JP5574421B2 - 有機エレクトロルミネッセンス照明装置の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス照明装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス物質(有機ELともいう。)を発光体に用いた有機エレクトロルミネッセンス照明装置(有機EL照明装置ともいう。)の製造方法に関し、より詳しくは、短絡に起因する品質の低下を抑制できる有機ELが得られる有機EL照明装置の製造方法に関する。
有機EL照明装置は、透光性基板上に透光性電極層と、有機ELを含有する有機層と、透光性を問わない電極層とを順次積層した積層体構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子ともいう。)を使用し、有機層で発生する光を透光性電極層、透光性基板を透過させその表面の発光面から外部へ放出させる面状光源であり、薄膜であって、低電圧で発光し、即答性に優れることから、利用価値が高い。有機ELは、酸化されやすく、駆動に伴う劣化を抑制するため、有機EL照明装置において、有機EL素子を封止部材により気密に保持し、窒素等不活性ガスを充填した空間に配置している。
このような有機EL照明装置においては、製品の検査工程において短絡が生じ、歩留まりが低下することが課題の一つとなっている。短絡の原因として、製造工程において生じた異物の存在、透光性電極層の表面の凹凸に起因する有機層の欠損が挙げられ、透光性電極層の表面の凹凸の要因には、透光性電極層材料に含まれる酸化インジウムスズ(ITO)等の結晶粒や、透光性基板の研磨に用いる酸化セリウム等や異物の混入等が考えられる。その結果、透光性電極層の凹凸部分において、有機層が正常に形成されず電極間距離が短縮し、或いは、これらが接触して、電界が集中して短絡が生じると考えられる。有機層を介して上層及び下層に設けられる電極層はその占有面積が大きいことから、電極間における短絡の発生頻度が高くなる。
また、製品の信頼性向上のために、起こり得る短絡の発生を促進させ、有機EL照明装置の出荷前に電極層を印加して行うエージングは、場合によっては数日等と長時間を要し、そのための設備も必要であり、更に、製品のモデル変更に伴い、エージングの設備の変更が必要となる。
有機EL素子の短絡の発生を抑制し、長期に亘って安定した発光特性を維持するために、有機発光層とこれを挟持する電極を有する積層体を収納する気密性容器に、不活性ガスを主体としこれに0.0001%乃至20%の濃度で酸素ガスを添加した気体を封入した有機エレクトロルミネッセンス素子(特許文献1)や、基板の表面に陽極、有機EL薄膜、陰極が積層された有機EL積層体を封止部材により封止し、基板と封止部材によって形成される空間に酸素ガスなどを発生する発生剤を封入した有機EL素子(特許文献2)が報告されている。しかしながら、これらの有機エレクトロルミネッセンス素子は、短絡欠陥の修復の向上を図るものであるが、その効果が充分得られない場合もある。
特開2001−085156 特開2001−210466
本発明の課題は、有機EL照明装置の短絡が生じている部分及び短絡の可能性を有する部分について導電体の絶縁化を短時間で確実に行うことができ、信頼性の向上を図ることができ、製品のエージング処理を不要とすることができ、そのための設備、時間を不要とし、効率よく製造を行うことができ、コストの削減を図ることができる有機EL照明装置の製造方法を提供することにある。
本発明者は、有機EL照明装置の短絡修復を短時間で効率よく行うことができる方法について検討した。その結果、有機層とこれを挟持した電極層を有する有機EL素子を配置する気密な空間に、不活性ガスと一定量の酸素ガスと共に水蒸気を封止することにより、短絡が生じている部分、更に、生じ得る部分の導電体の酸化と水酸化を促進し非導通体とすることにより、効率よく充分に短絡の修復を行うことができ、製品のエージングを不要とすることができる。そして、短絡の修復に酸素と水が消費され、有機ELが配置される気密空間に不活性ガスを存在させ、有機EL照明装置の長寿命化を図ることができることの知見を得た。特に、順バイアス又は逆バイアスを有機EL素子に印加し、また、有機エレクトロルミネッセンス物質のガラス転移温度以下の温度に加熱して行うことにより、極めて効率よく短絡を修復することができることの知見を得た。
また、有機層とこれを挟持した電極層を有する有機EL素子を、不活性ガスと共に一定量の酸素ガス及び水蒸気を含有する混合気体中に配置し短絡修復工程を行い、有機EL素子を配置する空間を封止部材で封止することにより、同様の効果が得られることの知見を得た。
更に、短絡修復工程後、有機ELのガラス転移温度以下の温度に加熱することにより、有機EL素子を封止した空間に残留する酸素及び水蒸気による酸化、水酸化反応を促進させることができ、封止空間に残留する酸素や水蒸気に起因する有機層の周囲に生じる収縮(シュリンク)や、暗点(ダークスポット)の発生を抑制することができることの知見を得、かかる知見に基き、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、透光性基板上に設けられる透光性電極層を含む1対の電極層と、該1対の電極層に挟持され、有機エレクトロルミネッセンス物質を含有する有機層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子を配置する空間を封止部材によって気密に封止し、前記空間に、不活性ガスと、該不活性ガスに対し0.05〜5体積%以下の酸素及び0.05〜1.5体積%以下の水蒸気とを含む混合気体を封入して、有機エレクトロルミネッセンス物質のガラス転移温度以下の温度で、1対の電極層間に順バイアス電圧又は逆バイアス電圧を印加し、順バイアス電圧の場合DC0V〜5V間、逆バイアス電圧の場合DC0V〜−15V間でスイープさせて有機エレクトロルミネッセンス素子の短絡修復工程を行い、前記空間に、ゲッター材又はデシカント材を封入することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス照明装置の製造方法に関する。
また、本発明は、透光性基板上に設けられる透光性電極層を含む1対の電極層と、該1対の電極層に挟持され、有機エレクトロルミネッセンス物質を含有する有機層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子を、不活性ガスと、該不活性ガスに対し0.05〜5体積%以下の酸素及び0.05〜1.5体積%以下の水蒸気とを含む混合気体中に配置し、有機エレクトロルミネッセンス物質のガラス転移温度以下の温度で、1対の電極層間に順バイアス電圧又は逆バイアス電圧を印加し、順バイアス電圧の場合DC0V〜5V間、逆バイアス電圧の場合DC0V〜−15V間でスイープさせて有機エレクトロルミネッセンス素子の短絡修復工程を行い、有機エレクトロルミネッセンス素子と、ゲッター材又はデシカント材を封止部材によって気密に封止することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス照明装置の製造方法に関する。
本発明の有機EL照明装置の製造方法は、有機EL照明装置の短絡が生じている部分及び短絡の可能性を有する部分について導電体の絶縁化を短時間で確実に行うことができ、信頼性の向上を図ることができ、製品のエージング処理を不要とすることができ、そのための設備、時間を不要とし、効率よく製造を行うことができ、コストの削減を図ることができる。
本発明の有機EL照明装置の製造方法により形成される有機EL素子の一例を示す構成図である。 本発明の有機EL照明装置の製造方法の一例の処理時間と水蒸気濃度を示す図である。 本発明の有機EL照明装置の製造方法により形成される有機EL照明装置の一例を示す構成図である。 本発明の有機EL照明装置の製造方法を適用した実施例1により得られる有機EL照明装置の特性を示す図である。 本発明の有機EL照明装置の製造方法の一例により得られる有機EL照明装置の経時に伴う特性を示す図である。 本発明の有機EL照明装置の製造方法の一例により得られる有機EL照明装置の特性を示す図である。 比較例1により得られる有機EL照明装置の特性を示す図である。 比較例2により得られる有機EL照明装置の特性を示す図である。 比較例3により得られる有機EL照明装置の特性を示す図である。 比較例4により得られる有機EL照明装置の特性を示す図である。
本発明の有機EL照明装置の製造方法は、透光性基板上に設けられる透光性電極層を含む1対の電極層と、該1対の電極層に挟持され、有機エレクトロスミネッセンス物質を含有する有機層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子を配置する空間を封止部材によって気密に封止し、前記空間に、不活性ガスと、該不活性ガスに対し0.05〜5体積%以下の酸素及び0.05〜1.5体積%以下の水蒸気とを含む混合気体を封入して、有機エレクトロルミネッセンス物質のガラス転移温度以下の温度で、1対の電極層間に順バイアス電圧又は逆バイアス電圧を印加し、順バイアス電圧の場合DC0V〜5V間、逆バイアス電圧の場合DC0V〜−15V間でスイープさせて有機エレクトロルミネッセンス素子の短絡修復工程を行い、前記空間に、ゲッター材又はデシカント材を封入することを特徴とする。
また、本発明は、透光性基板上に設けられる透光性電極層を含む1対の電極層と、該1対の電極層に挟持され、有機エレクトロルミネッセンス物質を含有する有機層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子を、不活性ガスと、該不活性ガスに対し0.05〜5体積%以下の酸素及び0.05〜1.5体積%以下の水蒸気とを含む混合気体中に配置し、有機エレクトロルミネッセンス物質のガラス転移温度以下の温度で、1対の電極層間に順バイアス電圧又は逆バイアス電圧を印加し、順バイアス電圧の場合DC0V〜5V間、逆バイアス電圧の場合0V〜−15V間でスイープさせて有機エレクトロルミネッセンス素子の短絡修復工程を行い、有機エレクトロルミネッセンス素子と、ゲッター材又はデシカント材を封止部材によって気密に封止することを特徴とする。
本発明の有機EL照明装置の製造方法は、透光性基板上に形成した有機EL素子を封止部材で封止後又は封止前に、不活性ガスと特定量の酸素及び水蒸気とを含む混合気体により短絡修復工程を行う方法である。
上記有機EL照明装置の製造に用いる透光性基板は、後述する透光性電極層を介して設けられる有機層に含まれる有機ELからの光を入射し、入射面に対向する発光面から放出するものであり、有機層から発光される光の透過率が高いものが好ましい。透光性基板としては、例えば、ソーダガラス、ソーダ石灰ガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、石英ガラス、その他、アルミノケイ酸ガラス、ホウ酸塩ガラス、リン酸塩ガラスや、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂フィルムを用いることができる。透光性基板は、例えば、0.1〜2mmの厚さのものを用いることができる。
上記透光性基板上に有機EL素子を形成する。有機EL素子は透光性基板上に順次、透光性電極層、有機ELを含有する有機層、透光性を問わない電極層を積層して形成する。透光性電極層は、有機層を挟持する1対の電極層の一方の電極層であり、有機層からの光の透過率が高い材料で形成することが好ましい。透光性電極層は陽極であっても陰極であってもよいが、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の陽極として形成することができる。透光性電極層はスパッタ法、真空蒸着法等の物理蒸着法により、シャドーマスクを介して透光性基板の所定の領域に積層したり、これらの方法により一様に成膜した後、フォトエッチングプロセスにより所望の形状に形成して形成することができる。透光性電極層の一端に配線部材との接続部を形成するため、一端を延長して設けることが好ましい。透光性電極層は、例えば、100〜300nm等の厚さに形成することができる。
透光性電極層上に有機層を形成する。有機層は有機EL物質を含有する発光材料を用いて形成することができ、1層構造のみならず複数の層で構成される多層構造として形成することができる。多層構造の有機層としては、例えば、有機EL物質を含有する発光層と、これを挟持するように正孔輸送層、電子輸送層、更に、これらを挟持するように正孔注入層、電子注入層で構成されるものを挙げることができる。
正孔注入層は、陽極の透光性電極層から有機層への正孔の注入障壁を下げると共に、陽極と正孔輸送層とのエネルギーレベルの相違を緩和し、陽極から注入される正孔の正孔輸送層への注入を容易にするために設けられ、例えば、銅フタロシアニンやスターバスト型芳香族アミンのようなアリールアミン誘導体等や、これら正孔注入性有機材料に五酸化バナジウムや三酸化モリブデン等の無機物やF4-TCNQ等の有機物を化学ドーピングして注入障壁を下げ、駆動電圧を低下させ得る正孔注入材料を用いて形成することができる。
正孔輸送層は、例えば、ビス(ジ(p−トリル)アミノフェニル)−1,1−シクロヘキサン、TPD、N,N’−ジフェニル−N−N−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(α−NPD)等のトリフェニルジアミン類や、スターバースト型芳香族アミン等の正孔輸送材料を用いて形成することができる。
発光層は、電極から注入された電子と正孔の再結合させ得る発光材料を含有する層であり、発光材料中で電子と正孔が再結合することにより、励起子を形成し励起状態になる。ここで、基底状態と同じ電子スピン多重度を有する励起状態が一重項励起状態であり、異なる電子スピン多重度を有する励起状態が三重項励起状態である。励起状態から低レベル順位、又は基底状態に戻る際に発光が得られ、一重項励起状態から低レベル準位、或いは基底状態に戻る際に蛍光が発光され、三重項励起状態から低レベル準位、或いは基底状態に戻る際に燐光が発光される。発光材料としては、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体(Alq3)、ビスジフェニルビニルビフェニル(BDPVBi)、1,3−ビス(p−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾールイル)フェニル(OXD−7)、N,N' −ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(BPPC)、1,4ビス(N−p−トリル−N−4−(4−メチルスチリル)フェニルアミノ)ナフタレン等の低分子化合物、ポリフェニレンビニレン系ポリマー等の高分子化合物を挙げることができる。
また、発光材料は、ホストとドーパントの二成分系からなるものであってもよく、二成分系の発光材料においては、ホスト分子で生成した励起状態のエネルギーがドーパント分子へ移動してドーパント分子が発光する。ホスト化合物として、上記発光材料や、電子輸送性材料、正孔輸送性材料を用いることができる。例えば、Alq3等のキノリノール金属錯体に4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)、2,3−キナクリドン等のキナクリドン誘導体や、3−(2' −ベンゾチアゾール)−7−ジエチルアミノクマリン等のクマリン誘導体をドープしたもの、電子輸送性材料のビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリン)−4−フェニルフェノール−アルミニウム錯体に、ペリレン等の縮合多環芳香族をドープしたもの、あるいは正孔輸送性材料の4,4' −ビス(m−トリルフェニルアミノ)ビフェニル(TPD)にルブレン等をドープしたもの、カルバゾール化合物に白金錯体やイリジウム錯体をドープしたもの等を用いることができる。
これらの発光材料は、有機EL照明装置の目的とする発光色によって選択することができ、具体的には、緑色発光の場合はAlq3、ドーパントにキナクドリンや、クマリン等、青色発光の場合はDPVBi、ドーパントにペリレンやジスチリルアリーレン誘導体等、緑〜青緑色発光の場合はOXD−7等、赤〜オレンジ色発光の場合は、ドーパントにDCM、DCJTB等、黄色発光の場合は、ドーパントにルブレン等を用いることができる。また、白色発光を得るために、発光材料としてホストにAlq3、ゲストにDCM(橙色)等を組み合わせて使用することができる。白色発光の発光層としては、赤色、緑色、青色を発光する発光材料をそれぞれ含有する三層積層構造、或いは、青色と黄色等、補色を発光する発光材料をそれぞれ含有する二層積層構造としたり、これら各色の発光材料を多元共蒸着等で形成することによりこれらが混在する一層構造とすることもできる。更に、上記三層や二層の積層構造における各層を構成する発光材料を、水平方向に、順次、赤色、青色、緑色等と配列した発光層とすることもできる。
電子輸送層は、電極層から注入される電子を発光層へ注入する層であり、例えば、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(Bu−PBD)、OXD−7等のオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、キノリノール系の金属錯体等の有機物質や、これらの電子輸送性有機材料にリチウム等アルカリ金属のような電子供与性物質を化学ドーピングした電子輸送材料を用いて形成することができる。
電子注入層は、陰極に用いられるアルミニウム等金属材料の仕事関数と、電子輸送層の電子親和力(LUMO準位)のエネルギー差が大きいことに起因して陰極から電子輸送層への電子の注入が困難になるのを緩和するために、リチウムやセシウム等のアルカリ金属、若しくは、カルシウム等のアルカリ土類金属のフッ化物や酸化物、又は、マグネシウム銀やリチウムアルミニウム合金等から選択される仕事関数の小さい物質で形成することが好ましい。電子注入層の膜厚は、例えば、1〜10nmとすることができる。
これら電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層は、上記材料を用いて、抵抗加熱による真空蒸着法、MBE法、レーザーアブレーション法等でシャドーマスクを介して所望の形状に成膜してもよい。また、これらの層の形成に高分子材料を用いる場合、液状にしてインクジェット法を用いて所望の形状に形成することもでき、また、感光性塗布液にしてスピンコートやスリットコートし、フォトリソグラフィー法により所望の形状に形成することもできる。有機層の厚さは、各層を5〜500nm、総合100〜1000nmに形成することができる。
有機層上に1対の電極層の他方の電極層を形成する。有機層上に設ける他方の電極層は上記透光性電極層と共に1対の電極層を構成するものであり、透光性を問われるものでない。透光性電極層が上記透光性電極層材料で形成される場合、例えば、アルミニウム、銀等の比抵抗が低く、反射率の高い金属薄膜の陰極として形成することが、有機層の発光を透光性電極層側へ反射し、発光面からの放出光量の減少を抑制できることから、好ましい。電極層は、スパッタ法、蒸着法等により、シャドーマスクを介して所定の領域に積層して所望の形状に形成することができる。また、電極層の一端に配線部材との接続部を形成するため、一端を延長して設けることが好ましい。電極層は、配線抵抗による電圧降下を考慮して、例えば、50〜300nmの厚さに形成することができる。
上記有機EL素子として、白色発光有機EL素子の一例を図1に示す。図1(a)に示す白色発光有機EL素子は、透光性基板1上に透光性電極層2、有機層3、電極層4を有し、有機層3は、透光性電極層2上に、順次、正孔注入層3a、正孔輸送層3b、赤色発光層3Rcと緑色発光層3Gcと青色発光層3Bcとを有するRGB発光層3c、電子輸送層3d、電子注入層3eが積層された積層体からなる。図1(b)に示す白色発光有機EL素子は、有機層31中、黄色発光層31Ycと青色発光層31Bcとを有するYB発光層31cを有し、また、図1(c)に示す白色発光有機EL素子は、有機層32中、複数のドーパント材料を含有して白色光を発光する発光層32cを有する。図1(b)、(c)中、図1(a)と同じ符号で示す層は、図1(a)と同様の層を示す。
上記透光性基板上に形成した有機EL素子を封止部材によって気密に封止する。封止部材は、透光性基板上の有機EL素子を配置する空間を気密に保持できるものであれば、その形状、材質は問わないが、例えば、外部電源との接続のため封止部材から一端が延長されて設けられる透光性電極層を含む電極層や、透光性基板との接着性が高く、且つ気密性の高い接着部材と、これに固定される封止基板とで構成されるものを挙げることができる。接着部材は、エポキシ樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、シリコーン系接着剤等を用いることができ、封止基板は、ガラスや、これに座繰加工を施し中空部を形成したもの、SUS等の金属、樹脂等を用いることができる。樹脂基板としては、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルフォン等から適宜選択することができる。封止基板は、有機EL素子が加熱される際の体積変化による接合破壊を抑制するため、透光性基板と同様の熱膨張率を有するものが好ましい。封止部材により気密の空間を形成する方法としては、ディスペンス塗布、スクリーン印刷、凹版や凸版印刷、インクジェット法等で封止基板上の所定位置に接着部材を積層し、透光性基板上に位置合わせして接合させて形成することができる。封止基板には、気密空間側に、ゲッター材、デシカント材等を貼付したものを用いることができる。これらは、混合気体中に含まれ、短絡修復工程に用いられない余剰の酸素や水蒸気を吸着或いは化学吸着し、気密空間から除去可能な機能を有するものであれば、いずれも使用することができる。水分ゲッター材、デシカント材としては、例えば、酸化カルシウム、酸化バリウム、炭酸カルシウム、モレキュラーシーブ(ゼオライト)、シリカゲル、カオリナイト、モンモリロナイト等無機系材料や、有機金属錯体を用いることができる。酸素ゲッター材としては、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、活性アルミナ、ゼトライト、微分状の鉄やチタン等の無機系材料や、アルコルビン酸等の有機系材料を挙げることができる。
このような気密空間に、不活性ガスと、該不活性ガスに対し0.05〜5体積%以下の酸素と、該不活性ガスに対し0.05〜1.5体積%以下の水蒸気とを含む混合気体を封入する。気密空間に封入する混合気体に用いる不活性ガスとしては、窒素の他、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン等を用いることができるが、窒素を用いることが、安価であり、好ましい。気密空間への混合気体の封入方法は、例えば、挿入管を介して内部に混合気体を挿入後、挿入管の挿入孔を封止する方法等を挙げることができる。
上記のように気密空間に、不活性ガスと酸素及び水蒸気を含有する混合気体を封入することにより有機EL素子の短絡修復工程を行う。有機EL素子の短絡修復工程は、有機EL素子の短絡が生じている部分又は短絡が生じる可能性を有する部分の導電体を非導通体とすることにより、短絡の可能性を排除する工程である。有機EL素子が配置される空間に、不活性ガスに対して0.05〜5体積%以下の酸素と、0.05〜1.5体積%以下の水蒸気を含有する混合気体が充填されることにより、有機EL素子の電極間に短絡を生じさせる金属等の導電体や、短絡を誘発する導電体の酸化反応を促進させ酸化物とし、また、酸化物の水和反応等の水酸化反応を促進させる。これにより導電体を非導通体とすることができ、有機EL素子の短絡の修復を短時間のうちに充分に行うことができる。混合気体中の酸素の含有量が、不活性ガスに対して上記範囲であれば、短絡の修復に酸素が使用され、電極や有機ELの酸化を抑制することができ、短絡修復工程後に、有機EL素子が配置される空間に余剰の酸素が残留することによるダークスポットといわれる非発光点や発光面の周囲において発光が得られないシュリンクを抑制することができる。また、混合気体中の水蒸気の含有量が、不活性ガスに対して1.5体積%以下であれば、短絡の修復に水蒸気が使用され、電極や有機ELの酸化を抑制することができ、短絡修復工程後に、有機EL素子が配置される空間に余剰の水蒸気が残留することによるダークスポットやシュリンクを抑制することができる。混合気体中の水蒸気の含有量は、不活性ガスに対して、0.05〜1.5体積%の範囲であることが、短絡修復工程に要する処理時間の短縮を図ることができ、好ましくは、0.1〜1.0体積%である。図2に、混合気体中の窒素に対する酸素濃度3体積%における水蒸気濃度と、短絡修復処理に要する時間との関係を示す。短絡修復に使用されずに気密空間に余剰の酸素や水蒸気が残留する場合は、ゲッター材や、デシカント材により、混合気体中から除去される。気密空間に封入する混合気体の気圧は、外気の侵入を抑制し、封止部材への負荷が過大になることを抑制できる範囲が好ましく、例えば、0.8〜1.5atmを挙げることができる。
短絡部分又は短絡が発生する可能性がある部分において、導通体の酸化反応は、有機EL素子に含まれる有機ELのガラス転移温度以下の温度に加熱して行う。金属の酸化反応、水酸化反応は加熱によりその進行速度を速めることができ、有機ELのガラス転移温度以下であれば、有機ELの劣化を抑制することができる。短絡修復工程における加熱温度は、有機ELのガラス転移温度より、5〜40℃程度低い範囲がより好ましく、有機ELのガラス転移温度が95〜130℃にあれば、例えば、90℃程度とすることができる。短絡修復のための加熱時間としては、例えば、後述する電圧印加時間と同じにすることができ、例えば、1〜30分が好ましく、より好ましくは、3〜15分である。
また、上記のように気密空間に、不活性ガスと酸素及び水蒸気を含有する混合気体を封入することにより有機EL素子の短絡修復工程を行うことができるが、このとき、有機EL素子に順バイアス又は逆バイアスを印加して行う。順バイアス又は逆バイアスを印加することにより、有機EL素子の短絡が生じ得る部分の金属の酸化反応や、水酸化反応、酸化物の水和反応を促進させることができ、製品のエージングを不要とすることができる。印加電圧は、有機EL素子の材質、構成に応じて選択することが好ましく、例えば、順バイアスの場合、DC0Vから5Vのスイープ、0Vから5V、5Vから0Vのスイープ、逆バイアスの場合、DC0Vから−15Vのスイープ、0Vから−15V、−15Vから0Vのスイープ等とすることができる。電圧印加時間は、上記加熱時間と同じであってもよいが、異ならせることもできる。
短絡修復工程終了後、上記透光性電極層及び電極層の一端を延設して形成した接続部に配線部材の一端を接続する。配線部材は、接続部の抵抗の上昇を抑制するために、電極の一端の幅の全体に亘る幅を有するものを用いることができる。配線部材として、銅ポリイミド等のフィルムを適用することができる。銅ポリイミドは導電性を有し低抵抗であり、可撓性を有することから、精密な位置決めせずに接続することができるため好ましい。更に、配線部材の他端を、点灯回路、点灯回路の制御回路等を設けた基板の接続端子に接続し、透光性電極層及び電極層に外部電源の供給を可能とする。
また、混合気体を気密空間に封入後、短絡修復工程の終了を待たずに、酸化反応、水酸化反応による短絡の修復中に、直ちに後工程を進行させることもできる。
上記短絡修復工程後、更に、有機層に含まれる有機ELのガラス転移温度以下の温度に加熱する加熱保持工程を有することが好ましい。加熱保持工程により、有機EL素子が配置される空間に残留する酸素及び水蒸気を消費し、その結果、短絡の発生を更に抑制することができ、有機層の周囲に生じる収縮や、暗点の発生を抑制することができる。加熱温度は、有機ELのガラス転移温度より、5〜40℃程度低い範囲がより好ましく、有機ELのガラス転移温度が95〜130℃にあれば、例えば、90℃程度以下とすることができる。加熱保持工程における加熱時間としては、例えば、1分〜10時間とすることができ、より好ましくは、30分〜2時間である。
また、本発明の有機EL照明装置の製造方法の他の態様は、短絡修復工程を有機EL素子の封止部材による封止前に行う方法である。具体的には、透光性基板上に有機EL素子を形成後、これを上記混合気体中に配置し、短絡修復工程を行う。短絡修復工程に要する所定時間は混合気体中の酸素や水蒸気の濃度や、加熱温度、印加電圧に応じて選択することができ、例えば、1分〜2時間を挙げることができる。その後、封止部材による封止を行う。封止部材による有機EL素子の封止は、短絡工程を行うグローブボックス内で引き続き行うこともできる。短絡修復工程において、使用する混合気体、加熱温度、順バイアス電圧又は逆バイアス電圧の印加については、上記と同様の条件を適用することができる。この場合も、有機EL素子を封止部材により封止した後、短絡修復工程を行う場合と同様に、有機EL素子を混合気体中に配置した直後に、封止部材による封止を行い、短絡修復工程を進行させつつ、封止部材による封止、その後の工程を行うことができる。
また、この態様においても、封止後、加熱保持工程を行うことが、有機層の周囲に生じる収縮や、暗点の発生を抑制することができることから、好ましい。この場合においても、加熱保持工程における条件は、上記と同じ条件を挙げることができる。
上記製造方法により得られる有機EL照明装置は、短絡が生じている部分及び短絡の可能性を有する部分について導電体の絶縁化を短時間で確実に行うことができ、信頼性の向上を図ることができる。また、製品のエージング処理を不要とすることができ、そのための設備、時間を不要とし、効率よく製造することができ、コストの削減を図ることができる。
[実施例1]
本発明の有機EL照明装置の製造方法の一例を、具体的に説明する。
図1(a)に示すように、透光性基板であるガラス基板1上に、真空スパッタ法、真空蒸着法等により、ITOの透光性電極膜を積層し、フォトエッチングプロセスにより透光性電極膜を露光し、ドライエッチング又はウエットエッチングにより所望の形状に形成し、透光性電極層2を形成した。透光性電極層上に、正孔注入層材料、α−NPD等の正孔輸送層材料、Alq等の発光層材料、電子輸送層材料、電子注入層材料を用いて、インクジェット印刷法、真空スパッタ法、真空蒸着法等により順次薄膜を形成し、正孔注入層3a、正孔輸送層3b、赤色発光層3Rcと緑色発光層3Gcと青色発光層3Bcとを有するRGB発光層3c、電子輸送層3d、電子注入層3eを形成し、更に、銀等の電極材料を用いて、真空蒸着法で薄膜を積層して電極層4を形成し、有機EL素子5を形成した。その後、図3に示すように、UV硬化性エポキシ樹脂系接着部材6をディスペンサを用いて、ゲッター材7、デシカント材8を有する封止基板9上に供給し、ゲッター材7、デシカント材8が有機EL素子に対向するように位置合わせして固定し、紫外線を6J/cmで照射し、80℃、30分〜1時間加熱して硬化させた。接着部材6、封止基板9、透光性電極層及び電極層、透光性基板1で形成される気密空間10に、窒素と、窒素に対し酸素3体積%、水蒸気0.5体積%を含有する混合気体を供給し、封止した。
短絡修復工程として、60℃に加熱し、透光性電極層と電極層間に0〜5Vのスイープ順バイアス電圧を、15分間印加した。その後、透光性電極層と電極層の接続部に、銅箔を積層したポリイミドフィルムからなる配線部材をそれぞれ熱圧着して接続し、他端を、点灯回路、点灯回路の制御回路等を設けた基板の接続端子に接続し、有機EL照明装置を調製した。
短絡修復工程後、有機EL素子に、順バイアス及び逆バイアスを印加し、整流特性を検査したところ、整流比は10E6〜10E8であり、良好な整流性を有していた。結果を図4に示す。逆バイアス印加時の整流特性が素子間で安定し、短絡の発生がみられない製品の歩留まりは90%以上であった。定電流を供給し駆動しても、短絡が生じず、1週間後においても継続して点灯していた。
また、調製した有機EL照明装置を60℃湿度90%RHの高温高湿環境下に1000時間放置試験(EIAJ ED−4071/103準拠)を実施した。経時的に有機EL照明装置から有機EL素子を取り出し、有機EL素子のシュリンク率を測定したところ、ダークスポットやシュリンクの発生、成長が抑制されたことが確認できた。有機EL素子のシュリンク率を図5(図中、加熱保持工程なし)に示す。シュリンク率は、デジタルマイクロスコープ(KHシリーズ:ハイロックス社製)を用い、画像処理システムにより初期の有機層の発光部面積を基準として非発光部面積の割合として求めた。
[比較例1]
混合気体に替えて窒素を用いた他は、実施例1と同様に有機EL照明装置を調製し、有機EL素子の整流特性、有機EL照明装置の駆動検査を行った。有機EL素子の整流特性の結果を図7に示す。図7に示すように、得られた有機EL素子は整流特性に乱れがあり、リーク、バンプが見られ、短絡しやすいことを示した。得られた有機EL照明装置は、定電流供給開始後、数分後に短絡が生じ、消光した。
[比較例2]
水蒸気を含有しない混合気体を用いた他は、実施例1と同様に有機EL照明装置を調製し、有機EL素子の整流特性、有機EL照明装置の駆動検査を行った。有機EL素子の整流特性の結果を図8に示す。図8に示すように、得られた有機EL素子は、整流比としては10E5〜10E6程度が得られたが、逆バイアスを印加したとき整流特性に乱れがあり、リークが見られ、短絡が生じることを示した。短絡の発生が抑制された製品の歩留まりは60〜70%であった。
[実施例2]
短絡修復工程において、透光性電極層と電極層間に印加した0〜5Vのスイープ順バイアス電圧に変えて、3V〜−10Vのスイープを10分印加した他は、実施例1と同様に有機EL照明装置を調製した。その後、逆バイアスを印加して短絡が発生したときの電圧を測定した。複数の有機EL素子について同様に行い、その平均値を、3V〜−10Vのスイープを行わなかった有機EL素子の短絡発生電圧の平均値との比較において、図6に示す。
[比較例3]
混合気体に替えて窒素を用いた他は、実施例2と同様に有機EL照明装置を調製し、逆バイアスを印加して短絡が発生したときの電圧を測定した。複数の有機EL素子について同様に行い、その平均値を、3V〜−10Vのスイープを行わなかった有機EL素子の短絡発生電圧の平均値との比較において、図9に示す。
[比較例4]
水蒸気を含有しない混合気体を用いた他は、実施例2と同様に有機EL照明装置を調製し、逆バイアスを印加して短絡が発生したときの電圧を測定した。複数の有機EL素子について同様に行い、その平均値を、3V〜−10Vのスイープを行わなかった有機EL素子との比較において、図10に示す。
[実施例3]
短絡修復工程を行った後、70℃で30分と、2時間の加熱保持工程をそれぞれ行った他は、実施例1と同様に有機EL照明装置を調製し、有機EL素子を取り出し有機層のシュリンク率を測定した。結果を図5に示す。短絡修復工程後、加熱保持工程を行うことにより、短絡の発生とシュリンクやダークスポットの成長・進行を顕著に抑制することができることが分かる。
1 透光性基板
2 透光性電極層
3、31、32 有機層
4 電極層
5 有機EL素子
6 接着部材(封止部材)
9 封止基板(封止部材)
10 気密空間

Claims (4)

  1. 透光性基板上に設けられる透光性電極層を含む1対の電極層と、該1対の電極層に挟持され、有機エレクトロルミネッセンス物質を含有する有機層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子を配置する空間を封止部材によって気密に封止し、前記空間に、不活性ガスと、該不活性ガスに対し0.05〜5体積%以下の酸素及び0.05〜1.5体積%以下の水蒸気とを含む混合気体を封入して、有機エレクトロルミネッセンス物質のガラス転移温度以下の温度で、1対の電極層間に順バイアス電圧又は逆バイアス電圧を印加し、順バイアス電圧の場合DC0V〜5V間、逆バイアス電圧の場合DC0V〜−15V間でスイープさせて有機エレクトロルミネッセンス素子の短絡修復工程を行い、前記空間に、ゲッター材又はデシカント材を封入することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス照明装置の製造方法。
  2. 透光性基板上に設けられる透光性電極層を含む1対の電極層と、該1対の電極層に挟持され、有機エレクトロルミネッセンス物質を含有する有機層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子を、不活性ガスと、該不活性ガスに対し0.05〜5体積%以下の酸素及び0.05〜1.5体積%以下の水蒸気とを含む混合気体中に配置し、有機エレクトロルミネッセンス物質のガラス転移温度以下の温度で、1対の電極層間に順バイアス電圧又は逆バイアス電圧を印加し、順バイアス電圧の場合DC0V〜5V間、逆バイアス電圧の場合DC0V〜−15V間でスイープさせて有機エレクトロルミネッセンス素子の短絡修復工程を行い、有機エレクトロルミネッセンス素子と、ゲッター材又はデシカント材を封止部材によって気密に封止することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス照明装置の製造方法。
  3. 前記混合気体中で、前記有機エレクトロルミネッセンス素子を配置する空間を封止部材によって気密に封止することを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス照明装置の製造方法。
  4. 短絡修復工程後、前記有機エレクトロルミネッセンス物質のガラス転移温度以下の温度に加熱する加熱保持工程を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の有機エレクトロルミネッセンス照明装置の製造方法。
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