JP5572281B2 - 比吸収率測定装置及び方法 - Google Patents
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Description
しかし、上述のように最適な偏光状態はプローブ固有のものであるため、光スイッチ204によって動作するプローブを切り替える度にプローブへの入力偏光状態を手動で再調整する必要がある。
Thomas Schmid, Oliver Egger, and Niels Kuster, "Automated E-Field Scanning System for Dosimetric Assessment", IEEE Trans. Microwave Theory and Tech., Vol.44, No.1, pp.105-113, Jan. 1996.
すなわち、上記背景技術にかかる比吸収率測定装置100、200においては、偏光状態の調整を使用するプローブを偏光する度に手動で行う必要があるため、電界測定値取得前のプローブの調整に多くの時間を要するという問題点があった。特に複数本のプローブを用いた比吸収率測定装置においてはその影響が顕著である。
そこで、本発明は上記問題点を解決し、簡易な測定装置構成によってプローブへ接続される光ファイバ内の光の偏光状態の調整を高速かつ高精度に行うことにより高速かつ高精度にSARの算出を行う比吸収率の高速装置及び方法を提供することを課題とする。
また、請求項5から7に記載の各発明によれば、プローブへ入射される光に偏光状態をモニタリングしてフィードバック制御することにより、プローブへの入射光の偏光状態が変化した場合であっても、測定中の偏光状態を常に一定に保つことが可能となり、さらに高精度のSAR測定を実施することができる。
[第一実施形態]
図1を参照して、第一実施形態による比吸収率測定装置3について説明をする。図1は、比吸収率測定装置3の機能構成を例示する図である。
図1に示すように、比吸収率測定装置3は、例えば、複数の電界検出用プローブ♯n(n=1,…,N)(以下、略して、「プローブ♯n」とする。)から構成される電界検出用プローブアレー203、光スイッチ204、光ファイバ105、偏光調整部303、測定データ処理部306、記憶部305を有する。また、図示していないが、背景技術で説明した図21に示す比吸収率測定装置200と同様に、電界検出用プローブアレー203は、人体ファントム101の中に配置されている。また、比吸収率測定装置200と同様の原理で、被測定端末108から発射された電磁波のSAR値を求める。
電界分布測定部11は、電界検出用プローブアレー203と光スイッチ204から構成され、被測定携帯電話等の被測定端末108から放射されファントム内部に生じる電界分布を複数本のプローブ♯nを用いて測定する。本実施形態では、単一の偏光調整部303、測定データ処理部306で測定を行うため、光スイッチ204を用いて測定するプローブ♯nを順次切り替えることによって電界分布の測定を行う。プローブ♯nの切り替え順序は、例えばプローブ配置位置順等のように任意である。
SAR算出部・結果表示部13は、測定データ処理部306から構成され、各プローブ♯nからの測定値の取得、SARの計算、結果の表示等を行う機能を有する。
続いて、図3を参照して、第一実施形態による比吸収率測定装置3の動作について説明する。図3は、比吸収率測定装置3の処理の流れを例示するフローチャートである。
測定データ処理部306の表示部309は、SAR値の測定結果を表示する(ステップS56)。
なお、上記した比吸収率測定装置3は、各プローブ♯nにおける測定電界値が得られる度に、SAR値を計算してもよい。
以上の構成により、プローブへの入射光の偏光状態が最適な状態となるように直接光ファイバ固定状態を変更することが可能となるため、光スイッチを用いてプローブを切り替えた場合でも光ファイバの固定状態が同一である限り偏光調整が不要となり、高速にSAR測定を行うことが可能となるという作用および効果がある。
第二実施形態による比吸収率測定装置4は、偏光調整部を複数有し、さらに、どの偏光調整部を動作させるかを選択する選択部402と、各偏光調整部の動作を制御する制御部401を有する点で、第一実施形態による比吸収率測定装置3とは異なる。他の機能構成及び処理は、第一実施形態による比吸収率測定装置3と同様である。
プローブ♯1の電界測定が終わった後、光スイッチ205がプローブ♯2にスイッチを切り替え、選択部402が偏光調整部3032にスイッチを切り替える。そして、偏光調整部3032によって偏光状態が調整された光によってプローブ♯2の電界を取得する。
このように、現在動作していない偏光調整部について、次に動作する電界検出用プローブに入射される光の偏光状態を調整することができるように、記憶部305から読み出した制御情報に従って予め設定する処理を繰り返す。
第三実施形態による比吸収率測定装置6は、図8に例示するように、偏光調整にかかる時間が短くなるように、動作させる電界検出用プローブの順番及びプローブ♯nの制御情報を読み出す順番を変える順序制御部601を有する点で、第一実施形態による比吸収率測定装置3とは異なる。他の機能構成については、比吸収率測定装置3と同様である。図8は、第三実施形態による比吸収率測定装置6の機能構成を例示する図である。
〔参考文献1〕三宮信夫、玉置久、喜多一、岩本貴司共著「遺伝アルゴリズムと最適化」システム制御情報学会編、朝倉書店
以上の構成により、偏光調整速度が一定である場合、任意の方法でプローブ切替えを行う場合と比較して大幅にプローブ制御時間を短縮することが可能となる。特に使用するプローブ本数が多い場合その効果が顕著である。
第四実施形態の比吸収率測定装置7では、各プローブ♯nはグループ化部701によりグループ化されており、各プローブ♯nは複数のグループの何れかに所属している。そして、図14に示すように、記憶部1106には、各グループに所属しているプローブの制御情報の代表値と、各プローブで検出された電界の測定値を適切な値に補正するための補正値とが格納されており、測定データ処理部306内に補正部3010を有する点で、第一実施形態による比吸収率測定装置3とは異なる。他の機能構成、処理は、第一実施形態による比吸収率測定装置3と同様である。図14は、第四実施形態による比吸収率測定装置7の機能構成を例示する図である。
そして、グループ化部701は、各グループごとに代表値を定めて記憶部1106に格納する。この例では、各グループの代表値を、各グループに属するプローブの制御情報の加算平均値としている。
測定データ処理部306の補正部3010は、取得部307が取得したプローブ♯nの電界値を、記憶部1106から読み出したプローブ♯nの補正値を用いて補正をして、計算部308に渡す。
上記代表値は、例えば、各グループに所属しているプローブの制御情報の平均値であるが、補正値により補正することができる範囲内であれば任意の値でよい。平均値に前後する値でも構わない。
電界値の測定精度の向上と処理時間の短縮の間には、このようなトレードオフの関係がある。したがって、グループの数と、各グループの含まれるプローブの制御情報の範囲の広さは、求める精度や処理速度に応じて適宜設定する。
なお、各グループの制御情報の代表値と、各プローブ♯nの補正値とが同じ記憶部1106に格納されているが、異なる記憶部1106に格納されていてもよい。
第五実施形態による比吸収率測定装置8は、図17に示すように、各プローブ♯nに入射される光の偏光状態についての情報を取得する偏光状態取得部801と、その情報に基づいて、各プローブ♯nに入射される光の偏光状態と、偏光調整部303が制御情報に従って調整することにより実現しようとする光の偏光状態とが近づくように制御するフィードバック部802を有する点で、第一実施形態による比吸収率測定装置3とは異なる。他の機能構成、処理については第一実施形態による比吸収率測定装置3と同様である。図17は、第五実施形態による比吸収率測定装置8の機能構成を例示する図である。
第六実施形態による比吸収率測定装置9は、図19に示すように、光スイッチ204の代わりに、測定データ処理部306の光源から出射された複数の波長の光を多重化して、偏光調整部902に出射する光多重化部901を有する。
以上の構成により、光スイッチを用いることなく、測定に用いるプローブ♯nに対応した波長λnの偏光状態を変化させるだけで電界値の測定が可能となるため、簡易な測定系構成においてSAR測定を実施することができる。
[変形例等]
上記した第一実施形態〜第六実施形態は互いに組み合わせてもよい。
Claims (8)
- 比吸収率(SAR)測定装置であって、
電界の検出をそれぞれ行うための複数の電界検出用プローブと、
各電界検出用プローブに入射される光についての制御情報を記憶する第一記憶手段と、
上記第一記憶手段から読み出した制御情報に従って、各電界検出用プローブに入射される光の偏光状態を調整する複数の偏光調整手段と、
上記複数の偏光調整手段のうち現在動作していない偏光調整手段について、次に動作する電界検出用プローブに入射される光の偏光状態を調整することができるように、上記第一記憶手段から読み出した制御情報に従って予め設定しておく制御手段と、
制御情報によって作られる空間は微小領域に分割されており、各微小領域に含まれる制御情報に係る電界検出用プローブは同じグループにグループ化されるように、上記複数の電界検出用プローブは、複数のグループに分けられているとして、あるグループに含まれるすべての電界検出用プローブについて測定が終わった後に別のグループに含まれる電界検出用プローブについて測定を行うことにより偏光調整にかかる時間が短くなるように、動作させる電界検出用プローブの順番を変える順序制御手段と、
を有することを特徴とする比吸収率測定装置。 - 請求項1に記載の比吸収率測定装置において、
上記複数の電界検出用プローブは、複数のグループに分けられており、
上記第一記憶手段は、各グループごとに、そのグループに属する各電界検出用プローブに入射される光についての共通の制御情報を記憶する手段であり、
上記比吸収率測定装置は、さらに、
各電界検出用プローブで検出された電界の測定値を適切な値に補正するための補正値を記憶する第二記憶手段と、
上記補正値を用いて、各電界検出用プローブで検出された電界値を補正する補正手段と、
を有する、
ことを特徴とする比吸収率測定装置。 - 請求項1又は2に記載の比吸収率測定装置において、さらに、
各電界検出用プローブに入射される光の偏光状態についての情報を取得する偏光状態取得手段と、
上記取得された光の偏光状態についての情報を用いて、各電界検出用プローブに入射される光の偏光状態と、上記偏光調整手段が上記制御情報に従って調整することにより実現しようとする光の偏光状態とが近づくように制御するフィードバック制御手段と、
を有する比吸収率測定装置。 - 請求項3に記載の比吸収率測定装置において、
各電界検出用プローブに接続された光ファイバは分岐しており、
上記偏光状態取得手段は、上記分岐した光ファイバに入射される光の偏光状態を観測することにより、各電界検出用プローブに入射される光の偏光状態を観測する手段である、
ことを特徴とする比吸収率測定装置。 - 請求項3又は4に記載の比吸収率測定装置において、
上記偏光状態取得手段は、フォトダイオードを通過する光電流値から、各電界検出用プローブに入射される光の偏光状態についての情報を取得する観測手段である、
ことを特徴とする比吸収率測定装置。 - 請求項1から5の何れかに記載の比吸収率測定装置において、
各電界検出用プローブと上記偏光調整手段にはそれぞれ、多重化された複数の波長の光が入射され、
各電界検出用プローブには、電界検出を行うことができる異なる波長の入射光がそれぞれ定められており、
上記偏光調整手段は、上記記憶手段から読み出した制御情報に従って、各電界検出用プローブが電界検出を行うことができる波長の光の偏光状態を調整する手段である、
ことを特徴とする比吸収率測定装置。 - 請求項1から5の何れかに記載の比吸収率測定装置において、
上記偏光調整手段は、各電界検出用プローブに接続された光ファイバに力を加えて変形させることにより、各電界検出用プローブに入射される光の偏光状態を調整する手段である、
ことを特徴とする比吸収率測定装置。 - 比吸収率(SAR)測定方法であって、
電界検出用プローブが、電界の検出をそれぞれ行うステップと、
複数の偏光調整手段が、各電界検出用プローブに入射される光についての制御情報が記憶された第一記憶手段から読み出した制御情報に従って、各電界検出用プローブに入射される光の偏光状態を調整するステップと、
制御手段が、上記複数の偏光調整手段のうち現在動作していない偏光調整手段について、次に動作する電界検出用プローブに入射される光の偏光状態を調整することができるように、上記第一記憶手段から読み出した制御情報に従って予め設定しておく制御ステップと、
順序制御手段が、制御情報によって作られる空間は微小領域に分割されており、各微小領域に含まれる制御情報に係る電界検出用プローブは同じグループにグループ化されるように、上記複数の電界検出用プローブは、複数のグループに分けられているとして、あるグループに含まれるすべての電界検出用プローブについて測定が終わった後に別のグループに含まれる電界検出用プローブについて測定を行うことにより偏光調整にかかる時間が短くなるように、動作させる電界検出用プローブの順番を変える順序制御ステップと、
を有する比吸収率測定方法。
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