以下に、本発明に係る密着型画像読取装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1に係る密着型画像読取装置の外観を示す図であり、蓋部を閉じた状態を示す図である。図2は、図1に示す密着型画像読取装置の蓋部を開いた状態を示す図である。同図に示す密着型画像読取装置1は、共に薄型の略直方体、或いは略板状に形成された第1本体部である蓋部5と第2本体部である本体部6とを有しており、蓋部5と本体部6とは、双方の一辺がヒンジ8によって接続されている。これにより、蓋部5と本体部6とは、相対的に開閉可能に設けられている。また、これらの蓋部5と本体部6とには、画像を読み取る画像読取部10が2つ設けられており、蓋部5には、2つの画像読取部10のうち一方の画像読取部10である第1画像読取部11が設けられており、本体部6には、他方の画像読取部10である第2画像読取部12が設けられている。詳しくは、蓋部5には、蓋部5を閉じた際における本体部6側の面に第1画像読取部11が設けられ、本体部6には、蓋部5を閉じた際における蓋部5側の面に第2画像読取部12が設けられている。これらの第1画像読取部11と第2画像読取部12とは、蓋部5と本体部6とを閉じた際に、重なり合う位置に配設されている。換言すると、蓋部5と相対的に開閉可能な本体部6は、蓋部5と相対的に閉じる際には蓋部5における第1画像読取部11が設けられている面に対して閉じ、且つ、蓋部5と相対的に閉じた際には第1画像読取部11に対向する位置に第2画像読取部12が備えられている。
また、蓋部5には、第1画像読取部11が設けられている側の面の反対側の面に、画像表示部15が設けられている。この画像表示部15は、液晶パネルによって設けられており、任意の画像が表示可能になっている。また、この画像表示部15には、表示された画像に応じて当該画像表示部15を触れることにより入力操作を行うことができる、いわゆるタッチパネルが設けられており、画像表示部15は、タッチパネル付き液晶パネルになっている。このため、画像表示部15は、操作入力部としての機能も兼ね備えており、例えば、原稿の撮像の開始を行う際の指示の入力を行うスタートボタンとしての機能を備えている。
また、蓋部5や本体部6には、機械式センサや磁気センサ、または光センサ等により、双方の開閉の検出が可能な開閉検出機構(図示省略)が設けられている。
図3は、図2に示す画像読取部の構成を示す断面図である。第1画像読取部11と第2画像読取部12との双方の画像読取部10は、共に図3に示すような同様な構成で設けられている。この画像読取部10は、バックライト30と、このバックライト30上に設けられる透明なガラス基板21と、ガラス基板21上に所定の間隔で二次元配列状に複数が配設される受光部である受光素子25とが、積層されて設けられている。このうち、ガラス基板21上に配設される受光素子25は、詳しくはガラス基板21におけるバックライト30が位置する側の反対側の面に配設されている。第1画像読取部11と第2画像読取部12との双方の画像読取部10は、このように受光素子25が二次元配列状に複数配設される、二次元密着型の画像読取部10である二次元密着型エリアセンサとして設けられている。
また、バックライト30は、光源であるLED(Light Emitting Diode)33と、このLED33で発した光をガラス基板21全体に導く導光板31及び反射板32と、を備えている。このように、光源としてLED33が用いられる画像読取部10では、LED33をR(Red)、G(Green)、B(Blue)の3色とし、順次発光して画像を読み取り、読み取った画像を合成することでカラー画像を得ることができる。なお、LED33をRGBの3色にする代わりに、受光素子25にRGBのカラーフィルターを備えることでも、カラー化が可能になる。
また、バックライト30が有する光源は、本実施形態1に係る密着型画像読取装置1ではLED33を用いているが、この光源はLED33以外のものを用いてもよく、例えば、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)等の光源を用いてもよい。
また、バックライト30は、ガラス基板21における受光素子25が位置する側の反対側に設けられているが、このバックライト30は、LED33の発光時に、LED33で発した光を導光板31と反射板32とによってガラス基板21全体に導くことが可能になっており、また、ガラス基板21は透明な部材により設けられている。これらのため、LED33の発光時、即ち、バックライト30の発光時には、バックライト30からの光はガラス基板21を透過し、複数の受光素子25同士の間から、ガラス基板21においてバックライト30が位置する側の反対側の方向に照射される。
このように、透明に設けられるガラス基板21上における複数の受光素子25同士の間の部分は、バックライト30の発光時に、この光を用いて、ガラス基板21においてバックライト30が位置する側の反対側の方向に発光可能な発光部26として設けられている。つまり、ガラス基板21上に配設される受光素子25同士は離間しているので、発光部26は、各受光素子25の周囲にそれぞれ設けられた状態になっている。また、これらのようにガラス基板21には受光素子25が設けられていると共に発光部26も設けられており、このため、受光素子25を含めたガラス基板21からなる層は、受光と発光とが可能な受発光層20として設けられている。
このように設けられる画像読取部10は、受発光層20に設けられる受光素子25で、原稿で反射した光を受光することにより、原稿の画像を読み取ることができるように設けられているため、画像読取部10で原稿の画像を読み取る場合は、画像読取部10において受光素子25が設けられている側の面で読み取る。また、画像読取部10は、原稿の画像を読み取る側の面の反対側に原稿を照射する照射光を発光するバックライト30が配設されている。
図4は、図2のA−A断面図である。図5は、図4のC部詳細図である。蓋部5には第1画像読取部11が設けられているが、この蓋部5には、第1画像読取部11を配設する部分である画像読取部設置部35が形成されており、第1画像読取部11は、この画像読取部設置部35に内設された弾性部材であるクッション材38を介して蓋部5に取り付けられている。詳しくは、画像読取部設置部35は、第1画像読取部11を本体部6の方向から見た場合における形状が、第1画像読取部11よりも若干大きく、所定の深さを有する凹みにより形成されている。クッション材38は、このように凹んで形成される画像読取部設置部35の底部36に複数が配設されており、第1画像読取部11は、このクッション材38に取り付けられている。
このように画像読取部設置部35に複数が配設されるクッション材38は、ポリウレタンやゴム材料等、弾性変形が可能で、弾力性を有する材料により形成されている。第1画像読取部11は、当該第1画像読取部11を本体部6の方向から見た場合における形状が、略矩形状の形状で形成されているが、クッション材38は、このように形成される第1画像読取部11の4つの角部付近で、且つ、本体部6が位置する側の反対側の面に配設されている。即ち、クッション材38は、画像読取部設置部35の底部36と第1画像読取部11との間に配設されて第1画像読取部11を支持しており、第1画像読取部11は、画像読取部設置部35が形成されている部分に、少なくとも一部が画像読取部設置部35内に位置した状態でクッション材38を介して配設されている。
第1画像読取部11は、このように弾性変形が可能なクッション材38によって画像読取部設置部35が形成されている部分に配設されているため、第1画像読取部11に荷重が付与された場合には、第1画像読取部11はクッション材38の弾性変形により、クッション材38に支持された状態で動くことができる。第1画像読取部11は、このように付与される荷重によって動くことができるフローティング構造によって設けられている。
図6は、図2のB部詳細図であり、ヒンジの詳細図である。図7は、図6のD−D断面図である。蓋部5と本体部6とは、ヒンジ8によって接続されているが、このヒンジ8は、蓋部5と本体部6とにおいてヒンジ8が設けられている辺の両端付近の2箇所に配設されており、この2箇所に設けられるヒンジ8は、双方が同様な構成で設けられている。
詳しくは、このヒンジ8は、蓋部5に接続される側の部分である蓋部側ヒンジ部40と、本体部6に接続される側の部分である本体部側ヒンジ部45とを有している。このうち、蓋部側ヒンジ部40は、略円柱形状の形状で形成され、開閉させる部位に接続する部分である接続部41が設けられている。また、蓋部側ヒンジ部40には、接続部41の形状である円柱の軸方向における一端に、径が当該円柱の径よりも大きい略円板状の形状で形成され、中心軸が円柱の中心軸CLと同心になって形成された当接部42が設けられている。
図8は、図7のE−E断面図である。さらに、この当接部42における、接続部41が位置する側の面の反対側の面には、接続部41が位置する側の反対方向に突出した突起部43が設けられている。この突起部43は、当接部42を軸方向に見た場合における外周側付近の位置で、周方向において異なる位置に2つが設けられており、2つの突起部43は、中心軸CLを中心として点対称になる位置に配設されている。即ち、2つの突起部43は、当接部42の中心軸CLを中心として180°ずれた位置に配設されている。
これに対し、本体部側ヒンジ部45は、略直方体状の形状で形成されており、本体部側ヒンジ部45と蓋部側ヒンジ部40とを組んだ状態では、蓋部側ヒンジ部40は、直方体状の本体部側ヒンジ部45の1つの面から突出した形態となっている。このように設けられる本体部側ヒンジ部45は、内部に空間が形成されたハウジング46を有している。
このハウジング46の空間は、蓋部側ヒンジ部40の中心軸CLに沿った方向に見た場合における形状が、一辺の長さが蓋部側ヒンジ部40の当接部42の形状である円板の直径よりも若干長い、略正方形の形状で形成されている。このように形成されるハウジング46の空間は、ヒンジ8の開閉機構を構成する各部材が内設される機構室47となっている。
また、ハウジング46には、蓋部側ヒンジ部40がハウジング46の外側と内側とにかけて貫通し、接続部41の径よりも若干大きい径で形成された穴である穴部48が形成されている。蓋部側ヒンジ部40は、当接部42が、ハウジング46の機構室47に内設され、接続部41は、ハウジング46の穴部48を貫通して、機構室47からハウジング46の外部に向かって突出して配設されている。
また、ハウジング46の機構室47には、付勢部材50とスプリング52とが内設されている。このうち、付勢部材50は、蓋部側ヒンジ部40の中心軸CLに沿った方向に見た場合における形状が、機構室47の形状である正方形よりも、若干小さい略正方形の形状となる板状の部材として形成されており、機構室47内に位置する当接部42に対向して配設されている。このため、当接部42は、蓋部側ヒンジ部40の中心軸CLに沿った方向には移動可能で、この中心軸CLを中心とする回転方向には、回転不可となって配設されている。
このように配設される付勢部材50における当接部42側の面には、この面から凹んで形成された凹部51が設けられている。この凹部51は、付勢部材50に対向している当接部42に形成された突起部43と同様に2つ形成されており、突起部43に対応する位置に、突起部43に対応する大きさ、及び深さで形成されている。このため、突起部43と凹部51とは、それぞれ2つずつ設けられた突起部43と凹部51とが共に嵌り合うことができる。さらに、当接部42の中心軸CLを中心として当接部42が180°回転した場合でも、突起部43と凹部51とは、嵌り合う突起部43と凹部51とが入れ替わって嵌り合うことができる。
また、スプリング52は、圧縮ばねによって設けられており、機構室47における蓋部側ヒンジ部40の当接部42が位置している側の反対側に配設され、付勢部材50に対して、当接部42に押し付ける方向の付勢力を付与している。このため、付勢部材50は、スプリング52の付勢力によって、常に当接部42に押し付けられた状態になっている。
これらのように設けられるヒンジ8は、蓋部側ヒンジ部40の接続部41が蓋部5に接続されており、本体部側ヒンジ部45が、本体部6に接続されている。また、蓋部側ヒンジ部40は、中心軸CLを中心とした回転方向に、本体部側ヒンジ部45に対して相対的に回転可能に設けられている。これにより、蓋部5と本体部6とは、蓋部側ヒンジ部40の中心軸CLを中心として相対的に回動し、開閉可能になっている。
ヒンジ8は、これらのように蓋部5や本体部6に接続され、蓋部5と本体部6とは、ヒンジ8によって開閉可能になっているが、ヒンジ8に設けられる突起部43と凹部51とは、蓋部5と本体部6とが閉じた状態、即ち、蓋部5と本体部6とが重なり合う状態の場合に、突起部43と凹部51とが嵌り合う位置関係となって設けられている。つまり、ヒンジ8は、蓋部5と本体部6とが閉じて第1画像読取部11と第2画像読取部12とが対向し、双方の画像読取部10が重なり合う状態の場合に、突起部43と凹部51とが嵌り合うように、蓋部側ヒンジ部40や本体部側ヒンジ部45が、蓋部5や本体部6に接続されている。
また、突起部43と凹部51とは、共に点対称に形成されており、突起部43と凹部51とが嵌り合った状態から当接部42の中心軸CLを中心として当接部42と付勢部材50とが相対的に180°回転した場合でも、突起部43と凹部51とは、嵌り合う突起部43と凹部51とが入れ替わって嵌り合うように設けられている。このため、蓋部5と本体部6とが閉じている状態で突起部43と凹部51とが嵌り合うように設けられているヒンジ8は、蓋部5と本体部6とを開き、蓋部側ヒンジ部40と本体部側ヒンジ部45とが相対的に180°回転した場合も、突起部43と凹部51とが嵌り合うように設けられている。
これらのように形成されるヒンジ8は、2つの画像読取部10における原稿の画像を読み取るそれぞれの面に対して平行な回転軸を有して形成されている。つまり、ヒンジ8は、蓋部側ヒンジ部40の中心軸CLが、蓋部5と本体部6とを閉じた際に、第1画像読取部11と第2画像読取部12との双方の画像読取部10における、他方の画像読取部10に対向するそれぞれの面に対して平行に形成されている。これによりヒンジ8は、当該ヒンジ8の回転軸、即ち、蓋部側ヒンジ部40の中心軸CLを中心として、蓋部5と本体部6とを相対的に回動させて開閉させることができるように設けられている。
図9は、図1に示す密着型画像読取装置の構成の概略を示す図である。これらのように設けられる密着型画像読取装置1は、密着型画像読取装置1を制御する回路が搭載された主制御基板60により、各種の作動が制御可能に設けられている。この主制御基板60は、本体部6に搭載されており、当該主制御基板60には、処理部、記憶部及び入出力部が設けられている。このうち処理部には、各種の演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)70が設けられている。
また、処理部は、第1画像読取部11による画像の読み取りの制御を行う第1画像読取部制御部71と、第1画像読取部11で読み取った画像を取り込む第1読取画像取込部72と、第2画像読取部12による画像の読み取りの制御を行う第2画像読取部制御部75と、第2画像読取部12で読み取った画像を取り込む第2読取画像取込部76と、画像表示部15での画像表示の制御を行う画像表示制御部80と、画像表示部15に対して行われた入力操作を取得する入力操作取得部81と、開閉検出機構での検出結果に基づいて蓋部5と本体部6との開閉を検出する開閉検出部85と、を有している。
この実施形態1に係る密着型画像読取装置1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。図10は、原稿の画像の読み取り時における原稿の載置についての説明図である。この密着型画像読取装置1は、通常の使用時には、第2画像読取部12側を上方に向ける向きで本体部6を下側に位置させ、第2画像読取部12に対して相対的に開閉可能な蓋部5を、本体部6に対する蓋として使用する。このように設けられる密着型画像読取装置1で、原稿90の画像を読み取る場合について説明すると、まず蓋部5を開いた状態で、本体部6に設けられる第2画像読取部12の上に原稿90を置く。原稿90の画像の読み取り時に、原稿90を載置する場合には、このように蓋部5を開いた状態、即ち、第1画像読取部11と第2画像読取部12との間に空間を形成した状態で、原稿90を第2画像読取部12の上に載置する。
図11は、原稿の画像を読み取る場合についての説明図である。原稿90を第2画像読取部12の上に載置したら、この状態でヒンジ8を回動中心として蓋部5を閉じる。これにより、原稿90は蓋部5と本体部6とで挟み込まれ、第1画像読取部11と第2画像読取部12に挟み込まれた状態になる。即ち、原稿90の両面に、画像読取部10が位置する状態になる。
図12は、ヒンジの動作説明図である。図13は、図12のG−G断面図である。ここで、ヒンジ8を回動中心として蓋部5と本体部6とを開閉する際におけるヒンジ8の動作について説明すると、ヒンジ8が有する蓋部側ヒンジ部40の突起部43と、本体部側ヒンジ部45の凹部51とは、共に点対称になっており、突起部43と凹部51とは、嵌り合うことが可能に形成されている。また、凹部51が形成される付勢部材50は、本体部側ヒンジ部45の機構室47内を、蓋部側ヒンジ部40の中心軸CLに沿った方向に移動可能に設けられており、機構室47に内設されるスプリング52によって、突起部43が形成される当接部42の方向に押し付けられている。さらに、突起部43と凹部51とは、蓋部5と本体部6とが閉じた状態の場合に、嵌り合う位置関係となって形成されている。
このため、ヒンジ8を中心として蓋部5を開いた場合には、蓋部側ヒンジ部40と本体部側ヒンジ部45とは、突起部43と凹部51とが嵌り合った状態から、蓋部5と本体部6との相対的な角度に応じて蓋部側ヒンジ部40と本体部側ヒンジ部45とは、蓋部側ヒンジ部40の中心軸CLを中心として相対的に回動する(図12、図13)。このように、蓋部側ヒンジ部40と本体部側ヒンジ部45とが相対的に回動した場合、蓋部側ヒンジ部40の突起部43は、凹部51に嵌っている状態から抜け、付勢部材50における凹部51以外の部分に接触する。突起部43が、付勢部材50における凹部51以外の部分に接触している状態の場合、突起部43は、付勢部材50をスプリング52の付勢力に対抗する方向に押す状態になる(図12)。
このように、突起部43が凹部51から抜けた状態で、蓋部5を本体部6に対してヒンジ8を中心として回動させた場合、突起部43と凹部51との相対的な位置関係も変化するが、蓋部5と本体部6との相対的な関係が、閉じた状態に近付いた場合、突起部43は凹部51に嵌り始める。
付勢部材50は、スプリング52の付勢力によって当接部42の方向に押されており、突起部43に対して押圧されているため、突起部43が凹部51に嵌り始めた場合、当接部42と付勢部材50とには、このスプリング52の付勢力によって、突起部43と凹部51とが、より嵌り合う方向の力が作用する。
具体的には、突起部43と凹部51とが嵌り始めた場合は、蓋部側ヒンジ部40の中心軸CLを中心とする突起部43と凹部51との回動方向の位置がずれているため、スプリング52の付勢力によって、突起部43と凹部51とが嵌り合う方向に回動する方向の力が作用する。蓋部側ヒンジ部40と本体部側ヒンジ部45との間には、この力によって回動方向の力が発生し、蓋部5と本体部6とには、ヒンジ8を中心として閉じる方向の力が発生する。つまり、蓋部5と本体部6とは、開閉角度が一定以下の場合に双方が閉じる方向のトルクが発生する。これにより、蓋部5を閉じる際に、閉じた状態に近付いた場合、蓋部5は、このヒンジ8のスプリング52の付勢力に起因する力により閉じられる。
図14は、蓋部を開いた状態を示す説明図である。また、突起部43と凹部51とは、共に点対称になっているため、蓋部側ヒンジ部40と本体部側ヒンジ部45とを相対的に回転させ、突起部43と凹部51とが嵌り合っている状態から180°近く回転させ、突起部43と凹部51とが嵌り始めた場合も、蓋部5と本体部6とには、ヒンジ8のスプリング52の付勢力に起因する力が作用する。つまり、閉じた状態の蓋部5を開くことにより、突起部43と、付勢部材50における凹部51以外の部分とが接触している状態で蓋部5を開き、蓋部5が閉じた状態から180°近く開くと、突起部43と凹部51とは、蓋部5を閉じた状態における突起部43と凹部51とが入れ替わって嵌り始める。
このように、突起部43と凹部51とが嵌り始めた場合には、蓋部5を閉じる場合と同様に、ヒンジ8のスプリング52の付勢力に起因する力により、蓋部5と本体部6とには、蓋部5を閉じた状態からヒンジ8を中心として180°開いた状態の方向への力が発生する。これにより、蓋部5を開く際に、開いた状態に近付いた場合、蓋部5は、このヒンジ8のスプリング52の付勢力に起因する力により開かれる。これらのようにヒンジ8は、蓋部側ヒンジ部40の当接部42に形成される突起部43と、本体部側ヒンジ部45の付勢部材50に形成される凹部51と、スプリング52とにより、蓋部5と本体部6との開閉方向にトルクを発生させることが可能になっている。
図15は、ヒンジの突起部と凹部とが嵌り合う状態における蓋部と本体部との相対関係を示す説明図である。なお、ヒンジ8は、このように蓋部5と本体部6との開閉方向のトルクを発生するが、蓋部5を閉じた際においてヒンジ8の突起部43と凹部51とが嵌り合う相対的な角度は、蓋部5が本体部6に食い込む状態の角度であるのが好ましい。つまり、蓋部5が閉じた状態に近付いた場合には、蓋部5と本体部6とには、ヒンジ8によって蓋部5が閉じる方向のトルクが発生する。また、一方、突起部43と凹部51とが嵌り合う相対的な角度を、蓋部5が本体部6に食い込む状態の角度にした場合には、蓋部5が閉じた状態に近付いた場合には、突起部43と凹部51とが嵌り合う前に、蓋部5と本体部6とが当接し、蓋部5は閉じる方向には、それ以上回動しなくなる。このため、この場合は、突起部43と凹部51とが嵌り合い切らない状態で蓋部5は停止し、ヒンジ8によって蓋部5が本体部6に押し付けられる方向のトルクが発生し続ける。ヒンジ8の突起部43と凹部51とが嵌り合う相対的な角度は、このように、蓋部5が閉じた状態に近付いた場合に、蓋部5が本体部6に押し付けられる方向のトルクが発生し続ける角度で設けられていることが好ましい。
蓋部5と本体部6とは、このようにヒンジ8を中心として開閉可能になっているが、原稿90を第2画像読取部12の上に載置した状態で蓋部5を閉じ、第1画像読取部11と第2画像読取部12とで原稿90を挟み込むと、スプリング52の付勢力による蓋部5を閉じる方向のトルクによって、原稿90に対する押圧力が発生する。
このように、原稿90に対する押圧力が発生した場合、原稿90と画像読取部10とは、大きな圧力で接触することになるが、第1画像読取部11における本体部6側の面の反対側の面側には、クッション材38が配設されており、第1画像読取部11は、このクッション材38を介して画像読取部設置部35に設けられている。このように配設されることにより第1画像読取部11を支持するクッション材38は、弾力性を有しているので、第1画像読取部11は、画像読取部設置部35の深さ方向、或いは、クッション材38の厚さ方向に弾力性を有する状態で画像読取部設置部35に設けられている。
このため、蓋部5を閉じる方向の力が原稿90を介して伝達された第1画像読取部11は、その力に応じて当該第1画像読取部11を支持するクッション材38が弾性変形することにより、画像読取部設置部35の底部36側に沈む方向に移動する。この場合、第1画像読取部11の平面方向、即ち、第1画像読取部11における原稿90の画像を読み取る面に沿った方向における移動は、画像読取部設置部35の壁面によって規制される。このため、第1画像読取部11は、画像読取部設置部35の底部36側に沈む方向にのみ移動する。
このように、クッション材38が弾性変形することによって第1画像読取部11が沈み込む場合、この第1画像読取部11が沈み込む方向の力に対するクッション材38の反力により、原稿90には、第1画像読取部11から、本体部6が有する第2画像読取部12の方向への力が付与される。さらに、このように第1画像読取部11から原稿90に付与された力は、原稿90から第2画像読取部12に付与される。つまり、第1画像読取部11と原稿90との間、及び原稿90と第2画像読取部12との間には、クッション材38の弾性力による力が付与され、換言すると、クッション材38は、蓋部5と本体部6とを閉じて蓋部5と本体部6との間に原稿90を挟み込んだ際に、原稿90と2つの画像読取部10と間で押圧力を発生させる。
さらに、蓋部5を閉じる際には、ヒンジ8のスプリング52の付勢力に基づくトルクによって、蓋部5や本体部6から原稿90に対する押圧力が発生するため、原稿90は、ヒンジ8のスプリング52による蓋部5を閉じる方向の力により、第1画像読取部11と第2画像読取部12との双方から力を受ける。これにより、例えば原稿90が折れ曲がっていたり、原稿90に皺があったりする場合でも、原稿90は押し伸ばされ、原稿90全体が第1画像読取部11と第2画像読取部12との双方に密着した状態になる。また、第1画像読取部11は、このようにクッション材38の弾性変形によって沈み込む方向に移動可能になっているため、原稿90の厚さに応じて第1画像読取部11は沈み込み、それと同時に原稿90に対して第2画像読取部12の方向への力を付与するため、原稿90は第1画像読取部11と第2画像読取部12との双方に密着した状態になる。原稿90の画像を画像読取部10によって読み取る場合には、このように原稿90を第1画像読取部11と第2画像読取部12とに密接させた状態で読み取る。
ここで、このようにクッション材38やヒンジ8のスプリング52の付勢力を用いて原稿90を画像読取部10に密着させる際における原稿90に対する押圧力について説明する。原稿90を画像読取部10に密着させる場合、原稿90を平面な状態にすることができる程度の力で原稿90を押圧するのが好ましい。
このため、このような押圧力を原稿90に付与するために、蓋部5と本体部6との間に挟み込んだ原稿90を押圧して原稿90を平面な状態にするのに必要な力をa[N]とし、クッション材38のばね定数をk[N/m]とし、クッション材38の最大変形量をx[m]とし、蓋部5と本体部6とを閉じた状態にするために蓋部5または本体部6に加える力をF[N]とした場合に、(a/x)<k<{(F−a)/x}の関係を満たすように、クッション材38やヒンジ8の特性を設定するのが好ましい。
なお、このうち、原稿90を平面な状態にするのに必要な力aは、密着型画像読取装置1で読み取る原稿90の特性によって定められるものであり、この原稿90が湾曲していたり折れ曲がったりしている場合に、押圧力を付与することによって原稿90の湾曲等を矯正し、平面な状態にする場合に必要な力の大きさになっている。
また、クッション材38のばね定数kは、一般的なコイルバネ等のばね定数と同様に、負荷を付与した際における変位量の定数となっている。具体的には、原稿90に押圧力を付与する際にクッション材38が潰れて変形する方向であるクッション材38の厚さ方向(図5参照)に負荷を付与した場合における、負荷の大きさをクッション材38の厚さ方向の変位量で割った比例定数となっている。
また、クッション材38の最大変形量xは、クッション材38が厚さ方向に潰れて変形する際における厚さ方向の最大の変形可能量となっている。また、蓋部5と本体部6とを閉じた状態にするために蓋部5または本体部6に加える力F(図11参照)は、具体的には、ヒンジ8のスプリング52の付勢力によって蓋部5が閉じられる際に、このスプリング52の付勢力による本体部6の方向への押圧力である。
ヒンジ8に設けられるスプリング52のばね定数やヒンジ8の形状、クッション材38の特性は、これらの各値の関係が、F>(a+kx)、且つ、a<kxの関係を満たすように設定されるのが好ましく、即ち、(a/x)<k<{(F−a)/x}の関係を満たすように設定するのが好ましい。
原稿90の画像は、このように原稿90を画像読取部10に密接させた状態で画像読取部10によって読み取るが、次に、画像読取部10による画像の読取動作について説明する。原稿90の画像を読み取る場合は、原稿90を画像読取部10の受発光層20におけるバックライト30側の反対側に配置した状態で、画像読取部10のバックライト30が有するLED33を発光させる。LED33で発した光は導光板31で当該導光板31全体に導かれ、また、反射板32が位置している部分では、反射板32によって反射する。このため、LED33で発した光は、バックライト30における反射板32が位置している側の面の反対側の面から出光し、受発光層20を照射する。即ち、画像の読み取り時には、LED33を発光させることにより、バックライト30で受発光層20を照射する。
バックライト30によって受発光層20を照射した場合、バックライト30からの光は受発光層20が有するガラス基板21を透過し、ガラス基板21におけるバックライト30が位置する側の面の反対側の面において、受光素子25が配設されていない部分である発光部26から原稿90に向けて出光する。即ち、バックライト30を発光させた場合には、発光部26から原稿90に対して照射する。
このように発光部26から出光して原稿90に到達した光は、原稿90で反射をするが、その際に、原稿90の表面の色など表面の状態に応じた反射光となって反射をする。原稿90で反射した光は受発光層20の方向に向かって反射し、受発光層20に向かう。受発光層20に向かった反射光は、受発光層20における受光素子25や発光部26が位置している側の面から受発光層20に到達する。これにより、受光素子25は、原稿90で反射した反射光を受光する。
原稿90で反射した反射光は、原稿90の表面の状態に応じた反射光になっており、受光素子25は、受光した光に応じて電気信号を発生可能に設けられている。このため、原稿90で反射した反射光を受光した受光素子25は、受光した反射光が反射をした原稿90の表面の状態に応じた電気信号を発生する。その際に、受光素子25は、複数が二次元配列されているため、受光素子25は原稿90の二次元方向における位置ごとに、原稿90で反射した反射光を受光し、原稿90の表面の状態に応じた電気信号を発生する。このように受光素子25で発生した電気信号は、主制御基板60に伝達され、主制御基板60は、この電気信号を取得することにより、原稿90における画像読取部10が面している側の原稿90の画像情報を取得する。これにより、原稿90の画像を、二次元方向に読み取る。即ち、原稿90における画像読取部10に対向している面の画像を、画像読取部10で読み取る。
これらのように、蓋部5と本体部6とを閉じた状態で原稿90の画像を読み取ったら、再び蓋部5と本体部6とを開き、第2画像読取部12の上に載置されている原稿90を取り出す。
次に、このように画像読取部10で原稿90の画像を読み取る際における制御手順について説明する。原稿90の画像を読み取る際に、原稿90を第2画像読取部12上に載置した状態で蓋部5と本体部6とを閉じると、開閉検出部85は、双方が閉じた状態であることを検出する。このように、蓋部5と本体部6とが閉じた状態であることを開閉検出部85で検出すると、自動的に、または、画像表示部15への所定の入力操作によって、密着型画像読取装置1は、原稿90の画像を画像読取部10によって読み取る制御を行う。この画像読取制御を行う場合は、第1画像読取部制御部71で第1画像読取部11を制御し、第2画像読取部制御部75で第2画像読取部12を制御する。これにより、画像読取部10は、画像の読み取りを開始する。
第1画像読取部11や第2画像読取部12で読み取った原稿90の画像は、第1読取画像取込部72や第2読取画像取込部76で取り込み、画像表示制御部80で画像表示部15を制御することにより、画像表示部15で表示する。このように、画像表示部15で表示した原稿90の画像を密着型画像読取装置1の使用者が視認し、使用者が任意のタイミングで、画像表示部15の1つの機能であるスタートボタンへの入力操作を行うと、密着型画像読取装置1は、第1読取画像取込部72や第2読取画像取込部76で取り込んだ画像を記憶部に記憶する。つまり、第1画像読取部11や第2画像読取部12で読み取った画像を保存し、これにより原稿90の画像を撮像する。
以上の密着型画像読取装置1は、蓋部5と本体部6とが開閉可能に設けられており、蓋部5には第1画像読取部11が設けられ、本体部6には第2画像読取部12が設けられている。また、第1画像読取部11と第2画像読取部12とは、蓋部5と本体部6とを閉じた際に、互いに対向する位置に設けられている。これらにより、蓋部5と本体部6とを閉じて原稿90を挟み込んだ際に、原稿90を2つの画像読取部10で挟み込み、原稿90の両面に画像読取部10を位置させることができる。従って、原稿90の両面の画像を、2つの画像読取部10でほぼ同時に読み取ることができる。なお、第1画像読取部11や第2画像読取部12で原稿90の画像を読み取る場合には、一方の画像読取部10で画像を読み取った後、他方の画像読取部10で画像を読み取るので、厳密には同時ではないが、これらは短時間で連続して行われる。このため、蓋部5と本体部6とに画像読取部10をそれぞれ設けることにより、原稿90の両面をほぼ同時に読み取ることができる。この結果、原稿90の両面を読み取る際における容易性を向上させることができる。
また、第1画像読取部11は、弾性部材であるクッション材38を介して蓋部5に取り付けられており、蓋部5と本体部6との間に原稿90を挟み込んだ際には、このクッション材38の弾性力によって原稿90と2つの画像読取部10との間で押圧力を発生させている。これにより、原稿90を画像読取部10に密着させた状態で原稿90の画像を読み取ることができる。この結果、より鮮明に原稿90を読み取ることができる。
また、第1画像読取部11を、クッション材38を介して蓋部5に取り付けることにより、2つの画像読取部10の取り付けの平面度のばらつきや、原稿90ごとの厚みの差を、クッション材38の弾性変形によって吸収することができる。これにより、より確実に、原稿90を画像読取部10に密着させた状態で原稿90の画像を読み取ることができる。この結果、より鮮明に原稿90を読み取ることができる。
また、原稿90を押圧して原稿90を平面な状態にするのに必要な力を発生させるために、各数値の相対関係を規定しているので、原稿90を、より確実に画像読取部10に密着させることができる。つまり、原稿90を平面な状態にするのに必要な力aと、クッション材38のばね定数kと、クッション材38の最大変形量xと、蓋部5と本体部6とを閉じた状態にするために蓋部5または本体部6に加える力Fと、の各数値が(a/x)<k<{(F−a)/x}の関係を満たすようにしている。これにより、原稿90を押圧した状態で原稿90の画像を読み取る際に、原稿90が折れ曲がっていたり、皺があったりする場合でも、原稿90をより確実に平面な状態にすることができ、原稿90を画像読取部10に密着させることができる。この結果、より確実に、鮮明に原稿90を読み取ることができる。
また、蓋部5と本体部6とはヒンジ8で接続され、相対的に開閉可能に設けられているため、原稿90の画像の読み取り時に、ヒンジ8を中心として蓋部5と本体部6とを相対的に回動させることによって容易に蓋部5と本体部6とを開くことができ、開いた蓋部5と本体部6との間に、原稿90を位置させることができる。また、蓋部5と本体部6との間に位置した原稿90を蓋部5と本体部6とで挟み込む際も同様に、ヒンジ8を中心として蓋部5と本体部6とを相対的に回動させることにより、容易に蓋部5と本体部6とを閉じることができ、蓋部5と本体部6とによって原稿90を挟み込むことができる。これにより、より容易に、原稿90を第1画像読取部11と第2画像読取部12とで挟み込むことができ、原稿90の両面に画像読取部10を位置させることができる。この結果、原稿90の両面を読み取る際における容易性を、より確実に向上させることができる。
また、ヒンジ8は、蓋部側ヒンジ部40の中心軸CLが、画像読取部10における原稿90の画像を読み取る面に対して平行に形成されており、これによりヒンジ8は、蓋部5と本体部6との開閉時における回転軸が、2つの画像読取部10における原稿90の画像を読み取る面に対して平行な向きとなって設けられている。このため、ヒンジ8を中心として蓋部5と本体部6との開閉する際における開閉方向を、第1画像読取部11と第2画像読取部12とにおける原稿90の画像を読み取る面の間の距離を変化させることができる方向にすることができる。
これにより、原稿90を蓋部5と本体部6との間に位置させて原稿90を第2画像読取部12の上に載置する場合には、ヒンジ8を中心として蓋部5と本体部6とを開くことにより、第1画像読取部11と第2画像読取部12とにおける原稿90の画像を読み取る面の間の距離を大きくすることができるので、原稿90を容易に蓋部5と本体部6との間に位置させることができる。また、原稿90を蓋部5と本体部6とで挟み込む場合には、ヒンジ8を中心として蓋部5と本体部6とを閉じることにより、第1画像読取部11と第2画像読取部12とにおける原稿90の画像を読み取る面の間の距離を小さくすることができるので、原稿90を容易に蓋部5と本体部6とで挟み込むことができる。従って、より容易に、原稿90を第1画像読取部11と第2画像読取部12とで挟み込むことができ、原稿90の両面に画像読取部10を位置させることができる。この結果、原稿90の両面を読み取る際における容易性を、より確実に向上させることができる。
また、蓋部5と本体部6との相対的な開閉角度が一定以下の場合には、ヒンジ8に設けられるスプリング52の付勢力や、蓋部側ヒンジ部40の突起部43、付勢部材50の凹部51等の作用により、双方が閉じる方向のトルクが発生するように設けられている。これにより、蓋部5と本体部6との間に原稿90を挟み込んだ際に、より確実に、原稿90と2つの画像読取部10との間で、押圧力を発生させることができる。従って、より確実に、原稿90を画像読取部10に密着させた状態で原稿90の画像を読み取ることができる。この結果、より鮮明に原稿90を読み取ることができる。
[参考例]
参考例に係る密着型画像読取装置100は、実施形態1に係る密着型画像読取装置1と略同様の構成であるが、蓋部と本体部とがスライド構造によって開閉する点に特徴がある。他の構成は実施形態1と同様なので、その説明を省略すると共に、同一の符号を付す。図16は、参考例に係る密着型画像読取装置の説明図である。図17は、図16のH−H断面図である。参考例に係る密着型画像読取装置100は、実施形態1に係る密着型画像読取装置1と同様に、任意の画像が表示可能な画像表示部15(図1参照)と、原稿の画像を読み取る画像読取部10とを有しており、画像読取部10として、第1画像読取部11と第2画像読取部12とを有している。このうち、第1画像読取部11は第1本体部である蓋部105に設けられており、第2画像読取部12は第2本体部である本体部106に設けられている。これらの蓋部105と本体部106とは、第1画像読取部11と第2画像読取部12とが対向する向きで配設されており、蓋部105に係合されているスライドガイド120によって接続されている。
詳しくは、蓋部105と本体部106とは、画像読取部10における読み取り面に沿った所定の方向に、相対的に移動可能、即ち、スライド可能に設けられており、蓋部105には、このスライド方向に対する幅方向における両端に、スライドガイド120と係合可能な蓋部側係合部111が設けられている。つまり、蓋部105に設けられる蓋部側係合部111は、第1画像読取部11の読み取り面に平行な方向においてスライド方向と直交する方向における蓋部105の両端に配設されている。
また、蓋部105には、本体部106に対向している側の面、即ち、第1画像読取部11が設けられている側の面に、本体部106の方向に突出したスライド部115が設けられている。このスライド部115は、蓋部側係合部111と同様に、スライド方向に対する幅方向における両端付近に配設されており、蓋部側係合部111よりも、スライド方向に対する幅方向の内側に設けられている。さらに、スライド部115は、蓋部105と本体部106とのスライド方向における蓋部105の一端側に配設されており、詳しくは、蓋部105と本体部106とを離す方向、即ち、双方が重なっている部分が減少する方向にスライドさせた場合における蓋部105の本体部106寄りの端部に配設されている。
これに対し、本体部106には、蓋部105に対向している側の面、即ち、第2画像読取部12が設けられている側の面に、蓋部105のスライド部115が接触する支持面116が形成されている。この支持面116は、蓋部105と本体部106とのスライド方向に対する幅方向における位置が、蓋部105に設けられるスライド部115が配設されている位置と同じ位置で、スライド方向に沿って形成されている。
また、このように設けられる支持面116は、支持面116における他の部分よりも凹んだ開時係合部117を有している。即ち、開時係合部117は、支持面116における他の部分と段差を有して形成されており、開時係合部117を有する支持面116は、開時係合部117に隣接される部分と開時係合部117における平坦な部分とが、なだらかな傾斜によって接続されている。また、支持面116が有する開時係合部117は、蓋部105と本体部106とを離す方向に蓋部105と本体部106とを相対的にスライドさせた場合における支持面116の蓋部105寄りの端部付近の部分に形成されている。
また、本体部106には、支持面116の開時係合部117が位置する側の端部の反対側の端部に、逃げ部118が形成されている。この逃げ部118は、支持面116よりも凹んで形成されており、具体的には、蓋部105から突出して形成されるスライド部115の突出方向の高さよりも、支持面116との段差が大きな段差となって支持面116よりも凹んで形成されている。また、支持面116と逃げ部118との間には、なだらかな傾斜が形成されており、段差を有する支持面116と逃げ部118とは、この傾斜によって接続されている。これらのように設けられる蓋部105と本体部106とは、蓋部105のスライド部115が本体部106の支持面116に接触した状態で重ねられて設けられている。
また、スライドガイド120は、当該スライドガイド120が有するガイド側係合部122が、本体部106と重ねられている蓋部105の蓋部側係合部111と係合することにより蓋部105に接続されている。つまり、蓋部側係合部111は、蓋部105におけるスライド方向に対する幅方向における両端に、このスライド方向に対する幅方向の外側方向に突出して形成されている。
これに対し、スライドガイド120は、幅が狭い長方形の板、即ち、帯状の板が、蓋部105と本体部106とが重ねられた状態で、蓋部105の両端に位置する蓋部側係合部111のうちの一方の蓋部側係合部111から、本体部106における蓋部105側の面の反対側の面を通り、他方の蓋部側係合部111にかけて折り曲げられることにより形成されている。
このように形成されるスライドガイド120には、本体部106側の部分、即ち、スライドガイド120において、本体部106における蓋部105側の面の反対側の面側を通る部分に、本体部106に向かって突出した突起部121が形成されている。また、本体部106には、スライド方向に対する幅方向における、スライドガイド120の突起部121が配設されている位置に、スライド方向に沿って形成された溝である案内溝125が形成されている。これらのように形成される突起部121と案内溝125は、蓋部105と本体部106とが重ねられ、蓋部105とスライドガイド120とが係合した状態では、案内溝125に突起部121が入り込んだ状態になっている。また、スライドガイド120が有するガイド側係合部122は、蓋部側係合部111における本体部106が位置する側の反対側の面と当接して係合している。
これにより、蓋部105が本体部106から離れる方向に移動した場合は、蓋部側係合部111がガイド側係合部122によって本体部106から離れる方向への移動が規制され、蓋部105が本体部106から離れる方向へ移動する際における蓋部105の移動が規制される。また、本体部106が蓋部105から離れる方向に移動した場合も同様に、スライドガイド120が本体部106と共に蓋部105から離れる方向に移動し、ガイド側係合部122が蓋部側係合部111によって蓋部105から離れる方向への移動が規制され、本体部106及びスライドガイド120が蓋部105から離れる方向へ移動する際における本体部106やスライドガイド120の移動が規制される。
また、蓋部105における蓋部側係合部111が位置する部分付近とスライドガイド120との間には、スプリング130が配設されている。このスプリング130は、引張りばねにより形成されており、スライドガイド120における、突起部121が形成されている面から延びて連続して形成されている面と、蓋部105における、蓋部側係合部111が位置する部分付近の本体部106側を向く面である付勢力受部112との間に配設されている。スプリング130は、この位置に配設されて、これらの付勢力受部112とスライドガイド120とに接続されている。
このように配設されているスプリング130は、付勢力受部112とスライドガイド120とに対して引張り力を付与することにより、双方が近付く方向の付勢力を付与している。即ち、付勢力受部112には、蓋部105が本体部106に近付く方向の付勢力が付与されている。これにより、蓋部105とスライドガイド120とには、双方が近付く方向の力が付与される。また、スライドガイド120における蓋部105には、本体部106が配設されているため、スライドガイド120に付与された蓋部105の方向への力は、本体部106に伝えられる。従って、換言すると、蓋部105と本体部106とには、スプリング130の引張り力により、双方が近付く方向の力が付与される。
蓋部105と本体部106とは、このようにスプリング130の引張り力により、双方が近付く方向の力が付与されているが、蓋部105における本体部106側の面には、本体部106の方向に突出したスライド部115が配設されている。また、本体部106には、蓋部105と本体部106とのスライド方向に対する幅方向におけるスライド部115の位置と同じ位置に、スライド部115が接触する支持面116が形成されている。このため、スプリング130の引張り力により、蓋部105と本体部106とに、双方が近付く方向の力が付与された場合には、スライド部115と支持面116とには、互いに押し合った状態になる。蓋部105と本体部106とは、これらのように、スライドガイド120とスプリング130とにより、重ねられた状態が維持されている。
この参考例に係る密着型画像読取装置100は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。参考例に係る密着型画像読取装置100は、蓋部105と本体部106とが開閉可能に設けられているが、この参考例に係る密着型画像読取装置100では、実施形態1に係る密着型画像読取装置1のように蓋部5と本体部6とがヒンジ8によって開閉するのではなく、蓋部105と本体部106とは、相対的にスライドすることにより開閉する。つまり、参考例に係る密着型画像読取装置100では、蓋部105と本体部106とは、2つの画像読取部10における原稿(図10、図11、図14参照)の画像を読み取るそれぞれの面に対して、平行に相対的に直線運動を行うことによって開閉する。
図18は、蓋部を開いた状態を示す説明図である。直線運動を行うことによって蓋部105を開く場合には、具体的には蓋部105を、本体部106に形成されている支持面116の形成方向に沿って、本体部106に対して相対的にスライドさせる。このように、蓋部105と本体部106とを相対的にスライドさせる場合、スライドガイド120は、ガイド側係合部122が蓋部105の蓋部側係合部111に係合していることにより、スライドガイド120は、スライド方向における位置は、蓋部105と同じ位置になり、スライドガイド120も本体部106に対して相対的に移動する。その際に、スライドガイド120に形成される突起部121が、本体部106の案内溝125に入り込んだ状態で案内溝125に沿って、相対的に移動する。
また、蓋部105と本体部106とには、スプリング130の引張り力によって双方が近付く方向の力が付与されており、蓋部105のスライド部115は、本体部106の支持面116に押し付けられている。このため、スライドさせることによって蓋部105を開く場合には、スライド部115を支持面116に接触させた状態、または、蓋部105と本体部106とに、双方を離す方向の力を付与し、スライド部115と支持面116とを離間させた状態で蓋部105をスライドさせる。このように蓋部105を開く際に蓋部105をスライドさせる方向は、スライド部115を本体部106の支持面116に沿わせつつ、スライド部115を支持面116の開時係合部117に近付かせる方向にスライドさせる。
蓋部105を、この方向にスライドさせ、スライド部115が支持面116の開時係合部117に到達した状態で、蓋部105をスライドさせる方向の力や、蓋部105と本体部106とを離す方向の力を除去する。蓋部105と本体部106とは、スプリング130の引張り力により、双方が近付く方向の力が付与されているため、このように蓋部105を開く際に付与する力を除去すると、スライド部115は開時係合部117に押し付けられる。
スライド部115が、開時係合部117が位置する部分まで蓋部105をスライドさせた場合には、スライド部115は、このように開時係合部117に押し付けられるが、この開時係合部117は、支持面116における他の部分よりも凹んでいる。このため、スライド部115が開時係合部117に押し付けられている状態では、スライド部115を支持面116に沿わせて移動させる場合には、スプリング130によってスライド部115が支持面116に押し付けられている方向の力に打ち勝って、蓋部105を本体部106から離す方向に移動させつつ、蓋部105をスライドさせる必要がある。
従って、換言すると、スライド部115が、開時係合部117が形成されている部分に位置するまで蓋部105を本体部106に対してスライドさせた場合には、スライド部115は開時係合部117に係合し、支持面116に沿って移動するスライド部115の移動が開時係合部117に規制されるため、蓋部105と本体部106とのスライドは規制される。
このように、スライド部115が開時係合部117に係合した場合、蓋部105と本体部106とのスライドが規制された状態になるが、スライド部115は、蓋部105と本体部106とのスライド方向における蓋部105の一端側に配設されている。また、開時係合部117は、蓋部105と本体部106とを離す方向に相対的にスライドさせた場合における支持面116の蓋部105寄りの端部付近の部分に形成されている。このため、スライド部115が開時係合部117に係合した場合における蓋部105と本体部106との位置関係は、蓋部105と本体部106との双方の端部付近が係合した状態になり、蓋部105と本体部106との大部分は、他方とは重ならずに、ずれた状態になる。
従って、スライド部115が開時係合部117に係合した場合には、蓋部105に設けられる第1画像読取部11と、本体部106に設けられる第2画像読取部12とは、互いに対向しておらず、開放された状態になっている。これにより、蓋部105と本体部106とは、相対的に開いた状態になり、即ち、蓋部105は開いた状態になる。原稿90(図10、図11、図14参照)の画像を読み取る場合には、このように蓋部105を開いた状態で原稿90を第2画像読取部12の上に載置する。
蓋部105を開く場合には、このようにスライド部115が、開時係合部117が設けられている部分まで移動するように蓋部105をスライドさせるが、支持面116は、開時係合部117に隣接される部分と開時係合部117における平坦な部分とが、なだらかな傾斜によって接続されている。このため、蓋部105をスライドさせることにより、スライド部115が、この傾斜している部分に到達した場合、スプリング130の引張り力により、スライド部115は、この傾斜している部分に沿って開時係合部117の方向に移動し、蓋部105と本体部106とは開く。つまり、蓋部105と本体部106とは、開閉方向における相対的な位置関係が、双方を開いた状態、即ち、スライド部115と開時係合部117とが係合した状態を基準として、一定以下の移動量の場合に、双方を開く方向の力を発生するように設けられている。
蓋部105をスライドさせて蓋部105を開き、原稿90を第2画像読取部12の上に載置したら、この状態で蓋部105を閉じる方向にスライドさせる。つまり、開時係合部117に係合している蓋部105のスライド部115が、支持面116における開時係合部117側の端部の反対側の端部側に位置する逃げ部118に向かう方向に、蓋部105をスライドさせる。
この場合、支持面116における他の部分よりも凹んで形成されている開時係合部117に係合しているスライド部115を、開時係合部117から離間させる必要がある。このため、蓋部105に対して、スプリング130の引張り力以上の大きさで、且つ、本体部106から離す方向の力を付与し、蓋部105を本体部106から離し、スライド部115を支持面116における開時係合部117以外の部分に接触させる。開いた状態の蓋部105を閉じる場合は、スライド部115をこのように支持面116に接触させた状態で、スライド部115が逃げ部118に向かう方向に蓋部105をスライドさせ、スライド部115を逃げ部118に近付ける(図16参照)。
図19は、蓋部を閉じた状態を示す説明図である。スライド部115が逃げ部118に近付く方向に蓋部105を本体部106に対してスライドさせ、スライド部115が、逃げ部118が形成されている位置まで到達した場合、蓋部105はスプリング130の引張り力により本体部106に近付く。つまり、逃げ部118は、支持面116よりも凹んで形成されており、また、蓋部105と本体部106とには、スプリング130の引張り力によって双方が近付く方向の力が付与されている。このため、スライド部115が、逃げ部118が設けられている位置に到達した場合、本体部106の方向に突出して形成されているスライド部115は、スプリング130の引張り力により逃げ部118の方向に移動し、これにより、蓋部105は本体部106に近付く方向に移動する。
この逃げ部118は、支持面116との段差が、スライド部115の高さよりも大きくなっている。このため、スライド部115が、蓋部105のスライド方向において逃げ部118が形成されている位置に到達し、スライド部115が当該スライド部115の突出方向における逃げ部118の方向に移動した場合、スライド部115は、逃げ部118には当接しない。この場合、蓋部105は、スライド部115以外の部分が本体部106に当接する。
また、逃げ部118は、本体部106における、開時係合部117が位置する側の端部の反対側の端部に位置しており、スライド部115も蓋部105の端部に位置している。このため、スライド部115が、蓋部105のスライド方向において逃げ部118が形成されている位置に到達した場合は、蓋部105に設けられる第1画像読取部11と、本体部106に設けられる第2画像読取部12とは、互いに対向する状態になる。従って、第2画像読取部12の上に原稿90を載置した状態で、スライド部115が、逃げ部118が形成されている位置に到達し、スライド部115が当該スライド部115の突出方向における逃げ部118の方向に移動した場合には、第1画像読取部11と第2画像読取部12とで原稿90を挟み込んだ状態になる。
この場合、蓋部105と本体部106とは、スプリング130の引張り力によって双方が近付く方向の付勢力が付与されているため、第1画像読取部11と第2画像読取部12とは、この付勢力によって、挟み込んだ原稿90に対して押圧力を付与する。参考例に係る密着型画像読取装置100では、このように蓋部105のスライド部115が本体部106の逃げ部118に近付く方向に、蓋部105を本体部106に対して相対的にスライドさせることにより、蓋部105を閉じる。
蓋部105を閉じる場合には、このようにスライド部115が、逃げ部118が設けられている部分まで移動するように蓋部105をスライドさせるが、支持面116と逃げ部118とは、なだらかな傾斜によって接続されている。このため、蓋部105を閉じる場合には、蓋部105をスライドさせることにより、スライド部115が、逃げ部118に接続された傾斜部分に到達した場合、スプリング130の引張り力により、スライド部115は、この傾斜部分に沿って逃げ部118の方向に移動し、蓋部105と本体部106とは閉じる。つまり、蓋部105と本体部106とは、開閉方向における相対的な位置関係が、双方を閉じた状態、即ち、スライド部115が、逃げ部118が設けられている位置の到達した状態を基準として、一定以下の移動量の場合に、双方を閉じる方向の力を発生するように設けられている。
原稿90の画像を読み取る場合には、このように蓋部105を閉じて原稿90に押圧力を付与し、原稿90を第1画像読取部11と第2画像読取部12とに密着させた状態で読み取る。参考例に係る密着型画像読取装置100では、実施形態1に係る密着型画像読取装置1で原稿90の画像を読み取る場合と同様に、このように画像読取部10に原稿90を密着させた状態で、主制御基板60で画像読取部10を制御することにより、画像を読み取る。
以上の密着型画像読取装置100は、第1画像読取部11が設けられている蓋部105と、第2画像読取部12が設けられている本体部106とを、直線運動を行うことによって開閉可能にしている。これにより、蓋部105を開く際に、画像読取部10の原稿90の画像を読み取る面に直交する方向、即ち、密着型画像読取装置100の厚さ方向の大きさを大きくすることなく、蓋部105と本体部106とを相対的に開くことができる。従って、密着型画像読取装置100の周囲におけるこの方向のスペースを大きく取れない状態でも、容易に蓋部105と本体部106とを開いて、双方の間に原稿90を挟み込むことができる。この結果、原稿90の両面を読み取る際における容易性を、より確実に向上させることができる。
また、蓋部105と本体部106とは、直線運動による開閉方向における蓋部105と本体部106との相対的な位置関係が、閉じた状態から一定以下の移動量の場合には、スプリング130の引張り力や、スライド部115、支持面116、逃げ部118等の作用により、双方が閉じる方向の力を発生するように設けられている。これにより、蓋部105と本体部106との間に原稿90を挟み込んだ際に、原稿90と2つの画像読取部10との間で押圧力を発生させることができる。従って、原稿90の画像を画像読取部10で読み取る際に、原稿90を画像読取部10に密着させた状態で読み取ることができる。この結果、より鮮明に原稿90を読み取ることができる。
なお、実施形態1に係る密着型画像読取装置1では、蓋部5と本体部6との開閉は、ヒンジ8の作動によって行っており、参考例に係る密着型画像読取装置100では、蓋部105と本体部106とが相対的にスライドさせることにより行っているが、蓋部5、105と本体部6、106との開閉は、これ以外の構造や方法で行ってもよい。それぞれに画像読取部10が設けられる蓋部5、105と本体部6、106との開閉は、蓋部5、105と本体部6、106とを相対的に開いた場合に、原稿90を載置したり取り出したりすることができ、蓋部5、105と本体部6、106とを相対的に閉じた場合には、原稿90の両面に画像読取部10を位置させ、原稿90を2つの画像読取部10で挟み込むことができる手法であれば、その手法は問わない。
また、実施形態1に係る密着型画像読取装置1では、第1画像読取部11のみクッション材38を介して蓋部5に取り付けられているが、第2画像読取部12もクッション材38を介して本体部6に取り付けられていてもよい。同様に、参考例に係る密着型画像読取装置100が有する第1画像読取部11や第2画像読取部12も、クッション材38を介して蓋部105や本体部106に取り付けられた、フローティング構造によって設けられていてもよい。さらに、実施形態1に係る密着型画像読取装置1では、第1画像読取部11をフローティング構造によって設ける際に、画像読取部設置部35とクッション材38とによって設けているが、第1画像読取部11をフローティング構造によって設ける場合には、これ以外の形態により構成してもよい。第1画像読取部11と第2画像読取部12とは、少なくともいずれか一方をクッション材38等の弾性部材を介して蓋部5、105、または本体部6、106に取り付けられていればよい。このように、弾性部材を介して画像読取部10を取り付けることにより、原稿90の画像を画像読取部10で読み取る際に、原稿90を画像読取部10に密着させることができるため、より鮮明に、原稿90の画像を読み取ることができる。
また、上述した実施形態1及び参考例に係る密着型画像読取装置1、100では、蓋部5、105が第1本体部として設けられており、本体部6、106が第2本体部として設けられているが、第1本体部と第2本体部とは、蓋部5、105と本体部6、106と以外により設けられていてもよい。即ち、第1本体部が第2本体部の蓋として設けられている必要はなく、第1本体部と第2本体部との関係は、実施形態1及び参考例に係る密着型画像読取装置1、100の蓋部5、105と本体部6、106との関係にとらわれない。