以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<1.システム構成概要および注文管理フロー>
図1は、注文管理システム1の概略構成を模式的に示す図である。なお、この注文管理システム1は、注文管理等に関する電子文書を管理するシステムでもあるため、電子文書管理システムとも称される。また、MFP10(次述)は、電子文書を管理する装置でもあるため、電子文書管理装置であるとも称される。
図1に示されるように、注文管理システム1は、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi Function Peripheral))10と注文管理コンピュータ(サーバとも称する)70とコンピュータ(クライアントとも称する)90とを備える。これらの装置群10,70,90は、それぞれ、ネットワーク(たとえば、LAN(Local Area Network))NWを介して互いに接続されており、互いにデータを送受信することが可能である。なお、MFP10は、後述するように画像形成装置であるとも表現される。また、コンピュータ70,90は、それぞれ、たとえば、CPUおよび半導体メモリ等を有する一般的なコンピュータシステムによって構成される。
以下では、この注文管理システム1における「注文管理のフロー」の概要について説明する。
まず、図1に示すように、商品を発注する人物(発注者ないし購入申請者とも称する)B1は、コンピュータ90を操作することによって、購入を希望する商品についてサーバ70に発注申請を行う。ここでは、人物B1が、異なる3つの会社CA,CB,CCに対する商品の発注申請を行う状況を想定する。
サーバ70は、人物B1からの発注申請(購入申請とも称する)を受け付ける。そして、サーバ70は、当該発注申請に基づき発注商品を販売する会社、すなわち発注先(会社CA,CB,CC)に発注を行う。なお、ここではサーバ70による電子発注を例示しているが、これに限定されず、発注者は、注文書(紙文書)の送付あるいは電話連絡等により各会社に対して注文行為を行うようにしてもよい。
また、サーバ70は、上記の購入申請を受け付けると、検収書ファイルKFを人物B1に送信する。検収書ファイル(納品検収ファイルとも称する)KFは、納品書処理(納品関連処理)および検収書処理(検収関連処理)に関する文書であり、電子データとして作成される文書である。検収書ファイルKFは、たとえばPDF(Portable Document Format)形式の電子文書ファイルとして作成される。検収書ファイルKFは、複数の商品のそれぞれの納品書を電子的に貼り付けるページと当該複数の商品の全てが納入されたことを示す検収書に関するページとの双方を有している。ここでは、検収書ファイルKFとして、しおり領域(しおり情報領域)GDと本文領域(本文情報領域)BDとを有する形式のデータファイル(たとえば、しおり付きPDFファイル)を採用する。この検収書ファイルKFは、表示画面において、しおり表示領域SVと本文表示領域PVとを有する状態で表示される(図15参照)。
具体的には、サーバ70には、検収書ファイルKFのテンプレートが予め保存されており、サーバ70は、当該テンプレートに基づいて検収書ファイルKFを生成する。なお、このテンプレートには、納品書テンプレートと検収書テンプレートとが含まれる。
詳細には、サーバ70は、購入者からの購入申請を受け付けると、検収書ファイルKFとして、検収書テンプレートに基づいて検収書ページを生成するとともに、購入申請(注文申請)に係る購入先(発注先)の会社数に応じた数の納品書ページを生成する。そして、サーバ70は、生成された検収書ファイルKFを人物B1のコンピュータ90に送信する。
検収書ファイルKFのしおり表示領域SV(図15参照)には、ワークフロー情報(次述)に関する項目が表示される。当該ワークフロー情報は、MFP10にて実行される複数のジョブJi(たとえば、J0,J1,J2,J3)(後述)を含む情報であり、検収書ファイルKFのしおり情報領域(付加情報領域とも称する)GDに格納されている。ただし、たとえばMFP10の操作パネル15(図4)等でしおり情報領域GDの内容を閲覧する場合には、図15等に示すように、複数のジョブJi(J0,J1,J2,J3)に対応する項目GDi(たとえば、GD0,GD1,GD2,GD3)(後述)が選択項目として操作パネル15に表示される。すなわち、検収書ファイルKFのしおり情報領域GD内に格納されているワークフロー情報の各ジョブの実体情報(実行情報)は、しおり表示領域SVには表示されず、当該ワークフロー情報の各ジョブに対応する項目GDiのみがしおり表示領域SVに表示される。より詳細には、ワークフロー情報の各ジョブ実体情報は、しおり情報領域GDの所定のタグに対応する部分に非表示属性が付された状態で記載される。当該ワークフロー情報(詳細には当該ワークフロー情報の各ジョブ実体情報)は、たとえば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語によって記述され格納される。
また、検収書ファイルKFの本文表示領域PV(図15参照)には、検収書ファイルKFの複数のページBDi(たとえば、BD0,BD1,BD2,BD3)のうちの或るページの文章が表示される。ページBD0は、検収書(ここでは検収印欄を含む書類)に関する情報を有し、ページBD1,BD2,BD3は、それぞれ会社CA,CB,CCの納品書に関する情報を有する。このMFP10においては、本文表示領域PVには、原則としてトップページ(最初のページ)BD0が表示される。
なお、上述の各項目GDiには、リンク先(ジャンプ先)のページ情報も関連付けられている。そのため、ジョブ実行機能(後述)を有しない装置(たとえば通常のパーソナルコンピュータ)において、検収書ファイルKFが開かれた場合には、当該項目GDiの選択操作(クリック操作)に応じて、当該項目GDiに関連づけられた(リンク先の)ページBDiが本文表示領域PVに表示される。たとえば、項目GD2が選択される場合には、ページBD2(納品書MS2)が本文表示領域PVに表示される。
人物B1は、図1に示すように、サーバ70から送信された検収書ファイルKFをコンピュータ90にて受信する。そして、人物B1は、当該検収書ファイルKFを可搬性記憶媒体であるUSBメモリ80Aに格納する。この後、人物B1は、検収書ファイルKFが格納されたUSBメモリ80AをMFP10のUSBコネクタに接続する。
なお、このMFP10は、原稿(紙文書)をスキャンしてスキャン画像を生成し、当該スキャン画像に基づいて原稿を電子化する装置(電子ファイリング装置あるいは電子文書管理装置等とも称される)である。MFP10は、検収書ファイルKFに格納されたワークフロー情報等に基づいて、納品書に関するスキャン画像と検収書に関するスキャン画像とを含む複数のスキャン画像を、1つの電子文書ファイル(検収書ファイルKF)に纏めて保存する機能等を実現する。
そのため、まず、MFP10は、USBメモリ80Aに格納されている検収書ファイルKFにアクセスする。そして、MFP10は、検収書ファイルKF内のしおり情報領域GDからワークフロー情報をワークフロー情報抽出部31(図6参照)によって抽出する。このワークフロー情報は、複数のジョブに関する実行情報を有する。当該複数のジョブには、原稿(たとえば、発注先から送付された納品書)をスキャンした画像データを検収書ファイルKFの対応ページBDiに取り込む画像取込ジョブが含まれる。
この後、MFP10は、当該ワークフロー情報を実行できるか否かの判断を行う。たとえば、MFP10は、スクリプトのヘッダに記述されたバージョン情報等によって、当該ワークフロー情報の実行可能性を判断する。そして、MFP10は、当該ワークフロー情報を実行することが可能な場合には、当該ワークフロー情報に含まれるジョブを実行する。一方、当該ワークフロー情報を実行することが不可能な場合には、各ジョブに対応する項目GDi(後述)はしおり表示領域SVに表示されるが、当該各ジョブは実行されない。
つぎに、図2および図3を参照しながら、ワークフロー情報に含まれる複数のジョブの概要について説明する。
図2においては、納品書処理(納品ジョブとも称する)が示されている。この納品書処理においては、商品の納品時に送付される納品書MSi(たとえば、MS1,MS2,MS3)(後述)がMFP10でスキャンされることにより、画像データGAi(たとえば、GA1,GA2,GA3)(後述)が生成され、当該画像データGAiが検収書ファイルKFの納品書ページBDiに取り込まれる。
ここでは、図2に示すように、会社CA、会社CC、会社CBの順に商品が納品される状況を想定する。
まず、MFP10によって実行される会社CAの納品書処理について説明する。
MFP10は、複数のジョブJi(J0,J1,J2,J3)に対応する項目GDi(GD0,GD1,GD2,GD3)を選択項目として操作パネル15に表示する(図2の左欄上部、および図15参照)。
そして、人物(MFP10の操作者ないしユーザとも称される)B1は、複数のジョブJiに対応する複数の選択項目GDiを用いた選択操作を行い、実行すべきジョブを入力する。詳細には、人物B1は、操作パネル15に表示された複数の選択項目の中から、会社CAの納品時に実行すべきジョブJ1に対応する項目GD1を選択し、当該項目GD1に対応するジョブJ1を実行対象ジョブとして指定入力する。当該指定入力に応答して、MFP10は、指定されたジョブJ1をジョブ実行部33(図6)によって実行する。
詳細には、MFP10は、会社CAからの納品書MS1をスキャンして画像データGA1を生成する。そして、MFP10は、画像データGA1を検収書ファイルKFのページBD1に取り込む。なお、画像データGA1は、図10で示す本文情報領域BDのページBD1の破線領域に取り込まれる。
また、MFP10は、ジョブJ1が終了すると、しおり情報領域GDに格納されたワークフロー情報に含まれる複数のジョブに関する実行情報のうちジョブJ1の実行情報を後述するジョブ実行情報削除部35(図6)によって削除する。
さらに、MFP10は、ジョブJ1の実行情報が削除された後において、削除されたジョブJ1を除く残余のジョブに関する情報を後述するワークフロー情報抽出部31(図6)によって再抽出する。そして、MFP10は、再抽出されたジョブに対応する項目GD0,GD2,GD3を選択項目として操作パネル15に表示する。
そして、以上のような納品書処理が、図2に示すように、会社CCの納品時および会社CBの納品時においても行われる。
図3は、検収書処理(検収ジョブとも称する)を示す図である。この検収書処理においては、図3に示すように、主に、検収書PRを出力(印刷)する処理と、捺印後の当該検収書PRを検収書ファイルKFの本文情報領域BD(詳細にはBD0)に取り込む処理とが実行される。図3の検収書処理は、各会社の納品書処理(図2)が全て完了した後に実行される。
人物B1は、操作パネル15に表示される選択項目から、全ての発注先から納品が完了した際に実行すべきジョブJ0に対応する項目GD0を選択して、当該項目GD0を実行対象ジョブとして指定入力する。ジョブJ0には、検収書に関するサブジョブSJ1,SJ2,SJ3が含まれる。このとき、MFP10は、指定されたジョブJ0、すなわちサブジョブSJ1,SJ2,SJ3を順次実行する。なお、サブジョブSJ1は、検収書の印刷ジョブであり、サブジョブSJ2は、捺印済の検収書PRを検収書ファイルKFに取り込む処理であり、サブジョブSJ3は、検収書ファイルKFをサーバ70に登録する処理である。
具体的には、MFP10は、サブジョブSJ1を実行することにより、検収書ファイルKFのページBD0を印刷する。MFP10は、サブジョブSJ1が終了すると、ジョブJ0に含まれるサブジョブのうちサブジョブSJ1の実行情報を削除する。
印刷出力されたページBD0、すなわち検収書PRには、確認者(たとえば、係長、課長、部長等)による捺印欄が設けられている。当該検収書PRの捺印欄には、確認者CP1,CP2,CP3によって順次に確認印が押される(捺印される)。
つぎに、MFP10は、サブジョブSJ2を実行することにより、捺印済の検収書PRをスキャンして画像データGA0を生成し、当該画像データGA0を検収書ファイルKFのページBD0に取り込む。また、MFP10は、サブジョブSJ2が終了すると、ジョブJ0に含まれるサブジョブのうちサブジョブSJ2の実行情報を削除する。
さらに、MFP10は、サブジョブSJ3を実行することにより、検収書ファイルKFをサーバ70に登録する。また、MFP10は、サブジョブSJ3が終了すると、ジョブJ0に含まれるサブジョブのうちサブジョブSJ3の実行情報を削除する。さらに、MFP10は、サブジョブの実行情報が全て削除されるとジョブJ0の実行情報をも削除する。
以下では、このような注文管理システムを実現するMFP10についてさらに詳細に説明する。
<2.MFPの構成等>
図4は、MFP10の外観を示す概略図である。
MFP10は、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能およびファクシミリ機能などを備える装置(複合機とも称する)である。具体的には、MFP10は、キー操作部14、操作パネル15、画像読取部16、印刷出力部17、および通信部18等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、上記の各機能を実現する。
キー操作部14は、各種の処理に対する操作指示、ならびに、文字および数字のデータの入力を受け付ける入力部である。キー操作部14には、電源キー等の、ユーザが操作するための複数のキーが設けられている。
操作パネル15は、操作メニューや取得した画像に関する各種情報を表示する表示部である。MFP10の前面側に設けられた操作パネル15は、タッチパネル式のディスプレイ(タッチスクリーン)であり、操作メニュー等を表示するとともに、表示された(仮想的な)操作ボタンの画像に対する接触操作を検知することによって、MFP10に対する操作を受け付ける受付部として構成されている。
画像読取部16は、写真、文字、絵などの画像情報を原稿から光電的に読み取って画像データ(スキャン画像)を生成して取得する。取得された画像データは、適宜処理を施された後、記憶部13に記憶されたり、印刷出力部17または通信部18に送られて画像の印刷やデータの送信に使用される。
印刷出力部17は、画像読取部16により取得された画像データ、通信部18により外部機器から受信した画像データなどに基づいて、記録紙上に画像を印刷する。
通信部18は、公衆回線等を介してファクシミリデータの送受信を行う。また、通信部18は、LANやインターネット等のネットワーク(ネットワークNWを含む)を介して当該ネットワークに接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。これにより、MFP10は、所望の相手先との間で各種の画像データ等を送受信することが可能である。なお、MFP10によるネットワーク通信は、有線接続によるものであってもよく、あるいは無線接続によるものであってもよい。
図5は、MFP10のハードウェアブロック図である。
MFP10は、これまでに説明した構成要素に加え、CPU11、RAM(Random Access Memory)12、記憶部13、およびメディアアクセス部19等をさらに備える。
メディアアクセス部19は、MFP10に対して着脱可能な記録媒体80(たとえばUSBメモリ80A)に記録された情報の読み出し処理および記録媒体80に対する情報の書き込み処理を行う。
記憶部13は、ハードディスクドライブ等の記憶装置で構成される。この記憶部13には、画像読取部16等で生成される原稿画像データ等が記憶される。
CPU11は、コントローラ30の中央演算処理部である。また、RAM12は、コントローラ30のメインメモリおよびワークエリア等として機能する。
図6は、MFP10の内部構成を示す概略図である。
コントローラ30は、MFP10を統括的に制御する制御装置であり、CPU11と半導体メモリRAM12とを備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ30の制御下において各種の処理部が動作することによって、MFP10の各種の機能が実現される。
たとえば、コントローラ30は、MFP10の制御下において、画像読取部16を用いて所望の画像を光学的に読み取ることにより、原稿(紙文書)をスキャンしたスキャン画像が取得されスキャナ機能が実現される。また、コントローラ30の制御下において、印刷出力用の画像データが生成されるとともに印刷出力部17に関する駆動動作等が制御されることによって所望の画像が用紙上に印刷出力され、プリンタ機能が実現される。
また特に、コントローラ30は、ワークフロー情報抽出部31、ジョブ実行部33、およびジョブ実行情報削除部35等の各種処理部を備えている。これらの処理部は、コントローラ30内のEEPROM(あるいは記憶部13)等に記憶されているソフトウェアプログラム(単にプログラムとも称する)を、コントローラ30のCPU11等を用いて実行することにより実現される。
ワークフロー情報抽出部31は、PDFファイルのしおり情報領域(付加情報領域とも称する)GDにスクリプト言語で記述されて格納されたワークフロー情報を、しおり情報領域GDから抽出する処理部である。たとえば、ワークフロー情報抽出部31は、記録媒体80(USBメモリ80A等)に記録された検収書ファイルKFの中から、スクリプト言語で記述されたワークフロー情報を抽出する。
ジョブ実行部33は、ワークフロー情報抽出部31によって抽出されたワークフロー情報に従ってジョブ(たとえば、画像読取部16にてスキャンされた原稿の画像データをPDFファイルPFに取り込む処理)を実行する。このジョブ実行部33は、ワークフロー情報抽出部31により抽出されたワークフロー情報に含まれるプログラム(スクリプト言語で記述された実行情報)に基づいて、各種のジョブを実行する。詳細には、ジョブ実行部33は、スクリプト言語で記述された内容を解釈して実行する。
ジョブ実行情報削除部35は、ジョブ実行部33によって実行されたジョブが終了すると、PDFファイル内のしおり情報領域GDにアクセスし、当該しおり情報領域GD内のワークフロー情報に含まれる複数のジョブに関する実行情報の中から、当該ジョブ(実行済みジョブ)の実行情報を削除する。
<3.動作概要>
図7〜図9は、MFP(画像形成装置)10の動作を示すフローチャートである。図10は、ジョブ実行前における検収書ファイルKFを示す図である。図11〜図13は、それぞれ会社CA,CC,CBの納品書を示す図である。図14〜図38は、操作パネル15に表示される画面を示す図である。図39〜図42は、納品ジョブ実行後のページBDiを示す図である。図43は、検収ジョブ実行後における検収書ファイルKFを示す図である。
<3−1.概要>
まず、図7のフローチャートを参照しながら、MFP10の動作の概要について説明する。
MFP10は、メディアアクセス部19を用いてUSBメモリ80A内の検収書ファイルKFにアクセスする。そして、ワークフロー情報抽出部31は、検収書ファイルKF内のしおり情報領域GDからワークフロー情報を抽出する。当該ワークフロー情報には、画像取込ジョブ等が含まれている。ここで、画像取込ジョブは、画像読取部16によってスキャンして生成された原稿の画像データを検収書ファイルKFに取り込むジョブである。
このとき、MFP10は、PDFファイルがワークフロー情報を含むデータファイルであることを認識するとともに、当該ワークフロー情報が実行可能なものであることをも認識すると、図14のような確認画面を操作パネル15に表示する。図14においては、ワークフロー情報に含まれる複数のジョブJiにそれぞれ対応する複数の項目GDiを選択項目として表示するか否かを問い合わせる確認画面が示されている。また、図14に示すように、当該確認画面にはボタンBN1,BN2が表示される。MFP10は、ボタンBN1が選択されると、図15で示すように、ジョブJi(J0,J1,J2,J3)に対応する項目GDi(GD0,GD1,GD2,GD3)を選択項目として操作パネル15に表示する。一方、MFP10は、ボタンBN2が選択されると、図16で示すように、処理を中断した旨を操作パネル15に表示する。ここでは、人物B1は、ボタンBN1を選択する場合を想定する。
なお、ジョブJ0は、検収書に関する処理であり、3つのサブジョブSJ1,SJ2,SJ3を有する。また、ジョブJ1,J2,J3は、それぞれ会社CA,CB,CCの納品書MSi(MS1,MS2,MS3)に関する処理である。
また、項目GD0,GD1,GD2,GD3は、図15に示すように、人物B1が操作パネル15をタッチすることによって選択可能な下線付き文字として表示される。各項目GD0,GD1,GD2,GD3は、それぞれジョブJ0,J1,J2,J3に対応する。
また、操作パネル15には、図15に示すように、本文情報領域BDのトップページであるページBD0が表示される。
人物B1は、図7のステップS11において、操作パネル15に表示された項目GDi(GD0,GD1,GD2,GD3)の中からMFP10に実行させる項目を選択する。このとき、操作パネル15は、人物B1による項目GDiの選択操作入力(タッチ操作)を、実行すべきジョブに関する指定入力として受け付ける。すなわち、操作パネル15は、選択された項目GDiに対応するジョブを、実行すべきジョブとして受け付ける。
つぎに、MFP10は、ステップS12において、ステップS11にて受け付けたジョブが納品書MSi(MS1,MS2,MS3)に関するジョブであるか否かを判定する。換言すれば、MFP10は、ステップS11にて、人物B1によって指定された項目が項目GD1,GD2,GD3のいずれかであるか否かを判定する。
そして、ステップS12において、ジョブが納品書に関するジョブであると判定された場合には、ステップS13に進む。一方、ステップS12において、ジョブが納品書に関するジョブでないと判定された場合には、ステップS17に進む。
はじめに、ステップS13に進んだ場合の動作について説明する。MFP10は、ステップS13において、発注先に応じた分岐処理を実行する。具体的には、ステップS11において指定された項目GD1,GD2,GD3に応じた分岐処理が実行される。たとえば、ステップS11で項目GD1が指定される場合には、発注先は会社CAであると判定され、ステップS14に進む。また、ステップS11で項目GD2が指定される場合には、発注先は会社CBであると判定され、ステップS15に進む。また、ステップS11で項目GD3が指定される場合には、発注先は会社CCであると判定され、ステップS16に進む。
MFP10は、ステップS14,S15,S16において、後述する納品書処理(図8参照)を実行する。
そして、納品書処理(ステップS14,S15,S16)が終了すると、処理はステップS20に進む。
MFP10は、ステップS20において、ワークフロー情報に含まれる全ジョブが終了したか否かを判定する。ここで、全ジョブが終了したと判定された場合には、処理を終了する。一方、終了していないジョブが検出された場合には、再度、ステップS11に戻る。なお、処理が終了した場合には、処理を終了した旨の画面(不図示)が操作パネル15に表示される。
つぎに、ステップS17に進んだ場合の動作について説明する。MFP10は、ステップS17において、納品書に関する全ジョブ(ジョブJ1,J2,J3)が終了しているか否かを判定する。そして、納品書に関する全ジョブが終了している場合には、処理はステップS18に進む。一方、納品書に関するジョブ(ジョブJ1,J2,J3)のうち未処理のジョブが検出された場合には、処理はステップS19に進む。
ステップS18においては、MFP10は、後述する検収書処理(図9参照)を実行する。そして、MFP10は、検収書処理(ステップS18)が終了すると、ステップS20に進む。
一方、ステップS19においては、MFP10は、図17に示すように、納品書に関するジョブのうち処理されていないジョブに対応する項目名をエラー内容として操作パネル15に表示する。また、操作パネル15には、確認用のボタンBN4が表示される。ここで、ボタンBN4が選択されると、ステップS19の処理が終了し、処理はステップS20に進む。
<3−2.詳細動作(納品書処理)>
つぎに、図7および図8を参照しながら納品書処理(ステップS14,S15,S16)について詳細に説明する。図8は、ジョブ実行部33が実行する納品書処理の工程を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、会社CA、会社CC、会社CBの順に発注した商品が納品される場合を想定する。なお、納品書MSi(MS1,MS2,MS3)は、商品の納品と同時に送付されるものとする。本実施形態では、人物B1は、各会社からの納品毎に、納品書処理を実施する場合を想定する。
<3−2−1.会社CAの納品書処理>
はじめに、会社CAの納品時にともなう納品書処理について説明する。
人物B1は、会社CAから商品が納品されると、検収書ファイルKFが格納されたUSBメモリ80AをMFP10に接続する。
そして、図7のステップS11において、ワークフロー情報抽出部31は、検収書ファイルKFのしおり情報領域GDから、ワークフロー情報を抽出する。また、MFP10は、ワークフロー情報に含まれる複数のジョブに対応する項目GDi(GD0,GD1,GD2,GD3)を、選択項目として、操作パネル15のしおり表示領域SVに表示する。
ここで、人物B1は、操作パネル15に表示された選択項目から項目GD1、すなわちジョブJ1に対応する項目を指定する。
この後、図7のステップS12において発注先が会社CAであると判定され、処理はステップS14に進む。
MFP10は、ステップS14、すなわち会社CAの納品書処理において、項目GD1に対応するジョブJ1をジョブ実行部33によって実行する。詳細には、ジョブ実行部33は、ジョブJ1の実行情報(スクリプト言語で記述されたプログラム情報)に従って、ジョブ(画像取込ジョブ)J1を遂行する。具体的には、ジョブ実行部33は、図8のステップS31,S32,S33の3つの処理を、ジョブJ1すなわち会社CAの納品書処理として実行する。
ジョブ実行部33は、会社CAの納品書MS1(図11)を画像読取部16によってスキャンし、納品書MS1の画像データGA1を生成する(ステップS31)。また、ジョブ実行部33は、生成された画像データGA1を検収書ファイルKFのページBD1に取り込む(ステップS32)。さらに、ジョブ実行部33は、ジョブ実行情報削除部35と協動して、検収書ファイルKFのしおり情報領域GDに格納されるワークフロー情報のうちジョブJ1の実行情報(スクリプト言語で記述されたプログラム情報)を削除する(ステップS33)。
より具体的には、図18に示すように、MFP10は、操作パネル15の表示画面を通じて納品書MS1のスキャン操作を人物B1に要求する。人物B1は、当該要求に応じて、ADF(オートドキュメントフィーダ)部に納品書MS1をセット(載置)し、操作パネル15内のボタンBN6を押下する。ボタンBN6が選択されると、画像読取部16は、ADF(オートドキュメントフィーダ)部にセットされた納品書MS1をスキャンする(ステップS31)。なお、操作パネル15内のボタンBN7が選択されると、操作パネル15には、図16で示すように、処理を中断した旨が表示される。ここでは、人物B1は、ボタンBN6を選択する場合を想定する。
ボタンBN6が選択されると、MFP10は、画像読取部16によって納品書MS1のスキャンを開始すると同時に、納品書MS1の画像データGA1を検収書ファイルKFに取込中である旨を操作パネル15に表示する(図19)。
そして、スキャン処理が終了し画像データGA1が生成されると、MFP10は、図39に示すように、画像データGA1を検収書PDFファイルのページBD1に取り込む(ステップS32)。
その後、画像データGA1の取り込みが終了すると、ジョブ実行情報削除部35はジョブJ1の実行情報を削除する(ステップS33)。また、操作パネル15には、図20に示すように、画像データGA1が検収書ファイルKFに取り込まれた旨としおりの選択項目の項目GD1を削除した旨とが表示される。なお、この実施形態においては、実行済みのジョブJiがしおり情報領域GDから削除されると、当該ジョブJiに対応するしおりの選択項目GDiも併せて削除されるものとする。
このように、ジョブ実行部33は、ジョブJ1をステップS31〜ステップS33の工程に沿って実行する。
そして、ジョブJ1の実行が終了し、OKボタンBN4が押下されると、ステップS20からステップS11に戻り、ワークフロー情報抽出部31は、検収書ファイルKFのしおり情報領域GD内のワークフロー情報のうち、ジョブ実行情報削除部35によって削除されたジョブJ1を除く残余のジョブJ0,J2,J3に関する情報を再び抽出する。
このとき、操作パネル15には、図21に示すように、再抽出されたワークフロー情報に基づいて残余のジョブJ0,J2,J3に対応する項目GD0,GD2,GD3が選択項目として表示される。また、図21においては、キャンセルボタンBN3も表示されている。人物B1によってボタンBN3が選択されると、MFP10は、処理を一旦終了する。
ここでは、ジョブJ1の実行が終了した時点においては、会社CA以外の発注先(すなわち会社CB,CC)からの商品は未だ納品されていない場合を想定する。そのため、人物B1は、キャンセルボタンBN3を押下し、MFP10での処理を、一旦、終了させる。すなわちワークフローを一旦中断する。
<3−2−2.会社CCの納品書処理>
つぎに、会社CCの納品時にともなう納品書処理について、上述した会社CAの納品時にともなう納品書処理との相違点を中心に説明する。
人物B1は、会社CCから商品が納品されると、再び、検収書ファイルKFが格納されたUSBメモリ80AをMFP10に接続する。
そして、会社CAの納品時と同様に、図7のステップS11において所定の処理が実施される。ただし、ジョブJ1の実行情報は、ステップS14、すなわち会社CAの納品書処理において、削除されている。そのため、操作パネル15のしおり表示領域SVには、ワークフロー情報に含まれる複数のジョブのうちジョブJ1を除くジョブJ0,J2,J3に対応する項目GD0,GD2,GD3が選択項目として表示される(図21参照)。そして、人物B1は、項目GD3、すなわちジョブJ3に対応する項目を選択する。
この後、図7のステップS12において発注先が会社CCであると判定され、ステップS16に進む。
MFP10は、ステップS16、すなわち会社CCの納品書処理において、項目GD3に対応するジョブ(画像取込ジョブ)J3をジョブ実行部33によって実行する。
ジョブ実行部33は、ステップS31において、会社CCの納品書MS3(図12)を画像読取部16によってスキャンし、納品書MS3の画像データGA3を生成する。また、ジョブ実行部33は、ステップS32において、生成された画像データGA3を検収書ファイルKFのページBD3に取り込む。さらに、ジョブ実行部33は、ジョブ実行情報削除部35と協動して、ステップS33において、検収書ファイルKFのしおり情報領域GDに格納されるワークフロー情報のうちジョブJ3の実行情報を削除する。
より具体的には、図22に示すように、MFP10は、操作パネル15の画面を通じて納品書MS3のスキャン操作を人物B1に要求し、人物B1のスキャン操作に応じて、納品書MS3を画像読取部16によりスキャンする(ステップS31)。詳細には、MFP10は、ボタンBN6が選択されると、画像読取部16によって納品書MS3のスキャンを開始すると同時に、納品書MS3の画像データGA3を検収書ファイルKFに取込中である旨を操作パネル15に表示する(図23)。
そして、MFP10は、図40に示すように、実際に画像データGA3を検収書PDFファイルのページBD3に取り込む(ステップS32)。
その後、画像データGA3の取り込みが終了すると、ジョブ実行情報削除部35はジョブJ3の実行情報を削除する(ステップS33)。また、操作パネル15には、図24に示すように、画像データGA3が検収書ファイルKFに取り込まれた旨としおりの選択項目の項目GD3を削除した旨とが表示される。なお、操作パネル15には、OKボタンBN4も表示される。
このように、ジョブ実行部33は、ジョブJ3をステップS31〜ステップS33の工程に沿って実行する。
そして、ジョブJ3の実行が終了し、OKボタンBN4が押下されると、ステップS20からステップS11に戻り、ワークフロー情報抽出部31は、検収書ファイルKFのしおり情報領域GDに格納されるワークフロー情報のうちジョブ実行情報削除部35によって新たに削除されたジョブJ3をも除く残余のジョブJ0,J2に関する情報を再び抽出する。
このとき、操作パネル15には、図25に示すように、再抽出されたワークフロー情報に基づいて残余のジョブJ0,J2に対応する項目GD0,GD2が選択項目として表示される。
ここでは、ジョブJ3の実行が終了した時点において、会社CA,CC以外の発注先(すなわち会社CC)から商品が納品されていない場合を想定する。そのため、人物B1は、キャンセルボタンBN3を選択し、MFP10での処理を、一旦、終了させる。すなわちワークフローを一旦中断する。
<3−2−3.会社CBの納品書処理>
つぎに、会社CBの納品時にともなう納品書処理について、上述した会社CA,CCの納品時にともなう納品書処理との相違点を中心に説明する。
人物B1は、会社CBから商品が納品されると、再び、検収書ファイルKFが格納されたUSBメモリ80AをMFP10に接続する。
そして、会社CA,CCの納品時と同様に、図7のステップS11において所定の処理が実施される。ただし、ジョブJ3の実行情報も、ステップS16、すなわち会社CCの納品書処理において、削除されている。そのため、操作パネル15のしおり表示領域SVには、ワークフロー情報に含まれる複数のジョブのうちジョブJ1,J3を除くジョブJ0,J2に対応する項目GD0,GD2が選択項目として表示される(図25参照)。そして、人物B1は、項目GD2、すなわちジョブJ2に対応する項目を選択する。
この後、図7のステップS12において発注先が会社CBであると判定され、ステップS15に進む。
MFP10は、ステップS15、すなわち会社CBの納品書処理において、項目GD2に対応するジョブ(画像取込ジョブ)J2をジョブ実行部33によって実行する。
ジョブ実行部33は、ステップS31において、会社CBの納品書MS2(図13)を画像読取部16によってスキャンし、納品書MS2の画像データGA2を生成する。また、ジョブ実行部33は、ステップS32において、生成された画像データGA2を検収書ファイルKFのページBD2に取り込む。さらに、ジョブ実行部33は、ステップS33において、検収書ファイルKFのしおり情報領域GDに格納されるワークフロー情報のうちジョブJ2の実行情報をジョブ実行情報削除部35によって削除する。
より具体的には、図26に示すように、MFP10は、操作パネル15の画面を通じて納品書MS2のスキャン操作を人物B1に要求し、人物B1のスキャン操作に応じて、納品書MS2をスキャンする(ステップS31)。詳細には、MFP10は、ボタンBN6が選択されると、画像読取部16によって納品書MS2のスキャンを開始すると同時に、納品書MS2の画像データGA2を検収書ファイルKFに取込中である旨を操作パネル15に表示する(図27)。
そして、MFP10は、図41に示すように、実際に画像データGA2を検収書PDFファイルのページBD2に取り込む(ステップS32)。
その後、画像データGA2の取り込みが終了すると、ジョブ実行情報削除部35はジョブJ2の実行情報を削除する(ステップS33)。また、操作パネル15には、図28に示すように、画像データGA2が検収書ファイルKFに取り込まれた旨としおりの選択項目の項目GD2を削除した旨とが表示される。なお、操作パネル15には、OKボタンBN4も表示される。
このように、ジョブ実行部33は、ジョブJ2をステップS31〜ステップS33の工程に沿って実行する。
そして、ジョブ実行部33によるジョブJ2の実行が終了し、OKボタンBN4が押下されると、ステップS20からステップS11に戻り、ワークフロー情報抽出部31は、検収書ファイルKFのしおり情報領域GDに格納されるワークフロー情報のうちジョブ実行情報削除部35によって新たに削除されたジョブJ2を除く残余のジョブJ0に関する情報を再び抽出する。
このとき、操作パネル15には、図29に示すように、再抽出されたワークフロー情報に基づいて残余のジョブJ0に対応する項目GD0が選択項目として表示される。
本実施形態では、ジョブJ2の実行が終了した時点において、会社CA,CB,CCの全ての納品書処理が完了する。そこで、人物B1は、MFP10での納品書処理以外の処理、すなわち検収書処理を継続して行うものとする。なお、上述したように、この時点でキャンセルボタンBN3を押下して、ワークフローを一旦中断することもできる。
<3−3.詳細動作(検収書処理)>
つぎに、図7および図9を参照しながら検収書処理(ステップS17)について詳細に説明する。図9は、この検収書処理の詳細を示すフローチャートである。
上述したように、会社CA,CB,CCの全ての納品書処理が完了すると、図29で示すように、しおり表示領域SVには、ジョブJ0、すなわち検収書処理に関するジョブに対応する項目GD0のみが表示される。
ここで、人物B1は、操作パネル15に表示された項目GD0を指定(選択)する。なお、上述したように、ジョブJ0には、サブジョブSJ1,SJ2,SJ3が含まれる。
この後、処理は、図7のステップS11からステップS12,S17を経て、ステップS18に進む。
そして、MFP10は、図9のステップS51において、実行対象のサブジョブを決定する。ここでは、サブジョブSJ1,SJ2,SJ3には優先順位があり、サブジョブSJ1、サブジョブSJ2、サブジョブSJ3の順で優先順位が高い場合を想定する。そして、ステップS51においては、ジョブJ0に含まれるサブジョブのうち最も優先順位の高いサブジョブが実行対象のサブジョブとして決定される。
たとえば、ジョブJ0がサブジョブSJ1,SJ2,SJ3を全て含む場合には、ステップS51において、実行対象のサブジョブはサブジョブSJ1に決定される。ただし、後述するように、ジョブ実行部33によって実行されたサブジョブSJ1,SJ2,SJ3は、ジョブ実行情報削除部35によって削除される。そのため、ジョブJ0は、常に、サブジョブSJ1,SJ2,SJ3の全サブジョブを含むとは限らない。たとえば、ジョブJ0がサブジョブSJ3のみを含む場合もある。このような場合には、ステップS51において、サブジョブはサブジョブSJ3に決定される。
ここでは、ステップS51において、実行対象のサブジョブがまずサブジョブSJ1に決定されるものとし、ステップS52に進む。
つぎに、MFP10は、ステップS52において、サブジョブSJ1をジョブ実行部33によって実行する。ジョブ実行部33は、検収書ファイルKFのページBD0を印刷出力部17によって印刷し、検収書PRを出力する。具体的には、ジョブ実行部33は、ジョブSJ1の実行情報(スクリプト言語で記述されたプログラム情報)、より詳細には、検収書PRを印刷すべき旨の印刷実行情報にしたがって、ジョブSJ1を遂行する。
詳細には、図30に示すように、MFP10は、まず、操作パネル15を通じて検収書PRの印刷指示を人物B1に要求する。そして、当該印刷指示に応じて人物B1によりボタンBN6が選択されると、印刷出力部17は、検収書ファイルKFのページBD0を印刷して検収書PRを出力する。一方、ボタンBN7が選択されると、操作パネル15には、図16で示すように、処理を中断した旨が表示される。ここでは、ボタンBN6が選択される場合を想定する。
MFP10は、ボタンBN6が選択されると、印刷出力部17によって検収書ファイルKFのページBD0の印刷を開始すると同時に、出力される検収書PRが印刷中である旨を操作パネル15に表示する(図31)。
そして、MFP10は、図32に示すように、検収書PRの印刷が終了すると、検収書PRの印刷が完了した旨を操作パネル15に表示する。また、操作パネル15には、ボタンBN4が表示される。
ボタンBN4が選択されると、ジョブ実行情報削除部35は、ジョブJ0に含まれるサブジョブに関する実行情報のうちサブジョブSJ1の実行情報を削除する(ステップS56)。
この後、MFP10は、ステップS57において、全てのサブジョブ(サブジョブSJ1,SJ2,SJ3)が既に実行されたか否かを判定する。ここでは、サブジョブSJ1を除く、サブジョブSJ2,SJ3が未だ実行されていないため、再度、ステップS51に戻る。
そして、ステップS51において、実行対象のサブジョブがサブジョブSJ2に決定され、処理はステップS53に進む。
ここで、操作パネル15には、図33に示すように、検収書PRのスキャンを要求する旨が表示される。ここで、ボタンBN6が選択されると、画像読取部16は、フィーダにセットされた検収書PRをスキャンする。一方、ボタンBN7が選択されると、操作パネル15には、図16で示すように、処理を中断した旨が表示される。
ところで、サブジョブSJ2は、検収書PRを画像読取部16によってスキャンして画像データGA0を取得し、さらに、生成された画像データGA0を検収書ファイルKFのページBD0に取り込む処理である。サブジョブSJ2は、画像取込ジョブであるとも称される。また、このサブジョブSJ2においては、ページBD0に取り込みたい画像データGA0は、全ての捺印欄に捺印がなされた検収書PRの画像データGA0である。
ここでは、検収書PRの捺印欄への捺印が未だ完了していない状況を想定し、図33においてボタンBN7が選択され、処理が一旦中断されるものとする。
その後、確認者CP1,CP2,CP3による検収書PRの捺印欄への捺印が完了すると、人物B1はMFP10での処理を再開する。
具体的には、捺印完了後に、人物B1は、再び、検収書ファイルKFが格納されたUSBメモリ80AをMFP10に接続する。
そして、人物B1は、再度、ジョブJ0に対応する項目GD0を操作パネル15によって選択する。この選択操作に応じて、処理は、図7のステップS11からステップS12,S17を経て、ステップS18に進む。
この後、ステップS18内のステップS51において、実行対象のサブジョブがサブジョブSJ2に決定される。そして、操作パネル15には、再び、検収書PRのスキャンを要求する旨が表示される。また、操作パネル15には、ボタンBN6,BN7が表示される。ここでは、人物B1は、ボタンBN6を選択する場合を想定する。
MFP10は、ボタンBN6が選択されると、ステップS53において、サブジョブSJ2を実行する。ジョブ実行部33は、ステップS53において、画像読取部16によって検収書PRをスキャンし、検収書PRの画像データGA0を生成する。また、ジョブ実行部33は、ステップS54において、生成された画像データGA0を検収書ファイルKFのページBD0に取り込む。
具体的には、MFP10は、ボタンBN6が選択されると、画像読取部16によって検収書PRのスキャンを開始すると同時に、画像データGA0を検収書ファイルKFに取込中である旨を操作パネル15に表示する(図34)。そして、MFP10は、図42に示すように、実際に画像データGA0を検収書PDFファイルのページBD0に取り込む。なお、これらの処理は、ジョブSJ2の実行情報(スクリプト言語で記述されたプログラム情報)、より詳細には、画像データGA0を検収書ファイルKFのページBD0に取り込むべき旨等を示す読込処理実行情報に従って、ジョブ実行部33等により実行される。
そして、サブジョブSJ2が終了すると、操作パネル15には、図35に示すように、画像データGA3が検収書ファイルKFに取り込まれた旨が表示される。また、ジョブ実行情報削除部35は、ジョブJ0に含まれるサブジョブに関する実行情報のうちサブジョブSJ2の実行情報を削除する(ステップS56)。
この後、MFP10は、ステップS57において、全てのサブジョブ(サブジョブSJ1,SJ2,SJ3)が実行されたか否かを判定する。ここでは、サブジョブSJ1,SJ2を除く、サブジョブSJ3が実行されていないため、再度、ステップS51に戻る。
そして、ステップS51において、実行対象のサブジョブがサブジョブSJ3に決定され、処理はステップS55に進む。
ここで、操作パネル15には、図36に示すように、検収書ファイルKFをサーバ70に登録する旨が表示される。また、操作パネル15にはボタンBN6,BN7が表示される。ここで、ボタンBN6が選択された場合には、MFP10は、検収書ファイルKFをサーバ70に登録する。一方、ボタンBN7が選択された場合には、操作パネル15には、図16で示すように、処理を中断した旨が表示される。ここでは、人物B1は、ボタンBN6を選択する場合を想定する。
ボタンBN6が選択されると、MFP10は、検収書PDFファイルのサーバ70への登録を開始すると同時に、検収書ファイルKFをサーバ70に登録中である旨を操作パネル15に表示する(図37)。そして、MFP10は、実際に検収書ファイルKFをサーバ70に登録する(ステップS55)。具体的には、ジョブ実行部33は、ジョブSJ3の実行情報(スクリプト言語で記述されたプログラム情報)、より詳細には、検収書ファイルKFをサーバに登録すべき旨の登録実行情報にしたがって、ジョブSJ3を遂行する。
そして、ジョブ実行情報削除部35は、サブジョブSJ3が終了すると、ジョブJ0に含まれるサブジョブに関する実行情報のうちサブジョブSJ3の実行情報を削除する(ステップS56)。
この後、MFP10は、ステップS57において、全てのサブジョブ(サブジョブSJ1,SJ2,SJ3)が実行されたか否かを判定する。ここでは、全サブジョブが終了しているため、処理はステップS57に進む。
そして、ジョブ実行情報削除部35は、ステップS57において、検収書ファイルKFのしおり情報領域GDにアクセスし、しおり情報領域GDに格納されたワークフロー情報に含まれる複数のジョブに関する実行情報のうちジョブJ0の実行情報を削除する。また、操作パネル15には、図38に示すように、検収書ファイルKFがサーバ70に登録された旨としおりの選択項目GD0を削除した旨とが表示される。さらに、操作パネル15には、図38に示すように、ボタンBN4が表示される。
MFP10は、人物B1によってボタンBN4が選択されると、処理を終了する。
図43は、サーバ70に登録される検収書ファイルKFを模式的に示す図である。図10で示したMFP10でのジョブ実行前の検収書ファイルKFと比較すると、まず、しおり表示領域SVに表示されていた項目GDi(GD0,GD1,GD2,GD3)(図10)が全て削除されている。さらに、各ページBDiの破線領域(図10)には、各画像データGA0,GA1,GA2,GA3が取り込まれている。
以上のように、この実施形態に係るMFP10によれば、ワークフロー情報抽出部31は、検収書ファイルKFのしおり情報領域GDにスクリプト言語で記述されたワークフロー情報を、当該しおり情報領域GDから抽出する。そして、ジョブ実行部33は、ワークフロー情報に従って、当該ワークフロー情報に含まれる複数のジョブJi(J0,J1,J2,J3)を実行する。そして、本実施形態においては、処理情報(ワークフロー情報)は、常に検収書ファイルKF内に格納されており、検収書ファイルKFの格納場所とは別の特定の格納場所(たとえば、MFP10内の記憶部13あるいは特定のサーバ等)にアクセスして処理情報(ワークフロー情報)を得ることを要しない。これによれば、電子文書ファイルにアクセス可能でありさえすれば、原稿の電子化に関するワークフローを実行することが可能である。すなわち、電子文書ファイルと処理情報とが別個のデータとして格納される場合に生じ得るアクセス可能性の問題を解消できるので、ネットワーク接続の成否への依存性を低減し、原稿の電子化に関するワークフローをより確実に実行することが可能である。
特に、操作パネル15においては、ワークフロー情報に基づいて、ジョブJi(J0,J1,J2,J3)に対応する項目GDi(GD0,GD1,GD2,GD3)が選択項目として表示される。そして、人物B1は、操作パネル15に表示された選択項目からMFP10にて実行すべきジョブを指定することができる。したがって、人物B1は、ワークフロー情報に含まれるジョブJi(J0,J1,J2,J3)を認識した上で、ジョブ実行部33に実行させるジョブに対応する項目を選択することができる。また、複数のジョブのうち実行すべきジョブを指定することができるので、特定のジョブ(たとえば特定の会社に関する納品ジョブ)を選択的に実行することが可能である。
また、特に、ジョブ実行情報削除部35は、検収書ファイルPFのしおり情報領域GDにアクセスし、しおり情報領域GDに格納されるワークフロー情報のうちジョブ実行部33によって実行されたジョブの実行情報を削除する。そして、当該削除動作後において、ワークフロー情報抽出部31は、ジョブ実行情報削除部35によって削除されたジョブを除く残余のジョブに関する情報を再び抽出する。このとき、実行済みのジョブは既に削除されているため、当該実行済みのジョブが誤って再実行されることを回避できる。さらに、操作パネル15には、再抽出されたワークフロー情報に基づいて残余のジョブに対応する項目が選択項目として表示される。その結果、MFP10は、既に実行されたジョブは操作パネル15に再度表示されることがない。したがって、実行済みのジョブに対応する項目を人物B1が誤選択することもない。
また、サブジョブに関しても同様に削除動作が行われる。具体的には、ジョブ実行情報削除部35は、検収書ファイルPFのしおり情報領域GDにアクセスし、しおり情報領域GDに格納されるワークフロー情報のうちジョブ実行部33によって実行されたサブジョブの実行情報を削除する。そして、当該削除動作後においては、ワークフロー情報抽出部31は、ジョブ実行情報削除部35によって削除されたサブジョブを除く残余のジョブ(サブジョブを含む)に関する情報を再び抽出する。ワークフロー再実行時においては、実行済みのサブジョブが削除されているため、実行済みのサブジョブが誤って再実行されることを回避できる。
また、特に、この実施形態では、可搬性記録媒体であるUSBメモリ80Aに格納された検収書ファイルKFを利用している。その結果、MFP10は、ネットワークNWに接続できない環境においても、所望のジョブを実行することができる。
<6.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
たとえば、上記実施形態においては、可搬性記録媒体としては、USB(Universal Serial Bus)メモリ80Aを例示しているが、これに限定されず、SDカード(メモリカード)等であってもよい。
また、上記実施形態においては、電子文書ファイルとして、PDF形式の検収書ファイルKFを例示したが、これに限定されない。たとえば、XML(eXtensible Markup Language)フォーマットのデータファイルやHTML(HyperText Markup Language)等のマークアップ言語で記述されたデータファイルであってもよい。たとえば、HTMLあるいはXMLの特定のタグに対応する内容として、ワークフロー情報をスクリプト言語で記述するようにしてもよい。この場合、ワークフロー情報抽出部31は、特定のタグに関連づけられたワークフロー情報を抽出すればよい。
また、上記実施形態では、MFP10がUSBメモリ80A内の検収書ファイルKFに対してアクセスする場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、任意のコンピュータに格納される検収書ファイルKFに対して、MFP10がネットワークNWを通じてアクセスするようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、抽出されたワークフロー情報に含まれる複数のジョブに対応する複数の選択項目が表示され、当該複数の選択項目を用いた選択操作に応じて、対応するジョブが実行される場合について例示したが、これに限定されない。たとえば、検収書ファイルKFから抽出されたワークフロー情報に含まれる複数のジョブが、所定の順序にしたがって自動的に順次に実行されるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、図8のステップS33等において、実行済みのジョブJiがしおり情報領域GDから削除されると、当該ジョブJiに対応するしおりの選択項目GDiも併せて削除されることを前提に説明したが、これに限定されない。たとえば、実行済みのジョブJiがしおり情報領域GDから削除される場合においても、当該ジョブJiに対応するしおりの選択項目GDiは削除されることなく残される(表示される)ようにしてもよい。詳細には、当該選択項目GDiは、検収書ファイルKFの目次項目として利用されるようにしてもよい。また、残された選択項目GDiが操作者により選択された場合には、ジョブJiが実行されるのではなく、当該選択項目GDiに対応するページが本文領域BDに表示されるようにしてもよい。すなわち、当該選択項目GDiの選択操作に応じて対応ページにジャンプする機能(ジャンプ表示機能)が実現されるようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、MFP10によって実行されるワークフロー情報が、JavaScript(登録商標)等の汎用的なスクリプト言語で記述されたワークフロー情報である場合について例示したが、これに限定されない。たとえば、MFP10において実行可能な独自の形式に基づいたスクリプト言語によって記述されたワークフロー情報であっても良い。
さらに、当該ワークフロー情報は、一般的なコンピュータ等においては実行できない形式であってMFP10においては実行できる独自の形式のスクリプト言語によって記述されるようにしてもよい。これによれば、一般的なコンピュータ等においては、ワークフロー情報を実行することができないので、コンピュータ等でワークフロー情報が誤動作することを防ぐことができる。
また、当該ワークフロー情報は、MFP10において実行可能な実行形式データであっても良い。たとえば、ワークフロー情報の各ジョブ実体情報は、実行形式データ(コンパイル済みのバイナリデータ(バイナリコード)等)として付加情報領域に格納されればよい。
上記実施形態においては、電子文書管理システム1の一例として、注文管理に関する電子文書を管理する注文管理システムを例示したが、これに限定されず、その他の種類の電子文書を管理する電子文書管理システムおよび電子文書管理装置等を構築するようにしてもよい。