JP5577271B2 - 画像形成装置及び画像形成プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、パターンデータに対するデータ消失を防止する画像装置及び画像プログラムに関する。
カラープリンター等の画像形成装置では、ホストコンピューターから送信される印刷データを解釈して画像形成処理が行われる。
特定のパターンデータに対する画像形成処理では、入力された印刷データのマスクパターンとオブジェクトのハーフトーンパターンとを合成し、印刷出力用の画像データに変換するものがある。
ところが、マスクパターンの中には、ハーフトーンパターンとの干渉が生じるものがある。この干渉が生じた場合は、4プレーン(CMYK)中のあるプレーンが全く印刷出力されなくなり、或いは印刷出力時に意図しない縞模様が現れるといったモアレ現象が発生し、何れも画像再現性が著しく低下することになる。
また、マスクパターンとハーフトーンパターンとの重なり方によっては、実際に印刷される画像が、入力された印刷データの画像と異なる現象を招く場合がある。
これに対し、画像形成装置としては、例えば特許文献1のように、複数のハーフトーンパターンを備えたものがある。
この画像形成装置では、一のハーフトーンパターンとマスクパターンとを比較して印刷対象となる画素の出現率を算出し、出現率が低いときに予め備えている別のハーフトーンパターンを採用することで出現率を上げるようにしている。
しかしながら、特許文献1に記載のものは、パターンデータに対する画像再現性を向上できるものの、複数のハーフトーンパターンを備えているので記憶領域を圧迫する等の問題があった。
特開2006−166328号公報
本発明が解決しようとする問題点は、パターンデータに対する画像再現性を向上するために複数のハーフトーンパターンを備える必要があった点である。
本発明は、複数のハーフトーンパターンを備えることなくパターンデータに対する画像再現性を向上するため、入力された画像データの解釈に基づき所定座標のマスクパターン及びこのマスクパターンの有効画素に対する濃度値からなるパターンデータに対して出力画像形成を行う画像形成装置であって、前記マスクパターンと前記濃度値に基づくハーフトーンパターンとを合成し出現した対象画素に応じて前記出力画像形成を行う画像形成部と、前記対象画素に基づく前記パターンデータのパターン出現率を判定する出現率判定部と、前記パターン出現率が所定の閾値を下回る場合に前記マスクパターンの座標を移動させて前記画像形成部に前記合成を行わせる座標変換部と、前記パターン出現率が前記所定の閾値を下回る場合に選択的に前記マスクパターンの有効画素数を増加させた変換マスクパターンを生成するパターン変換部と、前記変換マスクパターンの有効画素に対する濃度値の合計が前記マスクパターンの有効画素に対する濃度値の合計と等しくなるように、前記変換マスクパターンの有効画素に対する濃度値を前記有効画素数の増加に応じて変更する濃度値変換部とを備え、前記画像形成部は、前記変換マスクパターンと前記変更された濃度値に基づくハーフトーンパターンとによって前記画像形成を行うことを最も主な特徴とする。
本発明によれば、マスクパターンの座標を移動させ、マスクパターンとハーフトーンパターンとの干渉周期をずらすことができ、複数のハーフトーンパターンを備えることなく画像再現性を向上させることができる。
画像形成装置の制御部を示すブロック図である(実施例1)。 マスクパターンの一例を示す概略図である(実施例1)。 図2のマスクパターンの移動可能方位を示す概略図である(実施例1)。 画像形成処理を示すフローチャートである(実施例1)。 マスク変換処理に係るフローチャートである(実施例1)。 (a)〜(d)は直交座標軸に沿った方位へのマスクパターンの移動状態を示す概念図である(実施例1)。 (a)〜(d)はそれぞれ図6(a)〜(d)において画素の補間を行う場合の概念図である(実施例1)。 画像形成装置の制御部を示すブロック図である(実施例2)。 マスク変換処理を示すフローチャートである(実施例2)。 パターン処理変換の概念図であり、(a)はマスクパターン、(b)は変換マスクパターンを示している(実施例2)。 入力値変換の一例を示す概念図であり、(a)はマスクパターン、(b)は変換マスクパターンでる(実施例2)。 変形例に係るマスク変換処理を示すフローチャートである(実施例2)。 マスク変換処理を示すフローチャートである(実施例3)。
複数のハーフトーンパターンを備えることなくパターンデータに対する画像再現性を向上するという目的を、マスクパターンの座標を移動させることで実現した。
[画像形成装置の制御部]
図1は、本発明の実施例1に係る画像形成装置の制御部を示すブロック図である。
図1のように、画像形成装置1は、例えばデジタル複合機等として構成され、コンピューターからなる制御部3を備えている。制御部3は、CPU等の制御要素であり、ROM等の記憶部(図示せず)内のソフトウェアプログラムを実行して画像形成装置1の各種制御や作業を行わせる。
本実施例の制御部3は、記憶部内の画像形成プログラムを実行することで、PDL解釈部5、描画処理部7、及び画像形成部9を機能部として備える。
PDL解釈部5は、ユーザー端末等の外部入力装置から画像データとして入力されたPDLデータ(ページ記述言語データ)のコマンドを解釈する。コマンド解釈により、入力された画像データ(印刷データ)に対するパターンデータの有無判別が行われる。
なお、本実施例でのパターンデータは、例えば「コピー禁止」等の画像データの一部に埋め込まれたパターンデータを意味する。このパターンデータは、前景マスクパターンと背景カラーとからなる。
図2は、マスクパターンの一例を示す概略図である。
前景のマスクパターン11は、画像データ内の所定座標に位置し、図2のように画素の有効、無効表示を表す「1」「0」のマスクパターンからなっている。本実施例のマスクパターン11は、有効無効画素が市松模様に配置されている。
背景カラーは、マスクパターン11の有効画素に対する濃度値からなっている。濃度値は、入力された画像データを構成している色空間の赤(R),緑(G),青(B)によって決まる。
PDL解釈部5は、解釈したPDLデータから中間データを生成して描画処理部7へ出力する。
描画処理部7は、中間データから描画データを生成して画像形成部9へ出力する。本実施例の描画処理部7では、図1のように、出現率判定部13及び座標変換部15の機能部を備えている。
出現率判定部13は、出現率判定手順を実現するものである。この出現率判定部13は、画像データがパターンデータを有する場合に、後述する画像形成部9でのマスクパターン11とハーフトーンパターンとの合成による対象画素に基づくパターンデータのパターン出現率を判定する。
具体的には、対象画素数が所定の閾値以上であるか否かを判定する。閾値は、例えばマスクパターン11の有効画素数等に対応して設定されており、画像形成装置1の記憶部等に記憶されている。
座標変換部15は、座標変換手順を実現するものであり、パターン出現率である対象画素数が所定の閾値を下回る場合にパターンデータのマスクパターン11の座標を移動させる。
図3は、図2のマスクパターンの移動可能方位を示す概略図である。
マスクパターン11の移動は、図3のように、例えば直交する各座標軸に沿って1画素ずつを上限として行われる。この範囲において、本実施例では、マスクパターン11を、その全8方位において移動可能となっている。なお、マスクパターン11の移動は、その上限が上記に限られず任意に設定することができ、この設定に応じて移動可能方位が決定される。
座標の移動方位等の移動情報は、例えば画像形成装置1内の記憶部に記憶される。この移動情報により、再度の同一方位へのマスクパターン11の座標移動を不能とする。
また、座標変換部15は、マスクパターン11の移動によって抜けが生じた反移動方向の画素を補間する。補間は、抜けが生じた画素に反移動方向で隣接する画素の値を割り当てる。ただし、補間は、これに限られず、例えば内挿補間等によって行っても良い。
画像形成部9は、画像形成手順を実現するものであり、入力された描画データから出力画像を形成する。この画像形成部9は、図1のように色変換処理部17、ガンマ補正部19、スクリーン処理部21を備えている。
色変換処理部17は、描画データに対する色変換処理を行う。この色変換処理部17では、描画データの色空間を、赤(R),緑(G),青(B)から画像形成装置1での色空間であるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)に色変換処理する。この色変換処理には、記憶部に保存された、いわゆるcLUT(Color Look-Up Table)からなる色変換テーブルが用いられる。
ガンマ補正部19は、パターンデータ等の描画データが持つ輝度や濃度などの特性の変換を行う。このガンマ補正部19では、濃度変更関数であるガンマ補正曲線を用いて変換を行う。
スクリーン処理部21は、描画データに対してスクリーン処理を行い、所定サイズの画素ブロック毎に例えばスクリーンテーブルを用いて出力画像データを生成する。
パターンデータに対しては、パターンデータの濃度値に基づく背景カラーのハーフトーンパターンを生成し、ハーフトーンパターンとマスクパターン11とを合成する。この合成により出現した対処画素に応じて、スクリーン処理による出力画像データの形成を行う。
従って、画像形成部9は、マスクパターン11と濃度値に基づくハーフトーンパターンとを合成し出現した対象画素に応じて出力画像の形成を行う構成となっている。なお、ハーフトーンパターンは、例えば所定のディザマトリックスを用いたディザ処理によって生成される。
画像形成部9からの出力画像データは、図示しない印刷部において用紙などに印刷出力される。
[画像形成処理]
図4は、本発明の実施例1に係る画像形成装置による画像形成処理を示すフローチャート、図5は、マスク変換処理に係るフローチャートである。
本実施例の画像形成装置1では、外部入力装置からPDLデータとして画像データが入力されることで、図4のフローチャートが開始される。
図4のように、ステップS1では、「PDL解釈」の処理が実行される。この処理では、PDLデータの受信後、PDL解釈部5にてPDLデータのコマンドが逐次解釈されて中間データが生成される。これにより、ステップS2に移行する。
ステップS2では、「パターンデータ判別」の処理が実行される。この処理では、PDL解釈部5でのコマンド解釈に基づいて、画像データ内のパターンデータを判別し、ステップS3へ移行する。
ステップS3では、「描画処理」が実行される。この処理では、描画処理部7により生成された中間データから描画データが生成され、ステップS4に移行する。
ステップS4では、「色変換処理」が実行される。この処理では、画像形成部9の色変換処理部17により、描画データに対する色変換が行われ、ステップS5へ移行する。
ステップS5では、「ガンマ補正処理」が実行される。この処理では、画像形成部9のガンマ補正部19により、パターンデータ等の描画データが持つ輝度や濃度などの特性の変換が行なわれ、ステップS6へ移行する。
ステップS6では、「スクリーン処理」が実行される。この処理では、画像形成部9のスクリーン処理部21により、描画データに対してスクリーン処理が行われる。
このスクリーン処理では、ステップS2においてパターンデータが判別された場合、背景カラーのハーフトーンパターンとマスクパターン11とを合成し、出現した対処画素に応じてパターンデータに対するスクリーン処理が行われる。
このスクリーン処理によって出力画像データが形成され、ステップS7へ移行する。
ステップS7では、「パターンデータを含む?」の処理が実行される。この処理では、ステップS2の判別に基づいて、出力画像データがパターンデータを含むか否かを判断する。この処理は、描画処理部7及び画像形成部9の何れかで行えばよい。
パターンデータを含まない場合はステップS8へ移行し、含む場合はステップS9へ移行する。
ステップS8では、「印刷出力」の処理が実行される。この処理では、画像形成部9において形成された出力画像データに基づき、印刷部が用紙上に印刷出力を行う。
ステップS9では、「パターン出現率が閾値以上?」の処理が実行される。この処理では、出現率判定部13により出力画像データ内での対象画素数が閾値以上であるか否かを判定する。
出現率としての対象画素数が閾値以上である場合はステップS8へ移行して上記のように印刷出力が行われ、閾値を下回る場合は図5のマスク変換処理へ移行する。
[マスク変換処理]
マスク変換処理では、図5のフローチャートのように、まずステップS10の「座標変換を行う?」の処理が実行される。この処理では、PDL解釈に基づいて、座標変換部15が座標変換を行うことが指定されているか否かを判断する。
座標変換を行うことが指定されている場合には、ステップS11に移行し、指定されていない場合には、図4の(1)へ移行して画像形成処理を終了させる。
ただし、座標変換を行うことが指定されていない場合は、元のパターンデータに対して印刷出力を行わせてもよい。
ステップS11では、「座標変換可能?」の処理が実行される。この処理では、座標変換部15が、記憶部からマスクパターン11の移動情報を取得して移動可能方位を判定する。
移動情報が存在しない場合又は全8方位の何れかに対する移動が行われていない場合は、移動可能であるとしてステップS12へ移行する。一方、全8方位への移動が行われている場合は、移動不能であるとして図4の(1)へ移行して上記同様に画像形成処理を終了させる。
ただし、移動不能の場合は、印刷出力を行わせてもよい。この場合、出現率が最も高い方位へマスクパターン11を移動させた状態で印刷出力を行わせるのが好ましい。
ステップS12では、「座標変換」の処理が実行される。この処理では、座標変換部15が入力画像データに対しマスクパターン11の座標を移動可能方位へ移動させる。
図6(a)〜(d)は、直交座標軸に沿った方位へのマスクパターンの移動状態を示す概念図である。本実施例では、図6(a)〜(d)のように、直交座標軸に沿った何れかの移動可能方位へマスクパターン11を1画素移動させる。これにより、ステップS12へ移行する。
ステップS13では、「画素補間」の処理が実行される。この処理では、座標変換部15がマスクパターン11の移動によって抜けが生じた反移動方向の画素を補間する。
図7(a)〜(d)は、それぞれ図6(a)〜(d)において画素の補間を行う場合の概念図である。画素の補間は、図7(a)〜(d)のように、抜けが生じた画素に反移動方向で隣接する画素P1〜P5の濃度値を割り当てる。
こうして画素の補間が行われると、図4の(2)へ戻ってステップS3以降の処理が再度行われる。
[実施例1の効果]
本実施例の画像形成装置1は、入力された画像データの解釈に基づき所定座標のマスクパターン11及びこのマスクパターン11の有効画素に対する濃度値からなるパターンデータに対して出力画像形成を行う画像形成装置1であって、マスクパターン11と濃度値に基づくハーフトーンパターンとを合成し出現した対象画素に応じて出力画像形成を行う画像形成部9と、対象画素に基づくパターンデータのパターン出現率を判定する出現率判定部13と、パターン出現率が所定の閾値を下回る場合にマスクパターン11の座標を移動させて画像形成部9に前記合成を行わせる座標変換部15とを備えている。
従って、画像形成装置1では、マスクパターン11の座標を移動させ、マスクパターン11とハーフトーンパターンとの干渉周期をずらすことができる。
この結果、画像形成装置1では、複数のハーフトーンパターンを備える必要がなく、画像形成装置1の記憶容量の圧迫等を抑制することができると共に、パターンデータに対するパターン出現率を向上させて、画像再現性を向上させることができる。
しかも、画像形成装置1では、マスクパターン11のパターン形状が維持されるため、パターンデータに対する画像再現性を確実に向上することができる。
画像形成装置1では、座標変換部15が、マスクパターン11の座標を全方位で移動可能であるため、全方位に対する干渉周期をずらして、より確実にパターン出現率の向上を図ることができる。
また、画像形成装置1では、座標変換部15がマスクパターン11の移動によって抜ける反移動方向の画素を補間するため、マスクパターン11を移動させても画像データ全体に対する画像再現性の低下を抑制することができる。
図8は、本発明の実施例2に係る画像形成装置の制御部を示すブロック図である。なお、本実施例の画像形成装置は、上記実施例1の画像形成装置1と基本構成が共通しているため、実施例1と対応する構成部分に同符号或いは同符号にAを付加したものを用いて重複した説明を省略する。
本実施例の画像形成装置1Aは、図8のように、描画処理部7Aが出現率判定部13及び座標変換部15に加えて、パターン変換部23及び濃度値変換部25を備えたものである。
パターン変換部23は、パターン変換手順を実現するものである。このパターン変換部23は、パターン出現率が所定の閾値を下回る場合に、選択的にPDL解釈部5によるマスクパターンに対して有効画素数を増加させる。本実施例では、画素の表示を全て有効画素(全表示)とする変換を行い、変換マスクパターンの生成を行う。
濃度値変換部25は、濃度値変換手順を実現するものであり、変換マスクパターンに対する濃度値を調整する。すなわち、濃度値変換部25は、変換マスクパターンの有効画素に対する濃度値の合計がマスクパターン11の有効画素に対する濃度値の合計と等しくなるように、変換マスクパターンに対する濃度値を画素数の増加に応じて変更する。これにより、濃度値変換マスクパターンデータの生成が行われる。
この本実施例の画像形成装置1Aでは、図9のフローチャートによってマスク変換処理が行われる。なお、マスク変換処理以外は、実施例1と同様に図4のフローチャートによって行われるので説明を省略する。
図9は、本発明の実施例2に係るマスク変換処理を示すフローチャートである。図9のフローチャートでは、実施例1の図5のフローチャートに対し、ステップS21、S22、S23が新たに追加されている。
すなわち、マスク変換処理では、まずステップS21において「パターン形状優先?」の処理が実行される。この処理では、PDLデータの解釈に基づいて、パターン形状の優先が指定されているか否かを判断する。この判断は、描画処理部7及び画像形成部9の何れかにおいて行わせればよい。
パターン形状の優先が指定されている場合には、ステップS10に移行して図5のフローチャートと同様の処理が行われる。パターン形状の優先が指定されていない場合には、ステップS22へ移行する。
ステップS22では、「パターン変換」の処理が実行される。この処理では、パターン変換部23がパターンデータのマスクパターン11を全て有効画素とした変換マスクパターンを生成する。
図10は、パターン処理変換の概念図であり、(a)はマスクパターン、(b)は変換マスクパターンを示している。
パターン変換は、図10のように、有効画素及び無効画素が交互に配置された市松模様のマスクパターン11に対し、無効画素を有効画素として変換マスクパターン27を生成する。変換マスクパターン27の生成後は、マスク変換処理がステップS23へ移行する。
ステップS23では、「パターン濃度値変換」の処理が実行される。この処理では、濃度値変換部25が変換マスクパターンの有効画素に対する濃度値の合計がマスクパターン11の有効画素に対する濃度値の合計と等しくなるように濃度値を画素数の増加に応じて変更する。
この濃度値は、下記数式(1)より算出される。
InputRGB’:変換マスクパターンの濃度値
InputRGB :マスクスパターンの濃度値
図11は、濃度値変換の一例を示す概念図であり、(a)はマスクパターン、(b)は変換マスクパターンでる。なお、図11の例では、マスクパターン11に対する濃度値がRGBについてそれぞれv=200に設定されており、その一つを示している。
本実施例では、図11のように、変換マスクパターン27の有効画素数がマスクパターン11に対して2倍となったため、上記式(1)より変換マスクパターン27に対する濃度値がマスクパターン11に対する濃度値v=200の半分v’=100となる。
こうして濃度値変換が行われると図4の(2)へ戻る。その後は、ステップS3〜S6の処理を経て、変換マスクパターン27と変更された濃度値に基づくハーフトーンパターンとによる出力画像データが形成される。そして、形成された出力画像データに基づき、ステップS9において印刷出力が行われる。
[実施例2の効果]
本実施例の画像形成装置1Aでは、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
加えて、画像形成装置1Aでは、パターン出現率が所定の閾値を下回る場合に選択的にマスクパターン11の有効画素数を増加させた変換マスクパターン27を生成するパターン変換部23と、変換マスクパターン27とマスクパターン11とによる濃度が等しくなるように濃度値を画素数の増加に応じて変更する濃度値変換部25とを備え、画像形成部9が、変換マスクパターン27と変更された濃度値に基づくハーフトーンパターンとによって画像形成を行う。
従って、画像形成装置1Aでは、座標変換と選択的にパターン変換を行わせ、マスクパターン11の有効画素を全表示させた変換マスクパターン27を形成し、マスクパターン11とハーフトーンパターンとの重なり方に関係なく確実に画像形成を行うことができる。
しかも、画像形成装置1Aでは、変換マスクパターン27に対する濃度値の変更により、変換マスクパターン27の濃度を元のマスクパターン11の濃度と等しくすることができ、マスクパターン11と変換マスクパターン27とで色再現性を同等にすることができる。
従って、本実施例の画像形成装置1Aでは、マスクパターン11の座標変換では画像再現性が困難な場合であっても、パターン出現率の向上と色再現性の確保によって画像再現性を向上することができる。
また、本実施例の画像形成装置1では、パターン変換処理によりマスクパターン11上の全画素を有効画素とするため、市松模様等のパターンデータを消失させることなく画像形成を行わせることができる。従って、本実施例では、より画像再現性を向上することができる。
ただし、変換マスクパターン27は、元のマスクパターン11に対して画素数が増加していればパターン出現率を向上させることができるため、必ずしも全数有効表示としなくてもよい。この場合であっても、変換マスクパターンの有効画素を連続させるのが好ましい。
[変形例]
図12は、実施例2の変形例に係るマスク変換処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップS10において座標変換不能と判断された場合にステップS22のパターン変換へ移行する。
従って、本変形例では、座標変換とパターン変換との二段階のマスク変換処理を行わせることが可能となり、座標変換によるパターン出現率の向上が困難な場合にのみ、パターン変換によるパターン出現率の向上を行わせることができる。
以下、本発明の実施例3について説明する。本実施例の画像形成装置は、上記実施例2の画像形成装置と同一の機能ブロック構成であるため、図8を参照して重複した説明を省略する。
本実施例の画像形成装置1Aでは、出現率判定部13が、変換マスクパターン27と変更された濃度値に基づくハーフトーンパターンとによる出力画像データに対してパターン出現率を再判定する。
パターン濃度値変換部25は、パターン出現率の再判定後に、パターン出現率が閾値以下となった場合に変換マスクパターン27の濃度値の再変換を行う。この濃度値の再変更の際は、上記式(1)に対して補正係数を適用する。この濃度値の再変更によってパターン出現率を上げるようにしている。
この本実施例の画像形成装置1Aでは、図13のフローチャートによってマスク変換処理が行われる。なお、マスク変換処理以外は、実施例1と同様に図のフローチャートによって行われるので説明を省略する。
図13は、本発明の実施例3に係るマスク変換処理を示すフローチャートである。図13のフローチャートでは、実施例2の図9のフローチャートに対し、ステップS31、S32が新たに追加されている。
すなわち、マスク変換処理では、まずステップS21において「パターン形状優先?」の処理が実行され、パターン形状を優先する場合にステップS10に移行し、パターン形状を優先しない場合にステップS31へ移行する。
ステップS31では、「パターン出現率再判定?」の処理が実行される。この処理では、図4のステップS9においてパターン出現率が再判定されたか否かを判定する。パターンの出現率が再判定である場合は、ステップS32に移行し、再判定でない場合は、ステップS22を経てステップS23に移行する。
ステップS32では、「補正係数適用」の処理が実行される。この処理では、濃度値を再変換するために、濃度値を変換するための式(1)に対して補正係数αを適用して以下の式(2)とする。
補正係数: α
(InputRGB’ / InputRGB’< α <InputRGB / InputRGB’)

InputRGB’:変換マスクパターンの再変換濃度値
InputRGB :マスクスパターンの濃度値
こうして式(1)を適用して式(2)とした後は、ステップS23に移行する。
ステップS23では、「パターン濃度値変換」が行われる。ステップS32から移行した場合は、式(2)を用いて濃度値の再変換が行われる。この濃度値の再変換により、パターン出現率を向上することができる。
本実施例の画像形成装置1Aにおいても、実施例2と同様な作用効果を奏することができる。また、本実施例では、上述のように画素のパターン出現率の再判定を行い、パターン出現率が所定の閾値を下回った場合に補正係数αを適用して濃度値を再変換する。これにより、パターン出現率を上げることができると共に色再現性を確保することができる。
なお、実施例3では、濃度値の再変換の際に直前の変換によって濃度値が変換可能な上限を超えているような場合、変換マスクパターンを再生成する構成としてもよい。この場合は、変換対象となる濃度値を変換マスクパターンの生成に伴って変更することができ、濃度値の再変換を可能とすることができる。ただし、再生成前の変換マスクパターンが、全て有効画素となっていないことが必要である。
1 画像形成装置
9 画像形成部
11 マスクパターン
13 出現率判定部
15 座標変換部
23 パターン変換部
25 濃度値変換部
27 変換マスクパターン

Claims (12)

  1. 入力された画像データの解釈に基づき所定座標のマスクパターン及びこのマスクパターンの有効画素に対する濃度値からなるパターンデータに対して出力画像形成を行う画像形成装置であって、
    前記マスクパターンと前記濃度値に基づくハーフトーンパターンとを合成し出現した対象画素に応じて前記出力画像形成を行う画像形成部と、
    前記対象画素に基づく前記パターンデータのパターン出現率を判定する出現率判定部と、
    前記パターン出現率が所定の閾値を下回る場合に前記マスクパターンの座標を移動させて前記画像形成部に前記合成を行わせる座標変換部と、
    前記パターン出現率が前記所定の閾値を下回る場合に選択的に前記マスクパターンの有効画素数を増加させた変換マスクパターンを生成するパターン変換部と、
    前記変換マスクパターンの有効画素に対する濃度値の合計が前記マスクパターンの有効画素に対する濃度値の合計と等しくなるように、前記変換マスクパターンの有効画素に対する濃度値を前記有効画素数の増加に応じて変更する濃度値変換部とを備え、
    前記画像形成部は、前記変換マスクパターンと前記変更された濃度値に基づくハーフトーンパターンとによって前記画像形成を行う、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置であって、
    前記座標変換部は、前記マスクパターンの座標を、そのマスクパターンに対する全方位
    で移動可能である、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2記載の画像形成装置であって、
    前記座標変換部は、前記マスクパターンの移動によって抜ける反移動方向の画素を補間
    する、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置であって、
    前記パターン変換部は、前記変換マスクパターンの有効画素を連続表示させる、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の画像形成装置であって、
    前記パターン変換部は、前記変換マスクパターンの画素を全て有効画素とする、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の画像形成装置であって、
    前記出現率判定部は、前記変換マスクパターンと前記ハーフトーンパターンとの合成に
    よる対象画素に基づいた前記パターン出現率を判定し、
    前記濃度値変換部は、前記パターン出現率が閾値以下となった場合に前記濃度値を有効
    画素数に関して再変更する、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  7. 入力された画像データの解釈に基づき所定座標のマスクパターン及びこのマスクパター
    ンの有効画素に対する濃度値からなるパターンデータに対して出力画像形成を行う画像形
    成プログラムであって、
    前記マスクパターンと前記濃度値に基づくハーフトーンパターンとを合成し出現した対
    象画素に応じて前記出力画像形成を行う画像形成手順と、
    前記対象画素に基づく前記パターンデータのパターン出現率を判定する出現率判定手順
    と、
    前記パターン出現率が所定の閾値を下回る場合に前記マスクパターンの座標を移動させ
    て前記画像形成手順に前記合成を行わせる座標変換手順と、
    前記座標移動後の前記パターン出現率が前記所定の閾値を下回る場合に前記マスクパターンの有効画素数を増加させた変換マスクパターンを生成するパターン変換手順と、
    前記変換マスクパターンの有効画素に対する濃度値の合計が前記マスクパターンの有効画素に対する濃度値の合計と等しくなるように、前記変換マスクパターンの有効画素に対する濃度値を前記有効画素数の増加に応じて変更する濃度値変換手順と、
    をコンピューターに実行させ、
    前記画像形成手順は、前記変換マスクパターンと前記変更された濃度値に基づくハーフトーンパターンとによって前記画像形成を行う、
    ことを特徴とする画像形成プログラム。
  8. 請求項7記載の画像形成プログラムであって、
    前記座標変換手順は、前記マスクパターンの座標を、そのマスクパターンに対する全方位で移動可能である、
    ことを特徴とする画像形成プログラム。
  9. 請求項7又は8記載の画像形成プログラムであって、
    前記座標変換手順は、前記マスクパターンの移動によって抜ける反移動方向の画素を補間する、
    ことを特徴とする画像形成プログラム。
  10. 請求項7〜9の何れか1項に記載の画像形成プログラムであって、
    前記パターン変換手順は、前記変換マスクパターンの有効画素を連続表示させる、
    ことを特徴とする画像形成プログラム。
  11. 請求項7〜10の何れか1項に記載の画像形成プログラムであって、
    前記パターン変換手順は、前記変換マスクパターンの画素を全て有効画素とする、
    ことを特徴とする画像形成プログラム。
  12. 請求項7〜11の何れか1項に記載の画像形成プログラムであって、
    前記出現率判定手順は、前記変換マスクパターンと前記ハーフトーンパターンとの合成による対象画素に基づいた前記パターン出現率を判定し、
    前記濃度値変換手順は、前記パターン出現率が閾値以下となった場合に前記濃度値を有効画素数に関して再変更する、
    ことを特徴とする画像形成プログラム。
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