JP5563590B2 - 繊維成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、疎水性ポリマーと両親媒性分子からなり、両親媒性分子が繊維表面に偏析している繊維成形体に関する。
近年、大きく損傷した、ないし失われた生体組織と臓器の治療法として、細胞の分化、増殖能を利用し、元の生体組織および臓器に再構築する再生医療の研究が活発になってきている。生体内において細胞が分化・増殖する場合、細胞外マトリックスが足場として機能し、組織の構築を行っているが、組織が大きく損傷・欠損している場合、細胞自身がマトリックスを産生するまで人工もしくは天然材料で補う必要がある。つまり足場材料は組織構築の上で最適な環境を与える重要な要素である。かかる足場材料に求められる特性として、生体吸収性、細胞やタンパク質の接着性、多孔質性、力学強度が挙げられる。これらの特性を満足する材料を創生することを目的として、合成高分子(ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトンなど)、天然高分子(コラーゲン、ゼラチン、エラスチン、ヒアルロン酸、アルギン酸、キトサンなど)、無機材料(ハイドロキシアパタイト、β−リン酸三カルシウム)、およびこれらの複合体がこれまで検討されてきた。
合成高分子の中でも脂肪族ポリエステルを繊維に加工した成形体は、縫合糸や生体吸収性シートなど様々な応用がなされている。また、静電紡糸法などで作製されるナノファイバーは、表面積が大きいため細胞との接着性が高く、細胞培養用の担体や再生医療のための足場材料への応用が検討されている。
前述したように、足場材料に求められる重要な特性の一つとして接着性があるが、脂肪族ポリエステル、特にポリ乳酸やポリ乳酸とポリグリコール酸の共重合体は疎水性ゆえ、親水性の環境下で使用する場合、細胞やタンパク質との相互作用が制限されるという問題を有していた。
その問題を解決すべく、これら疎水性ポリマーに親水性を付与する方法として、ポリエチレングリコールのような親水性ポリマーをブレンドする方法や、ブロック共重合体としてポリマー主鎖に導入する方法が検討されている(例えばK.Kim,M.Yu,Biomaterials.,24,4977(2003)、N.Saito,T.Okada,Nat.Biotech.,19,332(2001))。しかし、親水性を付与するためには親水性ポリマーが比較的多量に必要であり、またブロック共重合体の場合、分子量が不十分であり力学強度として満足のいくものが得られていない。
また、疎水性溶媒に溶解可能なポリマーと複数の水酸基を有する有機化合物とからなる多孔質繊維が開示されており(国際公開WO2004/072336号明細書)、該多孔質繊維は細胞培養の基材として有用であることが記載されている。
しかしながら、該多孔質繊維は培養細胞に養分などを届けるのに優れた構造としたものであり、繊維構造体の親水性や表面組成については何ら記載されていない。
さらに、リン脂質を含む脂肪族ポリエステルのナノファイバーも知られている(国際公開WO2006/022430号明細書)。しかし、これは繊維表面に孔を有することを特徴とする細胞培養に適した基材となる繊維構造体に関する発明であり、リン脂質等の両親媒性分子が繊維表面に偏析したナノファイバーについては開示されていない。
本発明が解決しようとする課題は、両親媒性分子の含有量が少なくても必要な親水性をもつ疎水性ポリマー繊維成形体を提供することである。
本発明の発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定条件で製造された疎水性ポリマーと両親媒性分子からなる繊維成形体においては、両親媒性分子が繊維表面に偏析していることにより、両親媒性分子の添加が少量でも親水性を付与できること、しかも機械的物性等、もともとの疎水性ポリマーが有する特徴を損なわないことを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、疎水性ポリマーと両親媒性分子からなる繊維成形体であって、平均繊維径が0.05〜50μmであり、両親媒性分子が繊維表面に偏析している繊維成形体である。
本発明において、繊維成形体とは、得られた一本または複数本の繊維が積層され、織り、編まれ、もしくはその他の手法により形成された3次元の成形体をいう。具体的な繊維成形体の形態としては、例えば不織布が挙げられる。さらに、それをもとに加工したチューブ、メッシュなども本発明にいう繊維成形体であり、再生医療分野において好ましく用いられる。
本発明の繊維成形体の平均繊維径は0.05〜50μmである。平均繊維径が、0.05μmよりも小さいと、繊維成形体の強度が保てないため好ましくない。また平均繊維径が50μmよりも大きいと、繊維の比表面積が小さく、生着する細胞数が少なくなるため好ましくない。さらに好ましくは、平均繊維径が0.2〜20μmである。なお、繊維径とは繊維断面の直径を表す。繊維断面の形状は円形に限らず、楕円形や異形になることもありうる。この場合の繊維径とは、該楕円形の長軸方向の長さと短軸方向の長さの平均をその繊維径として算出する。また、繊維断面が円形でも楕円形でもないときには円または楕円に近似して繊維径を算出する。
本発明において、疎水性ポリマーとしては、ポリ乳酸、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体、ポリカプロラクトンなどの脂肪族ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリビニルアセテート、ポリビニルメチルエーテル、およびポリエチレンサクシネート、ならびにこれらの共重合体が挙げられ、これらの2種以上の混合物であってもよい。なかでも脂肪族ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアリレートが好ましい。
本発明において使用される脂肪族ポリエステルは、生体吸収性ポリマーであることが好ましい。生体吸収性のポリマーとしては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体、ポリカプロラクトン、ポリグリセロールセバシン酸、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリブチレンサクシネート、およびこれらの誘導体が例示できる。
これらの中でも、好ましくはポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、およびそれらの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、最も好ましいのはポリ乳酸、ポリ乳酸−グリコール酸共重合体である。
このとき、ポリ乳酸の共重合体は、伸縮性を付与するモノマー成分が少ないほうが好ましい。ここで伸縮性を付与するモノマー成分とは、カプロラクトンモノマーや、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリアルキレンカーボネートジオール、ポリエチレングリコールユニットなどの軟質成分が例示できる。これらの軟質成分はポリマー重量比で20%未満であることが好ましい。これよりも軟質成分が多いと自己支持性を失いやすく、やわらかすぎて取り扱いにくい繊維成形体になる。
ポリ乳酸におけるポリマーを構成するモノマーにはL−乳酸およびD−乳酸があるが、特に制限はない。また、ポリマーの光学純度や分子量、L体とD体の組成比、配列には特に制限はないが、好ましくはL体の多いポリマーである。ポリL乳酸とポリD乳酸のステレオコンプレックスを用いてもよい。
また、ポリマーの分子量としては、1×10〜5×10であり、好ましくは1×10〜1×10、より好ましくは5×10〜5×10である。また、ポリマーの末端構造やポリマーを重合する触媒は任意に選択できる。
本発明の繊維成形体においては、その目的を損なわない範囲で、他のポリマーや他の化合物を併用してもよい。例えば、ポリマー共重合、ポリマーブレンド、化合物混合である。
ポリマーは高純度であることが好ましく、とりわけポリマー中に含まれる添加剤や可塑剤、残存触媒、残存モノマー、成形加工や後加工に用いた残留溶媒などの残留物は少ないほうが好ましい。特に、医療に用いる場合は安全性の基準値未満に抑える必要がある。
本発明の繊維成形体は、両親媒性分子をポリマー重量に対して0.01〜20重量%含有する繊維成形体である。両親媒性分子の含有量が0.01重量%より少ないと親水性を示さず、20重量%よりも多いと、繊維成形体自体の耐久性が低下し、好ましくない。好ましい含有量は0.02〜15重量%であり、さらに好ましくは0.05〜10重量%である。
本発明における両親媒性分子としては、リン脂質類、ソルビタン脂肪酸エステル類、糖脂質類、ステロイド類、およびポリアミノ酸類からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。具体的な両親媒性分子としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロールなどのリン脂質類;モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル類、ガラクトセレブロシド、グルコセレブロシド、グロボシド、ラクトシルセラミド、トリヘキソシルセラミド、パラグロボシド、ガラクトシルジアシルグリセロール、スルホキノボシルジアシルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、グリコシルポリプレノールリン酸などの糖脂質類;コレステロール、コール酸、サポゲニン、ジギトキシンなどのステロイド類;およびポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリジンなどのポリアミノ酸類が挙げられる。
本発明において、両親媒性分子を使用する前に、凍結乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥等により乾燥しておく。
本発明の繊維成形体においては、両親媒性分子が繊維成形体の繊維表面に偏析している。繊維表面への偏析とは、疎水性ポリマーと両親媒性分子からなる繊維成形体の繊維表面における両親媒性分子の存在比が、繊維成形体の他の部分における両親媒性分子の存在比より高くなっていることをいう。
本発明の繊維成形体における両親媒性分子の分布状態を評価する手段としては、X線光電子分光(略称XPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy)またはESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis))、飛行時間二次イオン質量分析計(Time−of−flight secondary ion mass spectrometer:TOF−SIMS)、透過型電子顕微鏡(TEM)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書の実施例や比較例においては、繊維成形体の表面組成分析手段としてESCAを使用した。繊維成形体のESCA測定より得られた炭素原子数量C(at%)値および酸素原子数量O(at%)値から繊維表面における両親媒性分子の分布状態を重量分率として算出することができる。ただし、ESCA測定では水素原子を測定できないため、水素原子を除いて各原子数量を算出する。
より詳しくは、例えば疎水性ポリマーと両親媒性分子とからなる組成物の炭素原子数量C(at%)は下記式で表される。
(疎水性ポリマーと両親媒性分子とからなる組成物の炭素原子数量C(at%))={(両親媒性分子のmol%)×(両親媒性分子1mol中の炭素原子数量)+(疎水性ポリマーのモノマーユニットのmol%)×(疎水性ポリマーのモノマーユニット1mol中の炭素原子数量)}÷{(両親媒性分子のmol%)×(両親媒性分子1mol中の水素原子を除いた原子数量)+(疎水性ポリマーユニットのmol%)×(疎水性ポリマーユニット1mol中の水素原子を除いた原子数量)}
よって、ESCA測定で得られた炭素原子数量C(at%)値を上記の式に代入することで繊維表面における各成分のmol%、さらには重量分率を算出することができる。同様に酸素原子数量O(at%)値からも算出することができ、本明細書では炭素原子数量C(at%)値および酸素原子数量O(at%)値から算出した値の平均値を繊維成形体表面における両親媒性分子の重量分率とした。そして、得られたこれらの平均値を繊維成形体中に含まれる両親媒性分子の重量分率と比較することで、表面偏析の度合いを評価した。
ここで、両親媒性分子の表面偏析の度合いを示す「両親媒性分子の表面偏在率」を次式のように定義する。
(両親媒性分子の表面偏在率)=(繊維成形体表面における両親媒性分子の重量分率)/(繊維成形体に含まれる両親媒性分子の重量分率)
本発明の繊維成形体は、5.0以上が好ましい。この数値が5より小さい場合は、繊維成形体の親水性が不足する場合がある。
なお、ここでいう「繊維成形体表面」とは、前記分析法による測定対象たる領域を意味し、例えば最表面から10nmまでの領域をいう。また、本発明の「両親媒性分子が繊維表面に偏析している繊維成形体」というときの「表面に偏析」とは、この領域だけに偏析しているものに限定されず、最表面からさらに深い領域にも偏析(その程度は問わない)があるものも包含する。
本発明の繊維成形体は、疎水性ポリマー、両親媒性分子以外の第3成分をさらに含有してもよい。かかる成分には、例えばFGF(繊維芽細胞増殖因子)、EGF(上皮増殖因子)、PDGF(血小板由来増殖因子)、TGF−β(β型形質転換増殖因子)、NGF(神経増殖因子)、HGF(肝細胞増殖因子)、BMP(骨形成因子)などの細胞増殖因子が挙げられる。
繊維成形体の全体の厚みに関しては、特に制限はないが、好ましくは25μm〜200μm、さらに好ましくは50〜100μmである。
本発明の繊維成形体は好ましくは長繊維よりなる。長繊維とは、紡糸から繊維成形体への加工に至る工程の中で、繊維を切断する工程を加えずに形成される繊維成形体をいい、静電紡糸法で形成することが好ましい。
静電紡糸法は、ポリマーを溶媒に溶解させた溶液に高電圧を印加することで、電極上に繊維成形体を得る方法である。工程としては、高分子を溶媒に溶解させて溶液を製造する工程と、該溶液に高電圧を印加させる工程と、該溶液を噴出させる工程と、噴出させた溶液から溶媒を蒸発させて繊維成形体を形成させる工程と、任意に実施しうる工程として形成された繊維成形体の電荷を消失させる工程と、電荷消失によって繊維成形体を累積させる工程を含む。
静電紡糸法における、ポリマーを溶媒に溶解させて溶液を製造する段階について説明する。本発明の製造方法における溶液中の溶媒に対する疎水ポリマーの濃度は1〜30重量%であることが好ましい。疎水性ポリマーの濃度が1重量%より小さいと、濃度が低すぎるため繊維成形体を形成することが困難となり好ましくない。また、30重量%より大きいと、得られる繊維成形体の繊維径が大きくなり好ましくない。より好ましい溶液中の溶媒に対する疎水性ポリマーの濃度は2〜20重量%である。
溶媒は一種を単独で用いてもよく、複数の溶媒を組み合わせてもよい。前記溶媒としては、疎水性ポリマーと両親媒性分子を溶解可能で、かつ紡糸する段階で蒸発し、繊維を形成可能なものであれば特に限定されず、例えばアセトン、クロロホルム、エタノール、2−プロパノール、メタノール、トルエン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、ベンジルアルコール、1,4−ジオキサン、1−プロパノール、ジクロロメタン、四塩化炭素、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、フェノール、ピリジン、トリクロロエタン、酢酸、蟻酸、ヘキサフルオロ−2−プロパノール、ヘキサフルオロアセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、N−メチル−2−ピロリジノン、N−メチルモルホリン−N−オキシド、1,3−ジオキソラン、メチルエチルケトン、および上記溶媒の混合溶媒が挙げられる。
静電紡糸法で本発明の繊維成形体を作製する場合、水が繊維表面に影響を与えることから、水分を管理するために、溶媒は乾燥して用いる。具体的には2000ppm以下、より好ましくは1000ppm以下で管理す。溶媒の乾燥方法としては特に限定されないが、蒸留、乾燥剤による乾燥を挙げることができる。
一方、溶媒中に水が含まれる場合は、水と混和する溶媒が含まれていることが好ましい。水と混和する溶媒が含まれていない場合、両親媒性分子の繊維表面への偏析が不十分となり好ましくない。
これらのうち、取り扱い性や物性などから、ジクロロメタン、エタノールが好ましい。
次に、溶液に高電圧を印加させる段階と、溶液を噴出させる段階と、噴出された溶液から溶媒を蒸発させて繊維成形体を形成させる段階について説明する。
本発明の繊維成形体の製造方法においては、疎水性ポリマーと両親媒性分子を溶解した溶液を噴出させ、繊維成形体を形成させるために、溶液に高電圧を印加させる必要がある。電圧を印加させる方法については、疎水性ポリマーを溶解した溶液を噴出させ、繊維成形体が形成されるものであれば特に限定されないが、溶液に電極を挿入して電圧を印加させる方法や、溶液噴出ノズルに対して電圧を印加させる方法などがある。
また、溶液に印加させる電極とは別に補助電極を設けることも可能である。また、印加電圧の値については、前記繊維成形体が形成されれば特に限定されないが、通常は5〜50kVの範囲が好ましい。印加電圧が5kVより小さい場合は、溶液が噴出されずに繊維成形体が形成されないため好ましくなく、印加電圧が50kVより大きい場合は、電極からアース電極に向かって放電が起きるため好ましくない。より好ましくは5〜30kVの範囲である。所望の電位は従来公知の任意の適切な方法で作ればよい。
こうすることで、疎水性ポリマーと両親媒性分子を溶解した溶液を噴出させた直後に溶解するのに使用した溶媒が揮発して繊維成形体が形成される。通常の紡糸は大気下、室温で行われるが、揮発が不十分である場合には陰圧下で行うことや、高温の雰囲気下で行うことも可能である。また、紡糸する温度は溶媒の蒸発挙動や紡糸液の粘度に依存するが、通常は0〜50℃の範囲である。静電紡糸法で繊維成形体を作製する場合、水が繊維表面に影響を与えることから、両親媒性分子が偏析した平滑な表面の繊維を得るために、紡糸する際の雰囲気を低湿度に設定する。具体的には、相対湿度30%以下、好ましくは同25%以下、特に好ましくは同20%以下である。
次に、形成された繊維成形体の電荷を消失させる段階について説明する。前記繊維成形体の電荷を消失させる方法は特に限定はされないが、好ましい方法としてイオナイザーにより電荷を消失させる方法が挙げられる。イオナイザーとは、内蔵のイオン発生装置によりイオンを発生させ、前記イオンを帯電物に放出させることにより前記帯電物の電荷を消失させうる装置である。本発明の繊維成形体の製造方法で用いられるイオナイザーを構成する好ましいイオン発生装置として、内蔵の放電針に高電圧を印加させることによりイオンを発生する装置が挙げられる。
次に、前記電荷消失によって繊維成形体を累積させる段階について説明する。前記電荷消失によって繊維成形体を累積させる方法は特に限定はされないが、通常の方法として、電荷消失により繊維成形体の静電力を失わせ、自重により落下、累積させる方法が挙げられる。また、必要に応じて静電力を消失させた繊維成形体を吸引してメッシュ上に累積させる方法、装置内の空気を対流させてメッシュ上に累積させる方法を行ってもよい。
本発明の繊維成形体の表面に、さらに綿状の繊維構造物を積層することや、綿状構造物を本発明の繊維成形体ではさんでサンドイッチ構造にするなどの加工は、本発明の目的を損ねない範囲で任意に実施しうる。
医療応用においては、さらに抗血栓性を付与するためのコーティング処理、抗体や生理活性物質で表面をコーティングすることも任意に実施できる。このときのコーティング方法や処理条件、その処理に用いる化学薬品は、繊維の構造を極端に破壊せず、本発明の目的を損なわない範囲で任意に選択できる。
本発明の繊維成形体の繊維内部にも任意に薬剤を含ませることができる。静電紡糸法で成形する場合は、揮発性溶媒に可溶であり、溶解によりその生理活性を損なわないものであれば、使用する薬剤に特に制限はない。
かかる薬剤の具体例としては、タクロリムスもしくはその類縁体、スタチン系、またはタキサン系抗癌剤が例示できる。
また、上記薬剤は、揮発性溶媒中において活性を維持することが可能であればタンパク質製剤、核酸医薬であってもよい。また薬剤以外のものも含んでよく、金属、多糖、脂肪酸、界面活性剤、揮発性溶媒耐性微生物であってもよい。
はじめに、各実施例、比較例で採用した測定法を整理する。
1.平均繊維径:
得られた繊維成形体の表面を走査型電子顕微鏡(キーエンス(株):商品名「VE8800」)により、倍率2000倍で撮影して得た写真から無作為に20箇所を選んで繊維の径を測定し、すべての繊維径の平均値を求めて、平均繊維径とした。標本数は20である。
2.平均厚:
高精度デジタル測長機((株)ミツトヨ:商品名「ライトマチックVL−50」)を用いて測長力0.01Nにより繊維成形体の膜厚を測定し、標本数10の平均値を算出した。なお、本測定においては測定機器が使用可能な最小の測定力で測定を行った。
3.繊維表面における炭素原子数量C(at%)値および酸素原子数量O(at%)値:
光電子分光装置としてVG社ESCALAB200、X線としてMgKα線(1253.6eV)を使用して光電子取出角45度で検出した。
4.親水性試験:
得られた繊維成形体を、シリコンシート(1mm)をパッキンとしてフィルターホルダー(Φ8mm)に挟んだ。続いてガラス製の円筒管の下に上記フィルターホルダーをセットし、7%アルブミン(ウシ血清由来、pH5.2:和光純薬製)/PBS(20012Phosphate−Buffered Saline、liquid:GIBCO製)液を3.87mL/分の速度で注入した。7%アルブミン/PBS溶液がある液量に達した時に液がシートを透過する。この透過するのに要した液柱の高さから濡れ性を判断した。すなわち、液柱の高さが低いほど、親水性が良いことになる。試験は標本数3で実施し、その平均値を用いた。
[実施例1]
凍結乾燥したホスファチジルエタノールアミンジオレオイル(日本油脂(株)製)0.1重量部とポリ乳酸(重量平均分子量26万2千、Purac社製)9.9重量部をモレキュラシーブ(ユニオン昭和製3Aペレット)で乾燥したジクロロメタン(カールフィッシャー法による水分率500ppm以下)90重量部で溶解し、均一な溶液を調製した。湿度25%以下で静電紡糸法により紡糸を行い、シート状の繊維成形体を得た。噴出ノズルの内径は0.8mm、電圧は8kV、噴出ノズルから平板までの距離は25cmであった。上記平板は、紡糸時は陰極として用いた。得られた繊維成形体の平均繊維径は4.5μmであり、厚さは104μmであった。繊維表面の炭素原子数量C(at%)は62.4、酸素原子数量O(at%)は37.3であり、繊維表面におけるホスファチジルエタノールアミンジオレオイルの重量%は11.5重量%であった。両親媒性分子の表面偏在率は11.5である。
[比較例1]
ホスファチジルエタノールアミンジオレオイル(日本油脂(株)製)を含まない点以外は、実施例1と同様に繊維成形体を調製した。得られた繊維構造物を構成する繊維成形体の平均径は5.4μmであり、厚さは95μmであった。
[比較例2]
凍結乾燥していないホスファチジルエタノールアミンジオレオイル(日本油脂(株)製)0.1重量部とポリ乳酸(重量平均分子量26万2千、Purac社製)9.9重量部をジクロロメタン(カールフィッシャー法による水分率2000ppmより多い)90重量部で溶解し、繊維成形体を湿度42〜55%の下で調製した。得られた繊維成形体の平均繊維径は4.1μmであり、繊維表面は多孔質構造であり、厚さは98μmであった。繊維表面の炭素原子数量C(at%)は60.4、酸素原子数量O(at%)は39.5であり、繊維表面におけるホスファチジルエタノールアミンジオレオイルは2.0重量%であった。両親媒性分子の表面偏在率は2.0であり、繊維表面に両親媒性分子の偏析が不十分であることわかった。
[実施例2]
ホスファチジルエタノールアミンジオレオイル(日本油脂(株)製)をホスファチジルコリンジラウロイル(日本油脂(株)製)に変更した以外は実施例1と同様に繊維成形体を調製した。得られた繊維成形体の平均繊維径は4.3μmであり、厚さは102μmであった。繊維表面の炭素原子数量C(at%)は62.1、酸素原子数量O(at%)は37.2であり、繊維表面におけるホスファチジルコリンジラウロイルは13.4重量%であった。両親媒性分子の表面偏在率は13.4である。
[実施例3]
ポリ乳酸から代えてポリカプロラクトン(平均分子量約70000〜100000、和光純薬工業(株)製)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行った。得られた繊維成形体の平均繊維径は4.5μmであり、厚さは99μmであった。繊維表面の炭素原子数量C(at%)は75.5、酸素原子数量O(at%)は24.1であり、繊維表面におけるホスファチジルエタノールアミンジオレオイルは9.7重量%であった。両親媒性分子の表面偏在率は9.7である。
[実施例4]
ポリ乳酸から代えてポリカーボネート(帝人化成(株)製:商品名「Panlite L1250」)1重量部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行った。平均繊維径は3.2μmであり、厚さは102μmであった。繊維表面の炭素原子数量C(at%)は83.85、酸素原子数量O(at%)は15.78であり、繊維表面におけるホスファチジルエタノールアミンジオレオイルは10.1重量%であった。両親媒性分子の表面偏在率は10.1である。
[実施例5]
ポリ乳酸から代えてポリスチレン(平均分子量250000、関東化学(株)製)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行った。平均繊維径は6.1μmであり、厚さは102μmであった。繊維表面の炭素原子数量C(at%)は98.3、酸素原子数量O(at%)は1.4であり、繊維表面におけるホスファチジルエタノールアミンジオレオイルは9.8重量%であった。両親媒性分子の表面偏在率は9.8である。
[実施例6]
ポリ乳酸から代えてポリアリレート(ユニチカ(株)製:商品名「U−ポリマー U−100」)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。平均繊維径は3.4μmであり、厚さは105μmであった。繊維表面の炭素原子数量C(at%)は84.7、酸素原子数量O(at%)は14.9であり、繊維表面におけるホスファチジルエタノールアミンジオレオイルは10.8重量%であった。両親媒性分子の表面偏在率は10.8である。
[実施例7]
凍結乾燥したホスファチジルエタノールアミンジオレオイル(日本油脂(株)製)0.5重量部とポリ乳酸(重量平均分子量26万2千、Purac社製)9.5重量部をモレキュラシーブ(ユニオン昭和製3Aペレット)で乾燥したジクロロメタン(カールフィッシャー法による水分率500ppm以下)90重量部で溶解した以外は実施例1と同様に繊維成形体を調製した。得られた繊維成形体の平均繊維径は4.1μmであり、厚さは97μmであった。繊維表面の炭素原子数量C(at%)は、73.7、酸素原子数量O(at%)は、23.5であり、繊維表面におけるホスファチジルエタノールアミンジオレオイルは67.7重量%であった。両親媒性分子の表面偏在率は13.5である。
[実施例8]
凍結乾燥したホスファチジルエタノールアミンジオレオイル(日本油脂(株)製)1.0重量部とポリ乳酸(重量平均分子量26万2千、Purac社製)9.0重量部をモレキュラシーブで乾燥したジクロロメタン溶液90重量部で溶解した以外は実施例1と同様に繊維成形体を調製した。得られた繊維成形体の平均繊維径は4.4μmであり、厚さは101μmであった。繊維表面の炭素原子数量C(at%)は76.5、酸素原子数量O(at%)は20.4であり、繊維表面におけるホスファチジルエタノールアミンジオレオイルは80.9重量%であった。両親媒性分子の表面偏在率は8.09である。
[実施例9]
ホスファチジルエタノールアミンジオレオイル(日本油脂(株)製)をホスファチジルエタノールアミンジラウロイル(日本油脂(株)製)に変更した以外は実施例1と同様に繊維成形体を調製した。得られた繊維成形体の平均繊維径は4.6μmであり、厚さは109μmであった。繊維表面の炭素原子数量C(at%)は66.4、酸素原子数量O(at%)は32.1であり、繊維表面におけるホスファチジルエタノールアミンジラウロイルは43.2重量%であった。両親媒性分子の表面偏在率は43.2である。
[実施例10]
ホスファチジルエタノールアミンジオレオイル(日本油脂(株)製)をホスファチジルコリンジエルコイル(日本油脂(株)製)に変更した以外は実施例1と同様に繊維成形体を調製した。得られた繊維成形体の平均繊維径は3.7μmであり、厚さは93μmであった。繊維表面の炭素原子数量C(at%)は68.0、酸素原子数量O(at%)は31.2であり、繊維表面におけるホスファチジルコリンジエルコイルは33.0重量%であった。両親媒性分子の表面偏在率は33.0である。
[実施例11]
ホスファチジルエタノールアミンジオレオイル(日本油脂(株)製)をホスファチジルコリンジステアロイル(日本油脂(株)製)に変更した以外は実施例1と同様に繊維成形体を調製した。得られた繊維成形体の平均繊維径は4.6μmであり、厚さは103μmであった。繊維表面の炭素原子数量C(at%)は64.4、酸素原子数量O(at%)は35.2であり、繊維表面におけるホスファチジルコリンジステアロイルは20.0重量%であった。両親媒性分子の表面偏在率は20.0である。
[実施例12]
ホスファチジルエタノールアミンジオレオイル(日本油脂(株)製)を非イオン界面活性剤SPAN80(ソルビタン脂肪酸エステル、東京化成(株)製)に変更した以外は実施例1と同様に繊維成形体を調製した。得られた繊維成形体の平均繊維径は3.9μmであり、厚さは98μmであった。繊維表面の炭素原子数量C(at%)は62.3、酸素原子数量O(at%)は37.7であり、繊維表面におけるSPAN80は12.4重量%であった。両親媒性分子の表面偏在率は12.4である。
[実施例13]
実施例1、2、7−12、および比較例1、2で得られた繊維成形体について親水性試験を実施した。結果を次表に示す。
Figure 0005563590
本発明の繊維成形体は親水性に優れており、医療用品、例えば臓器表面や創傷部位の保護材、被覆材、シール材、人工硬膜、癒着防止材、止血材として用いられる。

Claims (7)

  1. 疎水性ポリマーと両親媒性分子からなる繊維成形体であって、平均繊維径が0.05〜50μmであり、両親媒性分子が繊維表面に表面偏在率5.0以上で偏析している繊維成形体。
  2. 繊維成形体100重量部に対して、両親媒性分子を0.01〜20重量部含む請求項1に記載の繊維成形体。
  3. 疎水性ポリマーが、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアリレート、および脂肪族ポリエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載の繊維成形体。
  4. 疎水性ポリマーが、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、およびそれらの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載の繊維成形体。
  5. 両親媒性分子が、リン脂質類、ソルビタン脂肪酸エステル類、糖脂質類、ステロイド類、およびポリアミノ酸類からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1からのいずれかに記載の繊維成形体。
  6. 両親媒性分子がホスファチジルコリンおよび/またはホスファチジルエタノールアミンである請求項1からのいずれかに記載の繊維成形体。
  7. 静電紡糸法にて作製された請求項1からのいずれかに記載の繊維成形体。
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