JP5567351B2 - 空調制御装置および方法 - Google Patents
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従来、このようなセントラル空調方式において、システム内で発生した異常を監視する技術として、熱源装置から各空調機へ供給される冷温水の流量をバルブ開度で捉え、バルブ開度が通常の制御範囲を超えた期間の長さに基づき、空調システム内で発生した異常を監視する技術が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。
セントラル空調方式の空調システムにおいて、熱源装置から各空調機へ供給される冷温水の流量は、熱源装置に異常があった場合に大きく変化する。しかし、任意の空調機自体に異常があったり、当該空調機から調和空気を供給している任意の部屋の設定温度に設定ミスがあった場合、冷温水の流量が必ず大きく変化するとは限らないため、冷温水の流量に基づき個々の空調機に関連する異常を的確に監視することができない。
[空調制御装置]
まず、図1を参照して、本実施の形態にかかる空調制御装置について説明する。図1は、空調制御装置の構成を示すブロック図である。
空調機22は、外気OXと排気EXの一部からなる還気RAとを取り込んで、温水コイルや冷水コイル、さらには加湿器などで調和空気を生成して、空間21へ供給する機能を有している。
インバータ制御装置24は、プロセス制御用のコントローラなどの情報処理端末からなり、空調制御装置10からの操作量に応じてインバータファン23の電気モータを制御することにより、インバータファン23の回転数を制御する機能と、インバータファン23の回転数など、インバータファン23の動作状況を示す動作状況データをインバータファン23から取得して空調制御装置10へ通知する機能とを有している。
室内温度計26は、気体温度を計測する温度センサからなり、空間21内の室内気温を計測して、空調制御装置10へ通知する機能を有している。
排気ファン31は、電気モータで駆動される送風機からなり、各系統20の空間21から集気した排気EXを外部へ排気する供給する機能を有している。
排気温度計32は、排気ファン31から外部へ吐出される排気EXの排気温度計測して、空調制御装置10へ通知する機能を有している。
次に、図2を参照して、本発明の原理について説明する。図2は、空調機の空調能力とインバータの吐出能力との関係を示す説明図である。
したがって、正常な空調制御では、インバータファン23の吐出能力として、基準吐出能力を超える吐出能力が長期間にわたって発揮されることはなく、ほぼ設計能力範囲内に収まることになる。
このため、インバータファン23において、設計能力範囲を超えた特異吐出能力が発揮されることになるが、実際には空間21の環境変化ではなく、当該系統20の空調機22に関連した異常であることから、空間21の室内温度と設定温度との偏差は低減せず、結果として長期間にわたり特異吐出能力が発揮されることになる。
空調制御装置10には、主な機能部として、通信インターフェース部(以下、通信I/F部という)11、計測処理部12、空調制御部13、記録部14、記憶部15、監視処理部16、および表示部17が設けられている。
計測処理部12は、通信I/F部11を介して空調システム1内のフィールド機器や端末とデータ通信を行うことにより、空調制御に必要な給気温度、室内温度、排気温度などの計測値を収集して記憶部15へ保存する機能を有している。
具体的な空調制御部13における空間21に対する温度制御では、予め設定されている設定温度と空間21の室内温度との温度偏差のPID演算処理により算出した操作量に基づき、インバータファン23の回転数を調整するフィードバック制御を実行している。
記憶部15は、半導体メモリやハードディスクなどの記憶装置からなり、インバータファン23の吐出能力など、空調制御装置10の各機能部で用いる処理情報や、空調制御装置10で実行するプログラムを記憶する機能を有している。
表示部17は、監視処理部16で算出した任意の監視期間における特異期間の長さを表示する機能と、監視処理部16での判定結果に基づいて異常ありを表示する機能とを有している。
次に、図3を参照して、本実施の形態にかかる空調制御装置10の動作について説明する。図3は、空調制御装置における空調制御処理を示すフローチャートである。
空調制御装置10は、制御タイミングの到来に応じて、系統20ごとに、図3の空調制御処理を実行する。ここでは、インバータファン23の新たな操作量を算出する際に、特異吐出能力を監視する場合を例として説明する。
続いて、空調制御装置10は、監視処理部16により、記憶部15に記録した任意の監視期間における吐出能力を参照して(ステップ104)、予めインバータファン23の最大吐出能力より小さい範囲に設定されている設計能力範囲を越えた特異吐出能力が、インバータファン23で発揮されたか否かを監視し、監視期間内で特異吐出能力が発揮された特異期間の長さを算出する(ステップ105)。
また、空調制御装置10は、監視処理部16により、監視期間における特異期間と予め設定されている異常判定しきい値とを比較し(ステップ107)、監視期間における特異期間が異常判定しきい値に達した場合にのみ(ステップ107:YES)、空間21に対する空調制御の異常ありを示すメッセージを、表示部17でポップアップ画面などにより画面表示する(ステップ108)。
これにより、一連の空調制御処理が終了する。
図4では、監視期間として1日24時間分が設定されており、各時刻においてインバータファン23で発揮された吐出能力の推移が示されている。ここで、グラフ51は、正常な空調制御が行われた場合の吐出能力を示しており、いずれの時刻においてもインバータファン23の吐出能力Pは、設計能力範囲内に収まっている。
また、図5には、特異範囲に対して、異常判定しきい値Tthが比較表示されている。この例では、特異範囲における運転延べ時間「10時間」が異常判定しきい値Tth「8時間」を上回っており、空調機22に関連した異常が発生していることが容易に確認できる。
このように、本実施の形態では、記録部14により、インバータファン23で発揮した吐出能力の推移を記憶部15へ記録し、監視処理部16により、記憶部15に記録した吐出能力を参照して、インバータファン23の最大吐出能力より小さい範囲に予め設定されている設計能力範囲を越えた特異吐出能力が、インバータファン23で発揮されたか否かを監視し、当該特異吐出能力が発揮された特異期間の長さを算出し、表示部17により、任意の監視期間における特異期間の割合を表示している。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
Claims (4)
- 制御対象となる空間に対して空調機で生成した調和空気をインバータファンで吐出することにより、前記空間の空気調和を行う空調システムで用いられ、前記インバータファンにおける前記調和空気の吐出能力を制御するための操作量を、前記空間に対する空調制御状態を示す計測値と予め設定されている設定値とに基づき算出して出力する空調制御装置であって、
前記インバータファンで発揮した吐出能力の推移を記憶部へ記録する記録部と、
前記記憶部に記録した吐出能力を参照して、前記インバータファンの最大吐出能力より小さい範囲に予め設定されている設計能力範囲を越えた特異吐出能力が、前記インバータファンで発揮されたか否かを監視し、当該特異吐出能力が発揮された特異期間の長さを算出する監視処理部と、
任意の監視期間におけるインバータファンの吐出能力を予め設定された能力範囲ごとに集計し、それぞれの能力範囲ごとに運転のべ時間をプロットし、前記特異期間における運転のべ時間の長さを表示する表示部と
を備えることを特徴とする空調制御装置。 - 請求項1に記載の空調制御装置において、
前記監視処理部は、前記特異期間の長さと予め設定されている異常判定しきい値とを比較し、この比較結果に基づいて前記空間に対する空調制御の異常有無を判定し、
前記表示部は、前記判定結果に基づいて前記空間に対する空調制御の異常ありを表示する
ことを特徴とする空調制御装置。 - 制御対象となる空間に対して空調機で生成した調和空気をインバータファンで吐出することにより、前記空間の空気調和を行う空調システムで用いられ、前記インバータファンにおける前記調和空気の吐出能力を制御するための操作量を、前記空間に対する空調制御状態を示す計測値と予め設定されている設定値とに基づき算出して出力する空調制御装置における空調制御方法であって、
前記インバータファンで発揮した吐出能力の推移を記憶部へ記録する記録ステップと、
前記記憶部に記録した吐出能力を参照して、前記インバータファンの最大吐出能力より小さい範囲に予め設定されている設計能力範囲を越えた特異吐出能力が、前記インバータファンで発揮されたか否かを監視し、当該特異吐出能力が発揮された特異期間の長さを算出する監視処理ステップと、
任意の監視期間におけるインバータファンの吐出能力を予め設定された能力範囲ごとに集計し、それぞれの能力範囲ごとに運転のべ時間をプロットし、前記特異期間における運転のべ時間の長さを表示する表示ステップと
を備えることを特徴とする空調制御方法。 - 請求項3に記載の空調制御方法において、
前記監視処理ステップは、前記特異期間の長さと予め設定されている異常判定しきい値とを比較し、この比較結果に基づいて前記空間に対する空調制御の異常有無を判定し、
前記表示ステップは、前記判定結果に基づいて前記空間に対する空調制御の異常ありを表示する
ことを特徴とする空調制御方法。
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