JP5565536B1 - 汽水淡水化処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 装置の規模を小型化できると共に、装置の要するエネルギー量と生態系への影響を低減することが可能な、淡水化処理装置の提案を図る。
【解決手段】 逆浸透膜によって海水より塩分濃度の低い淡水を得るための淡水化処理装置であって、海の海水と河川の淡水とが混じる汽水域もしくは汽水湖に設置され汽水を取水する取水手段と、取水された汽水を昇圧するための昇圧手段と、該取水手段の設置される場所の汽水の塩分の濃度を計測する塩分濃度計測手段と、逆浸透膜を有し該昇圧手段が昇圧した汽水を淡水化させる逆浸透膜式淡水化手段と、を備え、前記塩分濃度計測手段が計測した汽水の塩分濃度が予め定められた所定の値より低い場合に、前記昇圧手段により前記逆浸透膜式淡水化手段に汽水を送り込むように制御される構成となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、海水・汽水などの塩分濃度の高い水より、塩分を除去し淡水化するための装置に関するものである。
海水・汽水などは塩分の濃度が高く、飲料用では不適であり、工業用であっても好適とは言いにくい。
ところが、島諸、臨海地域及び河川の汽水域付近などでは、淡水を浄水として種々の用途に付すことが必ずしも経済的とはいえず、海水を淡水化した上で各用途に付する方がむしろ経済的である場合もある。
海水を淡水化する装置には、主要なもので、第一に海水を蒸留することで淡水にする多段フラッシュ方式と、第二に圧力をかけた海水を逆浸透膜を通し強制的に水分子を濾過することで塩分を含まない淡水にする逆浸透膜方式と、の二つの方式が存する。
かかる第一の多段フラッシュ方式は、熱効率が大変悪く、多量のエネルギー量を要してしまうという問題が存するものであった。
また、第二の逆浸透膜方式は、前述の多段フラッシュ方式と比較すると同量の淡水を得るためのエネルギー量は少ないものの、海水の塩分濃度が高いほどに脱塩率は高くなるが高圧力を要する逆浸透膜を通過させる必要があるという問題があり、さらに海水の倍近くにまで塩分濃度が上昇した排水が排出されることとなるため、生態系への影響が懸念されるといった問題も存していた。
上述の逆浸透膜方式の問題解決を試みる技術提案としては、特許文献1及び特許文献2にかかる技術提案がそれぞれ公知である。
すなわち、特許文献1の技術提案によれば、膜分離された下水系濃縮水(淡水)と海水とを混合して該海水の塩分濃度を低くした上で膜分離し、淡水を得るため、単に海水を膜分離した場合に比べてポンプなどの昇圧手段のエネルギー量を削減することが可能というものである。
また、特許文献2の技術提案によれば、下水処理場から排出される処理水(淡水)と海水淡水化装置の逆浸透膜から排出される塩分濃度が高い濃縮水とを混合して該濃縮水の塩分濃度を下げた上で海域に放流するため、生態系への影響を低減することが可能というものである。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2にかかる技術提案では、前記下水系濃縮水と海水とを混合し、あるいは、前記濃縮水と下水の処理水(淡水)とを混合して、該海水もしくは該濃縮水の塩分濃度を下げることを要するため、近隣に又は付帯設備として下水処理施設が必要となり、どうしてもシステムが大型化してしまうという課題が存するものであった。
特開2012−170880号公報 特開2012−125662号公報
本発明は、装置の規模を小型化できると共に、装置の要するエネルギー量と生態系への影響を低減することが可能な、淡水化処理装置を提案するものである。
本発明の第一の構成は、逆浸透膜によって海水より塩分濃度の低い淡水を得るための淡水化処理装置であって、海の海水と河川の淡水とが混じる汽水域もしくは汽水湖に設置され汽水を取水する取水手段と、取水された汽水を昇圧するための昇圧手段と、該取水手段の設置される場所の汽水の塩分の濃度を計測する塩分濃度計測手段と、逆浸透膜を有し該昇圧手段が昇圧した汽水を淡水化させる逆浸透膜式淡水化手段と、を備え、該塩分濃度計測手段が計測した汽水の塩分濃度が予め定められた所定の値より低い場合に該昇圧手段により該逆浸透膜式淡水化手段に汽水を送り込むように制御される構成を採用する。
本発明の第二の構成は、前記塩分濃度計測手段が、前記取水手段の設置される場所の汽水の電気伝導率を計測する電気伝導率計測手段と、該電気伝導率計測手段により計測された電気伝導率と予め定められた所定温度における所定電気伝導率とを比較する判断手段と、を備え、該電気伝導率計測手段の示す電気伝導率が該所定電気伝導率より低い場合に前記昇圧手段により前記逆浸透膜式淡水化手段に汽水を送り込む信号を送出するよう制御される構成を採用し得る。
本発明の第三の構成は、前記取水手段が移動可能な構成を採用し得る。
本発明の第四の構成は、前記取水手段の後段に、取水した汽水を貯留するための汽水貯留手段が備えられている構成を採用し得る。
本発明の第五の構成は、前記逆浸透膜式淡水化手段の後段に、淡水となった水を貯留するための淡水貯留手段が備えられている構成を採用し得る。
本発明は、第一の構成を採用することにより、近隣や付帯設備としての下水処理施設が不要であるため、装置・システム全体の規模を小型化可能になる、という優れた効果を奏する。
また、本発明は、第一の構成を採用することにより、海水に比べて低塩分濃度の汽水についてさらに塩分濃度が低い時に昇圧手段を運転するために、逆浸透膜式淡水化手段における逆浸透膜として脱塩能力の低いものでも使用可能であり、もって昇圧手段をよりエネルギーの消費量が少ない低圧力のものへ置換可能であると共に、逆浸透膜式淡水化手段の排水する処理排水も生態系へ害を及ぼすことのない程度の塩分濃度とすることが可能になる、といった優れた効果を奏する。
さらに、本発明は、第二の構成を採用した場合に、容易に計測することが可能な汽水の電気伝導率で昇圧手段を制御可能となり、それにより装置の簡略化及び小型化が可能になる、という優れた効果を奏するものとなる。
またさらに、本発明は、第三の構成を採用した場合に、取水手段が移動可能であることから、より塩分濃度が低い場所から取水することが可能になる、という優れた効果を奏するものとなる。
さらにまた、本発明は、第四の構成を採用することにより、取水手段が取水した汽水を汽水貯留手段により貯留可能であるため、汽水の塩分濃度が高いために取水手段が取水を行わない場合にも、昇圧手段を運転して汽水貯留手段に貯留された汽水を逆浸透膜式淡水化手段に送り込むことが可能になると共に、その場合の装置の稼働性能も保証される、といった優れた効果を奏するものとなる。
そしてまた、本発明は、第五の構成を採用することにより、淡水貯留手段が前記逆浸透膜式淡水化手段により処理され淡水となった水を貯留可能であるため、装置が運転を停止した場合でも淡水を取り出すことが可能になる、という優れた効果を奏するものとなる。
本発明にかかる汽水淡水化処理装置の実施形態を示す系統図である。
本発明にかかる汽水淡水化処理装置1は、逆浸透膜によって海水より塩分濃度の低い淡水を得るための淡水化処理装置であって、海の海水と河川の淡水とが混じる汽水域もしくは汽水湖に設置され汽水8を取水する取水手段2と、取水された汽水8を昇圧するための昇圧手段3と、取水手段2の設置される場所の汽水8の塩分の濃度を計測する塩分濃度計測手段4と、逆浸透膜を有し昇圧手段3が昇圧した汽水8を淡水化させる逆浸透膜式淡水化手段5と、を備え、塩分濃度計測手段4が計測した塩分濃度が予め定められた所定の値より低い場合に、昇圧手段3により逆浸透膜式淡水化手段5に汽水8を送り込むように制御されることをその最大の特徴とする。
以下、本発明にかかる汽水淡水化処理装置1の実施形態を、図面を用いて各々説明する。
なお、説明に際し用いられる材料及び素子などは、技術的思想の範囲内で適宜変更することができる。
はじめに、本発明にかかる汽水淡水化処理装置1の構成要素について説明する。
汽水淡水化処理装置1は、逆浸透膜によって汽水8より塩分濃度の低い淡水9を得るための淡水化処理装置であって、規模の大小はプラント様であってもいいし、処置能力を抑え装置を小型のものとして可搬とすることもできる。
取水手段2は、海の海水と河川の淡水とが混じる汽水域もしくは汽水湖に設置され、汽水8を取水する目的で備えられる。
取水手段2は、取水口と無電圧接点入力・有電圧接点入力などでON・OFFされるポンプとを備え、汽水8を取水口より該ポンプで揚水する態様などが考え得る。このとき、塩分濃度計測手段4に備えられた判断手段4cの送出する取水動作信号4eにより、該ポンプを動作させることが好ましい。
なお、ここで、取水手段2を移動可能な構成とすることで、取水口をより塩分濃度の低い汽水域へ移動することが可能となるが、そのためには、前記取水口と前記ポンプとの間を可撓配管材料とすることなどが考え得る。
昇圧手段3は、取水された汽水8を昇圧する目的で備えられ、逆浸透膜式淡水化手段5に昇圧された汽水8を送り込む。
ここで、昇圧手段3の具体的構成としては、逆浸透膜式淡水化手段5に必要な圧力を得られるものであれば事足り、例えば高圧ポンプなどが考え得る。
さらに、昇圧手段3の具体的構成について、有電圧接点入力や無電圧接点入力などでON・OFFされ、昇圧動作信号4dの送出されている間は昇圧動作させる構成とすることにより、制御が容易となり好ましい。
また、逆浸透膜式淡水化手段5の後段に淡水9もしくは処理排水10のもつ余剰エネルギー量を回収する手段を備え、昇圧手段3に該余剰エネルギー量を供給する態様とすることも考え得る。そのような構成とした場合、昇圧手段3の必要エネルギー量を低減することも可能である。
塩分濃度計測手段4は、取水手段2によって取水される汽水8の塩分濃度を計測・判断する目的で備えられ、計測した塩分濃度が予め定められた所定の値より低い場合に、昇圧手段3により逆浸透膜式淡水化手段5へ汽水8を送り込むように制御される。なお、かかる塩分濃度計測手段4には、電気伝導率計測手段4bと判断手段4cとを備える態様が好ましい。
電気伝導率計測手段4bは、電気伝導率を計測する目的で備えられ、正しく電気伝導率が計測可能で、判断手段4cに正しくそれを送出可能であれば事足りるが、計測端子が常に汽水8に触れ、且つ取水手段2の取水口付近に該計測端子が存することが好ましい。
なお、ここで、電気伝導率計測手段4bは、通常、取水された汽水8中に含まれる塩分濃度、すなわち、ナトリウムイオンと塩化物イオンの濃度が高いほどに高い電気伝導率を示すが、同じ塩分のイオン濃度であっても水温が高くなると指示する電気伝導率が高くなるため(通常:2%/℃)、「所定温度」のものに補正して指示するものが好ましい。ここで、前記「所定温度」は、25℃のものが一般的であり、さらに好ましい。
判断手段4cを備える第一の目的は、電気伝導率計測手段4bの示す補正された補正電気伝導率と予め定められた所定電気伝導率とを比較することであり、該補正電気伝導率が該所定電気伝導率より低い場合に、昇圧手段により逆浸透膜式淡水化手段へ汽水8を送り込むための判断手段4cの内部的な信号である昇圧可能信号を送出するよう制御されていることが好ましい。
ここで、判断手段4cは、計測した塩分濃度が予め定められた所定の値より低い場合に、前記昇圧可能信号をさらに外部的な信号とした昇圧動作信号4dとして昇圧手段3へ有電圧接点や無電圧接点などで送出する構成が好ましく、昇圧動作信号4dは、後述する汽水貯留手段6に備えられた下限センサー6cの反応信号と昇圧可能信号とを論理和(OR)もしくは否定論理和(NOR)した信号であることがより好ましい。
さらにここで、判断手段4cにおいて予め定められる前記所定電気伝導率は、前述の電気伝導率計測手段4bが補正する目標温度(前記「所定温度」)と同じ温度における電気伝導率である必要があり、また、該所定電気伝導率は、一般に海水の電気伝導率が水温25℃で約53ms/cmであることを鑑みると、それ以下に設定する事が好ましく、淡水化できる量を考慮すると、汽水8の干潮時の塩分濃度と海水の塩分濃度との中間程度の塩分濃度に換算した値がより好ましく、取水開始の場合と取水停止の場合で若干の値の相違をもたせる態様とすることでヒステリシス性をもたせることが可能となり、境界値付近でのチャタリング防止という観点からはさらに好ましい。
判断手段4cを備える第二の目的は、取水手段2による汽水8の取水開始および停止を判断することであり、判断手段4cは、前記昇圧可能信号が送出されている間で汽水貯留手段6に備えられた下限センサー6cが未反応となった時より上限センサー6bが反応するまでの間は取水動作信号4eを送出するよう制御されることが好ましく、また、下限センサー6cが未反応となった時より、上限センサー6bが反応するまでの間に汽水8の電気伝導率が前記所定電気伝導率より高くなり前記昇圧可能信号の送出が停止された場合は取水動作信号4eの送出を停止するよう制御されることがより好ましく、取水動作信号4eは無電圧接点出力・有電圧接点出力などで送出される態様とすることがさらに好ましい。
上述を総合すると、判断手段4cは、すなわち、計測した塩分濃度が予め定められた所定の値より低い場合に取水手段2に取水動作信号4eを送出し、取水手段2に汽水8の取水を開始させ、汽水貯留手段6に汽水8を貯留させると共に、昇圧手段3を昇圧動作信号4dにより動作させ、逆浸透膜式淡水化手段5に汽水8を送り込むようにするものであり、そのような制御もしくは動作は、マイクロコンピューター、FPGA、PLD、ロジックICもしくはアナログICの組合せ、及びPLC又はそれらの組み合わせなどで構成することが考え得る。
逆浸透膜式淡水化手段5は、昇圧手段3が昇圧する汽水8を逆浸透膜により淡水化し淡水9を得る目的で備えられ、汽水8の塩分濃度が高いほど、より細孔の逆浸透膜と該逆浸透膜に入水する汽水8を高圧とすることを要する。すなわち、汽水8の塩分濃度が高いほど、昇圧手段3の能力とそれを運転させるエネルギー量の消費が高くなるという相関にある。
ここで、より好ましき構成としては、取水手段2の後段より、逆浸透膜式淡水化手段5の前段に至るまでの所定中間箇所に、異物、微生物、各種有機物及び各種無機物を分離除去できる異物分離手段と、スケールの付着を防止するためのpH調整手段とを備えることも考え得る。これは、逆浸透膜に異物、微生物、各種有機物及び各種無機物が付着し易いことと、スケールが付着し易いこととが注意点として挙げられるためである。
さらにここで、逆浸透膜式淡水化手段5が汽水8を逆浸透膜処理した残りとして排水され、取水手段2が取水する汽水8より塩分濃度が高くなった処理排水10の塩分濃度は、判断手段4cにおいて予め定められる前記所定電気伝導率の値をより低い値にさせることで、より低いものとすることが可能である。
汽水貯留手段6は、取水した汽水8を貯留する目的で備えられ、所定量を貯留できれば事足り、そのような物にはプール状、槽状の形態が考え得るが、貯留された汽水8が満水を示す上限センサー6bと貯留された汽水8が少量であることを示す下限センサー6cとを備える構成がより好ましく、いずれのセンサーも正しく汽水8の水位に対し電子・電気的に反応できるものであれば事足りる。
淡水貯留手段7は、逆浸透膜式淡水化手段5が汽水8を淡水化処理してできた淡水9を貯留する目的で備えられ、所定量を貯留できれば事足り、そのような物にはプール状、槽状の形態が考え得る。
次に、本発明にかかる汽水淡水化処理装置1の動作態様について説明する。なお、説明する動作態様としては、上記「課題を解決するための手段」記載の全ての構成を備えた場合の実施例とする。
汽水8の塩分濃度は、一般的な海水の塩分濃度3.5%より通常低く、例えば、多摩川の河口付近では約1%から約2.4%の間を、大潮・小潮、雨天・晴天に応じてさらにそれらの干潮・満潮の間で経時変化する。塩分の濃度は、通常、満潮になると高く、干潮になると低いものとなる。
本発明にかかる汽水淡水化処理装置1は、汽水8を、前記所定電気伝導率以下の電気伝導率である場合に、汽水貯留手段6に貯留・通過させ、昇圧手段3で高圧に昇圧し、逆浸透膜式淡水化手段5で淡水化し、得られた淡水9は淡水貯留手段7に貯留すると共に、その余は汽水8に含まれる塩分が濃縮された処理排水10として排出するものである。
本発明の第一の動作として、干潮より満潮になるとき、いわゆる「上げ潮」時の動作について説明する。通常、干潮より満潮へ潮位が変化する時、汽水域の汽水8は、経時的に塩分濃度が高くなっていく。
昇圧手段3は、汽水8の塩分濃度が前記所定電気伝導率より低い場合に、判断手段4cが送出する取水動作信号4eを受けて取水手段2により取水され且つ汽水貯留手段6に貯留された汽水8を、昇圧動作信号4dの送出に基づき昇圧して逆浸透膜式淡水化手段5に送り込むことで、汽水8を淡水9へと処理する動作を行う。
ここで、汽水貯留手段6が汽水8で満水に近付いたことを検知する上限センサー6bの検知により、判断手段4cは取水手段2への取水動作信号4eの送出を停止し、それに伴い取水手段2は汽水8の取水を停止することもあるが、昇圧手段3が逆浸透膜式淡水化手段5へ汽水8を送り込み続けると、汽水貯留手段6の汽水8が下限センサー6c以下の水位となって未反応となるため、再び判断手段4cが取水手段2への取水動作信号4eの送出を開始することとなって、取水手段2が動作して汽水8を取水する。
潮位が上昇し、海水がより多く汽水8に含まれるようになると、汽水8の塩分濃度は上昇するため、塩分濃度計測手段4に備えられた電気伝導率計測手段4bの示す前記補正電気伝導率は上昇し、判断手段4cにおいて予め定められた所定電気伝導率よりも高いものとなり、判断手段4cは、前記昇圧可能信号及びそれに関連する取水手段2への取水動作信号4eの送出を停止するが、昇圧動作信号4dは、汽水貯留手段6に備えられた下限センサー6cが反応している間、すなわち汽水貯留手段6に所定の水位が存する限りは送出され続け、昇圧手段3による昇圧動作を継続して汽水8を淡水9へ処理するため動作を続けさせる。
ここで、汽水貯留手段6は、汽水8の「貯留」という物理的なバッファーであると共に、汽水8の塩分濃度が高くなり取水手段2が動作停止となった以降も昇圧手段3を動作可能とさせるための時間的なバッファーの役目も担うものでもある。
汽水貯留手段6に貯留された汽水8の水位が低下し、汽水貯留手段6に備えられた下限センサー6cが未反応となると、昇圧手段3は判断手段4cの送出する昇圧動作信号4dの送出停止に伴い昇圧動作を停止させ、汽水8を淡水9へ処理するための動作を停止させ、以後、汽水8の電気伝導率が前記所定電気伝導率以下となるまでは停止させ続けることとなる。
ここで、昇圧手段3が、判断手段4cの送出する昇圧動作信号4dの送出停止に伴い、昇圧動作を停止させ、汽水8を淡水9へ処理するための動作を停止させた場合でも、淡水貯留手段7に淡水9が貯留されている限りは、装置外部へ淡水9を供給することができる。
さらに、取水手段2を移動させ、より汽水8の塩分濃度が低い場所を検索させ、昇圧手段3による昇圧動作を継続することもでき得る。その場合、汽水貯留手段6は、ここでも「貯留」という物理的なバッファーであると共により汽水8の塩分濃度が低い場所を検索している時間の間を動作可能とさせる時間的なバッファーの役目も担うものでもある。
さらにここで、淡水貯留手段7は、淡水9の「貯留」という物理的なバッファーであると共に、汽水8の塩分濃度が高くなり昇圧手段3が昇圧動作を停止させ汽水8を淡水9へ処理するための動作を停止させた以降も、淡水9を装置外部へ供給可能という装置本来の目的を達成させることができるため、時間的なバッファーの役目も担うものでもある。
本発明の第二の動作として、満潮より干潮になるとき、いわゆる「下げ潮」時の動作について説明する。満潮より干潮へ潮位が変化する時、汽水域の汽水8は、経時的に塩分濃度が低くなっていく。
昇圧手段3は、汽水8の塩分濃度が前記所定電気伝導率より高い場合は、判断手段4cが送出する昇圧動作信号4dの送出停止に基づき昇圧を停止し、逆浸透膜式淡水化手段5への汽水8の送り込みが停止して、淡水化処理が停止される。判断手段4cは、さらに取水動作信号4eの送出も停止し、取水手段2の動作を停止させる。
潮位が下降し、汽水8に含まれる海水が減少すると、汽水8の塩分濃度は低くなるため、塩分濃度計測手段4に備えられた電気伝導率計測手段4bの示す前記補正電気伝導率も低くなり、さらに判断手段4cにおいて予め定められた所定電気伝導率よりも低くなった場合に、判断手段4cは、昇圧手段3への昇圧動作信号4d及び取水手段2への取水動作信号4eの送出を開始する。昇圧手段3は、取水動作信号4eの送出に基づき取水手段2によって取水され汽水貯留手段6に貯留された汽水8を昇圧動作信号4dの送出に基づき昇圧し、逆浸透膜式淡水化手段5に送り込んで汽水8を淡水9へと処理するよう動作させる。
ここで、汽水貯留手段6が汽水8で満水に近付いたことを検知する上限センサー6bの検知により、判断手段4cは取水手段2への取水動作信号4eの送出を停止し、それに伴い取水手段2は汽水8の取水を停止することもあるが、昇圧手段3が逆浸透膜式淡水化手段5へ汽水8を送り込み続けると、汽水貯留手段6の汽水8が下限センサー6c以下の水位となって未反応となるため、再び判断手段4cが取水手段2への取水動作信号4eの送出を開始することとなって、取水手段2が動作して汽水8を取水する。
上述の通り、本発明にかかる汽水淡水化処理装置1は、繰り返される干潮より満潮、満潮より干潮の潮位変動のうち、満潮付近で汽水8の電気伝導率が前記所定電気伝導率より高い場合に取水手段2による取水動作を停止していることから、汽水貯留手段6に貯留されている汽水8は常に所定電気伝導率以下となっているため、逆浸透膜式淡水化手段5としてより粗孔で脱塩力の低い逆浸透膜を使用可能となり、もって昇圧手段3の低圧運転も可能であって、装置のエネルギー使用量低減が可能となると共に、汽水8に他に淡水を混合させるための装置を要しないため、装置の小型化も可能となる。
さらに、本発明にかかる汽水淡水化処理装置1は、前述の第一の動作及び第二の動作のいずれの動作も、逆浸透膜式淡水化手段5において、取水された汽水8よりも塩分濃度が高い処理排水10が排出されることとなるが、汽水域に存命する生物類は海水下で存命可能であるため、処理排水10に他に淡水を混合させるための装置を要せずに生態系への影響は限りなく少なくすることが可能であると共に、装置の小型化も可能となる。

本発明は、上記「発明の効果」記載の通り、多くの優れた効果を奏し、多くの実施例として採用することが可能である。したがって、本発明における「汽水淡水化処理装置」としての産業上の利用可能性は大であると思料する。
1 汽水淡水化処理装置
2 取水手段
3 昇圧手段
4 塩分濃度計測手段
4b 電気伝導率計測手段
4c 判断手段
4d 昇圧動作信号
4e 取水動作信号
5 逆浸透膜式淡水化手段
6 汽水貯留手段
6b 上限センサー
6c 下限センサー
7 淡水貯留手段
8 汽水
9 淡水
10 処理排水

Claims (5)

  1. 逆浸透膜によって海水より塩分濃度の低い淡水を得るための淡水化処理装置であって、
    海の海水と河川の淡水とが混じる汽水域もしくは汽水湖に設置され汽水を取水する取水手段と、取水された汽水を昇圧するための昇圧手段と、該取水手段の設置される場所の汽水の塩分の濃度を計測する塩分濃度計測手段と、逆浸透膜を有し該昇圧手段が昇圧した汽水を淡水化させる逆浸透膜式淡水化手段と、を備え、
    前記塩分濃度計測手段が計測した汽水の塩分濃度が予め定められた所定の値より低い場合に、前記昇圧手段により前記逆浸透膜式淡水化手段に汽水を送り込むように制御されることを特徴とする汽水淡水化処理装置。
  2. 前記塩分濃度計測手段が、前記取水手段の設置される場所の汽水の電気伝導率を計測する電気伝導率計測手段と、該電気伝導率計測手段により計測された電気伝導率と予め定められた所定温度における所定電気伝導率とを比較する判断手段と、を備え、
    該電気伝導率計測手段の示す電気伝導率が所定電気伝導率より低い場合に前記昇圧手段より前記逆浸透膜式淡水化手段に汽水を送り込む信号を送出するよう制御されることを特徴とする請求項1に記載の汽水淡水化処理装置。
  3. 前記取水手段が、移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の汽水淡水化処理装置。
  4. 前記取水手段の後段に、取水した汽水を貯留するための汽水貯留手段が備えられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか記載の汽水淡水化処理装置。
  5. 前記逆浸透膜式淡水化手段の後段に、淡水となった水を貯留するための淡水貯留手段が備えられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか記載の汽水淡水化処理装置。
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