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本発明は、海洋深層水の富栄養性を利用した微細藻類の培養方法に関する。
近年、天然海水(水深200m以浅の表層海水と同義とする)中に棲息する微細藻類は、健康食品、化粧品、飼料などの素材として研究され、実用化されている例も多い。しかし、天然海水中での細胞密度は低いため、天然海水又は無機栄養塩類、微量栄養素等を配合した培養液を用いて増殖させた後に利用することが一般的である。
天然海水中に棲息する生物の生育には、天然海水を使用することが望ましい。しかし、天然海水には細菌、カビ、ウイルス等が多く存在しており、海棲生物の飼育に悪影響を及ぼす可能性がある。また、昨今の環境汚染により、元来天然海水中には存在しなかった物質の混在により、天然海水による海棲生物の飼育や培養が必ずしも好適であるとはいえない状況にある。
一方、天然海水の組成にできるだけ近くなるように調製された人工海水も市販されている。また、人工海水は粉末、顆粒、錠剤、液体などの形状で販売されており、使用時にこれを水に溶解又は水に希釈して使用する。天然海水には塩化ナトリウムなどのいろいろな塩類(無機電解質)が溶けている。天然海水中の塩類の濃度は場所によって若干の変動はあるが、その主要成分の存在比はほぼ一定であることがわかっている。11種の主要元素で全溶存成分の99.99質量%を占め、そのうちナトリウムと塩素で約86質量%、さらにマグネシウム、カルシウム、カリウムと硫酸イオンを加えた6成分で99質量%を超える。
人工海水は代表的なイオン組成が上記に示した天然海水のイオン組成に近くなるように調製されている。しかし、天然海水に含まれる微量イオンについては調整されていない場合が多く、天然海水に含まれる栄養塩類、有機酸類などの配合もされていない。通常、天然海水中には約80種類のミネラルが存在しているといわれている。一方、人工海水は、検出限界以下のイオン、未同定の有効成分なども含まれていないため、天然海水の持つ性質とは異なったものとなる可能性が高い。
海洋深層水の清浄性、富栄養性を利用した培養法についても研究が行われている(例えば、特許文献1参照)。海洋深層水は、一般に深度200m以深の海域にある水を指し、温度が5〜15℃で安定しており、天然海水が保有するミネラルの他に、天然海水と比較して、窒素分、リン、ケイ素などの栄養塩類や微量元素を豊富に含むものであることが知られている。高栄養価の海洋深層水を、有用物質を生成可能な微生物の培養水として使用して微生物を効率よく培養することを目的としている。
特許第4051448号公報
上述したように、天然海水は飼育や培養に必ずしも好適であるとは言えず、従来用いられてきた人工海水は微量成分の含有量が十分ではなく、製造操作も煩雑である場合がある。また、海洋深層水は清浄性や富栄養性の特徴を保有することから天然海水よりは飼育や培養に優れているものの、微細藻類の培養効率や品質向上に十分活かされている状況ではない。
上述した問題の解決のため、本発明においては、良好な品質の微細藻類を、海洋深層水を利用して容易に大量培養することができる微細藻類の培養方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行ってきた。その結果、培養対象となる微細藻類を、該藻類の生長に適した塩分濃度が調整されると共に、溶存性の生長促進成分を含有する海洋深層水を含む培養液を用いて培養すること、及び前記培養中の該藻類に対して該培養液を対数増殖期に給水することによって、該藻類の好適培養条件を与えることを特徴としている。
さらには、天然海水または海洋深層水の濃縮および脱塩処理を行うことにより栄養塩類濃度を高めた水を調整し、次に塩分濃度を適宜原水と同程度に調整して、培養液を作製することを特徴としている。
ここで、前記微細藻類がユーカンピア(Eucampia属またはラフォネイス(Rhaphoneis属を含むことが好ましい。
上述のように、天然海水や海洋深層水の主要イオン成分およびその他微量成分をバランス良く含有するとともに、海洋深層水の富栄養性を生かした新たな培養液調整を提供することにより、簡便に効率よく有用微細藻類を培養することができる。
本発明によれば、主要イオン成分、その他微量イオン成分、栄養塩類を含有し、微細藻類の培養に適した培養液の供給およびそれを用いた微細藻類の培養を効率よく行うことが可能となる。
海洋深層水、調整深層水による培養日数と細胞数との関係を示すグラフである。 海洋深層水、調整深層水による培養日数とクロロフィル含量との関係を示すグラフである。 調整深層水配合比の違いによる培養日数と最大細胞数との関係を示すグラフである。 調整深層水配合比の違いによる培養日数と最大クロロフィル含量との関係を示すグラフである。 調整深層水中途添加による培養日数と細胞数との関係を示すグラフである。 培養中の微細藻類細胞数と培養液中の栄養塩濃度との関係を示すグラフである。
次に、本発明の具体的な実施の形態について説明する。
本実施の形態において、微細藻類の培養に用いる水(培養水)は特に限定されないが、培養対象となる微細藻類が生育している領域のものを用いることが好ましい。
本実施の形態に用いる海洋深層水は特に限定されないが、深度200m以深の海域、海水に含まれる栄養塩濃度の観点から好ましくは300m以深、清浄性の観点よりさらに好ましくは深度650m以深の海域から採取されたものを用いる。海洋深層水の取水場所は、いずれの海域のものであってもよいが、微生物群集の存在頻度の観点から、日本近海、特に駿河湾深層水由来のものであることが好ましい。また、「採取された海洋深層水」とは、採取された組成の海洋深層水をそのまま用いたものをいい、滅菌処理が未実施であり、他の微生物を追加してしない状態をいう。このため、必ずしも採取直後の海洋深層水でなくてもよい。
本実施の形態の方法は、海洋深層水を脱水濃縮する工程と、海洋深層水又は濃縮した海洋深層水(濃縮海洋深層水)を脱塩処理する工程とを少なくとも有する。あるいは、脱塩処理工程の後に、塩分濃度調整工程を少なくとも有する。そして、脱塩処理工程又は塩分濃度調整工程により作製した培養水を、微細藻類の培養液に添加することを特徴とする。
上記海洋深層水の濃縮方法としては、例えば、逆浸透膜処理、電気透析処理、減圧処理及びかん水処理などが使用でき、特に限定されない。上記濃縮工程においては、海洋深層水を全塩濃度が約5〜30質量%になる程度に脱水濃縮することが好ましい。全塩濃度が5質量%未満では、次の脱塩工程における脱塩速度が充分とはいえない場合がある。一方、全塩濃度が30質量%を超えると濃縮海洋深層水中において塩が析出する場合があり、脱塩処理に支障を来す場合がある。
海洋深層水又は濃縮海洋深層水の脱塩工程は、従来公知の脱塩方法、例えば、逆浸透膜法又は電気透析法などが使用可能であるが、特にモザイク荷電膜が装着された透析装置を用いて行なうことが好ましい。この脱塩工程では、海洋深層水又は濃縮海洋深層水の全塩類濃度が約1〜5質量%、特に好ましくは、3〜3.5質量%、すなわち、海洋深層水と同程度又は同程度以下の全塩濃度になる程度に脱塩することが好ましい。上記濃度が1質量%未満では培養水として塩濃度が不足し、一方、上記濃度が5質量%を超える場合には、必要に応じて蒸留水などで希釈して所望の塩濃度にすればよい。
本実施の形態で好ましく使用する透析装置のモザイク荷電膜は、カチオン性重合体成分およびアニオン性重合体成分からなるカチオン性およびアニオン性のイオンチャンネルが、互いに相接しかつ膜の表裏両面間を貫通している構造を有し、膜のイオンチャンネルを透過しやすい塩類などのイオンと透析されにくい非イオン性または分子量の大きい分子とが容易に分離される特異な分離膜である。工業的に使用できる大型のモザイク荷電膜を製造する方法としては、荷電性重合体成分の少なくとも一成分が架橋した粒状重合体を使用する方法が好ましい。
モザイク荷電膜を使用する脱塩方法は、蒸留法のような加熱エネルギーを必要とせず、また、電気透析のような塩類のイオン量に対応する電気エネルギーを必要としない。また、イオン交換樹脂のような再生は不要であり、装置も構造が簡単で安価に製造できるため、初期投資、ランニングコストともに安く、非常に経済的である。また、操作中における液温上昇が小さく、熱変性しやすい物質の変質、劣化などが起こりにくい、無孔膜のため分画分子量が非常に小さく、栄養塩類、有機物の漏れが実質的にないなど、他の分離方法に見られないような優れた特長を有する。
さらに、海洋深層水を脱水濃縮する工程で得られた蒸留水、濾過水などの低イオン濃度の水を前記脱塩処理時の透析水として用いることで、水の有効利用が図れる。また、上記の濃縮処理および脱塩処理は要求されるイオン濃度及びイオン組成を達成するために繰り返し、または組み合わせて行うことができる。また、濃縮された栄養塩類、有機物の脱塩処理における漏れは殆どないため、これらの成分濃度が高まった、すなわち、富栄養化された調整深層水を得ることが可能である。
また、本実施の形態の調整深層水は、通常、各元素類の組成および濃度が、天然海水や海洋深層水の組成および濃度と近似するように調製され、特に添加剤を必要とせずに培養に使用することができるが、海棲生物の研究など、目的に応じて組成および濃度を脱塩操作条件の変更または試薬などの添加により天然海水や海洋深層水と異なるものとすることもできる。
本実施の形態において利用される微細藻類は、体内体外において有用物質の生成が可能であれば特に制限されないが、生成される有用物質の観点から、微細藻類がEucampia属又はRhaphoneis属の珪藻類であることが好ましい。さらに好ましくは該珪藻類が海洋深層水中に棲息していることが望ましい。
本実施の形態における微細藻類の培養条件は公知の方法でよい。水槽などの容器に培地と微細藻類を入れ、白色蛍光灯などの下で光を照射し、明暗周期を設定してやればよい。また水温においては5〜30℃の一般的な範囲で行えばよい。
また、調整深層水は、培養開始から混合されていてもよく、望ましくは対数増殖期に混合する。
培養は、ガラス瓶等の容器を用いて静置で行っても良いが、エアレーション等を用いて公知の培養水を回流させ、微細藻類の浮遊状態を維持することが好ましい。これにより、微細藻類が浮遊した状態で光合成を行うことができるため、より効率よく有用物質の生成を行うことができる。培養水の回流は、微細藻類が沈殿しない程度の速度で培養水を系内で循環させればよく、培養水中の微細藻類の種類及び密度によって適宜変更可能である。また培養水の回流は、微細藻類の過度の集中や沈殿が生じない限り、一方向(層流)であっても多方向(乱流)であってもよいが、微細藻類の増殖速度の観点から多方向であることが好ましく、特に上昇流を含む循環形態であることが更に好ましい。
その他の培養条件は、通常の微細藻類の培養条件に従ったものであればよい。例えば、通気条件では通常の好気的条件下で培養すればよい。このとき、培養水中の微細藻類に対して適当な空気を供給するために、また上述したような培養水の回流の発生にも利用可能なエアレーションを行うことが好ましい。
本実施の形態にて得られた微細藻類の回収は、プランクトンネット、限外濾過膜、遠心分離等の一般的な方法で行うことができる。得られた微細藻類からの有用物質の回収は、目的とする有用物質の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、微細藻類内に蓄積している有用物質の場合には、超音波やホモジナイザー等により細胞破砕を行い、得られた液体から、目的とする有用物質の種類に応じた既知の精製手段を用いて回収することができる。
本実施の形態によって得られる有用物質としては、抗酸化成分、抗アレルギー成分、美白成分、抗老化成分、保湿成分等を挙げることができる。これらの有用物質を適宜配合することで、医薬品、医薬部外品、化粧品、健康食品等を製造することができる。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これに限定されるものではない。なお、文中、部または%とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
[実施例1]
(1)海洋深層水の濃縮
減圧蒸留装置として遠心式薄膜真空蒸発装置を使用した。駿河湾の深度687mより得られた海洋深層水1,000kgを減圧蒸留装置に仕込み、約4kPaに減圧し、およそ30℃〜40℃にて減圧蒸留をした。液重量をほぼ3.3分の1の300kgに濃縮した。塩濃度はほぼ10.5%であった。また、蒸留水(淡水)の採取量は約680kgであった。
(2)モザイク荷電膜脱塩装置による濃縮海洋深層水の脱塩
上記(1)で得られた濃縮海洋深層水を、モザイク荷電膜100枚(膜面積10m)が装着されている以外は実施例1に示した装置と同様の構造をもつ大型透析装置を用いて脱塩操作を行った。透析水として、上記(1)で得られた蒸留水を用いた。脱塩操作により塩濃度を3.3%まで低下させた。塩濃度の変化は電導度(mS/cm)で測定し、塩濃度に換算して求めた。
ここで使用したモザイク荷電膜の調製は、特許第3626650号公報に記載の方法に基づいて行った。すなわち、4−ビニルピリジン:ジビニルベンゼン架橋共重合体、スチレン:アクリロニトリル:ヒドロキシエチルメタクリレート:ジビニルベンゼン架橋共重合体のスルホン化物のソーダ塩およびアクリロニトリル−ブタジエン樹脂水素添加物の混合液を乾燥膜厚約30μmの均一な厚みになるようポリエステル織布上に塗布し、次にヨウ化メチル雰囲気下に放置してピリジニウム塩を形成させ、さらに洗浄などの後処理を行って織布支持体で補強されたモザイク荷電膜を得た。
上記(2)で得られた濃縮海洋深層水の脱塩水を再度液重量約3分の1の100kgに濃縮した。塩濃度はほぼ10%であった。さらに、濃縮後の脱塩水をモザイク荷電膜脱塩装置により塩濃度3.6%まで脱塩した。上記操作により、当初の海洋深層水の液量に対して10分の1まで濃縮された、塩濃度3.6%の調整深層水を得ることができた。得られた調整深層水はほぼ海洋深層水に近いイオン組成であったが、栄養塩類は窒素分(NO−N)が海洋深層水の約8.2倍(22→180[μg−at/l])、リン酸分(PO−P)が海洋深層水の約8.6倍(1.4→12[μg−at/l])であり、栄養塩濃度が高められていた。
[実施例2]
(1)培養水の調整
実施例1で用いた海洋深層水を逆浸透膜濾過による濃縮した濃縮海洋深層水(塩分濃度約10%)を実施例1で用いたモザイク荷電膜装置により塩分濃度3.5%になるまで透析を行い、これを調整深層水として用いた。
(2)微生物群集の静置培養
培養水として、
A.海洋深層水100%
B.(1)で得られた調整深層水:海洋深層水=1:1
C.調整深層水100%
の3区を用意し、それぞれを0.2μmメンブランフィルターによりろ過滅菌し、500mlずつポリカーボネイト製透明容器に入れた。ここに駿河湾海洋深層水中より採取した微細藻類Eucampiaを初期密度10細胞/mlで接種した。これを恒温培養装置内で、培養温度20℃、光強度3000−4000Lux、光周期12時間明期12時間暗期で培養した。なお通気は行わず、培養水の撹拌はサンプリング時に行った。
培養期間中、培養液中の細胞数およびクロロフィル含量を測定した。クロロフィルとは細胞の活性の指標の一つである。
クロロフィル含量測定にはターナーデザイン社のModel 10−AU−005を用いた。本器は、生細胞のままクロロフィル含量を測定することができる。
A〜Cについて、培養日数(日)と細胞個数(個/ml)との関係を図1に示す。また、培養日数(日)とクロロフィル含量(μg/l)との関係を図2に示す。
図1の結果から、調整深層水の添加は細胞の初期増加速度を促進する効果があることがわかった。また、図2の結果から、調整深層水の添加はクロロフィル含量増加に効果があることがわかった。
[実施例3]
調整深層水配合比を0〜50%の範囲で調整し、実施例2と同様の培養方法を行った。
調整深層水の配合比(%)と、最大細胞個数(×10000個/ml)との関係を図3に示す。また、調整深層水の配合比(%)と、最大クロロフィル含量(μg/l)との関係を図4に示す。なお、図3及び図4は、培養17日目の最大細胞個数と最大クロロフィル含量である。
図3に示した結果より、調整深層水を10〜35%の範囲で混合することにより、培養時の最大細胞数を増加させことができた。また、図4に示した結果より、調整深層水を10〜50%の範囲で混合することにより、クロロフィル含量を増加させることができた。
[実施例4]
培養水として、
A.海洋深層水100%
B.海洋深層水に対して実施例1の調整深層水を10%加えた
C.海洋深層水に対して実施例1の調整深層水を20%加えた
の3区を用意して、実施例1で得られた調整深層水を培養4日目に培養液中に添加した以外は実施例2と同様に培養を行った。
培養日数(日)と細胞数(個/ml)との関係を図5に示す。
図5の結果から、調整深層水添加により細胞増殖速度が明らかに向上していることがわかった。
[実施例5]
ろ過海洋深層水を満たした4t水槽に駿河湾深層水から採取した微細藻類を初期密度2.9×10cells/mlになるように植え継ぎ、エアレーションを施しながら培養した。設定水温は20℃、光源は基本的に太陽光としたが1万luxに満たない場合は、9:00−17:00の間は1万luxを目標に補助光(高圧ナトリウムランプ)を照射した。このときの培養日数(日)に対する、微細藻類細胞数(×1000個/ml)と培養液中の栄養塩濃度(mg/l)を図6に示す。
図6に示すように、微細藻類は培養4日目くらいから対数増殖期に入っており、それにともない栄養塩濃度が急激に低下していることがわかる。この時期に調整深層水を添加することで、実施例1に示された添加した調整深層水の持つ高栄養性が反映され、実施例4に示された細胞増殖速度向上効果が得られる。
なお、本発明は上述の実施形態例において説明した構成に限定されるものではなく、その他本発明構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。

Claims (3)

  1. 海洋深層水に濃縮処理を行い、塩分濃度を高めた濃縮海洋深層水を生成し、
    モザイク荷電膜により前記濃縮海洋深層水の塩分濃度を3.0−3.5%に調整し、この調整深層水を10〜50%の割合で海洋深層水と混合し、或いは、モザイク荷電膜により前記濃縮海洋深層水若しくは海洋深層水の塩分濃度を海洋深層水以下に調整し、この調整深層水を塩分濃度が3.0−3.5%の範囲になるように、10〜50%の割合で前記濃縮海洋深層水と混合し、
    対数増殖期にある微細藻類が含まれる培養液に添加して、微細藻類の培養に用いる
    ことを特徴とする微細藻類の培養方法。
  2. 前記微細藻類が海洋深層水に棲息している種であることを特徴とする請求項1に記載の微細藻類の培養方法。
  3. 微細藻類がユーカンピア(Eucampia属またはラフォネイス(Rhaphoneis属であることを特徴とする請求項1又は2に記載の微細藻類の培養方法。
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