JP5562109B2 - 切削工具 - Google Patents

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Description

本発明は、スローアウェイインサートをホルダに装着して使用する切削工具に関する。
切削工具の形態として、スローアウェイインサート(以下、単にインサートという)をホルダの先端部に載置して、クランプ部材でインサート上面を押圧して固定する構造が広く採用されている。
例えば、特許文献1では、インサートの先端部に超硬材からなる切刃をロウ付けして押さえ金でホルダに固定するとともに、切刃の上面に超硬合金製のブレーカをロウ付けしたインサートが開示され、押さえ金に切屑が接触して摩耗するのを抑制できることが記載されている。また、特許文献2では、刃部を本体に装着して使用するカッタ等の転削工具において、切屑が接触する固定ビスや押え金、ロケータを固定する固定ネジなどの刃部の周辺部品の表面を、研磨するかまたはDLCコーティングをつけて切屑の付着を抑制する方法が開示されている。
特開平7−185911号公報 特開2003−170311号公報
しかしながら、特許文献1のように、インサートの切刃上部にブレーカをロウ付けする方法では、製造コストがかさむとともに、インサートが複雑な形状となって反対コーナーに切刃を形成することができずに不経済であり、しかも収納しにくいという問題があった。
また、特許文献2のように、切屑が接触する切刃周辺部材に付着抑制表面処理を施す方法では、切刃周辺部材の寿命を長くすることはできるものの、切屑の流れ自体を変えるものではなく、切屑処理性は従来と変わらないものであった。
本発明の目的は、上記課題に対して、インサートの周辺部材の寿命が長くできるとともに、切屑の流れを変えて、切屑が切れやすくて切刃部に噛み込みにくい切削工具を提供することにある。
本発明の切削工具は、ホルダと、該ホルダの先端部に載置され前記ホルダに着脱可能に締め付け固定されるインサートと、該インサートの上面側に載置されて前記インサートを上面側から押圧するか、または前記インサートの上下面を挟み込んで前記ホルダに固定するクランプ部材とを具備する切削工具であって、前記インサートの切刃と前記クランプ部材の前記上面側の先端とが3〜7mm離間しているとともに、前記クランプ部材の先端側は傾斜角が30°〜60°の傾斜面をなしており、かつ前記クランプ部材の少なくとも前記傾斜面の表面が被覆層にて被覆されてなるとともに、前記クランプ部材の傾斜面の先端側は中央部が突出しており、後端側は中央部が凹んだ形状である
なお、被覆層としてはTiC、TiNまたはTiCNのいずれかからなることが望ましい。
ここで、上記構成において、前記クランプ部材は、内部が金属材にて構成されているとともに、前記ホルダに着脱可能に取り付けられている形態であることが望ましい。
また、上記構成において、前記インサートのすくい面における前記切刃と前記クランプ部材の先端との間には、切屑を前記クランプ部材の前記傾斜面に導く切屑案内部が設けられていることが望ましい。
また、前記クランプ部材は、前記インサートの上面側を押圧する第1押圧部と前記インサートの下面側を押圧する第2押圧部とを備えて、前記第1押圧部と前記第2押圧部とで前記インサートを挟み込むように固定するとともに、前記第1押圧部と前記第2押圧部とがそれぞれにネジ止め用の穴を具備してそれぞれがネジ止めされている構成であってもよい。このとき、前記第1押圧部を押圧するネジ部材のネジ頭が前記第1押圧部のネジ穴内に埋設された構成であることが望ましい。
本発明の切削工具によれば、インサートの切刃にて発生する切屑は切刃から十分に離れたクランプ部材の傾斜面に確実に接触するので、切屑は十分に冷えた状態でブレーカに接触することになる。そのため、切屑が折れて切れやすく、しかも切屑が折れ曲がって進行方向と逆向きに戻ったとしても切屑が切削部位に戻る確率が極めて低いので切屑が噛み込む可能性が低くなる。それゆえ、切屑処理性が高いものとなる。また、切屑が十分冷えた状態でブレーカに接触するので、被覆層の摩耗の進行が遅く、特に、低い温度での耐摩耗性に優れるTiC、TiN、TiCN層をブレーカ表面に被覆することによってクランプ部材の耐摩耗性もより高いものとなる。
ここで、上記構成において、前記クランプ部材は、内部が金属材にて構成されているとともに、前記クランプ部材が前記ホルダに着脱可能に取り付けられている形態であれば、クランプ部材を安価に製造することができるとともに、クランプ部材が摩耗した際にはクランプ部材のみを交換することにより、切削工具の使用を継続することができる。
また、上記構成において、前記インサートのすくい面における前記切刃と前記クランプ部材の先端との間には、切屑を前記クランプ部材の前記傾斜面に導く切屑案内部が設けられていることが、安定した切屑処理ができる点で望ましい。
さらに、上記構成において、前記クランプ部材の傾斜面の先端側は中央部が突出しており、後端側は中央部が凹んだ形状であることが、傾斜面が確実にブレーカとして機能して安定した切屑処理が可能となることから重要である
また、前記クランプ部材は、前記インサートの上面側を押圧する第1押圧部と前記インサートの下面側を押圧する第2押圧部とを備えて、前記第1押圧部と前記第2押圧部とで前記インサートを挟み込むように固定するとともに、前記第1押圧部と前記第2押圧部とがそれぞれにネジ止め用の穴を具備してそれぞれがネジ止めされている構成であってもよい。この構成であれば、クランプ部材を取り替えるだけで種々の寸法のインサートを同一のホルダに取り付け可能となる。このとき、前記第1押圧部を押圧するネジ部材のネジ頭が前記第1押圧部のネジ穴内に埋設された構成であることが、切屑排出性の点で望ましい。
本発明の切削工具の第1の実施形態であり、(a)全体斜視図、(b)上面図、および(c)側面図である。 図1のスローアウェイインサートの(a)斜視図および(b)側面図である。 図1のスローアウェイインサートをホルダに装着する方法を説明するための模式図である。 本発明の第2の実施形態であるスローアウェイインサートの斜視図である。 図4のスローアウェイインサートの(a)斜視図、(b)上面図、(c)側面図である。 本発明の第3の実施形態であるスローアウェイインサートの(a)斜視図、(b)上面図である。 図6スローアウェイインサートに用いられるクランプ部材を示す(a)斜視図、(b)上面図、(c)側面図である。
本発明の切削工具の一実施形態である溝入れ加工用切削工具の第一の実施態様についての概略図である図1を基に説明する。
図1において、切削工具1は、ホルダ10の先端部上面に形成したインサート着座部11に、略角柱棒状のスローアウェイインサート(以下、単にインサートと略称する)20をホルダ10の長手方向に平行に載置し、ホルダ10に装備したクランプ部材30でインサート20を押圧することによって、このインサート20をホルダ10に装着固定している。
図1(c)に示すように、インサート20は、クランプ部材30の先端とインサート20の先端(切刃23)とが3〜7mm離間する位置(図1(c)の距離Aだけ離間する)に装着されており、クランプ部材30の少なくとも先端傾斜面34の表面は被覆層40によって被覆されている。また、クランプ部材30の先端傾斜面34は先端から後端に向かって肉厚となる傾斜角(図1のθ)が30°〜60°の形状であることによって、先端傾斜面34が確実にブレーカとして機能する。なお、本発明における上記傾斜角は先端傾斜面34の中央にて測定した値を指し、傾斜角が一定でない形状からなる場合には、その平均値とする。
これによって、インサート20の切刃23にて発生する切屑は切刃23から十分に離れたクランプ部材30の先端傾斜面34に接触するので、切屑は十分に冷えた状態で先端傾斜面34に接触することになる。そのため、切屑が折れて切れやすく、しかも、先端傾斜面34と切削部位とが離れた位置にあるので、切屑が折れ曲がったとしても切屑が折れ曲がった後に進む方向を制御しやすくて、切屑が切削部位に戻る確率が極めて低くなる、その結果、切屑が噛み込む可能性が低くなり、切屑処理性が高くなる。また、切屑が十分冷えた状態で先端傾斜面34に接触するので、先端傾斜面34の表面に被覆された被覆層40の耐摩耗性も高いものである。
すなわち、上記距離Aが3mmよりも短いと、切屑が十分に冷えない状態で切屑が先端傾斜面34に接触するため切屑処理性が低下するとともに、先端傾斜面34での被覆層40の耐摩耗性が低下する。逆に、距離Aが7mmよりも長いと、切刃で発生した切屑が先端傾斜面34に当たらず後方に流れて、先端傾斜面34がブレーカとして機能しなくなる可能性がある。距離Aの望ましい範囲は4〜6mmである。また、先端傾斜面34の傾斜角が30°よりも小さいと、切屑が先端傾斜面34を素通りしてブレーカとしての機能を果たさない。逆に、先端傾斜面34の傾斜角が60°よりも大きいと、切屑が先端傾斜面
34に強く当たり過ぎて切屑が詰まって流れにくくなるおそれがある。先端傾斜面34の傾斜角の望ましい範囲は35°〜45°である。
被覆層40はクランプ部材30の全面に被覆されるものでもよく、先端傾斜面34を含む一部分のみに形成されるものであってもよい。また、インサート20の表面、クランプ部材30をホルダ10に固定するネジ部材50の表面、およびホルダ10の表面にも被覆層40または他の被覆層を形成しても良い。
被覆層40として、TiC、TiN、TiCN、TiMN(ただし、MはTi以外の4、5および6族金属、AlおよびSiの群から選ばれる1種以上)、Al、DLC層等が好適に使用可能であるが、特に、500℃以下の低い温度での耐摩耗性に優れるTiC、TiN、TiCN層を先端傾斜面34の表面に被覆することによって、クランプ部材30の耐摩耗性をより高めることができるものである。
ここで、クランプ部材30の内部は、鋼や高速度鋼等の金属材または超硬合金等の焼結合金等にて構成されるが、クランプ部材30の内部が金属材にて構成される場合には、図1のように、クランプ部材30がネジ部材50等によってホルダ10に着脱可能に取り付けられている形態であることが望ましい。この形態であれば、クランプ部材30を安価に製造することができるとともに、クランプ部材30が摩耗した際にはクランプ部材30のみを交換することにより、切削工具1の使用を継続することができる。
さらに、クランプ部材30の先端傾斜面34の先端側は中央部が突出しており、後端側は中央部が凹んだ形状であることが、先端傾斜面34が確実にブレーカとして機能して安定した切屑処理が可能となることから重要である
一方、上記切削工具1を構成するホルダ10は、略角柱棒状であり、突出した先端部の上面にインサート着座部11が形成され、さらにこのインサート着座部11の後端側にクランプ部材30が装着されるようなクランプ部材取付部12が形成されている。
インサート着座部11は、インサート20が載置される底面111と、後端部側に設けられ、インサート20の後端面が当接される後端側壁面112を有している。底面111は、インサート20の下面が当接するような構造であればよい。例えば、本実施態様においては、図1のように、インサート20がホルダ10の長手方向にスライドして着脱できるように、インサート20の長手方向に沿って、底面111において中央が凹んだ形状を有している。他方、後端側壁面112は平坦面でインサート20の後端面と面接触しており、切削時に大きな背分力を受けた場合でも、インサートの刃先位置が後退しない機能を有する。
このインサート着座部11には、角柱棒状のインサート20が装着される。インサート20は、例えば、図2に示すように、長軸方向両端部分の上面21と先端面22との交差稜線部に切刃23が形成されており、下面24はインサート着座部11と当接するような形状を有している。本実施形態において、下面24は、インサート着座部11の底面111に当接されるように、長手方向に沿って中央が突出した構造を有している。
また、インサート20のすくい面における切刃23とクランプ部材30の先端と接触する部分との間には、切屑をクランプ部材30の先端傾斜面34に導く切屑案内部(図2では突起部25)が設けられていることが、安定した切屑処理ができる点で望ましい。この突起部25はさらに中央部分が上部に突出した凸部26を有する構造であり、本実施形態ではこの凸部26が、クランプ部材30のインサートを押圧する押圧面に形成される凹状のインサート押圧部32とともに係止手段を構成する。
このインサート20の係止手段は、インサート20とクランプ部材30とが係止できるような構造であればよく、特に制限されないが、例えば、インサート20の凸部26を凹部に代えてもよく、この場合、対応するクランプ部材30の押圧面は凸状となる。中央部分において幅方向の大きさが下面に向かうにしたがって大きくなるような中央側面27を有している。なお、切屑案内部は溝状であってもよい。
クランプ部材取付部12は、クランプ部材30がインサート20の上面を押圧できるように、インサート着座部11の後端部側に設けられており、このクランプ部材取付部12の後端側には、後端部に向かう(インサート10の先端(切刃)から離れる)にしたがって、下面側に傾斜する傾斜面121が傾斜されている。この傾斜面121は、クランプ部材30を締め付けるにしたがって、クランプ部材30を後端部側に移動させるための面として設けられる。これによりクランプ部材30に係止されたインサート20は、ホルダ10の後端側壁面112に強く押し当てられて固定される。
また、所望により、クランプ部材取付部12の後端側には、クランプ部材30の後端部との間にばねなどの弾性部材13が配置される。この弾性部材13は、クランプ部材30のネジ止めを緩める際に、クランプ部材30を先端部側に付勢して作業性を簡便にする機能を有する。さらに、ホルダ10にはさらにクランプ部材30をネジ止めするためのネジ止め穴14が形成されている。
クランプ部材30は、図1(c)に示すように、ホルダ10と当接するホルダ当接部31と、インサート20を押圧するインサート押圧部32と、ホルダ当接部31とインサート押圧部32とを架橋する架橋部33とからなる。ホルダ当接部31にはホルダ10の傾斜面に当接するような傾斜当接面311が形成されている。ホルダ当接部31は、その略中央部に、クランプ取付穴35が形成されており、このクランプ取付穴35にネジ部材50を挿通してネジ止めすることによって固定される。このクランプ取付穴35は、クランプ部材30がホルダ10の長手方向にスライドできるように、例えば長円形であることが好ましい。
インサート押圧部32の押圧面はインサート20に当接する形状からなる。例えば、図2に示すように、インサート20の上面の長手方向に沿って突起部25が形成されている場合には、インサート押圧部32の突起部25に対応する凹状部(図示せず)が形成される。この凹状部はインサート20の着脱方向をホルダ10の長手方向に規定して、ネジ部材50を緩めた直後に生じるインサート20のホルダ10の側方(横方向)への脱落を抑制する。
ここで、図1の切削工具1におけるインサート20のホルダ10への着脱方法について図3を用いて詳細に説明する。
まず、図3(a)に示すように、インサート20を、ホルダ10のインサート着座部11の後端側壁面112に当接するように載置し、クランプ部材30を、インサート20の上方にインサート押圧部32が位置しかつ後端面が弾性部材13に当接するように配置する。
次いで、ネジ部材50を締める。クランプ部材30はこの締め付けに伴い、ホルダ10の傾斜面311に沿って傾斜下方(S方向)にスライドする。これにより、クランプ部材30に係止されたインサート20は上記S方向にスライドされ、ホルダの後端部方向に向かって引き込まれる。その結果、図3(b)に示すように、インサート20の上面はクランプ部材30のインサート押圧部32に押圧されるとともに、後端部側側面がホルダ10
の後端側壁面112に強く押圧されることとなり、ホルダ10に強固に固定される。なお、ネジ部材50の締め付けにより、弾性部材13は収縮された状態となる。
また、取り外しにおいては、ネジ部材50を緩めると、直後に弾性部材13の弾性回復作用によって傾斜面311に沿ってクランプ部材30が傾斜上方(図3(b)に示すO方向)にスライドする。そのため、例えば、インサート20とクランプ部材30との係止手段を凹部と凸部とで構成している場合は、この係止状態が、クランプ部材30のO方向へのスライドにより解放され、インサート20を簡便に取り外すことが可能となる。
すなわち、上記構成の切削工具1は、インサート20の装着が容易であり、かつ十分な固定が可能である。そのため、切削時においても大きな背分力を受けた場合においてもインサート20の刃先位置が後退しにくく、安定した加工を行うことができる。したがって、例えば、溝入れ加工用の切削工具として好適に利用される。また、インサート20の取り外しにおいても、ネジ部材50を緩めると、簡便に行うことができる。
ここで、上記第1の実施態様においては、クランプ部材30がインサート20を上面のみから押圧し、インサート20の下面はホルダ10が保持する構成であったが、本発明はこの構成に限定されるものではない。そこで、以下に本発明の他の実施態様について説明する。
本発明の切削工具の好適例である溝入れ加工用切削工具の第2の実施態様について、概略図である図4、および図4のスローアウェイインサートの(a)斜視図、(b)上面図、(c)側面図である図5を基に説明する。
図4、5において、切削工具2は、ホルダ60の先端部横側に配設されるクランプ部材70のチップ挿入部71にインサート20を嵌め込んで、クランプ部材70およびインサート20をホルダ60に装着固定している。
そして、クランプ部材70は、インサート20の上面側を押圧する第1押圧部72とインサート20の下面側を押圧する第2押圧部73とを備えており、第1押圧部72と第2押圧部73との間がチップ挿入部71をなしている。なお、図5によれば、第1押圧部72と第2押圧部73とは連結されて一体化した構成となっているが、これに代えて、第1押圧部72と第2押圧部73とを別部材として、例えばネジ部材50などを用いて嵌合する構成としても良い。
また、第1押圧部72の上面には第1ネジ穴75が設けられ、この第1ネジ穴75にネジ部材50を螺合することによって、第1押圧部72の先端に装着するインサート20を押圧して固定する。このとき、第1ネジ穴75にはネジ部材50のネジ頭51が当接する当接面76(76a、76b)が形成されており、ネジ部材50を螺合した際に当接面76のうちでインサート20が装着される先端側76aにより広く当接される構成とすることが望ましく、この構成によれば、第1押圧部72がインサート20を固定する力が増して、インサート20を安定して保持固定することができる。なお、図5(b)によれば、当接面76の後端側(インサート20を装着する方向に対して反対側)の領域に所定の逃げ部(面取り部)76bを設けており、これによって、ネジ部材50を螺合した際に、当接面76のうちでインサート20が装着される先端側76aが逃げ部76bに相当する面積だけ広く当接される構成となっている。
さらに、第1押圧部72をネジ止めするネジ部材50のネジ頭が第1押圧部72のネジ穴内に埋設されていることが切屑の流れを妨げないために望ましい場合がある。
なお、本実施形態において、クランプ部材70とホルダ60との当接面にはそれぞれセレーション(ノコギリ歯状の凹凸)78が形成され、これらが嵌合した状態で、第2押圧部73の第2ネジ穴77に2つのネジ部材50、50を挿入し、ホルダ60に螺合することによって固定されている。このとき、ホルダ60に設けられた2つのネジ穴(図示せず。)の中心と第2押圧部73の中心とを偏心させることによって、ネジ部材50を締め付けるに伴ってクランプ部材70の後端部がホルダ60の対応する拘束部により強く押圧される。その結果、第1押圧部72のインサート20を押圧する力がより強固なものとなる。
この場合でも、クランプ部材70のインサート20の上面側の先端とインサート20の先端(切刃23)とが3〜7mm離間する位置(図4の距離Aだけ離間する)に装着されており、クランプ部材70の少なくとも先端傾斜面74の表面は被覆層40によって被覆されている。また、クランプ部材80の先端傾斜面74は先端から後端に向かって肉厚となる傾斜角が30°〜60°の形状であることによって、先端傾斜面74が確実にブレーカとして機能する。
≪第3実施形態≫
図6は、本発明の第3実施形態に係る切削工具3の先端部を拡大して示す部分拡大図であり、(a)は斜視図、(b)は上面図である。図7は切削工具3に装着されるクランプ部材80についての部分拡大図であり、(a)は斜視図、(b)は上面図、(c)は側面図である。
本実施態様において、切削工具3は、第1ネジ穴91がホルダ90に形成されているとともに、クランプ部材80は第1押圧部82と第2押圧部83とからなり、第1押圧部82と第2押圧部83との間にはインサート挿入部81が形成されている。また、第1押圧部82には第1ネジ穴91が、第2押圧部83には第2ネジ穴87がそれぞれ設けられており、それぞれネジ部材50で固定される。本実施態様においても、第1押圧部81の先端傾斜面84がブレーカとして機能する。
そして、第1ネジ穴91に繋がる第1押圧部81に設けられた当接面86がホルダ90のネジ穴91内に設けられた平面92に比較して高い位置に設けられている。この構成によれば、ネジ部材50を第1ネジ穴91に挿入してホルダ90に螺合すると、ネジ部材50が第1押圧部81の当接面86に当接された状態となり、第1押圧部81のインサート20を押圧する側が押圧されることになる。
そして、本実施形態においても、ネジ部材50を螺合した際に当接面86のうちでインサート20が装着される先端側86aにより広く当接される構成とすることが、第1押圧部82がインサート20を固定する力が増す点で望ましい。なお、当接面86の構成は図7、8のように、当接面86のうちの後端側86bの領域が先端側86aに比べて一段低く構成されていてもよく、この構成であれば、この構成によれば、第1押圧部82がインサート20を固定する力が増して、インサート20を安定して保持固定することができる。
超硬合金基体の表面にTiAlN層を5μm厚み被覆した図1の溝入れ加工用インサートと、合金鋼製でこのインサートを装着できる図1のホルダと、ホルダにネジ留めされてインサートを上面から押圧固定する表1の構成からなるクランプ部材とを準備し、上記ホルダに上記インサートを装着して以下の切削試験を行い、切削性能を行った。
(耐摩耗性試験)
切削方法:溝入れ加工
被削材 :SNCM439
切削速度:200m/分
送り :0.1mm/rev
切込み :10.0mm
切削状態:湿式
評価方法:インサートを変えながら5000個加工した後のクランプ部材上部における被覆層が消失した幅を摩耗幅として測定した。なお、試料No.4については、クランプ部材上部における変形した部分の幅を摩耗幅として測定した。
結果は表1に示した。
表1の結果から明らかなように、クランプ部材の傾斜面に被覆層をつけない試料No.4では、クランプ部材の摩耗の進行が速く、切屑の溶着も発生した。また、クランプ部材の傾斜面の傾斜角が30°より低い試料No.5では、傾斜面がブレーカとして機能せず、切屑が延びてしまい、クランプ部材の傾斜面の傾斜角が60°より高い試料No.6では、切屑が詰まりやすいものであった。さらに、距離Aが3mmより短い試料No.7では、切屑が切削部に噛み込みやすく、距離Aが7mmより長い試料No.8では、切屑がクランプ部材の傾斜面に当たらないことが多くなって、切屑処理性が不安定になった。
これに対して、本発明に従うクランプ部材を備えた試料No.では、いずれも切屑処理性がよく、しかもクランプ部材の耐摩耗性にも優れたものであった。なお、試料No.2、3は、本発明の参考例を示す。
超硬合金基体の表面にTiCN層を3μm厚み被覆した図6〜7の溝入れ加工用インサートと、合金鋼製でこのインサートを装着できる図7のホルダと、ホルダにネジ留めされ
てインサートを上面から押圧固定する表1の構成からなるクランプ部材とを準備し、上記ホルダに上記インサートを装着して以下の切削試験を行い、切削性能を行った。
(耐摩耗性試験)
切削方法:溝入れ加工
被削材 :SNCM439
切削速度:200m/分
送り :0.1mm/rev
切込み :10.0mm
切削状態:湿式
評価方法:インサートを変えながら5000個加工した後のクランプ部材上部における被覆層が消失した幅を摩耗幅として測定した。なお、試料No.12については、クランプ部材上部における変形した部分の幅を摩耗幅として測定した。
結果は表2に示した。
表2の結果から明らかなように、本発明に従うクランプ部材を備えた試料No.では、いずれも切屑処理性がよく、しかもクランプ部材の耐摩耗性にも優れたものであった。なお、試料No.10、11は、本発明の参考例を示す。
1、2、3 切削工具
10、60、90 ホルダ
11 インサート着座部
111 底面
112 後端側壁面
12 クランプ部材取付部
121 傾斜面
13 弾性部材
14 ネジ止め穴
20 スローアウェイインサート(インサート)
21 上面
22 先端面
23 切刃
24 下面
25 突起部
26 凸部
28 後端面
30、70、80 クランプ部材
31 ホルダ当接部
311 傾斜当接面
32 インサート押圧部
33 架橋部
34、74、84 先端傾斜面
35 クランプ取付穴
40 被覆層
50 ネジ部材
51 ネジ頭
71、81 インサート挿入部
72、82 第1押圧部
73、83 第2押圧部
75、91 第1ネジ穴
76、86 当接面
76a、86a 先端部
76b、86b 後端側(面取り部)
77、87 第2ネジ穴
78 セレーション

Claims (6)

  1. ホルダと、
    該ホルダの先端部に載置され前記ホルダに着脱可能に締め付け固定されるインサートと、該インサートの上面側に載置されて前記インサートを上面側から押圧するか、または前記インサートを上下面から挟み込んで前記ホルダに固定するクランプ部材と、
    を具備する切削工具であって、
    前記インサートの切刃と前記クランプ部材の前記上面側の先端とが3〜7mm離間しているとともに、前記クランプ部材の前記先端側は傾斜角が30°〜60°の傾斜面が形成されており、かつ前記クランプ部材の少なくとも前記傾斜面の表面が被覆層にて被覆されてなるとともに、前記クランプ部材の傾斜面の先端側は中央部が突出しており、後端側は中央部が凹んだ形状である切削工具。
  2. 前記被覆層はTiC、TiNまたはTiCNのいずれかからなる請求項1記載の切削工具。
  3. 前記クランプ部材は、内部が金属材にて構成されているとともに、前記ホルダに着脱可能に取り付けられている請求項1または2記載の切削工具。
  4. 前記インサートのすくい面における前記切刃と前記クランプ部材の先端との間には、切屑を前記クランプ部材の前記傾斜面に導く切屑案内部が設けられている請求項1乃至3のいずれか記載の切削工具。
  5. 前記クランプ部材が、前記インサートの上面側を押圧する第1押圧部と前記インサートの下面側を押圧する第2押圧部とを備えて、前記第1押圧部と前記第2押圧部とで前記インサートを挟み込むように固定するとともに、前記第1押圧部と前記第2押圧部とがそれぞれネジ部材にて固定されている請求項1乃至のいずれか記載の切削工具。
  6. 前記第1押圧部を押圧するネジ部材のネジ頭が前記第1押圧部のネジ穴内に埋設されている請求項記載の切削工具。
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