JP5567774B2 - 摩擦対 - Google Patents

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Description

本発明は、摩擦力変動を抑制できる摩擦対に関する。
従来、自動車や工作機等のクラッチ用又はブレーキ用摺材として用いられる摩擦材は、その結合剤としてフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を用いていたが、当該熱硬化性樹脂は摩擦時に分解・溶融を起こすことがあり、分解した材料が低分子となって、摩擦材のノイズ・振動特性に悪影響を及ぼしていた。
そのような性質を有する熱硬化性樹脂に替わって、ポリイミド樹脂を用いた摩擦材の技術が、これまでに開示されている。
特許文献1は、芳香族ポリイミド樹脂を有するポリイミド系組成物を、加熱圧縮成形することによって得られたポリイミド系摩擦材に関する技術を開示している。
特公平5−62916号公報
特許文献1で開示されたようなポリイミド樹脂を用いた摩擦材は、耐熱性には優れるものの、高負荷での制動中には樹脂の分解温度を超えて使用される場合があり、分解の際に発生する低分子ガスによってブレーキパッド等が一時的に押し戻されることにより、摩擦係数が低下する、いわゆるフェード現象を生ずる場合がある。また、特許文献1で開示されたポリイミド系組成物は、具体的には芳香族ポリイミド樹脂粉末に、潤滑剤としても用いられるフッ素樹脂粉末を配合しており、ポリイミド樹脂のフェード現象とフッ素樹脂の摩擦係数の低さにより、フェード時の摩擦係数の低下を抑制することは困難であると考えられる。
本発明は、上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、摩擦力変動を抑制できる摩擦対を提供することを目的とする。
本発明の摩擦対は、摩擦材及び被摩擦材を組み合わせ、当該摩擦材の摩擦面と当該被摩擦材の摩擦面とを当接させる摩擦対であって、前記摩擦材が、弾性率が1GPa以上15GPa以下であり、−50℃以上200℃以下の範囲において、軟化点及びガラス転移点を持たず、且つ、圧縮強度が25℃において50MPa以上であり、200℃において25MPa以上であるポリアミドイミド樹脂結合剤を10〜20体積%アラミド繊維、鉄繊維、ガラス繊維、ナイロン、セルロース、鋼繊維、銅繊維、セラミック繊維、及びロックウールからなる群より選ばれる少なくとも1つの基本材料を25〜35体積%、アラミド、カシューダスト、ゴム粒、カーボン、セラミックファイバー、ZrSiO 、マイカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、銅粉、真鍮粉、酸化鉄、セラミック、黒鉛、及び二硫化モリブデンからなる群より選ばれる少なくとも1つの充填材を55体積%、それぞれ含有し、かつ、熱成形後の、周波数0.1Hz以上20Hz以下、−50℃以上250℃以下の範囲における動的粘弾性測定で得られる、前記摩擦材の損失正接tanδの最大値tanδ(Max)とtanδの最小値tanδ(Min)の関係が、
tanδ(Max)/tanδ(Min)≦5 式(1)
であり、かつ、前記被摩擦材が鋳鉄からなることを特徴とする。
このような構成の摩擦対は、前記式(1)に示されるように、損失正接tanδの周波数依存性が低い前記摩擦材を有することにより、前記摩擦材の前記摩擦面の、前記被摩擦材の前記摩擦面に対する追従性が高く、したがって、摩擦力発生初期の振動発生を抑制することができる。また本発明の摩擦対は、前記摩擦材が適切な弾性率を有するポリアミドイミド樹脂結合剤を有していることにより、前記摩擦材が摩擦によって生じる微小領域での摩擦力変動を吸収することができ、摩擦力発生初期の振動発生を抑制することができる。さらに本発明の摩擦対は、前記摩擦材が一定の温度範囲において軟化点及びガラス転移点を持たないポリアミドイミド樹脂結合剤を有していることにより、摩擦時において前記摩擦材のポリアミドイミド樹脂結合剤が非晶質状態からゴム状態となることが無く、したがって安定した前記摩擦面を形成することができる。また本発明の摩擦対は、室温において適度な圧縮強度を有し、且つ200℃においても室温における圧縮強度の半分以上の圧縮強度を有するポリアミドイミド樹脂結合剤を有していることにより、摩擦時及び摩擦前後において安定した前記摩擦面を形成することができる。さらに本発明の摩擦対は、必要最低限のポリアミドイミド樹脂結合剤の添加量で摩擦力変動を抑制することができる。また、このような構成の摩擦対は、前記摩擦材が、熱可塑性樹脂であるポリアミドイミド樹脂を結合剤として有することにより、ノイズ・振動を抑制する効果を得ることができる。
本発明の摩擦対の一形態としては、前記摩擦材は、前記被摩擦材と当接する摩擦面の少なくとも一部に、前記ポリアミドイミド樹脂結合剤を有するという構成をとることができる。
本発明の摩擦対は、前記摩擦材の前記摩擦面に対する略垂直方向への振動吸収代が、前記被摩擦材の前記摩擦面の表面粗さ以上であることが好ましい。
このような構成の摩擦対は、前記被摩擦材の前記摩擦面に対する、前記摩擦材の前記摩擦面の略垂直方向の振動を、前記結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方が吸収することによって、前記摩擦材の前記摩擦面の、前記被摩擦材の前記摩擦面への追従性を確保することができる。
本発明の摩擦対は、前記摩擦材の前記摩擦面に対する略平行方向への振動吸収代が、前記摩擦材に略平行方向のせん断力が加わったときにおける前記摩擦材の変形量以上であることが好ましい。
このような構成の摩擦対は、前記被摩擦材の前記摩擦面に対する、前記摩擦材の前記摩擦面の略平行方向の振動を、前記結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方が吸収することによって、前記摩擦材の前記摩擦面の、前記被摩擦材の前記摩擦面への追従性を確保することができる。
本発明の摩擦対は、さらに前記摩擦材が硬質粒子を有する摩擦対であって、前記硬質粒子に対して、前記摩擦面に対する略垂直方向の力が加えられた場合における前記摩擦材の振動吸収代が、前記被摩擦材の前記摩擦面の表面粗さ以上であることが好ましい。
このような構成の摩擦対は、前記被摩擦材の前記摩擦面に対する、前記硬質粒子のために生じる前記摩擦材の前記摩擦面の略垂直方向の振動を、前記結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方が吸収することによって、前記摩擦材の前記摩擦面の、前記被摩擦材の前記摩擦面への追従性を確保することができる。
本発明の摩擦対の一形態は、前記摩擦材及び前記被摩擦材の少なくともいずれか一方の前記摩擦面に凹部が設けられ、当該凹部に、無機材料及び金属材料の少なくともいずれか一方を、前記ポリアミドイミド樹脂結合剤によって被覆した物質を配置するという構成をとることができる。
このような構成の摩擦対は、前記ポリアミドイミド樹脂結合剤が前記無機材料及び/又は金属材料の振動を前記凹部内において吸収することにより、ノイズ・振動の発生を抑制することができる。
本発明によれば、前記式(1)に示されるように、損失正接tanδの周波数依存性が低い前記摩擦材を有することにより、前記摩擦材の前記摩擦面の、前記被摩擦材の前記摩擦面に対する追従性が高く、したがって、摩擦力発生初期の振動発生を抑制することができる。また本発明によれば、前記摩擦材が適切な弾性率を有する結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方を有していることにより、前記摩擦材が摩擦によって生じる微小領域での摩擦力変動を吸収することができ、摩擦力発生初期の振動発生を抑制することができる。さらに本発明によれば、前記摩擦材が一定の温度範囲において軟化点及びガラス転移点を持たない結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方を有していることにより、摩擦時において前記摩擦材の結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方が非晶質状態からゴム状態となることが無く、したがって安定した前記摩擦面を形成することができる。また本発明によれば、室温において適度な圧縮強度を有し、且つ200℃においても室温における圧縮強度の半分以上の圧縮強度を有する結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方を有していることにより、摩擦時及び摩擦前後において安定した前記摩擦面を形成することができる。さらに本発明によれば、必要最低限の結合剤及び充填材の添加量で摩擦力変動を抑制することができる。
本発明の摩擦対は、摩擦材及び被摩擦材を組み合わせ、当該摩擦材の摩擦面と当該被摩擦材の摩擦面とを当接させる摩擦対であって、前記摩擦材が、弾性率が1GPa以上15GPa以下であり、−50℃以上200℃以下の範囲において、軟化点及びガラス転移点を持たず、且つ、圧縮強度が25℃において50MPa以上であり、200℃において25MPa以上である結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方を有し、熱成形後の、周波数0.1Hz以上20Hz以下、−50℃以上250℃以下の範囲における動的粘弾性測定で得られる、前記摩擦材の損失正接tanδの最大値tanδ(Max)とtanδの最小値tanδ(Min)の関係が、
tanδ(Max)/tanδ(Min)≦5 式(1)
であることを特徴とする。
本発明の摩擦対の一形態としては、前記摩擦材は、前記被摩擦材と当接する摩擦面の少なくとも一部に、前記結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方を有するという構成をとることができる。
本発明において、「被摩擦材」という言葉は、摩擦材によって摩擦されるもの、という意味以上の意味は特に有しない。したがって、例えばパッドとローターが一対となった摩擦対の場合、ある時はパッドが「摩擦材」として、ローターが「被摩擦材」として働くこともあれば、ローターが「摩擦材」として、パッドが「被摩擦材」として働くこともあるものとする。
一般的に、摩擦材及び被摩擦材を有する摩擦対においては、摩擦材及び被摩擦材のそれぞれの摩擦面が有する微小な凹凸や、摩擦材の被摩擦材への移着により生じる被摩擦材の摩擦面の凹凸、また、被摩擦材の摩擦面の微小領域における、摩擦材の摩擦面に加わる摩擦力変動等の原因により摩擦面間の面圧変動が生じ、当該変動が摩擦材を振動させ、被摩擦材と共鳴することにより、ノイズ及び振動が発生する。
図5は、摩擦材の摩擦面上の質量球が、被摩擦材の摩擦面の凹凸によって振動する様子を示した断面模式図である。
質量球1は、摩擦材の摩擦面の一部を構成する質量mの球であり、いま、紙面に水平方向に、被摩擦材の摩擦面2上を速度v(=dx/dt)で進むものとする。質量球1としては、例えば、高い摩擦係数を有する材料を想定している。なお、被摩擦材の摩擦面2は、簡便のため、sin波であるとする。
摩擦材が有する結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方の粘弾性は、図中のバネ3及びダッシュポット4を並列につなげた回路によって表す。前記バネ3は結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方が有する弾性を表し、その弾性率はkであるとする。前記ダッシュポット4は結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方が有する粘性を表し、その粘性率はηであるとする。
図5の質量球1について運動方程式を立てると、
Figure 0005567774
となる。F(t)は、質量球1にかかる力を表す。ここで、質量球1の角振動数をωとし、質量球1の変位xをx=αsin(ωt)として式(2)に代入すると、
Figure 0005567774
となる。ここで、
Figure 0005567774
とすると、式(3)は、
Figure 0005567774
となり、三角関数を合成して、
Figure 0005567774
したがって、tanδは、
Figure 0005567774
と導出できる。
特に、高分子の粘弾性評価においては、tanδは、弾性に相当する貯蔵弾性率E’と、粘性に相当する損失弾性率E”との比である、
Figure 0005567774
で表わすことができる。
上述したtanδから求められるδの値が大きいほど、摩擦材の摩擦面の、被摩擦材の摩擦面に対する追従性が悪く、したがって、摩擦材‐被摩擦材間における摩擦力変動が大きくなる。したがって、摩擦面追従性を良くする(すなわちtanδの値を小さくする)ことによって、摩擦力変動を小さく抑えることができ、摩擦対全体のノイズ・振動を抑制することができる。
本発明の摩擦対は、熱成形後の、周波数0.1Hz以上20Hz以下、−50℃以上250℃以下の範囲における動的粘弾性測定で得られる、前記摩擦材の損失正接tanδの最大値tanδ(Max)とtanδの最小値tanδ(Min)の関係が、
tanδ(Max)/tanδ(Min)≦5 式(1)
であることを特徴の1つとする。これは、tanδ(Max)/tanδ(Min)の値が5を超える場合、すなわち損失正接tanδの周波数依存性が高い場合は、上述した摩擦力変動を十分小さく抑えることができないからである。
ここでいう動的粘弾性測定の方法としては、例えば、JIS K7244−10で規格化された測定方法を用いることができる。
なお、tanδ(Max)/tanδ(Min)の値は、2以下であるのが好ましい。
本発明の摩擦対は、摩擦材が、以下の3つの条件を有する結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方を有していることを特徴の1つとする。3つの条件とはすなわち、
1.弾性率が1GPa以上15GPa以下であること。
2.−50℃以上200℃以下の範囲において、軟化点及びガラス転移点を持たないこと。
3.圧縮強度が25℃において50MPa以上であり、200℃において25MPa以上であること。
である。以下、上記3条件について詳細に説明する。
摩擦材中の結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方の弾性率が1GPa以上15GPa以下であることにより、摩擦材が摩擦によって生じる微小領域での摩擦力変動を吸収することができ、摩擦力発生初期の振動発生を抑制することができる。仮に前記弾性率が1GPa未満である場合、摩擦によって生じる微小領域での摩擦力変動を吸収するために必要な弾性を保つことができず、また、仮に前記弾性率が15GPaを超える値である場合、摩擦材の摩擦面の、被摩擦材の摩擦面に対する追従性を保つことができず、摩擦力発生初期の振動発生を抑制することができないからである。
なお、前記弾性率が2GPa以上15GPa以下であることが好ましく、前記弾性率が3GPa以上15GPa以下であることが特に好ましい。
摩擦材中の結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方が、−50℃以上200℃以下の範囲において、軟化点及びガラス転移点を持たないことにより、摩擦時において前記摩擦材の結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方が非晶質状態からゴム状態となることが無く、したがって安定した前記摩擦面を形成することができる。
摩擦材中の結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方の圧縮強度が25℃において50MPa以上であり、200℃において25MPa以上であることにより、室温において適度な圧縮強度を有し、且つ200℃においても室温における圧縮強度の半分以上の圧縮強度を有する結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方を有していることから、摩擦時及び摩擦前後において安定した前記摩擦面を形成することができる。
なお、前記圧縮強度が25℃において100MPa以上であり、200℃において50MPa以上であることが好ましく、前記圧縮強度が25℃において200MPa以上であり、200℃において100MPa以上であることが特に好ましい。
以下、本発明の摩擦材を構成する具体的な材料について述べる。
本発明の摩擦材は、有機ポリマーを結合剤として基本材料に摩擦摩耗調整剤を加えた十数種類の原材料よりなる複合材料である。具体的には、アラミド繊維、スチール繊維及び非鉄繊維などの基本材料の他にも、摺動部材として、カシューダストなどの有機充填剤、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムなどの無機充填剤、銅粉及び真鍮粉などの金属粉、並びに黒鉛及び二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤などが、摩擦・摩耗・錆の調整剤として用いられている。
前記基本材料は、熱による変形が起きない材料を用いることが好ましく、具体的には、アラミド繊維、ナイロン、セルロースなどの有機繊維、鋼繊維、銅繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、ロックウールなどの無機繊維を用いることができる。なお、基本材料が摩擦材全体に占める割合は、5〜50vol%であるのが好ましい。
前記摺動部材のうち、充填材としては、例えば、アラミド、カシューダストやゴム粒などの有機充填材、カーボン、セラミックファイバー、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの無機充填材、銅粉、真鍮粉などの金属粉末、酸化鉄、セラミックなどの酸化物充填材、黒鉛、二硫化モリブデンなどの固体潤滑材を含むことができる。充填剤が摩擦材全体に占める割合は、10vol%以上であるのが好ましい。
また、前記摺動部材のうち、結合材としては、例えば、カシュ一樹脂、メラミン樹脂、合成ゴムを含むことができる。結合剤が摩擦材全体に占める割合は、10vol%以上であるのが好ましい。
なお、上述した3つの条件を満たすために、前記結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方が、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミノビスマレイミド樹脂及びポリベンゾイミダゾール樹脂から選ばれることが好ましい。これは、本発明の摩擦材が、熱可塑性樹脂であるポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミノビスマレイミド樹脂及びポリベンゾイミダゾール樹脂の少なくともいずれか1つを有することにより、ノイズ・振動を抑制する効果を得ることができるからである。
充填材又は結合材の調整において、例えば上述した材料を混合する方法においては、従来公知の方法、例えば、縦型ミキサーや横型ミキサーなどの混合機を用いて乾式混合する方法、又は、上記混合機などを用いて水若しくは有機溶剤の存在下で湿式混合後、減圧脱気又は加熱脱気して溶媒を除去する方法などを用いることができる。
摩擦材の成形方法としては、上記混合方法において得られる混合物を、加熱した金型中に入れて加圧する方法や、上記混合方法において得られる混合物を、基本材料に接着する方法が例示できる。この際、摩擦材の形状は、基本材料の形態を選択することによって、線状、棒状、板状、シート状その他の任意の形状に加工することができる。
本発明の摩擦材は、上述した基本材料と、上述した3つの条件を有する結合剤・充填材が、少なくとも2次元状、特に好ましくは3次元状に交互に配置された構成をとることが好ましいが、基本材料と結合剤・充填材とが不規則に混合されている構成であってもよい。
上記交互に配置された構成とは、具体的には、格子状に配置された基本材料の間隙に結合剤・充填材が配置された構成、格子状に配置された結合剤の間隙に基本材料・充填材が配置された構成、格子状に配置された充填材の間隙に基本材料・結合剤が配置された構成、縞状に交互に結合剤・充填材・基本材料が配置された構成、基本材料の周囲に結合剤・充填材が配置された構成、結合材の周囲に基本材料・充填材が配置された構成、充填材の周囲に基本材料・結合剤が配置された構成が挙げられる。
基本材料・結合剤・充填材に限らず、粒子状の物質を用いる場合には、交互に繰り返される繰り返し単位が、粒子単独であってもよいし、粒子が集合した層であってもよい。
なお、基本材料・結合剤・充填材が交互に配置される場合、各層が占める領域の一辺又は厚さは、0.1〜500μmであるのが好ましい。
図1は、本発明の摩擦対の典型例を示す断面模式図である。本典型例の摩擦対100は、摩擦材11及び被摩擦材12を組み合わせ、当該摩擦材11の摩擦面と当該被摩擦材12の摩擦面とを当接させる摩擦対である。このうち、摩擦材11は、上述した3つの条件を満たす結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方である材料13を格子状に有し、その他の材料14が前記材料13の格子の間隙を埋めている。また、摩擦材全体としては、熱成形後の、周波数0.1Hz以上20Hz以下、−50℃以上250℃以下の範囲における動的粘弾性測定で得られる、損失正接tanδの最大値tanδ(Max)とtanδの最小値tanδ(Min)の関係が、上記式(1)を満たしているものとする。
その他の材料14としては、高い摩擦係数を有する材料を想定している。
図2は、図1に示した本発明の摩擦対の典型例における、摩擦面付近の拡大断面模式図である。
13a及び13bは、前記材料13中の、その他の材料14に対する粘弾性を、実線のバネとして模式的に示している。その他の材料14は、高い摩擦係数を有する硬質粒子14aを有する。なお、点線のバネ14bは、その他の材料14内における、硬質粒子14a同士の粘弾性を模式的に示したものである。
図2(a)は、摩擦材の摩擦面が、被摩擦材の摩擦面12aに対して、摩擦を起こしながら左に移動する前の図を示しており、図2(b)は移動後の図を示している。
図2(a)及び(b)に示されるように、摩擦と共に、摩擦材中の硬質粒子14aは、被摩擦材の摩擦面の凹凸に沿って移動するため、摩擦材全体にひずみが生じる。しかし、前記材料13aは上述した3つの条件を満たし、且つ、摩擦材全体としては上記式(1)を満たしていることから、摩擦材の摩擦面の、被摩擦材の摩擦面に対する追従性が高く、したがって、摩擦力発生初期の振動発生を抑制することができ、ノイズ・振動を抑制する摩擦面を形成することができる。
本発明の摩擦対は、摩擦材の摩擦面に対する略垂直方向への振動吸収代(図2で示した、摩擦材の摩擦面に対する略垂直方向のバネ13aの伸び幅及び縮み幅)が、被摩擦材の摩擦面の表面粗さ以上であることが好ましい。これは、被摩擦材の摩擦面に対する、摩擦材の摩擦面の略垂直方向の振動を、前記材料13が吸収することによって、摩擦材の摩擦面の、被摩擦材の摩擦面への追従性を確保することができるからである。仮に、前記振動吸収代が、被摩擦材の摩擦面の表面粗さ未満であるとすると、硬質粒子14aが、被摩擦材の摩擦面の凹凸に沿って移動する途中において略垂直方向のバネが伸びきるか、又は縮みきってしまい、前記追従性を確保することができなくなってしまうからである。
本発明の摩擦対は、摩擦材の摩擦面に対する略平行方向への振動吸収代(図2で示した、摩擦材の摩擦面に対する略平行方向のバネ13bの伸び幅及び縮み幅)が、摩擦材に略平行方向のせん断力が加わったときにおける摩擦材の変形量以上であることが好ましい。これは、被摩擦材の摩擦面に対する、摩擦材の摩擦面の略平行方向の振動を、前記材料13が吸収することによって、摩擦材の摩擦面の、被摩擦材の摩擦面への追従性を確保することができるからである。仮に、前記振動吸収代が、前記変形量未満であるとすると、硬質粒子14aが、被摩擦材の摩擦面の凹凸に沿って移動する途中において略平行方向のバネが伸びきるか、又は縮みきってしまい、前記追従性を確保することができなくなってしまうからである。
本発明の摩擦対は、図2に示すように、さらに摩擦材が硬質粒子を有する摩擦対であって、硬質粒子に対して、摩擦面に対する略垂直方向の力が加えられた場合における摩擦材の振動吸収代が、被摩擦材の摩擦面の表面粗さ以上であることが好ましい。これは、被摩擦材の摩擦面に対する、硬質粒子のために生じる摩擦材の摩擦面の略垂直方向の振動を、前記材料13が吸収することによって、摩擦材の摩擦面の、被摩擦材の摩擦面への追従性を確保することができるからである。
図2において、前記材料13は、その層の厚さが0.1〜100μmであるのが好ましく、5〜20μmであるのが特に好ましい。
硬質粒子14aは、図2に示すように粒状の場合は、その平均直径が0.1〜500μmであるのが好ましく、繊維状の場合は、当該平均直径に加えて全長が5mm以下であるのが好ましい。
上述した振動吸収代は、略垂直方向、略平行方向を問わず、0.5〜100μmであるのが好ましく、3〜10μmであるのが特に好ましい。
図3は、本発明の摩擦対の変形例を示す断面模式図である。本変形例の摩擦対200は、摩擦材21及び被摩擦材22を組み合わせ、当該摩擦材21の摩擦面と当該被摩擦材22の摩擦面とを当接させる摩擦対である。このうち、摩擦材21には、摩擦面上に大小さまざまの凹部23が設けられている。この内、口径0.2〜1000μm、深さ1〜500μmの凹部23aの中に、無機材料及び金属材料の少なくともいずれか一方の材料24を結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方の材料25によって被覆した物質26を配置する。
無機材料及び金属材料の少なくともいずれか一方の材料24は、酸化銅、燐灰石(3CaCaF)、ソーダガラス(xNaO・yCaO・zSiO)、酸化マグネシウム、酸化クロム、ヘマタイト(Fe)、長石(CaAlSi)、マグネタイト(Fe)、正長石(KSiAlO)、酸化チタン、酸化ジルコニウム、石英(SiO)、ジルコン(ZrSiO)、ガーネット(CaAl(SiO)、黄石(AlSiO)、アルミナ、チタンカーバイド(TiC)、タングステンカーバイド(WC)、ボロンカーバイド(BC)、シリコンカーバイド(SiC)、キュービックボロンナイトライド(BN)、ダイヤモンド等から選ばれる、直径0.1〜500μmの粒子である。
前記材料25は、上述した弾性率、軟化点及びガラス転移点及び圧縮強度に関する3つの条件を満たすものであり、前記材料24を、厚さ0.1〜500μmで被覆している。
摩擦材21全体としては、熱成形後の、周波数0.1Hz以上20Hz以下、−50℃以上250℃以下の範囲における動的粘弾性測定で得られる、損失正接tanδの最大値tanδ(Max)とtanδの最小値tanδ(Min)の関係が、上記式(1)を満たしているものとする。
なお、凹部23aよりも口径及び深さが小さい凹部23bには、必ずしも前記材料24を配置する必要はないが、配置しても構わない。
図4は、図3に示した本発明の摩擦対の変形例における、摩擦面付近の拡大断面模式図である。
図4中のバネ25aは、前記材料25中の、被摩擦材22に対する粘弾性を、実線のバネとして模式的に示している。
仮に、高い摩擦係数を有する前記材料24のみを凹部に設置すると、高い摩擦力を発揮することはできるが、摩擦と共に凹部内においてノイズ・振動が発生する。
しかし、図4に示されるように、摩擦材中の物質26は、前記材料24を前記材料25で被覆したものであり、前記材料25は上述した3つの条件を満たし、且つ、摩擦材全体としては上記式(1)を満たしていることから、前記材料25が前記材料24の振動を凹部内において吸収することにより、ノイズ・振動の発生を抑制することができる。
本発明によれば、前記式(1)に示されるように、損失正接tanδの周波数依存性が低い摩擦材を有することにより、摩擦材の摩擦面の、被摩擦材の摩擦面に対する追従性が高く、したがって、摩擦力発生初期の振動発生を抑制することができる。また本発明によれば、摩擦材が適切な弾性率を有する結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方を有していることにより、摩擦材が摩擦によって生じる微小領域での摩擦力変動を吸収することができ、摩擦力発生初期の振動発生を抑制することができる。さらに本発明によれば、摩擦材が一定の温度範囲において軟化点及びガラス転移点を持たない結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方を有していることにより、摩擦時において摩擦材の結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方が非晶質状態からゴム状態となることが無く、したがって安定した摩擦面を形成することができる。また本発明によれば、室温において適度な圧縮強度を有し、且つ200℃においても室温における圧縮強度の半分以上の圧縮強度を有する結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方を有していることにより、摩擦時及び摩擦前後において安定した摩擦面を形成することができる。さらに本発明によれば、必要最低限の結合剤及び充填材の添加量で摩擦力変動を抑制することができる。
以下に示す実施例に基づいて、比較例と対比しつつ本発明の説明をする。
なお、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではなく、たとえば、本発明の実施態様の一つとして、摩擦材が、相手材との摩擦面の全面に、本発明で特定した結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方を設定してもよいし、或いは、相手材との摩擦面の一部に、本発明で特定した結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方の材料を露出するようにしてもよい。
1.摩擦対の作製
[実施例]
実施例の摩擦対の構成要素の1つである摩擦材(ブレーキパッド)は、下記表1に示す材料を、下記表1の実施例の欄に示した配合(vol%)で混合して作製した。製造方法の詳細としては、まず、縦型ミキサーによって各種原料を5分間均一に混合し、摩擦材原料混合物を得た。次の工程の熱成形は、300℃に加熱した金型中に摩擦材原料混合物を入れた後、30分間、300kg/cmで加圧して行った。これは、バインダーとして用いたポリアミドイミド樹脂が、−50℃以上200℃以下の範囲を含む、−50℃以上300℃以下の範囲において、軟化点及びガラス転移点を持たないことにより可能となることである。その後200℃、2時間硬化を行い、摩擦材(ブレーキパッド)を得た。
実施例の摩擦対の構成要素の1つである被摩擦材(ディスクローター)としては、鋳鉄ローター(FC200相当)を用いた。
これら摩擦材及び被摩擦材を合わせて、実施例の摩擦対とした。
[比較例]
比較例の摩擦対の構成要素の1つである摩擦材(ブレーキパッド)は、下記表1に示す材料を、下記表1の比較例の欄に示した配合(vol%)で混合して作製した。製造方法の詳細としては、まず、縦型ミキサーによって各種原料を5分間均一に混合し、摩擦材原料混合物を得た。次の工程の熱成形は、150℃に加熱した金型中に摩擦材原料混合物を入れた後、10分間、200kg/cmで加圧して行った。なお、バインダーとして用いたフェノール樹脂が、150℃以上200℃以下の範囲において軟化点及びガラス転移点を持っていることから、150℃を超える温度において加圧を行うことはできなかった。その後200℃、2時間硬化を行い、摩擦材(ブレーキパッド)を得た。
比較例の摩擦対の構成要素の1つである被摩擦材(ディスクローター)としては、鋳鉄ローター(FC200相当)を用いた。
これら摩擦材及び被摩擦材を合わせて、比較例の摩擦対とした。
Figure 0005567774
2.摩擦対のtanδの測定
実施例及び比較例の摩擦対について、動的粘弾性測定を行い、実施例及び比較例の摩擦対の構成要素である各摩擦材の損失正接tanδの最大値tanδ(Max)とtanδの最小値tanδ(Min)の値を得た。なお、動的粘弾性測定の方法として、JIS K7244−10で規格化された測定方法を用いた。
表2には、実施例及び比較例の各摩擦材のtanδ(Max)及びtanδ(Min)の値と共に、tanδ(Max)及びtanδ(Min)の値を得た各測定条件、及び実施例及び比較例の各摩擦材のtanδ(Min)の値に対するtanδ(Max)の値の比(tanδ(Max)/tanδ(Min))も併せて示す。
Figure 0005567774
表2に示すように、実施例の摩擦対の摩擦材のtanδ(Max)/tanδ(Min)の値は1.7であり、5以下の値を示したのに対し、比較例の摩擦対の摩擦材のtanδ(Max)/tanδ(Min)の値は10であり、5を超える値を示した。したがって、実施例の摩擦材は損失正接tanδの周波数依存性が低く、比較例の摩擦材は損失正接tanδの周波数依存性が高いことが確認できた。
3.摩擦対の摩擦特性(鳴き)の測定及び評価
実施例及び比較例の摩擦対について、各摩擦対を自動車に搭載した際の、市街地走行を模擬した走行(速度:40km/h、減速度:0.1〜1.5m/s、温度:50〜150℃において、100回の制動)における鳴きの測定を行った。その際の鳴きの発生回数、及び鳴きの音量を比較したものを表3に示す。
Figure 0005567774
表3に示されるように、実施例の摩擦対は、比較例の摩擦対と比べて鳴きの発生回数が少なく、鳴きの音量も小さいことが分かった。これらの測定結果から、損失正接tanδの周波数依存性が低い実施例の摩擦材を有することにより、本発明の摩擦対は、摩擦材の摩擦面の、被摩擦材の摩擦面に対する追従性が高く、したがって、摩擦力発生初期の振動発生を抑制し、振動発生に伴う鳴きを抑制できることが分かった。
本発明の摩擦対の典型例を示す断面模式図である。 本発明の摩擦対の典型例における、摩擦面付近の拡大断面模式図である。 本発明の摩擦対の変形例を示す断面模式図である。 本発明の摩擦対の変形例における、摩擦面付近の拡大断面模式図である。 摩擦材の摩擦面上の質量球が、被摩擦材の摩擦面の凹凸によって振動する様子を示した断面模式図である。
符号の説明
1…質量球
2…被摩擦材の摩擦面
3…バネ
4…ダッシュポット
11…摩擦材
12…被摩擦材
12a…被摩擦材の摩擦面
13…結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方である材料
13a,13b…材料13の、材料14に対する粘弾性
14…その他の材料
14a…硬質粒子
14b…硬質粒子14a間の粘弾性を模式的に示したバネ
21…摩擦材
22…被摩擦材
23a,23b…凹部
24…無機材料及び金属材料の少なくともいずれか一方の材料
25…結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方である材料
25a…材料25の、被摩擦材22に対する粘弾性を模式的に示したバネ
26…無機材料及び金属材料の少なくともいずれか一方の材料を結合剤及び充填材の少なくともいずれか一方の材料によって被覆した物質
100…典型例の摩擦対
200…変形例の摩擦材

Claims (6)

  1. 摩擦材及び被摩擦材を組み合わせ、当該摩擦材の摩擦面と当該被摩擦材の摩擦面とを当接させる摩擦対であって、
    前記摩擦材が、
    弾性率が1GPa以上15GPa以下であり、−50℃以上200℃以下の範囲において、軟化点及びガラス転移点を持たず、且つ、圧縮強度が25℃において50MPa以上であり、200℃において25MPa以上であるポリアミドイミド樹脂結合剤を10〜20体積%
    アラミド繊維、鉄繊維、ガラス繊維、ナイロン、セルロース、鋼繊維、銅繊維、セラミック繊維、及びロックウールからなる群より選ばれる少なくとも1つの基本材料を25〜35体積%、
    アラミド、カシューダスト、ゴム粒、カーボン、セラミックファイバー、ZrSiO 、マイカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、銅粉、真鍮粉、酸化鉄、セラミック、黒鉛、及び二硫化モリブデンからなる群より選ばれる少なくとも1つの充填材を55体積%、
    それぞれ含有し、かつ、
    熱成形後の、周波数0.1Hz以上20Hz以下、−50℃以上250℃以下の範囲における動的粘弾性測定で得られる、前記摩擦材の損失正接tanδの最大値tanδ(Max)とtanδの最小値tanδ(Min)の関係が、
    tanδ(Max)/tanδ(Min)≦5 式(1)
    であり、かつ、
    前記被摩擦材が鋳鉄からなることを特徴とする、摩擦対。
  2. 前記摩擦材は、前記被摩擦材と当接する摩擦面の少なくとも一部に、前記ポリアミドイミド樹脂結合剤を有する、請求項1に記載の摩擦対。
  3. 前記摩擦材の前記摩擦面に対する略垂直方向への振動吸収代が、前記被摩擦材の前記摩擦面の表面粗さ以上である、請求項1又は2に記載の摩擦対。
  4. 前記摩擦材の前記摩擦面に対する略平行方向への振動吸収代が、前記摩擦材に略平行方向のせん断力が加わったときにおける前記摩擦材の変形量以上である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の摩擦対。
  5. さらに前記摩擦材が硬質粒子を有する摩擦対であって、
    前記硬質粒子に対して、前記摩擦面に対する略垂直方向の力が加えられた場合における前記摩擦材の振動吸収代が、前記被摩擦材の前記摩擦面の表面粗さ以上である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の摩擦対。
  6. 前記摩擦材及び前記被摩擦材の少なくともいずれか一方の前記摩擦面に凹部が設けられ、当該凹部に、無機材料及び金属材料の少なくともいずれか一方を、前記ポリアミドイミド樹脂結合剤によって被覆した物質を配置する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の摩擦対。
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