JP5575649B2 - 生体侵食性金属−バイオセラミック複合材から形成されたステント - Google Patents

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Description

本発明は、生体侵食性の金属複合材料から製作された、埋込み可能な医療機器、特にステントに関する。
本発明は、体内の管腔への埋込みに適した、径方向に拡張可能な内部人工器官に関する。「内部人工器官」は、体内に設置される人工のデバイスを指す。「管腔」とは、血管などの管状器官の空洞を指す。
ステントはそのような内部人工器官の一例である。ステントは、一般的に円柱状の形状をしたデバイスで、血管又は尿路及び胆管など他の解剖学的管腔の一セグメントを開いた状態に保持し、時には拡張するよう機能する。ステントは、血管中のアテローム硬化型狭窄の治療によく使用される。「狭窄」は、体内の導管又は開口部の直径が狭小化又は収縮することを指す。そのような治療においてステントは、身体の血管を補強し、血管系における血管形成の後の再狭窄を阻止する。「再狭窄」は、一見して成功裏に(例えば、バルーン血管形成、ステントによる治療又は弁形成によって)治療を受けた後の、血管内又は心臓弁における狭窄の再発を指す。
ステントを用いた患部又は病変の治療は、ステントの送達及び展開の両方を含む。「送達」は、体内の管腔を通して、治療を要する血管内の病変部のような領域にステントを導入及び輸送することを指す。「展開」は、治療領域において管腔内でステントを拡張することを指す。ステントの送達及び展開は、カテーテルの一端部の回りにステントを配置すること、皮膚を通して体内の管腔へカテーテルの端部を挿入すること、体内の管腔内のカテーテルを所望の治療位置へ進めること、治療位置でステントを拡張すること、及び管腔からカテーテルを除去することによって成し遂げられる。
バルーン拡張型ステントの場合、ステントは、カテーテル上に配置したバルーンの周囲に設置される。ステントの設置は、典型的にはステントをバルーンに圧着するか、又は縮みしわを付けるように押し付けることを含む。次いでバルーンを膨らませることによって、ステントを拡張する。次いでバルーンを収縮させ、カテーテルを引き抜く。自己拡張型ステントの場合には、ステントは、引込み式シース又はソックス状のカバーのような拘束部材を介してカテーテルに固定してもよい。ステントが体内の所望の位置にある時点で、シースを引き抜いて、ステントを自己拡張させることができる。
ステントは、いくつかの機械的な必要条件を満たすことができなければならない。第1に、ステントは、構造上の負荷、すなわちステントが血管の壁を支えることによりステントにかけられる径方向の圧縮力に耐えることができなければならない。したがって、ステントには適切な径方向の強度がなくてはならない。径方向の強度は、径方向の圧縮力に抵抗するステントの性能であり、ステントの周方向の強度および剛性に起因する。それ故、径方向の強度および剛性は、フープ強度および剛性、または、周方向強度および剛性ということもできる。
鼓動する心臓が誘発する周期的な負荷を含む、様々な荷重がステントにかかることになるが、ステントは、一度拡張されれば、そのサイズおよび形状を耐用年数の間十分に維持しなくてはならない。例えば、径方向の荷重はステントを内向きに後退させてしまうことがある。一般的に、後退は最小限にすることが望ましい。加えて、ステントは、圧着、拡張、および周期的負荷を許容するのに十分な可撓性を持っていなくてはならない。ステントを、蛇行した血管通路を通じて送達し、線状でないか、もしくは湾曲しやすい展開部位に適合できるようにするために、長手方向の可撓性が重要となる。また、最終的には、有害な血管反応を誘発しないように、ステントは生体適合性を有さねばならない。
ステントの構造は、典型的には、業界でストラット(支柱)あるいはバーアーム(棒腕)としばしば呼ばれる相互接続する構造要素の、パターン又は網目を含む骨格により構成される。骨格はワイヤ、チューブ、または円柱形状に巻かれたシートから形成することができる。骨格は、ステントを径方向に圧縮(圧着可能なように)および径方向に拡張(展開可能なように)できるように設計されている。従来のステントは、あるパターンを持つ個別の構造要素の相互間の動作を介して、拡張および収縮することができるように設けられている。
さらに、薬剤ステントは、金属骨格またはポリマー骨格のいずれかの表面に、活性薬剤、生理活性薬剤、あるいは薬剤を含むポリマー担体をコーティングすることにより製作するものとしてもよい。ポリマー骨格は活性薬剤または薬剤の担体として使用することもできる。
かかるステントが初期および後期のリコイル(スプリングバック)および再狭窄を防止することができることが示されたために、非侵食性の金属から製作された冠状動脈ステントは、経皮的冠状動脈インターベンション(PCI)のための医療のスタンダードとなった。PCIにおけるかかるステントのポジティブな成功にもかかわらず、永続的に埋込まれたかかるステントの短所は、ステントと周囲の組織との間の永続的な相互作用が内皮細胞の機能不全および後の血栓症のリスクをもたらしうるということである。
したがって、ステントが生体分解性または生体侵食性であることが望ましいといえる。多くの治療への適用においては、例えば、血管の開路維持および/または薬剤の送達等の意図された機能を果たし終えるまでの期間に限って、ステントが体内に存在することが必要とされる。したがって、生体侵食性の金属などの生体侵食性の材料から製作されたステントは、それらの臨床的な必要性が終了した後にのみ、完全に侵食されるように構成することができる。
本発明の様々な実施の形態においては、金属マトリックス複合材から形成されたステント素地により構成されるステントであって、金属マトリックス複合材は侵食性の金属内に分散させた侵食性のバイオセラミック粒子を有し、分散させたバイオセラミック粒子は、血管環境中のステント素地の侵食速度を変更するとともに、ステント素地の機械的特性を増強するように構成されたステントを含む。
本発明のさらなる実施の形態においては、金属マトリックス複合材から形成されたステント素地により構成されるステントであって、金属マトリックス複合材はマグネシウム内に分散させたヒドロキシアパタイト粒子を有し、分散させたバイオセラミック粒子は、血管環境中のステント素地の侵食速度を低下させるとともに、ステント素地の機械的特性を増強するように構成されたステントを含む。
本発明の追加の実施の形態においては、ステントを製作する方法であって:バイオセラミック粒子の凝集を減少するために、凝集したバイオセラミック粒子のクラスターの破壊強度よりも高い剪断応力を侵食性の金属とバイオセラミック粒子とに負荷するように処理をおこなうことにより侵食性の金属にバイオセラミック粒子を分散させて複合材を形成する工程と;複合材からチューブを形成する工程と;分散されたバイオセラミック粒子が血管環境中のステント素地の侵食速度を変更するとともに、ステント素地の機械的特性を増強するように設けられたステントをチューブから製造する工程とを含む。
図1は、ステントを示す図である。 図2Aは、ステントから抽出した構造要素のセクションを図示する。 図2Bは、構造要素のセクションの一部を拡大した拡大図である。
本発明の様々な実施の形態は、マトリックス内に分散させたバイオセラミック粒子と侵食性の金属マトリックスとにより構成される金属マトリックス複合材から製作された埋込み可能な医療機器に関する。本明細書において使用される時、「埋込み可能な医療機器」は、自己拡張可能なステント、バルーン拡張可能なステント、ステントグラフトおよび一般的にチューブ状の医療機器を含むが、これらに限定されない。
特定の実施の形態においては、埋込み可能な医療機器は、治療剤の局所的送達のためにデザインすることができる。薬剤入りの埋込み可能な医療機器は、治療剤を含むコーティング材料により装置または基材をコーティングすることによって構成することができる。装置あるいは基材もまた治療剤を含むものとしてもよい。
図1は、ステント100を示す。いくつかの実施の形態においては、ステントは、構造要素110を相互に接続するパターンまたはネットワークを有するものとすることができる。ステント100はチューブから形成されてもよい(不図示)。ステント100は、様々なパターンに設けることができる構造要素110のパターンを有する。装置の構造的なパターンは、実質的には任意のデザインでありえる。本明細書において開示される実施の形態は、図1で示されるステントまたはステントパターンに限定されない。実施の形態は、他のパターンおよび他の装置に対して容易に適用可能である。パターンの構造的変更は実質的に無制限である。ステント100などのステントは、レーザー切断または化学エッチングなどの技術を用いたチューブへのパターンの形成によって、チューブから製作することができる。
埋込み可能な医療機器の幾何学的構造または形状は、その構造の全体にわたって変形することにより、半径方向の拡張および圧縮を可能にすることができる。パターンは、直線状または略直線状の構造要素またはストラットの部分を有することができ、実例は部分120に示されている。さらに、パターンは、部分130、部分140および部分150などの湾曲または屈曲した部分を有する構造要素またはストラットを有することができる。
ステントは長寿命を保証するために典型的には比較的不活性な金属から構築されているが、分解性または侵食性のステント構造は、限られた期間の間だけ支持を提供する目的でより最近になって発明された。一般に、狭窄の治療のためにステントによって提供される支持または開路は、限られた期間の間のみ必要とされる。例えば、好ましい、あるいは必要なステントによる治療の期間は、18か月未満、1年未満、3〜12か月の間、またはより狭い範囲では、4〜8か月であろう。
所望される治療期間を通じて、侵食性または分解性のステントは、拍動する心臓により誘起される周期的な荷重を含む、管腔壁により課される半径方向内側向きの荷重を支持することができなければならない。ステントは、ステント素地の分解または侵食にかかわらず、かかる開路を維持すべきである。したがって、ステントは、治療期間の間のリコイル(スプリングバック)を減少または消失させるのに十分な強度、剛性(弾性率)、およびクリープ抵抗を有するべきである。さらに、ステントはステントの構造要素の破損または破壊に耐えるのに十分な靭性を持つべきである。靭性の1つの評価基準は、応力−歪み曲線すなわち歪みゼロから破壊歪みまでの曲線の下に示される面積である。したがって、弾性率、破壊応力(強度)および破壊歪みは、ポリマーの靭性に関係する。典型的なステント構造の屈曲領域は、使用の間に最も破損しやすい。したがって、侵食性のステントの構造は、規定された治療期間の間の開路を可能にする機械的特性および分解特性または侵食特性の適切な組合せを有するべきである。
用語、分解する、吸収する、侵食するは、分解される、吸収される、侵食されるとともに、交換可能に使用され、身体条件に暴露された場合に、完全に侵食または吸収が可能な材料を指す。かかる材料は、身体によって徐々に再吸収、吸収、および/または解消されることが可能である。
「腐食」は、一般的に周囲との反応に起因する金属の重要な特性の劣化を指す。金属の腐食は、空気、水、有機溶媒などを含む様々な材料との接触に際して起こりうる。本明細書において使用される時、腐食は、血管環境における水を含む体液などの水との接触に起因する金属の劣化または分解を指す。分解は、金属製構造物の機械的特性の劣化および構造物からの質量損失をもたらしうる。
水分を含む環境における腐食は、金属表面からの金属原子の除去をもたらす一連の反応を含む。金属が水および酸素と反応するので、水を含む体液との接触から生じる腐食は、金属の酸化(電子(複数可)の損失)をもたらす。表面の金属原子は電子を失い、金属が溶液中で塩を形成する活性の荷電イオンになる。腐食反応は、一般的に酸化反応および還元反応を含む。金属は酸化され、続いて溶液中の水素イオンおよび酸素で還元される。還元反応は酸化反応を駆動する。
「不動態化」は、さらなる腐食を減少、阻害、または消失させる、強固な非反応性表面皮膜の自然発生的な形成である。腐食反応は、腐食金属の表面上に非反応性層または皮膜の形成をもたらすことができる。皮膜は典型的には金属の酸化物、水酸化物、または窒化物である。例えば、マグネシウムの腐食は水酸化マグネシウムの形成をもたらすが、鉄の腐食は酸化鉄または水酸化鉄の形成をもたらす。不動態化のために必要な条件は金属のプールベダイヤグラムに記録されている。
不動態または腐食耐性の程度および時間枠は、表面層を形成する材料の可溶性に依存する。層の可溶性が低いかまたは不溶性であるならば、不動態の程度は高い。保護層を形成する材料が可溶性ならば、不動態はない。この結果として、保護層を形成するというよりはむしろ、材料は形成されるとともに溶液の中へ直接溶解する。
溶液中の水素イオン濃度(pH)、金属に接する溶液中の酸素の影響、溶液中の他のイオンの特異的な性質および濃度、金属との接触における溶液の流速、環境が金属上に保護析出物または保護層を形成する能力、温度、および繰返し応力(腐食疲労)を含むが、これらに限定されない様々な環境因子は、腐食の速度に影響を及ぼすことができる。特に、pHの変化は、腐食反応に動力学的に影響することによって、および不動態化または保護層を形成する能力に影響することによって、腐食に影響を及ぼすことができる。不動態化に関連して、保護層を形成する能力は、保護層材料の可溶性に依存する可能性がある。これらの材料の可溶性は、腐食環境のpHに依存する可能性がある。
マグネシウム、鉄、亜鉛、タングステン、それらの合金などの多くの侵食性の金属および合金が、ステント材料として有望と考えられる。しかしながら、これらおよび他の金属は、所望される治療期間を通じては、分解および機械的挙動の所望される性能の組合せをステントに提供しないかもしれない。特に、マグネシウムなどの特定の金属は非常に迅速に分解し、所望される治療時間よりも短い分解時間を示す可能性がある。さらに、かかる金属は、所望される程度の開路または所望される期間の間の支持を提供しない可能性がある。例示的な望ましい開路の程度は、ステントの展開した直径の50%以上である。あるいは、鉄などの他の金属は非常に遅く分解する可能性がある。「分解時間」は、血管中に埋込まれたステントがインビボ(生体内)で完全に吸収される時間を指す。「分解時間」は、ステントがインビトロ(生体外実験)で完全に吸収される時間もまた意味することができる。分解時間の減少は、必要であるならば、治療された血管におけるさらなる手術または介入をより早くおこなうことを可能にする。分解時間のさらなる低下は、後の血栓症のリスクの減少に寄与する。
例えば、心臓病患者におけるマグネシウム生体分解性ステントの使用に関する研究では、移植4か月後に大部分が分解することが明らかにされている。(Science News,6/9/2007、171巻、23号、356−357ページ)。Heublein等は、マグネシウム合金で製作したステントを使用する一連のインビトロ(生体外)およびインビボ(生体内)の予備臨床試験を行なった。(Heublein B,Rohde R,Kaese V他、Heart 2003;89:651−656)。これらの研究では、60〜90日の比較的速い分解速度が実証されたが、ステントの全体的な完全性は28日では残存していた。(同書)。マグネシウム合金ステントがブタの冠動脈中に埋込まれた一連の動物研究から、56日でのステントの完全な吸収が実証された。(同書)。
Peuster等は、ニュージーランドホワイト種のウサギの下行大動脈に埋込まれた吸収可能な鉄ステントを用いた実験的研究について報告した。(Peuster M,Wohlsein P,Brugmann M他、Heart 2001;86:563−569)。移植後6、12および18か月での血管造影法から、すべてのウサギにおいて100%の血管開路率で下行大動脈の完全な開路が示された。(同書)。
侵食および機械的特性を変更する今までに報告された技術は、合金成分の組成物を変化させることを含む。(例えば、米国特許第6,287,332号)。滞留時間を減少させるために金属性の埋込み可能な医療機器の寸法を単純に減少させることは、強度の妥協を必然的に生じるために実行可能な選択肢ではないものと考えられる。分解時間を増加するために寸法を増加することは、望ましくない大きなステントの外形を導くものと考えられる。
したがって、侵食性の金属ステントのインビボ(生体内で)の侵食速度および機械的特性の調節または調整のためのアプローチが必要である。特に、強度などの機械的特性を許容できないほど損なわずに、ステントの侵食速度を調節することが望ましい。
本発明の様々な実施の形態は、金属マトリックス複合材(侵食性の金属内に分散させたバイオセラミック粒子を含む複合材)から少なくとも部分的にステント素地が形成されたステントを含む。バイオセラミック粒子もまた侵食性でありえる。「複合材」は、一般的に2つ以上の別個の構造的に相補的な物質が組み合わされることで、任意の個々の成分には存在しない構造特性または機能特性をもたらす材料を指す。いくつかの実施の形態において、分散させたバイオセラミック粒子は、金属マトリックスのインビボ(生体内で)の侵食速度、ならびにしたがって複合材およびステント素地のインビボ(生体内で)の侵食速度を変更する。さらにまたはあるいは、バイオセラミック粒子は、複合材、およびしたがってステント素地の機械的特性を増強することができる。バイオセラミックマグネシウム金属合金複合材の腐食特性および機械的特性が、バイオセラミック粒子により調節可能であることが示されている。(Biomaterials 28(2007)2163−2174)。
記述される様々な実施の形態において、部分、すべて、または実質的にすべてのステント素地は、複合材から形成することができる。いくつかの実施の形態においては、ステントの1つ以上の構造要素またはストラットは複合材から製作することができる。他のかかる実施の形態においては、ステントの素地、スキャフォールド、または基材は複合材から製作することができる。ステントの素地、スキャフォールド、または基材は、一旦ステントが身体の管腔内で展開すれば、身体の管腔の壁に対する機械的な支持の提供に主として責任を負うこととなる。ステント素地、スキャフォールドまたは基材は、コーティング、またはステント構造が製造されたものとは異なる材料の層がステント構造の外面に設けられることがないステント構造を指すことができる。素地がコーティングプロセスによって製造されるならば、ステント素地は、異素材であるコーティング層が追加される前の状態を指すことができる。「外面」は、身体の組織または液体と接する空間に向かい合う任意の表面を意味する。ステント素地、スキャフォールド、または基材は、円筒形状に巻かれたチューブまたはシートにパターンをレーザー切断することによって形成されたステント構造を指すことができる。
図2Aは、ステント100の構造要素110のセクション200を図示する。セクション200の一部210は、図2Bにおいて拡大した概観図において示される。図2Bは、侵食性金属マトリックス230の全体にわたって分散させたバイオセラミック粒子220を図示する。
様々なサイズのバイオセラミック粒子を複合材に使用することができる。例えば、バイオセラミック粒子はナノ粒子および/またはミクロ粒子を含むことができるが、これらに限定されない。ナノ粒子は、約1〜1,000nmの範囲、より狭い範囲では1〜100nmの範囲の特徴長さ(例えば直径)を備えた粒子を指す。ミクロ粒子は、1,000nm以上および約10ミクロメーター未満の範囲の特徴長さを備えた粒子を指す。さらに、バイオセラミック粒子は球体および線維を含むが、これらに限定されない、様々な形状に設けることができる。
特定の実施の形態においては、金属マトリックスの侵食速度はステントに対して局所的にpHを調節することによって変更することができる。局所的な領域は、複合材内の領域、複合材の表面上の領域、または複合材に隣接する領域を指す。局所pHは、ステント内に、またはステント上に組み入れるバイオセラミック粒子の分解産物によって調節される。局所pHは患者にアルカリ化物質または酸性物質を全身投与することなく調節される。全身投与は、経口的、または非経口的(血管内、経直腸的、鼻腔内、気管支内または経皮的を含む)に遂行される投与を指す。
腐食反応の速度がpHに依存することは周知である。一般に、腐食反応の速度は、pHを低下させることによって増加され、pHを増加させることによって低下する。高濃度の水素イオンのためにpHが低くなるにつれて、腐食反応の速度は増加する。低濃度の水素イオンに起因する高pHでは逆の傾向が存在する。高pHは、腐食反応に関与する遊離水素イオンが少ないことを意味する。
しかしながら、不動態化(腐食を減少または停止する保護層の形成)もまたpHに依存する。これは保護層の可溶性がpHに依存しうるという事実のためである。したがって、不動態化は、腐食環境のpHでの保護層の可溶性に依存する。したがって、腐食速度のpHへの依存性は、腐食反応および不動態化の両方の速度に依存する。例えば、腐食環境のpHは、不動態化に起因して、腐食速度をほとんど、またはまったく変化させずに増加または低下させることができる。
例えば、pH4〜pH10の範囲において、鉄の腐食速度が環境のpHに比較的依存しないことが示されている。4.0未満のpH値については、FeOは可溶性であり、したがって、酸化物は、金属面上に析出して皮膜を形成するというよりはむしろ形成されるとともに溶解する。保護酸化皮膜の無い状態において、金属表面は酸性溶液と直接的に接触しており、腐食反応はより高いpH値よりも速い速度で進行する。約pH10以上のpH値については、pHが増加するにつれて、腐食速度が落ちることが観察される。これは、FeOほど可溶性でないFeの不動態皮膜の形成のためであると考えられる。したがって、鉄の局所pHを4以下に低下させることは腐食速度を増加し、局所pHを10以上に増加することはその腐食速度を低下させることができる。
また、室温での空気暴露では、非合金マグネシウムの表面上に灰色の酸化物が形成される。水分は、この酸化物を水酸化マグネシウム(塩基性pH値の範囲において安定しているが、中性または酸性の範囲において安定していない)に変換する。塩基性の環境において、金属面上のMg(OH)層の形成の結果として不動態化が可能である。Mg(OH)層がわずかに可溶性であるので、マグネシウムはまだ塩基性の環境において腐食されることが可能である。(ASM Handbook、13巻A Corrosion: Fundamentals, Testing, and Protection(#06494G))。
いくつかの実施の形態においては、金属マトリックス中に分散させたバイオセラミック粒子は、塩基性または酸性の分解副産物により生体分解性でありえる。ステントの移植に際して、バイオセラミック粒子は分解することができ、分解産物は侵食性の金属マトリックスの内で、または金属マトリックスの周囲でpHを局所的に変化させることができる。
いくつかの実施の形態においては、分解産物は、金属マトリックスの腐食速度を変化させるレベルまで局所pHを変化させる。かかる実施の形態において、局所pHは、腐食速度を増加するレベルまで変化させることができる。腐食速度の増加は、不動態化の低下、腐食反応速度の増加、またはその両方に起因する可能性がある。既に論じたように、腐食反応速度はpHを低下させることによって増加することができる。他のかかる実施の形態においては、局所pHレベルは、腐食速度を低下させるレベルまで変化させることができる。腐食速度の低下は、不動体化層の増加、腐食反応速度の低下、またはその両方によって引き起こすことができる。腐食反応速度の低下は、pHの増加のためでありえる。
特定の実施の形態においては、複合材ステントの侵食速度は、酸性の分解産物を有する分散させたバイオセラミック粒子の使用によって変更される。かかる酸性の分解産物は、複合材ステントの中の、その周囲の、またはそれに隣接する局所pHを低下させることができる。かかる実施の形態において、複合材の侵食速度は、pHの低下に起因して増加させることができる。したがって、侵食速度の増加はステントの分解時間を低下させることができる。分解産物は、複合材の侵食速度を増加させるレベルまでpHを低下させる。例えば、リン酸三カルシウムバイオセラミック粒子およびシリカバイオセラミック粒子は、金属マトリックスの分解率を増加する酸性の分解産物を放出する。
例示的な実施の形態においては、金属マトリックスは、複合材の鉄の侵食速度を増加させる酸性の分解産物を有する分散させたバイオセラミック粒子を備えた鉄または鉄の合金でありえる。かかる実施の形態において、局所pHレベルは腐食速度の増加に十分なほど低下される。例えば、ステントの内部の局所pHレベルを4未満に低下させて、侵食速度を増加させることができる。
他の実施の形態においては、複合材ステントの侵食速度は、塩基性の分解産物を有するバイオセラミック粒子の使用によって変更することができる。塩基性の分解産物は、複合材ステントの中の、その周囲の、またはそれに隣接する局所pHを増加させることができる。かかる実施の形態において、複合材の侵食速度はpHの増加に起因して低下させることができる。したがって、侵食速度の低下はステントの分解時間を増加させることができる。分解産物は、複合材の侵食速度を低下させるレベルまでpHを増加させる。
特定の実施の形態においては、ステント内の局所pHレベルは、金属マトリックス内のバイオセラミック粒子の濃度によって調節することができる。かかる実施の形態において、pHレベルは、酸性の分解産物を有するバイオセラミック粒子の濃度を増加させることによって、低く調節することができる。他のかかる実施の形態においては、pHレベルは、塩基性の分解産物を有するバイオセラミック粒子の濃度を増加させることによって、高く調節することができる。
さらなる実施の形態においては、複合材は、酸性の分解産物および塩基性の分解産物を有するバイオセラミック粒子の混合物を有することができる。粒子のタイプの相対量を調整することで、所望の腐食速度をもたらすpHレベルを得ることができる。例えば、酸性の分解産物を有するバイオセラミック粒子の相対濃度を増加させることで、pHレベルを低下させることができる。
例えば、ステントは、塩基性の分解産物を有する分散させたバイオセラミック粒子を有するマグネシウムまたはマグネシウム合金から形成することができる。一例として、ヒドロキシアパタイトは塩基性の分解産物を放出する。かかる実施の形態においては、分散させたバイオセラミック粒子は、複合材ステントの侵食速度を低下させて、その分解時間を増加させることができる。ヒドロキシアパタイト粒子を有するAZ91Dマグネシウム合金のバイオセラミック金属マトリックス複合材は、単体のAZ91D合金よりも低い侵食速度を有することが示されている。(Biomaterials 28(2007)2163−2174)。
いくつかの実施の形態においては、複合材の中のバイオセラミック粒子の濃度を調節することで、侵食性ステントの所望の侵食速度および分解時間を得ることができる。バイオセラミック粒子の濃度の調節は、pHレベルの変化および分解産物に暴露される金属マトリックスの量あるいは質量の変化の両方に起因して、侵食速度を変化させることができる。ステントの複合材の例示的な実施の形態では、0.01重量%〜30重量%、0.5重量%〜30重量%、1重量%〜30重量%、1重量%〜20重量%の間の、またはより狭い範囲では、1重量%〜5重量%の間の濃度のバイオセラミック粒子を有するものとすることができる。
さらに、バイオセラミック粒子のサイズを調節することで、侵食速度および分解時間を調整することができる。バイオセラミックのナノ粒子は、ミクロ粒子よりも金属マトリックスの侵食速度を変更するのに、より効果的であろう。ナノ粒子は、より大きな粒子よりも、その体積に対するより大きな比率の表面積を有するので、より大きな粒子よりも、高くかつ均一な暴露を分解産物に提供すると予測することができる。
本発明の様々な実施の形態においては、分散させたバイオセラミック粒子を補強材料として作用させて、靭性、剛性、および強度などのマトリックスの機械的特性を増強することができる。一般に、破壊靭性が高いほど、材料は、クラックの伝播に対する耐性が高い。装置が使用における負荷の下にある場合、ステントなどの埋込み可能な医療機器の特定の領域には、高度の応力および歪みが生じる。例えば、ステントが圧着または展開される場合、部分130、部分140および部分150などの湾曲領域または屈曲領域は、破壊を導きうる高度に集中した歪みが生じる可能性がある。バイオセラミック粒子は、より大きな体積の材料に歪みを分散させて歪みの集中を減少させることによって、破壊靭性を増加することができる。粒子は、負荷される応力に起因するエネルギーを吸収し、バイオセラミック金属マトリックス複合材のより大きな体積に対してエネルギーを分散させることができる。
したがって、バイオセラミック金属マトリックス複合材から製作されたステントにおける応力および歪みは、高度に集中されるのではなく、多数の個別の粒子が関与する多くの小さな相互作用へと分割される。クラックが材料中で始まり、複合材を介して進み始める場合、クラックは粒子との相互作用に起因するより微細なクラックへと解体される。このように、粒子は、負荷された応力によってステントに与えられたエネルギーを放散させる傾向がある。
さらに、ナノ粒子の使用は、機械的特性の改善において特に有利であるものと考えられる。金属マトリックスに対する粒子の所定の重量比率においては、粒子のサイズが減少するにつれて、体積単位あたりのステントの全体にわたって分散させた粒子の数もまた増加する。したがって、ステントに対して負荷される応力のエネルギーを分散させることができる粒子の数は増加する。したがって、より均一でより増強された機械特性を有するナノ粒子を備えた複合材の実現を期待することができる。
さらに、分散させたバイオセラミック粒子は、複合材の強度を増加させることができる。前述のとおり、ステントは血管に効果的な支持を提供するために高い半径方向の強度を必要とする。バイオセラミック粒子を分散させた複合材は金属マトリックスよりも高い強度を有することができる。ステントの侵食の時間枠のすべてまたは一部の期間において、バイオセラミック粒子は強度および靭性を増強するものと考えられる。
さらに、侵食および機械的特性を調整するバイオセラミック粒子の使用は、合金成分を調節して侵食性の金属ステントのかかる特性を変更する以前の方法よりも利点を有する。具体的には、バイオセラミック粒子は侵食および機械的挙動の制御において追加の自由度を提供する。バイオセラミック粒子の選定によって特性を調節することができるので、金属マトリックスを選定する必要はなく、また、合金成分を所望の分解性を有するように調整する必要はない。
一般に、バイオセラミック粒子が金属マトリックスの全体にわたって高い均一性で分散されることが望ましい。より均一な粒子の分散は、複合材、および複合材から製作された装置のより均一な特性をもたらす。例えば、均一な分散は、靭性、弾性率、強度、および分解率の増加のより高い均一性をもたらすことができる。
[金属のタイプ]
特定の実施の形態においては、侵食性の金属は、インビボ(生体内)の環境において自己崩壊の傾向を有する金属である。体液にさらされた場合、インビボ(生体内)の環境において自己崩壊する金属は腐食および解体される。自己溶解金属については、患者に対する有害作用をほとんどまたはまったく有していないものを選択することができる。インビボ(生体内)の環境における自己溶解金属の代表的な例は、マグネシウム、マンガン、カルシウム、亜鉛、クロミウム、鉄、カドミウム、アルミニウム、コバルト、アンチモン、スズ、バナジウム、銅、タングステン、およびモリブデンを含むが、これらに限定されない。
さらなる実施の形態においては、ステントは、上述の金属、または2つ以上の上述の金属の合金から製作することができる。いくつかの合金は、主要な構成金属および少量の1つ以上の添加される金属を含む。添加される金属には、生体安定性の金属または非侵食性の金属もまた含むことができる。いくつかの例示的な実施の形態においては、主要な構成金属の元素組成は、合金の85%、90%、95%より大きく、または99%より大きい。主要な構成金属を添加される金属により合金にすることで、腐食速度の変更、機械的特性の改善、またはその両方を行なう。
一般的に、pHの関数としての合金の腐食速度は、成分となる金属とは異なる。特定の実施の形態においては、合金組成およびバイオセラミック粒子のタイプを選択することで、所望の侵食速度を得ることができる。このように、かかる実施の形態においては、合金組成は、分散させたバイオセラミック粒子によって提供される特定のpHレベルに対応する選択された腐食速度を有するように調節することができる。
例示的な実施の形態においては、マグネシウムは、少量の亜鉛、ナトリウム、鉄、カリウム、カルシウム、アルミニウム、マンガン、銀、ジルコニウム、トリウム、イットリウム、およびレニウムと混ぜることができる。いくつかの例示的な実施の形態においては、マグネシウム成分は、合金の85%、90%、95%より大きく、または99%より大きい。例えば、AZ91マグネシウム合金は、マグネシウム(89.8%)、アルミニウム(9%)、亜鉛(2%)、およびマンガン(0.2%)を含む。他の市販の合金を用いた実施の形態においては、マグネシウムは、60:40のマグネシウム−リチウム比率でリチウムと合金にすることができる。他のマグネシウム合金としてはAM50AおよびAE42を含む。さらに、亜鉛は比較的脆性材料であるので、亜鉛はチタン(0.1〜1%)との合金とすることで破壊靭性を改善することができる。
さらなる実施の形態においては、侵食性の金属は、材料が体液との接触に際してガルバニック腐食(電解腐食)するようにガルバニック対を生成する2つ以上の選択された金属の組合せを有するものとすることができる。所望の腐食速度を実現するためにガルバニック腐食に依存する場合は、十分に高い残留電位差を有する金属ペアの選択を必要とする。残留電位差は、同じタイプの溶液(例えば生理食塩水またはウマ血清)中で、参照電極(例えば基準カロメル電極(SCE)または天然水素電極(NHE))に対して測定された場合、それぞれが単独で特定の残留電位を有する2つの金属に由来する。この差から生じる腐食に向かう駆動力を調整して、接合材料の分解速度を制御することができる。例えば、約500mVの駆動力は、一般的に1V以上の駆動力よりも遅い腐食をもたらすものといえる。
いくつかの実施の形態においては、分散させたバイオセラミック粒子は、選択されたガルバニック対と組み合わせて使用することで、複合材ステントの侵食速度を制御することができる。適切な金属ペアは、元素のマグネシウム、マンガン、カリウム、カルシウム、ナトリウム、亜鉛、クロミウム、鉄、カドミウム、アルミニウム、コバルト、鉛、バナジウム、銅、およびモリブデンの中から、ならびにかかる元素に基づいた合金から選択することができる。
バイオセラミックは、人体と適合性のある任意のセラミック材料を含むことができる。より一般的に、バイオセラミック材料は、任意のタイプの適合性のある無機材料または無機/有機ハイブリッド材料を含むことができる。バイオセラミック材料は、アルミナ、ジルコニア、アパタイト、リン酸カルシウム、石英系ガラス、またはガラスセラミック、および熱分解炭素を含むことができるが、これらに限定されない。バイオセラミック材料は、生体吸収性および/または活性でありえる。生理学的プロセスに積極的に関与するならば、バイオセラミックは活性である。バイオセラミック材料は、また「不活性」でもありえ、それは材料が人体の生理学的条件下で吸収または分解されず、および積極的に生理学的プロセスに関与しないことを意味する。
アパタイトおよび他のリン酸カルシウムの例示的な例は、ヒドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH))、フルオロアパタイト(Ca10(PO)、カーボネートアパタイト(Ca10(POCO)、リン酸三カルシウム(Ca(PO)、リン酸オクタカルシウム(Ca(PO−5HO)、ピロリン酸カルシウム(Ca−2HO)、リン酸四石灰(Ca)、およびリン酸カルシウム無水物(CaHPO−2HO)を含むが、これらに限定されない。
用語、バイオセラミックは、SiO、NaO、CaO、およびPなどの化合物からなる生体活性ガラスセラミックスである生体活性ガラスもまた含むことができる。例えば、市販で入手可能な生体活性ガラス(バイオガラス(Bioglass)(登録商標))はSiO−NaO−KO−CaO−MgO−Pシステムの特定の組成物に由来する。いくつかの市販で入手可能な生体活性ガラスは以下のものを含むが、これらに限定されない。
45S5:46.1mol% SiO、26.9mol% CaO、24.4mol% NaO、および2.5mol% P
58S:60mol% SiO、36mol% CaO、および4mol% P;および
S70C30:70mol% SiO、30mol% CaO。
他の市販で入手可能なガラスセラミックはA/Wである。
バイオセラミック粒子は、部分的または完全に、生体分解性、生体吸収性、または生体安定性のセラミックから製作することができる。生体吸収性バイオセラミックの例は、ヒドロキシアパタイト、様々なタイプのバイオガラス材料、リン酸四石灰、非晶質リン酸カルシウム、α−リン酸三カルシウム、およびβ−リン酸三カルシウムを含む。生体安定性バイオセラミックは、アルミナおよびジルコニアを含む。
本発明のさらなる実施の形態では、バイオセラミック金属マトリックス複合材の形成、および金属マトリックス複合材からの埋込み可能な医療機器(ステントなどの)の製作を含む。いくつかの実施の形態においては、金属マトリックス複合材は、金属マトリックスをバイオセラミック粒子と混合して形成し、混合物を押出加工して、チューブなどの構造物を形成することができる。その後、ステントはチューブから製作することができる。例えば、ステントパターンはレーザー切断によってチューブを切断することで設けることができる。
混合プロセスまたは押出プロセスは、室温(20〜30℃)付近などの低い温度、またはわずかに上昇させた温度(室温以上で50℃未満)で実行することができる。他の実施の形態においては、混合プロセスまたは押出プロセスは、高温(例えば金属の融解温度の50〜75%)で実行することができる。いくつかの実施の形態においては、混合または押出は、金属の融解温度の75%よりも高い温度または金属の融解温度よりも高い温度で実行される。混合または形成は、バイオセラミック粒子の融点未満の温度で実行される。温度は、バイオセラミック粒子が著しく化学的に分解される温度より低いこともある。
いくつかの実施の形態においては、混合および形成は同じ装置において実行することができる。かかる実施の形態においては、金属粒子または金属インゴットおよびバイオセラミック粒子は、両者を混合し混合物を形成する混合装置(押出機など)へと供給することができる。あるいは、金属およびバイオセラミック粒子の複合材用の混合物は、単一の装置の中に個別に供給して混合することができる。例えば、複合材は押出機またはバッチ混合機の中で形成することができる。一の実施の形態においては、バイオセラミック粒子は、上昇させた温度で金属と粒子とを混合する前に、粉末形態または顆粒形態の金属と組み合わせる(足し合わせる)ことができる。その後、形成された複合物を押出機へと供給して、チューブを形成することができる。
バイオセラミック粒子のクラスターの凝集または形成は、金属マトリックスの粒子の分散の均一性を減少させる可能性がある。バイオセラミック粒子の凝集は、複合材内に粒子を分散させることを困難にする。複合材のより大きなクラスターの存在は、材料の性能の低下をもたらす傾向がある。そのようなより大きなクラスターは、ステントの複合材部分において空隙(ボイド)の形成をもたらす可能性があり、それはクラックの発生および破損が起こりやすい部位となる。従来の単軸スクリュー押出機またはバッチプロセスにおける機械的混合は、クラスターを解体するのに不十分であり、バイオセラミック粒子および金属が非均一に混合されていた。
様々な方法を用いて金属マトリックス内のバイオセラミック粒子の分散の均一性を向上させることができる。凝集を低下させて複合材におけるバイオセラミック粒子の分散を増加させるための特定の実施の形態では、凝集を減少させるのに十分な機械的方法による粒子および金属の混合物の処理(加工)を含むことができる。かかる実施の形態では、高い剪断応力条件の下でのポリマーおよび凝集したバイオセラミック粒子の混合物の処理を含むことができる。いくつかの実施の形態では、粒子が凝集粒子の破壊強度よりも高い剪断応力にさらされるように混合物を処理することを含むことができる。一の実施の形態においては、金属は、混合物にバイオセラミック粒子の凝集体の破壊強度よりも高い剪断力を加える方式でバイオセラミック粒子とブレンドまたは混合することができる。したがって、金属とバイオセラミック粒子との混合物は、混合の間に加えられる最大の剪断応力がバイオセラミック粒子の凝集体の破壊強度よりも高いように処理(加工)をおこなうことができる。凝集粒子は機械的に破壊され、金属内により均一に分散させることができる。
単軸スクリュー押出機によって負荷される、剪断応力は一般的にはバイオセラミック粒子の凝集体の破壊強度未満であると考えられる。凝集体の破壊強度よりも高い剪断応力を負荷することができる様々な種類の混合装置を用いることができる。十分に高い剪断応力を負荷することができる機械を用いた混合機としては、二軸スクリュー押出機または捏和機(ニーダー)を含むが、これらに限定されない。ブレンドする間に、一旦剪断応力がバイオセラミック粒子の凝集体の破壊強度よりも高くなれば、凝集体は破壊され、金属の中へより均一に分散される。金属およびバイオセラミック粒子は、機械的ブレンド装置へと個別に供給し、高い剪断応力で加工(処理)することができる。あるいは、金属およびバイオセラミック粒子の複合材用の混合物を機械的ブレンド装置へと供給し、より高い剪断応力で加工することができる。
バイオセラミック粒子と金属との混合物は、凝集を減少させ、粒子を分散させるのに十分な時間の間、十分に高い剪断応力で加工(処理)することができる。例えば、混合物は、約5分〜約30分、より狭い範囲では約8分〜約20分、またはより狭い範囲では約10分〜約15分の時間の間、加工(処理)することができる。一の実施の形態においては、表面処理されたバイオセラミック粒子により形成された複合材もまた同様に加工(処理)することができる。
一般に、マトリックスと複合材の材料中の不連続相または補強相との間の良好な結合は、複合材の機械的特性の改善を促進する。例えば、バイオセラミック粒子に起因する複合材の強度および靭性の増加は、金属マトリックスと粒子との間の良好な結合によって増強することができる。
いくつかの実施の形態においては、バイオセラミック粒子は、粒子と金属マトリックスとの間の接着を改善する接着促進剤を含むものとしてもよい。一の実施の形態においては、接着促進剤はカップリング剤を含むものとしてもよい。カップリング剤は、複合材の原料であるバイオセラミック粒子および金属マトリックスの双方と反応することができる化学物質を指す。カップリング剤は、金属とバイオセラミック粒子との間の界面において作用して、両者の間に接着を増強する科学的架橋を形成する。
接着促進剤は、シランカップリング剤および非シランカップリング剤を含むことができるが、これらに限定されない。例えば、接着促進剤は、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルメチルジエトキシシラン、有機トリアルコキシシラン、チタン酸塩、ジルコニウム酸塩、および有機酸−塩化クロム配位錯体を含むことができる。
いくつかの実施の形態においては、バイオセラミック粒子の表面は金属マトリックスと混合する前に接着促進剤により処理することができる。一の実施の形態においては、バイオセラミック粒子は接着促進剤を含む溶液により処理することができる。処理は、コーティング、浸漬、または接着促進剤もしくは接着促進剤を含む溶液の粒子への噴霧を含むことができるが、これらに限定されない。粒子は、接着促進剤を含むガスにより処理することもできる。一の実施の形態においては、バイオセラミック粒子の処理は、接着促進剤を蒸留水およびエタノールなどの溶媒の溶液と混合する処理、およびその後にバイオセラミック粒子を追加する処理を含む。次に、バイオセラミック粒子は、例えば、遠心分離機によって溶液から分離することができ、粒子は乾燥することができる。次にバイオセラミック粒子を使用して、複合材を形成することができる。他の実施の形態においては、接着促進剤は複合材の形成中に粒子に追加することができる。例えば、接着促進剤は、押出加工の間にバイオセラミック粒子と金属との混合物と混合することができる。
いくつかの実施の形態においては、バイオセラミック金属複合材の金属マトリックスは多孔性でありえる。孔は、金属マトリックスおよびバイオセラミック粒子の双方と体液との接触の表面領域を増加させる。したがって、金属およびバイオセラミック粒子の腐食が増加される。孔は、接触の増加した表面領域に起因して、金属の腐食速度を加速する効果を有する傾向がある。バイオセラミック粒子に起因するpHの変化が腐食速度に対する加速効果を有するならば、バイオセラミック粒子が複合材の腐食速度をさらに促進するであろうことが期待される。しかしながら、バイオセラミック粒子に起因するpHの変化が腐食速度に対する減速効果を有するならば、バイオセラミック粒子は孔の加速効果を緩和することができる。侵食率は、金属の選択、孔隙率、およびバイオセラミック粒子のタイプを介して作用の範囲を調整することができる。
孔隙率は、腐食速度の増加と表面領域の増加との比率が材料のタイプおよびそれが暴露される環境に依存して0.3〜1.0まで変化する範囲で、腐食速度に対する実質的な効果を有する。金属のセルサイズおよび孔隙率を含むマイクロセル多孔性金属の形態は、セルサイズを極めて均一に設けることができるように制御することができ、形成プロセスの間の様々なパラメーターの操作によって正確に制御することができる。所望される孔隙率は、焼結、発泡、押出、チクソモールディング、半凝固スラリー鋳造および溶射を含むが、これらに限定されない様々な技術によって実現可能である。
「応力」は、平面内の小さい領域を通して作用する力におけるような、単位面積当たりの力を指す。応力は、それぞれ垂直応力及び剪断応力と呼ばれる、平面に対し垂直及び平行な成分に分割することができる。真応力とは、力と面積が同時に測定される応力のことをいう。引張りおよび圧縮試験に適用される公称応力は力を当初のゲージ長さで除したものである。
「強さ(強度)」とは、物質が破壊の前に耐えるであろう、軸に沿った最大応力を指す。極限強度は、試験中に加えられる最大負荷を当初の断面積で割って算出する。
「弾性率」は、物質に加えられた単位面積当たりの力すなわち応力の成分を、加えられた力により生じる、加えられた力の軸に沿ったひずみで割った比率と定義される。例えば、物質は引張弾性率と圧縮弾性率の両方を有している。比較的高い弾性率を持つ物質は堅いか、または剛である傾向がある。逆に、比較的低い弾性率を持つ物質は柔軟である傾向がある。物質の弾性率は、分子の組成および構造、物質の温度、変形量、ならびにひずみ速度または変形速度に依存する。
「ひずみ」とは、所与の応力または負荷において物質に発生する伸び(伸長)または圧縮の量を指す。
「伸び」は、応力を受けたときに生じる物質の長さの増加と定義される。伸びは典型的には当初の長さに対するパーセンテージとして表される。
破断伸びは、サンプルが破断したときのサンプル上の歪みである。通常パーセントにより表示される。
「靭性」は、破壊の前に吸収されるエネルギーの量であり、すなわちある材料(物質)を破壊するために必要な仕事量と同等である。靭性の一つの基準は、応力−ひずみ曲線の下の、ひずみゼロから破壊ひずみまでの領域に示される面積である。応力は材料上の引張力に比例し、歪みはその長さに比例する。応力−ひずみ曲線の下に示される面積は、破断前のポリマーが伸張する距離(ひずみ)における応力の積分に比例する。この積分はサンプルを破断するのに必要な仕事量(エネルギー)である。靭性は、破断する前にサンプルが吸収することができるエネルギーの測定値である。靭性と強度との間には差異がある。強いが靭性がない材料は脆性材料と呼ばれる。脆性の物質は強いが、破断の前にあまり変形させることができない。
「溶媒」は、1つ以上の他の物質を溶解または分散させるか、あるいは、少なくとも物質の一部を溶解または分散させ、選択された温度および圧力において、分子またはイオンの大きさのレベルで均一に分散した溶液を形成することが可能な物質と定義される。溶媒は、1mlの溶媒あたり少なくとも0.1mgのポリマーを溶解可能であるべきで、より狭い範囲としては、選択された温度および圧力、例えば、大気温度および大気圧において1mlあたり0.5mgを溶解可能であるべきである。
以下に説明される実施例は説明の目的のみのためのものであり、本発明を限定する意味を一切有しない。以下の実施例は本発明の理解を支援するために示されるが、本発明が実施例の特定の材料または手順に限定されないことが理解されるべきである。
[マグネシウム合金/ナノヒドロキシアパタイト(HAP)複合材ステントの調製]
工程1 複合材の調製:1kgのマグネシウム合金を機械的ブレンダーの中で100gのナノHAPと室温で混合する。混合物は、プラーを備えた一軸スクリュー押出機または二軸スクリュー押出機を介して400℃で押出される。押し出されたチューブは、内径=0.128インチおよび外径=0.136インチを有する。
工程2 ステントの調製:チューブはレーザーによってステントへと切断され、より小さな直径(0.05インチ)に圧着される。
本発明の特定の実施の形態を示し、記述してきたが、本発明のより広い態様を逸脱しない限り、変更および変形を施すことも可能であることは当業者にとって自明であろう。したがって、添付の請求項はその範囲において本発明の真の精神および範囲に含まれる全ての変更および変形を包含する。
100 ステント
110 構造要素
120 構造要素部分(略直線状)
130 構造要素部分(湾曲部分)
140 構造要素部分(湾曲部分)
150 構造要素部分(湾曲部分)
200 構造要素のセクション
210 構造要素のセクションの一部
220 バイオセラミック粒子
230 侵食性の金属マトリックス

Claims (9)

  1. 金属マトリックス複合材から形成されたステント素地により構成されたステントであって、前記金属マトリックス複合材は侵食性の金属内に分散させた侵食性のバイオセラミック粒子を有し、前記分散させたバイオセラミック粒子は、血管環境中の前記ステント素地の侵食速度を変更するとともに、前記ステント素地の機械的性質を増強するように構成され、前記バイオセラミック粒子の侵食が前記侵食性の金属の侵食速度を低下させ、その結果として完全に前記ステントが吸収されるまでの時間を増加させるように構成され
    前記バイオセラミック粒子は、前記侵食性の金属の腐食環境のpHを増加させる塩基性の分解産物を有し、それによって前記侵食性の金属の侵食速度を低下させるように構成された、ステント。
  2. 前記金属マトリックス複合材は、前記バイオセラミック粒子を1重量%〜5重量%の値の範囲で含むように設けられた、請求項1記載のステント。
  3. 前記ステントが完全に吸収されるまでの時間が6か月より長くなるように設けられた、請求項1又は請求項2に記載のステント。
  4. 前記バイオセラミック粒子は、ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のステント。
  5. 前記侵食性の金属は、マグネシウム、鉄、亜鉛、タングステン、およびそれらの合金からなる群から選択される、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のステント。
  6. 前記バイオセラミック粒子が前記金属マトリックス複合材の引張強度を増加させる、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のステント。
  7. 前記金属マトリックス複合材は多孔性に設けられた、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のステント。
  8. バイオセラミック粒子の凝集を減少するために、前記凝集したバイオセラミック粒子のクラスターの破壊強度よりも高い剪断応力を侵食性の金属と前記バイオセラミック粒子とに負荷するように処理をおこなうことにより前記侵食性の金属に前記バイオセラミック粒子を分散させて金属マトリックス複合材を形成する工程と;
    前記金属マトリックス複合材からチューブを形成する工程と;
    前記分散されたバイオセラミック粒子が血管環境中のステント素地の侵食速度を変更するとともに、前記ステント素地の機械的特性を増強するように設けられ、前記バイオセラミック粒子の侵食が前記侵食性の金属の侵食速度を低下させ、その結果として完全に前記ステント素地が吸収されるまでの時間を増加させるように構成されたステントを前記チューブから製造する工程とを備える;
    ステントを製造する方法。
  9. 前記バイオセラミック粒子と前記侵食性の金属とを処理する工程は、前記バイオセラミック粒子と前記侵食性の金属とを二軸スクリュー押出機または捏和機による処理により凝集が減少するように混ぜる処理を有するように構成された、請求項に記載の方法。
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