上記のようにワイヤーを巻回することにより蒸気配管を補強する方法では、蒸気配管における補強対象部分にワイヤーを、蒸気配管を切り出さずに巻回する場合には、建屋の梁や蒸気配管を固定している固定金具等が、ワイヤーを巻回する際の障害となり得る。とりわけ、ワイヤーの巻回を機械で行う場合、蒸気配管の周囲に十分な空間を確保することが難しい場合がある。
このため、例えば、蒸気配管の外周に沿い、当該蒸気配管を挟むように当接される金属製の2つの補強部材にて蒸気配管を囲繞し、2つの補強部材同士をボルトなどにより接合して補強する方法も考えられるが、蒸気配管の蒸気圧力に耐えうる強度を備えるためには、補強部材が所定の厚み必要とするため重量が嵩み、補強部材の取り回し等が困難となり作業性が悪いという課題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、配管への取り付けにおける作業性に優れた配管用の補強用具を提供することにある。
前述の目的を達成するため、本発明は、内部の高温高圧流体によってクリープが生じる金属製の配管の外周面に沿って当該配管を周方向に囲繞する状態で配置され、前記配管のクリープ強度を補強する補強用具であって、前記周方向に配置され複数の補強部材が接合されてなり、各々の前記補強部材は、前記配管の径方向に重ね合わせられる複数の積層部材にて構成されており、前記積層部材は、前記配管の周方向に沿って湾曲された湾曲部、及び、前記湾曲部の前記周方向における縁から前記径方向に突出されたフランジ部を有し、互いに隣り合う前記補強部材が有する前記複数の積層部材の前記フランジ部同士が固定部材にて固定されて前記複数の補強部材が接合されることを特徴とする補強用具である。
本発明の補強用具によれば、周方向において接合されて配管を囲繞する複数の補強部材は、複数の積層部材が配管の径方向に重ね合わせられているので、補強部材同士が接合されていない状態では、積層部材を各々別体として扱うことが可能である。このため、配管を補強する際には、一体として形成されている補強部材より軽量な積層部材を重ね合わせ、積層部材が積層された補強部材同士を接合するだけなので、取り回しなど取り付け作業が容易である。そして、複数の積層部材を重ね合わせることにより、配管を、一体に形成された補強部材と同様に補強することが可能である。すなわち、配管への取り付けにおける作業性に優れた配管用の補強用具を提供することが可能である。
このような補強用具によれば、湾曲部とフランジ部を有する複数の積層部材を積層した補強部材を、配管を囲繞する状態に配置し、隣り合う補強部材の重ね合わせられたフランジ部同士を固定部材にて固定するだけで配管を補強することが可能である。このとき、各積層部材の湾曲部は、配管の周方向に沿って湾曲され、配管の径方向に重ね合わせられているので、軽量な積層部材を重ね合わせることにより、高いクリープ強度を備えることが可能である。
前述の補強用具において、前記フランジ部には、当該フランジ部の厚み方向に貫通する貫通孔が設けられており、前記固定部材は、軸部が前記貫通孔に挿通されるボルトと、前記ボルトに螺合されるナットとであることが望ましい。
このような補強用具によれば、隣り合うフランジ部同士の固定をボルトにナットを螺合することにより行うことができ、構成の簡素化が図れるとともに簡単な作業にて配管を補強することが可能である。
前述の補強用具において、前記補強部材は、互いに隣り合う前記補強部材が接合されて前記配管を囲繞した際に、接合されている前記補強部材の前記フランジ部間は、互いに間隔が隔てられていることが望ましい。この構成では、固定部材でフランジ部同士が互いに引き寄せ合うように近接されて固定されることにより湾曲部を配管により確実に接触させることが可能なので、配管の膨張を抑制することができる。
前述の補強用具において、前記フランジ部の厚みは、前記湾曲部の厚みよりも大きいことが望ましい。この構成では、固定部材でフランジ部同士をより強固に締め付けることが可能である。
前述の補強用具において、前記配管は、複数の配管部材が突き合わせられて溶接された溶接部を有し、前記溶接部においては、当該溶接部から離れる方向に向かって、前記積層部材の積層数が大きくなるように前記積層部材が配置されることが望ましい。この構成では、溶接部から離れる方向に向かって、積層部材の積層数が大きくなるように積層部材が配置されるので、配管が膨張する方向に力が作用した際の溶接部への応力集中を軽減することが可能である。
前述の補強用具において、前記補強部材は、前記配管を構成する金属よりもクリープ強度が高い金属で形成されていることが望ましい。この構成では、補強強度を高めることが可能である。
本発明によれば、配管への取り付けにおける作業性に優れた配管用の補強用具を提供することが可能である。
以下、本発明の実施形態について、金属製の配管として蒸気配管を例に挙げて説明する。図1は、補強用具10で補強された蒸気配管Xの構成を説明する図である。図2は、蒸気配管の直管部に取り付けられた補強用具を示す側面図である。
図1、図2に示すように円筒状をなす蒸気配管Xは、内部空間に動力用蒸気(蒸気温度=300℃〜650℃、蒸気圧力=5Mpa〜8Mpa)を長期間に亘って流すものであり、この動力用蒸気によってクリープが生じるものである。高温高圧の蒸気を流すことから、蒸気配管Xは、熱膨張率の低い(クリープ強度が大きい)フェライト系クロム鋼(例えば9Cr〜12Cr)で形成されている。
蒸気配管Xの直径は、用途によって様々であるが、例えば200mm以上1000mm以下の範囲に定められる。また蒸気配管Xの肉厚txは40mm以上70mm以下の範囲に定められる。なお、蒸気配管Xの直径や肉厚は、動力用蒸気の温度、圧力、流量、及び、流速といった諸条件を加味して定められる。
本実施形態における補強対象部分は、蒸気配管Xのほぼ直線状をなす直管部分である。このような直管部分は、図2に示すように、所定の長さに形成された複数の配管部材1が、長手方向における互いの端部1aが突き合わせられて溶接されて数百メートルにもおよぶ長さを有している。また、図4に示すように、連結された蒸気配管Xの直管部分における長手方向の端部Xaには、ほぼ90度、すなわちL字状に屈曲された屈曲部分(所謂エルボー部)をなす配管部材2の端部2aが突き合わせられて溶接されている。このため、蒸気配管Xは長手方向における複数の箇所に、管の周方向に全周にわたって溶接した周溶接部1bを有している。
蒸気配管Xの直管部分には、蒸気配管Xのクリープ強度を補強する補強用具10が取り付けられている。補強用具10は、蒸気配管Xの長手方向に沿って所定長さを有し蒸気配管Xの周方向に沿って配置される複数の補強部材11と、周方向に隣り合う補強部材同士を接合する固定部材としてのボルト15及びボルト15に螺合されるナット16と、を有している。本実施形態においては、図3に示すように、蒸気配管Xの外周面Xbを、蒸気配管Xの中心Oを通り径方向に沿う仮想面Sにて2つの領域に区画した、各々の区画領域をほぼ覆うように形成された2つの補強部材11が、蒸気配管Xを挟むように、蒸気配管Xの径方向における両側から蒸気配管Xの外周面Xbに当接されて蒸気配管Xを囲繞するように配置されている。
各々の補強部材11は、それぞれ蒸気配管Xの径方向に重ね合わせられる複数(本実施形態では3枚)の積層部材12、13、14にて構成されている。各積層部材12、13、14は、蒸気配管Xの素材(フェライト系クロム鋼)よりもクリープ強度の大きい素材によって形成されている。例えば、ステンレス鋼、ニッケル合金、コバルト合金、高クロム鋼が用いられる。このように、各積層部材12、13、14の素材を、蒸気配管Xの素材よりもクリープ強度の大きい素材とすることにより、蒸気配管Xに対する補強強度を高めている。また、隣り合う補強部材11同士を固定するためのボルト15及びナット16は、補強部材11と同様に蒸気配管Xの素材よりもクリープ強度の大きい素材にて形成されている。本実施形態では、補強部材11と同じ素材(例えばSUS304)で形成されている。
各々の積層部材12、13、14は、各積層部材12、13、14に対して蒸気配管Xの中心O側に位置する蒸気配管Xまたは積層部材12、13の外周面Xb、12a、13aに沿って互いに重なり合うように湾曲された湾曲部12b、13b、14b及び、湾曲部12b、13b、14bの周方向における縁から径方向に突出されたフランジ部12c、13c、14cを有する、屈曲された板状をなしている。各積層部材12、13、14の湾曲部12b、13b、14bが、蒸気配管Xの外周面Xbを囲繞する部位をなし、フランジ部12c、13c、14cが互いに隣り合う補強部材11、より具体的には、周方向において隣り合い、重ね合わせられた積層部材12、13、14同士を固定するための部位をなしている。
以下の説明においては、補強部材11を構成し径方向に重ね合わせられる積層部材12のうち、最も内周側、すなわち、蒸気配管X側に配置される積層部材を内積層部材12とし、最も外周側に配置される積層部材を外積層部材14とし、内積層部材12と外積層部材14との間に配置される積層部材を中積層部材13とする。
最も内周側にて蒸気配管Xの外周面Xbを覆うように配置される内積層部材12は、湾曲部12bの内周面12dが蒸気配管Xの外周面Xbの曲率半径とほぼ同じ曲率半径にて形成されており、湾曲部12bの弧の長さは、蒸気配管Xの弧の長さより僅かに短く形成されている。中積層部材13は、湾曲部13bの内周面13dが内積層部材12の外周面12aの曲率半径とほぼ同じ曲率半径にて形成されている。外積層部材14は、湾曲部14bの内周面14dが中積層部材13の外周面13aの曲率半径とほぼ同じ曲率半径にて形成されている。すなわち、中積層部材13の湾曲部13bにおける内面の曲率半径は、内積層部材12の湾曲部12bにおける内周面12dの曲率半径より、内積層部材12の厚み12t分長く、外積層部材14の湾曲部14bにおける内周面14dの曲率半径は、中積層部材13の湾曲部13bにおける内周面14dの曲率半径より、中積層部材13の厚み13t分長く形成されている。
内積層部材12の湾曲部12b、中積層部材13の湾曲部13b、及び、外積層部材14の湾曲部14bの周方向における縁から径方向に突出されたフランジ部12c、13c、14cは、各々の縁から湾曲部12b、13b、14bの外側に向かい互いに反対方向に突出されている。そして、内積層部材12のフランジ部12c、中積層部材13のフランジ部13c、及び、外積層部材14のフランジ部14cは、内積層部材12、中積層部材13、及び、外積層部材14が重ね合わせられ際に、フランジ部12c、13c、14c同士も重なり合うように構成されている。
各フランジ部12c、13c、14cには、互いに隣り合う補強部材11を固定するためのボルト15の軸部15aが各フランジ部12c、13c、14cをその厚み方向に貫通するように挿通される貫通孔12e、13e、14eが、蒸気配管Xの長手方向、すなわち、内積層部材12、中積層部材13、及び、外積層部材14の長手方向に沿って適宜間隔を隔てて複数設けられている。貫通孔12e、13e、14eの直径は、挿通されるボルト15の軸部15aの直径より大きく、ボルト15の頭部15b及びナット16の大きさよりも小さく形成されている。このため、隣り合う補強部材11の重ね合わせられたフランジ部12c、13c、14c同士の貫通孔12e、13e、14eにボルト15を挿通してナット16を螺合することにより、ボルト15の頭部15bとナット16で隣り合うフランジ部12c、13c、14cを挟み、ボルト15にナット16を締め込むことによりフランジ部12c、13c、14c同士が強固に固定される。
本実施形態においては、補強用具10が有する補強部材11を2つとしたので、2つの補強部材11は、各々互いに隣り合う補強部材11となる。そして、2つの補強部材11を、蒸気配管Xを挟むようにして蒸気配管Xを囲繞した際には、互いの内積層部材12のフランジ部12c同士が、互いに間隔を隔てて対面し、2つの内積層部材12のフランジ部12c間に隙間spが生じる。すなわち、2つの補強部材11が有する内積層部材12の湾曲部12bにおける周方向の長さの和は、この隙間spが生じる長さに定められている。この隙間spは、各補強部材11によって蒸気配管Xの膨張を抑制するために形成されている。具体的には、ボルト15及びナット16でフランジ部12c、13c、14c同士を互いに引き寄せるように近接させて固定することで、隙間spの分だけ湾曲部12b、13b、14bを周方向に引っ張ることができる。これにより、湾曲部12b、13b、14bによって蒸気配管Xが締め付けられ、蒸気配管Xの膨張に対抗することができる。
次に、前述の補強用具10による蒸気配管Xの補強作業について説明する。
まず、2つの補強部材11のうちの一方の補強部材11を蒸気配管Xの片半部分に配置した後、他方の補強部材11を蒸気配管Xの反対側の部分に配置する。このとき、各補強部材11は、長手方向に長い大きな部材であり重量が嵩むため、積層部材12を1枚ずつ蒸気配管Xの片半部分及びの反対側の部分に配置しつつ、内積層部材12、中積層部材13、及び、外積層部材14を重ね合わせて蒸気配管Xを囲繞するように配置する。そして、互いに隣り合うように配置された2つの補強部材11のフランジ部12c、13c、14c同士をボルト15とナット16で締め付けて固定する。これにより、補強用具10が蒸気配管Xに取り付けられる。
補強部材11を構成する複数の積層部材12、13、14の長手方向の位置を、互いにずれることなく重ね合わせて蒸気配管Xを補強した状態で蒸気配管Xが膨張すると、補強部材11に囲繞されている部位と、囲繞されていない部位の境界において曲げ応力が集中する。蒸気配管Xは、前述したように、複数の配管部材1が端部1a同士を突き合わせて溶接して連結した周溶接部1bを有しており、周溶接部1bの近傍では曲げ応力が集中することが防止することが望ましい。
このため、蒸気配管Xの直管部分における周溶接部1bでは、周溶接部1bの近傍に、補強部材11に囲繞されている部位と、囲繞されていない部位の境界(以下、境界部分という)が位置しないように、補強用具10を配置する。しかしながら、屈曲部分をなす配管部材2の端部2aが突き合わせられて溶接されている部分など、境界部分を周溶接部1bの近傍に配置せざるを得ない場合には、補強部材11の端部側において積層部材12、13、14が重なり合う枚数を少なくする。
具体的には、図4に示すように、補強部材11の端部側において、内積層部材12の最も端に設けられた貫通孔12e(図3参照)には、互いに隣り合う補強部材11の内積層部材12同士のみを固定するボルト15を挿通する。内積層部材12の端から2番目に設けられた貫通孔12eと、中積層部材13の最も端に設けられた貫通孔13e(図3参照)とが重なるように、中積層部材13を内積層部材12に重ね合わせ、重ね合わせられた貫通孔12e、13eに、2つの補強部材11の内積層部材12及び中積層部材13同士を固定するボルト15を挿通する。内積層部材12の端から3番目に設けられた貫通孔12eと、中積層部材13の端から2番目に設けられた貫通孔13eと、外積層部材14の最も端に設けられた貫通孔14e(図3参照)とが重なるように、外積層部材14及び中積層部材13を内積層部材12に重ね合わせ、重ね合わせられた貫通孔12e、13e、14eに、2つの補強部材11の外積層部材14、中積層部材13、及び、内積層部材12同士を固定するボルト15を挿通する。このように蒸気配管Xの周溶接部1bの近傍では、補強部材11の端部から離れるにしたがって、積層される積層部材12、13、14の枚数を段階的に増やすことにより、曲げ応力の集中が防止される。
このとき、補強部材11において、周溶接部1bとは反対側の端部では、外積層部材14が中積層部材13及び内積層部材12より長手方向に突出し、中積層部材13が内積層部材12より長手方向に突出することになるが、図5に示すように、長手方向に連ねて設けられる新たな補強用具10の端部を、周溶接部1bの近傍と同様に配置して繋ぐことにより、直管部分については、同様の厚みを備えた補強部材11にて蒸気配管Xを補強することが可能となる。
以上の説明から判るように、本実施形態の補強用具10では、周方向において接合されて蒸気配管Xを囲繞する複数の補強部材11は、各々複数の積層部材12、13、14が蒸気配管Xの径方向に重ね合わせられているので、補強部材11同士が接合されていない状態では、積層部材12、13、14が各々別体として扱うことが可能である。このため、蒸気配管Xを補強する際には、一体として形成されている補強部材より軽量な積層部材12、13、14を重ね合わせ、積層部材12、13、14が重ねられた補強部材11同士を接合するだけなので、取り回しなど取り付け作業が容易である。そして、各々は軽量な積層部材12、13、14であっても、複数の積層部材12、13、14を重ね合わせることにより、蒸気配管Xを、一体に形成された補強部材と同様に補強することが可能である。すなわち、蒸気配管Xへの取り付け作業における作業性に優れた配管用の補強用具10を提供することが可能である。
また、湾曲部12b、13b、14bとフランジ部12c、13c、14cとを有する複数の積層部材12、13、14を重ね合わせた補強部材11を、蒸気配管Xを囲繞する状態に配置し、隣り合う補強部材11の重ね合わせられたフランジ部12c、13c、14c同士をボルト15とナット16にて固定するだけで蒸気配管Xを補強することが可能である。このとき、各積層部材12、13、14の湾曲部12b、13b、14bは、蒸気配管Xの中心O側に位置する蒸気配管Xまたは積層部材12、13の外周面Xb、12a、13aに沿って互いに重なり合うように湾曲されているので、軽量な積層部材12、13、14を重ね合わせることにより、高いクリープ強度を備えることが可能である。
また、互いに隣り合うフランジ部12c、13c、14c同士の固定をボルト15にナット16を螺合することにより行うことができ、構成の簡素化が図れるとともに簡単な作業にて蒸気配管Xを補強することが可能である。
また、補強部材11は、互いに隣り合う補強部材11同士が接合されて蒸気配管Xを囲繞した際に、接合される補強部材11における内積層部材のフランジ部12c間が、互いに間隔が隔てられているので、ボルト15にナット16でフランジ部12c、13c、14c同士が互いに引き寄せ合うように近接させて固定することにより、湾曲部12b、13b、14bを蒸気配管Xにより確実に接触させることが可能なので、蒸気配管Xの膨張を抑制することが可能である。
また、積層部材12、13、14が積層されて構成される補強部材11は、蒸気配管Xが有する周溶接部1b近傍においては、当該周溶接部1bから離れる方向に向かって、積層部材12、13、14の積層数が大きくなるように積層部材12、13、14が配置されているので、周溶接部1bへの応力集中を軽減することが可能である。
また、補強部材11、すなわち、各積層部材12、13、14は、補強対象である蒸気配管Xを構成する金属よりもクリープ強度が高い金属で形成されているので、補強部材11の耐力を高めることが可能である。
上記実施形態においては、各補強部材11が備える積層部材12、13、14の枚数を3枚としたが、これに限るものではない。
上記実施形態においては、各々の積層部材12、13、14が、屈曲された板状、すなわちほぼ均一な厚みにて形成されている例について説明したが、これに限るものではない。たとえば、フランジ部の厚みが、湾曲部の厚みよりも大きくなるように成型等により形成されていてもよい。これは、ボルトとナットとにより固定された際に、フランジ部には大きな荷重が加わるためであうぃ、ボルト・ナットによる締め付け力に十分耐えられるよう、フランジ部の板厚を湾曲部の板厚よりも大きくしてもよい。たとえば、フランジ部の板厚を湾曲部の板厚の2倍に設定する、或いは、2倍〜3倍の比率に設定してもよい。
前述の固定部材はボルト15とナット16とによって構成されていたが、この構成に限定されるものではない。例えば、万力のように、一対のフランジ部を外側から内側に向けて押圧するものであってもよい。
また、配管は、動力用蒸気を流すものに限られない。動力用蒸気と同程度の高温高圧の蒸気を流す蒸気配管Xであってクリープ劣化を受けるものであれば、本発明を適用できる。