粒子の粒子径をさらに大きくすると、イムノクロマトグラフィーに用いられるメンブレン内でのラテックス粒子の移動性が低下したり、抗体の反応性が低下するようになる。
また、電気化学的に白金ナノ粒子を検出する方法として、白金ナノ粒子の酸化または還元によって生じる電気シグナルを検出する方法が知られている(例えば、非特許文献3参照)。しかし、この方法では、白金ナノ粒子の量が微量である場合、白金ナノ粒子の酸化または還元により生じる電気シグナルの発生量が相対的に少なくなるため、白金ナノ粒子を十分な感度で検出することができない。
特開平8−94618号公報 メソッズ(Methods)、第22巻、p.53-60 (2000) 分析化学(BUNSEKIKAGAKU)、第56巻、第4号、p.201−211 (2007) エレクトロケミストリー・コミュニケーションズ(Electrochemistry Communications)、第8巻、p.1375-1380(2006)
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、高感度を有し、軽量化された標識物質、生体関連物質を容易に標識することができる生体関連物質の標識方法、および高感度を有し、軽量化された標識複合体およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、また、検出対象物質を高感度で容易に検出することができる検出対象物質の検出方法、および検出対象物質を高感度で容易に検出することができる検出対象物質の検出用キットを提供することを課題とする。
本発明は、
(1)リンカー分子を介して複数のナノ粒子を結合してなるナノクラスターからなる標識物質、
(2)前記標識物質と生体関連物質とを接触させることを特徴とする生体関連物質の標識方法、
(3)前記標識物質と、検出対象物質または該検出対象物質に特異的に結合する特異的結合物質とを複合体化させてなる標識複合体、
(4)前記標識物質と、検出対象物質または該検出対象物質に特異的に結合する特異的結合物質とを接触させることを特徴とする標識複合体の製造方法、
(5)前記標識物質と検出対象物質または該検出対象物質に特異的に結合する第1の特異的結合物質とを複合体化させてなる標識複合体と、被検試料とを接触させ、前記標識複合体と前記被検試料に含まれる検出対象物質とからなる検出用複合体を形成させ、形成された複合体に取り込まれている標識物質の物理的性質または化学的性質により、検出対象物質を検出することを特徴とする検出対象物質の検出方法、ならびに
(6)前記標識物質と検出対象物質または該検出対象物質に特異的に結合する第1の特異的結合物質とを複合体化させてなる標識複合体と、検出対象物質、第1の特異的結合物質、該検出対象物質の前記第1の特異的結合物質とは異なる部位を認識する第2の特異的結合物質または検出対象物質の第1の特異的結合物質を特異的に認識する第3の特異的結合物質が固定された、試験片または電極とを含む検出対象物質の検出用キット
に関する。
本発明の標識物質は、高感度を有し、軽量であるという特徴を有する。本発明の生体関連物質の標識方法によれば、生体関連物質を容易に標識することができる。本発明の標識複合体は、高感度を有し、軽量であるという特徴を有する。本発明の標識複合体の製造方法によれば、高感度を有し、軽量である標識複合体を容易に製造することができる。
本発明の検出対象物質の検出方法によれば、検出対象物質を高感度で容易に検出することができる。また、本発明の検出対象物質の検出用キットは、検出対象物質を高感度で容易に検出することができる。
本発明の標識物質は、リンカー分子を介して複数のナノ粒子が結合されたナノクラスターで構成される。
本発明の標識物質は、前記ナノクラスターと同じ大きさを有する1つナノ粒子と対比して、その表面積を大きくすることができるので、その光学的性質や電気化学的性質を向上させることができるとともに、ナノ粒子に使用される金属などの物質の量を低減させることができるという利点を有する。
ナノ粒子に用いられる物質としては、グンテル・シュミット(Gunter Schmid)編「ナノ粒子科学−基礎原理から応用まで−」〔(株)エヌ・ティー・エス、2007年6月4日、4〜348頁〕、および編集委員会編「触媒活用大辞典」〔(株)工業調査会、2004年12月20日、507〜565頁、847〜1037頁〕に記載されている物質を例示することができる。ナノ粒子に用いられる物質の具体例としては、金属、金属酸化物、金属硫化物、半導体などが挙げられる。前記金属は、単体であってもよく、合金であってもよい。また、金属は、芯−鞘構造を有するものであってもよい。
ナノ粒子を構成する物質は、その取扱いが容易であることから、金属、金属酸化物、金属硫化物、半導体などがあげられる。金属は、金、銀、白金、銅およびアルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化バナジウムなどが挙げられる。金属硫化物としては、例えば、硫化鉄、硫化銅などが挙げられる。半導体としては、例えば、量子ドットなどが挙げられる。
前記金属のなかでは、標識物質を光学的に検出する場合には、視認性を高める観点から、表面プラズモン共鳴による呈色が観察される物質が好ましく、金、銀および銅がより好ましい。
本発明の標識物質に用いられるナノ粒子が金、銀または銅を含む場合、標識物質の量が微量であっても、その色が鮮明であることから、視認性に優れるという利点がある。例えば、銀ナノ粒子は、通常、黄色を呈するが、この銀ナノ粒子を有する金属ナノクラスターは、茶褐色を呈するので、銀ナノ粒子単体よりも視認性に優れるという利点がある。
前記金属のなかでは、標識物質を電気化学的に容易に検出する観点から、白金および金が好ましい。本発明の標識物質は、ナノ粒子が白金または金を含む場合、これらの金属は、微量であっても高い触媒活性を示すので、反応性を高めるという利点を有する。また、前記ナノ粒子は、触媒活性を有する金属酸化物または金属硫化物で構成されていてもよい。
ナノ粒子の粒子径は、ナノ粒子を構成している物質の大きさにもよるが、通常、3nm以上、好ましくは5nm以上であり、メンブレンなどにおける標識物質の移動性を高める観点から、好ましくは100nm以下、より好ましくは80nm以下、さらに好ましくは50nm以下である。なお、ナノ粒子の粒子径は、その表面に官能基が存在している場合には、その官能基を含む粒子径を意味する。ナノ粒子の粒子径は、電子顕微鏡観察によって直接測定したときの値である。
リンカー分子と結合させるために、ナノ粒子の表面には、リンカー分子との結合性を有する基、例えば、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、アルデヒド基、水酸基、ヒドラジド基などの官能基が存在していることが好ましい。ナノ粒子の表面に、これらの官能基が存在していない場合には、リンカー分子との結合性を有する基がナノ粒子の表面に導入される。
ナノ粒子の表面に導入されるリンカー分子との結合性を有する基の数は、本発明の標識物質の用途などにより、ナノ粒子と結合するリンカー分子の数が異なるので、一概には決定することができないため、本発明の用途などに応じて適宜決定することが好ましい。
リンカー分子との結合性を有する官能基をナノ粒子の表面に導入する手段は、ナノ粒子の表面状態によって異なる。例えば、ナノ粒子が金属で構成されている場合には、リンカー分子との結合性を有する基をもつ化合物が用いられる。リンカー分子との結合性を有する基をもつ化合物としては、例えば、一方の末端にナノ粒子の金属部分と結合する基を有し、他端にアミノ基、カルボキシル基、チオール基、アルデヒド基、水酸基、ヒドラジド基などの官能基や、これらの官能基が保護基で保護された基を有する化合物、そのダイマーなどが挙げられる。前記化合物の代表例としては、アルキル基の炭素数が1〜5のアミノアルキルチオール、該アミノアルキルチオールのダイマーなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
ナノ粒子の表面にリンカー分子との結合性を有する基を導入する方法としては、例えば、リンカー分子との結合性を有する官能基をもつ化合物と、ナノ粒子とを接触させる方法などが挙げられる。
ナノ粒子は、ナノ粒子の表面にリンカー分子を容易に結合させる観点から、通常、コロイド溶液として用いられる。
ナノ粒子のコロイド溶液を調製する際に用いられる溶媒は、標識対象となる物質に応じて適宜選択することが好ましい。この溶媒としては、例えば、リン酸緩衝液などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
コロイド溶液におけるナノ粒子の含有率は、特に限定されないが、ナノ粒子の粒子径の制御を容易にする観点から、好ましくは0.001〜0.5質量%、より好ましくは0.01〜0.1質量%である。
次に、リンカー分子との結合性を有する基を表面に有するナノ粒子とリンカー分子とを結合させる。
リンカー分子は、ナノクラスターを形成させるために、スペーサーを有し、このスペーサーの一方の末端にナノ粒子と結合する基を有し、他端にナノ粒子または他のリンカー分子と結合する基を有することが好ましい。
ナノ粒子と結合する基は、ナノ粒子と直接結合するか、またはナノ粒子の表面に導入されたリンカー分子との結合性を有する基と結合する基であればよい。
リンカー分子との結合性を有する基がアミノ基である場合、ナノ粒子と結合する基としては、例えば、カルボニル基、カルボキシル基などが挙げられる。リンカー分子との結合性を有する基がカルボキシル基である場合、ナノ粒子と結合する基としては、例えば、アミノ基、水酸基などが挙げられる。リンカー分子との結合性を有する基がチオール基である場合、ナノ粒子と結合する基としては、例えば、スルフドリル基、ジスルフィド基、マレイミド基などが挙げられる。リンカー分子との結合性を有する基がアルデヒド基である場合、ナノ粒子と結合する基は、例えば、ヒドラジド基、アミノ基などが挙げられる。リンカー分子との結合性を有する基が水酸基である場合、ナノ粒子と結合する基としては、例えば、カルボニル基などが挙げられる。リンカー分子との結合性を有する基がヒドラジド基である場合、ナノ粒子と結合する基としては、例えば、アルデヒド基などが挙げられる。
リンカー分子としては、バイオコンジュゲート・テクニックイズ(Bioconjugate Techniques)、アカデミックプレス社、1996年、169〜292頁に記載されているリンカー分子を例示することができる。好適なリンカー分子の一例としては、一方の末端にジスルフィド基を有し、他端に置換基を有していてもよいスクシンイミジル基を有するエステル化合物などが挙げられる。このエステル化合物のスクシンイミジル基は、ナノ粒子の表面上のリンカー分子との結合性を有する基と結合し、ジスルフィド基は、ナノ粒子とチオール結合を形成する性質を有する。前記置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、アミノ基、スルホン酸基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
リンカー分子のスペーサーの長さは、ナノクラスターを形成させる観点から、好ましくは0.1〜10nm、より好ましくは0.5〜5nmである。
好適なリンカー分子の例としては、スクシンイミジル6−[3’−(2−ピリジルジチオ)プロピオンアミド]ヘキサノエート(SPDP)、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート、スルホスクシンイミジル6−[3’(2−ピリジルジチオ)−プロピオンアミド]ヘキサノエート、4−スクシンイミジルオキシカルボニル−α−メチル−α−(2−ピリジルジチオ)トルエン(SMPT)、スクシンイミジル6−[3’(2−ピリジルジチオ)−プロピオンアミド]ヘキサノエートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのリンカー分子は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
リンカー分子は、通常、溶媒に溶解させて使用することができる。溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシドなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示によって限定されるものではない。リンカー分子を溶媒に溶解させた溶液におけるリンカー分子の濃度は、特に限定されないが、通常、好ましくは5〜30mM、より好ましくは10〜25mMである。
次に、例えば、ナノ粒子のコロイド溶液、リンカー分子およびジスルフィド基に適した還元剤、例えば、1,4−ジチオスレイトール(DTT)などを混合することにより、ナノ粒子とリンカー分子とが結合し、ナノクラスターが形成する。なお、ナノクラスターを形成させる際には、必要により、脱水剤を用いてもよい。これらの成分を混合するときの温度は、通常、室温程度の温度であればよい。
以上のようにして得られたナノクラスターを含有する反応混合物は、必要により、例えば、遠心分離によって分離し、リン酸緩衝液などの溶媒で洗浄した後、遠心分離などによって回収することができる。
ナノクラスターの粒子径は、検出感度を高める観点から、好ましくは10nm以上、より好ましくは50nm以上、さらに好ましくは100nm以上であり、検出対象物質との特異的結合の反応性を高める観点から、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm以下、さらに好ましくは200nm以下である。なお、本明細書において、ナノクラスターの粒子径とは、ナノクラスターのもっとも大きい部分の外径を電子顕微鏡観察によって直接測定したときの値をいう。このナノクラスターは、そのままの状態で標識物質として用いることができる。
ナノクラスター中におけるリンカー分子の数は、本発明の標識物質の用途などによって異なるので、一概には決定することができないことから、その用途などに応じて適宜決定することが好ましい。
以上説明したように、本発明の標識物質は、エレクトロニクス、触媒化学、分析化学、生化学、電気化学などの基礎研究、診断などの医療関係、医薬品、農業、食品産業、環境計測などの分野において、検出対象物質の検出などに好適に使用することができる。また、本発明の標識物質は、例えば、生体関連物質標識用標識物質として好適に使用することができるものであり、光学的検出用標識物質や電気化学的検出用標識物質などとしての使用が期待されるものである。
本発明の生体関連物質の標識方法は、本発明の標識物質と生体関連物質とを接触させることを特徴とする。
本発明の生体関連物質の標識方法は、本発明の標識物質が用いられているので、標識物質と生体関連物質とを接触させることにより、生体関連物質を容易に標識することができる。
生体関連物質としては、特に限定されるものではなく、例えば、抗体、抗原、レセプター、リガンド、核酸、核酸結合タンパク質、糖鎖、レクチンなどが挙げられる。
標識物質と生体関連物質との接触は、生体関連物質がもつ生理活性を維持するのに適した溶液中で行なわれる。溶液のpHは、生体関連物質がもつ生理活性を維持するのに適していればよい。生体関連物質がもつ生理活性を維持するのに適した溶液としては、例えば、リン酸バッファー、リン酸緩衝化生理的食塩水、トリスバッファー、グッドのバッファーなどが挙げられる。
生体関連物質の量は、特に限定されず、通常、標識物質よりも質量基準で多量となるように用いられる。
本発明の生体関連物質の標識方法は、例えば、生化学の基礎研究、診断などの医療関係、医薬品、農業、食品産業、環境計測などの分野における生体関連物質の標識の際に好適に使用することができる。
本発明の標識複合体は、本発明の標識物質と、検出対象物質または該検出対象物質に特異的に結合する特異的結合物質とを複合体化させることによって得られる。
本発明の標識複合体は、高感度を有し、軽量であるという特徴を有する。本発明の標識複合体を用いることにより、例えば、光学的性質による検出、電気化学的性質による検出などを容易に行なうことができる。
検出対象物質としては、例えば、抗体、抗原、レセプター、レセプターに対するリガンド、核酸、該レセプターに結合するリガンド以外の化合物、糖鎖、レクチンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
検出対象物質に特異的に結合する特異的結合物質は、検出対象物質の種類に応じて適宜選択することができる。特異的結合物質としては、例えば、検出対象物質が抗体である場合には、この抗体の抗原となる物質、検出対象物質が抗原である場合には、この抗原に対する抗体、検出対象物質がリガンドである場合には、このリガンドに対するレセプター、検出対象物質がレセプターである場合には、このレセプターに対するリガンド、検出対象物質がレセプターに結合するリガンド以外の化合物である場合には、この化合物に結合する物質、検出対象物質が核酸である場合には、この核酸に相補的にアニーリングする相補的核酸またはこの核酸に結合する核酸結合タンパク質、対象物質が糖鎖である場合には、この糖鎖に対するレクチンなどが挙げられる。
本発明の標識複合体中における標識物質の量は、本発明の標識複合体の用途などによって異なるので、一概には決定することができないことから、その用途などに応じて適宜決定することが好ましい。
本発明の標識複合体の製造方法は、本発明の標識物質と、検出対象物質または該検出対象物質に特異的に結合する特異的結合物質とを接触させることを特徴とする。
本発明の標識複合体の製造方法によれば、高感度を有し、軽量である標識複合体を容易に製造することができる。
本発明の標識物質と特異的結合物質または検出対象物質との接触は、標識物質と特異的結合物質または検出対象物質とを複合体化させて標識複合体を製造するのに適した条件、例えば、特異的結合物質が生体関連物質である場合には、生体関連物質がもつ生理活性を維持するのに適した溶液中で行なうことができる。その溶液のpHは、標識複合体を製造するのに適していればよい。標識複合体を製造するのに適した溶液としては、例えば、リン酸バッファー、リン酸緩衝化生理的食塩水、トリスバッファー、グッドのバッファーなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示によって限定されるものではない。
標識物質と特異的結合物質または検出対象物質とを接触させる際に使用される、特異的結合物質または検出対象物質に対する標識物質の量は、標識複合体の用途などによって異なるため、その用途などに応じて適宜決定することが好ましい。
標識物質と特異的結合物質または検出対象物質との接触時間は、標識物質と特異的結合物質または検出対象物質との複合体化を充分に行なう観点から、好ましくは1秒間以上、より好ましくは1分間以上であり、生産効率を高める観点から、好ましくは100分間以下、より好ましくは60分間以下である。
標識物質と特異的結合物質または検出対象物質とを接触させる際の温度は、特異的結合物質または検出対象物質の種類に応じて調整することが好ましい。例えば、特異的結合物質が抗体である場合、通常、室温程度の温度であればよい。
本発明の標識複合体の製造方法によって得られた標識複合体は、例えば、生化学の基礎研究、診断などの医療関係、医薬品、農業、食品産業、環境計測などの分野において、検出対象物質の検出などに有用である。
本発明の検出対象物質の検出方法は、前記標識物質と検出対象物質または該検出対象物質に特異的に結合する第1の特異的結合物質とを複合体化させてなる標識複合体と、被検試料とを接触させ、標識複合体と前記被検試料に含まれる検出対象物質とからなる検出用複合体を形成させ、形成された検出用複合体に取り込まれている標識物質の物理的性質または化学的性質により、検出対象物質を検出することを特徴とする。
本発明の検出対象物質の検出方法によれば、検出対象物質を高感度で容易に検出することができる。
本発明の検出対象物質の検出方法では、抗原抗体反応により抗原または抗体を検出する方法で利用されるいわゆるサンドイッチ法またはいわゆる競合法と同様の手法により、検出対象物質を検出することができる。
標識複合体として、前記標識物質と検出対象物質に特異的に結合する第1の特異的結合物質とを複合体化させることによって得られた標識複合体を用い、サンドイッチ法によって検出対象物質を検出する場合、被検試料中に検出対象物質が存在しているとき、標識複合体と被検試料とを接触させることにより、標識複合体と被検試料に含まれている検出対象物質とからなる検出用複合体を形成させることができる。形成された検出用複合体に取り込まれている標識物質の物理的性質または化学的性質により、直接、被検試料中の検出対象物質を検出することができる。この場合、検出対象物質の前記第1の特異的結合物質とは異なる部位を認識する第2の特異的結合物質によって標識複合体をあらかじめ捕捉しておいた後、捕捉された標識複合体に取り込まれている標識物質の物理的性質または化学的性質を調べることにより、被検試料中の検出対象物質を検出してもよい。
第2の特異的結合物質は、検出対象物質中における第1の特異的結合物質とは異なる部位を認識するものであり、第1の特異的結合物質が結合する部位とは異なる部位で特異的に結合する。
また、標識複合体として、前記標識物質と検出対象物質に特異的に結合する第1の特異的結合物質とを複合体化させることによって得られた標識複合体を用い、競合法と同様の手法によって検出対象物質を検出する場合、既知量の標識複合体と被検試料との接触時または接触後に、メンブレンなどの固体に固相化された既知量の検出対象物質を介在させ、被検試料に含まれている検出対象物質と標識複合体とからなる検出用複合体を形成させ、形成された検出用複合体に取り込まれている標識物質の物理的性質または化学的性質を調べることにより、間接的に、被検試料中の検出対象物質を検出することができる。
一方、標識複合体として、検出対象物質と標識物質とからなる標識複合体を用い、競合法と同様の手法によって検出対象物質を検出する場合、被検試料と固相化された検出対象物質に結合する第1の特異的結合物質とを接触させた後、さらに既知量の標識複合体を接触させ、検出対象物質が結合しなかった第1の特異的結合物質に前記標識複合体を捕捉させることができる。第1の特異的結合物質に捕捉された標識複合体に含まれる標識物質の物理的性質または化学的性質を調べることにより、間接的に、被検試料中の検出対象物質を検出することができる。また、被検試料と、検出対象物質と標識物質とからなる標識複合体とを接触させた後、固相に固相化された前記第1の特異的結合物質と、特異的に認識する第3の特異的結合物質とを接触させることにより、被検試料中の検出対象物質または標識複合体と結合した第1の特異的結合物質を捕捉する。第3の特異的結合物質に捕捉された標識複合体に含まれる標識物質の物理的性質または化学的性質を調べることにより、間接的に、被検試料中の検出対象物質を検出することができる。
検出対象物質としては、例えば、抗体、抗原、レセプター、レセプターに対するリガンド、核酸などの生体関連物質、レセプターに結合するリガンドを除く化合物、糖鎖、レクチンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
第1の特異的結合物質としては、検出対象物質が抗体である場合には、この抗体の抗原となる物質、検出対象物質が抗原である場合には、この抗原に対する抗体、検出対象物質がリガンドである場合には、このリガンドに対するレセプター、検出対象物質がレセプターである場合には、このレセプターに対するリガンド、検出対象物質がレセプターに結合するリガンドを除く化合物である場合には、この化合物に結合する物質、検出対象物質が糖鎖である場合には、この糖鎖に結合するレクチン、検出対象物質がレクチンである場合には、このレクチンに結合する糖鎖などが挙げられる。好適な第1の特異的結合物質としては、抗体が挙げられる。
前記標識物質と検出対象物質または該検出対象物質に特異的に結合する第1の特異的結合物質とを複合体化させることによって得られる標識複合体は、前記標識複合体の製造方法と同様にして調製することができる。
標識複合体と被検試料とを接触させることにより、標識複合体と前記被検試料に含まれる検出対象物質とからなる検出用複合体が形成する。標識複合体と被検試料との接触は、第1の特異的結合物質および検出対象物質を安定的に維持し、かつ第1の特異的結合物質と検出対象物質との結合を行なうのに適した条件、例えば、室温中で行なうことができる。
検出用複合体から該検出複合体に未結合の標識複合体を分離する際には、検出対象物質、検出対象物質の第1の特異的結合物質および前記第1の特異的結合物質によって認識される検出対象物質の部位とは異なる検出対象物質の部位を認識する第2の特異的結合物質のうちのいずれか1つを固相に固定したものを用いることができる。好適な固相としては、イムノクロマトグラフィー試験紙および電極が挙げられる。好適な電極としては、絶縁基板上に導電性材料を所定のパターンで印刷することによって形成された印刷電極が挙げられる。
前記被検試料に含まれる検出対象物質は、形成された検出用複合体に取り込まれている標識物質の物理的性質または化学的性質によって検出される。標識物質の物理的性質または化学的性質としては、例えば、光学的性質、電気化学的性質などが挙げられる。
標識物質の光学的性質は、例えば、ナノクラスターに基づく色などを肉眼で観測する方法、吸光度計、イムノリーダーなどを用いた方法などにより、検出することができる。
標識物質の電気化学的性質は、標識物質の酸化還元反応における触媒活性であることが好ましい。標識物質の電気化学的性質の検出は、例えば、ナノクラスターに含まれているナノ粒子の触媒活性による酸化還元反応の際に流れる電流や電荷量を測定する方法、金属ナノ粒子の酸化還元による電流をボルタメトリーで測定する方法などによって行なうことができる。ナノ粒子の触媒活性による酸化還元反応としては、例えば、プロトンが水素に変換される反応、酸素の還元反応などが挙げられる。
サンドイッチ法によって検出対象物質を検出する際には、操作性の観点から、被検試料を含有する試料溶液と標識抗体とを混合し、得られた混合物を、該検出対象物質に特異的に結合する第2の抗体が固定化されたメンブレンからなるイムノクロマトグラフィー用試験片上に展開させることが好ましい。なお、本明細書において、第2の抗体とは、検出対象物質のエピトープのうち標識抗体に含まれる第1の抗体とは異なるエピトープを認識する抗体を意味する。サンドイッチ法により、検出対象物質を検出するためのイムノクロマトグラフィー用試験片は、検出対象物質に特異的に結合する第2の抗体をメンブレンに固定化させ、テストラインを形成させることによって製造することができる。
競合法によって検出対象物質を検出する際に、標識複合体として検出対象物質に特異的に結合する抗体と標識物質とからなる標識複合体を用いる場合、操作性の観点から、被検試料を含有する試料溶液と前記標識複合体とを混合し、得られた混合物を、該検出対象物質が固定化されたメンブレンからなるイムノクロマトグラフィー用試験片上に展開させることが好ましい。このイムノクロマトグラフィー用試験片は、検出対象物質をメンブレンに固定化させ、テストラインを形成させることによって製造することができる。
競合法により、検出対象物質を検出する際に、標識複合体として検出対象物質と標識物質とからなる標識複合体を用いる場合、操作性の観点から、被検試料を含有する試料溶液と標識複合体とを混合し、得られた混合物を該検出対象物質に結合する第1の特異的結合物質が固定化されたメンブレンからなるイムノクロマトグラフィー用試験片上に展開させること、被検試料を含有する試料溶液を前記イムノクロマトグラフィー用試験片上に展開させた後さらに標識複合体溶液を展開させること、または被検試料を含有する試料溶液と標識複合体とを混合し、得られた混合物を、前記第1の特異的結合物質を特異的に認識する第3の特異的結合物質が固定化されたメンブレンからなるイムノクロマトグラフィー用試験片上に展開させることが好ましい。前記イムノクロマトグラフィー用試験片は、検出対象物質に結合する第1の特異的結合物質または前記第1の特異的結合物質を特異的に認識する第3の特異的結合物質をメンブレンに固定化させ、テストラインを形成させることによって製造することができる。
イムノクロマトグラフィー用試験片のメンブレンには、メンブレンに試料を供給するための試料供給部、標識複合体を保持するための標識複合体保持−リリース部、供給された試料をメンブレン上に展開させる展開溶液などを吸収し、試料のメンブレン上での展開を促進するための吸収部などを設けてもよい。
メンブレンとしては、特に限定されないが、例えば、ニトロセルロースメンブレンなどが挙げられる。メンブレンに固定化させる物質の量は、その用途に応じて適宜設定することができる。
標識物質と被検試料に含まれている検出対象物質とからなる検出用複合体に取り込まれている標識物質の電気化学的性質によって検出対象物質を検出する場合、リンカー分子を介して複数の白金ナノ粒子または複数の金ナノ粒子が結合されている金属ナノクラスターからなる標識物質と、検出対象物質または該検出対象物質に特異的に結合する第1の特異的結合物質とを複合化させることによって得られた標識複合体を、作用極と対極とからなる一対の電極を有する電気化学検出センサーの作用極に接触させた後、電極と電解液とを接触させながら該対極に電位を印加し、該作用極上の標識複合体に含まれる白金または金の触媒活性により該電解液中のプロトンが水素に変換される際に流れる電荷量を測定し、該電荷量を指標として検出対象物質を検出することができる。
標識複合体として、標識物質と検出対象物質に特異的に結合する第1の特異的結合物質とを複合体化させることによって得られた標識複合体を用い、サンドイッチ法と同様の手法により、検出対象物質を検出する場合、電極の作用極として、前記第1の特異的結合物質によって認識される検出対象物質の部位とは異なる検出対象物質の部位を認識する第2の特異的結合物質を固相化した作用極を用いることができる。この場合、被検試料と、標識複合体とを接触させて、前記標識複合体と前記被検試料に含まれる検出対象物質とからなる検出用複合体を形成させ、この検出用複合体を、作用極上の第2の特異的結合物質に捕捉させた後、捕捉された複合体に含まれている標識物質を、光学的または電気化学的に検出することにより、被検試料中の検出対象物質を検出してもよい。
前記標識複合体として、前記標識物質と検出対象物質に特異的に結合する第1の特異的結合物質とを複合体化させることによって得られた標識複合体を用い、競合法と同様の手法によって被検試料中の検出対象物質を検出する場合、作用極として、既知量の検出対象物質を固相化した作用極を用いることができる。この場合、被検試料と、既知量の標識複合体とを接触させた後、得られた被検試料と既知量の標識複合体との混合物に前記作用極上の既知量の検出対象物質を接触させ、作用極上の検出対象物質に捕捉された標識複合体に含まれる標識物質の電気化学的性質を調べることにより、間接的に、被検試料中の検出対象物質を検出することができる。
一方、前記標識複合体として、前記標識物質と検出対象物質とを複合体化させることによって得られた標識複合体を用い、競合法と同様の手法によって被検試料中の検出対象物質を検出する場合、作用極として、検出対象物質に結合する第1の特異的結合物質を固相化した作用極を用いることができる。この場合、被検試料と、前記作用極上の第1の特異的結合物質とを接触させた後、さらに既知量の標識複合体を接触させ、作用極上の第1の特異的結合物質に捕捉された標識複合体に含まれる標識物質の電気化学的性質を調べることにより、間接的に、被検試料中の検出対象物質を検出することができる。
標識物質の電気化学的性質によって検出対象物質を検出する場合に用いる標識複合体は、本発明の標識複合体の製造方法において、ナノ粒子として白金ナノ粒子または金ナノ粒子を用いることにより、製造することができる。
標識物質の電気化学的性質によって検出対象物質を検出する場合、検出対象物質を高感度で検出することができる。また、電解液中のイオンが酸化または還元される際に流れる電荷量を電気化学的に検出することによって標識物質である金属ナノクラスターが検出されるので、発色や発光などの光学的検出によって標識物質を検出する場合と比べて、標識物質の検出に用いられる装置をより小型化することができる。
電極としては、例えば、平板型印刷電極では、カーボンペースト電極、金ペースト電極などが挙げられる。これらの電極の中では、バックグラウンドの軽減、コスト低減などの観点から、カーボンペースト電極が好ましい。
第1の特異的結合物質、第2の特異的結合物質、第3の特異的結合物質または検出対象物質が担持された作用極は、第1の特異的結合物質、第2の特異的結合物質、第3の特異的結合物質または検出対象物質を含む溶液を作用極上に滴下し、乾燥させることなどにより作製することができる。
作用極に担持させる第1の特異的結合物質、第2の特異的結合物質、第3の特異的結合物質または検出対象物質の量は、作用極1mmあたり、感度を高める観点から、好ましくは1pg以上、より好ましくは1ng以上であり、コスト低減の観点から、好ましくは1mg以下、より好ましくは10μg以下である。
作用極と対極とに印加される電位は、参照電極として、例えば、シールドしていない銀/塩化銀を電極基材とする参照電極を用いる場合、印加電位は、溶液中の塩素濃度によって異なるので一概には決定することができないが、例えば、0.1Mの塩酸中で測定する場合、この平板型印刷電極の参照電極の電位に対して、水素発生の酸化還元電位を考慮して、好ましくは0V以下、より好ましくは−0.4V以下である。
電位の印加時間は、電位によって異なるので一概には決定することができないが、通常、5〜500秒間程度である。
電荷量は、電解液中、電極に電位を印加し、金属ナノクラスターに含まれる白金または金の触媒活性によりプロトンが水素に変換される際に流れる電流、電荷量を電流計、ポテンシオスタットなどを用いて測定することによって求めることができる。
電解質としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみによって限定されるものではない。
標識複合体と被検試料を含有する試料溶液とを混合して得られた混合物を、作用極に接触させた場合の電荷量が検出対象物質の非存在下の場合の電荷量と比べて増大していることが、被検試料中に検出対象物質が存在することの指標となる。
前記検出対象物質の電気化学的検出方法は、例えば、分析化学および生化学の基礎研究、診断などの医療関係、医薬品、農業、食品産業、環境計測などの分野において、検出対象物質の検出などに好適に使用することができる。
本発明の検出対象物質の検出用キットは、本発明の標識物質と検出対象物質または該検出対象物質に特異的に結合する第1の特異的結合物質とを複合体化させてなる標識複合体と、検出対象物質、第1の特異的結合物質、該検出対象物質の前記第1の特異的結合物質とは異なる部位を認識する第2の特異的結合物質または検出対象物質の第1の特異的結合物質を特異的に認識する第3の特異的結合物質が固定された、試験片または電極とを含むものである。
本発明の検出対象物質の検出用キットは、検出対象物質を高感度で容易に検出することができる。
標識複合体は、本発明の検出対象物質の検出方法に用いられる標識複合体と同様であればよい。
サンドイッチ法によって検出対象物質を検出する場合、検出対象物質の検出を容易に行なう観点から、本発明の検出対象物質の検出用キットは、検出対象物質に特異的に結合する第1の抗体と標識物質とを複合体化させることによって得られた標識複合体と、検出対象物質に特異的に結合する第2の抗体が固定化されたメンブレンからなるイムノクロマトグラフィー用試験片とを含有することが好ましい。
競合法によって検出対象物質を検出する場合、検出対象物質の検出を容易に行なう観点から、本発明の検出対象物質の検出用キットは、検出対象物質に特異的に結合する第1の抗体と標識物質とからなる標識複合体と、前記検出対象物質が固定化されたメンブレンからなるイムノクロマトグラフィー用試験片とを含有するキット、検出対象物質と標識物質とからなる標識複合体と、前記検出対象物質に結合する第1の抗体が固定化されたメンブレンからなるイムノクロマトグラフィー用試験片とを含有するキット、または検出対象物質と標識物質とからなる標識複合体と、前記検出対象物質に結合する第1の抗体と、前記第1の抗体と特異的に結合する第3の抗体が固定化されたメンブレンからなるイムノクロマトグラフィー用試験片とを含有するキットであることが好ましい。
本発明の検出対象物質の検出用キットは、本発明の検出対象物質の検出方法を行なうのに好適に使用しうるものである。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1(生体関連物質標識用銀ナノクラスターの調製)
スペーサー構造を有し、その両側に反応性に富む官能基をもつリンカー分子を用いて、銀ナノ粒子を互いに結合させて銀ナノクラスターを調製した。
リンカー分子として、一方にアミノ基と反応することにより、安定な酸アミド結合を形成するN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル末端を有し、他方に金属とチオール結合をするジスルフィド構造を有するスクシンイミジル6−[3’−(2−ピリジルジチオ)−プロピオンアミド]ヘキサノエート(以下、SPDPという)を用いた。
銀ナノ粒子(粒子径:5〜20nm)とアミノエタンチオールとを混合することにより、銀ナノ粒子の表面にアミノ基を導入した。このアミノ基が導入された銀ナノ粒子のリン酸バッファー中でのコロイド溶液300μL(銀ナノ粒子の含有率:0.1質量%)をマイクロチューブ(エッペンドルフ社製)にとり、これに20mMのSPDPジメチルスルホキシド(DMSO)溶液5μLおよび20mMのジチオスレイトール(DTT)水溶液0.5μLを加えて30分間室温で静置した。
得られた混合物を遠心分離し、リン酸バッファーで洗浄する操作を2回繰り返すことにより、銀ナノクラスターを得た。
クラスター化させる前の銀ナノ粒子の透過型電子顕微鏡写真(以下、TEM写真という)を図1に、銀ナノ粒子をクラスター化させることによって得られた銀ナノクラスターのTEM写真を図2に示す。
図1に示されるように、クラスター化前では、粒子径が5〜20nmである銀ナノ粒子が分散していることがわかる。これに対して、図2に示されるように、クラスター化後では、銀ナノ粒子が集合し、粒子径が10〜200nm程度の銀ナノクラスターが形成していることがわかる。
実施例2(銀ナノクラスターによる抗体の標識)
モデル抗原として、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(以下、hCGという)を選択し、hCGを認識する2種類のマウスモノクローナル抗体(抗hCG抗体A、抗hCG抗体B)を用いたアッセイ系を構築した。抗hCG抗体Aは、hCGに対するモノクローナル抗体であり、抗hCG抗体Bは、hCGのαサブユニットに対するモノクローナル抗体である。
実施例1で得られた銀ナノクラスター溶液(リン酸バッファー150μL中に銀ナノクラスターを分散させたもの)に抗hCG抗体Aリン酸バッファー溶液(50μg/mL)100μLを添加し、30分間静置した後、これに10質量%ウシ血清アルブミン(BSA)リン酸バッファー溶液25μLを添加してブロッキングを行った。
得られた混合物を遠心分離に供して、銀ナノクラスター標識抗体を分離し、分離された銀ナノクラスター標識抗hCG抗体をリン酸バッファーで洗浄する操作を2回繰り返した。
銀ナノクラスターによる抗体の標識の確認は、金ナノ粒子(粒子径:40nm)により標識した抗hCG抗体B(金ナノ粒子標識抗hCG抗体)を用いて行なった。ウシ血清アルブミン(BSA)1質量%を含む100mMのリン酸バッファー中で、銀ナノクラスター標識抗体Aと金ナノ粒子標識hCG抗体Bとを混合し、抗体混合液を得た。得られた抗体混合液に抗原(hCG)を添加し、抗原抗体混合液を得た。
抗原抗体混合液の光学写真を図3のBに示す。また、比較のために、抗体混合液に抗原(hCG)を添加しなかったときの光学写真を図3のAに示す。なお、図2は、実施例2で用いた混合液の光学写真である。
図3のAに示されるように、抗原が添加されていない抗体混合液の場合、凝集塊が見られず、抗体混合液の色が金ナノ粒子および銀ナノクラスターに由来する赤茶色を呈することがわかる。これに対して、図3のBに示されるように、抗原抗体混合液の場合、金ナノ粒子と銀ナノクラスターと抗原との複合体からなる凝集塊が存在しており、抗原抗体混合液の色が無色であることがわかる。このように、抗原抗体混合液の場合、金ナノ粒子と銀ナノクラスターと抗原との複合体が形成されているため、銀ナノクラスターにより抗hCG抗体が標識されていることがわかる。
実施例3(銀ナノクラスター標識hCG抗体を用いたイムノクロマトグラフィー)
メンブレン上に抗hCG抗体Bを塗布することにより、イムノクロマトグラフィー用試験片を作製した。hCGを含む試料と、銀ナノクラスターで標識したhCG抗体Aとを混合し、抗原抗体反応を行なった。得られた抗原抗体複合体がメンブレン上を移動するときに、抗hCG抗体Bが塗布されたテストラインで抗原抗体複合体が捕捉されることにより、hCGの濃度に応じた色つきのラインが現れた。この色を肉眼または専用のリーダーで読み取ることにより、試料中のhCG濃度を判定することができた。その具体的な方法を以下に説明する。
(1)イムノクロマトグラフィー用試験片の作製
メンブレンの一端(以下、「上流端」という)を試料供給部とし、試料供給部よりも長手方向(メンブレンの長辺方向)の他端(以下、「下流端」という)側に、hCGのα−サブユニットを認識するモノクローナル抗体である抗hCG抗体Bをメンブレンの短辺に平行に線状となるように塗布し、テストラインを形成させた。さらに、テストラインよりも下流側に、抗マウスIgG抗体を塗布し、テストラインに捕捉されなかったhCGに結合していない抗hCG抗体を捕捉するためのコントロールラインを形成させた。その後、ウシ血清アルブミン(シグマ社製)を用いて、メンブレンのブロッキングを行なった。その後、メンブレンの洗浄および乾燥を行なった。さらに、コントロールラインの下流側に展開溶液などを吸収させる目的で、吸収パットを設け、イムノクロマトグラフィー用試験片を得た。
(2)呈色の観察
銀ナノクラスター標識抗hCG抗体Aを用いて、各種濃度のhCG含有溶液を分析した。また、通常のイムノクロマトグラフィーで頻用されている金ナノ粒子により標識された標識抗体である金ナノ粒子標識抗hCG抗体Aを用いて、各種濃度のhCG含有溶液を分析した。
試料として、HCG含有溶液40μLと銀ナノクラスター標識抗hCG抗体Aの1%BSA含有リン酸バッファー溶液(銀ナノクラスターの粒子径:100〜200nm、抗hCG抗体Aの量:2.5μg/mL)4μLとを混合し、混合液を得た。得られた混合液をイムノクロマトグラフィー用試験片の試料供給部に供し、イムノクロマトグラフィーを行なった。その後、イムノクロマトグラフィー用試験片のテストラインにおける銀ナノ粒子の集積による呈色を目視にて観察した。また、銀ナノクラスター標識抗hCG抗体Aの1%BSA含有リン酸バッファー溶液に代えて、金ナノ粒子標識抗hCG抗体Aの1%BSA含有リン酸バッファー溶液(金ナノ粒子の粒子径:40nm、抗hCG抗体Aの量:2.5μg/mL)4μLを用いたことを除き、前記と同様にしてイムノクロマトグラフィーを行なった。その後、イムノクロマトグラフィー用試験片のテストラインにおける金ナノ粒子の集積による呈色を目視にて観察した。
(3)試験結果
各種濃度のhCG含有溶液のイムノクロマトグラフィーの測定結果を図4に示す。図4において、Aは、金ナノ粒子標識抗hCG抗体Aを用いたときの試験結果、Bは、銀ナノクラスター標識抗hCG抗体Aを用いたときの試験結果を示す。
なお、図4のAおよびBにおいて、それぞれ、左から順に、hCG含有溶液中のhCGの濃度が0pg/mL、10pg/mL、100pg/mL、1000pg/mLおよび10000pg/mLのときの検出結果を示す。
図4に示された結果から、銀ナノクラスター標識抗hCG抗体A(図4のB)では、矢印Xで示される茶色のラインが観察され、金ナノ粒子標識抗hCG抗体A(図4のA)と比べて、バックグラウンドの着色が少なくコントラストが良好であることがわかる。
次に、これらのテストラインを金ナノ粒子標識イムノクロマトグラフィー用のイムノリーダーを用いて読み取り、数値化した。その結果を図5に示す。図5に示された結果から、銀ナノクラスターによる標識は、金ナノ粒子による標識よりも高感度であることがわかる。
実施例4(白金ナノクラスターの調製)
表面にアミノ基が導入された白金ナノ粒子(粒子径:約5nm)のリン酸バッファー溶液300μL(白金ナノ粒子の含有率:0.01質量%)をマイクロチューブ(エッペンドルフ社製)にとり、これに20mM SPDPのジメチルスルホキシド(DMSO)溶液5μLおよび20mMジチオスレイトール(DTT)の水溶液0.5μLを加えて30分間室温で静置した。
得られた混合物を遠心分離し、リン酸バッファーで洗浄する操作を2回繰り返すことにより、白金ナノクラスターを得た。
クラスター化させる前の白金ナノ粒子のTEM写真を図6に、白金ナノ粒子をクラスター化させることによって得られた白金ナノクラスターのTEM写真を図7に示す。
クラスター化前では、図6に示されるように、白金ナノ粒子が分散していることがわかる。これに対して、クラスター化後では、図7に示されるように、白金ナノ粒子が集合し、粒子径が100〜200nm程度の白金ナノクラスターが形成されていることがわかる。
実施例5(白金クラスター標識抗体の水素発生触媒能)
実施例4で得られた白金ナノクラスターを用いることを除き、実施例2と同様にして抗hCG抗体Aを白金ナノクラスターで標識し、白金ナノクラスター標識抗hCG抗体を得た。得られた白金ナノクラスター標識抗hCG抗体を用い、その電気化学的検出の可能性を検討した。
白金ナノクラスター標識抗hCG抗体の1%BSA含有リン酸バッファー溶液(白金ナノクラスターの粒子径:100〜200nm)を1質量%BSA含有リン酸バッファーで希釈し、白金ナノクラスター量が電極あたり、0.2μg、0.02μg、または0.002μgとなるように印刷電極の作用極上に滴下し、乾燥させた。その作用極上に0.1M塩酸30μLを滴下し、−0.8Vの電位をかけて、白金ナノクラスターに含まれる白金の触媒反応によりプロトンが水素に変換される際に流れる電荷量を測定した。
−0.8Vの電位を30秒間かけた後の電荷量を各白金ナノクラスター量にプロットした。白金ナノクラスター量と電荷量との関係を示すグラフを図8に示す。
図8に示された結果から、電荷量は、白金ナノクラスター量に応じて変動することがわかる。このことから、白金ナノクラスターは、電気化学的な標識物質として利用することができる可能性があることがわかる。
実施例6(hCGの電気化学的検出)
妊娠診断用マーカーであるヒトゴナドトロピン(hCG)を測定するために、一次抗体として抗hCG抗体Aを作用極表面に固定化した平板型印刷電極と、二次抗体として白金ナノクラスター標識抗hCG抗体Bとを用いて、イムノセンサーを構築した。構築されたイムノセンサーを用いて、サンドイッチ法によるイムノアッセイを行ない、白金ナノクラスター標識抗hCG抗体Bの白金ナノクラスターを電気化学的に検出することにより、検出対象物質であるhCGを電気化学的に検出することができた。その具体的な方法を以下に説明する。
検出対象物質測定用の電極として、カーボンペーストを電極基材とする作用極(面積:2.6mm2)およびその対極と、カーボンペーストで形成されたリード線と、銀/塩化銀を電極基材とする参照電極とを絶縁支持体上に有する平板型印刷電極(幅:4mm、長さ:12mm)を用いた。この平板型印刷電極では、作用極、対極および参照電極それぞれの表面の一部が、絶縁体で被覆され、有効な電極面積2.6mmが設けられている。
濃度100μg/mlに調製した抗hCG抗体Aのリン酸バッファー溶液2μLを平板型印刷電極の作用極上に塗布し、乾燥させることにより、作用極の表面に抗hCG抗体Aを固定化させた。次に、0.1質量%ウシ血清アルブミンのリン酸緩衝化生理的食塩水溶液を用いて、抗hCG抗体Aを固定化した作用極のブロッキングを行なった。
検出対象物質であるhCGをリン酸緩衝化生理的食塩水(PBS)に溶解させることにより、hCG濃度が10ng/ml、1ng/mlまたは0ng/mlとなるように、hCG溶液を調製した。各濃度のhCG溶液2μLを作用極上に滴下した。次に、hCG溶液を滴下した作用極を30〜60分間インキュベーションし、hCGと作用極上に固定化された抗hCG抗体Aとの抗原抗体反応を行なった。抗原抗体反応後の印刷電極を、リン酸緩衝化生理的食塩水(PBS)を用いて洗浄した。
次に、抗体量が2.5μg/mLである白金ナノクラスター標識hCG抗体B溶液2μLを作用極上に滴下した。その後、白金ナノクラスター標識hCG抗体B溶液を滴下した作用極を30〜60分間インキュベーションして、白金ナノクラスター標識hCG抗体Bと作用極上に固定化された抗hCG抗体Aに捕捉されたhCGとの抗原抗体反応を行なった。その後、抗原抗体反応後の印刷電極を、リン酸緩衝化生理的食塩水(PBS)を用いて洗浄した。
洗浄後の印刷電極を0.1M塩酸水溶液に浸し、参照電極の電位に対する作用極の電位を−0.8Vとなるように保持した。−0.8Vの電位をかけて、白金ナノクラスターに含まれる白金の触媒反応によりプロトンが水素に変換される際に流れる電荷量を測定した。−0.8Vの電位を30秒間かけた後の電荷量を各hCG濃度にプロットした。hCG濃度と電荷量との関係を示すグラフを図9に示す。
図9に示された結果から、電荷量は、hCG溶液のhCG濃度に応じて変動することがわかる。このことから、電荷量を指標として検出対象物質の量を測定することができることが示唆される。また、前記結果から、白金ナノクラスターを標識物質として用いることにより、従来、標識物質の発色、発光などの検出に光学的検出装置が用いられていたイムノアッセイに基づく検出対象物質の検出が、小型で簡便な装置を用いることができる電気化学的検出によって行なうことが可能になることが示唆される。
実施例1において、クラスター化させる前における銀ナノ粒子を示す図面代用TEM写真である。 実施例1において、クラスター化させた後における銀ナノ粒子を示す図面代用TEM写真である。 実施例2で用いられた混合液の図面代用写真である。 実施例3において、各種濃度のhCG含有溶液のイムノクロマトグラフィーの測定結果を示す図面代用写真である。 実施例3で得られたテストラインを金ナノ粒子標識イムノクロマトグラフィー用のイムノリーダーを用いて読み取り、数値化した結果を示すグラフである。 実施例4において、クラスター化させる前の銀ナノ粒子の図面代用TEM写真である。 実施例4において、白金ナノ粒子をクラスター化させることによって得られた白金ナノクラスターの図面代用TEM写真である。 実施例5において、白金ナノクラスター量と電荷量との関係を示すグラフである。 実施例6において、hCG濃度と電荷量との関係を示すグラフである。

Claims (18)

  1. リンカー分子を介して複数のナノ粒子を結合してなるナノクラスターからなる標識物質。
  2. リンカー分子が、スペーサーを有し、このスペーサーの一方の末端にナノ粒子と結合する基を有し、他端にナノ粒子または他のリンカー分子と結合する基を有する化合物である請求項1に記載の標識物質。
  3. リンカー分子が、一方の末端にジスルフィド基を有し、他端に置換基を有していてもよいスクシンイミジル基を有するエステル化合物である請求項1または2に記載の標識物質。
  4. ナノ粒子が、金、銀、白金、銅およびアルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を含む請求項1〜3のいずれかに記載の標識物質。
  5. ナノ粒子の粒子径が、3〜100nmである請求項1〜4のいずれかに記載の標識物質。
  6. ナノクラスターの粒子径が、10〜1000nmである請求項1〜5のいずれかに記載の標識物質。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の標識物質と生体関連物質とを接触させることを特徴とする生体関連物質の標識方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の標識物質と、検出対象物質または該検出対象物質に特異的に結合する特異的結合物質とを複合体化させてなる標識複合体。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の標識物質と、検出対象物質または該検出対象物質に特異的に結合する特異的結合物質とを接触させることを特徴とする標識複合体の製造方法。
  10. 請求項1〜6のいずれかに記載の標識物質と検出対象物質または該検出対象物質に特異的に結合する第1の特異的結合物質とを複合体化させてなる標識複合体と、被検試料とを接触させ、前記標識複合体と前記被検試料に含まれる検出対象物質とからなる検出用複合体を形成させ、形成された複合体に取り込まれている標識物質の物理的性質または化学的性質により、検出対象物質を検出することを特徴とする検出対象物質の検出方法。
  11. 第1の特異的結合物質が、抗体である請求項10に記載の検出方法。
  12. 検出対象物質、検出対象物質に特異的に結合する第1の特異的結合物質、および該第1の特異的結合物質によって認識される検出対象物質の部位とは異なる検出対象物質の部位を認識する第2の特異的結合物質のうちのいずれか1つを固定した固相を用いて、検出用複合体から該検出複合体に未結合の標識複合体を分離する請求項10または11に記載の検出方法。
  13. 固相が、イムノクロマトグラフィー試験紙または電極である請求項12に記載の検出方法。
  14. 電極が、絶縁基板上に導電性材料を所定のパターンで印刷することによって形成された印刷電極である請求項13に記載の検出方法。
  15. 標識物質の物理的性質または化学的性質が、光学的性質または電気化学的性質である請求項10〜14のいずれかに記載の検出方法。
  16. 電気化学的性質が、標識物質の酸化還元反応における触媒活性である請求項15に記載の検出方法。
  17. 触媒活性が、プロトンが還元されて水素分子が生成するときの化学反応に対する触媒活性であり、その化学反応の際に流れる電荷量を指標として標識物質の検出を行なう請求項16に記載の検出方法。
  18. 請求項1〜6のいずれかに記載の標識物質と検出対象物質または該検出対象物質に特異的に結合する第1の特異的結合物質とを複合体化させてなる標識複合体と、検出対象物質、第1の特異的結合物質、該検出対象物質の前記第1の特異的結合物質とは異なる部位を認識する第2の特異的結合物質または検出対象物質の第1の特異的結合物質を特異的に認識する第3の特異的結合物質が固定された、試験片または電極とを含む検出対象物質の検出用キット。
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