以下の詳細な説明では、説明の一部を形成する添付の図が参照される。図では、類似の記号は、一般に、文脈によって別段示されない限り、類似のコンポーネントを識別する。詳細な説明に記載の例示的な実施形態、図および特許請求の範囲は、限定的なものではない。本明細書に提示されている主題の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を加えることもできる。本明細書に一般に記載されており、図で示されている本開示の態様は、配列し、置換し、組み合わせ、分離し、多種多様な異なる構成に設計することができ、これらすべてが本明細書で明確に企図されていることを容易に理解されよう。
毒性があり、環境に負の影響を及ぼし、廃棄の準備に費用がかかる洗浄物質に関する問題を考慮すると、これらの毒性上および/または環境上の結果をもたらさない新しい洗浄複合物を有することが有益となり得る。ここで、超臨界流体状態の希ガス(例えば、超臨界希ガス)は、環境またはヒトの健康への有害な作用が最小限に抑えられ、さらには全くない非毒性の洗浄複合物として使用できることが見出された。さらに、希ガスは、洗浄方法からの汚染物質が固体または液体として残存するように、希ガスをその気体状態に変換することによって、汚染物質から容易に分離することができる。次に、気体の希ガスは、液体および固体を保持する容器から気体を放出することによって、液体および固体汚染物質から除去することができる。希ガスの蒸発も、汚染物質から希ガスを除去するのに有用となり得る。
図1は、一般に、固体、液体、気体および超臨界流体の状態を表す概略的なグラフである。希ガスには、ヘリウム、アルゴン、クリプトンおよびキセノンまたはその組合せが含まれ得る。しかし、ラドンは、放射性容器を洗浄するなどの、放射活性が問題とならないいくつかの用途において有用となり得る。希ガスは、実質的に不活性であり、非毒性であり、無色かつ無味である。希ガスは、超臨界点以上に圧縮することによって超臨界流体に変換することができ、それによって、超臨界希ガスは、繊維、織物、ポリマー、ガラス、セラミック、金属、半導体またはその組合せの様々な製造品を洗浄するなどの、洗濯および他の工業洗浄を目的とする洗浄剤として有用になっている。
希ガスは、その超臨界点を超える温度および圧力で、超臨界流体の希ガスになる。超臨界点は、図1に示す通り、希ガスなどの気体が、超臨界点の温度(例えば、超臨界温度)および圧力(例えば、超臨界圧力)を超えると超臨界流体に変換するという、十分に確立されている現象である。超臨界流体の希ガスとして、希ガスは、気体のように固体中に拡散することができ、液体のように材料を溶解することができる。さらに、超臨界点近くでは、圧力または温度の小さい変化によって、超臨界流体の密度が大きく変化し、それによって、超臨界流体の希ガスの多くの性質を「微調整」して、より液体に類似させるか、またはより気体に類似させることができる。超臨界に近い温度から超臨界点に向かう、比較的小さい温度低下によって、流体に近い挙動を示す超臨界流体を得ることができる。それに対応して、超臨界に近い温度から超臨界点を離れる、比較的小さい温度上昇によって、気体に近い挙動を示す超臨界流体を得ることができる。他方では、比較的小さい圧力上昇によって、超臨界流体の密度を増大することができ、その結果、超臨界流体がより液体に類似した挙動を示し、比較的小さい圧力低下によって、超臨界流体の密度を低減することができ、その結果、超臨界流体がより気体に類似した挙動を示す。さらに、液相/気相の境界がないので、超臨界流体の表面張力は存在しない。
多くの汚染物質は、希ガスの超臨界流体に溶解することができる。超臨界流体への可溶性は、流体の密度と共に増大する傾向がある(一定温度において)。密度は圧力と共に増大するので、可溶性は、圧力と共に増大する傾向がある。一定密度では、可溶性は、温度と共に増大することになる。しかし、超臨界点近くでは、密度は、温度のわずかな上昇と共に急激に低下し得る。したがって、超臨界温度近くでは、可溶性は、しばしば温度上昇と共に低下し、後に再度上昇する。これらのパラメータは、洗浄される物品から汚染物質が除去され、超臨界流体に懸濁するように、洗浄中に調節して、洗浄方法を強化することができる。
例えば、これらのパラメータは、容器の表面上ならびに容器内の物品上に空洞化(cavitation)をもたらし、または気泡を形成するために調節することができる。空洞化は、物理的撹拌により圧力を変化させる(例えば、沸騰が生じるまで圧力を低下させる)ことによって、表面上に局所化される空洞化を誘発する超音波を適用することによって、場合によりマイクロ波によって、誘発することができる。空洞化は、超臨界流体の潜在的な洗浄能力を増大することができる。空洞化は、普通は、洗浄される物品上または容器の壁上の表面の不規則における核を形成することができる。
すべての超臨界流体は、互いに混和することができる。したがって超臨界流体の混合物については、その混合物の臨界点を上回る場合に、単相を得ることができる。二成分の混合物の超臨界点は、2つのコンポーネントの超臨界温度および圧力の算術平均として推定することができる。
Tc(max)=(モル比率A)×TcA+(モル比率B)×TcB。
精度をさらに高めるために、超臨界点を、ペンロビンソンまたはグループ寄与法などの状態方程式を使用して算出することができる。密度などの他の性質も、状態方程式を使用して算出することができる。第3、第4または他の複数の物質の組合せも、可能である。実験方法は、超臨界流体を調製するために組み合わされる複数の物質を有する複合物の超臨界点を決定するのに有用となり得る。また、工学ハンドブックを使用して、第3のシステムの値を調べることができる。
さらに、多くのガスは、適切な圧力および温度下で超臨界流体となる可能性があり、それによって超臨界希ガスを用いる洗浄複合物の形成において有用となり得る。例えば、窒素は、約126.2K(−147℃)および約3.4MPa(34barまたは33.56気圧)の臨界点を有し、二酸化炭素(CO2)は、約31℃および約75気圧の超臨界点を有する。したがって、ガスボンベ(例えば、下記の保存容器の一例)内では、それぞれの超臨界点(または圧縮空気)を超える窒素またはCO2は、超臨界流体であり、洗浄目的に合わせて超臨界希ガスと組み合わせて使用することができる。
希ガスは、完全に充填されている原子価s2(ヘリウム)またはs2p6(ネオン、アルゴン、クリプトンおよびキセノン)を有する一連の気体であり、それ自体は化学反応に対して不活性である。アルゴンは、地球の大気の約1%を構成しており、豊富に存在する。大気におけるクリプトンの存在量は、約0.000108〜0.000114%であると考えられており、したがって大気において7番目に最も一般的な気体とされている。キセノンは、地球の大気に微量に存在する気体である。したがって、希ガスの十分な供給源が存在しており、その結果、洗浄複合物における希ガスの使用は、ヒトへの安全性の改善および環境への影響の低減という追加の利益を考慮しなくても、費用効果的であり得る。
洗浄剤としての超臨界希ガスは、従来の洗浄複合物と比較して、数々の利点をもたらす。超臨界希ガスは、洗剤、毒性のある溶媒または超臨界のCO2で既に洗浄された汚染物質を含む多種多様な汚染物質を、溶解かつ/または吸収することができる。超臨界希ガスは、CO2と比較して同様に、またはそれより良好な溶解および/または吸収パラメータを有することができる。したがって、超臨界希ガスは、超臨界CO2に優るとはいわないが、等しく洗浄製造品(例えば、織物)を洗浄するために使用することができる。超臨界希ガスは、洗浄産業において、CO2より広範な用途を有することができる。現在、CO2による洗浄は、羊毛、セルロースまたはタンパク質などの天然繊維との二酸化炭素の反応性に起因して、主に合成繊維に限定されている。超臨界希ガスは、それらの化学的不活性に起因して、CO2で洗浄することができない洗浄材料において有用となる。超臨界希ガスは、発がん性物質でも突然変異原でもなく、オゾン層を破壊することもなく、温室ガスとして挙動することもなく、揮発性有機化合物(VOC)に完全に準拠しており、短期または長期にわたる健康に対する結果も知られていないことから、他の明確な利点をもたらす。
物品から洗浄されるべき汚染物質は、超臨界希ガスと混合し、または混和することができる。「混合することができる」または「混和することができる」とは、汚染物質が、任意の他の物理的または化学的作用または力によって、超臨界希ガスに溶解、懸濁、吸収され、またはその他の方法で分配され得ることを意味する。
希ガスの超臨界流体は、超臨界状態下で洗浄複合物として使用することができる。アルゴンは、約−122℃および約50気圧の超臨界温度および圧力を有する。キセノンは、約17℃および約60気圧の超臨界点を有する。ヘリウムは、約−267.96℃および約2.24気圧の超臨界点を有する。クリプトンは、約−63.74℃および約54.28気圧の超臨界点を有する。ネオンは、約−228.75℃および約27.24気圧の超臨界点を有する。比較のために、二酸化炭素の超臨界圧力は、約75気圧であり、超臨界温度は、約31℃である。したがって、二酸化炭素を使用する超臨界の適用は、一般に、約32℃および約49℃の間の温度、ならびに約75気圧および約250気圧の間の圧力で行われる。約32℃および約49℃の間の温度では、アルゴンの動作圧力は、およそ約350〜500気圧になり得るが、これは、現代の圧縮技術によって容易に得ることができる。キセノンは、およそ約75気圧および約250気圧の間になり得る。
これらの条件下では、製造品から1つまたは複数の汚染物質を除去するために、製造品は、約30分未満(例えば、約1分から約30分)、約20分未満(例えば、約5分から約30分)、またはさらには約15分未満(例えば、約10分から約15分)で、超臨界希ガスによって洗浄することができ、約12分が、洗浄時間の一例になり得る。かかる超臨界希ガスを使用して、工業用の加熱器、圧縮器および加圧器によって容易に得ることができる中程度の圧力および温度条件下で、超臨界二酸化炭素(CO2)を用いて実施される洗浄方法に類似の方式で、洗浄することができる。
一実施形態では、洗浄される製造品には、1つまたは複数の汚染物質を有する織物製造品が含まれ得る。織物は、しばしば糸または毛糸と呼ばれる天然または人工繊維網からなる柔らかい材料である。毛糸は、原材料である羊毛繊維、亜麻糸、綿または他の材料を紡ぎ車上で紡いで、長いより糸を生成することによって製造される。織物は、織る、編む、かぎ針で編む、節止めする、または繊維を一緒に圧縮する(フェルト)ことによって形成される。織布および布という用語は、織物と同義語として、織物アセンブリ産業(仕立ておよび洋裁など)で使用される。織布は、繊維を織り交ぜて製造された任意の材料を指す。織物は、織る、編む、かぎ針で編むこと、またはボンディングによって製造された任意の材料を指す。布は、ベッドを覆う目的で使用することができる最終的な一枚の織布を指す。非限定的な織物の例には、衣類、容器、バッグ、かご、カーペット、布張りの家具、ブラインド、タオル、テーブル掛け、ベッドカバーおよび他の平坦な表面のカバー、フィルター、旗、リュックサック、テント、網、洗浄装置、ハンカチ、ラグ、バルーン、凧、帆、パラシュート、ロープ、床用マット、ドア用マット、モップ、マットレス、床タイル、ならびに粗製麻布またはその他が含まれ得る。織物材料には、動物の毛、羊毛、絹、ガラス、イグサ、大麻、サイザル麻、ココナツ繊維、麦わら、竹、綿、亜麻、ジュート、大麻、モダールおよびさらには竹の繊維、ポリエステル、アラミド繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、スパンデックス、オレフィン繊維、ルレックスまたはその他が含まれ得る。
一実施形態では、製造品は、金属または金属合金から製造することができる。工業部品または機械は、本明細書に記載の洗浄方法を用いて洗浄することができる。それに限定されるものではないが、鋼、ステンレス鋼、ニチノール、アルミニウムまたはその他などの、どんな種類の金属または合金も適している。
一実施形態では、製造品は、セラミックから製造することができる。皿、陶器、レンガ、パイプ、床、屋根瓦、磁器、陶磁器またはその他は、セラミックから調製された製造品であり得る。非限定的なセラミック材料の例には、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭化物、ホウ化物、窒化物、ケイ化物またはその他が含まれ得る。
一実施形態では、製造品は、ポリマーまたはプラスチック物品であり得る。ポリマーまたはプラスチックは、洗浄中に安定であり、著しく分解しないように、温度および圧力などの洗浄方法の条件に耐性を有することができる。ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリルアミドまたはその他は、非限定的な例である。
また、超臨界希ガスは、汚染され得る製造用コンポーネントまたは製造品の工業洗浄のためなどの、いくつかの洗浄用途において、1つまたは複数のオキシダント材料と組み合わせることができる。希ガスおよびオキシダント材料は、超臨界流体に変換することができ、希ガスおよびオキシダント材料複合物の超臨界温度以上の温度、ならびに希ガスおよびオキシダント材料複合物の超臨界圧力以上の圧力で、汚染された物品に接触させることができる。オキシダント材料の使用は、洗浄された物品を提供するために、汚染物質材料を酸化することによって洗浄効率を増大する用途において有用となり得る。例えば、汚染物質が、物品に化学的に結合する場合、酸化材料は、結合を酸化させて、物品から汚染物質を切り離すことができる。オキシダント材料の非限定的な例には、酸素、オゾン、過酸化水素、塩素、一酸化窒素、亜酸化窒素、二酸化窒素、三フッ化窒素、フッ素および三フッ化塩素が含まれ得る。希ガスとオキシダント材料の比は、約10:1から約1:1、約8:1から約1:1もしくは約5:1から約1:1の範囲、またはその逆であってもよい。洗浄期間は、本明細書に記載の時間の長さに類似していてよく、またはオキシダント材料の洗浄能力に起因して、それより短くてもよい。一態様では、洗浄複合物の一実施形態は、環境にとって好ましい希ガスの超臨界流体の洗浄複合物において、酸化材料を使用することを具体的に排除する。
超臨界希ガスは、洗浄目的で使用するために、1つまたは複数の炭化水素と組み合わせることができる。超臨界希ガスと炭化水素の混合物は、半導体の洗浄に有用となり得る。また、超臨界希ガスは、洗浄の最中に一般に使用される炭化水素溶媒の量を大幅に低減する。例えば、アルゴンは、ブタンと組み合わせることができ、約1:2から約1:3のアルゴン/ブタンの超臨界の混合物に形成することができる。しかし、この比は、約10:1から約1:1、約8:1から約1:1もしくは約5:1から約1:1の範囲、またはその逆であってもよい。混合物は、約34MPa(335気圧)の圧力および約20℃の温度を得ることによって、超臨界流体に変換することができる。アルゴン/ブタンを使用して、本明細書に記載の期間またはそれ未満にわたって、物品を洗浄することができる。超臨界希ガスと組み合わせることができる他の炭化水素には、それに限定されるものではないが、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、あるいは官能基で置換されているまたは置換されていない、または分岐もしくは非分岐の、または直鎖もしくは環構造の任意のC1〜C20炭化水素が含まれ得る。一態様では、洗浄複合物の一実施形態は、環境にとって好ましい希ガスの超臨界流体の洗浄複合物において、炭化水素を使用することを具体的に排除する。
超臨界希ガスはまた、洗浄複合物を調製するために、1つまたは複数の追加の気体と組み合わせることができる。追加の気体を使用して、ファンデルワールス力を調節することができ、それによって希ガスから希ガスに変化させることができる。したがって、誘起双極子は、希ガスが重くなるにつれて大きくなり、追加の気体は、これらの変化を相殺または増幅することができる。また希ガスは、希ガスが重くなるにつれて、軟質の特性を有することができ(硬質/軟質理論)、追加の気体は、これらの変化を相殺または増幅することができる。追加の気体を使用して、これらの性質を相殺または増幅して、超臨界希ガス流体の溶解パラメータを変化させ、それによって汚染物質を除去する改善された能力を可能にすることができる。使用できる気体の非限定的な例には、様々な希ガス、二酸化炭素、空気、酸素、窒素またはその他が含まれる。特定の物品を超臨界流体で洗浄するのに適した条件では、追加の気体が、非反応性であるか、または最小限の反応性プロファイルを有することが有益となり得る。希ガスと追加の気体の比は、約10:1から約1:1、約8:1から約1:1もしくは約5:1から約1:1の範囲、またはその逆であってもよい。洗浄期間は、本明細書に記載の時間の長さに類似していてよく、またはそれより短くてもよい。一態様では、洗浄複合物の一実施形態は、希ガスの超臨界流体の洗浄複合物において追加の気体を使用することを具体的に排除する。
超臨界希ガスはまた、水と組み合わせて、洗浄複合物を形成することができる。水は、一般に多くの洗浄用途に使用される。しかし水は、二酸化炭素と反応して、炭酸およびカーボネートを形成するので、二酸化炭素と混合することができない。水を超臨界希ガスと組み合わせることができ、したがって水の洗浄能力を、超臨界流体において使用することができる。水を希ガスと混合することによって、高いイオン性の種を溶解する超臨界流体を生成することができると同時に、所望の効果を得るのに大した量の水を必要としないので、水の浪費を抑えることができる。超臨界希ガスの使用によって、水の使用を置き換えることができ、洗浄の環境への影響を低減することができるが、超臨界の洗浄複合物において水をいくらか使用することによって、水分子の極性に起因するかなり大きい利益を提供することができる。希ガスと水の比は、約10:1から約1:1、約8:1から約1:1もしくは約5:1から約1:1の範囲、またはその逆であってもよい。洗浄期間は、本明細書に記載の時間の長さに類似していてよく、または水の洗浄能力に起因してそれより短くてもよい。一態様では、洗浄複合物の一実施形態は、環境にとって好ましい洗浄複合物のために、希ガスの超臨界流体の洗浄複合物において水を使用することを具体的に排除する。
超臨界希ガスはまた、洗浄複合物を調製するために、1つまたは複数のアルコールと組み合わせることができる。アルコールは、油、汚れおよび粉塵を除去するための洗浄剤として使用されており、様々な微生物に対する殺菌剤として有用となり得る。しかしアルコールは、二酸化炭素と反応して有機カーボネートを形成するので、二酸化炭素と混合することができない。アルコールを超臨界希ガスと組み合わせることができ、したがってアルコールの洗浄能力を、超臨界流体において使用することができる。適切なアルコールの非限定的な例には、メタノール、エタノール、プロパノール、n−プロパノール、イソプロパノールまたはその他が含まれる。希ガスとアルコールの比は、約10:1から約1:1、約8:1から約1:1もしくは約5:1から約1:1の範囲、またはその逆であってもよい。洗浄期間は、本明細書に記載の時間の長さに類似していてよく、またはアルコールの洗浄能力に起因して、それより短くてもよい。一態様では、洗浄複合物の一実施形態は、環境にとって好ましい洗浄複合物のために、希ガスの超臨界流体の洗浄複合物においてアルコールを使用することを具体的に排除する。
超臨界希ガスはまた、洗浄を容易にすることができる有機溶媒と組み合わせて、洗浄複合物を形成することができる。最初に、汚染物質を超臨界流体に曝露する際に、より容易に超臨界流体に分配することができるように、汚染物質を有機溶媒に溶解または吸収させることができ、それによって製造品から汚染物質を洗浄する能力を高めることができる。有機溶媒は、超臨界希ガスと組み合わせて、疎水性溶媒または有機溶媒と適合性のある汚染物質で汚染されている製造品を洗浄するのに、特に適している。有機溶媒の例には、それに限定されるものではないが、アセトン、トルエン、テルペンチン、酢酸メチル、酢酸エチル、ヘキサン、石油エーテル、柑橘系テルペン、n−ペンタン(pentate)、二塩化エチレン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ピリジン、酢酸、THF、メチルイソブチルケトン、塩化メチレン、イソオクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、二硫化炭素、四塩化炭素、o−キシレン、ベンゼン、ジエチルエーテル、クロロホルム、様々なハロゲン化炭化水素、およびその他が含まれ得る。希ガスと溶媒の比は、約10:1から約1:1、約8:1から約1:1もしくは約5:1から約1:1の範囲、またはその逆であってもよい。洗浄期間は、本明細書に記載の時間の長さに類似していてよく、または溶媒の溶解能力に起因して、それより短くてもよい。一態様では、洗浄複合物の一実施形態は、環境にとってより好ましくなるように、希ガスの超臨界流体の洗浄複合物において有機溶媒を使用することを具体的に排除する。
超臨界希ガスはまた、漂白剤と組み合わせることができる。漂白剤の非限定的な例には、塩素系漂白剤、次亜塩素酸塩ナトリウム、過酸化水素、過酸化物漂白剤、次亜塩素酸塩カルシウムまたは過酸化物放出化合物が含まれ得る。過酸化物放出化合物には、過ホウ酸塩ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過硫酸塩ナトリウム、ピロリン酸テトラナトリウムまたは過酸化尿素が含まれ得る。過酸化物放出剤が含まれる場合、複合物は、過酸化物放出剤を活性化するための触媒を含むこともできる。触媒の非限定的な例には、テトラアセチルエチレンジアミンおよび/またはナトリウムノナノイルオキシベンゼンスルホネートが含まれ得る。
超臨界希ガスはまた、洗浄される物品に芳香を有益に提供することができる1つまたは複数の芳香化合物(例えば、芳香剤)と組み合わせることができ、このことは、特に織物にとって有利となり得る。例えば、芳香化合物は、それに限定されるものではないが、芳香剤、精油、香料、ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル、ブタン酸メチル、酢酸エチル、酪酸エチル、ブタン酸エチル、酢酸イソアミル、酪酸ペンチル、ブタン酸ペンチル、ペンタン酸ペンチル、酢酸オクチル、ミルセン、ゲラニオール、ネロール、シトラール、レモナール、シトロネラル、シトロネロール、リナロール、ネリオリドール(neriolidol)、リモネン、ショウノウ、テルピネオール、アルファ−イオノン、ツジョン、ベンズアルデヒド、オイゲノール、ケイ皮アルデヒド、エチルマルトール、バニリン、アニソール、アネトール、エストラゴール、チモールまたはその他であってよい。しかし、ある場合には、動物またはヒトを物品から遠ざけておくために、望ましくない匂いを物品につける場合など、洗浄される物品に有害な匂いを提供することが望ましいことがある。有害な匂い物質である芳香化合物の非限定的な例には、トリメチルアミン、プトレシン、ジアミノブタン、カダベリン、ピリジン、インドール、スカトールまたはその他が含まれ得る。希ガスと芳香化合物の比は、約10:1から約1:1、約8:1から約1:1もしくは約5:1から約1:1の範囲、またはその逆であってもよい。洗浄期間は、本明細書に記載の時間の長さに類似していてよく、またはある場合には、芳香化合物によって洗浄が容易になるならば、それより短くてもよい。一態様では、洗浄複合物の一実施形態は、無臭の複合物を提供するために、希ガスの超臨界流体の洗浄複合物において芳香化合物を使用することを具体的に排除する。
超臨界希ガスは、洗浄複合物の洗浄機能を強化するための1つまたは複数の洗剤と組み合わせることができる。洗剤の例には、石鹸、サポニン、発泡性界面活性剤の混合物、非発泡性界面活性剤の混合物、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、グリセリド(モノ、ジおよびトリ)またはその他が含まれる。洗濯用洗剤は、広範なクラスの洗剤の例である。希ガスと洗剤の比は、約10:1から約1:1、約8:1から1:1もしくは約5:1から約1:1の範囲、またはその逆であってもよい。洗浄期間は、本明細書に記載の時間の長さに類似していてよく、または洗剤の溶媒和能力に起因して、それより短くてもよい。一態様では、洗浄複合物の一実施形態は、洗剤を含まない洗浄複合物を提供するために、希ガスの超臨界流体の洗浄複合物において、洗剤を使用することを具体的に排除する。
超臨界希ガスはまた、1つまたは複数の洗浄剤と組み合わせることができる。かかる洗浄剤の例には、それに限定されるものではないが、アンモニア、酢、漂白剤、キレート剤またはその他が含まれる。希ガスと洗浄剤の比は、約10:1から約1:1、約8:1から約1:1もしくは約5:1から約1:1の範囲、またはその逆であってもよい。洗浄期間は、本明細書に記載の時間の長さに類似していてよく、または洗浄剤の溶媒和能力に起因して、それより短くてもよい。一態様では、洗浄複合物の一実施形態は、これらの洗浄剤と適合性がない物品に洗浄複合物を提供するために、希ガスの超臨界流体の洗浄複合物において、追加の洗浄剤を使用することを具体的に排除する。一実施形態では、アンモニア、酢、漂白剤、キレート剤またはその他は、ある場合には二酸化炭素と好ましくなく反応し得るので、具体的に排除することができる。
超臨界希ガスはまた、それに限定されるものではないが、様々な緩衝剤などのpH調整剤と組み合わせることができる。pH調整剤の非限定的な例には、弱酸、弱塩基、重炭酸塩、アンモニア、リン酸塩、一ナトリウムリン酸塩、二ナトリウムリン酸塩、塩酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸、酢酸、酢酸ナトリウム、ホウ砂、水酸化ナトリウム、3−{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}プロパンスルホン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン、4−2−ヒドロキシエチル−1−ピペラジンエタンスルホン酸またはその他が含まれる。希ガスとpH調整剤の比は、約10:1から約1:1、約8:1から約1:1もしくは約5:1から約1:1、またはその逆であってもよい。洗浄期間は、本明細書に記載の時間の長さに類似していてよく、またはそれより短くてもよい。一態様では、洗浄複合物の一実施形態は、pHの調整が必要でないまたは望ましくない場合に、希ガスの超臨界流体の洗浄複合物においてpH調整剤を使用することを具体的に排除する。これらのpH調整剤は、超臨界希ガスと反応しないので、都合よく使用することができるが、pH調整剤は、二酸化炭素との反応性に起因して、二酸化炭素系では回避され得る。
超臨界希ガスはまた、特に織物または織布を洗浄する場合、織布柔軟剤と組み合わせることができる。非限定的な例には、水エマルジョン(例えば、石鹸、オリーブ油、トウモロコシ油または牛脂油を含む)、1つまたは複数の長鎖アルキル鎖を有する第4級アンモニウム塩、シリコーン系化合物(例えば、ポリジメチルシロキサン)、帯電防止剤(例えば、リン酸と脂肪アルコールのモノエステルまたはジエステルの塩)またはその他が含まれ得る。希ガスと柔軟剤の比は、約10:1から約1:1、約8:1から約1:1もしくは約5:1から約1:1の範囲、またはその逆であってもよい。洗浄期間は、本明細書に記載の時間の長さに類似していてよく、またはそれより短くてもよい。一態様では、洗浄複合物の一実施形態は、織布柔軟剤にアレルギーを示す個人に合わせた洗浄複合物のために、希ガスの超臨界流体の洗浄複合物において、織布柔軟剤を使用することを具体的に排除する。
超臨界希ガスはまた、アニオン性、カチオン性、非イオン性または双性イオン性界面活性剤などの界面活性剤と組み合わせることができる。非限定的な例には、パーフルオロオクタノエート、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸、セチルトリメチルアンモニウム臭化物、塩化ベンザルコニウム、ドデシルベタイン、コカミドプロピルベタイン、アルキルポリ(エチレンオキシド)、オクチルグルコシド、セチルアルコール、ポリソルベートまたはその他が含まれ得る。ある場合には、界面活性剤は、洗剤として使用される。希ガスと界面活性剤の比は、約10:1から約1:1、約8:1から約1:1もしくは約5:1から約1:1の範囲、またはその逆であってもよい。洗浄期間は、本明細書に記載の時間の長さに類似していてよく、またはそれより短くてもよい。一態様では、洗浄複合物の一実施形態は、界面活性剤と適合性がない物品のために、希ガスの超臨界流体の洗浄複合物において、界面活性剤を使用することを具体的に排除する。これらの界面活性剤は、超臨界希ガスと反応しないため、好ましく使用することができるが、界面活性剤のいくつかは、二酸化炭素との反応性に起因して、二酸化炭素系では回避され得る。
超臨界希ガスはまた、研磨剤と組み合わせることができ、この研磨剤は、汚染物質を除去するために、物品または汚染物質に対する研磨剤の物理的な影響を使用することができる。研磨剤粒子などの研磨材の非限定的な例には、方解石、金剛砂、ダイアモンド(例えば、天然または合成)、ノバキュライト、軽石粉、ベンガラ、砂、ジルコニアアルミナ、ボラゾン、セラミック、セラミック酸化アルミニウム、セラミック酸化鉄、酸化アルミニウム、ガラス粉末、鋼研磨剤、炭化ケイ素またはその他が含まれ得る。希ガスと研磨剤の比は、約10:1から約1:1、約8:1から約1:1もしくは約5:1から約1:1の範囲、またはその逆であってもよい。洗浄期間は、本明細書に記載の時間の長さに類似していてよく、または汚染物質に影響を及ぼす研磨剤の能力に起因して、それより短くてもよい。一態様では、洗浄複合物の一実施形態は、研磨剤が回避されるべき洗浄のために、希ガスの超臨界流体の洗浄複合物において、研磨剤を使用することを具体的に排除する。
超臨界希ガスはまた、洗浄を容易にしまたは改善するために、タンパク質、脂肪、炭水化物または他の物質を消化するための酵素と組み合わせることができる。非限定的な酵素の例には、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼまたはセルラーゼが含まれる。どんな種類の酵素も、超臨界流体の洗浄複合物を調製するのに有用となり得る。希ガスと酵素の比は、約10:1から約1:1、約8:1から約1:1もしくは約5:1から約1:1の範囲、またはその逆であってもよい。洗浄期間は、本明細書に記載の時間の長さに類似していてよく、または汚染物質を破壊する酵素の能力に起因して、それより短くてもよい。一態様では、洗浄複合物の一実施形態は、タンパク質を含まない洗浄複合物のために、希ガスの超臨界流体の洗浄複合物において、酵素を使用することを具体的に排除する。酵素は、超臨界希ガスと反応しないため、好ましく使用することができるが、酵素は、二酸化炭素との反応性に起因して、二酸化炭素系では回避され得る。
一実施形態では、超臨界希ガスと組み合わされる追加の物質は、希ガスが超臨界流体状態である場合、超臨界流体状態になることができ、または該物質は、超臨界状態の希ガスに吸収され得る。ある場合には、追加の物質は、物質を希ガスと一緒に超臨界流体状態にする超臨界点を有することができる。他の場合には、希ガスと追加の物質(複数可)の組合せは、その組合せが超臨界点を超えて(例えば、複合物の超臨界温度および超臨界圧力を超えて)超臨界流体になる超臨界点を有することができる。他の場合には、追加の物質は、超臨界希ガスによってまたはそれに溶解または溶媒和させることができる。また、追加の物質は、超臨界希ガスに吸収または懸濁させることができる。例えば、研磨剤は、超臨界希ガスに懸濁させることができる。任意の事象では、超臨界希ガスと追加の物質の組合せが、製造品から汚染物質を除去するための洗浄方法において機能し得るように、超臨界希ガスは、その希ガスに含まれている追加の物質(複数可)と共に複合物を形成することができる。これらの追加の成分によって、洗浄複合物を、特定の洗浄目的に合わせて調整することができる。
ある場合には、超臨界希ガスは、洗浄複合物を提供するためにペルクロロエチレンおよび/またはテトラクロロエチレンと組み合わせることができる。しかし、これらの化合物の環境または健康に対する負の影響は、洗浄複合物からペルクロロエチレンおよび/またはテトラクロロエチレンを排除することによって低減することができる。同様に、いくつかの洗浄複合物は、シロキサンを含むことができるが、環境にとってより好ましい複合物では、シロキサンを排除することができる。
一実施形態では、追加の物質は、希ガスの超臨界圧力よりも低い超臨界圧力を有することができ、および/または追加の物質は、希ガスの超臨界温度よりも低い超臨界温度を有することができる。また、追加の物質は、希ガスの超臨界圧力よりも高い超臨界圧力を有することができ、および/または追加の物質は、希ガスの超臨界温度よりも高い超臨界温度を有することができる。別の例では、超臨界希ガスおよび追加の物質は、約−50℃から約50℃もしくは約−150℃から約150℃もしくは約−273℃から約500℃の温度範囲および/または約50atmから約400atmもしくは約300atmから約600atmもしくは約1気圧から約2000atmの圧力範囲で超臨界流体として調製することができる。また、希ガスおよび追加の物質の複合物の超臨界点は、通例の実験方法によって得ることができ、超臨界点は、追加の物質の性質に応じて決まり得る。したがって、超臨界希ガスおよび追加の物質は、混合物の超臨界圧力および/または超臨界温度を超える温度および圧力下に置くことができる。
本開示は、本願に記載の、様々な態様を例示することを企図する特定の実施形態によって制限されるべきではない。当業者に明らかになる通り、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、多くの改変および変更を加えることができる。本明細書に列挙された方法および装置に加えて、本開示の範囲に含まれる機能的に等価の方法および装置が、先の説明から当業者に明らかとなろう。かかる改変および変更は、添付の特許請求の範囲に含まれるものとする。本開示は、特許請求の範囲と共に、かかる特許請求の範囲が権利を付与される等価物の全範囲によってのみ制限されるべきである。本開示は、特定の方法、試薬、化合物、複合物または生物系に限定されず、当然のことながら変わり得ると理解されるべきである。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を記載することだけを目的とし、限定することを企図しないことも理解されるべきである。
一実施形態では、洗浄システムは、超臨界流体に変換され得る希ガス複合物を含むことができる。図2A〜2Cに示す通り、そのような洗浄システムはまた、希ガスを超臨界流体に変換し、かつ/または製造品を受容し、超臨界流体の希ガスで洗浄するように構成された1つまたは複数の容器を含むことができる。
図2A〜2Cは、物品(示さず)を洗浄するように構成することができる洗浄容器202の例示的な実施形態を示す。図2A〜2Cでは、ある特徴の存在を識別するために、複数の特徴が概略図として示されているが、その特徴の形状、サイズまたは動作上の構成は、実際に示されているものとは異なっていることがある。これらの概略図は、ある特徴が存在し得るものの、その特徴が、図に示されている例とは外観が異なり得ることを示すことを、当業者は認識されよう。洗浄容器202は、高温および高圧で動作することができ、洗浄されるべき製造品ならびに超臨界流体を受容/除去するための手段(例えば、ポート、ドア、入口等)を有することができる任意の化学反応容器として構成することができる。洗浄容器202は、球形、円柱状、立方晶またはその他などの任意の種類の形状の標準的な化学反応器を含むことができる。洗浄容器202は、ステンレス鋼およびチタンなどの不活性金属、ならびにその他から製造することができる。
洗浄容器202はまた、指示を受容し、洗浄容器202およびそれに関連付けされているドアまたは弁を動作することができるコンピュータシステムおよび/またはコントローラ(示さず)を含むことができる。コンピュータシステムおよび/またはコントローラは、化学処理システムにおいて周知の通り構成することができ、洗浄システムの他のコンポーネントの他のコンピュータシステムおよび/またはコントローラと通信することができる。したがって、コンピュータシステムおよび/またはコントローラは、通信ネットワークと通信によって結合することができる。
洗浄容器202は、実験室および/または工業設定において見出される一般的な反応容器上に見られる特徴を含むことができる。したがって、洗浄容器202は、ドアまたは弁を有する1つまたは複数の入口を含むことができ、このドアまたは弁は、入口を選択的に開放もしくは閉鎖して、物品もしくは超臨界の気体を洗浄容器202に入れ、または閉鎖し、任意の追加の材料が洗浄容器202に入らないようにすることができる。例えば、ドア入口は、物品を洗浄容器202に入れ、または洗浄容器202から出すのに有用となり得るが、弁入口は、超臨界流体を受容し、または汚染された超臨界流体を洗浄容器202から除去するのに有用となり得る。
洗浄容器202には、希ガス供給源204が関連付けされている。この供給源は、希ガスを洗浄容器202に液体、気体または超臨界状態で、ならびに希ガスと組み合わされる1つまたは複数の追加の物質を含む洗浄複合物として提供する。希ガス供給源204は、洗浄容器202に希ガスを供給することができる入口、ポート等の概略図である。希ガス供給源204は、洗浄容器202に希ガスを供給することができる管として示されており、希ガスを洗浄容器202に供給するための弁、コントローラまたは他の特徴を含むことができる。希ガス供給源204は、希ガスを超臨界流体に変換する超臨界の容器などの処理用コンポーネントに接続することができ、希ガスを洗浄容器202に提供する管として、実質的に示されている。希ガスは、流体として洗浄容器202に提供されるので、希ガス供給源204は、かかる流体を供給するのに適した任意の構成を有することができる。
洗浄容器202にはまた、洗浄される物品を洗浄容器202に提供するように構成された物品供給源206が関連付けされている。物品供給源206は、物品(例えば、1つまたは複数の対象)を洗浄容器202に供給することができる入口、ポート、ドア等の概略図である。物品供給源206は、洗浄容器202に物品を供給することができる管として示されており、物品を洗浄容器に供給するための弁、コントローラまたは他の特徴を含むことができる。物品供給源206は、物品を供給するものに接続され得る管として、実質的に示されているが、物品供給源206の実際の外観は、例示とは異なっていてもよい。物品供給源206は、物品を担持するためのコンベヤ、物品が粒子形態(例えば、プラスチックペレット)であるときにその物品を搬送するためのオーガー(auger)、または物品を得、その物品を洗浄容器202に供給するための機械的コンポーネントを含むことができる。
洗浄容器202にはまた、希ガス出口208を関連付けることができ、この希ガス出口は、洗浄容器202および物品から除去される希ガスおよび汚染物質を提供する。洗浄方法は、洗浄される物品から汚染物質を除去することができ、かかる汚染物質は、超臨界流体に溶解、懸濁、またはその他の方法で吸収させることができ、したがって汚染物質は、物品から除去され、次に流体を除去するのに十分な任意の方式で、洗浄容器202から除去され得る。希ガス出口208は、希ガス入口204と同様に構成することができるが、流れの方向は、洗浄容器202から流れ出す方向である。したがって、希ガス出口208は、希ガスおよび汚染物質を洗浄容器202から除去することができる出口、ポート等の概略図である。希ガス出口208は、希ガスおよび汚染物質を洗浄容器202から除去することができる管として示されており、希ガスおよび汚染物質を洗浄容器202から除去するための弁、コントローラまたは他の特徴を含むことができる。希ガス出口208は、希ガスを超臨界状態から気体状態に変換する容器などの後処理用コンポーネントに接続され得る管として、実質的に示されている。希ガスは、洗浄容器202から流体として除去されるので、希ガス出口208は、かかる流体を供給するのに適した任意の構成を有することができる。
さらに、洗浄容器202は、物品出口210に関連付けすることができ、この物品出口は、物品を洗浄容器202から除去するように構成され、物品供給源206と同様に構成され得る。物品出口210は、物品供給源206と同様に構成することができる。物品出口210は、物品(例えば、1つまたは複数の対象)を洗浄容器202から除去するために使用され得る入口、ポート、ドア等の概略図である。物品出口210は、物品を洗浄容器202から除去し、物品を保存するか、またはさらなる処理にかけるために供給することができる管として示されており、物品を洗浄容器202から除去するための弁、コントローラまたは他の特徴を含むことができる。物品出口210は、管として実質的に示されているが、物品出口210の実際の外観は、例示とは異なっていてもよい。物品出口210は、物品を担持するためのコンベヤ、物品が粒子形態(例えば、プラスチックペレット)であるときにその物品を搬送するためのオーガー、または物品を物理的に移動することができる機械的コンポーネントを含むことができる。
任意選択により、物品供給源206および物品出口210は、同じコンポーネントであってよい。また、希ガス供給源204も、希ガス出口208と同じコンポーネントであってよい。
202では、機械的に撹拌するための任意のコンポーネントを含まない洗浄容器が示されており、洗浄は、超臨界希ガスによって実施することができ、物品上を通過し、物品周りを通過し、物品を介して通過し、または物品と接触することによって物品と相互作用し、その物品を洗浄することができる。超臨界流体としての希ガスの状態は、洗浄される物品からの汚染物質を、超臨界流体に吸収させることができ、その結果、汚染物質は物品から除去され得る。希ガス供給源204および希ガス出口210は、継続的な操作であってよく、したがって新しい希ガスが洗浄容器202に継続的に導入され、汚染物質で汚染された希ガスが洗浄容器202から継続的に除去され、それによって、洗浄容器202を介して移動して、超臨界流体の流れまたはフローを引き起こすことができる。また、洗浄容器202には、超臨界流体が洗浄容器202内に流れ、物品と接触するように誘導することができるノズル(図2C)、送風機(示さず)または他の流体用コンポーネントを取り付けることができ、したがって汚染物質が除去され、超臨界流体に吸収される。また超臨界流体は、洗浄容器202内で、着色剤を物品上に循環させ、物品周りに循環させ、または物品を介して循環させる、対流などによる循環環境を有することができる。また、以下により詳細に記載される、洗浄容器202内の圧力循環は、洗浄を容易にすることができる。
図2Bは、1つの機械的撹拌機212を有する洗浄容器202を示しているが、複数の撹拌機212を使用することもできる。機械的撹拌機212は、化学処理の周知のコンポーネントであり、超臨界流体ならびに物品を撹拌するための様々な撹拌部材のいずれかを使用することができる。機械的撹拌機212は、周知の任意の撹拌、混合または混練装置または洗濯機様撹拌機と同様に構成することができる。また、機械的撹拌機212には、制御もしくはプログラム可能なようにコントローラを関連付けすることができ、この場合、コントローラは、セントラルコンピュータシステムまたはセントラルコントローラに通信によって結合することができる。
図2Cは、物品の上に超臨界希ガスを向けるために使用することができる2つのノズル214を有する洗浄容器を示しているが、1つまたは複数のノズルを使用することもできる。ノズル214は、保持器211および/または物品上に、超臨界流体を吹き付けるように、洗浄容器202内の任意の適切な位置に置くことができる。ノズル202は、新しい超臨界流体が吹き付けられるように、希ガス供給源204に流体接続する(fluidly coupled)ことができ、またはノズルは、汚染物質を含むまたは含まない超臨界流体を再循環させ、汚染物質を含むまたは含まない超臨界流体を吹き付けるためのポンプに結合することもできる。
さらに図2Cは、洗浄容器が、希ガスの温度を、超臨界温度を超えて、および/または超臨界温度未満に調節することができる温度制御コンポーネント216を、洗浄容器202に取り付けることができることを示している。温度制御コンポーネント216は、それに限定されるものではないが、加熱器、伝熱用コンポーネント、熱交換器、加熱ジャケット、冷却器、冷蔵用コンポーネント、冷却用ジャケットまたは他の温度制御コンポーネント216を含むことができる。また図2Cは、圧力を、超臨界圧力を超えて、および/または超臨界圧力未満に調節することができる圧力制御コンポーネント218を、洗浄容器202に取り付けることができることを示している。圧力制御コンポーネント218は、それに限定されるものではないが、ポンプ、加圧器、ブリード弁、圧縮器またはその他を含むことができる。温度制御コンポーネントおよび圧力制御コンポーネントは、当技術分野で周知である。したがって、洗浄容器202は、超臨界希ガスを受容し、かつ/または希ガスを超臨界流体に変換し、再度、気体または液体の希ガスに戻すことができる。
さらに、図2Cの洗浄容器202は、超臨界希ガス流を物品の上または物品に向けるように構成されているノズル214を含むことができる。ノズル214は、新しい超臨界希ガスを吹き付けることができ、または洗浄容器202は、超臨界の気体を洗浄容器内からノズル214の外へ吹き出すことができるポンプまたはスプレーを含むことができる。
図3は、超臨界希ガスと共に使用するための洗浄システム300の別の例を示している。洗浄システム300は、図2Aと同様に、希ガス入口304、物品入口306、希ガス出口308および物品出口310が関連付けされている洗浄容器302を含むことができ、これらのコンポーネントの1つまたは複数は、組み合わせることができる。希ガス入口304は、温度および/または圧力を調節するなどによって希ガスを超臨界流体に変換するように構成された超臨界流体用の容器312から生じる希ガスを受容することができる。
ある場合には、超臨界流体用の容器312の機能性は、圧力ユニット314および/または温度ユニット316を用いて達成することができる。したがって、圧力ユニット314および/または温度ユニット316は、希ガス入口304に流体接続することができ、さらには、希ガスを超臨界流体に変換するために温度と圧力の両方を調節できるように、互いに流体接続することもできる。圧力ユニット314は、希ガスの圧力を希ガスの超臨界圧力以上に増大するように構成することができる。温度ユニット316は、加熱用コンポーネントを含むことができ、希ガスを、超臨界温度を超えて加熱するための加熱器として機能することができる。また、温度ユニット316は、特定の物品を洗浄する前に超臨界希ガスを冷却する必要がある場合は、冷却用コンポーネントを含むことができる。超臨界流体用の容器312、圧力ユニット314および/または温度ユニット316は、超臨界流体状態の希ガスを受容し、洗浄される製造品を受容するように構成されている洗浄容器302に、超臨界希ガスを提供することができる。
図3はまた、洗浄システム300が、後の洗浄方法において使用するために、希ガスを再循環させることができることを示している。洗浄容器300は、示した通り分離容器318に結合しており、この分離容器は、希ガスと、洗浄容器からの1つまたは複数の汚染物質とを受容し、希ガスが1つまたは複数の汚染物質から分離され得るように、希ガスを、気体状態になるまで除圧するように構成される。希ガスおよび汚染物質が分離されたら、希ガスは、分離容器318から再循環出口320を通過して出ることによって、再循環され得る。固体または液体である汚染物質は、汚染物質の出口322を介して分離容器から除去することができる。
再循環される希ガスは、分離容器318から除去された後、超臨界流体または気体状態の気ガスを受容し、希ガスの温度を液体状態になるまで低減するように構成された冷却ユニット328を通過することができる。冷却ユニット328には、希ガスを液体に冷却することができる冷蔵用コンポーネントおよび流体などの、様々な冷却用コンポーネントを取り付けることができる。
1つの選択肢として、洗浄システム300は、超臨界流体、気体または液体状態の希ガスを保存するように構成された希ガス保存容器324を含むことができる。
洗浄システム300はまた、新しい希ガスをシステム内に受容するための、新しい希ガスの入口326を含むことができる。また、入口326は、本明細書に記載の他の追加の物質を受容することができる。あるいは、システムのコンポーネントのいずれも、希ガスまたは追加の物質を受容するための入口を含むことができる。
洗浄システム300は、1つまたは複数の流路330を含むことができ、この流路は、洗浄システム300のコンポーネントを一緒に接続し、したがって希ガスが液体、気体または超臨界状態にある間に、様々なコンポーネントの間に希ガスが流れることができるようにする。また、洗浄システム300の周りに点線で示した四角は、コンポーネントのいずれも、明確に示されなくても流路と流体接続し得ることを示すことを意味する。例えば、再循環出口320は、希ガス保存容器324、圧力ユニット314、温度ユニット316、超臨界流体用の容器312、洗浄容器302またはその他と直接、流体接続することができる。
洗浄システム300はまた、様々なコンポーネント、ならびにコンポーネントの入口および出口などの流路330に関して、システム300の様々な位置にある1つまたは複数の弁332を含むことができる。弁323は、希ガスが様々なコンポーネントに入り、または出ること、および様々なコンポーネントから入り、または出ることを調節することができ、いずれのコンポーネントにも、流体の流れが調節され得るように、1つまたは複数の弁を取り付けることができる。洗浄システム300の周りに点線で示した四角はまた、流体の流れを調節し、またはさらには分離容器318からの汚染物質の除去を調節するための1つまたは複数の弁332を、コンポーネントのいずれもが含み得ることを示すことを意味する。さらに、弁323には、弁323を開放または閉鎖するように制御し、ならびに可変な場合には弁を何パーセント開放するかを制御することができるコントローラを関連付けすることができる。コントローラによって、弁の動作を、必要に応じてまたは所望通りに制御またはプログラムすることができる。また、点線で示した四角は、弁323のコントローラが、セントラルコンピュータシステムまたはセントラルコントローラと通信しており、通信ネットワークと動作可能に結合し得ることを表すことができる。
洗浄システム300はまた、様々なコンポーネントおよび流路330に関して、システム300の様々な位置に位置する1つまたは複数のポンプ334を含むことができる。ポンプ334は、通路330を介して希ガスを様々なコンポーネントに送り込み、様々なコンポーネントから送り出すことができる。洗浄システム300の周りに点線で示した四角はまた、流体の流れを調節し、またはさらには分離容器318からの汚染物質の除去を調節するための1つまたは複数のポンプ334を、コンポーネントのいずれもが含み得ることを示すことを意味する。
一実施形態では、洗浄システム300は、様々なコンポーネントを排除することができ、または複数のコンポーネントの機能性を組み合わせて、単一のコンポーネントにすることができる。ある場合には、洗浄容器302は、超臨界流体容器312によって提供される機能を果たすように構成することができ、したがって別個の超臨界流体容器312が必要でなくなる。洗浄システム300が超臨界流体用の容器312を含む他の場合、圧力ユニット314および/または温度ユニット316は、省略することができ、またはその逆もあり得る。また、保存容器324および冷却ユニット328は、省略することができる。
一実施形態では、洗浄システム300は、汚染物質を有する希ガスを得、システムから除去し、システムにおいて再循環されないように構成することができる。したがって、分離容器318、冷却容器328および保存容器324は、省略することができる。また流体は、手動で、またはシステム300周りに希ガスを移動させるための容器を使用することによって、コンポーネント間を移動させることができるので、様々な流路330は、省略することができる。
洗浄システム300の1つまたは複数の容器は、液体、気体または超臨界状態の希ガスが、様々な容器の間の流路を通過できるように、一緒に連結することができる。また、様々な容器またはコンポーネントは、特定の目的に合わせて構成することができる。
超臨界流体用の容器312は、希ガスを超臨界流体に変換するように構成することができる。したがって、超臨界流体用の容器312には、圧力および温度を超臨界点以上に調節することができる圧縮器、加圧器、冷却器および/または加熱器を取り付けることができる。超臨界流体用の容器312は、この容器の動作を制御および/またはモニタできるように、コントローラ(示さず)によって制御することができる。
圧力ユニット314は、希ガスの圧力を希ガスの超臨界圧力以上に増大するように構成することができる。圧力ユニット314には、希ガスの圧力を超臨界圧力以上に増大することができる圧縮器、プランジャーシステムまたは他の加圧コンポーネントを取り付けることができる。圧力ユニット314は、この圧力ユニットの動作を制御および/またはモニタできるように、コントローラ(示さず)によって制御することができる。
温度ユニット316(例えば、加熱ユニットまたは冷却ユニット)は、希ガスの温度を希ガスの超臨界温度以上に調節するように構成することができる。温度ユニット316には、希ガスの温度を超臨界温度以上に増大するために使用することができる加熱エレメント、加熱用の流体、流体を循環させるコンポーネント、熱交換器、冷却コンポーネントまたは他のコンポーネントを取り付けることができる。温度ユニット316は、この温度ユニットの動作を制御および/またはモニタできるように、コントローラ(示さず)によって制御することができる。
洗浄容器302は、超臨界流体状態の希ガスを受容し、洗浄される製造品を受容するように構成することができる。あるいは、洗浄容器302は、超臨界ユニット312、圧力ユニット314および温度ユニット316に類似のコンポーネントを含むことができ、したがって超臨界状態を達成し、維持し、または超臨界流体状態になるように調節し、超臨界流体状態でなくなるように調節することができる。洗浄容器302は、任意の一般的な超臨界の化学反応器または分離器と同様に構成することができる。洗浄容器の一例は、Supercritical Fluid Technologies製のHPRシリーズの高圧化学反応容器であってよい。一例としての洗浄容器302は、以下を特徴とし得る。50mlから800リットルの容量の撹拌反応容器;10,000psi(689Bar/68.9MPa/680気圧)および350℃まで動作すること;磁器駆動による混合;安全性破裂板アセンブリ;カラータッチスクリーンを伴う集積化コントローラ;フラッシュドライブ通信ポートを介するデータエクスポート;および/またはデータネットワークによるワイヤ通信、光学的通信もしくはワイヤレス通信を介するデータエクスポート。洗浄容器302は、この洗浄容器の動作を制御および/またはモニタできるように、コントローラ(示さず)によって制御することができる。
分離容器318は、希ガスと、洗浄容器からの1つまたは複数の汚染物質とを受容するように構成することができる。任意選択により、分離容器318は、希ガスが固体および液体の汚染物質から分離され得るように、希ガスを、気体状態になるまで除圧することができる。また、分離容器318は、希ガスを汚染物質から分離する能力において、蒸留カラムまたはクロマトグラフィーカラムと同様に動作することができる。分離容器318は、この分離容器の動作を制御および/またはモニタできるように、コントローラ(示さず)によって制御することができる。
希ガス保存容器324は、超臨界流体、気体または液体状態の希ガスを保存するように構成することができる。希ガスの状態に応じて、適切な強度を有する任意の種類の保存容器を使用することができる。一般的な薬品タンクが適している。
冷却ユニット328は、超臨界流体状態または気体状態の希ガスを受容し、希ガスの温度を液体状態になるまで低減するように構成することができる。したがって、冷却ユニット328には、冷却用コンポーネント、冷蔵用コンポーネント、冷蔵用流体、低温貯蔵用コンポーネントまたはその他を取り付けることができる。冷却ユニット328は、この冷却ユニットの動作を制御および/またはモニタできるように、コントローラ(示さず)によって制御することができる。
弁332、ポンプ334または任意の他のコンポーネントは、これらの動作を制御および/またはモニタできるように、コントローラ(示さず)によって制御することができる。
一実施形態では、洗浄システム300は、洗浄システムコンポーネントのそれぞれの動作条件およびパラメータを制御および/またはモニタするように構成されるマスターコントローラ(示さず)を含むことができる。マスターコントローラは、あらゆる計算的、教育的またはデータ処理機能を発揮するマイクロコントローラを含むことができる。マイクロコントローラおよび出力制御コンポーネントは、洗浄システム300に関連付けされて存在し得る任意のモジュールに位置することができる。マスターコントローラは、洗浄システム300のコンポーネントのいずれかが関連付けされているコントローラのいずれとも通信し得る。また、マスターコントローラは、標準のコンピュータと同様に構成することができ、グラフィカルユーザインターフェース(例えば、コンピュータスクリーンまたはプリンター)および/または入力インターフェース(例えば、キーボード、マウス、ライトペン、音声認識、タッチスクリーン、プッシュボタン、ノブ等)を含むことができる。マスターコントローラは、温度制御、撹拌機の速度制御、圧力制御、温度過昇を制限する制御、弁の制御、ポンプ制御、または他の制御もしくはモニタリング機能を実装することができる。洗浄システム300の周りに点線で示した四角はまた、マスターコントローラが、コンポーネントのいずれとも通信し得ることを示している。
図4は、分離容器418の一実施形態を示す。分離容器418は、図3に示す通り、希ガスと、洗浄容器302からの汚染物質とを受容することができる。また、分離容器418は、入口440を有することができ、この入口は、弁442によって制御される。分離容器418は、再循環出口420を含むことができ、この出口には、弁442および汚染物質の出口が関連付けされている。再循環出口420が関連付けされている弁442は、希ガスを、気体状態になるまで除圧するための除圧装置として機能することができる。希ガスを汚染物質から分離するのを容易にするために、温度および圧力を調節するように動作し得る温度調節コンポーネント424(例えば、加熱器または冷却器)および圧力調節コンポーネント426も示す。分離容器418は、汚染物質の出口422を含むこともでき、この出口には、分離容器418から汚染物質を除去するための弁442が関連付けされている。再循環出口420は、気体状態の希ガスを、分離容器から放出することができる気体出口として構成することができる。
本明細書に記載の洗浄システムは、当然のことながら、希ガスが液体、気体または超臨界状態のいずれであっても、洗浄において使用するために、その希ガスを含むことができる。また、洗浄システムは、洗浄のために超臨界流体状態の希ガスと組み合わされる、ガスなどの少なくとも1つの追加の物質を含むことができる。非限定的な例には、洗浄容器内で希ガスと組み合わされる、様々な希ガス、二酸化炭素、空気、酸素、窒素、水、アルコール、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、メタノール、エタノール、アセトン、芳香剤、洗剤またはその組合せが含まれ得る。一態様では、追加の物質は、希ガスが超臨界流体状態にある場合、超臨界流体状態になることができ、または該物質は、超臨界状態の希ガスに吸収され得る。
当業者は、本明細書に開示のこのおよび他の過程および方法では、該過程および方法で実施される機能は、異なる順序で実装され得ることを理解されよう。さらに、概説のステップおよび動作は、単に例として提供され、ステップおよび動作のいくつかは、任意選択により、開示の実施形態の本質を損なうことなく組み合わせて、それより少ない数のステップおよび動作にすることができ、または拡張して、追加のステップおよび動作にすることができる。
図2〜4に示した洗浄システムは、製造品を超臨界流体で洗浄するための洗浄方法において使用することができる。本明細書に記載の洗浄方法は、超臨界状態の二酸化炭素を使用していた洗浄方法と同様に実施することができる。それを超える改善は、超臨界希ガスを使用することの反応性がより低く、洗浄される物品を損傷する傾向がより少ないことである。希ガスを使用することの他の利点は、本明細書に記載されている。
一実施形態では、洗浄方法は、希ガスを超臨界流体状態に変換することと、製造品から1つまたは複数の汚染物質を除去するために、製造品を、超臨界流体状態の希ガスで洗浄することとを含むことができる。洗浄は、洗浄複合物が超臨界状態の希ガスを含むという点が異なるものの、公知の溶媒および乾燥洗浄方法と同様に実施することができる。希ガスは、洗浄複合物において主なコンポーネントであっても、微量のコンポーネントであってもよく、重量で少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約99%、または約100重量%の範囲をとることができる。
一実施形態では、洗浄方法は、洗浄前または洗浄中に、1つまたは複数の追加の物質を超臨界流体状態の希ガスと組み合わせることを含み得る。混合物は、本明細書に記載の重量/重量比の希ガスに対して様々な比で追加の物質を含むことができる。追加の物質のいくつかの非限定的な例には、様々な希ガス、二酸化炭素、空気、酸素、窒素、アンモニア、水、アルコール、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、メタノール、エタノール、アセトン、芳香剤、洗剤またはその組合せ、ならびに本明細書に記載の他のものが含まれ得る。
一実施形態では、追加の物質は、ペルクロロエチレンおよび/またはシロキサンである。あるいは、追加の物質から、ペルクロロエチレンおよび/またはシロキサンが排除される。
一実施形態では、洗浄方法は、洗浄中に、超臨界流体状態の希ガスの圧力を循環させることを含み得る。かかる圧力循環は、洗浄容器の体積を圧縮および/もしくは膨張させることによって、またはいくらかの希ガスを分離容器内に放出することにより圧力を調節することによって行うことができる。圧力循環は、希ガスの圧力を、超臨界圧力未満に低減し、かつ/または希ガスの圧力を、超臨界圧力を超えて増大することができる。例えば、圧力循環は、希ガスの状態を、超臨界流体から、希ガスの少なくとも一部が超臨界流体状態でなくなる状態に変化させることができる。かかる圧力循環は、超臨界流体内に気泡の核形成および発生を引き起こすことができ、いくつかの核形成は、核形成剤となる汚染物質によって生じ得る。また気泡の発生は、汚染物質を物品から取り除くために、沸騰と同様に機能することができる。それによって、核形成事象は、製造品からの汚染物質の洗浄および除去を容易にすることができる。
一実施形態では、洗浄方法は、洗浄中に、超臨界流体状態の希ガスの温度を循環させることを含み得る。温度循環は、希ガスの温度を、超臨界温度未満に低減し、かつ/または希ガスの温度を、超臨界温度を超えて増大することができる。温度循環は、希ガスの状態を、超臨界流体から希ガスの少なくとも一部が超臨界流体状態でなくなる状態に変化させることができる。温度循環も、気泡の発生を容易にすることができる。
一実施形態では、洗浄方法は、洗浄される製造品の存在下で気泡を発生させ、または気泡を洗浄容器に導入することを含むことができる。
一実施形態では、洗浄方法は、洗浄される物品を撹拌する様々な洗浄方法と同様にして、洗浄複合物の存在下で製造品を撹拌することを含み得る。撹拌は、撹拌機構、回転機構または伝統的な洗濯機と同様の洗濯機構による機械的撹拌から得ることができる。また撹拌は、気泡の発生から得ることができる。
洗浄方法はまた、製造品から、希ガスおよび1つまたは複数の汚染物質を除去することを含み得る。希ガスおよび汚染物質は、継続的に除去することができ、この場合、汚染物質を含有する希ガスの供給は、洗浄方法の最中に洗浄容器からサイフォンを使用して行われ、それにより、超臨界流体を維持するために、希ガスは、任意選択により洗浄容器に導入される。例えば、サイフォンを使用して希ガスを処理することは、圧力循環を容易にすることができる。あるいは、洗浄方法は、バッチ方式で動作することができ、この場合、超臨界希ガスおよび汚染物質は、洗浄後に除去される。別の代替では、同じ物品は、新しい希ガスによる複数の洗浄循環を受けることができ、この希ガスは除去され、次に、各循環の最中に置き換えられる。
一実施形態では、洗浄方法は、希ガスを、洗浄容器から除去した後、1つまたは複数の汚染物質から分離することを含み得る。例えば、分離は、分離容器内で実施することができる。分離は、希ガスを気体状態に変換して、固体または液体状態の1つまたは複数の汚染物質である1つまたは複数の汚染物質からの希ガスの分離を容易にすることを含み得る。
一実施形態では、洗浄方法はまた、同じまたは異なる物品を洗浄する追加の循環のために、希ガスを再循環させることを含み得る。再循環過程はまた、希ガスを、1つまたは複数の汚染物質から分離した後、気体状態から液体状態になるまで冷却することを含み得る。次に、液体の希ガスを保存容器内で保存した後、再度使用し、または超臨界流体に変換させることができる。
一実施形態では、洗浄方法は、希ガスを、1つまたは複数の汚染物質から分離した後、超臨界流体に変換することを含み得る。したがって、再循環過程は、別の洗浄方法で再度使用する前に、希ガスを超臨界流体に変換することを含み得る。
一実施形態では、再循環過程は、洗浄後に、希ガスを追加の物質から分離することを含み得る。かかる分離は、本明細書に記載の分離容器内で実施することができ、または洗浄するために使用した追加の物質から希ガスを分離するために、専用の分離容器を洗浄システムにおいて提供することができる。分離は、希ガスを環境から発生するための方法と同様であってよい。
一実施形態では、洗浄方法は、超臨界流体状態の希ガスを、洗浄容器に導入することと、製造品を、洗浄容器に導入することと、製造品を、洗浄容器内で、超臨界流体状態の希ガスで洗浄することとを含み得る。したがって希ガスは、洗浄容器に導入する前に、超臨界流体に変換することができる。あるいは、希ガスは、洗浄容器内で超臨界流体に変換することができる。物品は、通常、希ガスの前に洗浄容器に導入される。
一実施形態では、洗浄方法は、洗浄容器に導入する前に、希ガスの圧力を希ガスの超臨界圧力以上に増大することを含み得る。また洗浄方法は、洗浄容器に導入する前に、希ガスの温度を希ガスの超臨界温度以上に増大することを含み得る。
一実施形態では、洗浄方法は、洗浄前または洗浄後に、超臨界流体、気体または液体状態の希ガスを保存することを含み得る。
希ガスによる洗浄方法は、アルゴンなどの希ガスを導入することによって開始することができる。アルゴンは、約500気圧で、その超臨界形態に圧縮され得る。圧縮は、温度を上昇させ、場合によっては適用に対して高すぎる温度まで上昇させ、したがってアルゴンは、必要に応じて冷却することができる。さらに冷却によって、アルゴンを、すぐに必要でないならば後の洗浄のために保存することができる。流体のアルゴンは、洗浄が実施される温度まで液体の希ガスを温めるかまたは冷却する、制御された温度エレメントによって送り込むことができる。
洗浄は、洗浄される物品が導入される容器内で達成される。洗浄された部品からの廃棄物流は、分離容器に戻ることがある。汚染物質が溶解した超臨界のアルゴンは、分離容器内で徐々に削減され、超臨界のアルゴンが除圧されて気体状態に戻される。汚染物質は、液体または固体形態で残存し、集められて分離器から除去されるが、アルゴンガスは、冷蔵ユニットを通して送られ、保存のために液体形態に戻されて、再使用される。この閉鎖ループシステムにおけるアルゴンの再循環は、洗浄溶液のごく一部だけが、システムからの漏出に起因して、経時的に置き換えなければならないことを意味する。ここで洗浄された製造品(例えば、部品または布)は、チャンバから除去することができ、残った洗浄溶液を除去するための乾燥またはすすぎが必要ないため、製造方法の次のステップのためにすぐに準備されるか、または消耗される。
一実施形態では、洗浄方法は、希ガス複合物を調製することを含み得る。希ガスは、大気から分離し、処理して、純粋なまたは実質的に純粋な希ガスにすることができる。例えば希ガスは、大気を液化し、その後蒸留し、大気の他のコンポーネントから希ガスを単離することによって調製することができる。希ガスのアルゴンは、地球の大気の約1%を構成しており、十分に存在し、高価なものではない。クリプトンおよびキセノンなどの他の希ガスおよび希ガスの混合物も、洗浄剤として有用である。
一実施形態では、洗浄方法は、希ガスと、追加の物質とを含む洗浄複合物を調製することを含み得る。例えば、希ガスは、二酸化炭素もしくは窒素などの他の気体、または水、アルコール、芳香剤および/もしくは洗剤、ならびに本明細書に記載の追加の物質もしくは関連物質のいずれとも混合することができる。次に、ガスを、洗浄剤として有用になる超臨界点まで圧縮する(図1)。超臨界流体は、定義によれば、流体の超臨界温度および圧力以上の温度および圧力下にある。
一実施形態では、希ガスを含有する混合されたコンポーネントの超臨界洗浄複合物を調製することができる。例えば、混合物には、アルゴン、二酸化炭素およびイソプロパノールが含まれ得る。混合された超臨界流体を使用することによって、洗浄溶液は、洗浄される特定の基材および除去される汚染物質に合わせて調整することができる。さらに、混合されたシステムの使用によって、超臨界流体を達成するのに必要な圧力および温度を調整することができる。超臨界流体は、二酸化炭素およびアルゴン、アルゴンおよび水、アルゴン−アセトンまたはその他を用いて生成することができる。表1は、希ガスと組み合わせることができる様々な溶媒の超臨界点を示す。
一実施形態では、洗浄複合物は、ゼロVOCになるように、揮発性有機化合物を含まない。
例えば、完全に非毒性、非発がん性、非突然変異原性、非反応性および不燃性であり、オゾン層に害を及ぼさず、温室ガスとして作用せず、臨界二酸化炭素以上の洗浄能力であり、圧縮技術によってアルゴン、クリプトンおよびキセノンの臨界点に容易に達し、洗浄される物品から除去される廃棄物が希ガスから容易に分離されるなどの、超臨界希ガスを使用する多くの利点がある。また、主な利点は、洗浄は、環境水が洗浄方法によって汚染されないように、水を用いずに行うことができるということである。
汚染物質は、汚れ、染料、油、粒子、化学物質、匂い、植物粒子、動物の鱗屑、工業用グリースまたはその他などの、物品から洗浄される必要があるものであってよい。汚染物質は、制限されない。
例示的な一実施形態では、本明細書に記載のシステム、動作、方法等のいずれも、コンピュータ可読媒体上に保存されたコンピュータ可読指示として実装することができる。例えば、コンピュータ可読媒体は、洗浄方法を実施し、洗浄システムコンポーネントのいずれかを動作し、洗浄システムコンポーネントのいずれかからデータを得、またはネットワークを介してデータをリモート位置に通信させるために、コンピュータにより実行可能な指示を含むことができる。コンピュータ可読指示は、可動式ユニット、ネットワークエレメントおよび/または任意の他のコンピュータ装置のプロセッサによって実行することができる。
システムの側面でのハードウェアの実装形態とソフトウェアの実装形態との間には、ほとんど相違が残されていない。ハードウェアまたはソフトウェアの使用は、一般に(いつもそうではないが、ある状況ではハードウェアとソフトウェアの間の選択が重要になり得るという点で)コスト対効果のトレードオフを表す設計上の選択である。本明細書に記載された、プロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術をもたらすことができる様々な達成手段があり(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア)、好ましい達成手段は、プロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術が導入される状況によって異なる。例えば、実装者が速度と正確性が最も重要であると決定すると、実装者は主にハードウェアおよび/またはファームウェアの達成手段を選択することができる。フレキシビリティが最も重要なら、実装者は主にソフトウェアの実装形態を選択することができる。または、さらに別の代替案として、実装者は、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアのなんらかの組合せを選択することができる。
前述の詳細な説明では、ブロック図、フローチャート、および/または例の使用によって、装置および/またはプロセスの様々な実施形態を説明してきた。そのようなブロック図、フローチャート、および/または例が1つまたは複数の機能および/または動作を含む限りにおいて、そのようなブロック図、フローチャート、または例の中のそれぞれの機能および/または動作は、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または実質上それらのすべての組合せにより、個別におよび/または集合的に実装可能であることが、当業者には理解されるであろう。ある実施形態では、本明細書に記載された主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、または他の集積化方式によって実装することができる。しかし、本明細書で開示された実施形態のいくつかの態様が、全体においてまたは一部において、1つまたは複数のコンピュータ上で動作する1つまたは複数のコンピュータプログラムとして(例えば、1つまたは複数のコンピュータシステム上で動作する1つまたは複数のプログラムとして)、1つまたは複数のプロセッサ上で動作する1つまたは複数のプログラムとして(例えば、1つまたは複数のマイクロプロセッサ上で動作する1つまたは複数のプログラムとして)、ファームウェアとして、あるいは実質上それらの任意の組合せとして、等価に集積回路に実装することができることを、当業者は認識するであろうし、電気回路の設計ならびに/またはソフトウェアおよび/もしくはファームウェアのコーディングが、本開示に照らして十分当業者の技能の範囲内であることを、当業者は認識するであろう。さらに、本明細書に記載された主題のメカニズムを様々な形式のプログラム製品として配布することができることを、当業者は理解するであろうし、本明細書に記載された主題の例示的な実施形態が、実際に配布を実行するために使用される信号伝達媒体の特定のタイプにかかわらず適用されることを、当業者は理解するであろう。信号伝達媒体の例には、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ、CD、DVD、デジタルテープ、コンピュータメモリ、などの記録可能なタイプの媒体、ならびに、デジタル通信媒体および/またはアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンクなど)の通信タイプの媒体が含まれるが、それらには限定されない。
本明細書で説明したやり方で装置および/またはプロセスを記載し、その後そのように記載された装置および/またはプロセスを、データ処理システムに統合するためにエンジニアリング方式を使用することは、当技術分野で一般的であることを当業者は認識するであろう。すなわち、本明細書に記載された装置および/またはプロセスの少なくとも一部を、妥当な数の実験によってデータ処理システムに統合することができる。通常のデータ処理システムは、一般に、システムユニットハウジング、ビデオディスプレイ装置、揮発性メモリおよび不揮発性メモリなどのメモリ、マイクロプロセッサおよびデジタル信号プロセッサなどのプロセッサ、オペレーティングシステムなどの計算実体、ドライバ、グラフィカルユーザインターフェース、およびアプリケーションプログラムのうちの1つもしくは複数、タッチパッドもしくはスクリーンなどの1つもしくは複数の相互作用装置、ならびに/またはフィードバックループおよびコントロールモータを含むコントロールシステム(例えば、位置検知用および/もしくは速度検知用フィードバック、コンポーネントの移動用および/もしくは数量の調整用コントロールモータ)を含むことを、当業者は理解するであろう。通常のデータ処理システムは、データコンピューティング/通信システムおよび/またはネットワークコンピューティング/通信システムの中に通常見られるコンポーネントなどの、市販の適切なコンポーネントを利用して実装することができる。
本明細書に記載された主題は、様々なコンポーネントをしばしば例示しており、これらのコンポーネントは、他の様々なコンポーネントに包含されるか、または他の様々なコンポーネントに接続される。そのように図示されたアーキテクチャは、単に例示にすぎず、実際には、同じ機能を実現する多くの他のアーキテクチャが実装可能であることが理解されよう。概念的な意味で、同じ機能を実現するコンポーネントの任意の構成は、所望の機能が実現されるように効果的に「関連付け」される。したがって、特定の機能を実現するために組み合わされた、本明細書における任意の2つのコンポーネントは、アーキテクチャまたは中間のコンポーネントにかかわらず、所望の機能が実現されるように、お互いに「関連付け」されていると見ることができる。同様に、そのように関連付けされた任意の2つのコンポーネントは、所望の機能を実現するために、互いに「動作可能に接続」または「動作可能に結合」されていると見なすこともでき、そのように関連付け可能な任意の2つのコンポーネントは、所望の機能を実現するために、互いに「動作可能に結合できる」と見なすこともできる。動作可能に結合できる場合の具体例には、物理的にかみ合わせ可能な、および/もしくは物理的に相互作用するコンポーネント、ならびに/またはワイヤレスに相互作用可能な、および/もしくはワイヤレスに相互作用するコンポーネント、ならびに/または論理的に相互作用する、および/もしくは論理的に相互作用可能なコンポーネントが含まれるが、それらに限定されない。
本明細書における実質的にすべての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に説明することができる。
通常、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、全体を通じて「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(例えば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む実施形態に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(例えば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方(one of the terms)、当該用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、句「AまたはB」は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
さらに、本開示の特徴または態様が、マーカッシュグループに関して記載されている場合、その開示は、それによってマーカッシュグループの任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループに関しても記載されていることを、当業者は認識されよう。
当業者に理解される通り、明細書を提供することに関するなどの任意のすべての目的のために、本明細書に開示のすべての範囲は、任意のすべての可能な下位範囲およびその下位範囲の組合せも包含する。列挙される任意の範囲は、十分に記載されており、同範囲を少なくとも等しく2等分、3等分、4等分、5等分、10等分等に分割できることが、容易に認識され得る。非限定的な一例として、本明細書で論じられる各範囲は、下方3分の1、中央3分の1、および上方3分の1等に、容易に分割され得る。当業者にやはり理解される通り、「最大で」、「少なくとも」などのすべての言語は、列挙された数を含み、先に論じた下位範囲に後に分割され得る範囲を指す。最後に、当業者に理解される通り、ある範囲は、それぞれ個々のメンバーを含む。したがって、例えばセル1〜3個を有する群は、1、2または3個のセルを有する群を指す。同様に、セル1〜5個を有する群は、1、2、3、4または5個のセルを有する群等を指す。
前述のことから、本開示の様々な実施形態は、例示目的で本明細書に記載されており、本開示の範囲および精神から逸脱することなく、様々な改変を加え得ることを理解されよう。したがって、本明細書に開示の様々な実施形態は、限定的なものではなく、真の範囲および精神は、以下の特許請求によって示される。
洗浄システム、洗浄複合物または洗浄方法のすべての実施形態は、相互に交換可能な方式で使用することができ、許容される限り、すべての実施形態を一緒にして使用することもできる。