JP5574660B2 - トラック荷台の開閉パネル取り付け構造 - Google Patents
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Description
このようなアオリとして、特許文献1には、アルミニウム製の押し出し形材からなる複数枚のレール(ロアレール、ミドルレール、アッパーレール)を積み重ねて、通しボルトによって一体的に結合することにより、1枚のパネル状に構成したものが示されている。また、このアオリのロアレールの下端には、下方に向けて開口する凹溝が長さ方向に沿って形成されるとともに、この凹溝の開口部に、凹溝内に突出する一対の係止凸条が設けられている。そして、この係止凸条と係合する逆U字状の取り付け座に、開口部から下方へ突出する取り付けねじが固定され、その取り付けねじに、トラックの荷台に固定したヒンジ部材の一方がねじ止めされることにより、アオリがトラックの荷台に開閉可能に取り付けられた構成とされている。
特許文献3には、アオリの下端の嵌合溝内に、ヒンジ部材の一方から延びる蝶番片を嵌合し、この蝶番片に形成した楔溝に楔片を打ち込むことにより、蝶番片をアオリに固定した構造が示されている。
さらに、特許文献4には、アオリの下端の開口溝内に蝶番の嵌合部が嵌合し、さらに、その嵌合部がアオリの内壁にねじによって固定された構造のものが示されている。
特許文献1記載の構造の場合、逆U字状の取り付け座は製造時に下端部にバリが生じ易く、そのバリがアオリ材に食い込んで傷が付くという問題がある。アオリ材は一般に防食のためアルマイト処理されているが、取り付け座の食い込みによってアルマイト被膜が剥がれて腐食を招くおそれがあり、取り付けボルトの緩みの原因になり易い。また、逆U字状の取り付け座とアオリとの接触面積が小さいため、アオリを開いたときの衝撃時等に接触部分に応力が集中して亀裂等が生じるおそれもあり、その対策のために肉厚が増大化し、重量増となる傾向にある。
特許文献3及び特許文献4記載の構造の場合は、楔片を打ち込んだり、アオリの内壁にも固定する必要があるなど、いずれも取り付け構造が複雑であり、作業性が悪い。
このような寸法に設定されたプレート部にナット部が一体に設けられていることにより、溝の中でナット部をスライド部材として一体に取り扱うことができるとともに、溝の中での旋回が拘束され、ナット部へのボルトの螺合作業を容易にすることができる。
押し出し成形により溝を精度よく形成することができ、その溝の長さ方向の任意の位置でヒンジ片を強固に固定することができる。
図9は、ウイング車両に属するトラックの荷台部分を示すものであり、このトラック1は、荷台2の上部が箱形に構成され、その前端面を構成する前壁3と、後端面を構成する後壁4と、これらを連結状態とする天井ビーム5と、この天井ビーム5から図9では右半分の天井部分及びこれに連続する右側面を構成する固定状態の側壁パネル6と、左側面の下半分を構成する開閉可能なアオリ7と、このアオリ7の上端から天井ビーム5までの左側面の上半分及び天井部分の左半分を構成する開閉可能な断面L字型のウイング8とを備えている。また、後壁4は、矩形の後部フレーム9内に一対の観音開き状に開閉可能な扉10を備えた構成とされている。
本発明の開閉パネルは、この荷台2の構成要素のうち、アオリ7、ウイング8、扉10にそれぞれ適用することができ、これらを開閉するためのヒンジ部材の取り付け構造に特徴を有するものである。
このアオリ7は、図8に示すように、トップレール11、二枚のミドルレール12、ボトムレール13がこれらの幅方向の両端部を相互に嵌合させた状態として連結されることにより、一枚のパネルとして構成されたものである。これら各レール11〜13は、いずれもアルミニウム製の押し出し形材によって形成されている。図8中符号14が各レール11〜13間の嵌合部を示す。
そして、このアオリ7は、そのボトムレール13の下端部に、荷台2の床15に固定されたヒンジ部材16における回動可能な一方のヒンジ片17が取り付けられていることにより、アオリ7全体が図5に示すように荷台2の床15の側面に垂直に立設した位置と、図7に示すように床15の側面から倒されてトップレール11が下方に向いた位置との間で開閉することができるようになっている。また、この図5に示す立設姿勢の全体を図8に示しており、この状態で、トップレール11の上端部の外側にウイングパネル6の下端部が重ね合わせられる構成である。
また、図2に示す凸条部25の厚さTは例えば2〜4.5mmに形成され、凸条部25の内面(図2では上面)25aからH=0.5mm下がった位置までは、ストレート状又は凸円弧状、もしくはこれらの組み合わせ形状からなる円環部27とされ、この円環部27から下方が傾斜角θで傾斜したテーパ面26とされている。この場合、傾斜量Xの最低値が0.3mm、最大値が(T−H)/2とされており、T=2〜4.5mmの場合に傾斜角θは4〜27°の範囲となる。また、円環部27のコーナー部は、半径R=0.3mm程度の曲面で面取りされている。この円環部27は、テーパ面26と凸条部25の内面(上面)25aとの間がシャープエッジとならないようにして強度を確保し、摩耗等を防止するために形成したものである。
この突起部35は、支持プレート33をボトムレール13の下端の両凸条部25間にまたがるように当接させたときに、両凸条部25の間に嵌合されるものであり、両側面が凸条部25と同じ角度に傾斜したテーパ面36に形成されている。また、突起部35の高さは凸条部25の厚さTよりも若干小さく、例えば円環部27の高さHだけ小さく形成され、突起部35を両凸条部25の間に嵌合したときに、突起部35の先端面は凸条部25の上面25aを越えずに両凸条部25の間に配置される寸法関係とされている。
なお、図2に示すように、凸条部25のテーパ面26から下面25bにかけたコーナー部は緩やかな凸曲面に形成されており、これに対応する支持プレート33の突起部35の側面から板状部34の表面にかけたコーナー部も、凸条部25の凸曲面の曲率半径と同じかわずかに大きい曲率半径の凹曲面に形成されている。
また、支持プレート33にも、そのナット部43のめねじ孔43aに対応する両端部に貫通孔33aが形成されている。
なお、図5等において、符号45は、ボトムレール13の下端部に取り付けられ、支持プレート33の外方を囲むように覆うボトムカバーを示す。
このように、スライド部材41を溝24内に配置して、支持プレート33との間で凸条部25を挟持状態として締結するだけの作業でアオリ7をヒンジ片17に固定することができ、作業性がよい。
そして、この開閉作業の際にアオリ7とヒンジ片17との取り付け部分に外力が作用することがある。例えば、図7に示す状態で荷台2との間で貨物の積み降ろし作業の実施中に、実線矢印で示すようにフォークリフト等が接触してアオリ7が押された際に大きな外力が作用することがあるが、この取り付け状態においては、ボトムレール13の下端部(図7では上方を向いている)で両凸条部25が支持プレート33とスライド部材41との間に挟持された状態で締結され、その締結部分では、支持プレート33の突起部35が両凸条部25のテーパ面26間に嵌合し、さらに、支持プレート33の凸部37が凸条部25の凹部38に係合しており、支持プレート33とスライド部材41とが凸条部25の上面25aからテーパ面26及び下面25bにわたって広い面積で接触している。したがって、外力により締結部分に生じる応力が分散され、緩みの発生が確実に防止されるとともに、凹部38と凸部37との係合により、両凸条部25が広がることが防止され、強固な取り付け構造を維持することができる。
図10において符号51はウイング8の端部に設けられるウイングレールを示しており、アルミニウム製の押し出し形材により、外壁部52と内壁部53との間を連結板部54によって相互に連結した中空の一体形状に形成されている。
また、図11において符号55は扉10の端部に設けられるドアフレームを示しており、同様に、アルミニウム製の押し出し形材により、外壁部56と内壁部57との間を連結板部58によって相互に連結した中空の一体形状に形成されている。
このように、本発明の取り付け構造は、アオリ7以外にも、ウイング8、扉10のそれぞれの取り付け構造にも適用することができ、本発明の開閉パネルは、これらアオリ、ウイング、扉を含むものとする。
先の第1実施形態では、両凸条部のテーパ面が溝の外側から内方に向けて漸次間隔を狭める方向に傾斜していたが、図12の実施形態では、凸条部25のテーパ面26の傾斜方向が逆で、溝24の内側から外方に向けて漸次間隔を狭める方向に傾斜している。そして、このテーパ面26間に嵌合する突起部35がスライド部材61に設けられている。したがって、このスライド部材61は、プレート部42、ナット部43、突起部35が一体化した形状とされている。また、これら突起部35とテーパ面26間の嵌合時に相互に係合状態となる凸部37と凹部38も、スライド部材61と凸条部25の上面25aとの間に配設されている。したがって、支持プレート62は、凸条部25の平坦な下面25bに当接する平坦な板状に形成されている。符号62aは支持プレート62の貫通孔を示す。
なお、この図12において、先の実施形態の構成要素と共通する部分は同一符号を付して説明を省略する。
また、スライド部材61を溝24の中でスライドさせるときに、突起部35が凸条部25の間に嵌合した状態で移動するので、溝24の中でのスライド部材61の幅方向の位置が安定し、支持プレート62との位置合わせ作業が容易になる。
例えば、支持プレートとスライド部材との一方に、突起部と凸部との両方を配設したが、突起部は、支持プレート又はスライド部材の一方に形成し、凸部は、その他方に形成するようにしてもよい。また、本発明においては、これら凸部と凹部を有しないものも含むものとする。
また、スライド部材と支持プレートとをほぼ同じ長さに設定したが、スライド部材は、溝の中で旋回できない長さに形成されていればよく、溝に面しているボトムレールの外壁部の内面と内壁部の内面との離間距離より十分に大きい長さであればよい。
2 荷台
5 天井ビーム
7 アオリ(開閉パネル)
8 ウイング(開閉パネル)
9 後部フレーム
10 扉(開閉パネル)
13 ボトムレール
15 床
16 ヒンジ部材
17 ヒンジ片
24 溝
25 凸条部
26 テーパ面
27 円環部
31 ヒンジ片
32 ヒンジ軸
33 支持プレート
34 板状部
35 突起部
37 凸部
38 凹部
41 スライド部材
42 プレート部
43 ナット部
43a めねじ孔
44 ボルト
51 ウイングレール
52 ドアフレーム
61 スライド部材
62 支持プレート
Claims (3)
- 荷台に固定状態のヒンジ部材における回動可能なヒンジ片の端部に開閉パネルの端部が取り付けられてなるトラック荷台の開閉パネル取り付け構造であって、前記開閉パネルの端部に、その長さ方向に沿って溝が形成されるとともに、該溝の内側面に、その開口部を狭めるように相互に対向する方向に突出する一対の凸条部が溝の長さ方向に沿って形成され、前記ヒンジ片の端部に前記溝の外方から前記凸条部間にまたがるように当接する支持プレートが設けられ、前記溝の内部に前記凸条部間の開口部よりも広幅のスライド部材が前記溝の長さ方向に移動自在に設けられ、これら支持プレートとスライド部材とが前記凸条部を表裏から挟持した状態でボルトによって締結されてなり、前記凸条部どうしの対向面は、その厚さ方向に沿って一方から他方に向けて漸次間隔を狭める方向に傾斜したテーパ面とされ、前記支持プレート又は前記スライド部材のいずれか一方に、前記テーパ面間に嵌合する突起部が形成され、前記凸条部の前記一方の面に形成された溝状の凹部と、前記突起部が前記凸条部の前記テーパ面間に嵌合したときに前記凸部に係合するように前記突起部の側方に張り出す板状部に形成されたリブ状の凸部とが前記開口部を介して両側に少なくとも一組ずつ配設され、前記凸条部の前記一方の面から前記テーパ面にかけたコーナー部に凸曲面が形成され、前記突起部の側面から前記板状部の表面にかけたコーナー部に前記凸曲面の曲率半径と同じかわずかに大きい曲率半径の凹曲面が形成され、前記突起部の高さは、前記凸条部の厚さよりも小さく設定されていることを特徴とするトラック荷台の開閉パネル取り付け構造。
- 前記スライド部材は、前記溝の長さ方向に沿う帯状のプレート部と、該プレート部の表面に配置され前記ボルトを螺合させるナット部とが一体に形成されてなり、前記プレート部が、両凸条部の対向間隔より大きい幅を有し、前記溝の内壁面の間隔より大きい長さに形成されていることを特徴とする請求項1記載のトラック荷台の開閉パネル取り付け構造。
- 前記開閉パネルは、前記溝の長さ方向を押し出し方向とするアルミニウム製押し出し形材によって構成されている請求項1又は2記載のトラック荷台の開閉パネル取り付け構造。
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