JP5563694B1 - 組立式玩具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 斬新かつ独創的でスタイリッシュなデザインを有する多種多様なパーツを備え、それらパーツ同士の組み合わせに高い自由度を与えて作り手の発想力や想像力を刺激し、子供から大人まで幅広い世代で楽しむことのできる組立式玩具を提供する。
【解決手段】 複数のパーツ2で構成される組立式玩具1であって、前記各パーツ2には取り外し可能に相互接続する連結手段3として、円状または円弧状の外周面がギア形状に形成された連結オス部31、および/または、この連結オス部31と嵌合しうる、円状または円弧状の内周面がギア形状に形成された連結メス部32を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数のパーツで構成される組立式玩具に関するものである。
従来、複数のパーツを単純に積み重ねる積み木や、各パーツの凸部と凹部を嵌め合わせるブロック玩具等、複数のパーツを組み合わせることで、様々な形状に組み立てることのできる組立式玩具がある。このような組立式玩具は、子供の発想力や想像力等を育む情操教育の教材として優れた玩具である。
また、このような複数のパーツからなる組立式玩具において、これまでに、取り外し可能に相互接続する連結手段を有した玩具に関する発明が提案されている。
例えば、特許第4422344号公報では、矩形状の表面と、この表面の周囲に沿って裏側から下向きに延びる側面と、この各側面の間で、かつ前記表面の裏側に配置される結合凹部と、前記表面の表側に配置される複数の結合凸部とを有する玩具構築セット用の構築パーツに関する発明が提案されている(特許文献1)。この特許文献1によると、前記構築パーツの前記結合凸部と、他の前記構築パーツの前記結合凹部とを嵌め合わせることで、相互接続することができるとされている。
特許第4422344号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明を含め従来の組立式玩具においては、構築パーツ同士の積み重ねパターンや嵌め合わせパターンが少なく単純であるため、組み立てられる立体物の形状が限定されてしまうという問題がある。また、特許文献1等のように嵌め合わせ可能な組立式玩具においては、各パーツ同士の連結角度が相対的に90度毎の4方向に限られるため、所望の形状を組み立てる過程で発想力や想像力が刺激されにくく、飽きさせやすいという問題もある。さらに、各パーツの形状は、立方体や長方体という単純なものがほとんどであるため、デザイン的にも視覚から受ける刺激が少なく、創造力をかき立て難いという問題もある。
もとより、従来の組立式玩具は、マンネリ化によって似たような製品が多く出回っており、構造的にもコンセプト的にも斬新さがなく、進化に乏しい。このような背景からも、斬新かつ独創的でスタイリッシュなデザインを有し、様々な形状に組み立てることのできる新たな組立式玩具へのニーズが高まっている。
本発明は、このような問題点を解決し、新たなニーズに応えるためになされたものであって、斬新かつ独創的でスタイリッシュなデザインを有する多種多様なパーツを備え、それらパーツ同士の組み合わせの自由度が高く、作り手の発想力や想像力を刺激し、子供から大人まで幅広い世代で楽しむことのできる組立式玩具を提供することを目的としている。
本発明に係る組立式玩具は、複数のパーツで構成される組立式玩具であって、前記各パーツには取り外し可能に相互接続する連結手段として、円状または円弧状の外周面がギア形状に形成された連結オス部、および/または、この連結オス部と嵌合しうる、円状または円弧状の内周面がギア形状に形成された連結メス部を有する。
また、本発明の一様態として、前記連結オス部が、前記パーツに回転不能に固定または前記パーツと一体的に形成されていてもよい。
さらに、本発明の一様態として、前記連結オス部または前記連結メス部が複数並設されている場合、各々の前記連結オス部または各々の前記連結メス部が所定の基準間隔の倍数にあたる間隔で配置されていてもよい。
また、本発明の一様態として、前記パーツがブロック状パーツである場合、前記連結オス部または前記連結メス部を有する面の幅が所定の基準間隔の倍数にあたる寸法に形成されていてもよい。
さらに、円弧状の前記連結オス部を複数有するパーツと、円弧状の前記連結メス部を複数有するパーツとを備える場合、隣り合う前記円弧状の連結オス部間の形状が、隣り合う前記円弧状の連結メス部間の形状と嵌合する形状に形成されていてもよい。
本発明によれば、斬新かつ独創的でスタイリッシュなデザインを有する多種多様なパーツを備え、それらパーツ同士の組み合わせの自由度が高く、作り手の発想力や想像力を刺激し、子供から大人まで幅広い世代で楽しむことができる。
本発明に係る組立式玩具の一実施形態を示す斜視図である。 本実施形態における他の2種類のパーツを示す斜視図である。 本実施形態における各パーツのうち、表裏面の略中央に1つずつの円状連結オス部を有し、かつ各側面中央に1つずつの円弧状連結オス部を有するブロック状パーツを示す斜視図である。 本実施形態における各パーツのうち、3つの円状連結メス部とその両端に円弧状連結メス部とを有するアーム状パーツを示す斜視図である。 図3に示したブロック状パーツを示す正面図である。 本実施形態における各パーツのうち、表裏面に1つずつの円状連結メス部を有し、かつその側面に4つの優弧状の円弧状連結オス部を有する十字状パーツを示す正面図である。 図4に示したアーム状パーツを示す正面図である。 本実施形態における各パーツのうち、表裏面に3つずつの円状連結オス部を有し、かつその両端に円弧状連結オス部を有するアーム状パーツを示す斜視図である。 本実施形態における各パーツのうち、6つの円状連結メス部を有し、かつその両端に円弧状連結メス部を有するアーム状パーツを示す斜視図である。 (a)図8に示したアーム状パーツおよび(b)図9に示したアーム状パーツを示す正面図である。 本実施形態における各パーツのうち、矩形状のパーツ本体の略中央に円状連結メス部を有し、かつ前記パーツ本体の側面に1つずつの円弧状連結メス部を有するブロック状パーツを示す斜視図である。 本実施形態における各パーツのうち、パーツ本体の表裏面に2つずつの円状連結オス部を有し、かつその両端に円弧状連結オス部を有するアーム状パーツを示す斜視図である。 本実施形態における各パーツのうち、パーツ本体の3つの円状連結メス部を有し、かつその両端に円弧状連結オス部を有するアーム状パーツを示す斜視図である。 本実施形態における各パーツのうち、パーツ本体の表裏面に1つずつの円状連結オス部を有し、かつその両端に円弧状連結オス部を有するアーム状パーツを示す斜視図である。 本実施形態における各パーツのうち、パーツ本体の略矩形状の略中央に円状連結メス部を有し、かつその側面に劣弧状の円弧状連結メス部を有する十字状パーツを示す斜視図である。 本実施形態における各パーツのうち、パーツ本体の表裏面に1つずつの円状連結オス部を有し、かつその側面に4つの半円状の円弧状連結オス部を有する十字状パーツを示す斜視図である。 本実施形態における各パーツのうち、円盤状のパーツ本体の表裏面略中央に円状連結メス部を有し、かつその外周にギア模様が形成されている円盤状パーツを示す斜視図である。 図4に示したアーム状パーツの円状連結メス部と、図12に示したアーム状パーツの円状連結オス部との連結を示す組立図である。 図4に示したアーム状パーツの円状連結メス部と、図12に示したアームパーツの円状連結オス部とを連結した状態を示す状態図である。 複数のアーム状パーツを円状連結オス部および円状連結メス部で連結した状態を示す状態図である。 図4に示したアーム状パーツの円弧状連結メス部と、図12に示したアーム状パーツの円弧状連結オス部との連結を示す組立図である。 図4に示したアーム状パーツの円弧状連結メス部と、図12に示したアーム状パーツの円弧状連結オス部とを連結した状態を示す状態図である。 図22の拡大した連結部分を示す一部拡大図である。 図4に示したアーム状パーツの円弧状連結メス部と、図12に示したアーム状パーツの円弧状連結オス部とを連結した他の状態を示す状態図である。 図4に示したアーム状パーツの円弧状連結メス部と、図12に示したアーム状パーツの円状連結オス部とを連結した状態を示す状態図である。 図6に示した十字状パーツの隣り合う円弧状連結オス部の間と、図15に示した十字状パーツの隣り合う円弧状連結メス部の間に形成された形状との連結を示す組立図である。 図6に示した十字状パーツと、図15に示した十字状パーツとを連結した他の状態を示す状態図である。 本発明に係る組立式玩具の一実施例1を示す写真である。 本実施例1の組立式玩具を用いて作製したロボットを示す写真である。 本実施例1の組立式玩具を用いて作製したショベルカーを示す写真である。 本実施例1の組立式玩具を用いて作製したイヌを示す写真である。
本願発明者は、鋭意研究および試行錯誤の結果、後述するギヤの概念を採り入れ、全てのパーツが上手く組み合わせられるように規則性を持たせてデザイン設計し、斬新かつ独創的でスタイリッシュなデザインを有する多種多様なパーツによって構成される組立式玩具を発明するに至ったものである。以下、本発明に係る組立式玩具の一実施形態について図面を用いて説明する。
本実施形態の組立式玩具1は、図1および図2に示すように、14種類のパーツ2で構成されており、便宜上、その形状に応じてブロック状パーツ2a、アーム状パーツ2b、十字状パーツ2cおよび円盤状パーツ2dに分類する。これらは便宜上のものであって他の表現によるパーツ名を付してもかまわない。
ブロック状パーツ2aは、図2、図3、図5および図11に示すように、パーツ本体21が略ブロック状に形成されている。アーム状パーツ2bは、図4、図7、図8〜10、図12〜14に示すように、パーツ本体21が略アーム状に形成されている。十字状パーツ2cは、図6、図15および図16に示すように、パーツ本体21が略十字状に形成されている。そして、円盤状パーツ2dは、図17に示すように、パーツ本体21が円状に形成されている。
本実施形態における各パーツ2は、樺の木等の木材にレーザー加工を施すことにより形成されており、各パーツ2同士を取り外し可能に相互接続する連結手段3を少なくとも一つ備えている。以下、連結手段3について詳細に説明する。
連結手段3は、物理的自由度の高いギヤによる連結概念を採り入れることによって各パーツ2同士を取り外し可能に相互接続するものであり、各パーツ2に対して凸状に設けられた連結オス部31と、この連結オス部31と嵌合しうる孔状ないし凹状の連結メス部32とから構成されている。
連結オス部31としては、例えば図3のブロック状パーツ2aに示すように、凸円状の外周面がギヤ形状に形成された円状連結オス部31aと、凸円弧状の外周面がギヤ形状に形成された円弧状連結オス部31bとが挙げられる。なお、本発明において、ギヤ形状とは、図1〜図3に示すような略平歯車形状に限定されるものではなく、パーツ2を連結する機能上、互いに連結する角度を任意に選択しうる形状であれば、星形状のように複数の突起を放射状に配置してなる形状も含まれる概念である。
一方、連結メス部32としては、例えば、図4のアーム状パーツ2bに示すように、円形状にくり貫かれた孔の内周面がギヤ形状に形成された円状連結メス部32aと、円弧状に形成された凹状部分の内周面がギヤ形状に形成された円弧状連結メス部32bとを有している。
上述した連結オス部31のうち円状連結オス部31aは、図3に示すように、各パーツ3に対して凸状に設けられている略円柱状に形成されている。前記円状連結オス部31aは、図2、図3および図5に示すブロック状パーツ2aや図8、図10、図12、および図14に示すアーム状パーツ2b、図6および図16に示す十字状パーツ2cを構成するパーツ本体21の所定の面に各々設けられている。
円状連結オス部31aの外周面にはギアの歯を模したギア形状の凹凸面4が形成されている。本実施形態において、円状連結オス部31aにおけるギア形状の凹凸面4は、図5に示すように、16個の凸部41および16個の凹部42で構成されており、換言すれば、ギアの歯数が16で構成されている。また、隣接する凸部41と凸部41とのなす角度は、円の中心に対して22.5度である。後述するように、各パーツ2同士は、連結オス部31と連結メス部32とを前記ギア形状の凹凸面4に沿って嵌め合わせることで連結するため、各パーツ2は22.5度ずつ角度を変化させて任意に連結することができるようになっている。
また、本実施形態では、図5および図7に示すとおり、各パーツ本体21に対して円状連結オス部31aを固定する角度と、各パーツ本体21に対して連結メス部32を形成する角度とが一致するように統一されている。このため、円状連結オス部31aを有するパーツ2と、連結メス部32を有するパーツ2とが互いに直線状に連結でき、あるいは平行関係に持つように連結できる。なお、本実施形態では、円状連結オス部31aは、図5に示すように、パーツ本体21の中心といずれかの凸部41の頂点を結ぶ直線がパーツ2の側面と直角をなすように設けられている。そして、後述するとおり、連結メス部32は、パーツ本体21の中心といずれかの凹部42の頂部を結ぶ直線がパーツ2の側面と直角をなすように設けられている。
なお、本実施形態において、円状連結オス部31aは、所定の厚さを有する木板をレーザーを用いた切断機により外周面がギア形状になるように切断し、それを各パーツ2の正面や背面等の所定の箇所に回転不能に接着剤により固定することにより形成されている。このように、「回転するもの」という通常の固定観念を有するギヤ(歯車)を模した上で、それを固定するという逆転の発想を採用することにより、構造上およびコンセプト上の斬新性が増している。ただし、本発明において、円状連結オス部31aは、各パーツ2に対して回転可能に設けられる実施を妨げるものではない。
また、円状連結オス部31aの形成方法は、特に限定されるものではなく、糸鋸等で木板を切断することで形成してもよい。また、パーツ2に円状連結オス部31aを固定する方法は、接着剤を用いるものに限定されるものではなく、ネジ等を用いて螺着させたり、嵌め合わせたりしてもよい。さらに、円状連結オス部31aは、切削加工等によりパーツ2と一体的に形成するようにしてもよい。
また、ギヤ形状を構成する凸部41および凹部42の形状は、特に限定されるものではなく、一般的なギアと同様にインボリュート曲線、サイクロイド曲線またはトロコイド曲線等に基づいた形状でよく、その他任意の凹凸形状であってもよい。
さらに、外周面に設けられているギア形状の凸部41および凹部42の数は、特に限定されるものではなく、所望する連結状態に応じて適宜選択されるものである。例えば、各パーツ2を連結する際に選択しうる連結オス部31と連結メス部32との回転方向への嵌め合わせ角度をより細かく選択できるように構成したい場合は、前述した凸部41および凹部42の数をそれぞれ16個よりも多く形成すればよい。逆に、回転方向への嵌め合わせ角度をより大きくして選択肢を少なくしたい場合は、凸部41および凹部42の数をそれぞれ16個よりも少なくすればよい。
また、パーツ2同士を少なくとも180度回転させた位置で連結させたい場合は、凸部41および凹部42の数をそれぞれ偶数個形成すればよい。さらに、パーツ2同士を少なくとも90度ずつ回転させる位置で連結させたい場合は、凸部41および凹部42の数をそれぞれ4の倍数個形成すればよい。
次に、連結オス部31のうち円弧状連結オス部31bについて説明する。
円弧状連結オス部31bは、図3および図5に示すように、パーツ本体21の各側面から円弧状に突出するように設けられている。本実施形態における円弧状連結オス部31bは、図2、図3および図5に示すように、ブロック状パーツ2aや、図8、図10、図12、図13および図14に示すように、アーム状パーツ2bや、図6および図16に示すように、十字状パーツ2cに設けられている。
また、円弧状連結オス部31bの円弧状の外周面には、円状連結オス部31aと同一のギアを模したギア形状の凹凸面4が設けられている。円弧状連結オス部31bの円弧を形成する半径は、円状連結オス部31aの円の半径と同一に設定されている。また、円弧状の外周面の凸部41および凹部42は、円状連結オス部31aの外周面に形成された凸部41および凹部42と同一形状に形成されている。すなわち、隣接する凸部41同士は、図5に示すように、円弧の中心に対して22.5度の角度を有している。また、本実施形態における円弧状連結オス部31bは、円状連結オス部31aと同様に、円弧の中心といずれかの凸部41の頂部を結ぶ直線がパーツ2の側面と直角をなすように設けられている。
本実施形態における円弧状連結オス部31bは、木板等からパーツを切り出す際に一緒に形成されている。つまり、円弧状連結オス部31bは、パーツ2と一体的に形成されている。
なお、本実施形態における円弧状連結オス部31bは、パーツ2と一体的に形成されるものに限定されるものではなく、円状連結オス部31aと同様に、円弧状連結オス部31bを別体として形成し、接着剤等でパーツ2に固定することで形成してもよい。
また、円弧状連結オス部31bにおける円弧は、図5に示すように、半円状のものに限定されるものではなく、連結メス部32に嵌合しうるものであれば、図6に示すように、半円よりも大きい、いわゆる優弧状であってもよい。また、安定的に連結するには劣弧状の円弧ではなく、半円状または優弧状の円弧が好ましい。
次に、本実施形態における連結メス部32の円状連結メス部32aおよび円弧状連結メス部32bについて説明する。
円状連結メス部32aは、図4および図7に示すように、パーツ本体21に設けられた孔であり、その内周面に円状連結オス部31aと嵌合しうるギア形状に形成された凹凸面4が形成されている。つまり、円状連結メス部32aの内周面を形成する半径は、円状連結オス部31aの円の半径と同一であり、かつ隣接する凸部41同士および凹部42同士が円の中心に対して22.5度の角度をなすように形成されている。
本実施形態における円状連結メス部32aは、図2および図11に示すように、ブロック状パーツ2aや、図4、図7、図9、図10および図13に示すように、アーム状パーツ2bや、図15に示すように、十字状パーツ2cや、図17に示すように円盤状パーツ2dに設けられている。
また、図7に示すように、本実施形態における円状連結メス部32aは、各パーツ本体21に対する形成角度が、各パーツ本体21に対する円状連結オス部31aの固定角度と一致するように統一されている。このため、各パーツ2は互いに一直線状に接続されたり、各側面が互いに平行関係となるように接続される。なお、本実施形態における円状連結メス部32aは、パーツ本体21をレーザー切断機を使ってギア形状に切断することで形成している。また、このレーザー加工時に切り出されたギヤ形状の木片を円状連結オス部31aとして使用することにより、原材料費を抑えることも可能である。
なお、本実施形態では、上述のとおり、連結オス部31のいずれかの凸部41および連結メス部32のいずれかの凹部42と中心を結ぶ直線がパーツ本体21の側面と直角をなすように設けられているが、これに限定されるものではなく、連結オス部31の凹部42および連結メス部32の凸部41と中心を結ぶ直線が前記側面と直角をなすように設けられてもよく、あるいはパーツ本体21の側面に対して、所定の角度で傾斜する方向に向けて設けられていてもよい。
円弧状連結メス部32bは、図4および図7に示すように、各パーツ本体21の側面において略半円凹状に形成されている。本実施形態における円弧状連結メス部32bは、図2および図11に示すように、ブロック状パーツ2aや、図4、図7、図9および図10に示すように、アーム状パーツ2bや、図15に示すように、十字状パーツ2cに設けられている。
また、円弧状連結メス部32bの内周面には、円状連結オス部31aや円弧状連結オス部31bと嵌合しうるギア形状に形成された凹凸面4が形成されている。つまり、円弧状連結メス部32bの内周面を形成する半径は、円状連結オス部31aの半径と同一であり、隣接する凸部41同士は、円弧の中心に対して22.5度の角度をなすように形成されている。本実施形態における円弧状連結メス部32bは、木板等からパーツ2を切り出す際に同時に形成される。
また、図7に示すように、円弧状連結メス部32bは、円状連結メス部31aと同様に、いずれかの凹部42の頂点と中心を結ぶ直線がパーツ本体21の側面と直角をなすように設けられている。
なお、本実施形態において、円状連結メス部32aや円弧状連結メス部32bは、各パーツ本体21に対して貫通されているが、この構成に限定されるものではなく、有底状の凹部として形成してもよい。
次に、図8および図9に示すように、パーツ2に対して複数の連結オス部31または連結メス部32を並設する場合について説明する。
複数の円状連結オス部31aを直線状に並設する場合、図10(a)に示すように、各々の円状連結オス部31aは所定の基準間隔Lの倍数にあたる間隔で配置されている。本実施形態では、図10(b)に示すように、隣接する円状連結メス部32aの中心間の長さを基準間隔Lとし、当該基準間隔Lの3倍の長さとなる間隔毎に各円状連結オス部31aが設けられている。
また、図6に示すように、円状連結オス部31aと円弧状連結オス部31bを並設する場合も同様であり、円状連結オス部31aと円弧状連結オス部31bの中心間は当該基準間隔Lを隔てて配置されている。
さらに、複数の円状連結メス部32aを並設する場合も同様であり、各々の円状連結メス部32aは所定の基準間隔Lの倍数に当たる間隔で配置されている。本実施形態では、図10(b)に示すように、複数の円状連結メス部32aは基準間隔Lの1倍の長さとなる間隔毎に設けられている。また、本実施形態では、円弧状連結メス部31bも円状連結メス部32bに対して当該基準間隔Lを隔てて配置されている。
このように、連結オス部31同士の間隔および複数の連結メス部32同士の間隔をそれぞれ基準間隔Lの倍数とする規則性に沿って形成することで、複数の連結オス部31を有するパーツ2と、複数の連結メス部32を有するパーツ2とが様々なパターンでズレることなく連結できるようになっている。例えば、図10に示す各パーツ2を直線状に連結するには、円状連結オス部31aまたは円弧状連結オス部31bのうち少なくとも一つが連結メス部32に嵌め合えばよいため、その連結パターンは17通りも存在する。
なお、基準間隔Lは、円状連結オス部31aまたは円状連結メス部32aの円の直径より長ければよく、その長さは特に限定されるものではない。また、上述した倍数は、連結メス部32よりも連結オス部31の方を大きな値に設定することにより、連結パターンが増大するため好ましい。
また、複数の円状連結オス部31aまたは円状連結メス部32bは、図4、図7、図8〜10、図12および図13に示すように、主に、アーム状パーツ2bに並設されているが、特に限定されるものではなく、ブロック状パーツ2a、十字状パーツ2cおよび円盤状パーツ2dに並設させてもよい。
次に、上述した、本実施形態における各パーツ2である、ブロック状パーツ2a、アーム状パーツ2b、十字状パーツ2cおよび円盤状パーツ2dについて詳細に説明する。
ブロック状パーツ2aは、略矩形状のパーツ本体21の側面に円状連結オス部31aまたは円状連結メス部32bが形成されているパーツであり、本実施形態では、図2、図3、図5および図11に示すパーツが相当する。
また、ブロック状パーツ2aのパーツ本体21の幅は、図5に示すように、基準間隔Lの倍数にあたる寸法に形成されている。このように、パーツ本体2の幅を基準間隔Lの倍数とすることで、複数のパーツ2を組み合わせた際に、各パーツ2間の連結オス部31同士の間隔、連結メス部32同士の間隔、および前記連結オス部31と連結メス部32との間隔が基準間隔Lの倍数になるようにしている。
アーム状パーツ2bは、横長に形成されたパーツ本体21に複数の円状連結オス部または複数の円状連結メス部が形成されており、本実施形態では、図4、図7、図8、図9、図10、図12、図13および図14に示すパーツが相当する。また、アーム状パーツ2bの両端には、円弧状連結オス部31bまたは円弧状連結メス部32bが設けられている。
十字状パーツ2cは、パーツ本体21に対して円弧状連結オス部31bや円弧状連結メス部32bを十字状に配置したパーツであり、本実施形態では、図6、図15および図16に示すパーツが相当する。また、図6に示すパーツの隣り合う前記円弧状連結オス部31b間の形状が、図15に示すパーツの隣り合う前記円弧状メス部32b間の形状と合致する形状に形成されている。
円盤状パーツ2dは、円盤状のパーツ本体21の中心位置に円状連結メス部を形成しているパーツであり、本実施形態では、図17に示すパーツが相当する。また、本実施形態における円盤状パーツ2dは、他のパーツとの意匠的な共通性を持たせるために、その周囲にギア形状の模様が形成されている。
なお、パーツ2の形状やその種類、連結手段3が設けられる箇所等は、特に限定されるものではなく、任意の形状等にすることができる。
本実施形態では、機能的および意匠的な観点から、レーザー加工時に連結オス部31の外周面、連結メス部32の内周面および各パーツ3の側面に生じる黒色の焦げ跡を残すことで、各パーツに色の変化を持たせている。このため、後述するとおり、同系色の各パーツ2にアクセントが付いて見栄えがよくなり、各パーツ2の形状がより一層引き立つ。また、その配色の位置関係の斬新さから視覚にも程よい刺激を与えて、発想力や創造力をかき立てる作用を有する。
次に、本実施形態の組立式玩具1における各構成の作用について説明する。
まず、図18に示すように、図4に示したアーム状パーツ2bの円状連結メス部32aと、図12に示したアーム状パーツ2bの円状連結オス部31aとを連結する場合について説明する。
図19の実線で示すように、アーム状パーツ2bの円状連結メス部32aは、その内周面のギア形状と他のアーム状パーツ2bの円状連結オス部31aの外周面のギア形状とを一致させることで嵌合される。本実施形態では、上述のとおり、円状連結オス部31aの固定角度と、円状連結メス部32aの形成角度が一致されているため、各パーツの側面が平行な位置関係となるように接続することができる。
また、ギア形状の凸部41および凹部42がそれぞれ等間隔で16個設けられているため、図19の破線に示すように、回転方向へアーム状パーツ2bを22.5度ずつずらして、任意の角度で連結できるようになっている。よって、90度や180度等の一般的な接続角度に限定されず、ギヤの歯数に応じて細かい接続角度を選択して各アーム状パーツ2bを連結し、様々な方向に交差させて組み合わせることができる。
さらに、本実施形態では、各円状連結オス部31aが回転不能にアーム状パーツ2bに固定されており、連結メス部32のいずれかと嵌合することによりお互いのアーム状パーツ2bの動きを制限する。このため、互いに連結されたパーツ2同士は、図20に示すように、各パーツ2の自重によって回転することがなく、様々な連結角度で固定できるため、組合せの自由度が高まる。
次に、図21に示すように、図4に示したアーム状パーツ2bの円弧状連結メス部32bと、図12に示したアーム状パーツ2bの円弧状連結オス部31bとを連結する場合について説明する。
図22に示すように、アーム状パーツ2bの円弧状連結メス部32bは、その内周面のギア形状と他のアーム状パーツ2bの円弧状連結オス部31bの外周面のギア形状とを一致させることで嵌合される。このとき、図23に示すように、端部において、円弧状連結メス部32bの上下端部にある凸部41同士の長さmより、円弧状連結オス部31bの上下端部にある凸部41同士の長さnの方が長い。そのため、アーム状パーツ2bの端部において円弧状連結メス部32bと円弧状連結オス部31bとが互いに噛合して連結され、それぞれのパーツを長手方向に引っ張っても外れない。
また、円弧状連結メス部32bを有するアーム状パーツ2bは、図22に示すように、円弧状連結オス部31bを有するアーム状パーツ2bに対して、直線状に連結されるのみならず、図24に示すように、一方を傾斜させて連結することができる。このときも、円弧状連結メス部32bの凸部42同士の長さmと、円弧状連結オス部31bの凸部41同士の長さnとの差により、引っかかるようにして連結されているため容易には外れない。同様に、図25に示すように、円弧状連結メス部32bを円状連結オス部31aの一部と連結することも可能である。
同様にして、ブロック状パーツ2a、アーム状パーツ2bおよび十字状パーツ2cは、相互に連結オス部31および連結メス部32を介して多方向に接続でき、多種多様な組み合わせパターンを実現させる。例えば、一つの円状連結オス部31aに対して、二つの円弧状連結メス部32aで挟むようにして連結させることで、従来には見られなかった特殊な連結態様も可能となる。もちろん、従来の積み木のように、重ねて組み合わせることも可能である。
次に、図26および図27に示すように、図6に示す十字状パーツ2cと、図15に示す十字状パーツ2cとを連結する場合について説明する。
図27に示すように、隣り合う円弧状連結オス部31bの谷間部分に、隣り合う円弧状連結メス部32bの間に形成された十字状端部が嵌合される。つまり、この場合は、隣り合う円弧状連結オス部31bの谷間部分がメス部となり、隣り合う円弧状連結メス部32bの間の十字状端部がオス部となって連結される。このとき、図27に示すように、隣り合う円弧状連結オス部31bの基端側にある凸部41同士の長さmより、隣り合う円弧状連結メス部32bの凸部41同士の長さnの方が長い。そのため、隣り合う円弧状連結オス部31bの谷間部分と、隣り合う円弧状連結メス部32bの間の十字状端部とが互いに噛合して連結され、それぞれのパーツを長手方向に引っ張っても外れることはない。
また、本実施形態では、各パーツ本体21の側面、連結オス部31の外周面および連結メス部32の内周面が原材料である木材の色と異なって焼き色になっている。そのため、初めて本実施形態の組立式玩具1を見た人であっても、これらが連結手段3であることが一目で理解できる。
また、各パーツ2単体としても、色のコントラストにより、より立体感を感じさせ、見栄えも良くなる。また、後述の実施例1に示すとおり、円状連結オス部31aを動物の鼻に見立てたりして、アクセントとしても利用することもできる。
さらに、組み立てられた後では、各パーツ2同士の仕切りとなり、作品の形状をより一層引き立たせることができる。
以上のような本実施形態の組立式玩具1によれば、以下の効果を得ることができる。
1.パーツ2同士を多方向の角度で任意に相互接続できるため、組合せの自由度が高く、自由な発想で、かつ容易に様々な形状のものを組み立てることができる。
2.相互接続されたパーツ2同士は、固定されたギア形状の連結オス部31に対して、同一ギヤ形状の連結メス部32が噛み合っているので、回転することなく連結した際の形状を保持する。
3.様々な形状のパーツ2を作ることにより、組み立てられるものの範囲が広がり、従来の組立式玩具では実現し得なかった形状も組み立てることができる。
4.各パーツ2同士の接続態様は、嵌める、引っ掛ける、重ねる等と多様でありながら、その取り扱いは直感的に理解でき、かつこれまでにない斬新な見た目であるため、子供から大人まで幅広い世代で飽きることなく楽しむことができる。
5.各パーツ2自体が様々な形状に形成されている上、ギヤ形状を備えるため、適当に組み合わせや形状を作る過程においても、発想力や創造力をかき立てることができる。
6.斬新でスタイリッシュなデザインで視覚や触覚を刺激するのみならず、木材の上品な香りによって嗅覚を刺激し、ユーザの感受性を高めることができる。
7.回したくなるギヤ形状をあえて固定するという逆転の発想により、従来の組立式玩具とは一線を画した独創性を備えている。
8.様々な形状のパーツ2を用意することで、以下に例示するとおり、従来の組立式玩具にはない遊び方を生み出すことができる。
(1)アーム状パーツ2bの円弧状連結メス部32bを利用して、連結オス部31を有するパーツ2を釣り上げる釣り遊び
(2)中心に円状連結オス部31aを有するパーツ2をコマとして回転させるコマ遊び
(3)アーム状パーツ2bを箸に見立てるとともに、円形のパーツ2を皿や食材等に見立てたままごと遊び
(4)アーム状パーツ2b等を武器に見立てた戦闘ごっこ遊び
(5)各パーツ2を宇宙船や車等に見立てた乗り物遊び
(6)平らな場所等で、円形のパーツ2をアーム状パーツ2bで打ち合うホッケーゲーム
つぎに、本発明に係る組立式玩具1の具体的な実施例について説明する。
本実施例1では、図28に示すように、実際に上述した実施形態で説明した各パーツと同様のパーツ2を作製し、様々なものの組み立てを行った。以下、図面を用いて説明する。
まず、図29に示すように、各パーツ2を組み立ててロボットを作製した。連結オス部31と連結メス部32とのギヤ形状による連結により、腕が躍動感のある角度で固定されている。また、色づけされた部分と、されていないところのコントラストにより、より立体感が増している。また、木製であるにもかかわらず、重量感がある。さらに、重量バランスを考慮することで自立することも可能である。
次に、図30に示すように、ショベルカーを作製した。上記のロボットを作製したパーツ2と同じ種類のパーツ2を用いているにもかかわらず、全く違う形態を作り出すことができた。また、連結オス部31と連結メス部32のギヤ形状による連結により、ショベル部分が絶妙な角度で保持されている。さらに、お互いに連結されていない連結オス部31や連結メス部32もその形状に溶け込み、良いアクセントになっている。
さらに、図31に示すように、イヌを作製した。連結オス部31と連結メス部32のギヤ形状による連結により、従来表現しきれなかった四肢や尻尾の多様な表現が実現できる。鼻の部分には、円状連結オス部31aを用いている。外周面が黒くなっていることにより、イヌの鼻に見立てることができた。また、各パーツ2は幾何学的であるのに、柔らかさを感じ、しっかりと動物であることが認識できる。
以上のように、本実施例1によれば、本発明に係る組立式玩具1を用いることにより、様々な角度で接続できるため組み合わせの自由度が高く、簡単なものから難易度の高いものまで多種多様な形態のものを組み立てることができ、これまでにない斬新さを有することが示された。
なお、本発明に係る組立式玩具1は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、連結オス部31または連結メス部32に、嵌め合わせるにしたがって、両者の距離が狭くなるような勾配を設けたり、前記連結オス部31の外周面や前記連結メス部32の内周面に突起等を設けて、嵌め合わせた際の摩擦力を高めて、抜けずらくするようにしてよい。
また、各パーツ2は、木製以外のもので形成してもよく、例えば、金型等を用いて、金属やプラスチック等の樹脂等によって形成してもよい。
さらに、各パーツに任意の色づけをして、視覚効果を高めるようにしてもよい。
1 組立式玩具
2 パーツ
3 連結手段
4 凹凸面
2a ブロック状パーツ
2b アーム状パーツ
2c 十字状パーツ
2d 円盤状パーツ
21 パーツ本体
31 連結オス部
31a 円状連結オス部
31b 円弧状連結オス部
32 連結メス部
32a 円状連結メス部
32b 円弧状連結メス部
41 凸部
42 凹部

Claims (2)

  1. 複数のパーツで構成される組立式玩具であって、
    ギア形状の外周を円状、または円状および円弧状に形成してなる連結オス部がパーツ本体に固定または一体形成されたオスパーツと、
    ギア形状の内周を前記連結オス部と嵌合可能な円状、または円状および円弧状に形成してなる連結メス部がパーツ本体に設けられたメスパーツとを有し、
    略ブロック状に形成されたパーツ本体を有するブロック状パーツは、前記連結オス部または前記連結メス部を有する面の中央部に円状の前記連結オス部または円状の前記連結メス部が設けられているとともに、前記面の各々の幅が、略アーム状に形成されたパーツ本体を有するアーム状パーツに複数並設されている円状の前記連結オス部または円状の前記連結メス部の配置を基準とした所定の基準間隔の倍数にあたる略同一の寸法に形成されている記載の組立式玩具。
  2. 円弧状の前記連結オス部と円弧状の前記連結メス部とを嵌合させる際の挿入方向における垂直面視において、
    円弧状の前記連結メス部におけるメス側ギア凸部のうち、最も端部側にある一対の前記メス側ギア凸部の頂部同士の間隔が、
    円弧状の前記連結オス部におけるオス側ギア凸部のうち、前記一対のメス側ギア凸部に嵌合する一対のオス側ギア凹部に対して端部側に隣接する一対の前記オス側ギア凸部の頂部同士の長さよりも小さい寸法で形成されている、請求項1に記載の組立式玩具。
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