JP5698339B2 - 繊維成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、脂肪族ポリエステル、蛋白質、ならびにホスファチジルエタノールアミンおよび/またはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類を含んでなる繊維成形体に関する。
エレクトロスピニング法(静電紡糸法、電界紡糸法、エレクトロスプレー法ともいう)で作製されるファイバーは、従来の成形方法よりも繊維径の細い糸を簡便に作成できるメリットがあり、繊維成形体の表面積を大きくすることができる。そのため、近年、エレクトロスピニング法で得られた繊維成形体は、細胞培養用の担体、再生医療のための足場材料やドラッグデリバリーシステムのキャリアなどへの応用が検討され、薬剤や蛋白質と複合化された材料開発も行われている。
これまで検討されている繊維成形体のベース材料として、合成高分子(ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトンなど)、天然高分子(コラーゲン、ゼラチン、エラスチン、ヒアルロン酸、アルギン酸、キトサンなど)、無機材料(ハイドロキシアパタイト、β−リン酸三カルシウム)およびこれらの複合体などが知られている。
合成高分子の中でも脂肪族ポリエステルを繊維に加工した成形体は、縫合糸、生体吸収性シートやドラッグデリバリーシステムのキャリアなど様々な応用がなされている。
脂肪族ポリエステルと水溶性薬剤や蛋白質をエレクトロスピニング法により複合化させる方法として、1)ポリマー溶液に水溶性薬剤や蛋白質を分散させた溶液をエレクトロスピニングする方法、2)二重ノズルを使用して、コア側に水溶性薬剤や蛋白質水溶液、シェル側にポリマー溶液を送液し、エレクトロスピニングする方法、3)水溶性薬剤や蛋白質水溶液とポリマー溶液からなるエマルションをエレクトロスピニングする方法が知られている。
1)の方法は、薬剤や蛋白質が水溶性であり、ポリマー溶液に溶解できないため含有量を増やすのに限界があり、また薬剤や蛋白質の放出挙動は、初期にバースト放出が発生するという問題があった。
2)の方法として、例えばY.Z.Zhang,X.Wang,Y.Feng,J.Li,C.T.Lim,S.Ramakrishna Biomacromolecules.,7,1049(2006)には、コア(ウシ血清アルブミン)/シェル(ポリε−カプロラクトン)からなるナノファイバーを作製することで、バースト放出を抑制可能であると記載されている。しかし、二重ノズルを使用したエレクトロスピニング法は、安定して紡糸することが困難であり、ポリマー溶液にフッ素系溶媒が使用されており、工業的生産に相応しくない。
一方、3)の方法として、例えばY.Yang et al.European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics.,69,106(2008)には、ウシ血清アルブミン水溶液とポリ乳酸溶液からなるエマルションをエレクトロスピニングすることで作製したナノファイバー、およびその放出挙動について記載されている。さらにX.Li et al.Colloids and Surfaces B Biointerface.,75,418(2010)には、非イオン性界面活性剤を含むウシ血清アルブミン水溶液とポリ(乳酸−カプロラクトン)溶液からなるエマルションをエレクトロスピニングすることでナノファイバーを作製し、放出挙動について検討を行ったこと、そして初期バースト放出が抑制されたことが記載されている。
しかしながら、ホスファチジルエタノールアミンおよび/またはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類を含む脂肪族ポリエステルと蛋白質とからなる繊維成形体については知られていない。
本発明が解決しようとする課題は、蛋白質を内包する繊維成形体であって、蛋白質の初期バースト放出が抑制され、継続的な徐放性が付与された繊維成形体を提供することである。
また、均一性に優れた繊維よりなり、自己支持性に優れた繊維成形体を提供することも本発明の課題である。
本発明の発明者らは前記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の界面活性剤を加えることにより、これらの課題を解決しうることを見出した。すなわち、脂肪族ポリエステルと蛋白質からなる繊維成形体にホスファチジルエタノールアミンを添加することにより、蛋白質を繊維内部に内包でき、その結果蛋白質の初期バースト放出が抑制され、継続的な徐放性を有すること、ならびにポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類を添加することにより、均一性に優れた繊維成形体を安定して紡糸できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、脂肪族ポリエステル、蛋白質、ならびにホスファチジルエタノールアミンおよび/またはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類を含んでなり、平均繊維径が0.05〜50μmの繊維からなる繊維成形体である。
本発明の繊維成形体のうち、少なくともホスファチジルエタノールアミンを含有する繊維成形体は、蛋白質が繊維に内包されているが繊維表面には存在せず、その結果蛋白質の初期バースト放出が抑制され、継続的な徐放性を有する点で有利である。
また、少なくともポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類を含有する繊維成形体はビーズ状繊維がなく均一な繊維径を有するため、自己支持性がよく、ハンドリング性に優れる点で有利である。
なお、ここでいうビーズ状繊維とは、1本の繊維において、その最大繊維径の1/2よりも小さい繊維径部分がある繊維をいう。また、「ビーズ状繊維が存在しない」とは、例えば電子顕微鏡によりランダムに100本の繊維を観察した結果、90本以上はビーズ状繊維ではないことを意味する。ビーズ状繊維が存在して繊維成形体の均一性が低下すると、繊維成形体が脆弱となり好ましくない。
図1は、実施例9で製造された本発明の繊維成形体の電子顕微鏡写真である。
図2は、比較例5で製造された繊維成形体の電子顕微鏡写真である。
本発明において、繊維成形体とは、得られた一本または複数本の繊維が積層され、織り、編まれ、もしくはその他の手法により形成された3次元の成形体をいう。具体的な繊維成形体の形態としては、例えば不織布が挙げられる。さらに、それをもとに加工したチューブ、メッシュなども再生医療分野において好ましく用いることができ、繊維成形体に含まれる。
本発明の繊維成形体の平均繊維径は0.05〜50μmである。平均繊維径が、0.05μmよりも小さいと、繊維成形体の強度が保てないため好ましくない。また平均繊維径が50μmよりも大きいと、繊維の比表面積が小さくなるため好ましくない。さらに好ましくは、平均繊維径が0.2〜30μmである。なお、繊維径とは繊維断面の直径をいう。繊維断面の形状は円形に限らず、楕円形や異形になることもありうる。この場合の繊維径とは、該楕円形の長軸方向の長さと短軸方向の長さの平均をその繊維径として算出する。また、繊維断面が円形でも楕円形でもないときには円または楕円に近似して繊維径を算出する。
本発明において使用される脂肪族ポリエステルは、生体吸収性(生分解性ともいう)ポリマーであることが好ましい。かかる生体吸収性ポリマーとしては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体、ポリカプロラクトン、ポリグリセロールセバシン酸、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリブチレンサクシネートや、これらの誘導体が例示できる。
これらの中でも、好ましくはポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、およびそれらの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、最も好ましいのはポリ乳酸、ポリ乳酸−グリコール酸共重合体である。
なお、ポリ乳酸の共重合体は、伸縮性を付与するモノマー成分が少ないほうが好ましい。こうした伸縮性を付与するモノマー成分とは、カプロラクトンモノマー、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリアルキレンカーボネートジオール、ポリエチレングリコールユニットなどの軟質成分が例示できる。これらの軟質成分はポリマー重量比で50%未満であることが好ましい。これよりも軟質成分が多いと自己支持性を失いやすく、やわらかすぎて取り扱いにくい繊維成形体になる。
ポリ乳酸におけるポリマーを構成するモノマーにはL−乳酸およびD−乳酸があるが、特に制限はない。またポリマーの光学純度や分子量、L体とD体の組成比、配列には特に制限はないが、好ましくはL体の多いポリマーである。ポリL乳酸とポリD乳酸のステレオコンプレックスを用いてもよい。
また、本発明で用いられる脂肪族ポリエステルの分子量は1×10〜5×10であり、好ましくは1×10〜1×10、より好ましくは5×10〜5×10である。また、脂肪族ポリエステルの末端構造や脂肪族ポリエステルを重合する触媒は任意に選択できる。
本発明の繊維成形体においては、その目的を損なわない範囲で、他のポリマーや他の化合物を併用してもよい。例えば、ポリマー共重合、ポリマーブレンド、化合物混合である。
かかる脂肪族ポリエステルは高純度であることが好ましく、とりわけ脂肪族ポリエステル中に含まれる添加剤や可塑剤、残存触媒、残存モノマー、成形加工や後加工に用いた残留溶媒などの残留物は少ないほうが好ましい。特に、医療に用いる場合は、安全性の基準値未満に抑える必要がある。
本発明の繊維成形体は、蛋白質を脂肪族ポリエステル100重量部に対して0.1〜100重量部含有する。蛋白質の含有量が0.1重量部より少ないと、繊維成形体における蛋白質含有量が低下し、蛋白質の特性に基づく効果を示さず、100重量部よりも多いと、繊維成形体自体の耐久性が低下し、好ましくない。好ましい含有量は、0.2〜50重量部であり、さらに好ましくは0.5〜20重量部である。
本発明で用いられる蛋白質は特に限定されないが、例えばアスパラギナーゼ、カタラーゼ、スーパーオキシドデスムターゼに代表される酵素、ヘモグロビン、血清アルブミン、低密度リポ蛋白質に代表される輸送蛋白質、アクチン、ミオシンに代表される筋肉蛋白質、抗体、補体に代表される防御蛋白質、ジフテリア毒素、ボツリヌス毒素、ヘビ毒に代表される毒素蛋白質、インスリン、増殖因子、サイトカインに代表される蛋白質ホルモン、卵アルブミン、フェリチンに代表される貯蔵蛋白質、コラーゲン、ケラチンに代表される構造蛋白質が挙げられる。なかでもアルブミンが好ましく、血清アルブミンがより好ましい。
本発明で用いられる蛋白質は、動物由来であっても遺伝子組換え技術によるものであってもよい。動物由来であればヒト由来がより好ましい。また、遺伝子組み換え技術により作製された蛋白質は、アミノ酸配列の改変体であってもよい。
本発明の繊維成形体は、脂肪族ポリエステル100重量部に対して、ホスファチジルエタノールアミンおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類を合わせて0.01〜20重量部含有する(ホスファチジルエタノールアミンまたはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類のいずれかのみを含む場合を含む)。ホスファチジルエタノールアミンおよび/またはポリオキシエチレンソルビタンの含有量が0.01重量部より少ないと蛋白質が内包されないか、均一な繊維成形体が安定に得られない点で好ましくなく、20重量部よりも多いと、繊維成形体自体の耐久性が低下し、好ましくない。好ましい含有量は、0.02〜15重量部であり、さらに好ましくは、0.05〜10重量部である。
本発明で用いられるホスファチジルエタノールアミンは、動物組織から抽出したものでも、人工的に合成して製造したものでもよい。かかるホスファチジルエタノールアミンとしては、例えばL−α−ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、L−α−ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、L−α−ジラウロイルホスファチジルエタノールアミン、L−α−ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン、L−α−ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、L−α−ジリノレオイルホスファチジルエタノールアミン、L−α−ジエルコイルホスファチジルエタノールアミン、および1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスフォエタノールアミンが挙げられる。
本発明で用いられるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類としては、例えばポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(Tween(登録商標、以下同じ)20)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミタート(Tween40)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(Tween60)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート(Tween65)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(Tween80)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート(Tween85)、ポリオキシエチレン(6)ソルビタンテトラオレエート、ポリオキシエチレン(30)ソルビタンテトラオレエートが挙げられる。
本発明の繊維成形体においては、蛋白質が繊維成形体の繊維表面に存在していないことが一つの特徴であるが、該繊維成形体における蛋白質の分布状態を評価する手段としては、X線光電子分光(略称XPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy)またはESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis))、飛行時間二次イオン質量分析計(Time−of−flight secondary ion mass spectrometer:TOF−SIMS)、透過型電子顕微鏡(TEM)等を使用することができる。特に限定されるものではないが、本明細書における繊維成形体の表面組成分析手段としてはESCAを使用した。繊維表面に蛋白質が存在する場合、該繊維成形体のESCA測定により蛋白質に由来する窒素原子数量N(at%)値が観察される。すなわち、本発明において「蛋白質が繊維に内包されているが繊維表面には存在せず」とは、本発明の繊維成形体のESCA測定により蛋白質に由来する窒素原子数量N(at%)値が観察されないことをいう。
なお、ここでいう「繊維成形体表面」とは、前記分析法による測定対象たる領域を意味し、例えば最表面から10nmまでの領域をいう。
本発明の繊維成形体は長繊維よりなる。長繊維とは、具体的には紡糸から繊維成形体への加工に至る工程の中で、繊維を切断する工程を加えずに形成される繊維成形体をいい、エレクトロスピニング法、スパンボンド法、メルトブロー法などで形成することができるが、エレクトロスピニング法が好ましく用いられる。
エレクトロスピニング法は、ポリマーを溶媒に溶解させた溶液に高電圧を印加することで、電極上に繊維成形体を得る方法である。工程としては、ポリマーを溶媒に溶解させて溶液を製造する工程と、該溶液に高電圧を印加させる工程と、該溶液を噴出させる工程と、噴出させた溶液から溶媒を蒸発させて繊維成形体を形成させる工程と、任意に実施しうる工程として形成された繊維成形体の電荷を消失させる工程と、電荷消失によって繊維成形体を累積させる工程を含む。
繊維成形体の全体の厚みに関しては、特に制限はないが、好ましくは25μm〜500μm、さらに好ましくは50〜200μmである。
エレクトロスピニング法における、紡糸液を製造する段階について説明する。本発明における紡糸液は、脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液と蛋白質の水溶液からなるエマルションを使用することが好ましい。
脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液における脂肪族ポリエステルの濃度は1〜30重量%であることが好ましい。脂肪族ポリエステルの濃度が1重量%より低いと繊維成形体を形成することが困難となり好ましくない。また、30重量%より高いと、得られる繊維成形体の繊維径が大きくなり好ましくない。より好ましい有機溶媒溶液中の脂肪族ポリエステルの濃度は2〜20重量%である。
かかる有機溶媒は一種を単独で用いてもよく、複数の溶媒を組み合わせてもよい。本発明で用いられる有機溶媒としては、脂肪族ポリエステルを溶解可能で、かつ蛋白質の水溶液とエマルションを形成し、紡糸する段階で蒸発し、繊維を形成可能なものであれば特に限定されない。例えば、クロロホルム、2−プロパノール、トルエン、ベンゼン、ベンジルアルコール、ジクロロメタン、四塩化炭素、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、トリクロロエタン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、またはこれらの有機溶媒の混合溶媒が挙げられる。また、エマルションを形成する範囲内においてアセトン、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1−プロパノール、フェノール、ピリジン、酢酸、蟻酸、ヘキサフルオロ−2−プロパノール、ヘキサフルオロアセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、N−メチル−2−ピロリジノン、N−メチルモルホリン−N−オキシド、1,3−ジオキソラン等の溶媒を含んでいてもよい。これらの中でも、取り扱い性や物性から、ジクロロメタンを用いることが好ましい。
本発明で用いられる蛋白質の水溶液における蛋白質の濃度は0.5〜50重量%であることが好ましい。蛋白質の濃度が0.5重量%より低いと繊維成形体における蛋白質含有量が低下し、蛋白質の特性に基づく効果を示さず好ましくない。また、50重量%より高いと溶解することが困難となり好ましくない。より好ましい蛋白質の水溶液中の濃度は1〜40重量%である。
本発明で用いられる蛋白質水溶液の水性溶媒は、蛋白質を溶解可能で、かつ脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液とエマルションを形成し、紡糸する段階で蒸発し、繊維を形成可能なものであれば特に限定されない。例えば、生理食塩水や各種緩衝液を使用することができる。さらには、薬学的に許容しうる蛋白質の安定剤や添加剤を加えてもよい。これらのうちでも、リン酸緩衝液を用いることが好ましい。
本発明で用いられるホスファチジルエタノールアミンやポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類は、脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液、蛋白質の水溶液のいずれに添加、混合されてもよいが、均一な溶液を形成させる点で、脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液に溶解されていることが好ましい。
上記で得られた脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液と蛋白質の水溶液の混合割合としては、安定なエマルションさえ形成しさえすれば特に限定されるものではないが、(蛋白質の水溶液)/(脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液)(体積比)が1/100〜1/2であることが好ましく、1/50〜1/4であることがより好ましい。(蛋白質の水溶液)/(脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液)(体積比)が1/100より小さいと繊維成形体における蛋白質含有量が低下し、蛋白質の特性に基づく効果を示さず好ましくない。(蛋白質の水溶液)/(脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液)(体積比)が1/2より大きいとエマルションが不安定となり好ましくない。
また、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類を用いる場合、エマルション溶液はW/Oエマルション溶液であることが好ましい。一般的にW/Oエマルションを形成する界面活性剤としては、HLB値が3〜8の範囲にある界面活性剤が好ましいとされている。HLBとはHydrophile−Lipophile Balanceの略であり、界面活性剤の水と油(水に不溶性の有機化合物)への親和性の程度を表す値として知られ、HLB=20×Mw/M(M:分子全体の分子量、Mw:親水性部分の分子量)で算出される。本発明において、驚くべきことにHLB値が10以上でありO/Wエマルション形成に有効であることが知られるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類を添加剤として使用することにより、安定かつ均一なW/Oエマルションを調製可能で、それにより均一な繊維成形体が得られることが判明した。
脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液と蛋白質の水溶液を混合し、エマルションを調製する方法としては、特に限定されないが、超音波や各種攪拌方法を用いることができる。攪拌方法としては、ホモジナイザーのような高速攪拌やアトライター、ボールミル等の攪拌方法も使用することができる。なかでも超音波処理による分散方法が好ましい。
また、有機溶媒と蛋白質の水溶液とでエマルションを形成した後、脂肪族ポリエステルを添加して紡糸液を調製することも可能である。
次に、エマルション紡糸液に高電圧を印加する段階と、エマルション紡糸液を噴出させる段階と、噴出されたエマルション紡糸液から溶媒を蒸発させて繊維成形体を形成させる段階について説明する。
本発明の繊維成形体の製造方法においては、ホスファチジルエタノールアミンおよび/またはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類を含む脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液と蛋白質の水溶液からなるエマルション紡糸液を噴出させ、繊維成形体を形成させるために、エマルション紡糸液に高電圧を印加する必要がある。電圧を印加する方法については、エマルション紡糸液を噴出させ、繊維成形体が形成されるものであれば特に限定されないが、エマルション紡糸液に電極を挿入して電圧を印加する方法や、紡糸液噴出ノズルに対して電圧を印加する方法などがある。
また、エマルション紡糸液に印加する電極とは別に補助電極を設けることも可能である。また、印加電圧の値については、本発明の繊維成形体が形成されれば特に限定されないが、通常は5〜50kVの範囲が好ましい。印加電圧が5kVより低い場合は紡糸液が噴出されずに繊維成形体が形成されないため好ましくなく、印加電圧が50kVより高い場合は、電極からアース電極に向かって放電が起きるために好ましくない。より好ましくは10〜30kVの範囲である。所望の印加電圧は任意の公知の方法で作ればよい。
こうすることで、ホスファチジルエタノールアミンおよび/またはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類を含む脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液と蛋白質の水溶液からなるエマルション紡糸液を噴出させた直後に、使用した溶媒が揮発して繊維成形体が形成される。通常の紡糸は大気下、室温で行われるが、揮発が不十分である場合には陰圧下で行うことや、高温の雰囲気下で行うことも可能である。また、紡糸する温度は溶媒の蒸発挙動や紡糸液の粘度に依存するが、通常は0〜50℃の範囲である。
次に、形成された繊維成形体の電荷を消失させる段階について説明する。繊維成形体の電荷を消失させる方法は特に限定されないが、好ましい方法として、イオナイザーにより電荷を消失させる方法が挙げられる。イオナイザーとは、内蔵のイオン発生装置によりイオンを発生させ、イオンを帯電物に放出させることにより帯電物の電荷を消失させうる装置である。本発明の繊維成形体の製造方法で用いられるイオナイザーを構成する好ましいイオン発生装置として、内蔵の放電針に高電圧を印加することによりイオンを発生する装置が挙げられる。
次に、電荷消失によって繊維成形体を累積させる段階について説明する。電荷消失によって繊維成形体を累積させる方法は、特に限定されないが、通常の方法として、電荷消失により繊維成形体の静電力を失わせ、自重により落下、累積させる方法が挙げられる。また、必要に応じて静電力を消失させた繊維成形体を吸引してメッシュ上に累積させる方法、装置内の空気を対流させてメッシュ上に累積させる方法を行ってもよい。
本発明の繊維成形体の表面に、さらに綿状の繊維構造物を積層することや、綿状構造物を本発明の繊維成形体ではさんでサンドイッチ構造にするなどの加工は、本発明の目的を損ねない範囲で任意に実施しうる。
医療応用においては、さらに抗血栓性を付与するためのコーティング処理、抗体や生理活性物質で表面をコーティングすることも任意に実施できる。このときのコーティング方法や処理条件、その処理に用いる化学薬品は、繊維の構造を極端に破壊せず、本発明の目的を損なわない範囲で任意に選択できる。
本発明の繊維成形体の繊維内部にも任意に薬剤を含ませることができる。エレクトロスピニング法で成形する場合は、有機溶媒もしくは水溶液に可溶であり、溶解によりその生理活性を損なわないものであれば、使用する薬剤に特に制限はない。
かかる薬剤の具体例としては、タクロリムスもしくはその類縁体、スタチン系、またはタキサン系抗癌剤、蛋白質製剤、核酸医薬であってもよい。また薬剤以外のものも含んでよく、金属、多糖、脂肪酸、界面活性剤、揮発性溶媒耐性微生物であってもよい。
以下の実施例、比較例における評価方法を説明する。
1.平均繊維径:
得られた繊維成形体の表面を走査型電子顕微鏡(キーエンス株式会社:商品名「VE8800」)により、倍率1000倍で撮影して得た写真から無作為に20箇所を選んで繊維径を測定し、すべての繊維径の平均値を求めて平均繊維径とした。n=20である。
2.蛍光顕微鏡観察:
FITC−BSA(Albumin,Fluorescein isothiocyanate conjugate bovine)を蛍光標識として使用して繊維成形体中における蛋白質の分散性を確認した。蛍光顕微鏡としてZEISS社製Axio Imager M1mを使用して、AF488で励起して繊維成形体中におけるFITC−BSAの分散性を確認した。
3.繊維表面における窒素原子数量N(at%)値の確認:
光電子分光装置としてVG社ESCALAB200、X線としてMgKα線(1253.6eV)を使用して光電子取出角45度で検出した。
4.紡糸均一性:
紡糸のノズルから紡糸液が飛散する広がり具合と繊維集合体がコレクタに堆積する状態について3段階評価した。
○:紡糸液の飛散が広範で、繊維集合体がコレクタ上に均一に堆積する
△:紡糸液の飛散の広がりが中程度で、繊維集合体がコレクタ上に均一に堆積するが堆積面積は小さい。
×:紡糸液の飛散が狭くで、繊維集合体がコレクタ上に均一に堆積しない。
5.紡糸安定性:
テーラーコーンの安定性を意味し、クリーニングの頻度で3段階評価した。
○:紡糸ノズルをクリーニングする必要がほとんどない
△:紡糸ノズルをクリーニングする頻度が中程度
×:紡糸ノズルを頻繁にクリーニングをする必要がある
6.自己支持性:
得られた繊維集合体のハンドリング性について2段階で評価した。
○:ハンドリングが良好である
×:脆弱であり、ハンドリングすることができない
[実施例1]
<脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液の調製>
L−α−ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(日本油脂(株)製)1重量部とポリ乳酸(PL18、Purac社製)100重量部をジクロロメタンにポリ乳酸が12%(w/v)となるように溶解し、均一な溶液を調製した。
<蛋白質の水溶液の調製>
アルブミン(ウシ血清由来コーンフラクションV、pH7.0、和光純薬製)を10wt%になるようにリン酸緩衝液(インビトロゲン製、1X pH7.4)に溶解し、さらに蛍光標識としてFITC−BSAを1mg/1mLで添加して溶解した。
<エマルション紡糸液の調製>
上記蛋白質の水溶液と脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液を(蛋白質の水溶液)/(脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液)(体積比)が1/20(ポリ乳酸100重量部に対して蛋白質が4重量部)となるように混合し、超音波処理をすることで均一なエマルションを形成した。
<エレクトロスピニング>
上記エマルション紡糸液を用い、湿度25%以下でエレクトロスピニング法により紡糸を行い、シート状の繊維成形体を得た。噴出ノズルの内径は0.8mm、電圧は15kV、噴出ノズルから平板までの距離は20cmであった。上記平板は、紡糸時は陰極として用いた。得られた繊維成形体の平均繊維径は2.0μmであった。蛍光顕微鏡観察を実施した結果、FITC−BSAが繊維成形体に均一に分散していることを確認した。
表面組成分析の結果、表面の炭素原子数C(at%)は61.8、酸素原子数O(at%)は38.2、窒素原子数はN(at%)は0であり、繊維表面の窒素原子数N(at%)は観察されず、繊維表面に蛋白質が存在せず、内包されていることがわかった。
[比較例1]
ホスファチジルエタノールアミンジオレオイル(日本油脂製)を含まない以外は、実施例1と同様に繊維成形体を調製した。得られた繊維構造物を構成する繊維成形体の平均径は11.2μmであった。蛍光顕微鏡観察を実施した結果、FITC−BSAが繊維成形体に均一に分散していることを確認した。表面組成分析の結果、表面の炭素原子数C(at%)は61.8、酸素原子数O(at%)は37.5、窒素原子数はN(at%)は0.7であり、繊維表面の窒素原子数N(at%)が観察され、繊維表面に蛋白質が存在していることがわかった。
[実施例2]
L−α−ジラウロイルホスファチジルエタノールアミン(日本油脂製)3.3重量部とポリ乳酸(PL18、Purac社製)100重量部をジクロロメタンにポリ乳酸が12%(w/v)となるように溶解し、均一な溶液を調製した以外は、実施例1と同様に繊維成形体を調製した。得られた繊維成形体の平均繊維径は0.8μmであった。蛍光顕微鏡観察を実施した結果、FITC−BSAが繊維成形体に均一に分散していることを確認した。表面組成分析の結果、繊維表面に蛋白質が存在せず、内包されていることがわかった。
[実施例3]
L−α−ジエルイルホスファチジルエタノールアミン(日本油脂製)3.3重量部とポリ乳酸(PL18、Purac社製)100重量部をジクロロメタンにポリ乳酸が12%(w/v)となるように溶解し、均一な溶液を調製した以外は実施例1と同様に繊維成形体を調製した。得られた繊維成形体の平均繊維径は1.1μmであった。蛍光顕微鏡観察を実施した結果、FITC−BSAが繊維成形体に均一に分散していることを確認した。
表面組成分析の結果、繊維表面に蛋白質が存在せず、内包されていることがわかった。
[比較例2]
<脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液の調製>
L−α−ジラウロイルホスファチジルコリン(日本油脂製)3.3重量部とポリ乳酸(PL18、Purac社製)100重量部をジクロロメタンにポリ乳酸が12%(w/v)となるように溶解し、均一な溶液を調製した。
<蛋白質溶液の調製>
アルブミン(ウシ血清由来コーンフラクションV、pH7.0、和光純薬製)を10wt%になるようにリン酸緩衝液(インビトロゲン製、1X pH7.4)に溶解し、さらに蛍光標識としてFITC−BSAを1mg/1mLで添加して溶解した。
<エマルション紡糸液の調製>
上記で調製した蛋白質の水溶液と脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液を(蛋白質の水溶液)/(脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液)(体積比)が1/20(ポリ乳酸100重量部に対して蛋白質が4重量部)となるように混合し、エマルションを調製しようとしたが蛋白質が析出し、均一なエマルションを得ることはできなかった。
[実施例4]
<脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液の調製>
ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート(Tween85)(和光純薬製)1重量部とポリ乳酸(PL18、Purac社製)100重量部をジクロロメタンにポリ乳酸が12%(w/v)となるように溶解し、均一な溶液を調製した。
<蛋白質溶液の調製>
アルブミン(ウシ血清由来コーンフラクションV、pH7.0、和光純薬製)を10wt%になるようにリン酸緩衝液(インビトロゲン製、1X pH7.4)に溶解し、さらに蛍光標識としてFITC−BSAを1mg/1mLで添加して溶解した。
<エマルション紡糸液の調製>
上記で調製した蛋白質の水溶液と脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液を(蛋白質の水溶液)/(脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液)(体積比)が1/20(ポリ乳酸100重量部に対して蛋白質が4重量部)となるように混合し、超音波処理することで均一なエマルションを形成した。
<エレクトロスピニング>
湿度25%以下でエレクトロスピニング法により紡糸を行い、シート状の繊維成形体を得た。噴出ノズルの内径は0.8mm、電圧は12kV、紡糸液流量は1.2mL/h、噴出ノズルから平板までの距離は20cmであった。上記平板は、紡糸時は陰極として用いた。紡糸均一性、紡糸安定性及び自己支持性については表1に示す。得られた繊維成形体にはビーズ状繊維が観察されず、平均繊維径は4.2μmであった。蛍光顕微鏡観察を実施した結果、FITC−BSAが繊維成形体に均一に分散していることを確認した。
[実施例5]
エレクトロスピニングの条件を電圧は15kV、紡糸液流量は1.6mL/hに変更した以外は実施例4と同様に繊維成形体を調製した。紡糸均一性、紡糸安定性、および自己支持性については表1に示す。得られた繊維成形体にはビーズ状繊維が観察されず、平均繊維径は2.7μmであった。蛍光顕微鏡観察を実施した結果、FITC−BSAが繊維成形体に均一に分散していることを確認した。
[実施例6]
<脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液の調製>
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(Tween80)(東京化成製)1重量部とポリ乳酸(PL18、Purac社製)100重量部をジクロロメタンにポリ乳酸が12%(w/v)となるように溶解し、均一な溶液を調製した。
<蛋白質溶液の調製>
アルブミン(ウシ血清由来コーンフラクションV、pH7.0、和光純薬製)を10wt%になるようにリン酸バッファー(インビトロゲン製、1X pH7.4)に溶解し、さらに蛍光標識としてFITC−BSAを1mg/1mLで添加して溶解した。
<エマルション紡糸液の調製>
上記で調製した蛋白質の水溶液と脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液を(蛋白質の水溶液)/(脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液)(体積比)が1/20(ポリ乳酸100重量部に対して蛋白質が4重量部)となるように混合し、超音波処理することで均一なエマルションを形成した。
<エレクトロスピニング>
湿度25%以下でエレクトロスピニング法により紡糸を行い、シート状の繊維成形体を得た。噴出ノズルの内径は0.8mm、電圧は15kV、紡糸液流量は1.6mL/h、噴出ノズルから平板までの距離は20cmであった。上記平板は、紡糸時には陰極として用いた。紡糸均一性、紡糸安定性、および自己支持性については表1に示す。得られた繊維成形体にはビーズ状繊維が観察されず、平均繊維径は2.3μmであった。蛍光顕微鏡観察を実施した結果、FITC−BSAが繊維成形体に均一に分散していることを確認した。
[実施例7]
エレクトロスピニングの条件を電圧は12kV、紡糸液流量は1.2mL/hに変更した以外は実施例6と同様に繊維成形体を調製した。紡糸均一性、紡糸安定性、および自己支持性については表1に示す。得られた繊維成形体にはビーズ状繊維が観察されず、平均繊維径は4.6μmであった。蛍光顕微鏡観察を実施した結果、FITC−BSAが繊維成形体に均一に分散していることを確認した。
[実施例8]
エレクトロスピニングの条件を紡糸液流量は3.0mL/hに変更した以外は実施例7と同様に繊維成形体を調製した。紡糸均一性、紡糸安定性、および自己支持性については表1に示す。得られた繊維成形体にはビーズ状繊維が観察されず、平均繊維径は6.8μmであった。蛍光顕微鏡観察を実施した結果、FITC−BSAが繊維成形体に均一に分散していることを確認した。
[実施例9]
<脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液の調製>
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(Tween20)(MP Biomedicals Inc製)1重量部とポリ乳酸(PL18、Purac社製)100重量部をジクロロメタンにポリ乳酸が12%(w/v)となるように溶解し、均一な溶液を調製した。
<蛋白質溶液の調製>
アルブミン(ウシ血清由来コーンフラクションV、pH7.0、和光純薬製)を10wt%になるようにリン酸緩衝液(インビトロゲン製、1X pH7.4)に溶解し、さらに蛍光標識としてFITC−BSAを1mg/1mLで添加して溶解した。
<エマルション紡糸液の調製>
上記で調製した蛋白質の水溶液と脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液を(蛋白質の水溶液)/(脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液)(体積比)が1/20(ポリ乳酸100重量部に対して蛋白質が4重量部)となるように混合し、超音波処理することで均一なエマルションを形成した。
<エレクトロスピニング>
湿度25%以下でエレクトロスピニング法により紡糸を行い、シート状の繊維成形体を得た。噴出ノズルの内径は0.8mm、電圧は15kV、紡糸液流量は1.6mL/h、噴出ノズルから平板までの距離は20cmであった。上記平板は、紡糸時は陰極として用いた。紡糸均一性、紡糸安定性及び自己支持性については表1に示す。得られた繊維成形体にはビーズ状繊維が観察されず、平均繊維径は1.1μmであった。蛍光顕微鏡観察を実施した結果、FITC−BSAが繊維成形体に均一に分散していることを確認した。電子顕微鏡写真を図1に示す。
[実施例10]
エレクトロスピニングの条件を紡糸液流量は3.0mL/hに変更した以外は実施例9と同様に繊維成形体を調製した。紡糸均一性、紡糸安定性、および自己支持性については表1に示す。得られた繊維成形体にはビーズ状繊維が観察されず、平均繊維径は2.7μmであった。蛍光顕微鏡観察を実施した結果、FITC−BSAが繊維成形体に均一に分散していることを確認した。
[実施例11]
エレクトロスピニングの条件を電圧は12kV、紡糸液流量は1.2mL/hに変更した以外は実施例9と同様に繊維成形体を調製した。紡糸均一性、紡糸安定性、および自己支持性については表1に示す。得られた繊維成形体にはビーズ状繊維が観察されず、平均繊維径は4.3μmであった。蛍光顕微鏡観察を実施した結果、FITC−BSAが繊維成形体に均一に分散していることを確認した。
[比較例3]
<脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液の調製>
ソルビタン脂肪酸エステルとしてSpan(登録商標、以下同じ)85(和光純薬製)1重量部とポリ乳酸(PL18、Purac社製)100重量部をジクロロメタンにポリ乳酸が12%(w/v)となるように溶解し、均一な溶液を調製した。
<蛋白質溶液の調製>
アルブミン(ウシ血清由来コーンフラクションV、pH7.0、和光純薬製)を10wt%になるようにリン酸緩衝液(インビトロゲン製、1X pH7.4)に溶解し、さらに蛍光標識としてFITC−BSAを1mg/1mLで添加して溶解した。
<エマルション紡糸液の調製>
上記で調製した蛋白質の水溶液と脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液を(蛋白質の水溶液)/(脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液)(体積比)が1/20(ポリ乳酸100重量部に対して蛋白質が4重量部)となるように混合し、超音波処理することで均一なエマルションを形成した。
<エレクトロスピニング>
湿度25%以下でエレクトロスピニング法により紡糸を行い、シート状の繊維成形体を得た。噴出ノズルの内径は0.8mm、電圧は12kV、紡糸液流量は1.6mL/h、噴出ノズルから平板までの距離は20cmであった。上記平板は、紡糸時は陰極として用いた。紡糸均一性、紡糸安定性、および自己支持性については表1に示す。得られた繊維成形体にはビーズ状繊維が多数観察された。
[比較例4]
エレクトロスピニングの条件を電圧は15kV、紡糸液流量は1.6mL/hに変更した以外は比較例3と同様に繊維成形体を調製した。紡糸均一性、紡糸安定性、および自己支持性については表1に示す。得られた繊維成形体にはビーズ状繊維が多数観察された。
[比較例5]
<脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液の調製>
ソルビタン脂肪酸エステルとしてSpan80(東京化成製)1重量部とポリ乳酸(PL18、Purac社製)100重量部をジクロロメタンにポリ乳酸が12%(w/v)となるように溶解し、均一な溶液を調製した。
<蛋白質溶液の調製>
アルブミン(ウシ血清由来コーンフラクションV、pH7.0、和光純薬製)を10wt%になるようにリン酸緩衝液(インビトロゲン製、1X pH7.4)に溶解し、さらに蛍光標識としてFITC−BSAを1mg/1mLで添加して溶解した。
<エマルション紡糸液の調製>
上記で調製した蛋白質の水溶液と脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液を(蛋白質の水溶液)/(脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液)(体積比)が1/20(ポリ乳酸100重量部に対して蛋白質が4重量部)となるように混合し、超音波処理することで均一なエマルションを形成した。
<エレクトロスピニング>
湿度25%以下でエレクトロスピニング法により紡糸を行い、シート状の繊維成形体を得た。噴出ノズルの内径は0.8mm、電圧は15kV、紡糸液流量は1.6mL/h、噴出ノズルから平板までの距離は20cmであった。上記平板は、紡糸時は陰極として用いた。紡糸均一性、紡糸安定性、および自己支持性については表1に示す。得られた繊維成形体にはビーズ状繊維が多数観察された。電子顕微鏡写真を図2に示す。
[比較例6]
エレクトロスピニングの条件を電圧は12kVに変更した以外は、比較例5と同様に繊維成形体を調製した。紡糸均一性、紡糸安定性、および自己支持性については表1に示す。得られた繊維成形体にはビーズ状繊維が多数観察された。
[比較例7]
<脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液の調製>
ソルビタン脂肪酸エステルとしてSpan40(和光純薬製)1重量部とポリ乳酸(PL18、Purac社製)100重量部をジクロロメタンにポリ乳酸が12%(w/v)となるように溶解し、均一な溶液を調製した。
<蛋白質溶液の調製>
アルブミン(ウシ血清由来コーンフラクションV、pH7.0、和光純薬製)を10wt%になるようにリン酸バッファー(インビトロゲン製、1X pH7.4)に溶解し、さらに蛍光標識としてFITC−BSAを1mg/1mLで添加して溶解した。
<エマルション紡糸液の調製>
上記で調製した蛋白質の水溶液と脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液を(蛋白質の水溶液)/(脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液)(体積比)が1/20(ポリ乳酸100重量部に対して蛋白質が4重量部)となるように混合し、超音波処理することで均一なエマルションを形成した。
<エレクトロスピニング>
湿度25%以下でエレクトロスピニング法により紡糸を行い、シート状の繊維成形体を得た。噴出ノズルの内径は0.8mm、電圧は12kV、紡糸液流量は1.6mL/h、噴出ノズルから平板までの距離は20cmであった。上記平板は、紡糸時は陰極として用いた。紡糸均一性、紡糸安定性、および自己支持性については表1に示す。得られた繊維成形体にはビーズ状繊維が多数観察された。
[比較例8]
エレクトロスピニングの条件を電圧は15kV、紡糸液流量は3.0mL/hに変更した以外は比較例7と同様に繊維成形体を調製した。紡糸均一性、紡糸安定性、および自己支持性については表1に示す。得られた繊維成形体にはビーズ状繊維が多数観察された。
[比較例9]
<脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液の調製>
ソルビタン脂肪酸エステルとしてSpan20(和光純薬製)1重量部とポリ乳酸(PL18、Purac社製)100重量部をジクロロメタンにポリ乳酸が12%(w/v)となるように溶解し、均一な溶液を調製した。
<蛋白質溶液の調製>
アルブミン(ウシ血清由来コーンフラクションV、pH7.0、和光純薬製)を10wt%になるようにリン酸緩衝液(インビトロゲン製、1X pH7.4)に溶解し、さらに蛍光標識としてFITC−BSAを1mg/1mLで添加して溶解した。
<エマルション紡糸液の調製>
上記で調製した蛋白質の水溶液と脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液を(蛋白質の水溶液)/(脂肪族ポリエステルの有機溶媒溶液)(体積比)が1/20(ポリ乳酸100重量部に対して蛋白質が4重量部)となるように混合し、超音波処理することで均一なエマルションを形成した。
<エレクトロスピニング>
湿度25%以下でエレクトロスピニング法により紡糸を行い、シート状の繊維成形体を得た。噴出ノズルの内径は0.8mm、電圧は15kV、紡糸液流量は1.6mL/h、噴出ノズルから平板までの距離は20cmであった。上記平板は、紡糸時は陰極として用いた。紡糸均一性、紡糸安定性及び自己支持性については表1に示す。得られた繊維成形体にはビーズ状繊維が多数観察された。
[比較例10]
エレクトロスピニングの条件を電圧は12kV、紡糸液流量は1.2mL/hに変更した以外は比較例9と同様に繊維成形体を調製した。紡糸均一性、紡糸安定性、および自己支持性については表1に示す。得られた繊維成形体にはビーズ状繊維が多数観察された。
本発明の繊維成形体は蛋白質の徐放性に優れており、医薬医療用品、とりわけ臓器表面や創傷部位の保護材、DDSキャリア、被覆材、シール材、人工硬膜、癒着防止材などに有用である。

Claims (9)

  1. 脂肪族ポリエステル、蛋白質、ならびにホスファチジルエタノールアミンを含んでな平均繊維径が0.05〜50μmの繊維からなり、蛋白質が繊維に内包されているが繊維表面には存在しない繊維成形体。
  2. 脂肪族ポリエステルを100重量部、蛋白質を0.1〜100重量部、ホスファチジルエタノールアミンを0.01〜20重量部含有する、請求項1に記載の繊維成形体。
  3. 脂肪族ポリエステル、蛋白質、ならびにポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類を含んでなる平均繊維径が0.05〜50μmの繊維からなり、ビーズ状繊維が存在しない繊維成形体。
  4. 脂肪族ポリエステルを100重量部、蛋白質を0.1〜100重量部、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類を0.01〜20重量部含有する、請求項3に記載の繊維成形体。
  5. 脂肪族ポリエステルが、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、およびそれらの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1からのいずれかに記載の繊維成形体。
  6. 蛋白質がアルブミンである請求項1からいずれかに記載の繊維成形体。
  7. 蛋白質が血清アルブミンである請求項1からのいずれかに記載の繊維成形体。
  8. エレクトロスピニング法で製造された請求項1からのいずれかに記載の繊維成形体。
  9. ホスファチジルエタノールアミンおよび/またはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類を含む脂肪族ポリエステル有機溶媒溶液と蛋白質水溶液を含んでなるエマルション紡糸液を用いたエレクトロスピニング法で製造された請求項1からのいずれかに記載の繊維成形体。
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