JP5572351B2 - ダンパー機能を備えた燃料デリバリパイプ及びその製造方法 - Google Patents

ダンパー機能を備えた燃料デリバリパイプ及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子制御燃料噴射式エンジンなどに使用する燃料デリバリパイプおよびその製造方法に関する。
この種の燃料デリバリパイプには、例えば下記特許文献1に開示されたように、ろう付けにより一体的に接合した下部ケースおよび上部ケースよりなり、下部ケースの底部には燃料噴射弁が連結される複数個のソケットを長手方向に所定の間隔で取り付け、上部ケースはその内部に筐体状のウオールパネルにより空気室を気密に区画した2重構造としたものがある。このようなろう付けによる燃料デリバリパイプの場合は、空気室を気密にしたまゝではろう付けの加熱及びその後の冷却により空気室内に閉じこめられた空気が膨張または収縮してウオールパネルを変形させて製品毎の圧力脈動緩和性能のばらつきを生じさせるおそれがある。このために特許文献1では、上部ケースに空気室を外気に通じる空気穴を設け、ろう付け後にキャップ部材によりこの空気穴を密閉している。また下記特許文献2に開示されたように、デリバリパイプの本体ケース内に、両端部を気密に封止し内部に気体を密封した横断面形状が偏平円の金属製管体からなるダンパー部材を収容し、ダンパー部材の両端部をロー付けにより本体ケースに固定し、このロー付け後にダンパー部材の少なくとも一方の端部にケース外部から密封用の栓を取り付けることによって密封されるようにしたものもある。
特許文献1の燃料デリバリパイプは、下部ケースに設けた複数のソケットを、多気筒エンジンに取り付けた複数の燃料噴射弁に液密に連結して使用され、燃料ポンプから燃料供給管を介して燃料デリバリパイプ内に供給される所定圧の燃料は、コントロールユニットにより各燃料噴射弁を開閉制御することにより、作動条件に応じた最適な量がエンジンに供給されるようになっている。しかしながら燃料噴射弁が開放されて燃料がエンジンに供給されるときに、フューエルデリバリパイプ内部の燃料圧力が変動するので、燃料噴射量にばらつきを生じて空燃比が目標からずれたり、フューエルデリバリパイプに振動や異音を生じたりするおそれがある。しかし特許文献1の技術によれば、下部ケース及び上部ケースの間の空間内に区画された空気室の容積は燃料噴射弁の開閉による燃料デリバリパイプ内の燃料圧力の変動に応じて変動され、燃料圧力の変動を緩和させるので、燃料圧力の脈動による燃料噴射量のばらつきは減少されて空燃比が改善され、さらにフューエルデリバリパイプに振動や異音を生じたりすることもなくなる。特許文献2でもほぼ同様な作用効果が得られる。
特許第4230100号公報(段落〔0011〕〜〔0013〕、図1及び図2)。 特許第3217775号公報(段落〔0011〕〜〔0014〕、図1〜図3)。
しかしながら、特許文献1の技術では、空気室を外気に通じる空気穴を密閉するのにキャップ部材または栓(以下単にキャップ部材という)を必要とするので部品点数が増大して製造コストの削減の妨げになり、キャップ部材の頭部が燃料デリバリパイプから突出するので外観が低下したり必要な搭載スペースが増大するなどの問題がある。また特許文献1では空気室を区画するウオールパネルを上部ケースに設けているので、燃料圧力の変動を一層緩和させるための工夫を上部ケースに施すことができないという問題もある。本発明はこのような各問題を解決することを目的とする。
上記の問題に対処するため、請求項1に係る発明は、コントロールユニットの制御により開閉される燃料噴射弁が連結される複数のソケットをその底部に設けた横長形状の下部ケースと、この下部ケースに液密的にろう付けされて同下部ケースとの間に燃料ポンプから供給される所定圧力の燃料が充満される内部空間を形成する上部ケースと、前記下部ケースの底壁内面に全周縁の下端をろう付けして同下部ケースとの間に前記内部空間から隔離された空気室を形成し前記燃料噴射弁の開閉による前記内部空間内の燃料圧力の変動に応じて撓む可撓性の中空隔壁部材とを備えた燃料デリバリパイプにおいて、前記空気室を一旦外気に連通させた後に密閉される通気孔を前記下部ケースの底壁に形成し、同通気孔が、前記下部ケースの板厚に比してその内径が小径に形成された貫通孔であって、前記下部ケースと上部ケースのろう付け工程の完了後に同貫通孔の外周部分における前記下部ケースの母材を局部的な加熱により溶融させて冷却固化するか、或いは同貫通孔の内部に溶融したろう材を充填して冷却固化することにより閉塞されていることを特徴とするダンパー機能を備えた燃料デリバリパイプを提供するものである。
上記構成の燃料デリバリパイプにおいて、通気孔は、それが形成される下部ケースの肉厚に比してその内径が小径で切削または打ち抜きにより形成された円筒状の孔とする代わりに、先端部をとがらせたパンチを下部ケースの底壁に押し込む塑性加工により形成したバーリング孔とすることが好ましい。
上記構成の燃料デリバリパイプにおいて、隔壁部材は、長手形状の頂壁と、同頂壁の全周から垂下する外周壁と、同外周壁の下端縁から外向きに延びる横向きフランジ部を有し、前記下部ケースの平坦な底壁内面に前記隔壁部材の横向きフランジ部を液密的にろう付けして前記空気室を形成することが好ましい。
上記構成の燃料デリバリパイプにおいては、前記隔壁部材の断面形状を前記外周部の高さが前記頂壁の長手方向と直交する横幅よりも大きい縦長の短冊形とし、前記内部空間に生じる燃料圧力の変動に応じて前記外周壁部の互いに対向する部分が撓むようにすることが好ましい。
上記構成の燃料デリバリパイプにおいては、前記複数のソケットを前記下部ケースの底壁の長手方向に直交する横幅方向の一側に片寄せて配置し前記隔壁部材を前記底壁の横幅方向の反対側に片寄せて前記下部ケースの底壁の大部分を占めるように配置することが好ましい。
本発明の一実施形態におけるダンパー機能を備えた燃料デリバリパイプは、コントロールユニットの制御により開閉される燃料噴射弁が連結される複数のソケットをその底部に設けた横長形状の下部ケースと、この下部ケースに液密的にろう付けして同下部ケースとの間に燃料ポンプから供給される所定圧力の燃料が充満される内部空間を形成する上部ケースと、前記下部ケースの底壁内面にその下端縁を前記ソケットの間にてろう付けして同下部ケースとの間に前記内部空間から隔離された空気室をそれぞれ形成し前記燃料噴射弁の開閉による前記内部空間内の燃料圧力の変動に応じて撓む複数の可撓性の中空隔壁部材とを備えた燃料デリバリパイプにおいて、前記複数の空気室を一旦外気に連通させた後に密閉される複数の通気孔を前記隔壁部材に対応する前記下部ケースの底壁を貫通して形成し、前記複数の通気孔が、それぞれ前記下部ケースの板厚に比してその内径が小径に形成された貫通孔であって、前記下部ケースと上部ケースのろう付け工程の完了後に同貫通孔の外周部分における前記下部ケースの母材を局部的な加熱により溶融させて冷却固化するか、或いは同貫通孔の内部に溶融したろう材を充填して冷却固化することにより閉塞されていることを特徴とする。
上記構成のダンパー機能を備えた燃料デリバリパイプにおいては、前記上部ケースに長手方向に沿って内向きに屈曲する屈曲部を形成し、同屈曲部が前記内部空間に生じる燃料圧力の変動に応じてその肉厚方向に変位するようにすることが好ましい。
上述したように、請求項1に係る発明のダンパー機能を備えた燃料デリバリパイプによれば、下部ケースと上部ケースの間の内部空間内に位置して空気室を形成する隔壁部材の壁部は燃料噴射弁の開閉による燃料デリバリパイプ内の燃料圧力の変動に応じて撓み、これにより空気室の容積も変動されて内部空間内の燃料圧力の変動を緩和させるので、燃料圧力の変動による燃料噴射量のばらつきは減少されて空燃比が改善され、さらに燃料デリバリパイプに振動や異音を生じたりすることもなくなる。また通気孔は、それが形成される下部ケースの肉厚に比してその内径が小径で切削または打ち抜きにより形成された円筒状の孔とし、その外側端部付近となる下部ケースを加熱手段により局部的に加熱することにより溶融された外側端部付近の母材、または別途用意した溶融されたろう材を、同通気孔の少なくとも一部に充填し冷却固化させることにより密閉されており、前述した従来技術のようにキャップ部材を必要としないので、部品点数を少なくして製造コストを低下させることができ、またキャップの頭部が突出することもないので燃料デリバリパイプの外観が向上するとともに必要な搭載スペースも減少し、さらにこの燃料デリバリパイプは、薄肉の隔壁部材に孔や破れが生じた場合でも内部空間内の燃料が外部に漏洩するおそれはないという各効果を得ることができる。
上記の通気孔は、それが形成される下部ケースの肉厚に比してその内径が小径で切削または打ち抜きにより形成された円筒状の孔とする代わりに、先端部をとがらせたパンチを下部ケースの底壁に押し込む塑性加工により形成したバーリング孔とした場合には、通気孔の形成の際に切り屑が生じることはなく、従ってその分だけ底壁の材料の減少がなくなるので、母材を局部的に加熱溶融して通気孔を密閉する際に肉厚の減少が生じることもなくなり、通気孔の外側端部の開口の径を底壁の肉厚と同等あるいはそれより多少大としても底壁の母材を局部的に加熱溶融することにより通気孔を密閉することも可能になり、さらに通気孔を形成するための加工費を低下させることもできる。
上記下部ケースの隔壁部材を固着する部分を平坦にし、前記隔壁部材が、長手形状の頂壁と同頂壁の全周から垂下する外周壁と、同外周壁の下端縁の全周から外向きに延びる横向きフランジを有し、前記下部ケースの平坦な底壁内面に前記隔壁部材の横向きフランジが液密的にろう付けされて前記空気室を形成している場合には、空気室を形成するために必要な板金絞り加工は薄肉の隔壁部材に行えばよく、厚肉の下部ケースに板金絞り加工を行う必要はないので所望の容積の空気室を確保するために必要な加工費を低下させて製造コストを低下させることができる。
前記隔壁部材の断面形状を前記外周壁の高さが前記頂壁の長手方向と直交する横幅よりも大きい縦長の短冊形とし、前記内部空間に生じる燃料圧力の変動に応じて前記外周壁の互いに対向する部分が撓むようにした場合には、内部空間内の燃料圧力の変動に応じて撓むのは隔壁部材の両側の外周壁部となり、撓む部分の面積が増大するので、内部空間内の燃料圧力の変動を大きく緩和させて燃料噴射量のばらつきを大きく減少させることができる。
前記複数のソケットが前記下部ケースの底壁の長手方向に直交する横幅方向の一側に片寄せて配置され、前記隔壁部材が前記底壁の横幅方向の反対側に片寄せて前記下部ケースの底壁の大部分を占めるように配置されている場合には、隔壁部材は連続した1個となるので、部品点数を減少させて製造コストを低下させることができ、底壁の長手方向の大部分にわたり配置されるので、空気室の容積を充分に大きくすることができ、少ない製造コストで燃料噴射量のばらつきを充分に減少させることができる。
前記上部ケースに長手方向に沿って内向きに屈曲する屈曲部を形成し、同屈曲部が前記内部空間に生じる燃料圧力の変動に応じてその肉厚方向に変位するようにした場合には、内部空間内に位置する空気室の容積を変動させるのに加え、内部空間の容積を変動させることによっても内部空間内の燃料圧力の変動を緩和させることができるので、内部空間内の燃料の圧力変動はさらに大きく緩和され、燃料噴射量のばらつきをさらに減少させることができる。
本発明によるダンパー機能を備えた燃料デリバリパイプの第1実施形態の大部分を破断した平面図である。 図1の2−2断面図である。 図2の3−3断面図である。 図2の4−4断面図である。 本発明によるダンパー機能を備えた燃料デリバリパイプの第2実施形態の大部分を破断した平面図である。 図5の6−6断面図である。 図6の7−7断面図である。 図6の8−8断面図である。 本発明によるダンパー機能を備えた燃料デリバリパイプの第3実施形態の、図10の9−9線に沿った長手方向断面図である。 図9の10−10断面図である。 図9の11−11断面図である。 通気孔の形成方法の変形例を説明する部分図である。
先ず、図1〜図4により、本発明によるダンパー機能を備えた燃料デリバリパイプの第1実施形態の説明をする。この第1実施形態の燃料デリバリパイプ10は、下部ケース11と、その底壁11aの下面にろう付けされた3個のソケット12及び2個のブラケット13と、底壁11aの内面に液密にろう付けされた隔壁部材14と、下部ケース11の上側全体を覆うように液密にろう付けされた上部ケース15と、その一端面に一端がろう付けされた燃料供給管16により構成されている。各部材11〜16は鋼材よりなり、防錆のために予めニッケルメッキがされている。互いに液密にろう付けされた下部ケース11と上部ケース15よりなる燃料デリバリパイプ10の本体は、平面形状が複雑に屈折された横長形状で、その全長は236.6mmである。
下部ケース11は、図1〜図4に示すように、平坦な底壁11aとその全周から立ち上げられた一定高さの縦向フランジ部11bからなる板金加工による一体成形品で、図1に示すその平面形状は、その長手方向の大部分を占める中央の横長部分と、その中央部分に形成した上向きの張り出し部分と、横長部分の両端部に連続して形成した上向きの略Z形屈折部からなる横長形状のものである。底壁11aには、その長手方向と直交する横幅方向で図1において上側に片寄った位置である中央の上向き張り出し部分と両端の略Z形屈折部に、ソケット12を位置決め固着するための丸い取付穴11cが、同一の間隔をおいて形成されている。下部ケース11の中央の上向き張り出し部分には、中央の取付穴11cに取り付けられるソケット12の取付座面を確保するために、取付穴11cと同心の突出部11eが形成されている。また底壁11aの中央には、その肉厚(例えば1.0mmまたは1.2mm)の2分の1以下となる小径(例えば0.5mm)の円筒状の通気孔11d(図3の右下の部分拡大図の二点鎖線参照)が、予め形成されている。
ソケット12は、図1〜図4に示すように、有底筒状の本体部12aと、その底面から外向きに突出する本体部12aよりも小径の筒状部12bからなる一体成形品である。このソケット12は、筒状部12bを下部ケース11の底壁11aの各取付穴11cに下側から挿入し、本体部12aの底面を底壁11aの下面に当接して、下部ケース11に液密にろう付け固着されている。このように固着されたソケット12の本体部12aの内部は、筒状部12bの内面により形成される開口12cを介して、下部ケース11とその上側を覆う上部ケース15との間に形成された内部空間Aと連通されている。両側に位置する各ソケット12より多少中央側となる下部ケース11の下面には、取付穴13aを設けたブラケット13がそれぞれ当接されてろう付け固着されている。
隔壁部材14は、図1〜図4に示すように、細長い長方形の両端を半円形状とした頂壁14aと、その全周から垂下する一定高さの外周壁部14bと、この外周壁部14bの下端縁の全周から外向きに延びる横向きフランジ部14cからなる板金加工による一体成形品であり、その隔壁部材14の断面形状は、外周壁部14bの高さが頂壁14aの長手方向と直交する横幅よりも小さい横長の短冊形である。隔壁部材14は肉厚が例えば0.35mmで、その平面形状の全長及び横幅は下部ケース11の中央の横長部分内の大部分を占めており、横向きフランジ部14cを下部ケース11の平坦な部分の内面に当接し、液密に固着して下部ケース11との間に空気室Bを形成し、この空気室Bは下部ケース11に形成された通気孔11dを介して外気に連通されている。
上部ケース15は、図1〜図4に示すように、下部ケース11の縦向フランジ部11bの全周の外側にわずかの隙間をおいて嵌合可能な外周壁15aと、その上側を閉じる天井壁15bよりなる板金加工による一体成形品である。上部ケース15は、下部の複数箇所に内向き突起15eを形成した外周壁15aを縦向フランジ部11bの外側に嵌合して下部ケース11の上側全体を覆い、内向き突起15eを縦向フランジ部11bの上縁に当接して位置決めし、液密にろう付け固着して下部ケース11との間に燃料が充填される内部空間Aを形成する。前述した空気室Bはこの内部空間A内に位置しているが、隔壁部材14により内部空間Aから遮断されている。この第1実施形態では、上部ケース15の長手方向と直交する断面は、図1及び図2において右端部となる一部を除き、全ての角部を大きい円弧状とした2段の略踏み台形とし(図3参照)、長手方向の右端部は略長方形として断面積を増大させている(図4参照)。上部ケース15のこの右端面にバーリング加工により形成されたフランジ付き開口15dには、燃料供給管16の一端部が挿入されて、液密にろう付け固着されている。
この燃料デリバリパイプ10の製造においては、先ず下部ケース11の底壁11aの所定位置にソケット12、ブラケット13及び隔壁部材14を位置決め当接して抵抗溶接(例えばスポット溶接またはプロジェクション溶接)により仮止めし、必要な箇所に置きろうを施す。この状態において、下部ケース11の縦向フランジ部11bの外側に上部ケース15の外周壁15aの下部を嵌合し、内向き突起15eにより位置決めして下部ケース11の上側全体を覆ってから、例えば下部ケース11が上側となるように上下を逆にし、上部ケース15の開口15dに燃料供給管16の一端部を挿入して、下部ケース11と上部ケース15と燃料供給管16の間のろう付けに必要な置きろうを施す。
このように仮組付けされて置きろうが施された各部材11〜16をろう付け炉内に装填し、加熱して炉中ろう付けすることにより、各部材11、12、14〜16は液密にろう付けされ、ブラケット13もろう付けされる。使用するろうは例えば銅ろうである。この加熱により空気室B内の空気が膨張するが、空気室Bは通気孔11dにより外気に連通されているので、空気室B内の圧力が上昇し薄肉の隔壁部材14を変形させて燃料デリバリパイプ10の圧力脈動緩和性能に製品毎のばらつきを生じさせるおそれはなくなる。
このようにろう付けされた燃料デリバリパイプ10をろう付け炉内から取り出し、常温まで冷却されてから、下部ケース11の通気孔11dの外側端部11d1付近となる部分をレーザービームにより局部的に加熱して溶融し、溶融された下部ケース11の母材を表面張力などにより通気孔11dの少なくとも一部11d2に充填し、冷却固化させて通気孔11dを密閉すれば燃料デリバリパイプ10は完成される。この空気室Bの封止は、燃料デリバリパイプ10とレーザ装置等の加熱装置(少なくともその加熱ヘッド部)を、内部空間A内に充満される燃料の圧力と同程度に加圧したヘリウムが充填された気密な容器内に収容して行うのがよい。このようにすれば、内部空間A内には加圧されたヘリウムが封入され、この加圧されたヘリウムにより内部空間A内に燃料圧力が加わった際に隔壁部材14に加わる応力が減少されるので、隔壁部材14の破損などのおそれが減少する。
このような第1実施形態のダンパー機能を備えた燃料デリバリパイプによれば、燃料噴射弁の開閉により燃料デリバリパイプ10内の燃料圧力が変動すれば、下部ケース11と上部ケース15の間の内部空間A内に位置して空気室Bを形成する隔壁部材14の壁部のうち面積が最も大きい頂壁14aが主として撓み、これにより空気室Bの容積も変動されて内部空間A内に充満された燃料圧力の変動を緩和させるので、燃料圧力の変動による燃料噴射量のばらつきは減少されて空燃比は改善され、さらに燃料デリバリパイプ10に振動や異音を生じたりすることもなくなる。また、円筒状の通気孔11dの内径はそれが形成される下部ケース11の肉厚の2分の1以下の小径とし、両ケース11,15を含む各部材11〜16を液密にろう付けした後に、通気孔11dの外側端部11d1付近となる下部ケース11をレーザービームにより局部的に加熱して溶融し、溶融された下部ケース11の母材を表面張力などにより通気孔11dの一部11d2に充填し、冷却固化させることにより通気孔11dを密閉しており、前述した従来技術のようにキャップ部材を必要としないので、部品点数を少なくして製造コストを低下させることができる。また、キャップの頭部が突出することもないので燃料デリバリパイプの外観を向上させるとともに、搭載に必要なスペースを減少させることができる。
この第1実施形態のダンパー機能を備えた燃料デリバリパイプでは、各ソケット12は下部ケース11の底壁11aの長手方向と直交する横幅方向において一側に片寄せて配置し、隔壁部材14は1個として底壁11aの横幅方向において各ソケット12とは反対側に片寄せて下部ケース11の長手方向の大部分を占める中央の横長部分内の大部分を占めるよう配置されているので、隔壁部材14が1個で製造コストが低下されるにもかかわらず隔壁部材14により形成される空気室Bの容積を増大させて燃料噴射量のばらつきを充分に減少させることができる。またこの実施形態では、燃料噴射弁を連結する各ソケット12は、下部ケース11と別体に形成され本体部12aとこれを下部ケース11に連結する本体部12aよりも小径の筒状部12bからなるので、下部ケース11の底壁11aから燃料デリバリパイプ10内に突出するソケット12の筒状部12bの先端部が小さくなり、この先端部が空気室Bを形成する隔壁部材14と干渉するおそれが減少するので、隔壁部材14の横幅を広げることにより空気室Bの容積を増大させて燃料噴射量のばらつきをさらに減少させることができる。なおこの第1実施形態では、3個のソケット12を全て一側に片寄せて一直線上に配置したが、本発明はこれに限られるものではなく、中央のソケット12だけを一側に片寄せ、長手方向両端のソケット12は片寄せないように配置してもよく、そのようにしてもほゞ同様な効果が得られる。
またこの第1実施形態のダンパー機能を備えた燃料デリバリパイプでは、上部ケース15の長手方向と直交する断面は、その一端部を除き、全ての角部を大きい円弧状とした2段の略踏み台形としており、そのようにすればその円弧状とした凹角部により形成される長手方向に沿って内向きに突出する屈曲部15b1は燃料デリバリパイプ10の内部空間Aの燃料圧力の変動に応じてその肉厚方向に変位し内部空間Aの容積が変動して内部空間Aの圧力変動を緩和する。従ってこの燃料デリバリパイプ10によれば、空気室Bの容積変動による内部空間Aの圧力変動の緩和に、上部ケース15の屈曲部15b1の変位による内部空間Aの圧力変動の緩和が加わるので、燃料噴射量のばらつきをさらに一層減少させることができる。しかしながら本発明はこれに限られるものではなく、上部ケース15の天井壁15bを平坦にして内向きに突出する屈曲部15b1を設けないようにして実施してもよく、そのようにしてもキャップ部材を必要としないので、製造コストを低下させ、また燃料デリバリパイプの外観を向上させるなどの効果は得られる。なおこの場合は、隔壁部材14の横向フランジ部14cを平坦な天井壁15bの内面に液密に固着して上部ケース15との間に空気室Bを形成し、天井壁15bに形成した小径の通気孔を介して外気に連通し、第1実施形態と同様その外側端部付近となる上部ケース15をレーザービームにより局部的溶融することにより通気孔を密閉するようにしてもよい。
次に、図5〜図8により、本発明によるダンパー機能を備えた燃料デリバリパイプの第2実施形態の説明をする。この第2実施形態の燃料デリバリパイプ10は、互いに液密にろう付けされた下部ケース11と上部ケース15よりなる燃料デリバリパイプ10の本体が真直な横長形状であり、ソケット12が4個で下部ケース11と一体的に形成され、隔壁部材14は断面形状を縦長の短冊形とし3個に分割されて各ソケット12の間に配置され、上部ケース15の長手方向と直交する断面を2段の略踏み台形とする代わりに、略凸形とした点を除き第1実施形態の燃料デリバリパイプ10と同一であるので、主としてこの相違点につき説明する。
この第2実施形態では、下部ケース11及び上部ケース15は、主として図5に示すように横長の真直状であり、4個のソケット12は下部ケース11の底壁11aから一体的に絞り成形された有底筒状で、長手方向において等間隔で一直線上に配置され、ソケット12の上底壁にはソケット12内を内部空間Aに連通する開口12cが形成されている。この第2実施形態の隔壁部材14の断面形状は、外周壁部14bの高さが頂壁14aの長手方向と直交する横幅よりも大きい縦長の短冊形とし、3個に分割されて各ソケット12の間となる下部ケース11の底壁11aの内面に液密にろう付け固着されて、底壁11aとの間にそれぞれ空気室Bを形成している。ソケット12は、下部ケース11の長手方向と直交する横幅方向において隔壁部材14よりも多少下側に片寄って配置されている。底壁11aに形成される通気孔11dは各隔壁部材14に対応する3個として、各空気室Bをそれぞれ外気に連通している。
また、この第2実施形態では、上部ケース15の長手方向と直交する断面は、図7及び図8に示すように、右端部となる一部を除き、左右の段部の幅及び高さを非対称とするとともに、全ての角部を円弧状とした略凸形とし、燃料供給管16を設ける右端部は略長方形として断面積を増大している。この第2実施形態のダンパー機能を備えた燃料デリバリパイプの構造は、以上を除き、前述した第1実施形態の燃料デリバリパイプと同じであるので、これ以上詳細な説明は省略する。
このような第2実施形態のダンパー機能を備えた燃料デリバリパイプによれば、内部空間A内の燃料圧力の変動に応じて主として撓むのは隔壁部材14の壁部のうち面積が最も大きい外周壁部14bとなる。この外周壁部14bは隔壁部材14の両側に設けられており、3個に分割されることによる面積の減少を差し引いても、前述のように第1実施形態の隔壁部材14において主として撓む頂壁14aよりも撓む部分の面積が増大するので、内部空間A内の燃料圧力の変動はより大きく緩和され、燃料圧力の変動による燃料噴射量のばらつきを大きく減少させて空燃比を大きく改善し、さらに燃料デリバリパイプ10に振動や異音を生じたりすることもなくなる。また前述した従来技術のようにキャップ部材を必要としないので、製造コストを低下させ、また燃料デリバリパイプの外観を向上させることができる。
この第2実施形態のダンパー機能を備えた燃料デリバリパイプでは、隔壁部材14は複数に分割して各ソケット12の間に配置され、ソケット12は隔壁部材14の横幅内に配置されており、下部ケース11及びこれを覆う上部ケース15をほゞ真直なものとすることができるので、燃料デリバリパイプ10の製造が容易となって製造コストを低下させることができる。
またこの第2実施形態のダンパー機能を備えた燃料デリバリパイプでは、上部ケース15の長手方向と直交する断面は、その一端部を除き、左右の段部の幅及び高さを非対称とするとともに、全ての角部を円弧状とした略凸形としており、そのようにすればその円弧状とした2つの凹角部により形成される長手方向に沿って内向きに突出する2つの屈曲部15b1,15b2は燃料デリバリパイプ10の内部空間Aの燃料圧力の変動に応じてその肉厚方向に変位して内部空間Aの圧力変動を緩和する。この第2実施形態による燃料デリバリパイプ10では、内部空間Aの圧力変動の緩和を行う内向きに突出する屈曲部15b1,15b2が2つあるので、燃料噴射量のばらつきはさらに一層減少される。しかしながら第1実施形態の場合と同様、この第2実施形態の燃料デリバリパイプ10も、上部ケース15の天井壁15bを平坦にして内向きに突出する屈曲部15b1を設けないようにして実施してもよい。また隔壁部材14を平坦な天井壁の内面に液密に固着し、上部ケース15との間に空気室Bを形成するようにしてもよい
また上述した2つの実施形態では隔壁部材14の断面は何れも長方形としたが、本発明の隔壁部材14の断面形状はこれに限らず、上部ケース15を縮小した2段の踏み台状や凸状などなど、種々の形状にすることができる。
また上述した両実施形態では、下部ケース11の底壁11aを平坦とし、薄肉の隔壁部材14は、細長い頂壁14aと、その全周から立ち上がる外周壁部14bと、この外周壁部14bの端縁の全周から外向きに延びる横向フランジ部14cからなるものとし、この横向フランジ部14cを下部ケース11の底壁11aの内面に当接して液密にろう付け固着して下部ケース11との間に空気室Bを形成するようにしており、このようにすれば空気室Bを形成するために必要な板金絞り加工は薄肉の隔壁部材14に行えばよいので所望の容積を確保するために必要な加工費を低下させて製造コストを低下させることができる。しかしながら本発明はこれに限られるものではなく、隔壁部材14を平坦とし、これを液密に固着する下部ケース11または上部ケース15側に絞り加工を施して隔壁部材14との間に空気室Bを形成するようにしてもよい。
また上述した各実施形態では、下部ケース11に各部材12,13及び14を当接してスポット溶接により仮止めし、必要な箇所に置きろうを施してから、燃料供給管16を挿入した上部ケース15の外周壁15aを下部ケース11の縦向フランジ部11bに嵌合し、さらに置きろうを施してろう付け炉内に装填して、各部材11〜16を同時にろう付けしているが、本発明はこれに限られるものではなく、各部材12,13及び14を予めろう付けした下部ケース11に、燃料供給管16を予めろう付けした上部ケース15を嵌合して、下部ケース11と上部ケース15をろう付けするようにしてもよい。なおこの場合において、ブラケット13と隔壁部材14は、ろう付けの代わりに例えばシーム溶接により下部ケース11に液密に固着するようにしてもよい。
さらに上述した各実施形態では、下部ケース11の底壁11aは通気孔11dの外側端部11d1付近となる部分をレーザービームにより局部的に加熱し、これにより溶融された下部ケースの母材により密閉するものとして説明したが、このように加熱溶融した母材の代わりに、別途用意した溶融されたろう材を通気孔11dの少なくとも一部を充填し冷却固化させて通気孔11dを密閉するようにしてもよい。なお通気孔11dの外側端部11d1付近の局部的加熱はレーザービームに限らず、TIG溶接用トーチなどの別の加熱手段により行ってもよい。
次に、図9〜図11により、本発明によるダンパー機能を備えた燃料デリバリパイプの第3施形態の説明をする。この第3実施形態では、互いに液密にろう付けされた下部ケース11と上部ケース15よりなる燃料デリバリパイプ10の本体は、第2実施形態と同様、真直な横長形状で、断面形状は第1実施形態と同様、2段の踏み台状であるが、空気室Bを形成する隔壁部材18は扁平な筒状であり、上部ケース15の両端面(外周壁15aの一部)の間にわたって取り付けられている点が詳述した各実施形態と異なっている。以下に主としてこの相違点につき説明する。
隔壁部材18の筒部18aはほゞ平面状の両側面を有しており、図9において左側となる一端には径方向外向きに延びる横向フランジ部18bが形成されている。また図9において右側となる上部ケース15の内端面には、筒部18aの上半部の外側面に多少の隙間をおいて嵌合可能な倒立U字状のホルダ18cの端面が、ろう付けまたはスポット溶接などにより固着されており、左側となる上部ケース15の端面には上記各実施形態と同様な通気孔15fが形成されている。
下部ケース11がろう付けされていない状態において、隔壁部材18は下側の開口側から上部ケース15に平行に接近されて両端面の間に挿入され、隔壁部材18の右端部は倒立U字状のホルダ18c内に挿入され、横向フランジ部18bは上部ケース15の左側の内端面に押し込んで摩擦により保持させる。そして必要な箇所に置きろうを施してから、上部ケース15の外周壁15aの内側に下部ケース11の縦向フランジ部11bを嵌合し、燃料供給管16を挿入し、置きろうを施して、第1実施形態で述べたのと同様に炉中ろう付けする。これにより隔壁部材18の両端は上部ケース15の両端面の内面に気密にろう付けされ、筒部18aの内部に形成される空気室Bは通気孔15fにより外気に連通される。ろう付け炉内から取り出された燃料デリバリパイプ10が常温まで冷却されてから、第1実施形態の場合と同様、上部ケース15の通気孔15fの外側端部付近となる部分をレーザービームにより局部的に加熱し、溶融された上部ケース15の母材を通気孔15fに充填し、冷却固化させて通気孔15fを密閉すれば燃料デリバリパイプ10は完成される。この場合も、この空気室Bの封止は、燃料デリバリパイプ10とレーザ装置等の加熱装置(少なくともその加熱ヘッド部)を、内部空間A内に充満される燃料の圧力と同程度に加圧したヘリウムが充填された気密な容器内に収容して行うのがよい。
なおホルダ18cは倒立U字状とする代わりに、隔壁部材18の筒部18aの外周に多少の隙間をおいて嵌合可能な扁平な環状としてもよい。また隔壁部材18は両端部に横向フランジ部18bを形成し、ホルダ18cを使用することなく、この両横向フランジ部18bを上部ケース15の両側の内端面に押し込んで摩擦により保持させるようにしてもよい。
また上述した各実施形態では、通気孔11dは切削加工により形成しており、切削加工により生じる切り屑の分だけ底壁11a、天井壁15b、または外周壁15a(以下単に底壁11aという)の材料が減少するので、底壁11aの母材を局部的に加熱溶融して通気孔11dを密閉する際に密閉部に肉厚の減少を生じるという問題がある。通気孔11dを打抜き加工により形成する場合も同様な問題がある。この問題を解決する手段として、図12に示すように、先端部20aを円錐(または多角錐)状にとがらせたパンチ20を、二点鎖線20Aに示すように、下部ケース11の底壁11aの内面側から、先端部20aの最先端が底壁11aの反対側から多少露出する位置まで押し込むバーリング加工により、軸線方向において内側となる半部に大きいアールが形成され、外側となる半部が截頭円錐(または截頭角錐)状で外側端部11d1が開口された通気孔11dを形成する方法がある。このようにすれば切削加工の場合と異なり、通気孔11dはパンチ20の先端部20aにより押し破られることにより形成され、その際に切り屑が生じることはない。従って切り屑の分だけ底壁11aの材料が減少することはなくなるので、底壁11aの母材を局部的に加熱溶融して通気孔11dを密閉する際に肉厚の減少も生じなくなる。この場合には通気孔11dの外側端部11d1の開口の径を底壁11aの肉厚と同等あるいはそれより多少大としても、底壁11aの母材を局部的に加熱溶融することにより通気孔11dを密閉することが可能となる。なおこの場合も開口の径が小さければ、加熱溶融したろう材により通気孔11dを密閉することも可能である。またこのような塑性加工によれば、通気孔11dを形成するための加工費を低下させることもできる。上述したバーリング加工の説明では、先端部20aの最先端が底壁11aの反対側から多少露出する位置でパンチ20を停止したが、パンチ20はその先端部20aが完全に突き抜けるまで底壁11aに押し込むようにしてもよく、その場合は通気孔11dの外側半部は円筒状となるが、その場合でも同様な効果が得られる。
10…燃料デリバリパイプ、11…下部ケース、11a…底壁、11d…通気孔、11d1…外側端部、12…ソケット、12a…本体部、12b…筒状部、14…隔壁部材、14a…頂壁、14b…外周壁部、14c…横向フランジ部、15…上部ケース、15b1…屈曲部、18…隔壁部材、18a…筒部18a、18b…横向フランジ部18b、20…パンチ、A…内部空間、B…空気室。

Claims (7)

  1. コントロールユニットの制御により開閉される燃料噴射弁が連結される複数のソケットをその底部に設けた横長形状の下部ケースと、この下部ケースに液密的にろう付けされて同下部ケースとの間に燃料ポンプから供給される所定圧力の燃料が充満される内部空間を形成する上部ケースと、前記下部ケースの底壁内面に全周縁の下端をろう付けして同下部ケースとの間に前記内部空間から隔離された空気室を形成し前記燃料噴射弁の開閉による前記内部空間内の燃料圧力の変動に応じて撓む可撓性の中空隔壁部材とを備えた燃料デリバリパイプにおいて、
    前記空気室を一旦外気に連通させた後に密閉される通気孔を前記下部ケースの底壁に形成し、同通気孔が、前記下部ケースの板厚に比してその内径が小径に形成された貫通孔であって、前記下部ケースと上部ケースのろう付け工程の完了後に同貫通孔の外周部分における前記下部ケースの母材を局部的な加熱により溶融させて冷却固化するか、或いは同貫通孔の内部に溶融したろう材を充填して冷却固化することにより閉塞されていることを特徴とする燃料デリバリパイプ。
  2. 前記通気孔が、先端を尖らせたパンチを前記下部ケースの底壁に押し込んで形成したバーリング孔であることを特徴とする請求項1に記載の燃料デリバリパイプ。
  3. 前記隔壁部材は、長手形状の頂壁と同頂壁の全周から垂下する外周壁と、同外周壁の下端縁の全周から外向きに延びる横向きフランジを有し、前記下部ケースの平坦な底壁内面に前記隔壁部材の横向きフランジが液密的にろう付けされて前記空気室を形成していることを特徴とする請求項1に記載の燃料デリバリパイプ。
  4. 前記隔壁部材の断面形状を前記外周壁の高さが前記頂壁の長手方向と直交する横幅よりも大きい縦長の短冊形とし、前記内部空間に生じる燃料圧力の変動に応じて前記外周壁の互いに対向する部分が撓むようにしたことを特徴とする請求項3に記載の燃料デリバリパイプ。
  5. 前記複数のソケットが前記下部ケースの底壁の長手方向に直交する横幅方向の一側に片寄せて配置され、前記隔壁部材が前記底壁の横幅方向の反対側に片寄せて前記下部ケースの底壁の大部分を占めるように配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに1項に記載の燃料デリバリパイプ。
  6. コントロールユニットの制御により開閉される燃料噴射弁が連結される複数のソケットをその底部に設けた横長形状の下部ケースと、この下部ケースに液密的にろう付けして同下部ケースとの間に燃料ポンプから供給される所定圧力の燃料が充満される内部空間を形成する上部ケースと、前記下部ケースの底壁内面にその下端縁を前記ソケットの間にてろう付けして同下部ケースとの間に前記内部空間から隔離された空気室をそれぞれ形成し前記燃料噴射弁の開閉による前記内部空間内の燃料圧力の変動に応じて撓む複数の可撓性の中空隔壁部材とを備えた燃料デリバリパイプにおいて、
    前記複数の空気室を一旦外気に連通させた後に密閉される複数の通気孔を前記隔壁部材に対応する前記下部ケースの底壁を貫通して形成し、前記複数の通気孔が、それぞれ前記下部ケースの板厚に比してその内径が小径に形成された貫通孔であって、前記下部ケースと上部ケースのろう付け工程の完了後に同貫通孔の外周部分における前記下部ケースの母材を局部的な加熱により溶融させて冷却固化するか、或いは同貫通孔の内部に溶融したろう材を充填して冷却固化することにより閉塞されていることを特徴とする燃料デリバリパイプ。
  7. 前記上部ケースに長手方向に沿って内向きに屈曲する屈曲部を形成し、同屈曲部が前記内部空間に生じる燃料圧力の変動に応じてその肉厚方向に変位するようにしたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の燃料デリバリパイプ。
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