JP5579947B2 - 成形ロールおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は成形ロールに関し、さらに詳しくは、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼などからなるロール胴部表面にアモルファス状ニッケル合金層を有し、さらにそのアモルファス状ニッケル合金層上に硬質クロム層を有する、プラスチックシートやプラスチックフィルム、特に光学シートや光学フィルムの成形に適したロールに関する。
金属表面上に硬質クロムめっき層を析出させ、グラインダ研磨、バフ研磨、砥石研磨などの物理的な研磨法で硬質クロムめっきを平滑に仕上げて鏡面にしたロールはよく知られている。また、硬質クロムめっき皮膜は、その高い電着応力によりミクロクラックを内在していることもよく知られている。硬質クロムめっきは、高硬度、耐摩耗性、離型性、優れた光の反射率、耐食性等の金属皮膜としてのあらゆる特性が優れているために、従来から金型、各種の産業用ロール、ピストンロッド等に被覆され、機能性皮膜として多用されている。また、装飾的な用途においても、装飾クロムとして、高硬度と、特有の金属光沢と、外観が変化せずに光沢が長く持続するという特長があって、古くからあらゆる装飾分野で利用されてきた。
しかし、一方で、金属皮膜中にミクロクラックを内在していることは、クロムめっき自体の耐食性が優れていても、時に致命的な欠陥となる。そのクラックを介して、水分、二酸化硫黄、塩化物イオン等の腐食誘発成分が浸透していき、クロムめっき自体は腐食しないけれども、局部電池作用で下地の金属が腐食されるために、製品寿命が短くなる。
例えば、この種の先行技術を開示した文献として、特許文献1は、もともとクロムめっきに存在するクラックの拡大防止と、ロール構成材の防食対策を目的として、下地金属と硬質クロムめっき層との間の中間層に、クラックがなく、柔軟性があって、下地金属を完全に保護できる電気ニッケルめっきを用いたキャストドラムを開示している。しかし、ニッケルめっきの中間層が存在しても、クロムめっきに存在するミクロクラックがなくなるわけではなく、目視で観察できないだけである。このようにして硬質クロムめっきを被覆したものは、ニッケルめっきの中間層が柔軟であるため、各種の研削工程や研磨工程を経ることにより、埋没した研磨砥粒や脱落した研磨砥粒に起因して、中間層上に被覆した硬質クロムめっき表面にピットやピンホールやスクラッチなどの欠陥ができることがある。その場合、硬質クロムめっき表面に生じた欠陥を補修して再度クロムめっきをする、いわゆる2層のクロムめっき皮膜形成工程が必要である。その結果、鏡面を有する硬質クロムめっき層を得るためには、多くの加工時間と労力が必要となる。
特許文献2には、炭素繊維強化樹脂製ロールの表面に、無電解めっき受容性の樹脂薄膜と、無電解めっき層と、電気めっきによる銅やニッケルの中間層と、硬質クロムめっきからなる最外層とをこの順番で形成し、バフ研磨によって表面を平滑に仕上げた樹脂ローラーが開示されている。しかし、積極的に硬質クロムめっきのクラックを防止しようとするものではなく、表面粗さを0.1μmRy以下にすることは開示されていない。
特許文献3と4と5は、クロムめっきの引張残留応力をパルス電解法でコントロールすることにより、圧縮側の残留応力とすることでクラックのないクロムめっきを得る方法を開示している。これら文献に開示された方法は、いずれもめっき用電源としてパルス波を出力できる、特殊で高価な電源設備を必要としており、また適用できる条件幅に制約がある。さらに、パルス波出力用電源設備の致命的な問題として、大容量の電源設備を作製する場合、直流をオフとしたときに生じる残余電流の問題がある。大容量の整流器ほど、この影響を受けるので、理想形状のパルスパターンを得ることが原理的に困難である。その上、パルス電源を利用したからといって、介在物の多い鋼材の表面に被覆するクロムめっき表面を無欠陥とすることは現実的に極めて困難である。
近年、光学的な用途に利用するプラスチックフィルムやシートの生産が増加しており、これらの用途で使用される成形ロールに被覆される硬質クロムめっきに対する要求表面性状としては、表面粗さが0.1μmRy以下の鏡面が必要とされている。この表面粗さは、従来からのラッピングやポリッシングの方法で、ほぼ達成することは可能である。また、それによって、もともと存在するクラック自体は塞がれた状態になる。然るに、成形対象である溶融したプラスチックからの熱サイクルを繰り返し受ける成形ロールの場合、成形時に受ける熱サイクルにより硬質クロムめっきにもともと内在するクラックが早期に露呈してきて、成形されるフィルムやシートの表面にクラックパターンが転写されるという問題がある。また、別の問題として、使用中にクロムめっきに内在するクラックが発達して、そのクラックに異物(オリゴマー)が付着および堆積して、成形されたプラスチックフィルムやシートが成形ロールから剥離し難くなるとともに、その異物が成形製品に付着してしまうというような基本的な問題がある。
特開昭61−195994号公報 特開2001−226794号公報 特開2003−147577号公報 特開2004−300522号公報 特開2006−188767号公報
上記のように、従来の硬質クロムめっきは、ミクロクラックを内在したまま仕上げ加工されており、クラックは無くなっていない。また、特殊なパルス電源を利用してクラックのないクロムめっきを得る方法は、適用できる電流値の問題からあらゆるロールに適用できないという問題と、クロムめっきの引張残留応力値を圧縮側にコントロールするための条件的な制約がある。さらに、下地金属に起因して硬質クロムめっき表面に発生するピットやピンホールやスクラッチなどの欠陥を根本的に無くすものでもない。
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、硬質クロムめっきに固有の高硬度と離型性を維持しつつ、クラックのない硬質クロムめっき層を有する成形ロールおよびその製造方法を提供することにある。また、本発明の目的は、傷が付きにくい成形ロールおよびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の成形ロールは、鋼材からなるロール胴部表面にアモルファス状ニッケル合金層が被覆され、当該アモルファス状ニッケル合金層上に0.1μmRy以下の表面粗さを有する硬質クロムめっき層が被覆されていることを特徴としている。本発明における表面粗さの表記であるμmRyは、1994年制定のJIS規格による。
ロール胴部表面に被覆したアモルファス状ニッケル合金層を研磨したものにクロムめっき層が被覆され、当該クロムめっき層を研磨することによって0.1μmRy以下の表面粗さを有する硬質クロムめっき層を得ることが好ましい。
アモルファス状ニッケル合金は、ニッケル−リン合金、ニッケル−タングステン合金およびニッケル−タングステン−リン合金の中のいずれかから選択することができる。
アモルファス状ニッケル合金層は、めっき法で被覆され、0.1μmRy以下の表面粗さに研磨することが好ましく、0.05μmRy以下の表面粗さに研磨することがさらに好ましい。
硬質クロムめっき層の厚さは、0.1〜1.0μmであることが好ましく、0.05〜0.5μmであることがさらに好ましい。
クロムめっき層は、フェルトまたはスエードクロスからなる研磨パッドと、平均粒径が10μm以下の酸化物を含む遊離砥粒により研磨され、表面粗さが0.05μmRy以下であることが好ましい。本発明における平均粒径とは、当該物質の粒径分布における最小粒径と最大粒径の算術平均値をいう。
本発明の成形ロールの製造方法は、鋼材からなるロール胴部表面にアモルファス状ニッケル合金層を被覆し、次に、当該アモルファス状ニッケル合金層を研磨し、研磨後のアモルファス状ニッケル合金層上にクロムめっき層を被覆し、さらに、当該クロムめっき層を研磨することによって0.1μmRy以下の表面粗さを有する硬質クロムめっき層が最外部に被覆されている成形用ロールを製造することを特徴としている。
本発明の成形ロールは、最外部のクロムめっき層の内部にミクロクラックを内在していないので、クラックの転写やロール表面へのオリゴマー等の異物の付着がなく、ロール表面をクリーニングするために生産を中断する必要がなく、光学用途のプラスチックフィルムやプラスチックシートの成形に適用した場合において、フィルムやシートの安定生産に大きく寄与し、かかる産業の発達に大きく貢献することができる。
また、中間層はアモルファス状ニッケル合金層からなり、硬度がHV500〜600であって焼き入れ鋼並みに硬く、外部からの荷重にも十分耐えることができるので、最外部のクロムめっき層を補強して外的応力による変形を防止しやすくなる。さらに、中間層はアモルファス状ニッケル合金層からなるので、皮膜欠陥がほとんどなく、中間層上に被覆した硬質クロムめっき層表面にピットやピンホールやスクラッチなどの欠陥が発生しにくい。そして、最外部の薄膜のクロムめっき層が損傷した場合、損傷した最外部の薄膜のクロムめっき層を化学的な方法(例えば、溶解)で簡単に除去し、無傷の中間層上に新たなクロムめっき層を被覆することで、経済的に再生することができる。
図1は、クロムめっきの膜厚が2.0μmのときに、クラックが発生しためっき表面を示す写真(写真倍率が100倍)である。 図2は、クロムめっきの膜厚が1.0μmのときに、クラックが発生していないめっき表面を示す写真(写真倍率が100倍)である。 図3は、本発明の成形ロールの一例を示す平面図である。 図4は、表3におけるクロムめっき表面からの測定深度を横軸とし、表3における硬度測定値(GPa)を縦軸として示す図である。
(1)事前の検討
本発明者等は、表面粗さが0.1μmRy以下である鏡面のロールを得るために、パルス電解法によらない方法を選択した。クロムめっき浴としては、最も利用されているサージェント浴を利用して、浴温度、電流密度などのパラメーターの数値を変化させて実験した。その結果、70℃以上の高温度でクロムめっきをすると、クラックのないクロムめっき皮膜が得られたが、HV500以下の硬度となり、硬質クロムとは言えないものであった。これでは、耐傷性の観点から、到底本発明の対象とするプラスチックフィルムやプラスチックシートの成形に適用できない。
一方、クロムめっきの析出機構は古くから研究されており、クラック発生のメカニズムもほぼ明らかにされており、クロムめっきの大きな引張残留応力がクラックの原因とされている。例えば、クロムめっきと称する公知文献(日刊工業新聞社により昭和39年6月20日発行、著者 岸 松平)によれば、クロムメッキのクラックは、めっき層の内部応力がクロム原子相互の引き合う力を超えると発生し、そのままめっきを継続すると、めっき層の内部応力がクロム原子相互の引き合う力を超えるとクラックが発生するとされている。従って、クロムめっきの膜厚が薄い場合には、クラックは発生していない筈である。しかし、この場合、クラックのないクロムめっきを得ることができるめっき層膜厚の上限値は明らかにされていないけれども、少なくとも装飾クロムめっきに関してJISで基準化されている0.25μm厚までは、クラックが存在しないというのが当業者に共通する認識である。
(2)めっき層の膜厚とクラックの発生
そこで、クラックの生成しない硬質クロムめっき条件を見出すために、以下のような実験を行った。試験片としては、縦が50mmで横が50mmの正方形で10mm厚さのS50Cの炭素鋼を用い、その試験片の表面を0.1μmRy粗さに研磨した。そして、そのS50Cの試験片を、無水クロム酸が250g/literで、硫酸が2.5g/literである組成のクロムめっき浴に浸漬して、浴温を50℃、電流密度を25A/dmとして固定し、電解時間を変化させることによってクロムめっき厚みを変化させた。そして、クロムめっき後のS50Cの試験片の表面を顕微鏡で拡大観察(100倍)することによってクラックの有無を調査するとともに、表面粗さを測定した。そして、クロムめっきしたS50Cの試験片を100℃、200℃、300℃、350℃の各温度で1時間保持した後、20℃の冷水中へ投入するという熱衝撃試験を行い、熱衝撃試験後のS50Cの試験片の表面を顕微鏡で拡大観察(100倍)することによってクラックの有無を調査した。以上のクラックの有無と表面粗さの測定結果を以下の表1に示す。表1において、記号「○」は試験片にクラックが発生しなかったことを示し、「△」は試験片の一部にクラックが発生したことを示し、「×」は試験片にクラックが明確に発生したことを示す。また、表面粗さの測定は、東京精密社製のサーフコム480Aによった。
表1によれば、クロムめっき層の膜厚と熱衝撃試験温度の間には相関があり、めっきのままでクラックを生じない膜厚(0.2〜1.0μm)であれば、プラスチックフィルムやプラスチックシートの製造工程で一般的に実施されている300℃までの温度域での熱衝撃試験でもクラックを生じないことを発見した。図1は、クロムめっき膜厚が2.0μmの表面を拡大観察した写真であり、図2はクロムめっき膜厚が1.0μmの表面を拡大観察した写真である。図1には明らかにクラックの発生(左上方から右下方に至る数本の線)が認められるが、図2にはこのようなクラックは見られない。
また、表1より、クロムめっき厚とクロムめっき被覆後の表面粗さとの関係については、クロムめっき厚が増加するに伴い、表面粗さが大きくなる傾向にあり、このままでは、目標とする表面粗さ(0.1μmRy)を達成できないことが分かった。
そこで、クロムめっき条件を変化させて、めっき膜厚とクラック発生、めっき膜厚と熱衝撃試験後のクラック発生、めっき膜厚と表面粗さの関係について実験を繰り返した。その結果、めっき膜厚とクラック発生との関係については、浴組成として無水クロム酸が200〜300g/literで硫酸が2〜3g/liter、浴温が45〜55℃、電流密度が10〜35A/dmである範囲において、表1の熱衝撃試験の結果をほぼ再現できることが分かった。また、クロムめっき厚の範囲としては0.2〜1.0μmが好ましいことが分かった。
(3)0.1μmRy以下の表面粗さを達成するための手段
0.1μmRy以下の表面粗さを有する硬質クロムめっき層が被覆されている成形ロールを提供するという課題を解決するためには、クロムめっき層の金属下地の平滑度を上げるか、クロムめっき層の下層として平滑化しやすくてクラックのない中間層を設けるか、又は薄膜のクロムめっき層を研磨するかのいずれかの方法を選択することができる。これらの中で、クロムめっき層の金属下地の平滑度を上げる方法は、もともと鉄鋼材料は成分的に不均一で非金属介在物を含有しているために、クロムめっき層にピンホールやザラツキなどの欠陥を生じやすいという欠点がある。また、クロムめっき層を研磨して平滑化するには、膜厚が薄すぎて通常の研磨方法を利用できない。
そこで、本発明者等は、0.1μmRy以下の表面粗さを有する硬質クロムめっき層をその上部に形成することのできる中間層について、以下のように検討した。
(4)中間層の検討
同上S50Cの試験片に、銅めっきまたはリン含有量が8重量%以上のニッケル−リン合金めっきを施し、ダイヤモンド切削加工により0.06μmRy以下の表面粗さの鏡面に切削加工した。銅めっきとニッケル−リン合金めっきの膜厚は、ともに100μmである。そして、そのS50Cの試験片を上記(2)の浴組成のクロムめっき浴に浸漬して、同上浴温(25℃)、同上電流密度(25A/dm)で、電解時間を変化させることによって銅めっきまたはニッケル−リン合金めっきの中間層上に被覆するクロムめっき厚みを変化させた。そして、クロムめっき後のS50Cの試験片の表面を顕微鏡で拡大観察(100倍)することによってクラックの有無を調査するとともに、表面粗さを測定した。そして、クロムめっきしたS50Cの試験片を100℃、200℃、300℃、350℃の各温度で1時間保持した後、20℃の冷水中へ投入するという熱衝撃試験を行い、熱衝撃試験後のS50Cの試験片の表面を顕微鏡で拡大観察(100倍)することによってクラックの有無を調査した。以上の表面粗さとクラックの有無の測定結果を以下の表2に示す。表2における記号「○」、「△」および「×」の意味は表1と同じである。また、表面粗さの測定は、東京精密社製のサーフコム480Aによった。
表2より、中間層が銅めっき及びニッケル−8wt%リン合金めっきのいずれにおいても、切削加工後の表面粗さを0.03〜0.06μm程度とすることにより、表層のクロムめっき皮膜の厚みが1.0μmまでであれば、クラックがなく、目標とする表面粗さのクロムめっき層を得られることが分かった。
一方、中間層のめっき種により、熱衝撃試験の結果に差異が生じている。銅めっきと、ニッケル−8wt%リン合金めっきとの熱衝撃試験の差異は、それぞれの熱膨張係数が異なるからである。熱膨張係数の大きい銅を中間層とすると、熱衝撃試験での加熱時の熱膨張に耐え切れなくなってクラックが発生しやすくなるのである。なお、室温近傍での熱膨張係数と230℃での熱膨張係数は、クロム、銅、ニッケル−8wt%リン合金について、それぞれ「4.9×10−6、8.8×10−6」、「16.5×10−6、18.3×10−6」、「12.9×10−6、11.5×10−6」である。
中間層の熱膨張係数の大小が、表層のクロムめっき層のクラック発生の有無を左右する傾向があることが分かったので、中間層として好ましい皮膜種の選定要件として熱膨張係数を考慮しながら、研磨ないし切削後の加工面粗さを0.05μmRy前後の粗さとすることができる皮膜種の選定を行なった。
具体的には、ニッケルめっき、光沢ニッケル、ニッケル−コバルト合金めっき、ニッケル−タングステン合金めっき、ニッケル−タングステン−リン合金めっき、ニッケル−鉄合金めっき、ニッケル−リン合金など種々のめっき皮膜について検討を行った。
その結果、研磨ないし切削後の加工面粗さとして0.1μmRy以下を容易に満足し、且つ表層のクロムめっき層にクラックを生じ難い中間層の皮膜種としては、ニッケル−リン合金、ニッケル−タングステン合金、ニッケル−タングステン−リン合金などアモルファスないし準アモルファス状となり易い合金めっき種が最も適していることを見出した。その理由は、アモルファスであるために結晶形態をとらず、研磨や切削によって表面を平滑に出来るからである。これらのアモルファス合金の表面にクラックの無いクロムめっきを1.0μm被覆して300℃での熱衝撃試験(300℃で1時間保持後20℃の冷水中へ投入)を行っても、銅を中間層としたときのようにクラックを発生することは無いことを確認できた。
なお、中間層として適切な皮膜厚みは、ロールとしての形状精度出しと表面粗さ改善のための研磨、研削、切削、ラッピングなどの後加工で中間層が除去されても、金属下地が露出しない厚み以上であれば特に厚みの制約はない。しかし、ロール素材の塑性変形を防止するために実施する焼き入れ代替層として中間層にこの機能を兼ねさせるためには、中間層の硬度はHV500以上であり、中間層の厚みは少なくとも50μm、望ましくは中間層の厚みは100μm以上とすることがより好適である。
なお、中間層としてニッケル−リン合金、ニッケル−タングステン合金、ニッケル−タングステン−リン合金を得るために適しためっき液の組成とその適用条件の例は、以下の通りであるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
(5)本発明の中間層を得るための好ましいめっき液の組成と適用条件
a.ニッケル−リン合金めっき(P含有量が8wt%以上)
pH 1〜4
硫酸ニッケル 100〜200g/liter
クエン酸ナトリウム 80〜120g/liter
亜リン酸 30〜80g/liter
ホウ酸 20〜40g/liter
浴温 40〜60℃
電流密度 1〜5A/dm
b.ニッケル-タングステン合金めっき(W含有量が35wt%以上)
pH 5〜8
硫酸ニッケル 40〜65g/liter
タングステン酸ナトリウム 50〜80g/liter
クエン酸二アンモニウム 35〜55g/liter
ギ酸ナトリウム 5〜20g/liter
浴温 55〜65℃
電流密度 5〜20A/dm
c.ニッケル−タングステン-リン合金めっき
pH 4〜5
硫酸ニッケル 25〜75g/liter
タングステン酸ナトリウム 30〜90g/liter
クエン酸二アンモニウム 80〜100g/liter
亜リン酸 2〜4g/liter
浴温 40〜70℃
電流密度 5〜20A/dm
以上の基礎実験の結果、熱衝撃を受けてもクロムめっき層にクラックを発生しない中間層のめっき種としてはニッケル−リン合金めっきやニッケル−タングステン合金めっきやニッケル−タングステン−リン合金めっきなどのアモルファス状ニッケル合金が好ましいことが分かり、その中間層のめっき厚みとしては100μm以上が好ましいことが分かった。同時に中間層の表面粗さとして、0.06μmRy以下の平滑な鏡面性を要することが分った。
(6)鏡面のクロムめっきロールの試作
そこで、図3に示すように、ロール胴部1としてSTKM13Aを使用し、ロール軸部2としてS45Cを使用し、ロール胴部1の直径が450mmで胴長が1800mmである本発明の成形用ロールの一例(以下、試験ロールという)を実際に製作した。その試験ロールの胴部1を精密加工して表面粗さを1.0μmRyに仕上げ、さらに、試験ロールの胴部1の表面を脱脂して活性化処理を施した後、200μm厚みのニッケル−10wt%リン合金めっきを被覆した。そして、そのニッケル−リン合金めっきを被覆した試験ロールの胴部1を単結晶ダイヤモンドバイトにより切削加工して、0.03〜0.05μmRyの表面粗さに仕上げた後、電解脱脂および活性化処理を経て、無水クロム酸が250g/literで硫酸が2.5g/literである標準的なサージェント浴を用いて、浴温が48℃で、電流密度が25A/dmの条件で電気めっきして、0.8μm厚のクロムめっきを被覆した鏡面ロールを製作した。このクロムめっきを被覆した試験ロールの胴部1の表面粗さは0.07〜0.09μmRyで、その表面を拡大観察してもクラックは一切認められなかった。このようにして、表面粗さが0.10μmRy以下であって、クラックのないクロムめっき層を有する成形ロールを提供するという目的を達成することができた。
しかし、ロール表面の埃を拭うためにガーゼやクリーンルーム用のワイパー(キュプラ長繊維不織布、例えば、旭化成社製のベンコット)で表面を擦ると、通常のクロムめっきを研磨して鏡面ロールとしたものに比べて異常に傷が付きやすいことが分かった。なお、ここで言う傷とは、肉眼で判別しうる30μm程度の大きさを下回る微小な傷であって、且つ光学的用途において影響しない0.2〜0.3μm程度を超えるスクラッチ状の傷を指している。
(7)クロムめっき層の硬度の上昇
中間層表面の超平滑化を実施し、中間層上のクロムめっき膜厚をコントロールすることで、クロムめっきしたままの状態で、表面粗さが0.10μmRy以下の鏡面が得られることは見いだしたが、耐傷性にやや劣ることが分かった。そこで、本発明者は、耐傷性を向上させるために、縦、横の大きさがそれぞれ50mmで、厚みが10mmの正方形状のS50Cの試験片の片面に100μmの厚みのアモルファス状のニッケル−リン合金を被覆して中間層とし、その中間層の表面をダイヤモンドバイトで切削して0.05μmRyの表面粗さとしたものの上に、めっき条件として、浴温を50℃、電流密度を25A/dmに固定して、膜厚が2μmと20μmの2種類のクロムめっきを施した。
その後、めっき膜厚が2μmの試験片はクロムめっきのままとし、めっき膜厚が20μmの試験片は平面板専用の研磨機で番手を変化させて研磨し、0.1μmRyの表面粗さに仕上げた。なお、クロムめっきしたままの膜厚2μmの試験片と膜厚20μmの試験片の表面粗さは、それぞれ0.09μmRyと0.4μmRyであった。次いで、上記試験片の表面からの硬度を段階的に測定するためにナノインデンターを用いて超微小硬度を測定した。すると、通常のビッカース硬度計による表示とは異なるが、以下の表3のように、研磨後のクロムめっき面は、クロムめっきのままの面よりも著しく高硬度となることを見出した。なお、GPaを100倍したものは、ほぼビッカース硬さ(HV)に等しい。
図4は、表3におけるクロムめっき表面からの測定深度(μm)を横軸とし、表3における硬度測定値(GPa)を縦軸として、表3の数値を図示したものである。図4において、記号「●」は、めっきのままのクロムめっき面を示し、記号「○」は研磨後のクロムめっき面を示す。表3および図4から、クロムめっき面を研磨することにより硬さが増加し、特に極表層の硬さ上昇が顕著であることが分かる。このようにして、クロムめっき層を研磨することにより著しく硬さが増加し、耐傷性を向上し得ることが分かる。
(8)薄膜クロムめっき層の平滑化と高硬度化の達成
以上のように、クロムめっき層を物理的に研磨すると極表層は著しく高硬度化することを見出したので、アモルファス状の中間層を露出させることなくクラックのない1.0μm程度の厚さの薄膜を物理的に研磨して、一層の平滑化と高硬度化を達成することを目的として種々の方法について検討した。その結果、アモルファス状ニッケル合金の中間層を切削や研磨により、表面粗さを0.1μmRy、好ましくは0.05μmRy以下とし、その表面を脱脂して活性化処理を施した後、1.0μm以下の厚みのクロムめっきを被覆し、次いで、そのクロムめっき面をフェルトやスエードクロムなどの研磨パッドと、平均粒径が20μm以下、好ましくは、10μmから0.1μmの遊離砥粒とを組み合わせて研磨すると、クロムめっきの膜厚を殆ど減少させることなく、表面粗さが0.1μmRy以下で、研磨に伴なうスクラッチの発生もない鏡面のクロムめっき面を得ることが可能となり、本発明を完成するに至った。
なお、遊離砥粒としては、酸化クロム、アルミナおよび炭化ケイ素の中の少なくとも1種類、又はこれらの内から選択した2種類以上の混合物と水と適量の分散助剤とを懸濁させたもので研磨する方法が好ましい。なお、上記研磨パッドと遊離砥粒とで研磨したクロムめっき層の表面硬度をナノインデンテーション法で測定すると、表面からの深さが0.1μm以下の範囲は、常に20GPa以上の高硬度であることも確認できた。なお、ナノインデンテーション法による硬度とミクロビッカース硬度とは、ほぼ近似していた。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において、適宜変更や修正が可能である。
直径が450mmで胴長が1800mmの同上試験ロールの胴部をグラインダ研磨加工した後にバフ研磨により表面粗さを1μmRy程度とした表面に、上記(5)aのニッケル−リン合金めっき浴と条件を用いて、150μmのニッケル-リン合金の中間層を被覆した。そして、円筒精密鏡面仕上機にて#1000WAレジンボンドの砥石により、砥石ヘッド回転数を200rpm、試験ロール回転数を100rpm、砥石ヘッド送り速度を300mm/分、給水量を2liter/分とする条件で、試験ロールの胴部に被覆したニッケル-リン合金の表面を0.4μmRyの表面粗さまで研磨した。
続いて、フェルトと遊離砥粒を用いて、試験ロールの胴部に被覆したニッケル−リン合金の表面をさらに研磨した。すなわち、遊離砥粒としては、平均粒径が10μmのアルミナを10wt%含有し、10%の硝酸アルミニウムと少量の分散助剤からなる研磨液を適下速度5ml/秒の割合で連続して滴下しながら、フェルト装着ヘッド回転数を150rpm、試験ロール回転数を100rpm、フェルト装着ヘッドの送り速度を300mm/分、加工面圧を100g/cmとする条件でニッケル−リン合金の表面を研磨し、表面粗さが0.06μmRyの表面を得た。当該試験ロールを20%硫酸溶液に5分間浸漬した後、無水クロム酸が250g/literで、硫酸が2.3g/literである組成のクロムめっき浴を用いて、浴温を50℃、電流密度を30A/dmとして、ニッケル−リン合金層上に0.5μmの厚みのクロムめっきを被覆した。クロムめっき後の表面粗さは、0.08μmRyであった。
再度、同一の円筒精密鏡面仕上機に試験ロールを装着し、研磨パッドをスエードクロスとした研磨ヘッドにて、研磨ヘッド回転数を150rpm、試験ロール回転数を80rpm、研磨ヘッド送り速度を300mm/分とし、遊離砥粒として、平均粒径が10μmのアルミナを10wt%含有し、10%の硝酸アルミニウムと少量の分散助剤からなる研磨液を適下速度3ml/秒で連続して滴下しながら試験ロールのクロムめっき面を研磨した。
研磨後の試験ロール表面の粗さについて、触針式粗さ計でロール胴部両端と中央部の表面粗さを測定すると、0.03〜0.04μmRyの範囲に含まれていた。また、ロール端近傍のめっき膜厚を電解式膜厚計で測定すると、胴部両端のそれぞれ3回ずつの測定値の平均は0.42μmであって、最初のめっき厚み0.5μmに比べて0.1μm未満の減肉に留めることが出来た。そして、耐傷性を見るために、ガーゼでごしごしと上記試験ロールの胴部表面を擦った後、光ファイバーライトガイドで擦り傷を確認したが、特に傷は認められず、また、CCDにて表面を100倍に拡大観察してもクロムめっき固有のクラックは認められなかった。
本発明は、特に光学シートや光学フィルムの成形ロールとして利用することができる。
1 ロール胴部
2 ロール軸部

Claims (6)

  1. 鋼材からなるロール胴部表面にアモルファス状ニッケル合金層が被覆され、当該アモルファス状ニッケル合金層上に、0.1μmRy以下の表面粗さを有し且つ表面を100倍で拡大観察したときにクラックのない硬質クロムめっき層が被覆され
    前記アモルファス状ニッケル合金層は、0.1μmRy以下の表面粗さを有することを特徴とする成形ロール。
  2. アモルファス状ニッケル合金は、ニッケル−リン合金、ニッケル−タングステン合金およびニッケル−タングステン−リン合金の中のいずれかから選択したものであることを特徴とする請求項1記載の成形ロール。
  3. 硬質クロムめっき層の厚さは、0.1〜1.0μmであることを特徴とする請求項1又は2記載の成形ロール。
  4. 硬質クロムめっき層は、表面粗さが0.05μmRy以下であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項記載の成形ロール。
  5. 鋼材からなるロール胴部表面にアモルファス状ニッケル合金層を被覆し、次に、当該アモルファス状ニッケル合金層を研磨又は切削し、研磨後又は切削後のアモルファス状ニッケル合金層上にクロムめっき層を被覆し、さらに、当該クロムめっき層を研磨することによって0.1μmRy以下の表面粗さを有し且つ表面を100倍で拡大観察したときにクラックのない硬質クロムめっき層を最外部に被覆することを特徴とする、請求項1からのいずれか1項記載の成形ロールの製造方法。
  6. クロムめっき層はフェルトまたはスエードクロスからなる研磨パッドと、平均粒径が10μm以下の酸化物を含む遊離砥粒により研磨されることを特徴とする請求項記載の製造方法。
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