JP5574199B2 - 作業支援システム - Google Patents
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Description
本発明の実施形態に係る作業支援システムは、自動車の組立工程など作業者がある範囲を移動しながら行う組立作業において、作業者の必要な時に、必要な部品と工具とを作業者の手元へ搬送することを特徴としている。
具体的には、作業支援システムは、作業者の位置情報を取得し、この位置情報と作業者の確率的な作業モデルとから作業者が現在行っている作業とその進度とを推定し、この推定情報に基づいて次の作業に用いる部品及び/又は工具の適切な搬送位置と搬送時刻とを決定し、部品及び/又は工具を手元に搬送する搬送機構を制御する。
図1は本発明の実施形態に係る作業支援システム1を示す斜視図である。
作業支援システム1は、ベースフレーム10と、部品及び/又は工具を作業者の手元に搬送する搬送機構20と、搬送機構20を運動させる駆動部30と、作業者の運動を計測する計測部40と、搬送機構20の動作を制御する制御装置50と、を備えている。なお、図1では計測部40の表示を省略している。
なお、本実施形態で用いる光位置センサ25としての赤外線距離センサは、出力特性上、作業者が近づき過ぎた場合正確に検出することができないため、外装210の厚みは光位置センサ25の最小検出距離よりも大きく設定されている。この外装210によって作業者が光位置センサ25に正確に検出できないほど近接することを防止できる。さらに、外装210は、作業支援システム全体の故障や停電などでの誤動作のときに、作業者に衝突した場合でも、作業者への押し付け力を緩和することができる。
具体的には、第1群システム71Aの処理部76Aは、図6に示すように、各光位置センサ75からの出力が入力される比較回路77と、各比較回路77からの出力が入力されるOR論理回路78と、を備えている。各比較回路77の参照電圧は、検出距離によって決定され、制御装置50に接続されたキーボードなどの操作によって設定できる。何れかの比較回路77から検出した信号がOR論理回路78へ入力されることで、当該第1アーム部20の左側の側面に作業者が近接していることが判断される。
このように、同様のセンシングシステムをもう一つ並列に接続することで、片方のセンシングシステムが故障した場合でも作業者との接近の検出を行える。
エリアA: 第2アーム部22の先端部から第2アーム部22の延長方向を中心として左右に90度迄でセンサ検出距離の領域。
エリアB: 第2アーム部22の左側面22Dから水平方向にセンサ検出距離迄の領域。
エリアC: 第2アーム部22の右側面22Eから水平方向にセンサ検出距離迄の領域。
エリアD: 第1アーム部21の先端部から第1アーム部21の延長方向を中心として左右に90度迄でセンサ検出距離の領域。
エリアE: 第1アーム部21の左側面21Dから水平方向にセンサ検出距離迄の領域。
エリアF: 第1アーム部21の右側面21Eから水平方向にセンサ検出距離迄の領域。
この制動制御により、第1アーム部21と第2アーム部22の回動が規制され、作業者への到達前に第1アーム部21と第2アーム部22とが停止する。
なお、コンピュータが前もってインストールされたソフトウェアを実行することで、緊急動作生成部72として機能する。
前述のように、並列分散センシングシステムでは、D/Aボード79(図6参照)から比較回路77へ入力する参照電圧を変化させることで光位置センサ75の検出距離を変化させることができる。その際に、光位置センサ75の検出距離がアーム20Aの停止までに必要な制動距離より大きければ、作業者とアーム20との衝突を未然に防ぐことが可能である。ただし、この検出距離を必要以上に大きく設定してしまうと、アーム20Aは作業者に近づくことができず、部品や工具の配送を行うことができない。そこで、アーム20Aの運動に応じて光位置センサ75の検出距離を以下の方法で逐次変更することで、作業者との衝突を防ぎつつ、部品や工具の配送を行う。
しかしながら、実際の制動距離とモデルとから計算した制動距離はモデル化誤差などの影響から一致しない。そこで、15パターンの手先速度において制動制御実験を行い、実際の制動距離とモデルから計算される制動距離の誤差を求めた。各速度パターンについて、10回ずつ実験を行った結果を表1に示す。
本実施形態に係る作業支援ロボットの評価実験を行った。実験で用いた作業支援ロボットのアームの手先軌道を図10に示す。
作業者は図中に示すX位置で作業を行っているものと想定し、手先速度を変えた場合に、アーム停止時の作業者とアーム20Aとの距離から、設定された検出距離が適切であったかを確認する。このときdwは150[mm]に設定した。
表2は、作業者との接近を検出時の手先速度、検出距離、制動距離、アームと作業者の間の距離を示す。
アーム20Aが制動制御により緊急停止動作を始めてから止まるまでに起こる姿勢変化自体は、緊急停止動作を始める瞬間の各関節の角度と角速度に依存する。この時、回転関節を軸に回転するアーム20A上のある点が制動制御に伴う姿勢変化によって停止するまでに移動する距離はそのアーム20A上での位置に依存する。
例えば、回転関節で接続されたアームであれば、回転中心から遠ければ遠い点ほど制動距離が長くなる。棒状のものが片端を回転中心としてある角速度で動いていた時に,単位時間あたりに動く距離は中心から遠ければ遠いほど長くなるのと同じである。従って、ある瞬間からある時間後に停止するといった場合、この時の制動距離は中心からの距離に応じて変化する。
従って、作業者と衝突する前にアーム20Aを停止しようとすると、その際の制動距離はアーム20A上の位置によって変わる。このことから、各センサ75の検出距離は、「アーム20Aの運動状態に応じて決まる、各センサ75の設置位置の制動距離」に合わせて検出距離を変化させる必要がある。つまり、各アーム部21,22のその時々の速度に対応した制動距離に応じて、各アーム部21,22に設けた光位置センサ75の検出距離が設定される。
搬送機構20は、図1に示すロボットアーム20Aのように関節を複数持つものでなく、1自由度の直動テーブルのように、工具、部品の何れか又は双方を搬送するものであればよい。さらに3自由度以上の多関節のロボットアームでもよい。また、搬送機構は台車として構成されてもよい。
搬送機構20を構成するロボットアーム20Aは、図1に示すようにベースフレーム10に駆動可能に取り付けられていても、製造ラインの固定設備に取り付けられていても、台車のような移動可能なものに取り付けられていてもよい。
このように、作業エリアで可動する搬送機構の駆動部にはトルクリミッタが搭載され、規定値以上の力が加わる場合には搬送機構がフリーとなる。またこの搬送機構にセンサが設けられ、当該センサによって作業者を検出した場合に搬送機構の移動が抑制される。具体的には、作業を検知した際の姿勢や速度に応じて、速度を減少させるサーボ制御を行う。例えば、台車であれば車輪を回転させるサーボモータを制御する。その際、台車の運動方程式と速度と位置とに基づいて、台車を所定距離内で停止させるための加速度を求めて、サーボ制御を行う。搬送機構がXYステージであれば、ステージの各軸方向への移動を減少させるサーボ制御をXYステージの運動方程式から導き、サーボ制御を行う。
前述の説明では、搬送機構としてアーム20Aは水平方向であったが、搬送機構の移動方向は水平に代えて上下方向、或いは三次元方向であってもよいことは勿論である。
作業支援システムの用途は、自動車の組立に限定されるものではない。
搬送機構の移動に伴って近接領域の作業者を検出するセンサは、光位置センサに限定されるものではなく、電波や超音波などを利用するセンサであってもよい。比較回路の参照電圧は、検出距離の関係がセンサの種類によって異なるため、各センサに応じて参照電圧が設定される。
上記説明では、並列分散処理として2系統を扱う場合を説明したが、3系統以上を並列処理してもよい。また、並列処理を省略しても本発明を構成できることは勿論である。
アーム以外の搬送機構においても、各センサの検出距離は、センサの取付位置とその位置での搬送機構の運動状態に基づいた制動距離とに応じて、作業者との接触を回避するように設定される。
10:ベースフレーム
20:アーム
21:第1アーム部
22:第2アーム部
23:連結部
30:駆動部
33,34,35,36:タイミングプーリ
40:計測部
50:制御装置
60:支援動作制御部
61:作業モデル生成部
62:作業推定部
63:動作生成部
70:緊急動作制御部
71:近接検出部
72:緊急動作生成部
75:光位置センサ
Claims (3)
- 工具、パーツの何れか又は双方を搬送する搬送機構と、上記搬送機構を動作させる駆動機構と、作業者を検出する検出部と、上記検出部で作業者を検出した場合に、上記搬送機構の移動を規制する緊急動作生成部と、を備え、
上記検出部が、群システムの何れかに属する複数のセンサと、上記複数のセンサからの信号を分散して処理する群システム毎の処理部と、を備え、
上記群システム毎の処理部が、上記群システム毎に当該群システムに属する上記複数のセンサからの信号をOR回路により纏めて処理し、少なくとも一の群システムの処理部においてセンサからの出力を受けると上記緊急動作生成部が上記搬送機構の動作を停止する、作業支援システム。 - 前記処理部は、群システム毎に当該群システムに属する前記センサから出力される電圧信号の入力を受ける比較回路を備え、
入力された電圧信号と検出位置で定まる参照電圧とを各比較回路が比較し、各比較回路からの出力に応じて前記緊急動作生成部が前記搬送機構の動作を規制する、請求項1に記載の作業支援システム。 - 前記搬送機構が、連結部を介して複数のアーム部を連結して構成されたアームを備え、
前記群システム毎のセンサが、上記アーム部の各側面に交互に間隔をおいて配置されている、請求項1又は2に記載の作業支援システム。
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