JP5568333B2 - 画像記録装置 - Google Patents

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本発明は、記録媒体を搬送ベルトで搬送し、その記録媒体に画像記録を行う画像記録装置に関する。
従来からの記録方式である活版印刷やタイプライタ等では、活字を記録媒体に押し当てて印刷を行っている。この記録方式に対して、ノンインパクト記録法と称される記録時の騒音が無視し得る程度に極めて小さい記録方式が台頭している。既に広く普及しているものとして、高速記録が可能であるインクジェット記録方式が知られている。
このインクジェット記録方式は、記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に走査移動させてインク滴を吐出し画像を記録するシリアル型記録ヘッドと、記録媒体の幅以上の記録領域(ノズル列長)を有して固定され、搬送移動される記録媒体にインク滴を吐出して画像を記録するライン型記録ヘッドが知られている。
これらのうち、ライン型記録ヘッドを搭載する画像記録装置は、記録媒体の搬送機構の一構成例として、複数のローラに渡って巻回させた無端状ベルトを回転させて、無端状ベルトに吸着させた記録媒体をライン型記録ヘッドのノズル直前を通過するように搬送している。ライン型記録ヘッドのノズルの前方においては、無端状ベルト下側から支持する平板(プラテン)を配置して、記録媒体とノズルとの距離が正確で且つ一定となるように構成されている。
このような画像記録装置は、記録される画質の高品質化、即ち、画像の微細化が要求され、画像を構成するドットを直接的に作り出すインク滴も少量化が図られている。
特開平5−24186号公報
通常、インク吐出によるカラー画像の記録は、複数色、例えば、C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、BK:ブラックのインク滴の着弾(インクドット)を重ねて、多色記録を行っている。このため、インク滴の着弾位置の位置ずれは、色ズレを発生させて、画質の低下をもたらせている。特に、インクジェット記録装置における着弾精度は、画質に大きく影響するため、インクドットの着弾精度を高めるための種々の技術が数多く提案されている。
着弾精度を向上させる公知例として、例えば、特許文献1には、搬送ベルトの厚さのばらつきに起因する搬送速度変化に対して、搬送ベルトの搬送速度を検知し、リアルタイムで搬送ベルトの駆動速度、あるいはインク吐出タイミング等の画像記録条件を変更又は調整することで良好な記録画像を実現する技術が提案されている。記録媒体を搬送するための搬送手段として、無端状の搬送ベルトを用いた場合、上述したようなベルト厚みばらつきに起因する搬送速度変化以外にも、搬送速度変化が生じている。
その搬送速度変化のうちの1つとして、未使用の搬送ベルトを、製造時に装着又は、交換した後、駆動開始からある一定時間が経過するまでは搬送速度が急激に低下し、ある一定時間を超えると搬送速度が安定する(一定になる)という現象が生じている。
これは、新品の搬送ベルトの裏面側(駆動ローラに巻き付く側の面)には、製造時にできた小さな凹凸が無数に存在しており、搬送ベルトの駆動開始直後は、搬送ベルトが駆動ローラやプラテンとの摺動・接触などにより、その小さな凹凸が削られることで、急激に搬送ベルトの厚みが減ることが搬送速度低下の原因と考えられる。つまり、搬送ベルトの裏面(ローラと接触する側)は、駆動時間が一定時間を経過すると、存在していた小さな凹凸が削り取られて略平らになり、それ以降は、削られにくくなるため、搬送ベルトの厚み変化は、急激に小さくなり、搬送速度が安定すると考えられる。
この厚みの減少は、ベルトの全体の厚みから見れば僅かではあるが、僅かな厚みの減少であっても微小のインク滴の着弾位置には、ずれが発生する。従って、製造時やベルト交換後に、一旦、適正な調整を行ったとしても、ある一定時間の後には、再調整が必要となってしまう。
これを防止するために、未使用の搬送ベルトは、装着する画像記録装置の搬送機構と同じ構成の研磨処理用搬送機構に装着して、記録動作を行うと同等の負荷を掛けた状態で、予め定めた一定時間の回転動作を行い、厚み変化が少なくなるまで研磨処理を行っている。ここで、搬送ベルトにおける製造誤差が予め定めた範囲内であるものとして、上述した一定時間というのは、個々の搬送ベルトで大きなバラツキがなく、同じ規格の未使用の搬送ベルトであれば、この一定時間は略同じであることを経験的に確認している。同様に、削れにより搬送速度が急激に低下する程度(具合)も、個々の搬送ベルトで大きなバラツキがなく、同じ規格の未使用の搬送ベルトであれば、同じ程度であることも確認している。つまり、未使用の搬送ベルトを装置に装着した後に、画像記録開始からある一定が経過するまでに生じる搬送速度の急激な低下及び、駆動開始から一定時間を超えると搬送速度が安定する(一定になる)ことが経験的なデータとして分かっている。
上述した特許文献1による技術は、常時、搬送ベルトの搬送速度を検知するために、搬送ベルト表面上に一定間隔の複数のマークを付与すると共に、その複数のマークを読み取るための搬送速度測定器を搭載させる必要があるため、高製造コストになっている。
また、未使用の搬送ベルトは、装置に装着又は交換する前に、前述した研磨処理を予め施しておけば、搬送速度測定器を搭載して速度調整を行う必要はないが、搬送ベルトを個々に研磨処理する必要があるため、作業者の多大な手間と時間を掛けることとなる。
そこで本発明は、未使用の搬送ベルトを搬送機構に装着した際に、その搬送ベルトにおける使用開始からの経過時間による搬送速度の変化を補正して、適正な搬送速度により高画像品質な画像を記録でき、且つ安価な構成で実現する画像記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に従う実施形態は、記録媒体を搬送する無端状の搬送ベルトと、 前記搬送ベルトに対向して配置されると共に、前記搬送ベルトの搬送方向に沿って複数のインクジェット記録ヘッドが配置される画像記録手段と、前記搬送ベルトを駆動するための駆動手段と、前記駆動手段により駆動された前記搬送ベルトの駆動時間、前記搬送ベルトの駆動距離、または前記搬送ベルトによって搬送される記録媒体の枚数の少なくともいずれか1つを測定する測定手段と、前記搬送ベルトが駆動されることによる計時変化によって生じるインクの着弾位置ズレを補正するため、前記インクジェット記録ヘッドからのインクの吐出速度を基準値から変更する補正値が格納された補正テーブルと、前記補正テーブルを記憶する記憶手段と、前記測定手段によって測定された測定結果と前記補正テーブルとに基づいて前記記録ヘッドからのインクの吐出速度を変更する制御手段と、を有する画像記録装置を提供する。
本発明によれば、製造時又は交換時に未使用の搬送ベルトを搬送機構に装着した際に、その搬送ベルトにおける摩耗による使用開始からの経過時間による搬送速度の変化を予め定めたタイムテーブルから予測して補正し、適正な搬送速度により高画像品質な画像を記録でき、且つ安価な構成で実現する画像記録装置を提供することができる。
図1は本発明の第1の実施形態を説明するための画像記録装置の要部の概略断面図である。 図2は、画像記録部の各記録ヘッドにおけるヘッドギャップ近傍を側面から見た拡大図である。 図3(a)は、未使用の搬送ベルトを装置の搬送部に装着した直後の断面状態を示し、図3(b)は、予め設定する一定時間(設定時間)以上駆動した後の搬送ベルトの断面状態を示す図である。 図4は、搬送ベルトの駆動時間Tの経過に伴う搬送ベルトの厚さの変化を示したグラフである。 図5は、記録ヘッドのインクの吐出タイミングを補正するための補正テーブルである。 図6は、本実施形態における制御部の構成を示すブロック図である。 図7は、第1の実施形態に係るインク吐出タイミングの制御について説明するためのフローチャートである。 図8は、第2の実施形態に係る画像記録装置の搬送ベルトの速度を補正するための補正テーブルである。 図9は、第2の実施形態に係る搬送ベルトの速度制御について説明するためのフローチャートである。 図10は、第3の実施形態に係る画像記録装置の記録ヘッドのヘッドギャップを補正するための補正テーブルである。 図11は、第3の実施形態に係るヘッドギャップの位置調整について説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態を説明するための画像記録装置の要部の概略断面図である。本実施形態の画像記録装置1は、例えば、インクジェットプリンタであり、主として、記録媒体供給部2、記録媒体搬送部3、記録媒体排出部(排出トレイ)4及び画像記録手段(記録ヘッド)5により構成される。
記録ヘッド5は、搬送方向上流側から記録ヘッド5C、5M、5Y及び5BKの順に配置する。それぞれの記録ヘッド5のノズルより記録領域内を通過する記録媒体8にインクを吐出して画像を記録する。
各記録ヘッド5は、制御部10に含まれる後述する記録ヘッドドライバからのドライブ信号によって個別に駆動制御されて、インクを吐出する。搬送方向上流側に配置される給紙トレイ11に装填された複数の記録媒体8は、必要に応じて、ピックアップローラ12により順次1枚ずつ取り出されて、レジストローラ対9を通じて、記録媒体搬送部3の搬送ベルト6に受け渡される。
記録媒体搬送部3は、搬送ベルト6、搬送ローラ7a,7b及び駆動手段(駆動機構13及び駆動モータ)とで構成される。搬送ベルト6は、心材を含む多層構造で、多数の小径孔が開口された無端形状に形成され、少なくとも2本の搬送ローラ7a,7bに掛け回されている。搬送ローラ7bは、図示しないモータドライバからのドライブ信号によって駆動する駆動手段(駆動機構及び駆動モータ)13が連結されて回転され、搬送ベルト6を図中の矢印X方向に回転する。
さらに、搬送ベルト6下側から支持するプラテン(平板)14が設けられている。プラテン14には、多数の孔が開口され、下側には負圧を発生させるためのファン15が設けられている。このファン15の負圧により、記録媒体8が搬送ベルト6に吸着されて搬送される。記録媒体8は、各記録ヘッド5C、5M、5Y、5BKの下を通過する際に、吐出されたインク滴が着弾して画像記録された後、排出トレイ4に排出される。
図2は、画像記録部5の各記録ヘッド5C、5M、5Y及び5BKにおけるヘッドギャップ近傍を側面から見た拡大図である。図3(a)は、未使用の搬送ベルト6を装置の搬送部に装着した直後の断面状態を示し、図3(b)は、予め設定する一定時間(設定時間)以上駆動した後の搬送ベルト6の断面状態を示す図である。
本実施形態では、一定時間として、例えば、25時間を設定した。尚、本実施形態における、一定時間は、未使用の搬送ベルト6を実際の画像記録装置(又は同等)に装着し、記録媒体を搬送させる負荷を掛けた状態で駆動し、駆動開始からの搬送速度の急激な低下が緩和されて、搬送速度が略一定に至までの実測時間(以下、駆動時間と称する)とする。従って、同じ搬送機構を持つ画像記録装置と同じ搬送ベルトであれば、一定時間は同じ時間となる。一方、画像記録装置の種別及び搬送ベルトの材質等の違いにより異なる一定時間である。このような場合には、記録媒体を搬送する負荷を掛けて実測することが好ましい。尚、本実施形態で採用した搬送ベルトにおいては、前述したように、製造誤差が許容範囲内であり、同じ規格の未使用の搬送ベルトであれば、一定時間は、個々の搬送ベルトで大きなバラツキがなく、一定時間は略同じであることを経験的に確認している。同様に、削れにより搬送速度が急激に低下する程度(具合)も、個々の搬送ベルトで大きなバラツキがなく、同じ規格の未使用の搬送ベルトであれば、同じ程度であることも確認している。
図3(a)において、装着又は交換された未使用の搬送ベルト6は、厚さをt0(mm)とすると、その厚さt0(mm)に基づいて、各記録ヘッド5C、5M、5Y及び5BKに対して、予め定められたヘッドギャップh0(mm)となるように設定される。
このような位置関係で配設された記録ヘッド5C、5M、5Y及び5BKは、画像品質を高めるために、記録ヘッドドライバには、ヘッドギャップh0(mm)に見合ったインク吐出タイミングが設定され、そのインク吐出タイミングに基づいて、各記録ヘッド5が駆動即ち、インクが吐出される。
搬送ベルト6が駆動されると、搬送ベルト6の裏面側は、搬送ローラ7a,7bとの周着、さらにはプラテン14との摺動により摩耗し、徐々にその厚みが薄くなる。特に、未使用の搬送ベルト6の裏面上に存在していた凹凸のうちの、凸部分はいち早く摩耗し、前述した一定時間が経過した後には、図3(b)に示すように、搬送ベルト6の厚みは、t0(mm)よりも薄いt1(mm)になる。搬送ローラ7a,7bの高さ位置や記録ヘッド5の高さ位置は、変わらないことから、搬送ベルト6の厚みが薄くなることはヘッドギャップh1(mm)が増加することに繋がる。
搬送ベルト6を一定時間駆動することにより、そのベルト厚みがt0(mm)からt1(mm)(t1<t0、t1=t0−L)に変位することに伴い、ヘッドギャップはh0(mm)からh1(mm)(h1>h0、h1=h0+L)に変位する。
この変位により、インク滴の飛翔距離が長くなり、各記録ヘッド1C、1M、1Y、1BKから吐出されるインクの着弾位置は、所望の位置に対して記録媒体8の搬送方向で上流側になる、即ち、同じ搬送速度で搬送ベルト6を回転させているにも拘わらず、想定着弾時間よりも遅れが発生することとなる。このため、搬送ベルト8の摩耗終了後には、各記録ヘッド5(5C、5M、5Y、5BK)のインク吐出タイミングを早める補正を行う必要が生じる。尚、これは未使用の搬送ベルト6を基準にして、インク吐出タイミングを補正した場合である。
実際には、一定時間経過後、即ち摩耗された後の搬送ベルトが本来の搬送ベルトであると考える。以下に説明する実施形態におけるインク吐出タイミングの規定は、未使用時を基準とするのではなく、摩耗完了後である一定時間経過後を基準としている。つまり、使用開始から一定時間未満の期間では、インク吐出タイミングを遅くする補正(吐出補正値)を行っている。
上述したように搬送ベルト6は、駆動時間と共に、表面の凹凸が摩耗され、凸部分が削れるまでは急激に厚みが薄くなるが、凸部分が一様に削れた後は、厚みの変化は小さくなる。さらに、駆動時間が一定時間を経過して、搬送ベルト6の裏面が平らになってしまうと厚みの変化はほとんどなくなる。このため、インク吐出タイミングは、厚みの変化が生じている期間と、一定時間経過した後の厚みの変化がほとんどない期間とに対応した少なくとも2種類用意することが好ましい。
図4は、搬送ベルト6の駆動時間T(分)の経過に伴う搬送ベルト6の厚さt(mm)の変化を示したグラフである。搬送ベルト6の厚さt(mm)は、その駆動時間の経過と共に薄くなり、一定の時間T’(分)を経過すると、その厚さt(mm)はほとんど変化しなくなり、各記録ヘッド5と、記録媒体8との距離h(mm)は一定となり、T’(分)以降インク吐出タイミングを早める必要が無くなる。図4では、一定時間T’(分)以降における搬送ベルト厚みの変化がほとんどなくなる際の搬送ベルト厚みt1(mm)を基準(吐出補正値0)として示している。
図5は、搬送ベルト6の積算駆動時間毎に、各記録ヘッド5のインクの吐出タイミングを補正すべき時間を図4に示した特性から求めた補正テーブルである。ここで、ベルト駆動時間(T:分)は、図4から求めた数値であり、最大1500分であり、これらを100分毎に区分している。搬送ベルト6の厚さ(t:mm)は、図4から求めた数値である。計算ヘッドギャップ(h:mm)は、ベルトの厚さから換算した値である。吐出補正値(ΔT)は、記録ヘッドのインク吐出タイミングを補正するための補正パラメータである。
この補正テーブルにおいて、一定時間T’(分)を1500分(25時間)に設定し、その一定時間T’(分)以降のベルト厚みの変化がほとんどない状態となる。本実施形態では、一定時間T’(分)以降のヘッドギャップh(=2.6)(mm)を基準にして、インク吐出タイミングが設定されている。つまり、搬送ベルト6の使用開始時が最大補正値となり、図4に示すベルトの厚さの減少特性に従い徐々に減算され、一定時間T’以降の吐出補正値は、0とする。
このため、インク吐出タイミングの補正を行うのは、搬送ベルトの駆動時間が1500分未満の期間であって、例えば、駆動時間100分毎に、インク吐出タイミングの吐出補正値ΔT(−0.1→0秒)を設定している。この吐出補正値ΔT(秒)は、マイナス側の数値であれば、インク吐出タイミングが基準値よりも遅くなり、また数値(絶対値)が大きいほど、インク吐出タイミングを遅らせる程度が大きくなる。つまり、インク吐出タイミングがより遅くなる。尚、本実施形態では設定されないが、吐出補正値ΔT(秒)は、プラス側の数値であれば、インク吐出タイミングが基準値よりも早くなる。
図6は、本実施形態における制御部の構成を示すブロック図である。
制御部10は、判断手段となるプロセッサ(CPU)21と、モータドライバ22と、記録ヘッドドライバ23と、読み出し専用メモリ(ROM)24と、読み出し書き込み自在のメモリ(RAM)25と、測定手段(カウンタ)26とで構成され、これらはバス(回路配線)27によりそれぞれに接続されている。
制御部10は、吐出補正値ΔTを用いたインク吐出タイミングの補正を実施する画像記録モードの設定と、この設定を解除する制御を行う。CPU21は、前述したインク吐出タイミング補正を行う画像記録モードの設定及び解除のための判断処理を含め、各構成部位の全体的な制御を行う。モータドライバ22は、CPU21の指示に基づき、図示しない搬送機構のモータを駆動させる。この結果、搬送ローラ7bが回転駆動され、搬送ベルト6を駆動させることができる。記録ヘッドドライバ23は、CPU21の指示に基づき、各記録ヘッド5に対する吐出信号を生成してそれぞれに供給する。ROM24には、各種処理のプログラムと共に、図5において説明した補正テーブルが構築されている。
また、RAM25には、搬送ベルト6の駆動時間(カウンタによるカウント値)が格納される。カウンタ26は、搬送ローラ7bが回転する駆動時間をカウントする。そのカウント値は、CPU21によってRAM25に格納される。
図7に示すフローチャートを参照して、第1の実施形態に係るインク吐出タイミングの制御について説明する。
まず、外部の機器より、記録ジョブと画像データとが制御部10に入力される(ステップS1)。制御部は、この記録ジョブの実行に伴い(YES)、記録媒体搬送部3における予め格納されている搬送ユニット_シリアル番号をRAM25より読み出して(ステップS2)、シリアル番号の変更の有無を確認する(ステップS3)。このシリアル番号の変更は、これまでの搬送ベルト6が交換された場合には、カウント値即ち、搬送ベルト6の駆動時間が継続されないため、搬送ベルト6が交換された場合には、変更有り(NO)となり、RAM25に記憶されているカウント値をリセットする(ステップS4)。一方、シリアル番号の変更が無ければ(YES)、カウント値を保持し、図5に示した補正テーブルを使用するか否か、即ち、フラグi=0か否かを判定する(ステップS5)。
補正テーブルを使用するか否かは、前述したように補正テーブルにおいて、カウント値が、設定されている一定時間の1500分を越えているか否かの判定である。この判定で、フラグi=0の時は、カウント値T<1500とし、i=1の時は、カウント値T≧1500とする。
ステップS5の判定で、既にカウント値i=1であり、搬送ベルト6が1500分以上駆動している場合は(NO)、図5に示した補正テーブルは使用しないものと判定される。まず、駆動モータが起動して(ステップS6)、インク吐出タイミングを基準値に設定する(ステップS7)。搬送ベルトが一定回転となった後、供給されて記録ヘッドのノズル前方を通過する記録媒体8に、基準値のインク吐出タイミングでインクを吐出して画像を記録する(ステップS8)。
一方、ステップS6の判定で、カウント値i=0であった場合(YES)、搬送ベルト6は、駆動時間がまだ1500分未満であり、図5に示した補正テーブルを使用すると判定される。まず、駆動モータを起動して、搬送ベルト6が回転されると共に、カウンタ26によるカウントが開始され(ステップS9)、カウントされた値(ベルト駆動時間に相当)は、RAM11に随時記憶される。また、既にRAM11にカウント値が記憶されている場合には、そのカウント値に引き続き加算する。
次に、最新のカウント値をRAM25から読み出し(ステップS10)、カウント値T<1500分か否かを確認する(ステップS11)。ここで、カウント値T<1500分ではない(NO)、即ち、カウント値T≧1500分であれば、カウント値i=1に設定して(ステップS13)、ステップS7に移行して、基準値のインク吐出タイミングによる画像記録を行う。しかし、カウント値T<1500分であれば(YES)、ステップS10で読み出した最新のカウント値Tに対応する吐出補正値ΔTをタイムテーブルより求める(ステップS12)。
次に、インク吐出タイミングを吐出補正値ΔTで補正を行い(ステップS14)、補正後のインク吐出タイミングでインクを吐出して画像を記録媒体8に記録する。この記録後に引き続く記録ジョブが終了か否かを判定し(ステップS16)、記録ジョブがあれば、終了せずに(NO)、ステップS10に戻り、記録ジョブを継続する。一方、記録ジョブが終了するのであれば(YES)、最後に画像記録処理を行った記録媒体8の排出が完了した後、駆動モータを停止し、最終のカウント値をRAM25に記憶させた後、カウンタ26のカウント値をリセットし(ステップS17)、一連の記録作業を終了する。
以上説明したように、本実施形態では、製作時又は交換時に、未使用の搬送ベルトが搬送機構に取りつけられた際に、予め定めた一定時間以内においては、その時の駆動時間(使用開始からの積算駆動時間)を予め作成したタイムテーブルに照らし合わせて求めた吐出補正値ΔTによりインク吐出タイミング(基準値)を補正することができる。
従って、補正されたインク吐出タイミングによりインクを吐出することにより、搬送ベルトの摩耗によるタイミングずれを排除して、適正な着弾位置にインクを吐出させることができ、高品質な画像を記録媒体に記録させることができる。また、一定時間に達するまでの駆動時間を複数に区分して、その区分された駆動時間毎に吐出補正値ΔTを見直すことにより、より正確な補正を実施することができる。ユーザによる操作無しで、プログラムに沿って予め設定された時間間隔毎にインク吐出タイミングが補正されるため、手間が掛からず、容易に補正が実行される。
次に、第1の実施形態の第1の変形例について説明する。
前述した第1の実施形態では、搬送ベルト6の積算駆動時間に対して、一定時間を設定して、インク吐出タイミングの補正を行う画像記録モードの設定又は解除を判断していた。これ以外においても判断基準として、搬送ベルトの一周のベルト長×回転数、又は、搬送ローラ7bの円周距離×回転数から搬送ベルト6の駆動距離を算出することができる。回転数は、搬送ベルト表面上に1つのマークやベルト自体に孔やスリット等を設けて、光学的に読み取ってもよいし、搬送ローラ7bにエンコーダ等を設けて読み取ってもよい。読み取られたカウント値(回転数)は、CPU21によってRAM25に格納される。
また、これらは搬送ベルトや搬送ローラ7bから直接算出しなくとも、搬送ベルトの駆動速度(m/秒)から算出してもよい。例えば、1分間にA4タイプ(縦長を略30cmとする)で100枚の記録媒体を画像記録できると仮定したならば、第1の実施形態における一定時間の1500分であれば、駆動距離45kmとなる。
これらの搬送ベルトの駆動距離を複数の区間距離に分割して、図5に示した補正テーブルにおけるベルト駆動時間(T)と置き換えればよい。
以上の第1の変形例によれば、前述した第1の実施形態が得られる作用効果を同等に得ることができる。
次に、第1の実施形態の第2の変形例について説明する。
第2の変形例は、前述した第1の変形例と同様に、搬送ベルト6の積算駆動時間による判断基準に対して、記録媒体の画像記録枚数(搬送枚数又は、通紙枚数)を判断基準として、インク吐出タイミングの補正を行う画像記録モードの設定又は解除を判断する。尚、ユーザが使用した場合には、画像記録装置の表示される画像記録枚数が判断基準となるが、製造時においては、必ずしも記録媒体への画像記録は必要ではなく、実際に搬送ベルト6により搬送されればよいため、搬送枚数又は通紙枚数とする。
例えば、画像記録装置が1分間にA4タイプ(縦長を略30cmとする)で100枚の記録媒体を搬送すると仮定したならば、第1の実施形態における一定時間の1500分であれば、搬送枚数は15万枚となる。この搬送枚数を複数に分割、例えば、1万枚毎に分割して、図5に示した補正テーブルにおけるベルト駆動時間(T)と置き換えればよい。
以上の第2の変形例によれば、前述した第1の実施形態が得られる作用効果を同等に得ることができる。
次に、第2の実施形態に係る画像記録の制御について説明する。
前述した第1の実施形態では、未使用の搬送ベルトの摩耗による厚みの変化に伴い、記録ヘッドに対してインク吐出タイミングを変更する例について説明したが、本実施形態では、搬送ベルトの摩耗による厚みの変化に伴い、搬送ベルト6の回転速度、即ち、記録媒体の搬送速度を変更する例である。
本実施形態の画像記録装置の構成は、前述した第1の実施形態と同等であり、補正テーブルが異なっている。図8は、補正テーブルの一例として、搬送ベルト6の積算された駆動時間(100分)毎に、搬送ベルトの速度を補正する速度補正値(ΔV)を示す図である。ここでは、ベルト駆動時間(T:分)に対する、ベルトの厚さ(t:mm)、計算ヘッドギャップ(h)及び搬送ベルト速度補正値(ΔV)を示している。尚、ベルト駆動時間(T)、ベルトの厚さ(t)及び計算ヘッドギャップ(h)は、前述した第1の実施形態(図5)と同等の搬送ベルトを用いているため、同等の数値となっている。搬送ベルト速度補正値(ΔV)は、搬送ベルトの基準速度に対する速度補正値である。
この補正テーブルにおいて、搬送ベルト駆動時間(T)は、一定時間を1500分(25時間)に設定し、その一定時間以降のベルト厚みの変化がほとんどない状態を基準に設定している。従って、搬送ベルト速度補正値(ΔV)は、1500分以降を0とする。このため、搬送ベルトの速度補正を行うのは、搬送ベルトの駆動時間が1500分未満の期間であって、例えば、駆動時間100分毎に、搬送ベルト速度補正値(ΔV)を設定している。搬送ベルト速度補正値(ΔV)においては、マイナス側の数値であれば、搬送ベルトの回転速度が遅くなり、即ち、記録媒体の搬送速度が遅くなる。これは、前述したインク吐出タイミングが遅くなることと同等である。本実施形態においても、図6に示した制御部10を備えており、この制御部10は、搬送ベルト速度補正値(ΔV)を用いた搬送ベルト速度の補正を実施する画像記録モードの設定と、この設定を解除する制御を行う。
次に、図9に示すフローチャートを参照して、第2の実施形態に係る搬送ベルトの速度制御について説明する。尚、以下のステップ番号において、図7に示したフローチャートのステップ番号と同等の作用においては、同じステップ番号を付して、その説明を簡略化する。
まず、外部の機器から、記録ジョブと画像データとが制御部10に入力されたか否かを判定する(ステップS1)。この記録ジョブが入力された場合には(YES)、図8に示した補正テーブルを使用するか否か、即ち、フラグi=0か否かを判定する(ステップS5)。 補正テーブルを使用するか否かは、設定されている一定時間の1500分を越えているか否かの判定であり、フラグi=0をカウント値T<1500とし、i=1をカウント値T≧1500とする。
ステップS5の判定で、既にカウント値i=1であった場合(NO)、搬送ベルト6が1500分以上駆動しているため、補正テーブルは使用しないと判定される。まず、駆動モータが起動して(ステップS6)、搬送ベルト6の搬送速度を基準値に設定する(ステップS21)。その後、基準速度で搬送される記録媒体8にインクを吐出して画像を記録する(ステップS22)。尚、搬送速度を基準値に設定した後、駆動モータが起動してもよい。
一方、ステップS5の判定で、カウント値i=0であった場合(YES)、搬送ベルト6は、駆動時間がまだ1500分未満であり、図8に示した補正テーブルを使用すると判定される。まず、駆動モータを起動して、搬送ベルト6が回転されると共に、カウンタ26によるカウントが開始され(ステップS9)、カウントされた値(ベルト駆動時間に相当)は、RAM11に随時記憶される。また、既にRAM11にカウント値が記憶されている場合には、そのカウント値に引き続き加算する。
次に、最新のカウント値をRAM25から読み出し(ステップS10)、カウント値T<1500分か否かを確認する(ステップS11)。ここで、カウント値T<1500分ではない(NO)、即ち、カウント値T≧1500分であれば、カウント値i=1に設定して(ステップS13)、ステップS21に移行して、基準値の搬送ベルト速度において画像記録を行う。しかし、カウント値T<1500分であれば(YES)、ステップS10で読み出した最新のカウント値Tに対応する搬送ベルト速度補正値(ΔV)を補正テーブルより求める(ステップS23)。
次に、搬送ベルトの速度を搬送ベルト速度補正値(ΔV)で補正を行い(ステップS24)、補正後の搬送ベルト速度で搬送される記録媒体8にインクを吐出し画像を記録する(ステップS25)。この記録後に引き続く記録ジョブが終了か否かを判定し(ステップS16)、記録ジョブがあれば、終了せずに(NO)、ステップS10に戻り、記録ジョブを継続する。一方、記録ジョブが終了するのであれば(YES)、最後に画像記録処理を行った記録媒体8の排出が完了した後、駆動モータを停止し、最終のカウント値をRAM25に記憶させた後、カウンタ26のカウント値をリセットし(ステップS17)、一連の記録作業を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、製作時又は交換時に、未使用の搬送ベルトが搬送機構に取りつけられた際に、予め定めた一定時間以内においては、その時の駆動時間(使用開始からの積算駆動時間)を予め作成した補正テーブルに照らし合わせて求めた搬送ベルト速度補正値(ΔV)により搬送ベルトの搬送速度(基準値)を補正して、インク滴を適正な位置に着弾されることができる。
従って、搬送ベルトの摩耗に応じて、搬送ベルトの搬送速度を補正することで、その摩耗による着弾位置ずれを排除して、適正な着弾位置にインクを吐出させることができ、高品質な画像を記録媒体に記録させることができる。また、一定時間に達するまでの駆動時間を複数に区分して、その区分された駆動時間毎に搬送ベルト速度補正値(ΔV)を見直すことにより、より正確な補正を実施することができる。ユーザによる操作無しで、プログラムに沿って予め設定された時間間隔毎に搬送ベルト速度が補正されるため、手間が掛からず、容易に補正が実行される。
尚、この第2の実施形態においても、前述した第1の実施形態の第1及び第2の変形例を同様に適用できる。即ち、補正テーブルにおける搬送ベルトの駆動時間を、搬送ベルト6の駆動距離又は、記録媒体の搬送枚数に置き換えることができる。これらの変形例においても、本実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
次に、第3の実施形態に係る画像記録の制御について説明する。
前述した第1、第2の実施形態では、記録ヘッドに対するインク吐出タイミングを調整する例と、搬送ベルトの搬送速度を調整する例について説明したが、本実施形態では、搬送ベルトの摩耗による厚みの変化に伴い、ヘッドギャップhを調整して一定に保つ例である。本実施形態の画像記録装置の構成は、前述した第1の実施形態と同等であり、補正テーブルが異なっている。
図10は、補正テーブルの一例として、搬送ベルト6の積算された駆動時間(100分)毎に、記録ヘッドのヘッドギャップ(ノズル面と記録媒体間の距離)を補正するギャップ補正値(ΔH)を示す補正テーブルである。ここでは、ベルト駆動時間(T:分)に対する、ベルトの厚さ(t:mm)、計算ヘッドギャップ(h)及びギャップ補正値(ΔH)を示している。尚、ベルト駆動時間(T)、ベルトの厚さ(t)及び計算ヘッドギャップ(h)は、前述した第1の実施形態(図5)と同等の搬送ベルトを用いているため、同等の数値となっている。ギャップ補正値(ΔH)は、基準位置にある記録ヘッド5のヘッドギャップに対する補正値である。本実施形態においても、図6に示した制御部10を備えており、この制御部10は、ギャップ補正値(ΔH)を用いたヘッドギャップの補正を実施する画像記録モードの設定と、この設定を解除する制御を行う。
本実施形態における記録ヘッド5のヘッドギャップの調整は、図示しない昇降機構により、図1に示す記録媒体搬送部3(搬送ベルト6、搬送ローラ7a,7b、プラテン14及びファン15等:搬送手段)を図示しない昇降機構により昇降させることで行う。
この補正テーブルにおいて、搬送ベルトの駆動時間(T)は、一定時間を1500分(25時間)に設定し、その一定時間以降のベルト厚みの変化がほとんどない状態を基準に設定している。従って、ギャップ補正値(ΔH)は、1500分以降を0とする。このため、ヘッドギャップの位置補正を行うのは、搬送ベルトの駆動時間が1500分未満の期間であって、例えば、駆動時間100分毎に、ギャップ補正値(ΔH)が−1から0に向かって増加するように設定している。ギャップ補正値(ΔH)においては、マイナス側の数値であれば、ヘッドギャップ即ち、記録ヘッド5のノズル面と搬送ベルト6までの距離を長く取る。これは、インク吐出タイミングが遅くなること又は、記録媒体の搬送速度が遅くなることと同等である。搬送ベルトの駆動時間が1500分に近づくに従い、ギャップ補正値(ΔH)を0に近づけることにより、ヘッドギャップを徐々に短くする。
次に、図11に示すフローチャートを参照して、第3の実施形態に係るヘッドギャップの位置調整について説明する。尚、以下のステップ番号において、図7に示したフローチャートのステップ番号と同等の作用においては、同じステップ番号を付して、その説明を簡略化する。
まず、記録ジョブと画像データとが制御部10に入力されたか否かを判定する(ステップS1)。この記録ジョブが入力された場合には(YES)、図10に示した補正テーブルを使用するか否か、即ち、フラグi=0か否かを判定する(ステップS5)。補正テーブルを使用するか否かは、設定されている一定時間の1500分を越えているか否かの判定であり、フラグi=0をカウント値T<1500とし、i=1をカウント値T≧1500とする。
ステップS5の判定で、既にカウント値i=1であった場合(NO)、搬送ベルト6が1500分以上駆動しているため、補正テーブルは使用しないと判定される。まず、駆動モータが起動して(ステップS6)、ヘッドギャップを基準値に設定する(ステップS31)。その後、基準のヘッドギャップにおいて、搬送される記録媒体8にインクを吐出して画像を記録する(ステップS32)。尚、ヘッドギャップを基準値に設定した後、駆動モータが起動してもよい。
一方、ステップS5の判定で、カウント値i=0であった場合(YES)、搬送ベルト6は、駆動時間がまだ1500分未満であり、図10に示した補正テーブルを使用すると判定される。まず、駆動モータを起動して、搬送ベルト6が回転されると共に、カウンタ26によるカウントが開始され(ステップS9)、カウントされた値(ベルト駆動時間に相当)は、RAM11に随時記憶される。また、既にRAM11にカウント値が記憶されている場合には、そのカウント値に引き続き加算する。
次に、最新のカウント値をRAM25から読み出し(ステップS10)、カウント値T<1500分か否かを確認する(ステップS11)。ここで、カウント値T<1500分ではない(NO)、即ち、カウント値T≧1500分であれば、カウント値i=1に設定して(ステップS13)、ステップS31に移行して、基準値のヘッドギャップにおいて画像記録を行う。しかし、カウント値T<1500分であれば(YES)、ステップS10で読み出した最新のカウント値Tに対応するギャップ補正値(ΔH)を補正テーブルより求める(ステップS33)。
次に、ヘッドギャップをギャップ補正値(ΔH)で補正を行い(ステップS34)、補正後のヘッドギャップで搬送される記録媒体8にインクを吐出し画像を記録する(ステップS35)。この記録後に引き続く記録ジョブが終了か否かを判定し(ステップS16)、記録ジョブがあれば、終了せずに(NO)、ステップS10に戻り、記録ジョブを継続する。一方、記録ジョブが終了するのであれば(YES)、最後に画像記録処理を行った記録媒体8の排出が完了した後、駆動モータを停止し、最終のカウント値をRAM25に記憶させた後、カウンタ26のカウント値をリセットし(ステップS17)、一連の記録作業を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、製作時又は交換時に、未使用の搬送ベルトが搬送機構に取りつけられた際に、予め定めた一定時間以内においては、その時の駆動時間(使用開始からの積算駆動時間)を予め作成した補正テーブルに照らし合わせて求めた、ギャップ補正値(ΔH)によりヘッドギャップを補正して、インク滴を適正な位置に着弾されることができる。
従って、搬送ベルトの摩耗に応じて、ヘッドギャップを補正することで、その摩耗による着弾位置ずれを排除して、適正な着弾位置にインクを吐出させることができ、高品質な画像を記録媒体に記録させることができる。また、一定時間に達するまでの駆動時間を複数に区分して、その区分された駆動時間毎にギャップ補正値(ΔH)を見直すことにより、より正確な補正を実施することができる。ユーザによる操作無しで、プログラムに沿って予め設定された時間間隔毎にヘッドギャップが補正されるため、手間が掛からず、容易に補正が実行される。
尚、この第3の実施形態においても、前述した第1の実施形態の第1及び第2の変形例を同様に適用できる。即ち、補正テーブルにおける搬送ベルトの駆動時間を、搬送ベルト6の駆動距離又は、記録媒体の搬送枚数に置き換えることができる。これらの変形例においても、本実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
以上説明したように、第1乃至第3の各実施形態によれば、画像記録装置において、記録媒体を搬送する未使用の搬送ベルトの状態(厚さ)の変化に基づいて、画像記録装置の画像記録条件を搬送状態の変化の割合が補填されるように変更する補正テーブルを用いた制御を行うことにより、画像が記録媒体の搬送方向に片変倍したり、複数の色を順次重ねて、カラー画像を得る場合においても、画像が記録媒体の搬送方向に片変倍したり色ずれを生じることなく、良好な画像を得ることができる。
また、前述した各実施形態において、補正テーブルに格納される補正パラメータは、搬送ベルトの摩耗による搬送状態の変化に対して、インク吐出タイミング、搬送ベルトの搬送速度(記録媒体の搬送速度)又は、記録ヘッドと搬送ベルト間のヘッドギャップを変更する補正値であったが、これら以外にも、インク吐出速度を変更する補正値でもよい。さらに、ヘッドギャップを変更するために、記録媒体搬送部3を昇降させたが、他にも、記録ヘッドの位置を昇降させてもよい。これらの補正パラメータは、組み合わせ又は、これらのうちの少なくとも1つを用いて搬送状態の変化を補正することにより、位置ずれや色ずれのない高品質の画像を記録することができる。
以上説明した各実施形態は、以下の本発明の要旨を含んでいる。
(1)記録媒体の搬送に用いられた駆動時間が予め定めた一定時間に達するまでの摩耗のよる厚さ変化を伴い、前記一定時間以上で厚さ変化の減少により搬送状態が安定する無端状の搬送ベルトと、前記搬送ベルトを駆動するための駆動手段を有する搬送手段と、
前記搬送ベルトに対向して配置されると共に、該搬送ベルトの搬送方向に沿って配置される複数の画像記録部を有する画像記録手段と、
前記駆動手段による前記搬送ベルトの駆動時間、該搬送ベルトの駆動距離及び、前記記録媒体の搬送枚数のうちの少なくとも1つを測定する測定手段と、
前記測定手段による測定結果が予め定めた値未満か否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって判断された測定結果が前記予め定めた値未満の場合には、前記搬送ベルトの厚さ変化により発生する搬送状態の変化を補正するための補正値にて、画像記録タイミングを変更する画像記録モードを設定し、前記測定された駆動時間が前記一定時間以上の場合には、前記画像記録モードの適用を解除する制御手段と、
を有することを特徴とする画像記録装置。
(2)前記(1)項において、前記画像記録モードは、インク吐出タイミング又はインク吐出速度を変更する補正値により画像記録タイミングを変更する。
(3)前記(1)項において、前記画像記録モードは、前記搬送手段の高さ位置又は前記画像記録手段の高さ位置を変更する補正値により前記画像記録手段と前記搬送ベルトとのヘッドギャップを変更する。
(4)前記(1)項において、前記画像記録モードは、前記搬送ベルトの搬送速度を変更する補正値により画像記録タイミングを変更する。
1…画像記録装置、2…記録媒体供給部、3…記録媒体搬送部、4…記録媒体排出部(排出トレイ)、5…画像記録手段(記録ヘッド)、5C,5M,5Y,5BK…記録ヘッド、6…搬送ベルト、7a,7b…搬送ローラ、8…記録媒体、9…レジストローラ対、10…制御部、11…給紙トレイ、12…ピックアップローラ、13…駆動手段(駆動機構:駆動モータ)、14…プラテン、15…ファン、21…プロセッサ(CPU)、22…モータドライバ、23…記録ヘッドドライバ、24…読み出し専用メモリ(ROM)、25…読み出し書き込み自在のメモリ(RAM)、26…カウンタ(測定手段)、27…バス(回路配線)。

Claims (2)

  1. 記録媒体を搬送する無端状の搬送ベルトと、
    前記搬送ベルトに対向して配置されると共に、前記搬送ベルトの搬送方向に沿って複数のインクジェット記録ヘッドが配置される画像記録手段と、
    前記搬送ベルトを駆動するための駆動手段と、
    前記駆動手段により駆動された前記搬送ベルトの駆動時間、前記搬送ベルトの駆動距離、または前記搬送ベルトによって搬送される記録媒体の枚数の少なくともいずれか1つを測定する測定手段と、
    前記搬送ベルトが駆動されることによる計時変化によって生じるインクの着弾位置ズレを補正するため、前記インクジェット記録ヘッドからのインクの吐出速度を基準値から変更する補正値が格納された補正テーブルと、
    前記補正テーブルを記憶する記憶手段と、
    前記測定手段によって測定された測定結果と前記補正テーブルとに基づいて前記記録ヘッドからのインクの吐出速度を変更する制御手段と、
    を有することを特徴とする画像記録装置。
  2. 記録媒体を搬送する無端状の搬送ベルトと、
    前記搬送ベルトに対向して配置されると共に、前記搬送ベルトの搬送方向に沿って複数のインクジェット記録ヘッドが配置される画像記録手段と、
    前記搬送ベルトを駆動するための駆動手段と、
    前記搬送ベルト又は、前記画像記録手段のいずれか一方を昇降移動させる昇降機構と、
    前記駆動手段により駆動された前記搬送ベルトの駆動時間、前記搬送ベルトの駆動距離、または前記搬送ベルトによって搬送される記録媒体の枚数の少なくともいずれか1つを測定する測定手段と、
    前記搬送ベルトが駆動されることによる計時変化によって生じるインクの着弾位置ズレを補正するため、前記搬送ベルトと前記画像記録手段との間隔を基準値から変更する補正値が格納された補正テーブルと、
    前記補正テーブルを記憶する記憶手段と、
    前記測定手段によって測定された測定結果と前記補正テーブルとに基づいて、前記昇降機構を制御し、前記搬送ベルトと前記画像記録手段との間隔を変更する制御手段と、
    を有することを特徴とする画像記録装置。
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