JP5569293B2 - 光源装置 - Google Patents
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Description
この図の例において、40は、筐体11に固定された遮光体用支持体48によって支持された、放電ランプ21から放射され、集光鏡56によって集光された光源55からの光がライトガイド52に至るまでの光路L1を取り囲む遮光体であり、筐体11の内部において生じるライトガイド52の光入射口53A以外の方向に向かう光(例えば、L21で示される光路を進む光)が迷光として筐体11から出ていくことを防止するための迷光防止部材である。また、17は、扇状の遮光板17Aに開口径の異なる複数の開口17Bが形成されてなる構成を有する、ライトガイド52に入射される光の光量を調整するための光量調整部材である。
液体ファイバによれば、石英ファイバに比して高い屈曲性が得られると共に、コアを構成する光透過性液体が石英ガラスよりも屈折率の大きいものであることから、全反射角が大きく、しかも開口角(取り込み角)も大きいため、高い効率で光を伝送することができ、出射光として高い輝度の光を得ることができる。
このような問題が生じる理由は、放電ランプから放射される光には赤外線が含まれており、しかも液体ファイバには集光鏡によって集光された光が入射されることから、液体ファイバにおける単位断面積当たりの赤外線の強度が大きくなるため、赤外線により液体ファイバを構成する液体が加熱されることによって沸騰し、液体内部において発生する気泡によって光の伝送が妨げられるためである。
(b)液体ファイバに導入される光が、例えば波長300nm以下の短波長側の光を含むものとなるため、液体ファイバの構成部材には、例えば樹脂などの波長300nm以下の光が照射されることによって劣化が生じてしまうものが用いられていることから、液体ファイバに劣化あるいは破損が生じるおそれがある。
本発明のその他の目的は、ライトガイドとして液体ファイバを用いた場合において、弊害を伴うことなく、ライトガイドを構成する液体ファイバが赤外線が入射されることに起因して加熱されることを防止することができると共に、小型化を図ることのできる光源装置を提供することにある。
前記ライトガイドが、クラッド内に光透過性液体が封入されてなる液体ファイバよりなり、
前記回転楕円鏡からの投射光がライトガイドの光入射口に至るまでの光路上に、多層反射膜よりなる赤外線反射層を有する赤外線カットフィルタおよび当該赤外線カットフィルタよりも当該光路における光の進行方向前方に位置された集光レンズが設けられており、
前記赤外線カットフィルタに対する光の入射角度が15°以下であることを特徴とする。
前記集光レンズは、焦点が前記ライトガイドの光入射口の配置位置から前記回転楕円鏡の第1焦点と離れる方向に離間して位置するものであることが好ましい。
従って、本発明の光源装置によれば、ライトガイドとして液体ファイバを用いた場合において、弊害を伴うことなく、ライトガイドを構成する液体ファイバが赤外線が照射されることに起因して加熱されることを防止することができる。
図1は、本発明の光源装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
光源装置10は、放電ランプ21および当該放電ランプ21を取り囲むよう配置された、放電ランプ21から放射される放射光を前方(図1における上方)に投射する凹面鏡25を有する光源20と、当該光源20を構成する凹面鏡25からの投射光が入射されるライトガイド30とが、直方体状の外観形状を有する、例えばアルミニウムおよびステンレスなどの金属よりなる筐体11によって保持されており、凹面鏡25からの投射光がライトガイド30を介して外部に出射される構成を有するものである。
筐体11には、一端側(図1における下端側)の側面部11Aに、光源20における凹面鏡25の開口27よりなる光投射口に適合した開口を有する放電ランプ保持部12が形成されていると共に、当該一端側の側面部11Aに対向する、他端側(図1における上端側)の側面部11Bに、ライトガイド30の外径に適合した内径を有する円筒状部分よりなるライトガイド保持部13が形成されており、これにより、光源20と、ライトガイド30とが、筐体11の内部において、光源20における光投射口と、ライトガイド30の光入射口31Aとが互いに対向するように固定されている。また、筐体11の内部には、迷光防止部材として、円筒状の遮光体40が、筐体11に固定された遮光体用支持体48によって支持されて、凹面鏡25からの投射光がライトガイド30に至るまでの光路L1を取り囲むように配設されており、この光路L1上には、赤外線カットフィルタ45および集光レンズ46が設けられている。
この図の例において、17は、扇状の遮光板17Aに開口径の異なる複数の開口17Bが形成されてなる構成を有する、ライトガイド30の光入射口31Aに入射される光の光量を調整するための光量調整部材であり、この光量調整部材17は、集光レンズ46と、ライトガイド30の光入射口31Aとの間の位置に設けられている。
ここに、放電ランプ21の封入物としては、例えば0.05mg/mm3 以上の水銀、例えばアルゴンなどの希ガス、例えば沃素、臭素、塩素などのハロゲンなどが挙げられ、またメタルハライドランプを構成する場合には、これらの封入物の他に、ガリウム、鉄などの金属が封入される。また、希ガスは、点灯始動性を改善するためのものであり、その封入圧は、静圧で例えば13kPaであり、ハロゲンは、発光部22A内においてハロゲンサイクルを形成すると共に、これにより、電極物質が発光部22Aの内壁に付着することを抑制するためのものであり、水銀その他の金属との化合物の形態で封入される。
ここに、本明細書中において「略平行光」とは、赤外線カットフィルタ45に対する入射角度が15°以下の光を示す。
凹面鏡25を構成する回転楕円鏡としては、図1にも示されているように、第1焦点F1が放電ランプ21の輝点に位置すると共に、第2焦点F2が、ライトガイド30の光入射口31Aの配置位置から当該第1焦点F1と離れる方向(図1における上方向)に離間して位置し、この第1焦点F1と第2焦点F2との間に、赤外線カットフィルタ45、集光レンズ46およびライトガイド30の光入射口31Aが配置される構成を有するものが用いられる。
凹面鏡25を構成する回転楕円鏡として第1焦点F1と第2焦点F2との間にライトガイド30の光入射口31Aの配置位置が位置される構成のものを用いることにより、凹面鏡25の投射光が平行度の高い光、すなわち略平行光となり、そのため、赤外線カットフィルタ45に照射される光を平行度の高い光とすることができ、その上、光源装置10の小型化を図るために光源20とライトガイド30との離間距離を小さくした場合であっても、赤外線カットフィルタ45に対する凹面鏡25の投射光の入射角度が変わることがないことから、赤外線カットフィルタ45に入射角度の大きい光が入射されることを抑制することができる。
第2焦点F2が光入射口31Aの配置位置から第1焦点F1と離れる方向に大きく離間して位置することにより、第1焦点F1と第2焦点F2との離間距離が大きくなって凹面鏡25の投射光がより一層平行度の高い光となるため、赤外線カットフィルタ45に照射される光を平行度の高い光とすることができる。
この液体ファイバは、クラッド33が、例えばポリテトラフルオロエチレン製のチューブなどの可撓性を有するものであり、クラッド33の両端が石英ガラス製のロッド36などよりなる封止栓によって封止されており、これらの封止栓によって封止されてなる基端部に光入射口31A、および先端部に光出射口が構成されている。
図2の例において、液体ファイバには、両端に設けられた石英ガラス製のロッド36と、光透過性液体34とによって光源20からの光を導光するための光路が形成されており、これらのロッド36および光透過性液体34の外周を取り囲むようにクラッド33が設けられている。そして、クラッド33の外周面には、光透過性液体34を囲繞する部分に、フレキシブルメタルシース38が設けられおり、これにより、液体ファイバには、ロッド36に挟まれた領域において、光透過性液体34による柔軟性が確保され、その柔軟性がフレキシブルメタルシース38によって維持されている。また、クラッド33の外周面においては、光透過性液体34を具備することによる柔軟性に起因して当該光透過性液体34とロッド36との境界部分に負荷がかかるために、光透過性液体34とロッド36との境界近傍領域に、ロッド36を囲繞する部分に設けられたガスケット39Bを介してメタルフェルール39Aが設けられており、これにより、補強がなされている。
このような赤外線カットフィルタ45としては、例えば透明基板の表面に、蒸着法によって、例えば酸化チタン(TiO2 )とシリカ(SiO2 )とが順次積層されてなる多層反射膜よりなる赤外線反射層が形成されてなるものを用いることができる。
ここに、赤外線カットフィルタ45としては、少なくとも赤外線を透過することがなく、可視光などの照明光を構成するための光を透過する特性を有するものであればよく、例えば被照射物(検体)によっては、赤外線と共に赤外線以外の光を透過することのないものであってもよく、具体的には例えば赤外線と紫外線とを透過することのないものであってもよい。
赤外線カットフィルタ45をライトガイド30の光入射口31Aに近接する位置に設けることにより、当該赤外線カットフィルタ45によって反射される光(赤外線)が迷光として筐体11から出ていくことを遮光体40によって阻止することができる構成とすることができる。
この図の例においては、赤外線カットフィルタ45は、遮光体40に設けられており、具体的には、遮光体40におけるライトガイド30の光入射口31Aに近接する位置、すなわち遮光体40のライトガイド30側に位置する開口に近接する内方側位置に、その周縁部が遮光体40によって挟持されることによって固定され、遮光体40の内部空間を、当該遮光体40の軸方向(図1における左右方向)において遮るように配置されている。
また凹面鏡25として回転楕円鏡が用いられる場合においては、集光レンズ46は、その焦点がライトガイド30の光入射口31の配置位置と、凹面鏡25の第2焦点F2との間に位置するものであることが好ましい。
この図の例においては、集光レンズ46の焦点F3は、凹面鏡25の第1焦点F1と第2焦点F2とを結ぶ直線上であって、ライトガイド30の光入射口31Aと、当該第2焦点F2との間における、ライトガイド30がライトガイド保持部13によって包囲されている領域に位置している。
(2)凹面鏡からの平行度の高い投射光がそのままの状態で十分に集光されることなくライドガイドに入射されることに伴い、放電ランプの放射光が効率的に利用されずにライドガイドに入射される光の光量が小さくなり、ライトガイドからの出射光に十分な照度が得られなくなるおそれがある。
凹面鏡25として回転楕円鏡を用いた光源装置10によれば、後述の実験例からも明らかなように、十分に小型化された構成のものでありながら、放電ランプ21から放射される光を効率よく利用することができ、ライトガイド30からの出射光において高い光強度を得ることができる。
例えば、光源装置においては、設計の自由度が大きく、光源装置の小型化を容易に図ることができるため、凹面鏡として、回転楕円鏡を用いることが好ましいが、回転放物鏡を用いることもできる。
また、光源装置においては、凹面鏡として回転楕円鏡を用いた場合において、集光レンズとしては、ライトガイドにより効率的に光を入射させることができるため、その焦点がライトガイドの光入射口の配置位置と凹面鏡の第2焦点との間に位置するものを用いることが好ましいが、焦点がライトガイドの光入射口の配置位置から凹面鏡の第1焦点と離れる方向に離間して位置するものであればよく、焦点が凹面鏡の第2焦点から凹面鏡の第1焦点と離れる方向に離間して位置するものを用いることもできる。
図1に従って光源装置(以下、「光源装置(1)」ともいう。)を作製すると共に、集光レンズを設けなかったこと以外は光源装置(1)と同様の構成を有する光源装置(以下、「比較用光源装置(1)」ともいう。)を作製した。
作製した光源装置(1)および比較用光源装置(1)を構成する光源としては、放電ランプとして、定格消費電力が130Wの超高圧水銀ランプを用い、凹面鏡として、波長800nmまでの領域の光を反射して集光する構成の回転楕円鏡であって、第2焦点と光投射口との離間距離が100mmであるものを用い、これらが、凹面鏡(回転楕円鏡)の第1焦点が放電ランプ(超高圧水銀ランプ)の輝点位置に位置するように配設されてなるものを用いた。
また、光源装置(1)および比較用光源装置(1)において、ライトガイドとしては、ルマテック社製の液体ファイバを用い、赤外線カットフィルタとしては、酸化チタン(TiO2 )とシリカ(SiO2 )とよりなる構成の多層反射膜よりなる赤外線反射層を有し、波長360〜700nmの光を透過してその波長領域よりも長波長側の光(波長750〜1150nmの光)を反射する構成のものを用い、光源装置(1)においては、集光レンズとして、焦点距離が30mmの平凸レンズを用いた。
更に、光源装置(1)および比較用光源装置(1)においては、光源とライトガイドとの離間距離、すなわち光源における光投射口とライトガイドの光入射口との離間距離は97mmであり、赤外線カットフィルタに対する凹面鏡の投射光の最大入射角度は13.5°である。また、凹面鏡(回転楕円鏡)の第2焦点は、ライトガイドの光入射口の配置位置から第1焦点と離れる方向に離間して位置されており、第1焦点および第2焦点とライトガイドとの離間距離の比(第1焦点と光入射口との離間距離/第2焦点と光入射口との離間距離)は40.7であり、また、集光レンズの焦点は、凹面鏡(回転楕円鏡)の投射光の進行方向におけるライトガイドの光入射口の後方に位置されており、当該光入射口と集光レンズの焦点との離間距離は18.1mmである。
実験例1で作製した光源装置(1)において、凹面鏡として、回転楕円鏡に代えて回転放物鏡を用い、その凹面鏡(回転放物鏡)の焦点が放電ランプ(超高圧水銀ランプ)の輝点位置に位置するように配設し、このような構成において、当該凹面鏡(回転放物鏡)における光投射口を構成する開口の直径を調整することにより、ライトガイドの光入射口に入射される光の光量が、当該光源装置(1)と同等となる光源装置(以下、「光源装置(2)」ともいう。)作製した。
11 筐体
11A、11B 側面部
12 ランプ保持部
13 ライトガイド保持部
17 光量調整部材
17A 遮光板
17B 開口
20 光源
21 放電ランプ
22 発光管
22A 発光部
22B 封止部
23 電極
25 凹面鏡
26 光反射部分
27 開口
30 ライトガイド
31A 光入射口
33 クラッド
34 光透過性液体
36 ロッド
38 フレキシブルメタルシース
39A メタルフェルール
39B ガスケット
40 遮光体
41A、41B 開口
45 赤外線カットフィルタ
46 集光レンズ
48 遮光体用支持体
52 ライトガイド
53A 光入射口
55 光源
56 集光鏡
Claims (2)
- 放電ランプと、当該放電ランプからの放射光を受けて略平行光を投射する回転楕円鏡と、当該回転楕円鏡からの投射光が入射されるライトガイドとを備えており、
前記ライトガイドが、クラッド内に光透過性液体が封入されてなる液体ファイバよりなり、
前記回転楕円鏡からの投射光がライトガイドの光入射口に至るまでの光路上に、多層反射膜よりなる赤外線反射層を有する赤外線カットフィルタおよび当該赤外線カットフィルタよりも当該光路における光の進行方向前方に位置された集光レンズが設けられており、
前記赤外線カットフィルタに対する光の入射角度が15°以下であることを特徴とする光源装置。 - 前記回転楕円鏡は、第1焦点が放電ランプの輝点に位置し、第2焦点がライトガイドの光入射口の配置位置から当該第1焦点と離れる方向に離間して位置するものであり、
前記集光レンズは、焦点が前記ライトガイドの光入射口の配置位置から前記回転楕円鏡の第1焦点と離れる方向に離間して位置するものであることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
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