JP5564272B2 - フードおよびフードを備えた衣服 - Google Patents
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Description
ところでフードは使用者の頭部を覆うものであるから、フードを被ると周囲の音が聞こえにくくなる。このため、フード本体において使用者の耳に相当する領域に開口(例えば吸音用の複数の孔)を形成する場合があり、このような場合では開口から水が浸入しないように、開口を覆うフラシをフード本体に縫着する。なお、フラシは開口から吸音し易いように、使用者のフード装着状態において下部は縫着されずに開放されている。
フード本体2とフラシ3Aを構成するパーツ生地は同一の素材であり、該パーツ生地は表面地4aに水浸入防止処理である防水加工あるいは撥水加工が施され、裏面地4bは編み生地(例えばトリコット)または織り生地からなり、表面地4aと裏面地4bとの間に、透湿防滴性フィルムとして例えばゴアテックス(登録商標)が挟持され、これらを一体化して構成されている。
以下にフード1(フード本体2とフラシ3A)を構成する複数枚のパーツ生地を述べるが、これらのパーツ生地はフード1の表側に水浸入防止処理がなされた表面地4aがフード1の表側になるよう、また、裏面地4bが使用者の頭部側、すなわち裏側になるよう用いられる。
具体的に前記パーツ生地は第一生地11ないし第六生地16の六種類の生地から構成されている。
第一生地11は、使用者のフード1の装着状態において、後側の下部にあって使用者の後頸部を被覆する。第二生地12は第一生地11の上方にあって使用者の後頭部を被覆する。第三生地13は、第二生地12の上前方にあって使用者の頂部を被覆する。第四生地14は、第一生地11の前方にあって使用者の頸横部を被覆する。第五生地15は、第三生地13と第四生地14の間にあって、使用者の頭側部を被覆する。第六生地16は、使用者の耳部分を側方で覆う。
そして、隣合うパーツ生地どうしは、縫着部20によって一体化されている。
また第一生地11および第四生地14は、レインスーツなどの衣服6の襟首部7に、例えばドット釦8などの着脱手段により着脱自在に取付けられる。
他の辺部3b,3cがフード本体2の第一生地11、第二生地12、第五生地15の縁部どうしに、縫着部21,22によって縫着されている。
各パーツ生地の縫着部20の裏面に止水テープ23を貼着できるのは、フード1を構成するパーツ生地の裏面地4bが水浸入防止処理を施していない編み生地からなることによる。
したがって、縫着部21,22には、止水テープ23を貼着することができない。あるいは止水テープ23を貼着しても第六生地16からは容易に剥がれてしまい、縫着部21,22では止水テープ23での止水は難しい。
誘導部材25を構成する広幅生地26および狭幅生地27は、ともにフード本体2を構成する生地と同一の生地が用いられている。
誘導部材25の具体的構成について述べる。誘導部材25は、第六生地16の前後の縁部16b,16cに沿うよう上方が尖端となる帯状の広幅生地26と、広幅生地26に沿う狭幅生地27とを組合せた繋ぎ生地から構成されている。
誘導部材25の幅方向の一方縁部25aは、第六生地16の後部においては、縫着部22によって、第一生地11の縁部11a、第二生地12の縁部12bとフラシ3Aの他の辺部3cに重ねて縫着されている。
この生地片25cの幅と狭幅生地27の幅とはほぼ等しく設定されて、生地片25cの外側に狭幅生地27が重ねて接着されている。この場合、生地片25cと狭幅生地27とは、裏面地4bどうしが接着されている。
生地片25cと広幅生地26との間には隙間があって、この隙間が、縫着部21,22の外側から浸入した水Wを、第六生地16に形成された吸音孔16aを回避するための誘導路30とされている。
したがって誘導部材25で形成されるこの誘導路30も誘導部材25と同様、側面視して上方が尖端となっている。
縫着部28の裏側に相当する領域には、これを覆うのに充分な幅を有する止水テープ23がフード本体2に貼着されている。
この誘導部材29の構成は、図5を用いて述べた構成と同様であって、誘導部材29を縫着する生地が異なる。すなわち、誘導部材29は、第二生地12と第二生地12の両側に配置される第六生地16との間、第二生地12と第三生地13との間に連続するよう設けられている。
また、誘導部材25が第六生地16の前後の縁部16b,16cに沿って上方が尖端となるよう構成しているのに対して、誘導部材29は第二生地12の上端辺部および左右端辺部に沿うよう、背面視して下方が開放されたコ字形となるよう設けられている。
しかしながら、縫着部21,22については、縫着部21,22によって重ねられているパーツ生地の間から、フラシ3Aの内側(第六生地16の表面)に水Wが浸入することが考えられる。
したがって、縫着部21,22から浸入した水Wは誘導路30によって堰き止められて、第六生地16側へ移動するのを抑制され、誘導路30は、吸音孔16aを回避するよう、第六生地16の前後の縁部16b,16cに沿って上方が尖端となっているから、誘導路30に浸入した水Wは、前後に振分けられるようにして、下方へ誘導される。
このため、第六生地16の吸音孔16aに至らず、したがって水Wが吸音孔16aから浸入することが防止できる。
このため、縫着部24および縫着部22から浸入した水Wを誘導部材29(誘導路)に沿って下方に誘導して、排気用孔12aから水Wが第二生地12の内側に入り込むのを抑制している。
第二の実施形態が第一の実施形態と異なる構成は、誘導部材35の構成である。第二の実施形態において、誘導部材35は、広幅生地26と、管状体36とから構成されている。誘導部材35は第六生地16の前後の縁部16b,16cに沿って上方が尖端となるよう設けられている。
取付生地38は、パイプ37を覆う部分と、縫着部28で第六生地16の前後の縁部16b,16cと、広幅生地26の幅方向の他方縁部25bに挟持されて縫着される被縫着片39とから構成されている。
そして、広幅生地26と管状体36(特に被縫着片39)との間には隙間があって、この隙間が、縫着部21,22の外側から浸入した水Wを、第六生地16に形成された吸音孔16aを回避するための誘導路30とされている。他の構成は上記第一の実施形態と同様である。
このため、誘導路30に浸入した水Wは、前後に振分けられるようにして、下方へ誘導され、第六生地16の吸音孔16aに至らず、したがって水Wが吸音孔16aから浸入することを防止できる。
しかしながら、図7の別の実施形態に示すように、パーツ生地とは別生地とはせずに、第一生地11、第二生地12、第五生地15等を延長して広幅生地26の代替とし、その縁部(先端部)15a,12b,11aを折返すことで狭幅生地27の代替としてしかも誘導路30(誘導部材25)を形成するようにすることもできる。
Claims (4)
- フード本体生地の一部が、複数の孔を有する有孔生地から構成され、有孔生地を覆うフラシ生地の端部の一部領域が前記フード本体に縫着部を介して縫着され、該フード本体および前記フラシ生地は表面に水浸入防止処理が施され、裏面に編み生地または織り生地が施されたフードであって、
前記縫着部から浸入した水を有孔生地に形成された孔を回避するよう上方から下方へ誘導する誘導部材が、有孔生地の端部に沿って設けられ、
前記誘導部材は、縫着部と有孔生地との間を繋ぐ繋ぎ生地から構成され、該繋ぎ生地は、一端部が前記縫着部に重ねて縫着され、他端部に縫着部側に突出するよう生地が重ねられて、該他端部が有孔生地の縁部に沿って縫着されることで、有孔生地の縁部側で水の誘導路を形成するよう構成されていることを特徴とするフード。 - フード本体生地の一部が、複数の孔を有する有孔生地から構成され、有孔生地を覆うフラシ生地の端部の一部領域が前記フード本体に縫着部を介して縫着され、該フード本体および前記フラシ生地は表面に水浸入防止処理が施され、裏面に編み生地または織り生地が施されたフードであって、
前記縫着部から浸入した水を、有孔生地に形成された孔を回避するよう、上方から下方へ誘導する誘導部材が、有孔生地の端部に沿って設けられ、
前記誘導部材は、縫着部と有孔生地との間を繋ぐ繋ぎ生地と、管状体とから構成され、前記繋ぎ生地は、一端部が前記縫着部に重ねて縫着され、他端部が有孔生地の縁部に沿って縫着され、管状体は繋ぎ生地の他端部側で該繋ぎ生地との間に水の誘導路を形成するよう有孔生地の縁部に沿って設けられていることを特徴とするフード。 - 有孔生地は、使用者が頭部に装着した状態で該使用者の耳に対応する吸音用領域を構成する生地、および使用者が頭部に装着した際の空気逃がし用領域を構成する生地のうちの、少なくとも一方の生地であることを特徴とする請求項1または請求項2の何れか1項に記載のフード。
- 請求項1ないし請求項3に記載の何れかのフードが備えられていることを特徴とする衣服。
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