近年の無線基地局装置おける低消費電力化の要求は高い。しかし通常、増幅デバイスを使用する場合、コストの面から使用領域より非常に飽和点が高い高性能なデバイスを採用することは難しい。また増幅デバイスを線形領域で動作させれば消費電力の増大を招き、非常に電力効率が落ちてしまう。そこで、使用領域と飽和領域が近いデバイスにて動作の効率化を図る事が考えられるが、非線形領域での増幅動作は歪発生の要因であり、隣接チャネル漏洩電力が増加し隣接チャネルに対する妨害波となるため、通信品質の劣化を引き起こす。そのためDPDのように増幅器の歪を補償する方式による、非線形領域での動作時に隣接チャネル漏洩電力を抑えることが可能な歪補償方式が多く採用されている。しかしDPD方式の歪み補償は、補償処理のためDPD信号処理部に歪み成分を取り込む際、歪みレベルの検出を誤ると正しい歪み補償をかけることができない。
図10は、従来のDPD方式の非線形歪み補償装置の構成図であり、特許文献1の図4を引用したものであり、特許文献1の中で、従来技術を説明する図として使われているものである。
ここで、図10を参照すると、DPD方式の歪み補償はフィードバックをかけて補償するため、実際の高周波増幅器10-4にて発生する歪みレベルと演算部10−1が取り込む歪みレベルに差が出た場合、演算部10−1の演算処理に誤りが生じてしまう。よって図10の破線枠内のフィードバック部の周波数特性は、主信号帯域だけではなく、第3高調波、第5高調波、第7高調波の高次の歪み帯域に渡って偏差を小さくする必要がある。そのため、出荷時の調整により、周波数特性の個別ばらつきを補正している。しかしながら、フィードバック部のアナログ回路において、経年での周波数特性の変化が問題になる。
無線基地局装置の運用後は、フィードバック部の周波数特性偏差を補正する手段がないため、例えば、高周波増幅器10−4で発生する歪みレベルと演算部10−1が取り込む歪みレベルに、例えば2dB程度の差が出てしまうと、不正確な歪み検出レベルに基づく誤った補償を行うため、想定する歪みレベルに収束せず、図5−(b)の状態から図5−(a)の状態のように増大する。アンテナ出力での所望の隣接チャネル漏洩電力を満たせず、送信規格を割ってしまう恐れがあった。
特許文献1では、図10に示した従来技術に対して、歪み補償後の特性を向上させるため、フィードバック部の周波数特性偏差を検出して補正する方法が開示されている。その検出方法は、ダウンコンバートする際に、局部発振器の周波数を無線周波数より高域側と、より低域側に切り替えて、切り替えたときにダウンコンバートした信号の周波数成分が周波数軸に対して反転して出てくることを利用して、両者のスペクトル強度の差から、フィードバック部の周波数特性偏差を検出するものである。ここでは、ある2つの周波数間の特性差を補正する方法が開示されており、前記2つの周波数に各々対応した2つのバンドパスフィルタを備えた構成とし、局部発振周波数の切り替えに応じて、使用するバンドフィルタを切り替えるようにしている。
また、特許文献2では、ディジタル送信信号にディジタルパイロット信号を加えて、ダウンコンバート信号中のパイロット信号の奇数次歪み成分を抽出することにより、DPDでの奇数次歪を制御することにより高精度なDPD処理を行う方法が開示されている。
また、特許文献3では、増幅信号と同振幅で逆位相の信号を分配した入力信号から発生させ、増幅信号を分配した信号と合成することにより、増幅器による歪み成分のみを検出して歪み補償する方法が開示されている。
また、特許文献4では、フィードフォワード歪み補償回路のアナログ回路をディジタル回路に置き換えることを可能した方法について開示されている。
また、特許文献5では、ベースバンド信号の同相成分I,直交成分Qを直交変調して増幅し送信する負帰還方式のリニアライザを用いた非線形歪み補償について開示されている。
特開2009−246655号公報
特開2005−065211号公報
特開2007−081801号公報
特開2007−274062号公報
特開2002−299965号公報
以下の分析は、本発明により与えられる。
DPD方式の非線形歪み補償方法を用いた無線送信機において、フィードバック部(以後、ダウンコンバータ部という)の経年変化による周波数特性偏差が生じ、所望の非線形歪み補償がかからなくなるという問題を解決することが、高精度な非線形歪み補償を実現する上で、重要になってきている。
また、無線送信機の運用後、周波数特性偏差が必要なる時期に、無線送信機が自律的に補正を実施することが求められている。
特許文献1で開示された周波数特性偏差を検出する方法は、DPD方式の歪み補償に関連するものであり、ダウンコンバータ部の周波数特性偏差を検出することが可能であるが、ある2つの周波数における特性差のみに限定され、さらに切り替え可能な2つのバンドパスフィルタが必要になるなど、装置が複雑になってしまうという問題がある。
特許文献2では、パイロット信号を用いているため、パイロット信号発生器や、パイロット信号の抽出回路など、装置構成が複雑になる。
特許文献3では、歪み信号のみを抽出するのに、同振幅、逆位相の補正信号を生成する回路が必要になる。
特許文献4では、歪み補償方法が、直交ベースバンド信号に限定されている。
特許文献5では、特許文献4と同様に、歪み補償方法が、ベースバンド信号の同相成分Iと直交成分Qから構成される信号に限定されている。
従って、本発明の目的は、装置を複雑化せず、安価な追加部品で、経年変化による周数特性偏差を自律的に補正することにより、非線形歪み補償が安定動作する無線送信機を提供することにある。
本発明の第1の側面による無線送信機は、送信データ信号をアップコンバートするアップコンバータ部と、前記アップコンバータ部の出力信号を増幅し無線送信信号を生成する増幅部と、前記無線送信信号の一部を分配する分配部と、前記分配部で分配した信号からダウンコンバートした信号を生成するダウンコンバータ部と、前記ダウンコンバータ部の出力信号から無線送信信号の非線形歪みを検出して、非線形歪み補償を行う非線形歪み補償信号処理部と、前記ダウンコンバータ部の周波数特性補正量の演算を行う周波数特性補正演算部と、通常動作モード、周波数特性偏差調整モードのどちらかを選択するモード選択部と、を備え、前記ダウンコンバータ部が備えるミキサに入力する局部発振信号の発振周波数を切り替え可能に構成し、前記モード選択部が前記周波数特性偏差調整モードを選択した場合に、前記局部発振信号の発振周波数を前記通常動作モードでダウンコンバート後に使用する低い周波数帯とし、分配した前記無線送信信号を前記ダウンコンバータ部の入力信号として使用しない状態にして、前記低い周波数帯の局部発振信号を前記ダウンコンバータ部のミキサを介して前記ミキサ以降の回路に入力し、前記ダウンコンバータ部の出力信号から前記ダウンコンバータ部の周波数特性偏差を検出し、前記周波数特性補正演算部は、検出された前記ダウンコンバータ部の周波数特性偏差に基づいて、前記ダウンコンバータ部の周波数特性補正量の演算を行い、前記演算結果に基づいて前記ダウンコンバータ部の周波数特性を補正する。
また、本発明の第2の側面による非線形歪み補正における周波数特性偏差補正方法は、変調、増幅した無線送信信号の一部を分配した信号の周波数をダウンコンバートした信号を基に無線送信信号の非線形歪みを検出し、無線送信信号の非線形歪みを補償する無線送信機の非線形歪み補償において、ダウンコンバータ部のミキサに与える発振周波数を通常動作モードでダウンコンバート後に使用する低い周波数帯に切り替え、分配した無線送信信号をダウンコンバータ部の入力信号として使用しない状態にして、ダウンコンバータ部のミキサ以降の回路に局部発振器の信号を入力するステップ、局部発振器の周波数をスイープさせながら、ダウンコンバータの出力信号を取得し、前記低い周波数帯の各周波数におけるダウンコンバータ部の周波数特性偏差を検出するステップ、検出されたダウンコンバータの周波数特性偏差から、ダウンコンバータ部の周波数特性を補正するステップと、を含む。
本発明によれば、装置を複雑化せずに、通常動作モードでダウンコンバート後に使用する周波数帯に渡って連続的にダウンコンバータ部の周波数特性偏差を検知することができる。それにより、経年変化による周波数特性偏差を補正して、高精度のDPD方式の非線形歪み補償を安定して行うことが可能な無線送信機を提供することができる。
また、無線送信機に、通常動作モードと周波数特性偏差調整モードのどちらかを選択するモード選択部を設けたので、例えば、呼がない状態あるいはファームウェア更新時に、周波数特性偏差調整モードになるようにしておくことにより、自律的に周波数特性の補正を行わせることが可能になる。
また、従来の送信機が有する局部発振器、非線形歪み補償信号処理部などの既存回路を利用することで、安価な部品追加で実現することができる。
本発明の実施形態について、必要に応じて図面を参照して説明する。なお、実施形態の説明において引用する図面及び図面の符号は実施形態の一例として示すものであり、それにより本発明による実施形態のバリエーションを制限するものではない。本発明の実施形態を、図7、図8、図9を必要に応じて参照して説明する。
本発明の第1の側面による第1の実施形態の無線送信機101は、図7に示すように、送信データ信号Hをアップコンバートするアップコンバータ部102と、アップコンバータ部102の出力信号を増幅し無線送信信号を生成する増幅部105と、無線送信信号の一部を分配する分配部106と、分配部106で分配した信号からダウンコンバートした信号を生成するダウンコンバータ部103と、ダウンコンバータ部103の出力信号から無線送信信号の非線形歪みを検出して、非線形歪み補償を行う非線形歪み補償信号処理部104と、ダウンコンバータ部103の周波数特性補正量の演算を行う周波数特性補正演算部108と、を備える無線送信機であって、さらに、通常動作モード、周波数特性偏差調整モードのどちらかを選択するモード選択部109を有し、モード選択部109が周波数特性偏差調整モードを選択した場合に、ダウンコンバータ部103の周波数特性偏差を検出して、ダウンコンバータ部103の周波数特性補正量の演算を周波数特性補正演算部108で行い、演算結果に基づいてダウンコンバータ部103の周波数特性を補正する。
次に、本発明の第1の側面による第2の実施形態を図7、図8を参照して説明する。図8は、図7の一点鎖線枠内の部分を詳しく示した図で、モード選択部109が、周波数特性偏差調整モードを選択した場合の状態を示している。本発明の第1の側面による第2の実施形態の無線送信機101は、図7に示すように、送信データ信号Hをアップコンバートするアップコンバータ部102と、アップコンバータ部102の出力信号を増幅し無線送信信号を生成する増幅部105と、無線送信信号の一部を分配する分配部106と、分配部106で分配した信号からダウンコンバートした信号を生成するダウンコンバータ部103と、ダウンコンバータ部103の出力信号から無線送信信号の非線形歪みを検出して、非線形歪み補償を行う非線形歪み補償信号処理部104と、ダウンコンバータ部103の周波数特性補正量の演算を行う周波数特性補正演算部108と、を備える無線送信機であって、さらに、通常動作モード、周波数特性偏差調整モードのどちらかを選択するモード選択部109を有し、モード選択部109が周波数特性偏差調整モードを選択した場合に、ダウンコンバータ部103の周波数特性偏差を検出して、ダウンコンバータ部103の周波数特性補正量の演算を周波数特性補正演算部108で行い、演算結果に基づいてダウンコンバータ部103の周波数特性を補正する。さらに、本発明の第1の側面による第2の実施形態の無線送信機101は、図8に示すように、ダウンコンバータ部103のミキサ111に与える局部発振信号Iの発振周波数を切り替え可能に構成し、周波数特性偏差調整モードを選択した場合に、局部発振信号Iの発振周波数を通常動作モードでダウンコンバート後に使用する低い周波数帯とし、分配した無線送信信号Jをダウンコンバータ部103の入力信号として使用しない状態にして、低い周波数帯の局部発振信号Kをダウンコンバータ部103のミキサ111を介してミキサ111以降の回路に入力し、ダウンコンバータ部103の出力信号からダウンコンバータ部103の周波数特性偏差を検出する。
次に、本発明の第1の側面による第3の実施形態の無線送信機101は、図7に示すように、送信データ信号Hをアップコンバートするアップコンバータ部102と、アップコンバータ部102の出力信号を増幅し無線送信信号を生成する増幅部105と、無線送信信号の一部を分配する分配部106と、分配部106で分配した信号からダウンコンバートした信号を生成するダウンコンバータ部103と、ダウンコンバータ部103の出力信号から無線送信信号の非線形歪みを検出して、非線形歪み補償を行う非線形歪み補償信号処理部104と、ダウンコンバータ部103の周波数特性補正量の演算を行う周波数特性補正演算部108と、を備える無線送信機であって、さらに、通常動作モード、周波数特性偏差調整モードのどちらかを選択するモード選択部109を有し、モード選択部109が周波数特性偏差調整モードを選択した場合に、ダウンコンバータ部103の周波数特性偏差を検出して、ダウンコンバータ部103の周波数特性補正量の演算を周波数特性補正演算部108で行い、演算結果に基づいてダウンコンバータ部103の周波数特性を補正し、図8に示すように、ダウンコンバータ部103のミキサ111に与える局部発振信号Iの発振周波数を切り替え可能に構成し、周波数特性偏差調整モードを選択した場合に、局部発振信号Iの発振周波数を通常動作モードでダウンコンバート後に使用する低い周波数帯とし、分配した無線送信信号Jをダウンコンバータ部103の入力信号として使用しない状態にして、低い周波数帯の局部発振信号Kをダウンコンバータ部103のミキサ111を介してミキサ111以降の回路に入力し、ダウンコンバータ部103の出力信号からダウンコンバータ部103の周波数特性偏差を検出する。さらに、本発明の第1の側面による第3の実施形態の無線送信機101は、図8において、周波数特性偏差調整モードにおいて、通常動作モードで使用する周波数帯域に渡って周波数をスイープして変化させ、周波数毎に得られた偏差データを周波数と関連付けて記憶する不図示のメモリを有し、さらに、周波数特性補正演算部108は不図示のCPUで構成され、CPUが、メモリから読み出された周波数毎の偏差情報に基づいて周波数特性補正量の演算を行う。
次に、本発明の第1の側面による第4の実施形態の無線送信機101は、図7に示すように、送信データ信号Hをアップコンバートするアップコンバータ部102と、アップコンバータ部102の出力信号を増幅し無線送信信号を生成する増幅部105と、無線送信信号の一部を分配する分配部106と、分配部106で分配した信号からダウンコンバートした信号を生成するダウンコンバータ部103と、ダウンコンバータ部103の出力信号から無線送信信号の非線形歪みを検出して、非線形歪み補償を行う非線形歪み補償信号処理部104と、ダウンコンバータ部103の周波数特性補正量の演算を行う周波数特性補正演算部108と、を備える無線送信機であって、さらに、通常動作モード、周波数特性偏差調整モードのどちらかを選択するモード選択部109を有し、モード選択部109が周波数特性偏差調整モードを選択した場合に、ダウンコンバータ部103の周波数特性偏差を検出して、ダウンコンバータ部103の周波数特性補正量の演算を周波数特性補正演算部108で行い、演算結果に基づいてダウンコンバータ部103の周波数特性を補正する。さらに、本発明の第1の側面による第4の実施形態の無線送信機101は、周波数特性偏差調整モードが選択された場合に、ダウンコンバータ部103の周波数特性偏差の補正に加えて、アップコンバータ部102とダウンコンバータ部103を合わせた周波数特性偏差を検出して、アップコンバータ部102の周波数特性補正量の演算を周波数特性補正演算部108で行い、演算結果に基づいてアップコンバータ部102の周波数特性を補正する。
次に、本発明の第1の側面による第5の実施形態を図7、図9を参照して説明する。図9は、図7全体を詳しく説明したもので、モード選択部109が、周波数特性偏差調整モードを選択した場合で、ダウンコンバータ部103の周波数特性補正後に、さらにアップコンバータ部102の周波数特性の補正を行うときの状態を示している。本発明の第1の側面による第5の実施形態の無線送信機101は、図7に示すように、送信データ信号Hをアップコンバートするアップコンバータ部102と、アップコンバータ部102の出力信号を増幅し無線送信信号を生成する増幅部105と、無線送信信号の一部を分配する分配部106と、分配部106で分配した信号からダウンコンバートした信号を生成するダウンコンバータ部103と、ダウンコンバータ部103の出力信号から無線送信信号の非線形歪みを検出して、非線形歪み補償を行う非線形歪み補償信号処理部104と、ダウンコンバータ部103の周波数特性補正量の演算を行う周波数特性補正演算部108と、を備える無線送信機であって、さらに、通常動作モード、周波数特性偏差調整モードのどちらかを選択するモード選択部109を有し、モード選択部109が周波数特性偏差調整モードを選択した場合に、ダウンコンバータ部103の周波数特性偏差を検出して、ダウンコンバータ部103の周波数特性補正量の演算を周波数特性補正演算部108で行い、演算結果に基づいてダウンコンバータ部103の周波数特性を補正し、図7において、周波数特性偏差調整モードが選択された場合に、ダウンコンバータ部103の周波数特性偏差の補正に加えて、アップコンバータ部102とダウンコンバータ部103を合わせた周波数特性偏差を検出して、アップコンバータ部102の周波数特性補正量の演算を周波数特性補正演算部108で行い、演算結果に基づいてアップコンバータ部102の周波数特性を補正する。さらに、本発明の第1の側面による第5の実施形態の無線送信機101は、図9に示すように、ダウンコンバータ部103とアップコンバータ部102を合わせた周波数特性偏差を検出するときには、ダウンコンバータ部103とアップコンバータ部102のミキサ111、116に対する局部発振信号の入力K及びLをオフし、非線形歪み補償信号処理部104から周波数特性偏差を検出するための入力信号Mを生成して与え、アップコンバータ部102とダウンコンバータ部103を合わせた周波数特性偏差を検出する。
次に、本発明の第1の側面による第6の実施形態の無線送信機101は、図7に示すように、送信データ信号Hをアップコンバートするアップコンバータ部102と、アップコンバータ部102の出力信号を増幅し無線送信信号を生成する増幅部105と、無線送信信号の一部を分配する分配部106と、分配部106で分配した信号からダウンコンバートした信号を生成するダウンコンバータ部103と、ダウンコンバータ部103の出力信号から無線送信信号の非線形歪みを検出して、非線形歪み補償を行う非線形歪み補償信号処理部104と、ダウンコンバータ部103の周波数特性補正量の演算を行う周波数特性補正演算部108と、を備える無線送信機であって、さらに、通常動作モード、周波数特性偏差調整モードのどちらかを選択するモード選択部109を有し、モード選択部109が周波数特性偏差調整モードを選択した場合に、ダウンコンバータ部103の周波数特性偏差を検出して、ダウンコンバータ部103の周波数特性補正量の演算を周波数特性補正演算部108で行い、演算結果に基づいてダウンコンバータ部103の周波数特性を補正し、図7において、周波数特性偏差調整モードが選択された場合に、ダウンコンバータ部103の周波数特性偏差の補正に加えて、アップコンバータ部102とダウンコンバータ部103を合わせた周波数特性偏差を検出して、アップコンバータ部102の周波数特性補正量の演算を周波数特性補正演算部108で行い、演算結果に基づいてアップコンバータ部102の周波数特性を補正し、図9に示すように、ダウンコンバータ部103とアップコンバータ部102を合わせた周波数特性偏差を検出するときには、ダウンコンバータ部103とアップコンバータ部102のミキサ111、116に対する局部発振信号の入力K及びLをオフし、非線形歪み補償信号処理部104から周波数特性偏差を検出するための入力信号Mを生成して与え、アップコンバータ部102とダウンコンバータ部103を合わせた周波数特性偏差を検出する。さらに、本発明の第1の側面による第6の実施形態の無線送信機101は、図9において、算出する周波数特性偏差の周波数帯域に渡って周波数をスイープして変化させながら、周波数毎に得られた偏差データを周波数と関連付けて記憶する不図示のメモリを有し、さらに、周波数特性補正演算部108は不図示のCPUで構成され、CPUが、メモリから読み出された周波数毎の偏差情報に基づいて周波数特性補正量の演算を行う。
次に、本発明の第1の側面による第7の実施形態の無線送信機101は、図7に示すように、送信データ信号Hをアップコンバートするアップコンバータ部102と、アップコンバータ部102の出力信号を増幅し無線送信信号を生成する増幅部105と、無線送信信号の一部を分配する分配部106と、分配部106で分配した信号からダウンコンバートした信号を生成するダウンコンバータ部103と、ダウンコンバータ部103の出力信号から無線送信信号の非線形歪みを検出して、非線形歪み補償を行う非線形歪み補償信号処理部104と、ダウンコンバータ部103の周波数特性補正量の演算を行う周波数特性補正演算部108と、を備える無線送信機であって、さらに、通常動作モード、周波数特性偏差調整モードのどちらかを選択するモード選択部109を有し、モード選択部109が周波数特性偏差調整モードを選択した場合に、ダウンコンバータ部103の周波数特性偏差を検出して、ダウンコンバータ部103の周波数特性補正量の演算を周波数特性補正演算部108で行い、演算結果に基づいてダウンコンバータ部103の周波数特性を補正し、周波数特性偏差調整モードが選択された場合に、ダウンコンバータ部103の周波数特性偏差の補正に加えて、アップコンバータ部102とダウンコンバータ部103を合わせた周波数特性偏差を検出して、アップコンバータ部102の周波数特性補正量の演算を周波数特性補正演算部108で行い、演算結果に基づいてアップコンバータ部102の周波数特性を補正する。さらに、本発明の第1の側面による第7の実施形態の無線送信機101において、周波数特性の補正対象は、ダウンコンバータ部103の場合はダウンコンバータ部103のイコライザであり、アップコンバータ部102の場合はアップコンバータ部102のイコライザである。ダウンコンバータ部103のイコライザは、図8および図9のアナログ回路D112の内部にあり、アップコンバータ部102のイコライザは、図9のアナログ回路U119の内部にある。
次に、本発明の第2の側面による第8の実施形態の非線形歪み補正における周波数特性偏差補正方法は、図7に示すような変調、増幅した無線送信信号の一部を分配した信号Jの周波数をダウンコンバートした信号Nを基に無線送信信号の非線形歪みを検出し、無線送信信号の非線形歪みを補償する無線送信機の非線形歪み補償において、図8に示すように、ダウンコンバータ部103のミキサ111に与える発振周波数を通常動作モードでダウンコンバート後に使用する低い周波数帯に切り替え、分配した無線送信信号Jをダウンコンバータ部の入力信号として使用しない状態にして、ダウンコンバータ部103のミキサ以降の回路に局部発振器の信号Kを入力するステップと、局部発振器の周波数をスイープさせながら、ダウンコンバータの出力信号Nを取得し、低い周波数帯の各周波数におけるダウンコンバータ部103の周波数特性偏差を検出するステップと、検出されたダウンコンバータ部103の周波数特性偏差から、ダウンコンバータ部103の周波数特性を補正するステップと、を含んでいる。
次に、本発明の第2の側面による第9の実施形態の非線形歪み補正における周波数特性偏差補正方法は、図7に示すような変調、増幅した無線送信信号の一部を分配した信号Jの周波数をダウンコンバートした信号Nを基に無線送信信号の非線形歪みを検出し、無線送信信号の非線形歪みを補償する無線送信機の非線形歪み補償において、図8に示すように、ダウンコンバータ部103のミキサ111に与える発振周波数を通常動作モードでダウンコンバート後に使用する低い周波数帯に切り替え、分配した無線送信信号Jをダウンコンバータ部の入力信号として使用しない状態にして、ダウンコンバータ部103のミキサ以降の回路に局部発振器の信号Kを入力するステップと、局部発振器の周波数をスイープさせながら、ダウンコンバータの出力信号Nを取得し、低い周波数帯の各周波数におけるダウンコンバータ部103の周波数特性偏差を検出するステップと、検出されたダウンコンバータ部103の周波数特性偏差から、ダウンコンバータ部103の周波数特性を補正するステップと、を含んでいる。さらに、本発明の第2の側面による第9の実施形態の非線形歪み補正における周波数特性偏差補正方法は、図9において、ダウンコンバータ部103、アップコンバータ部102のミキサ111、116に対する局部発振信号K及びLをオフし、非線形歪み補償信号処理部104から、通常動作モードでダウンコンバート後に使用する低い周波数帯に渡って、各周波数の入力信号Mを生成して与え、ダウンコンバータ部出力Nから低い周波数帯域内の各周波数におけるアップコンバータ部102とダウンコンバータ部103両方の周波数特性偏差を検出するステップ、検出された周波数特性偏差から、アップコンバータ部102の周波数特性を補正するステップと、をさらに含んでいる。
以下、実施例について、図面を参照して詳しく説明する。
[実施例1の構成]
図1は、本発明の実施例1による無線送信機のブロック図である。
図1において、本実施例の無線送信機1は、アップコンバータ部2とダウンコンバータ部3とシンセサイザ部4とアンテナ6及び歪み補償演算処理を行うDPD信号処理部20から構成されており、送信信号を出力するためのアップコンバータ部2は、上位装置からの送信データ信号GをDPD信号処理部20に通して信号Dを得て、アナログIF信号に変換するD/Aコンバータ17と、所望の帯域と歪み帯域を通過させるためのIFフィルタ16と、所望の利得に増幅するためのIFアンプ15とシンセサイザ部22からの局部発振信号により周波数変換を行うミキサ14とメインアンプ13と、メインアンプ13の出力をダウンコンバータ部3へ高周波結合させるための方向性結合器12を備えている。フィードバックされた歪み信号を扱うダウンコンバータ部3は、方向性結合器12から分配された無線送信信号をIF信号に変換するためのミキサ7と、所望の利得に増幅するためのIFアンプ8と周波数特性を補正するためのイコライザ9と所望の帯域制限を行うためのIFフィルタ10と、DPD信号処理部20に信号Aを送出するA/Dコンバータ11を備えている。また、DPD信号処理部20からの信号レベル情報Fの比較動作及び、シンセサイザ部4、イコライザ9の制御を行うCPU18と、信号レベルの情報を保持するメモリ19を備えている。シンセサイザ部4は、ダウンコンバータ部3に局部発振信号Eを出力させるためのVCO回路5を備えている。
また、CPU18は、通常動作モード、周波数特性偏差調整モードのどちらかを選択するモード選択部、及びダウンコンバータ部3の周波数特性の補正演算を行う周波数特性補正演算部を含んでいる。
無線送信機1において、周波数特性の個別ばらつきの補正は、イコライザ9にて行っている。また、フィードバック信号の遅延が大きいと歪み特性を打ち消す補正がかけられなくなるため、ダウンコンバータ部3の遅延はできるだけ抑える必要性から、IFフィルタ10は集中定数のインダクタやキャパシタであるコイルやコンデンサをプリント板に配置して作成するディスクリートのLCフィルタを使用する。SAWフィルタでは遅延特性が大きいため使用できず、誘電体フィルタでは、使用周波数が低く部品サイズが大きくなるため使用できないという状況にある。LCフィルタは経年での特性変化が大きく問題となるが、本発明では、周波数特性偏差を検知して周波数特性を補正することで、その問題を解決している。
[実施例1の動作]
次に、実施例1の無線送信機における動作について、図1、図2、図3のフローチャート、及び図4を用いて説明する。モード選択部において、システムのファームウェア変更時や呼がない時間帯などがあった場合、モード選択部が判別を行い、モード選択部が周波数特性偏差調整モードに設定する。
また、経年変化補正の必要性判断として、装置内タイマの計測を利用して、タイマ計測値が所定時間を超える条件で、システムのファームウェア変更時や呼がない時間帯などがあった場合を周波数特性偏差調整モードにする判別条件にしておき、モード選択部が判別を行い、モード選択部が周波数特性偏差調整モードに設定するようにしてもよい。他にも、いろいろな判別条件が考えられ、これらの内容に限定されるものではない。
一方、上記以外は、通常動作モードに設定され、DPD方式の非線形歪み補償がなされた無線送信信号が出力される。
周波数特性偏差調整モードでは、シンセサイザ部4の局部発振器であるVCO回路5を補正動作用周波数に切り替え、ミキサ7を介してA/Dコンバータ11の出力信号をDPD信号処理部20で受信し、DPD信号処理部20からCPU18に対し信号レベル情報Fを与え、CPU18でダウンコンバータ部3の周波数特性補正量の演算を行い、演算結果に基づいてイコライザ9にて補正をかけて、ダウンコンバータ部3の周波数特性の補正を行う。その結果、偏差を許容内である1dB以下に抑えることが可能となり、最適な非線形歪み補償処理が行なわれる。
ここでは無線送信機の運用周波数を2140MHz、ダウンコンバータ部3のミキサ7は2140MHzの無線送信信号をシンセサイザ部4の2340MHzの局部発振信号にて200MHzのIF信号にダウンコンバートしている。また、図2のVCO回路5はスイッチ25とスイッチ26を切り替えることでコイルL1とコイルL2のどちらかを接続することができるようになっている。
またコイルL1、コイルL2が接続されたときのVCO回路5の各々の発振周波数f1、f2は、各々、式(1)、式(2)となるため、コイルL1のインダクタンスを220nH、コイルL2のインダクタンスを2.2nH、バリキャップダイオードC1の電気容量を2pF〜15pFに可変可能とし、コンデンサC2の電気容量を12pFとした場合の発振周波数を考えると、スイッチ25とスイッチ26によりコイルL1(インダクタンス220nH)に接続されていた場合の、バリキャップダイオードC1の電気容量を可変する事で得られる発振周波数f1の範囲は、131.4MHz〜259.2MHzである。また、コイルL2(インダクタンス2.2nH)に接続されていた場合の発振周波数f2の範囲は、1314.2MHz〜2591.6MHzとなる。
初めに、通常動作モードの場合の本実施例の動作について説明する。無線送信機は、通常の運用状態として動作する。シンセサイザ部4のVCO回路5においてスイッチ25とスイッチ26はコイルL2に接続され、VCO回路5の発振周波数は、無線送信機の運用周波数2140MHzに設定される。
送信データ信号は、DPD信号処理部20で非線形歪み補償処理がなされた後、アップコンバータ部で無線送信機の運用周波数までアップコンバートされ、増幅部アンプで増幅され、アンテナから出される無線送信信号となるが、その無線送信信号の一部は分配部の方向性結合器12より分配され、ダウンコンバータ部3に入力される。ダウンコンバータ部3ではシンセサイザ部4のVCO回路5による局部発振信号により、IF帯の信号にダウンコンバートされる。
その後、イコライザ9で周波数特性が補正され、IFフィルタ10を通り、A/Dコンバータ11でA/D変換されて、DPD信号処理部20に、非線形歪み検出データとして入力される。DPD信号処理部20では所定のDPD非線形歪み補償処理が行われ、増幅部のメインアンプ13で発生した歪みが抑えられた信号が出力される。
ここで行われる、DPD非線形歪み補償処理の具体的な方法としては、例えば、特許文献2記載のべき級数モデルによる前置歪み処理方法などが考えられる。
次に、周波数特性偏差調整モードの場合の本実施例の動作について説明する。無線送信機において、モード設定部の設定状態が周波数特性偏差調整モードであることが検知されると、設定されていた無線送信機の周波数開放を行う(図3−S2)。具体的には、分配した無線送信信号をダウンコンバータ部の入力信号として使わない状態にする。すなわち、ミキサ7のLocalポート−IFポート間でシンササイザ部4のVCO回路5の信号が伝わることになる。あるいは、周波数特性偏差調整モードのときに、ミキサをバイパスするスイッチを設けることで、局部発信器の信号がIFポート以降の回路に直接入力されるようにしてもよい。
ダウンコンバータCPU18はシンセサイザ部4のVCO回路5に対して周波数切り替え信号Cを送出する。VCO回路5は、スイッチ25とスイッチ26をコイルL2からコイルL1に切り替え(図3−S3)、ダウンコンバータ部3を通過する希望波及び第3高調波、第5高調波、第7高調波を含む歪み帯域を合わせた110MHz帯域の周波数を発振するようバリキャップダイオードC1の容量を調整し、145MHz〜255MHzをスイープさせてローカル信号Eとして出力する(図3−S4)。ローカル信号Eは、ミキサ7を通りIF信号としてIFアンプ8、イコライザ9、IFフィルタ10を通り、A/Dコンバータ11にてディジタル変換され、DPD信号処理部20にて、信号レベルを算出し、信号レベル情報FとしてCPU18に送出される(図3−S5)。CPU18はあらかじめ判明しているシンセサイザ部4の145MHz〜255MHzの周波数と送出された信号レベル情報Fとの関係をメモリ19に記憶させ並び替えを行い、145MHz〜255MHzでの信号レベルの偏差を算出する(図3−S6)。
Local−IFポート間はアイソレーションで定義される通過減衰量を持つ。本発明の実施例ではLocal−IFポート間の145MHz〜255MHzでの通過減衰量は−30dB程度でフラットな周波数特性が必要となるが、一般的にLocalの使用帯域2340MHzに対し約2GHz離れていれば、その周波数特性はほぼフラットな特性が得られる。
信号レベル情報FによるMax値とMin値の偏差が許容内とされる1dB以下であると判断された場合には、周波数特性は正常であるため(図3−S7のN)、CPU18はVCO回路5の周波数を運用時の局部発振周波数2340MHzになるよう、周波数切り替え信号CにてVCO回路5のスイッチ25とスイッチ26をコイルL2に接続させて周波数設定を行い、モード選択部を通常動作モードに戻して運用を再開する(図3−S9)。
一方、信号レベル情報FによるMax値とMin値の偏差が許容内とされる1dBより大きいと判断された場合(図3−S7のY)には、CPU18で周波数特性の補正演算を行い、イコライザ9により周波数特性を補正する(図3のS8)。
例えば、ダウンコンバータ部3の周波数特性偏差が相対的に右下がり特性の場合、周波数特性の補正演算結果は、図4−(a)のような右上がり特性が算出され、イコライザ9に設定する。一方、ダウンコンバータ部3の周波数特性が右上がり特性の場合は周波数特性の補正演算結果は、図4−(c)のような右下がり特性が算出され、イコライザ9に設定する。以上の補正により、図4−(b)のようなフラットな周波数特性が得られる(図3−S8)。
アップコンバータ部2、ダウンコンバータ部3のミキサに与える発振周波数は同一でなくてもよく、図1では、別としているが、発振周波数を同一にして、共通化してもよい。
実施例2について、図6を用いて詳細に説明する。図6は、実施例2による無線送信機のブロック図である。実施例2は、ダウンコンバータ部の周波数特性の補正後に、さらに、アップコンバータ部の周波数特性の補正を行う無線送信機である。
実施例2の無線送信機1は、実施例1の無線送信機1と比較し、分配器23とイコライザ24を有しており、アップコンバータ部2とダウンコンバータ部3は、シンセサイザ部4からの局部発振信号を、分配器23にて分配し共通で使用している。また、イコライザ24にてアップコンバータ部2の周波数特性の補正を可能としている。
実施例2の動作の説明をする。実施例1の動作と同様に、周波数特性偏差調整モードのとき、ダウンコンバータ部3の周波数補正を実施した後、ダウンコンバータ部のミキサ7とアップコンバータ部のミキサ14に対するVCO回路5の入力をオフする。局部発振信号の入力をオフさせる具体的な方法としては、分配器23とシンセサイザ部4の間にスイッチを設けて、周波数特性偏差調整モードのときに、スイッチをオフするか、あるいは、シンセサイザ部のVCO回路5の局部発振信号を停止させることによってもよい。そして、DPD処理部20から無変調波の送信データ信号Dを生成して送出する。アップコンバータ部2のD/Aコンバータ17からのアナログ信号を、ミキサ14のIFポートからLocalポートへ信号を出力し、分配器23を介して、ミキサ7のLocalポートからIFポートへ出力する。最終的にA/Dコンバータ11にて取り込み、DPD信号処理部20で信号レベルを検出する。
すなわち、無変調波の送信データ信号Dの経路は、DPD信号処理部20、D/A17、IFフィルタ16、イコライザ24、IFアンプ15、ミキサ14のIFポート、ミキサ14のLocalポート、分配器23、ミキサ7のLocalポート、ミキサ7のIFポート、アンプ8、イコライザ9、IFフィルタ10、A/Dコンバータ11、DPD信号処理部20、となっている。
ここで、ミキサ14のIFポート−Localポート間の通過減衰、分配器23における通過減衰、ミキサ7のLocalポート−IFポート間の通過減衰の周波数特性は、ほぼフラットであるため、通常動作モード時の状態から周波数特性が変わってしまうという不都合は発生しない。
以上により、アップコンバータ部2とダウンコンバータ部3の両方に無変調波の送信データ信号Dを通すことになり、145MHz〜255MHzの無変調波をスイープさせて出力させることで、CPU18にてダウンコンバータ部3とアップコンバータ部2を合わせた周波数特性偏差を算出することができる。ダウンコンバータ部3の周波数特性偏差の補正を実施例1の方法で行った後であれば、検出したダウンコンバータ部3とアップコンバータ部2を合わせた周波数特性偏差は、アップコンバータ部2の周波数特性偏差と考えることができるから、周波数特性補正量の演算をCPU18で行った後、イコライザ24にて補正をかけ、ダウンコンバータ部3の次に問題となるアップコンバータ部2のIFフィルタ16等で発生した経年による周波数特性の変化においても、補正が可能となる。
実施例2では、ダウンコンバータ部3も含めて、アップコンバータ部2の周波数特性を補正するので、アップコンバータ部2とダウンコンバータ部3のIF周波数帯を同じにすることが条件となるので、アップコンバータ部2とダウンコンバータ部3のミキサに与える局部発振周波数は同一化する必要があるため、シンセサイザ部を共通化している。
なお、本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。