JP5562713B2 - 眼科用レーザ治療装置 - Google Patents

眼科用レーザ治療装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5562713B2
JP5562713B2 JP2010105859A JP2010105859A JP5562713B2 JP 5562713 B2 JP5562713 B2 JP 5562713B2 JP 2010105859 A JP2010105859 A JP 2010105859A JP 2010105859 A JP2010105859 A JP 2010105859A JP 5562713 B2 JP5562713 B2 JP 5562713B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mirror
scanning
scanning unit
laser
optical system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010105859A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011234742A5 (ja
JP2011234742A (ja
Inventor
泰輝 横須賀
甲舟 田實
慎一 松浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidek Co Ltd
Original Assignee
Nidek Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidek Co Ltd filed Critical Nidek Co Ltd
Priority to JP2010105859A priority Critical patent/JP5562713B2/ja
Publication of JP2011234742A publication Critical patent/JP2011234742A/ja
Publication of JP2011234742A5 publication Critical patent/JP2011234742A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5562713B2 publication Critical patent/JP5562713B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、患者眼にレーザ光を照射し、治療を行う眼科用レーザ治療装置に関する。
光凝固を行う眼科用レーザ治療装置は、光源から出射された治療用のレーザ光を患者眼に照射する照射光学系(レーザデリバリ)を備える。このような照射光学系は、双眼の観察光学系を持つ顕微鏡ユニットに取り付けられて使用される。照射光学系は、レーザ光を患者眼に向けて反射するミラー(いわゆる、最終ミラー)を備えており、このような最終ミラーは観察光学系の左右の観察光路の間に配置される。
また、光凝固を行うレーザ治療装置では、レーザ光を1スポットずつ照射していたが、近年、最終ミラーより上流の照射光学系に、互いに直交する軸を持つ2つのガルバノミラーからなる走査部を組み込み、予め設定された複数のスポット位置の走査パターンに基づいて治療レーザ光のスポットを眼底組織上で2次元的に走査するレーザ治療装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような装置では、手術時間の短縮等のために、スポットを短時間のうちに走査できるように、応答性の高いガルバノミラーが用いられている。
特表2006−524515号公報
しかし、上記のような照射光学系では、左右の観察光路を遮らないように最終ミラーが配置されるため、最終ミラーの左右方向の幅(横幅)が制限される。このため、スポットの走査範囲が最終ミラーの反射面積による制限を受け、広くできない問題がある。
これに対して、最終ミラーを走査用のミラーとして2次元的に駆動する駆動ユニットを設ける構成が考えられる。しかし、一つのミラーを2次元的に駆動するには、構成が複雑化し、装置が大型化してしまう。すなわち、最終ミラーを第1方向に走査する第1駆動ユニットに加え、さらに、これらを一体的に第1方向と直交する第2方向に走査する第2駆動ユニットの走査部が必要であり、第2駆動ユニットは重量がある第1駆動ユニット及び最終ミラーを一体的に高速で動かさなければならないために、走査部は複雑な機構と大型なものが必要とされる。
請求項1に係る本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、装置の大型化を抑制しつつ、治療レーザ光のスポットの走査範囲を広げることができる眼科用レーザ治療装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1)
患者眼を観察する双眼の観察光学系と、治療レーザ光源からのレーザ光を患者眼眼底に照射する照射光学系であって、レーザ光を眼底上でスポットに形成する対物レンズとレーザ光を患者眼に向けて反射するために前記観察光学系の左右の観察光路の間に配置された最終ミラーとを有する照射光学系と、を備える眼科用レーザ治療装置であって、
第1の反射ミラーを揺動させてレーザ光を患者眼の眼底で鉛直方向に走査するための第1走査部と
前記第1走査部よりも下流に配置され、第2の反射ミラーを揺動させてレーザ光を患者眼の眼底で水平方向に走査する第2走査部と、
前記第1走査部及び前記第2走査部の間に配置され、前記第1走査部より下流にレーザ光のスポットの中間結像を形成する結像レンズと、
予め設定された複数のスポット位置の走査パターンに基づいて前記第1走査部及び第2走査部を制御し,レーザ光のスポットを眼底上で走査させる制御手段と、
を備え、
前記第1の反射ミラーは、前記結像レンズの前側焦点面に配置され、
前記第2走査部は、前記第2の反射ミラーとして前記最終ミラーを揺動させてレーザ光を患者眼の眼底で水平方向に走査することを特徴とする。
(2)
(1)の眼科用レーザ治療装置において、
前記第1の反射ミラーに入射するレーザ光は、平行光とされることを特徴とする。
請求項1に係る本発明によれば、装置の大型化を抑制しつつ、治療レーザ光のスポットの走査範囲を広くできる。

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は眼底の光凝固治療等を行う眼科用レーザ治療装置の光学系及び制御系を示す概略構成図である。図2は、レーザ照射光学系とマニュピュレータ部の構成図である。図3は、走査パターンの一例を示す図である。図4は、レーザ照射光学系の模式的な光学配置図である。
眼科用レーザ治療装置100は、大別して、レーザ光源ユニット10、レーザ照射光学系40、観察光学系30、照明光学系60、制御部70、操作ユニット80、を備える。レーザ光源ユニット10には、治療レーザ光を出射する治療レーザ光源11、可視の照準レーザ光(エイミング光)を出射するエイミング光源12、治療レーザ光とエイミング光とを合波するビームスプリッタ(コンバイナ)13、集光レンズ14を備える。ビームスプリッタ13は、治療レーザ光の大部分を反射しエイミング光の一部を透過する。合波されたレーザ光は、集光レンズ14により集光され、レーザ照射光学系40へと導光する光ファイバ20の入射端面に入射される。また、治療レーザ光源11とビームスプリッタ13との間には、治療レーザ光を遮断するシャッタ15が設けられている。また、エイミング光源12からエイミング光及び治療レーザ光が導光される光路には第2のシャッタ16が設けられている。シャッタ16は、異常時に閉じられる安全シャッタであるが、エイミング時に、エイミング光の照射(通過)と遮断の制御に用いてもよい。シャッタ15も、治療レーザ光の照射と遮断に使用しても良い。なお、各シャッタは、光路を切換える機能を有するガルバノミラーに置き換えてもよい。本実施形態のファイバ20は、コア径50μmのマルチモードファイバとする。
レーザ照射光学系40は、本実施形態では、双眼の顕微鏡を持つ観察光学系30と、照明光学系60と、を備えるスリットランプ(図示を略す)に装着されるデリバリとされる。光ファイバ20の出射端21から出射したレーザ光(治療レーザ光及びエイミング光)は、以下の光学素子によって導光される。レーザ光(光束)は、順に、レーザ光のスポットサイズを変更するために光軸方向に移動可能なズームレンズ41、42、第1走査部51のミラー52で反射され、ミラー43にて光路を折り曲げられる。ミラー43で折り曲げられた光束は、結像レンズ44、コリメートレンズ45、集光レンズ46を経た後、患者眼に向き合うように配置され、第2走査部55を構成するミラー56で患者眼Eへと偏向される。レーザ照射光学系40の各光学素子を通ったレーザ光は、コンタクトレンズCLを介して患者眼Eのターゲット面(組織)である眼底に照射される。
ズームレンズ41、42は図示を略すレンズカムに保持されており、術者の操作によりレンズカムが回転されることで、ズームレンズ41、42が光軸方向に移動する。ズームレンズ41、42の位置によって、レーザ光のビーム径が変更され、眼底上に照射されるレーザ光のスポットサイズが、例えば、ファイバ端面21の1〜10倍である50〜500μmの範囲で変更される。ズームレンズ41、42の位置は、レンズカムに取り付けられたエンコーダ41aにより検出される。装置100を統括・制御する制御部70は、各レンズの位置情報(検出信号)をエンコーダ41aより受け取り、レーザ光のスポットサイズを得る。このようにしてスポットサイズ入力手段が構成される。コリメートレンズ45はレーザ光を平行光とし、集光レンズ46はレーザ光を眼底に結像させる。このようにして、集光レンズ46は、対物レンズ(群)としての機能を果たす。
第1走査部51及び第2走査部55は、離れた位置におかれる個別のユニットであり、レーザ光の照射方向(眼底上での照射位置)を第1方向又は第2方向に沿って偏向させるスキャナミラーを持つユニットである。第1走査部51は、第1のガルバノミラー(ガルバノスキャナ)とされ、レーザ光を偏向する偏向部材である第1のミラー52と、ミラー52を回転駆動(揺動)する駆動ユニットであるアクチュエータ53と、アクチュエータ53にミラー52を回転可能に保持するシャフト54と、を備える。シャフト54は、第1走査部51の回転軸となる。ここでは、シャフト54は水平方向に配置され、ミラー52が第1方向である鉛直方向(Y方向)に回転されるようにアクチュエータ52に駆動される。同様に、第2走査部55は、第2のガルバノミラーとされ、レーザ光を偏向する第2のミラー56と、ミラー56を回転駆動する駆動ユニットであるアクチュエータ57と、アクチュエータ57にミラー56を回転可能に保持するシャフト58と、を備える。シャフト58は、第2走査部55の回転軸となる。ミラー56は、レーザ照射光学系40における最下流の最終ミラーであり、レーザ照射光学系40と観察光学系30の左右眼の観察光路の間に配置され、患者眼の組織の観察領域と治療レーザ光の照射可能領域とを略一致させる役割を持つ。本実施形態では、ミラー56は、レーザ照射光学系40を通過し上方(略鉛直方向)から導光されたレーザ光を約90度折り曲げて水平方向とし患者眼へと導光するために、ミラー面を上方に向け約45度の角度を持つように配置される。ミラー56は縦長の長方形状で、観察光学系30の左右眼の観察光路を遮らない程度の横幅(例えば、20mm以下)とされる。シャフト58は、ミラー56を回転させた際に、レーザ光を第2方向である水平方向(X方向)に沿って偏向するようにシャフト54の軸と直交するように配置される。このようにして、レーザ光のスポットを眼底で2次元的に走査する走査部が構成される。第1走査部51及び第2走査部55は、制御部70からの指令信号に基づいて制御され、設定されたレーザ光のスポットが眼底で2次元のパターンとして形成されるように走査される。
アクチュエータ53、57には、モータ及びポテンショメータが内蔵されており(共に図示せず)、ミラー52、56は、制御部70の指令信号に基づき独立に回転(揺動)される。このとき、アクチュエータ53、57のポテンショメータにより、ミラー52、56がどれだけ回転したかの位置情報が制御部70に送られ、制御部70は、指令信号に対するミラー52,56の回転位置を把握できる。なお、アクチュエータ53、57は、ミラー52、56を最大40度の振り角度で揺動できる。本実施形態では、ミラー52、56は、振り角度10度内で使用される。
また、図2に示すように、第2走査部55は、術者によって操作される操作レバー95の信号により、レーザ光の光軸を2次元的に傾斜させ、術者の任意の位置に走査範囲を移動させるマニュピュレータ部90を備える。マニュピュレータ部90は、第2走査部55、先端にアクチュエータ57を保持し他端がシャフト92に固定されるアーム(支持部材)91、アーム91の回転軸となるシャフト92、シャフト92を回転する駆動部となるモータ93を備える。シャフト92は、回転軸が水平となるように配置される。シャフト92がモータ93により回転されることで、アーム91が図中の矢印Aのように鉛直方向(第1方向)に揺動され、ミラー56の反射面がY方向の沿って傾斜される。マニュピュレータ部90において、第2走査部55のX方向に沿った傾斜は、アクチュエータ57の駆動により行われる。なお、モータ93及びアクチュエータ57への信号の入力は、制御部70を介して、操作ユニットである操作レバー(操作棹)95の操作信号の入力により行われる。操作レバー95は、2次元的に傾斜可能な機構を持ち、レバー部の傾斜角度と方向を操作信号として制御部70へと送る機能を備える。このようにして、制御部70はミラー56の傾斜を制御する。なお、マニュピュレータ部90としては、モータ93及びアクチュエータ57を電気的に駆動する構成の他、アーム91に操作レバーを連結した機械式の構成とすることもできる。
観察光学系30は、術者が両眼で患者眼の組織を観察するための双眼顕微鏡ユニットに搭載されており、対物レンズ31を初め、保護フィルタ、正立プリズム群、視野絞り、接眼レンズ等を備える。照明光学系60は、患者眼をスリット光により照明する照明ユニットに搭載され、照明光源、コンデンサーレンズ、スリット、投影レンズ等を有する。双眼顕微鏡ユニット、照明ユニットによりスリットランプが構成される。
制御部70には、メモリ71、光源11、12、エンコーダ41a、アクチュエータ53、57、操作ユニット80、レーザ光を照射するトリガ入力手段であるフットスイッチ81、モーター93、操作レバー95が接続されている。操作ユニット80は、レーザ照射条件の設定、走査パターンの変更及び入力を兼ねるタッチパネル式のディスプレイ82を備える。ディスプレイ82には、各種のパネルスイッチが設けられており、レーザ光照射の照射条件(パラメータ)を設定できる。ディスプレイ82は、グラフィカル・ユーザ・インターフェース機能を有し、ユーザが視覚的に数値等の確認、設定を行うことができる構成とされる。照射条件の項目としては、治療レーザ光の出力設定部83、照射時間(パルス幅)設定部84、休止時間(治療レーザ光の照射時間間隔)設定部85、治療レーザ光の走査パターン(眼底上に形成する治療レーザ光のスポット位置の配列パターン)の設定部86、スポット間隔設定手段87、詳細設定スイッチ88、その他の設定部等を呼び出すためのメニュースイッチ82a等が用意されている。
ディスプレイ82上の各項目をタッチすることにより数値を設定できる。例えば、術者が、スイッチ86aをタッチすることによりプルダウンメニューで設定可能な候補が表示され、術者が候補から数値を選択することにより項目における設定値が決定される。
走査パターンは、予め複数用意され、術者がディスプレイ82上で選択可能に構成されている。走査パターンは、例えば、スポット位置を2×2、3×3、4×4、等の正方行列状に並べるパターン(正方パターン)、スポット位置を円弧状に並べるパターン(円弧パターン)、円弧を外径方向や内径方向に並べ扇形を形成するパターン(扇形パターン)、スポット位置を円状に並べるパターン(円パターン)、この円パターンを分割するパターン(円分割パターン)、スポットを直線状に並べた直線パターン等が装置メーカによって用意され、メモリ71に記憶されている。走査パターンは、スイッチ86aにより、メモリ71に記憶されている複数の走査パターンの中から選択でき、設定部86の画面に表示される。また、ズームレンズ41、42の移動によって変えられるレーザ光のスポットサイズの情報は、ディスプレイ82に表示される。
また、メモリ71には、設定されたスポットサイズと、選択された走査パターンと、設定されたスポット間隔と、に基づいてスポットの走査範囲を設定する走査範囲情報が記憶される。
フットスイッチ81が術者により踏まれると、制御部70は各種パラメータに基づき、治療レーザ光のスポットのパターンを眼底に形成するようにレーザ光を照射する。制御部70は、光源11を制御すると共に設定されたパターンに基づいて第1走査部51及び第2走査部55を制御し、眼底に治療レーザ光のスポットのパターンを形成する。
また、制御部70は、設定されたスポットサイズが低倍の範囲内(例えば、100μm未満)にあるときは、走査部50による走査を禁止する。制御部70は、走査部50の光軸を原点位置とする。
図3に示すように、スポットSが、3×3の正方行列状に並べられてパターンが形成される。ここで、スポットSは、エイミング光、治療レーザ光のいずれも指す。このようなパターンに基づいて、治療レーザ光及びエイミング光が走査部51及び55により走査され、眼底にスポットのパターンが形成されることとなる。スタート位置SPからスポットSの照射が開始され、終了位置GPへ向かってスポットSが2次元的に走査される。本実施形態では、図中の矢印が示すように、スポットSはできるだけスポットS間の移動を効率的に行うように、隣接するスポットSへと順番に走査される構成とする。
スポットSの間隔Dは、スポット間隔設定部87により、スポット径の0.5倍〜2倍の範囲で任意に設定可能とされる。スポット間隔Dの設定情報は制御部70に入力される。図3のように、スポットの配列が方形パターンの場合、スポットSの間隔は上下左右方向で等間隔になるように形成される。
次に、レーザ照射光学系40の構成を説明する。図4では、説明の簡便のため、ファイバ出射端21とターゲット面Tとの間に直線状に各光学素子を配置した。また、ミラー43は図示を略した。また、図4では、ファイバ端面21から出射した光軸L上のレーザ光を主光線及びその光束として示した。
本実施形態のズーム光学系は、ファイバ出射端21の端面を所定のスポットサイズとして拡大し、ターゲット面T上に結像させるパーフォーカル光学系とする。ズームレンズ41、42は、レーザ光の光束径を変更する役割を持つ。ズームレンズ42を通過した光は平行光として第1走査部51に導光される。第1走査部51は最終ミラー56より上流(治療レーザ光源11(ファイバ20)側)に配置される。ズームレンズ41は凸レンズ、ズームレンズ42は、凹レンズであり、連携して光軸L上を移動する。第1走査部51は、平行光として入射した光束をミラー52にて反射し、結像レンズ44へと導光する。このとき、ミラー52の傾きにより光束がY方向に振られる。
第1走査部51の下流には、第1走査部51から導光された平行光束を中間結像面Mに結像させる(レーザ光のスポットの中間結像を形成する)結像レンズ44、中間結像面M上のスポットをターゲット面(ここでは、眼底)Tに結像させるコリメータレンズ45、集光レンズ46が配置される。集光レンズ46を通過した光束は、第2走査部55によりX方向に沿って偏向されターゲット面Tへと導光される。ターゲット面Tと中間結像面Mは共役とされる。結像レンズ44は、第1走査部51の下流近傍に中間結像面Mを置く構成とされる。これにより、中間結像面M以降(の下流)の光束の広がりを小さくでき、集光レンズ46等の光学素子を小さい径のものとできる。
レーザ照射光学系40では、第1走査部51と第2走査部55の間に結像レンズ44を配置する。また、レーザ照射光学系40では、第1走査部51のミラー52のミラー面を、結像レンズ44の前側焦点面Fと略一致させ(結像レンズ44の前側焦点面をミラー面に置く)、レーザ光の光軸Lをミラー面の回転中心付近、言い換えると、ミラー面の中央部に合わせる。これにより、第1走査部51にて偏向された光束の主光線(例えば、主光線L2)は、結像レンズ44を通過する際に光軸Lと平行になる。このため、ミラー52による光束の偏向がいずれの方向であっても、光束の主光線が、中間結像面Mに対して直交するように入射する。例えば、光束B2の主光線L2は、光軸Lと平行となっている。これにより、結像レンズ44を通過した光束が外側に拡散することなく、コリメートレンズ45、集光レンズ46に導光される。このため、結像レンズ44の下流に配置される光学素子(コリメートレンズ45、集光レンズ46)を大きくすることなく、光束をターゲット面Tに導光できる。また、ミラー52のミラー面に前側焦点面Fが位置するため、第1走査部51の駆動によるミラー52の回転範囲を集光レンズ46等の有効径の範囲でできるだけ大きくでき、ターゲット面TでのY方向の走査範囲を大きくできる。逆に言えば、走査部のミラー面から前側焦点面がずれると、ずれ量に応じて偏向される光束の振れ幅が広くなってしまう(光軸を基準として拡散してしまう)。このため、スポットの走査範囲を広く設定すると、結像レンズの下流の光学素子にてケラレ(口径食)が起こってしまう。例えば、特表2006−524515号公報に開示された技術のように、結像レンズより上流(レーザ光源側)に2つのガルバノミラー(第1走査部と第2走査部)が近接して配置される従来の装置において、中間結像レンズを用いる場合、結像レンズの前側焦点面は、第1走査部と第2走査部の中間に置かれることとなり、上記のような問題が発生してスポットの走査範囲の制限を受ける。これに対して、本実施形態では、第1走査部51のY方向の走査範囲を広くできる。また、集光レンズ46等の光学素子のサイズは、前述の条件によってサイズが制限されるミラー56に対応して設計されるため、ミラー56におけるY方向の走査範囲をできるだけ広いものとできる。
なお、眼科用レーザ治療装置100では、集光レンズ46上でのレーザ光の光束径が、レーザ照射光学系40において最大となるように光学系が設計される。これは、眼底にレーザ光を導光する際に、レーザ光が患者眼Eの前眼部の透光体(角膜、水晶体等)を通ることに依る。集光レンズ46から、眼底(ターゲット面T)までレーザ光が集光される際に、前眼部での光束径を数mm程度とするために、集光レンズ46上での光束径を大きくする必要がある。集光レンズ46から患者眼Eまでの距離にもよるが、集光レンズ46上での光束径は、20〜40mm程度となるように、レーザ照射光学系40が設計される。このため、特表2006−524515号公報に開示された技術のように対物レンズ近傍の上流側に走査部を配置する構成とすると、ガルバノミラーのミラーサイズは上記の光束径に対応する必要がある。これに伴い、アクチュエータにも大きいものが必要とされ、装置全体が大型化してしまう。
第2走査部55は、第1走査部51にてY方向に偏向された光束を、ミラー56にてX方向に偏向する。このとき、ミラー56はわずかな角度の範囲で回転(揺動)される。第1走査部51で偏向された光束は、患者眼Eの前方で、回転するミラー56にて偏向される。このため、ミラー56のミラー面上に導光された光束は、X方向における任意の方向に偏向できる。偏向の範囲(X方向の走査範囲)は、ミラー56が回転しても、集光レンズ46から導光される光束をミラー面上に収めることができる程度の範囲内で、ミラー56を回転したときのX方向の光束の偏向方向の範囲となる。実際には、患者眼Eとミラー56の間の距離、患者眼Eの瞳孔径等により、X方向の走査範囲に制限を受ける。
このようにして、最終ミラーであるミラー56を一方向に回転させる構成とすることにより、レーザ光(のスポット)のX方向の走査範囲を広くすることができる。また、ミラー56をX方向にだけ回転させて走査する構成であり、一方向のみの走査機構であれば、ミラー56を2次元的に走査する機構に対して、アクチュエータ57等を大型化する必要がなく、ミラー56周辺の空間を確保でき、装置の大型化を抑制できる。また、結像レンズ44の前側焦点面Fをミラー52のミラー面に置くことにより、第1走査部51によるY方向の走査範囲を広くできる。さらに、前側焦点面Fを基準として、Y方向だけの光束の挙動を考慮して第1走査部51の下流の光学素子を設計すればよいため、レーザ照射光学系40の光学設計をし易くできる。
なお、走査パターンに基づくスポットの走査範囲と、マニュピュレータ部90による走査範囲の移動の範囲は、制御部70により制限を受ける。このような制限は、ミラー56のサイズと、設定されたレーザ光の光束のミラー56上での位置との関係に基づいて定められる。制御部70は、設定されているレーザ光のスポットサイズと、走査パターンと、スポット間隔と、をメモリ71に予め記憶されている走査範囲情報と比較演算し、第1走査部51及び第2走査部55の駆動により走査するスポットの走査範囲を設定する。これにより、アクチュエータ53、57の回転可能範囲が設定される。同様に、制御部70は、マニュピュレータ部90は、スポットサイズ、走査パターン、スポット間隔と、走査範囲情報と、を比較演算し、ミラー56の傾斜可能な範囲を設定する。これにより、モータ93、アクチュエータ57によるミラー56の回転可能範囲を定める。制御部70は、このような制限を越えた操作レバー95の入力は無効とする。
以上のような構成を備える装置の動作を説明する。手術に先立ち、走査パターン、治療レーザ光のスポットサイズ、治療レーザ光の出力、1スポットでのレーザ光の照射時間、等の手術条件が設定される。例えば、汎網膜光凝固治療のために、治療レーザ光のスポットサイズが200μmに設定され、走査パターンは5×5の正方パターンが選択されているものとする。このとき、制御部70は、設定されたスポットサイズ、走査パターン、スポット間隔、と走査範囲情報とを比較演算し、今回の手術のパラメータ等に対する走査範囲を設定する。
術者は、照明光学系60からの照明光によって照らされた眼底を観察光学系30により観察すると共に、エイミング光が照射されるスポット位置を観察し、レーザ照射光学系40が搭載されたスリットランプ(観察光学系30、照明光学系60にて構成される)を患者眼に対して移動し、治療部位への照準合わせを行う。照準時に、走査パターンに基づいてエイミング光源12及び走査部51、55の駆動が制御される。
照準合わせの完了後、術者がフットスイッチ81を踏むと、治療レーザ光の照射が開始される。制御部70は、フットスイッチ81からのトリガ信号に基づき、光源12からのエイミング光の出射を停止し、治療レーザ光源11から治療レーザ光を出射すると共に、走査部51、55を制御し、各スポット位置に治療レーザ光を順次照射する。すべてのスポット位置に治療レーザ光が照射されると、制御部70は、再び走査パターンに基づくエイミング光照射が開始する。
術者が、走査範囲を移動させたい場合は、操作レバー95を傾けて、エイミング光の走査パターンを任意の位置に移動させ、治療レーザ光の照射を行う。制御部70は、操作レバー95の傾斜の方向と傾斜角度を操作信号として受け取り、ミラー56のXY方向の傾斜を算出して、モータ93とアクチュエータ57を駆動する。制御部70は、操作レバー95に基づく操作信号を、バイアス(オフセット)情報を持つ入力信号としてアクチュエータ57に入力し、ミラー56の回転角度の範囲を変更する。制御部70は、走査パターンに基づくアクチュエータ57の駆動では、バイアス信号に対する回転信号を入力する。このような動作により、走査パターンの走査範囲を術者の任意の位置に移動できる。
なお、以上の説明では、最終ミラーであるミラー56を集光レンズ46の下流に配置し、観察光学系30の左右の観察光路の間に配置する構成としたが、国際公開第07/082102号パンフレットに開示される技術のように観察光学系30が持つ対物レンズ31を照射光学系40の対物レンズ(集光レンズ)として共用する場合には、対物レンズ31の上流でコリメートレンズ45の下流であり、観察光学系30の観察光路から外れて位置にミラー56を配置してもよい。このような構成により、観察光学系30とレーザ照射光学系40を一体的な装置として使用でき、装置全体を小型化できる。
また、以上の説明では、第1走査部51の偏向部材をミラー52としたが、光束を偏向できる光学素子であればよく、レンズを用いる構成としてもよい。
眼科用レーザ治療装置の光学系及び制御系の概略構成図である。 レーザ照射光学系とマニュピュレータ部の構成図である。 走査パターンの一例を示す図である。 レーザ照射光学系を説明する模式的光学図である。
10 レーザ光源ユニット
20 光ファイバ
30 観察光学系
40 レーザ照射光学系
51 第1走査部
55 第2走査部
60 照明光学系
70 制御部
80 操作ユニット
90 マニュピュレータ部
100 眼科用レーザ治療装置

Claims (2)

  1. 患者眼を観察する双眼の観察光学系と、治療レーザ光源からのレーザ光を患者眼眼底に照射する照射光学系であって、レーザ光を眼底上でスポットに形成する対物レンズとレーザ光を患者眼に向けて反射するために前記観察光学系の左右の観察光路の間に配置された最終ミラーとを有する照射光学系と、を備える眼科用レーザ治療装置であって、
    第1の反射ミラーを揺動させてレーザ光を患者眼の眼底で鉛直方向に走査するための第1走査部と
    前記第1走査部よりも下流に配置され、第2の反射ミラーを揺動させてレーザ光を患者眼の眼底で水平方向に走査する第2走査部と、
    前記第1走査部及び前記第2走査部の間に配置され、前記第1走査部より下流にレーザ光のスポットの中間結像を形成する結像レンズと、
    予め設定された複数のスポット位置の走査パターンに基づいて前記第1走査部及び第2走査部を制御し,レーザ光のスポットを眼底上で走査させる制御手段と、
    を備え、
    前記第1の反射ミラーは、前記結像レンズの前側焦点面に配置され、
    前記第2走査部は、前記第2の反射ミラーとして前記最終ミラーを揺動させてレーザ光を患者眼の眼底で水平方向に走査することを特徴とする眼科用レーザ治療装置。
  2. 請求項1の眼科用レーザ治療装置において、
    前記第1の反射ミラーに入射するレーザ光は、平行光とされることを特徴とする眼科用レーザ治療装置。
JP2010105859A 2010-04-30 2010-04-30 眼科用レーザ治療装置 Active JP5562713B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010105859A JP5562713B2 (ja) 2010-04-30 2010-04-30 眼科用レーザ治療装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010105859A JP5562713B2 (ja) 2010-04-30 2010-04-30 眼科用レーザ治療装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2011234742A JP2011234742A (ja) 2011-11-24
JP2011234742A5 JP2011234742A5 (ja) 2013-06-13
JP5562713B2 true JP5562713B2 (ja) 2014-07-30

Family

ID=45323401

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010105859A Active JP5562713B2 (ja) 2010-04-30 2010-04-30 眼科用レーザ治療装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5562713B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10238541B2 (en) 2011-10-19 2019-03-26 Iridex Corporation Short duration pulse grid pattern laser treatment and methods
CN103997948B (zh) 2011-10-19 2016-06-01 艾里德克斯公司 栅格图案激光治疗及方法
EP2885666A4 (en) 2012-09-24 2015-07-29 Iridex Corp HYBRID DEVICE IDENTIFIER
CN106691577A (zh) * 2017-01-05 2017-05-24 海南瑞韩医学美容医院管理有限公司海口龙华京华城红妆医学美容门诊部 一种光纤引导式微创治疗手具
CN109091294A (zh) * 2018-08-28 2018-12-28 北京新创恒远科技发展有限公司 一种激光治疗控制装置及其治疗方法
CN114343839A (zh) * 2021-12-30 2022-04-15 德州环球之光医疗科技有限公司 一种基于可调的螺旋线型激光光斑的治疗图形转换方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4901718A (en) * 1988-02-02 1990-02-20 Intelligent Surgical Lasers 3-Dimensional laser beam guidance system
DE10323422B4 (de) * 2002-08-23 2022-05-05 Carl Zeiss Meditec Ag Vorrichtung und Verfahren zur Messung eines optischen Durchbruchs in einem Gewebe
JP4492845B2 (ja) * 2003-10-14 2010-06-30 株式会社ニデック レ−ザ治療装置
AU2007317007B2 (en) * 2006-11-10 2013-08-08 Lars Michael Larsen Apparatus for non or minimally disruptive photomanipulation of an eye

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011234742A (ja) 2011-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5578550B2 (ja) 眼科用レーザ治療装置
JP5701625B2 (ja) 眼科用レーザ治療装置
JP6127090B2 (ja) 走査装置
JP5562713B2 (ja) 眼科用レーザ治療装置
US9308129B2 (en) Ophthalmic laser treatment apparatus
US7599591B2 (en) Optical delivery systems and methods of providing adjustable beam diameter, spot size and/or spot shape
US8512319B2 (en) Ophthalmic laser treatment apparatus
JP5956884B2 (ja) レーザ治療装置
EP1736097A1 (en) Ophthalmic apparatus
JP5627898B2 (ja) 眼科用レーザ治療装置
EP1905349B1 (en) Slit lamp microscope and ophthalmic laser treatment apparatus with the microscope
JP6812724B2 (ja) 眼科手術システム、眼科手術システム制御プログラム、および眼科用手術顕微鏡
JP2014200403A (ja) 眼科装置
EP1228740B1 (en) Laser eye treatment apparatus
JP7124318B2 (ja) 眼科撮影装置
JP5928516B2 (ja) 眼科用レーザ治療装置
JP2017176558A (ja) 眼科用レーザ治療装置
JPWO2018203538A1 (ja) 眼科装置
JP5800169B2 (ja) 眼科用レーザ治療装置
JP2020124348A (ja) 眼科用レーザ治療装置
JP2016209213A (ja) 眼科用レーザデリバリおよび眼科用レーザ治療装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130425

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140331

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140513

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140611

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5562713

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250