JP5578086B2 - 水系塗料の厚膜塗装方法 - Google Patents

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Description

本発明は水系塗料の厚膜塗装方法に関するもので、詳細には厚膜塗装を乾燥させる手法に特徴を有する塗装方法に関するものである。
水系塗料は、溶媒として水を主成分としており、有機溶媒を主成分とするものに較べて水(溶媒)の蒸発速度が遅いため、塗布された後に乾燥しにくい欠点があり、この問題は特に厚膜塗装の場合に顕著である。そのため、鋼材などに水系塗料を厚膜塗装した場合、乾燥するまで養生するのに時間がかかる。この問題に対して従来では、塗布後の雰囲気温度を高めることにより塗料からの水(溶媒)の蒸発を促進させ、乾燥を速める対策が採られてきた。また、特許文献1には、水系塗料を塗布した後、乾燥炉で乾燥させる方法において、被塗物を乾燥炉に装入する前に、50〜70℃の温風を吹き付け、塗料の固形分を80%以上とする予備乾燥を行う方法が開示されている。
特開2002−346460号公報
しかし、そのような従来法では、塗膜の表面から乾燥が進行してしまう、つまり塗膜表層側の水だけが蒸発して乾燥が進行してしまうため、塗膜下層側の塗料の水がうまく蒸発できず、結果的に乾燥が遅くなってしまう問題がある。さらに、塗膜下層側で蒸発した水分が、乾燥の速い表層部を拡散して大気中に抜けることができなくなるため、塗膜中に気泡を生成する塗膜欠陥や、水蒸気圧力が塗膜表面にクラックを生じさせる塗膜欠陥が生じやすいという問題がある。
したがって本発明の目的は、水系塗料による鋼材の厚膜塗装において、鋼材に塗布された水系塗料を速やかに乾燥させることで、塗装を短時間で効率的に行うことができるとともに、欠陥のない高品質の乾燥塗膜を得ることができる塗装方法を提供することにある。
鋼材表面に水系塗料を比較的薄い厚さで塗装した場合には、雰囲気温度を上昇させるなどの乾燥対策で対応が可能であるが、水系塗料を厚く塗装した場合には、さきに述べたように乾燥条件によっては乾燥を逆に遅らせる結果となり、また、塗膜欠陥を生じさせることになる。このような課題を解決すべく、本発明者らが検討した結果、以下のような知見を得た。
(a)水系塗料による鋼材の厚膜塗装において、塗膜下層側の水(溶媒)の蒸発が阻害されることなく、塗膜を短時間で効率的に乾燥させるには、乾燥のために加熱する際に塗膜に表層側<下層側(鋼板側)という温度勾配を付けることが有効であり、そのような塗膜の温度勾配は、鋼材をインダクションヒータで加熱することで、塗膜が鋼材側から加熱されるようにすることで実現することができる。
(b)上記のようにインダクションヒータを利用して塗膜を鋼材側から加熱することにより、塗膜下層側の水の蒸発が促進され、塗膜を短時間で効率的に乾燥させることができるとともに、水の蒸発が阻害されることによる塗膜欠陥の発生も抑えられる。しかし、これだけでは、欠陥のない高品質の乾燥塗膜は得られない。これは水を十分に含んだ厚い塗膜を最初からインダクションヒータで加熱すると、水の蒸発が激しすぎることに起因した塗膜欠陥が生じてしまうからである。このような問題に対しては、厚い塗膜から水をうまく逃しながら、塗膜を乾燥させることが必要であり、具体的には、まず最初に塗膜を自然乾燥させることで、塗膜中の水分量を適度に低減させ、その上で、鋼材をインダクションヒータで比較的低温に加熱することが必要である。
(c)さらに、塗膜からの水の蒸発をより促進するには、インダクションヒータで加熱する際に塗膜面を空気流に接触させて冷却するなどの方法が有効である。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1] 鋼材の表面に固形分が30〜70mass%の水系塗料を150μm以上の厚さに塗布した後、その塗膜を乾燥させる方法であって、
鋼材の表面に水系塗料を塗布した後、塗膜の水分量が塗布直後の水分量の60mass%以下になるまで10〜40℃の雰囲気温度で自然乾燥させ、次いで、インダクションヒータにより鋼材を[雰囲気温度+1℃]〜[雰囲気温度+20℃]で且つ80℃以下の温度であって、塗膜の膜厚方向での温度勾配(塗膜表層側温度<塗膜下層側温度)が5〜140℃/mmとなるように加熱して、塗膜を乾燥させることを特徴とする水系塗料の塗装方法。
[2]上記[1]の塗装方法において、インダクションヒータにより鋼材の加熱を行う雰囲気中で空気流を作り、この空気流を塗膜表面と接触させて冷却することを特徴とする水系塗料の塗装方法。
[3]上記[1]の塗装方法において、インダクションヒータにより鋼材の加熱を行う雰囲気を冷却することを特徴とする水系塗料の塗装方法。
[4]上記[1]の塗装方法において、インダクションヒータにより鋼材の加熱を行う雰囲気を冷却するとともに、この雰囲気中で空気流を作り、この空気流を塗膜表面と接触させて冷却することを特徴とする水系塗料の塗装方法。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの塗装方法において、鋼構造物用部材に対して、その製作若しくは組み立て工場又は施工現場にて塗料の塗布と塗膜の乾燥を行うことを特徴とする水系塗料の塗装方法。
[6]上記[5]の塗装方法において、インダクションヒータにより鋼構造物用部材を加熱して塗膜を乾燥させる工程では、鋼構造物用部材に対してインダクションヒータを移動させながら鋼構造物用部材を加熱しつつ、その加熱部に対して送風機から送風を行うことを特徴とする水系塗料の塗装方法。
本発明法によれば、水系塗料による鋼材の厚膜塗装において、鋼材に塗布された水系塗料を速やかに乾燥させることで、塗装を短時間で効率的に行うことができるとともに、欠陥のない高品質の乾燥塗膜を得ることができる。
塗膜の乾燥を特に良好に行うことができる、塗膜の膜厚方向温度勾配と雰囲気流速(塗膜表面に接触する空気流の流速)の範囲を示したグラフ 図1のA部を部分的に拡大したグラフ 本発明法により、鋼構造物用部材を工場などで厚膜塗装する状況を示す説明図
本発明法は、鋼材表面に水系塗料を厚膜塗装(塗布−乾燥)するための方法である。水系塗料とは、溶媒の主成分が水である塗料を指し、したがって、溶媒としては主成分である水以外に、例えば、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、キシレン、トルエン、メチルエチルケトンなどの有機溶媒などの1種以上を水100質量部に対して30質量部以下の範囲で含むものであってもよい。また、水系塗料は固形分(有機樹脂、顔料など)が30〜70mass%のものである。水系塗料の固形分が30mass%未満では、固形分が少なすぎるので厚膜塗装のためには重ね塗りが必要になり経済性を損なう。一方、70mass%を超えると、塗料粘度が著しく上昇し、スプレー塗装が困難になる欠点がある。
本発明では、このような水系塗料を150μm以上の平均厚さ(wet)に塗装する場合を対象とする。水系塗料の塗装平均厚さが150μm未満では、溶媒(以下、単に「水」という)は比較的速やかに蒸発するので、本発明を適用する必要性に乏しい。塗装平均厚さの上限は特にないが、一般に3000μm程度が上限となる。
さきに述べたように、水系塗料を厚膜塗装した場合において、塗膜下層側の水の蒸発が阻害されることなく、塗膜を効率的に乾燥させるには、乾燥のために加熱する際に塗膜に表層側<下層側(鋼板側)という温度勾配を付けることが有効であり、そのような塗膜の温度勾配は、被塗物である鋼材をインダクションヒータで加熱することで、塗膜が鋼材側から加熱されるようにすることで実現することができる。しかし、塗装直後の厚い塗膜をインダクションヒータで鋼材側から加熱すると、水の蒸発が激しすぎることに起因した塗膜欠陥が生じてしまう。そこで、本発明法では、最初に塗膜を自然乾燥させることで、塗膜中の水分量を適度に低減させ、その上で、鋼材をインダクションヒータで比較的低温に加熱する、という2段階の工程で乾燥を行い、厚い塗膜から水をうまく逃しながら、塗膜を乾燥させるものである。
例えば、塗装鋼板を製造するための連続塗装ラインでは、塗装された鋼板をインダクションヒータで加熱して塗膜の乾燥焼付を行う場合があるが、この種のものは薄膜塗装(通常、膜厚10〜80μm程度)であり、塗膜中の水はすぐに蒸発するので、本発明が解決しようとするような課題は生じ得ないし、当然本発明と同じような作用効果は得られない。すなわち、上記のような本発明の作用効果は、厚膜塗装(150μm以上)に特有のものである。
第一の乾燥工程では、鋼材表面に塗布された塗料を、水分量(水分含有量)が塗布直後の水分量の60mass%以下になるまで10〜40℃の雰囲気温度(いわゆる常温)で自然乾燥させる。このように固形分が30〜70mass%の水系塗料の塗膜を、水分量が塗布直後の水分量の60mass%以下になるまで乾燥させることにより、次工程であるインダクションヒータによる加熱乾燥時に、塗膜中の水が激しく蒸発することが抑えられ、塗膜欠陥の発生が防止できる。この自然乾燥で蒸発させる水分量の上限は特にないが、塗料の早期乾燥の観点から、塗布直後の水分量の30mass%程度までを限度とすることが好ましい。
引き続き第二の乾燥工程で、インダクションヒータにより鋼材(被塗物)を[雰囲気温度+1℃]〜[雰囲気温度+20℃]で且つ80℃以下の温度に加熱して、塗膜を乾燥させる。ここで、雰囲気温度とは、インダクションヒータにより鋼材の加熱が行われる場所の温度であり、通常は常温である。このようなインダクションヒータによる鋼材の加熱により、塗膜に表層側温度<下層側(鋼板側)温度という温度勾配が生じる。このような膜厚方向温度勾配ができることにより、塗膜内の物質拡散が加速されることで塗膜内での水の移動と蒸発が促進され、塗膜を短時間で効率的に乾燥させることができる。このため、厚い塗膜から水の蒸発が阻害されることによる塗膜欠陥の発生も抑えられる。
鋼材の加熱温度が[雰囲気温度+1℃]未満では、塗膜の加熱が不十分であり、乾燥に時間がかかるだけでなく、水の蒸発不足による塗膜欠陥が生じる恐れがある。一方、[雰囲気温度+20℃]を超え若しくは80℃を超えると、水の蒸発が激しくなり、塗膜表面に水蒸気の抜けた後があばた状に残る塗膜欠陥が多数生じてしまう。
また、インダクションヒータによる鋼材の加熱により塗膜内に生じる膜厚方向での温度勾配(塗膜表層側温度<塗膜下層側温度)は、5〜140℃/mm、好ましくは13〜140℃/mmとする。ここで、本発明において塗膜内の膜厚方向での温度勾配(℃/mm)とは、[鋼材加熱温度(℃)−雰囲気温度(℃)]/塗装厚(mm)により求められる値である。膜厚方向温度勾配が5℃/mm未満では、塗膜の加熱が不足し、乾燥に時間がかかるだけでなく、水の蒸発不足による塗膜欠陥が生じる恐れがある。一方、膜厚方向温度勾配が140℃/mmを超えると、水の蒸発が激しくなり、塗膜表面に水蒸気の抜けた後があばた状に残る塗膜欠陥が多数生じてしまう。
塗膜の膜厚方向での温度勾配は、鋼材加熱温度、雰囲気温度、雰囲気の空気の流れなどを制御することにより、調整することができる。
インダクションヒータによる鋼材の加熱時間は、雰囲気温度や加熱温度によっても異なるが、膜厚方向の温度勾配を小さくする場合には数時間程度以上の加熱が好ましく、温度勾配を大きくとれる場合には、順次この時間を短くすることができる。加熱時間が長くなることについては、特に乾燥に不具合を生じることはないが、あまり長くなると不経済な乾燥方法となる。
本発明法において、インダクションヒータで加熱する際に塗膜中の水の蒸発をより促進するには、塗膜表面はなるべく常温に近い温度に保持されることが好ましく、このために、(i)鋼材のインダクション加熱を行う雰囲気中で空気流を作り、この空気流を塗膜表面と接触させて冷却する、(ii)鋼材のインダクション加熱を行う雰囲気を冷却する、(iii)鋼材のインダクション加熱を行う雰囲気を冷却するとともに、この雰囲気中で空気流を作り、この空気流を塗膜表面と接触させて冷却する、などの方法を採ることが好ましい。
上記(i)の方法では、例えば、インダクションヒータで加熱中の鋼材(被塗物)に送風機などにより空気流を送り、塗膜表面を冷却する。
また、上記(ii)の方法では、例えば、インダクション加熱を行う雰囲気を 空調機などを使用して一定温度に冷却保持することで雰囲気温度をコントロールする。上記(iii)の方法は、例えば、上記(i)、(ii)の方法を組み合わせることで実現できる。
図1及び図2(図1のA部を部分的に拡大したもの)は、塗膜の乾燥を良好に行うことができる、塗膜の膜厚方向温度勾配と雰囲気流速(塗膜表面に接触する空気流の流速)の範囲を示したものであり、塗膜の乾燥状態を下記の基準で評価したものである。この試験では、雰囲気温度40℃において、鋼板面に固形分50mass%のエポキシ系水系塗料を300μmの平均厚みで塗布した。塗装直後から40℃にて3時間保持した後、雰囲気温度40℃で、塗膜の膜厚方向の温度勾配が所定の値に保持されるようにインダクションヒータで鋼材を断続的に3時間加熱するとともに、出力調整した送風機から鋼板と平行な方向に送風を行い、塗膜に所定の風速の空気流を接触させた。トータル24時間経過後の塗膜の状態を、以下の方法と評価基準で評価した。
○:指触して、塗料が指に付着せず、指紋跡も残らない状態。また、塗膜表面にあばた状などの欠陥がなく、且つ後述する碁盤目剥離試験において、塗膜残存率が80%以上である。
×:指触して、塗料が指に付着するか、指紋跡が残る状態。または、塗膜表面にあばた状などの欠陥が生じ、或いは後述する碁盤目剥離試験において、塗膜残存率が80%未満である。
図1及び図2によれば、塗膜の膜厚方向温度勾配が5℃/mm未満では、上述したような理由により、雰囲気流速に関わりなく評価は×である。膜厚方向温度勾配が5℃/mm以上の場合、雰囲気流速が0.3m/sec以上であれば評価は○である。一方、雰囲気流速が0.3m/sec未満では、塗膜の膜厚方向温度勾配と雰囲気流速が図2中の点線より右側の条件を満足すれば評価は○であるが、雰囲気流速がそれよりも小さいと評価は×である。一方、膜厚方向温度勾配が13℃/mm以上であれば、雰囲気流速に関わりなく評価は○である。但し、上述したしたように膜厚方向温度勾配が140℃/mmを超えると、水の蒸発速度が著しく速くなり、あばた状などの塗膜欠陥を生じるようになるため評価は×となる。
また、雰囲気流速が8m/secを超えると、大きな雰囲気流速によって塗膜表面が波打ったり、塗膜表面の乾燥が著しく進行して内部に水が残留するため、塗膜欠陥が生じやすくなるので、評価は×となる。
なお、本発明法では、第一及び第二の乾燥工程ともに、雰囲気湿度は95%以下が好ましい。雰囲気湿度が95%を超えると、水蒸気の大気中への放出が大きく阻害され、本発明の効果が得られにくくなる。
本発明法は、種々の鋼材の厚膜塗装に適用できるが、特に鋼構造物(例えば、橋梁、海洋構造物など)用の部材を、その製作又は組み立て工場や施工現場で厚膜塗装する場合に有用である。図3は、そのような実施形態を模式的に示したもので、大型鋼構造物用の部材として橋梁用桁1を塗装する場合を示している。図3(a)は被塗物である橋梁用桁材1の側面図、図3(b)は、塗布された水系塗料を適度に自然乾燥させた橋梁用桁1をインダクション加熱し、塗膜を乾燥させている状況を、橋梁用桁材1の正面から示したものである。図3では、移動可能なインダクションヒータ2が用いられ、インダクションヒータ2により橋梁用桁材1の各部を順次加熱し、塗膜の乾燥を行う。その際、橋梁用桁材1の長手方向一端側の外方に設置した送風機3から送風を行い、インダクション加熱を行う雰囲気中で空気流を作り、この空気流を塗膜表面と接触させて冷却する。なお、4はインダクション加熱部に対して効率的に送風を行うための簡易覆いである。
板厚6mmの鋼板(SS400,20cm×40cm)の片側に、固形分が50mass%の水系塗料(固形分:エポキシ系樹脂+顔料、溶媒:水)をエアレススプレーにて300μmの厚さ(wet)に塗布した。この塗装鋼材をすぐに、自然乾燥を想定して雰囲気温度が25〜40℃に保持された恒温室内に入れ、垂直に置かれた状態で所定時間放置(自然乾燥)した後、インダクションヒータを使用して塗装鋼材を所定温度になるように断続的に3時間加熱した。このインダクション加熱では、恒温室内の温度(雰囲気温度)を調整するとともに、一部の実施例では、送風機により雰囲気中で空気流を作り、この空気流を塗膜表面と接触させた。その後、加熱処理を施したものは放置し、加熱処理を施さないものはそのまま放置し、24時間後に以下に示すような塗膜品質の評価を行った。
塗装鋼材の塗装面中央の20mm×20mmの部分に対してJIS K5600-5-6:1999に準拠した碁盤目付着性試験を行ない、塗膜の乾燥性を調べた。すなわち、カッターにより鋼板に達する1mm角の碁盤目を入れ、この碁盤目部分に粘着テープを付着させた後、強制的に引き剥がし、塗膜が剥離することなく残存した碁盤目の割合を求め、80%以上を合格とした。なお、残存した碁盤目については、JIS K5600-5-6:1999の表1の「分類2」及びそれより程度がよいものを対象とした。
また、塗膜中央の部分を指先で強くこすり、指先に塗料が付着するか、塗膜表面に指紋痕が残るかという観点から、塗膜の硬化度を以下の基準で評価した。この評価では“◎”を合格とした。
◎:指先に塗料が付着せず、塗膜表面に指紋痕も残らない。
○:指先に塗料は付着しないが、塗膜表面に指紋痕が残る。
×:指先に塗料が付着し、且つ塗膜表面に指紋痕が残る。
また、塗膜欠陥については、各試験片(20cm×40cm)の塗膜の外観を観察して欠陥の有無・個数を調べ、以下の基準で評価した。この評価では“◎”を合格とした。
◎:塗膜欠陥が全くない。
○:10cm当たりの塗膜欠陥の平均個数が1個未満
×:10cm当たりの塗膜欠陥の平均個数が1個以上
以上の塗膜品質の評価結果を、塗膜の乾燥条件とともに表1に示す。
Figure 0005578086
1 橋梁用桁材
2 インダクションヒータ
3 送風機
4 簡易覆

Claims (6)

  1. 鋼材の表面に固形分が30〜70mass%の水系塗料を150μm以上の厚さに塗布した後、その塗膜を乾燥させる方法であって、
    鋼材の表面に水系塗料を塗布した後、塗膜の水分量が塗布直後の水分量の60mass%以下になるまで10〜40℃の雰囲気温度で自然乾燥させ、次いで、インダクションヒータにより鋼材を[雰囲気温度+1℃]〜[雰囲気温度+20℃]で且つ80℃以下の温度であって、塗膜の膜厚方向での温度勾配(塗膜表層側温度<塗膜下層側温度)が5〜140℃/mmとなるように加熱して、塗膜を乾燥させることを特徴とする水系塗料の塗装方法。
  2. インダクションヒータにより鋼材の加熱を行う雰囲気中で空気流を作り、この空気流を塗膜表面と接触させて冷却することを特徴とする請求項1に記載の水系塗料の塗装方法。
  3. インダクションヒータにより鋼材の加熱を行う雰囲気を冷却することを特徴とする請求項1に記載の水系塗料の塗装方法。
  4. インダクションヒータにより鋼材の加熱を行う雰囲気を冷却するとともに、この雰囲気中で空気流を作り、この空気流を塗膜表面と接触させて冷却することを特徴とする請求項1に記載の水系塗料の塗装方法。
  5. 鋼構造物用部材に対して、その製作若しくは組み立て工場又は施工現場にて塗料の塗布と塗膜の乾燥を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水系塗料の塗装方法。
  6. インダクションヒータにより鋼構造物用部材を加熱して塗膜を乾燥させる工程では、鋼構造物用部材に対してインダクションヒータを移動させながら鋼構造物用部材を加熱しつつ、その加熱部に対して送風機から送風を行うことを特徴とする請求項5に記載の水系塗料の塗装方法。
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