JP5561472B2 - 現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Description
このような不具合は、第1搬送部材が現像ローラの下方に配設されている場合には、第1搬送部材による現像ローラへの現像剤供給性に対する重力の影響が大きいために、特に無視できない問題になっていた。
図1〜図7にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の装置本体、3は原稿を原稿読込部に搬送する原稿搬送部、4は原稿の画像情報を読み込む原稿読込部、5は出力画像が積載される排紙トレイ、7は転写紙等の記録媒体Pが収容される給紙部、9は記録媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される像担持体としての感光体ドラム、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成される静電潜像を現像する現像装置、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成されたトナー像を記録媒体P上に重ねて転写する転写バイアスローラ(1次転写バイアスローラ)、を示す。
また、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上のカラートナー像を記録媒体P上に転写するための2次転写バイアスローラ、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着装置、28は各色(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)のトナー(トナー粒子)を現像装置13に供給する各色のトナー容器、を示す。
まず、原稿は、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
書込み部において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ14が設置されている。そして、転写バイアスローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング部(不図示である。)の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された記録媒体Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した記録媒体Pは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラによって装置本体1外に出力画像として排出されて、排紙トレイ5上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2は、作像部を示す構成図である。図3(A)は現像装置13の上部(第2搬送部材としての第2搬送スクリュ13b2の位置である。)を長手方向にみた概略断面図(略水平方向の断面図)であって、図3(B)は現像装置13の下部(第1搬送部材としての第1搬送スクリュ13b1の位置である。)を長手方向にみた概略断面図(現像ローラの回転中心軸と第1搬送スクリュ13b1の回転中心軸とを通る断面図)である。図4(A)は本実施の形態1における現像装置13の循環経路を長手方向にみた概略断面図(垂直方向の断面図)であり、図4(B)は従来の現像装置13の循環経路を長手方向にみた概略断面図である。また、図5は、現像装置を示す断面図(現像ローラ13aの回転中心軸に直交する断面図である。)である。さらに、図6は、現像装置における、(A)第1搬送経路の搬送方向上流側に対応する位置を示す断面図と、(B)第1搬送経路の搬送方向下流側に対応する位置を示す断面図と、である。また、図7は、第1搬送部材のスクリュ部の近傍の現像剤の状態を示す模式図である。
なお、各作像部はほぼ同一構造であるために、図2〜図8にて作像部及び現像装置は符号のアルファベット(Y、C、M、BK)を除して図示する。
像担持体としての感光体ドラム11は、外径が30mm程度の負帯電の有機感光体であって、不図示の回転駆動機構によって反時計方向に回転駆動される。
クリーニング部15は、感光体ドラム11に摺接するクリーニングブレードが設置されていて、感光体ドラム11上の未転写トナーを機械的に除去・回収する。
なお、トナーTの供給は、トナー濃度の情報に限定されず、感光体ベルトや中間転写ベルト等に形成されたトナー像の反射率等から検知される画像濃度の情報に基づいて実施されてもよい。また、これらの異なる情報を組み合わせて、トナーTの供給の実施を判断してもよい。
図2〜図7を参照して、現像装置13は、現像剤担持体としての現像ローラ13a、搬送部材としての搬送スクリュ13b1、13b2(オーガスクリュ)、現像剤規制部材としてのドクターブレード13c、仕切り部材13d、等で構成されている。
現像剤担持体としての現像ローラ13aは、外径が18mm程度の小径の現像ローラであって、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂等の非磁性体を円筒形に形成してなるスリーブ13a2が不図示の回転駆動機構によって反時計方向に150〜600rpm程度で回転されるように構成されている。図3、図5を参照して、現像ローラ13aのスリーブ13a2内には、スリーブ13a2の周面に複数の磁極H1〜H6を形成するマグネット13a1が固設されている。現像ローラ13a上に担持された現像剤Gは、現像ローラ13aの矢印方向の回転にともなって搬送されて、ドクターブレード13cの位置に達する。そして、現像ローラ13a上の現像剤Gは、この位置で適量に規制された後に、感光体ドラム11との対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界(現像電界)によって、感光体ドラム11上に形成された潜像にトナーが吸着される。
まず、第6磁極H6(汲上げ磁極)が磁性体としてのキャリアに作用して、第1搬送経路(供給経路)に収容された現像剤Gが現像ローラ13a上に汲上げられる。現像ローラ13a上に担持された現像剤Gは、その一部がドクターブレード13cの位置で掻き取られて、第1搬送経路に戻される。一方、第6磁極H6による磁力が作用するドクターブレード13cの位置で、ドクターブレード13cと現像ローラ13aとのドクターギャップを通過して現像ローラ13a上に担持された現像剤Gは、第1磁極H1(主磁極)の位置で穂立ちして現像領域において磁気ブラシとなって感光体ドラム11に摺接する。こうして、現像ローラ13aに担持された現像剤G中のトナーTが感光体ドラム11上の潜像に付着する。その後、第1磁極H1の位置を通過した現像剤Gは、第2磁極H2、第3磁極H3によって第4磁極H4(剤離れ磁極)の位置まで搬送される。そして、剤離れ磁極H4の位置で、反発磁界がキャリアに作用して、現像ローラ13a上に担持されていた現像工程後の現像剤Gが現像ローラ13aから脱離される。脱離後の現像剤Gは、第2搬送経路(回収経路)内に落下して第2搬送スクリュ13b2によって第2搬送経路の下流に向けて搬送される。
このような構成により、記録媒体Pの搬送経路の短縮化と、画像形成装置本体1の水平方向の小型化と、を目的として、中間転写ベルト17の下方に感光体ドラム11を配設した場合であっても、現像ギャップにおいて感光体ドラム11に対して現像ローラ13aの回転方向を順方向とすることができるために、ドクターブレード13cを現像ローラ13aの上方に配設して感光体ドラム11に対する現像ローラ13aの回転方向が逆方向になる場合に比べて、現像ギャップにおける現像時間を充分に確保することができて現像能力を高めることができる。
第1搬送部材としての第1搬送スクリュ13b1(スクリュ部材)は、現像ローラ13aの下方に対向する位置に配設されていて、現像剤Gを長手方向(回転軸方向)に水平に搬送する(図3(B)の破線矢印に示す左方向の搬送である。)とともに、汲上げ磁極H6(第6磁極)の位置で現像ローラ13a上に現像剤Gを供給(図3(B)の白矢印方向の供給である。)する。第1搬送スクリュ13b1は、図2の反時計方向に回転する。
そして、第2搬送スクリュ13b2は、第1搬送スクリュ13b1による搬送経路の下流側から第1中継部13fを介して循環される現像剤Gを第1搬送部材13b1による搬送経路の上流側に第2中継部13gを介して搬送する(図3の一点鎖線矢印に示す搬送である。)。
2つの搬送スクリュ13b1、13b2は、現像ローラ13aや感光体ドラム11と同様に、回転軸がほぼ水平になるように配設されている。また、2つの搬送スクリュ13b1、13b2は、いずれも、軸径が6〜10mm程度の軸部にスクリュ部(スクリュピッチ:40mm程度、条数:1条又は2条)が螺旋状に巻装されたスクリュ部材である。また、2つの搬送スクリュ13b1、13b2の回転数は、600〜900rpm程度に設定されている。
また、2つの搬送スクリュ13b1、13b2は、いずれも、樹脂材料にて射出成形にて軸部とスクリュ部とを一体的に形成することもできるし、軸部とスクリュ部とをそれぞれ金属材料で別々に形成した後にロウ付け等により軸部にスクリュ部を接合することもできる。そして、このような製造方法に係らず、これらの搬送スクリュ13b1、13b2は、「軸部にスクリュ部が巻装されたスクリュ部材」であるものと定義する。
図3及び図4(A)を参照して、第2搬送スクリュ13b2による搬送経路(第2搬送経路)の下流側と、第1搬送スクリュ13b1による搬送経路(第1搬送経路)の上流側と、は第2中継部13gを介して連通している。第2搬送スクリュ13b2による第2搬送経路の下流側に達した現像剤Gが、第2中継部13gにて自重落下して、第1搬送経路の上流側に達することになる。
また、図3及び図4(A)を参照して、第1搬送スクリュ13b1による搬送経路の下流側と、第2搬送スクリュ13b2による搬送経路の上流側と、は第1中継部13fを介して連通している。そして、第1搬送スクリュ13b1による第1搬送経路にて現像ローラ13a上に供給されなかった現像剤Gが、第1中継部13fの近傍に留まって盛り上がって、第1中継部13fを介して第2搬送スクリュ13b2による第2搬送経路の上流側に搬送(供給)されることになる。
なお、第1中継部13fにおける現像剤の搬送性(第1搬送経路から第2搬送経路への重力方向に逆らった現像剤の受け渡しである。)を向上させるために、第1搬送スクリュ13b1の下流側の位置(第1中継部13fに対応する位置である。)に、パドル形状部や、スクリュの巻き方向が逆方向に形成されたスクリュ部、を設けることもできる。
また、図3、図4(A)を参照して、トナー補給口13eは、第2搬送スクリュ13b2による搬送経路の上流側の上方であって、現像領域から離れた位置(現像ローラ13aの長手方向の範囲の外側である。)に配設されている。このようにトナー補給口13eを第1中継部13fの近傍に設置することで、第2搬送経路において、現像ローラ13aから離脱した現像剤が比重の小さい補給トナーの上方から降りかかり、第2搬送経路の下流側に向けて比較的長い時間をかけて現像剤に対して補給トナーの分散・混合を充分におこなうことができる。
なお、本実施の形態1では、トナー補給口13eを第2搬送スクリュ13a2による搬送経路中に配設したが、トナー補給口13eの位置はこれに限定されることなく、例えば、第1搬送経路の上流側の上方に配置することもできる。
なお、図4(B)は、従来の現像装置130(第1搬送スクリュ130b1のスクリュ部の外径が長手方向にわたって均一に形成されたものである。)における現像剤の剤面を示す図である。図4(A)と図4(B)とを比較して、本実施の形態1における現像装置13は、第1搬送経路の下流側の現像剤の剤面が従来のものよりも高くなっているのがわかる。これは、本実施の形態1における現像装置13は、搬送方向下流側における第1搬送スクリュ13b1のスクリュ部の外径が、搬送方向上流側のものに比べて小さく形成されているために、その分、第1搬送経路の搬送方向下流側における第1搬送スクリュ13b1の長手方向の搬送力が小さくなるためである。このように、搬送方向下流側において現像剤の剤面が高くなることは、搬送方向下流側における第1搬送スクリュ13b1による現像ローラ13a1への現像剤の供給性の向上につながる。また、このようなときには、第1中継部13fの近傍で滞留する現像剤量が多くなるが、第1中継部13fにおける第1搬送経路から第2搬送経路への現像剤の受け渡しにはほとんど影響しない。
詳しくは、仕切り部材13dは、第1搬送経路と第2搬送経路とを隔絶する壁部として機能していて、現像ローラ13aに向けて突出するように形成されている。また、仕切り部材13dは、現像ケース(図2においてハッチングで示すケース部材である。)と一体的に形成されている。仕切り部材13dは、現像ローラ13aに対向する対向面と現像ローラ13aとのギャップが2mm以下(好ましくは、0.1〜0.5mmである。)になるように形成されている。
第2搬送経路と第1搬送経路との境界領域には、第5磁極H5の影響により第2搬送経路の内部から現像ローラ13a(第1搬送経路の側である。)に向かう磁界が形成される。この磁界を遮る位置に仕切り部材13dを設けることで、第2搬送経路内に回収された直後の現像剤が現像ローラ13aに再担持されてしまう不具合を防止することができる。また、この仕切り部材13dは、現像ローラ13aに対して非接触で対向するように配設されているために、現像ローラ13aの表面を傷つける不具合を低減することができる。
なお、仕切り部材13dは、非磁性材料で形成されているために、磁性体であるキャリアが仕切り部材13dに磁気的に吸着して第2搬送経路内の現像剤の流動を阻害したり第1搬送経路への現像剤の移動を促進したりする不具合が低減される。
さらに、現像ローラ13aの回転中心軸に直交する断面(図5である。)でみたときに、剤離れ磁極H4を形成する2つの磁極H3、H5の間を等分する現像ローラ13a上の位置Kが、現像ローラ13aの回転中心軸を通る仮想水平線S1よりも上方になるように形成されている。なお、上述した位置Kは、第3磁極H3のピーク磁力の位置と現像ローラ13aの中心位置とを通る直線A3と、第5磁極H5のピーク磁力の位置と現像ローラ13aの中心位置とを通る直線A5と、の間に等しい角度にて引かれる直線が現像ローラ13aの表面に交わる位置(直線と現像ローラ13aの表面とが交わる2点のうち、第2搬送スクリュ13b2に近い方である。)である。また、本実施の形態1では、現像ローラ13aと第2搬送スクリュ13b2との軸間距離が26mm程度に設定されている。
このように構成することにより、現像ローラ13aに担持された現像工程後の現像剤Gには、剤離れ磁極H4の位置で、現像ローラ13aから現像剤Gを積極的に離脱させる方向に働く磁気力に加えて、現像ローラ13aの回転による遠心力や、下流側の現像剤によって押される圧力や、重力等の合力が作用することになる。これにより、現像ローラ13aに担持された現像工程後の現像剤Gが、図5の第2象限の位置で、現像ローラ13aからの離脱不良が生じることなく効率的に現像ローラ13aから離脱して、離脱した現像剤Gが第2搬送経路にスムーズに回収されることになる。したがって、第2搬送経路において現像ローラ13a上から離脱された現像工程後の現像剤Gが、その直後に現像ローラ13aに再担持されにくくなり、出力画像上に画像濃度ムラ(濃度偏差)が生じる不具合が確実に軽減される。
さらに、図5を参照して、本実施の形態1では、現像ローラ13aの回転中心軸に直交する断面でみたときに、仕切り部材13dの先端部が、第2搬送スクリュ13b2の回転中心軸を通る仮想水平線S2よりも上方にあるように形成されている。これにより、第2搬送経路内に回収された現像剤Gが仕切り部材13dを越えて第1搬送経路に流動する不具合を軽減することができる。
これにより、第1搬送スクリュ13b1を現像ローラ13aの汲上げ磁極H6に近づけることができて、第1搬送スクリュ13b1による現像ローラ13aへの現像剤Gの供給性を高めることができる。
本実施の形態1において用いられるトナーT(現像剤G中のトナー、トナー容器28中のトナーである。)は、重合トナーであって、結着樹脂として、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体)、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、又は、それらを複合したもの、等を用いることができる。また、これらの重合トナーの製造方法(重合方法)としては、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等を用いることができる。
また、トナーTの外添剤としては、無機微粒子(例えば、シリカ1.0重量%、酸化チタン0.5重量%のものである。)を用いることが好ましい。さらに、離型剤として、酸化ライスワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、等を用いることができる。また、必要に応じて、帯電制御剤を含有させることもできる。
また、本実施の形態1において用いられるトナーTは、体積平均粒径が5.8μmのものであり、粒径が5μm以下のものが60〜80個数%になるように形成されている。
なお、本実施の形態1では重合トナーを用いたが、粉砕トナーを用いることもできる。
詳しくは、キャリアCは、芯材となるフェライト粒子に、膜厚が0.5μmのメチルメタクリレート樹脂(MMA)をコートして、上述した粒径になるように形成したものである。また、キャリアCとしては、マグネタイトを芯材としたコーティングキャリアを用いることもできる。
このような小粒径のキャリアCを用いることで、出力画像のベタ均一性やハーフトーン画質を向上させることができる。
また、本実施の形態1では、現像装置13内に、トナー濃度が7重量%に均一混合された現像剤Gが225g充填されている。
図3及び図6を参照して、本実施の形態1における第1搬送スクリュ13b1は、搬送方向上流側(図3(B)の右側である。)から搬送方向下流側(図3(B)の左側である。)にかけて、スクリュ部の外径が連続的に小さくなるように形成されている。具体的には、図6(A)に示す搬送方向上流側(最上流部である。)の第1搬送スクリュ13b1のスクリュ部の外径は20mm程度に設定されていて、図6(B)に示す搬送方向下流側(最下流部である。)の第1搬送スクリュ13b1のスクリュ部の外径は15mm程度に設定されている。
詳しくは、現像ローラ13aに最近接するスクリュ部(羽根)の位置では現像剤Gの剤面が低くなってしまうと現像ローラ13a上に供給する現像剤Gの供給量が少なくなってしまうのに対して、それ以外の位置(現像ローラに最近接する羽根と羽根の間である。)では現像剤Gの剤面が低くても現像ローラ13a上に供給する現像剤Gの供給量がそれほど少なくならないので、現像ローラ13a上に供給される現像剤Gの供給量(又は、現像ローラ13a上に汲み上げられる現像剤Gの汲み上げ量)にスクリュピッチ状のバラツキが生じて、感光体ドラム11上に形成されるトナー像にもスクリュピッチ状の濃度ムラが発生してしまう。
これに対して、本実施の形態1では、現像ローラ13aに最近接するスクリュ部(羽根)の位置でも現像剤Gの剤面がある程度高くなるので、現像ローラ13a上に供給される現像剤Gの供給量(又は、現像ローラ13a上に汲み上げられる現像剤Gの汲み上げ量)にスクリュピッチ状のバラツキが生じにくくなる。したがって、感光体ドラム11上に形成されるトナー像にもスクリュピッチ状の濃度ムラが発生しにくくなる。特に、本実施の形態1における現像装置13は、第1搬送スクリュ13b1が現像ローラ13aの下方に配設されていて、第1搬送スクリュ13b1による現像ローラ13aへの現像剤供給性に対する重力の影響が大きいが、第1搬送スクリュ13b1のスクリュ部の外径を搬送方向上流側から搬送方向下流側に向けて漸減させているために、出力画像上にスクリュピッチ状の濃度ムラが発生する不具合を確実に軽減することができる。
また、第1搬送スクリュ13b1の搬送方向下流側のスクリュ部のスクリュピッチを搬送方向上流側に比べて長く設定した場合には、第1搬送スクリュ13b1の搬送方向下流側のスクリュ部の外径を搬送方向上流側に比べて小さくした場合と同様に、搬送方向下流側における現像剤量を増加させることができる。しかし、その場合には、搬送方向下流側におけるケーシングギャップCGが広くならないために、本実施の形態1と同様の効果を充分に得ることができなくなる。
このような構成により、図7(A)を参照して、第1搬送経路の搬送方向下流側において、第1搬送スクリュ13b1のスクリュ部の裏側(白矢印で示す現像剤の搬送方向に対する裏側である。)の空間に現像剤Gが入り込みやすくなる(矢印方向の現像剤の移動である。)。したがって、現像ローラ13a上に供給される現像剤Gの供給量(又は、現像ローラ13a上に汲み上げられる現像剤Gの汲み上げ量)にスクリュピッチ状のバラツキが生じにくくなる。
これに対して、本実施の形態1では、図7(A)に示すように、第1搬送経路の搬送方向下流側では、第1搬送スクリュ13b1の外径が小さく形成されていて、その位置の現像剤量も多くなる。したがって、第1搬送スクリュ13b1のスクリュ部の裏側の空間に現像剤Gが入り込みやすくなって、出力画像上にスクリュピッチ状の濃度ムラが生じにくくなる。
図8にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図8は、実施の形態2における現像装置13の一部を示す断面図であって、前記実施の形態1における図3(B)に相当する図である。本実施の形態2における現像装置は、第1搬送部材13b1のスクリュ部の外径が搬送方向上流側から搬送方向下流側にかけて段階的に小さくなるように形成されている点が、第1搬送部材13b1のスクリュ部の外径が搬送方向上流側から搬送方向下流側にかけて連続的に小さくなるように形成されている前記実施の形態1のものと相違する。
そして、本実施の形態2における第1搬送スクリュ13b1は、スクリュ部の外径を段階的に変化させたものであるために、スクリュ部の外径を連続的に変化させたもの(前記実施の形態1のものである。)に比べて、加工上の制約が少なくなる。すなわち、本実施の形態2における第1搬送スクリュ13b1は、前記実施の形態1のものに比べて、製造しやすく部品コストが安くなる。特に、第1搬送スクリュ13b1を樹脂材料にて射出成形する場合には、その金型の加工が容易になる。さらには、本実施の形態2における第1搬送スクリュ13b1は、長手方向の位置とスクリュ部の外径寸法との関係が明確化されているために、部品検査もしやすくなる。
図9及び図10にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図9は、実施の形態3における現像装置13の一部を示す断面図であって、前記実施の形態1における図3(B)に相当する図である。図10(A)は、第1搬送経路の搬送方向上流側に対応する位置における現像装置13を示す断面図であって、前記実施の形態1における図6(A)に相当する図である。図10(B)は、第1搬送経路の搬送方向下流側に対応する位置における現像装置13を示す断面図であって、前記実施の形態1における図6(B)に相当する図である。
本実施の形態3における現像装置は、第1搬送部材13b1の軸部が現像剤担持体13aの回転中心軸に対して傾斜するように配設されている点が、第1搬送部材13b1の軸部が現像剤担持体13aの回転中心軸に対して平行になるように配設されている前記実施の形態1のものと相違する。
そして、図9及び図10を参照して、第1搬送スクリュ13b1のスクリュ部の外径部と、現像ローラ13aの外周面と、の最近接距離SGが長手方向にわたって同じになるように構成されている。ここで、上述した「最近接距離SG」は、図9及び図10に示すように、第1搬送スクリュ13b1のスクリュ部の1ピッチ分の範囲において、現像ローラ13aの外周面に最も近接するスクリュ部の外径部と、現像ローラ13aの外周面と、の距離(現像ローラ13aの軸中心に直交する断面でみたときの、双方の部材13a、13b1の軸中心を通る直線上の距離。)である。
さらに、本実施の形態3によれば、第1搬送経路の搬送方向下流側における、第1搬送スクリュ13b1と現像ローラ13aとの最近接距離SGが、搬送方向上流側のものと同様に形成される。これにより、第1搬送スクリュ13b1から現像ローラ13aへの現像剤Gの供給性(又は、現像ローラ13a上への現像剤Gの汲上げ性)は、搬送方向下流側においても搬送方向上流側とそれほど変わらないものになる。これは、第1搬送スクリュ13b1の回転によって重力方向に逆らうように跳ね上げられる現像剤Gが現像ローラ13aに達するまでの距離SGが長手方向にわたって均一化されたことによる。すなわち、搬送方向下流側において、第1搬送スクリュ13b1の回転によって重力方向に逆らうように跳ね上げられた後に現像ローラ13aに達しないで第1搬送経路内に戻される現像剤Gの量が少なくなることによる。
図11にて、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。
図11(A)は、実施の形態4における現像装置13の一部を示す断面図であって、前記実施の形態1における図3(B)に相当する図である。また、図11(B)は、さらに別形態の現像装置13の一部を示す断面図であって、前記実施の形態1における図3(B)に相当する図である。
本実施の形態4における現像装置は、第1搬送経路の壁部13mが現像剤担持体13aの回転中心軸に対して傾斜するように配設されている点が、第1搬送経路の壁部13mが現像剤担持体13aの回転中心軸に対して平行になるように配設されている前記実施の形態1のものと相違する。
このような構成であっても、前記実施の形態1のものと同様に、第1搬送経路の搬送方向下流側における現像剤Gの剤面の低下の程度を小さくすることができるとともに、搬送方向下流側におけるケーシングギャップCGを広くとることができるために、第1搬送スクリュ13b1のスクリュ部の裏側の空間に現像剤Gが入り込みやすくなって、出力画像上にスクリュピッチ状の濃度ムラが生じにくくなる。
これに対して、図11(B)に示すように、搬送方向上流側が搬送方向下流側に比べて現像ローラ13aから遠ざかるように、第1搬送経路の壁部13mを傾斜して形成することもできる。このような場合であっても、第1搬送経路における搬送方向下流側のケーシングギャップCG2が、搬送方向上流側のケーシングギャップCG1よりも広くなるように形成することで、上述したものと同様の効果を得ることができる。
なお、第1搬送経路における搬送方向下流側のケーシングギャップCG2と、搬送方向上流側のケーシングギャップCG1と、の差異の大きさは、搬送方向下流側における現像剤の剤面の高さや、出力画像上に生じるスクリュピッチ状の濃度ムラの程度、等により定めることが好ましい。
図12及び図13にて、この発明の実施の形態5について詳細に説明する。
図12は、実施の形態5における現像装置13の一部を示す断面図であって、前記実施の形態1における図3(B)に相当する図である。図13(A)は、第1搬送経路の搬送方向上流側に対応する位置における現像装置13を示す断面図であって、前記実施の形態1における図6(A)に相当する図である。図13(B)は、第1搬送経路の搬送方向下流側に対応する位置における現像装置13を示す断面図であって、前記実施の形態1における図6(B)に相当する図である。
本実施の形態5における現像装置は、第1搬送部材13b1における搬送方向下流側の軸部が搬送方向上流側の軸部よりも現像剤担持体13aから遠ざかるように第1搬送部材13b1が傾斜して配設されている点が、第1搬送部材13b1における搬送方向上流側の軸部が搬送方向下流側の軸部よりも現像剤担持体13aから遠ざかるように第1搬送部材13b1が傾斜して配設されている前記実施の形態3のものと相違する。
このような構成により、第1搬送スクリュ13b1における搬送方向下流側のスクリュ径(スクリュ部の外径)をそれほど小さく設定することなく、最近接距離SG(第1搬送スクリュ13b1のスクリュ部の外径部と、現像ローラ13aの外周面と、の最近接距離である。)や、ケーシングギャップCGを、第1搬送経路における現像剤の搬送状態が最適化されるように設定しやすくなる。したがって、第1搬送経路における現像剤の搬送性の最適化と、スクリュピッチ状の濃度ムラの抑止と、を両立させるための設計の自由度が向上する。
このような構成により、先に図7(A)を用いて説明したように、第1搬送経路の搬送方向下流側において、第1搬送スクリュ13b1のスクリュ部の裏側(白矢印で示す現像剤の搬送方向に対する裏側である。)の空間に現像剤Gが入り込みやすくなる(矢印方向の現像剤の移動である。)。したがって、現像ローラ13a上に供給される現像剤Gの供給量(又は、現像ローラ13a上に汲み上げられる現像剤Gの汲み上げ量)にスクリュピッチ状のバラツキが生じにくくなる。
図14は、前記各実施の形態で説明した効果を確認するために、本願発明者がおこなった実験の条件及び結果を示す表図である。
実験は、3種類の現像装置(比較例、実施例1、実施例2)を用意して、それぞれを画像形成装置1に設置して、A3縦サイズの記録媒体Pにベタ画像を形成したものを数枚出力して、その出力画像上のスクリュピッチ状の濃度ムラの有無とその程度とを目視にて確認したものである。また、現像装置内に充填する現像剤Gの量を、それぞれ、いくつか水準振っている。
図14において、比較例では従来の現像装置(第1搬送スクリュ130b1のスクリュ部の外径が長手方向にわたって均一のものであって、図4(B)に示すものである。)を用いていて、実施例1では前記実施の形態1における現像装置13(第1搬送スクリュ130b1のスクリュ部の外径が下流側になるほど連続的に小さくなり、軸部が現像ローラ13aに対して平行に配設されたものである。)を用いていて、実施例2では前記実施の形態3における現像装置13(第1搬送スクリュ130b1のスクリュ部の外径が下流側になるほど連続的に小さくなり、軸部が現像ローラ13aに対して傾斜して配設されたものである。)を用いている。また、図14において、「○」は出力画像上にスクリュピッチ状の濃度ムラがまったく発生していない状態であり、「△」は出力画像上に許容できるレベルのスクリュピッチ状の濃度ムラがわずかに発生している状態であり、「×」は出力画像上に許容できないレベルのスクリュピッチ状の濃度ムラが発生している状態である。また、図14における「―」では実験をおこなっていない。
これに対して、実施例1では、第1搬送経路の搬送方向下流側に向けて第1搬送スクリュ13b1のスクリュ部の外径が漸減するように形成しているので、全体の現像剤量が210gになっても、出力画像上にスクリュピッチ状の濃度ムラが生じないことがわかる。
また、実施例2では、第1搬送経路の搬送方向下流側における、第1搬送スクリュ13b1と現像ローラ13aとの最近接距離SGを、搬送方向上流側のものと同様に形成しているので、全体の現像剤量が180gになっても、出力画像上にスクリュピッチ状の濃度ムラがまったく生じないことがわかる。
それらの場合にも、供給経路に設置される搬送スクリュのスクリュ部の外径を搬送方向下流側に向けて漸減させることで、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
11、11Y、11C、11M、11BK 感光体ドラム(像担持体)、
13 現像装置(現像部)、
13a 現像ローラ(現像剤担持体)、
13b1 第1搬送スクリュ(第1搬送部材、スクリュ部材)、
13b2 第2搬送スクリュ(第2搬送部材)、
13c ドクターブレード(現像剤規制部材)、
13d 仕切り部材、
13e トナー補給口、
13f 第1中継部、 13g 第2中継部、
G 現像剤(2成分現像剤)、 T トナー、 C キャリア。
Claims (7)
- キャリアとトナーとを有する現像剤を収容するとともに、像担持体上に形成される潜像を現像する現像装置であって、
前記像担持体に対向するとともに、現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の下方に対向するように配設されるとともに、前記現像剤担持体に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制部材と、
装置内に収容された現像剤を長手方向に搬送して循環経路を形成する複数の搬送部材と、
を備え、
前記複数の搬送部材は、
前記現像剤担持体に対向するとともに、現像剤を長手方向に搬送しながら前記現像剤担持体に現像剤を供給する第1搬送部材と、
前記第1搬送部材の上方に配設されて前記現像剤担持体に対向するとともに、前記現像剤担持体から離脱された現像剤を長手方向に搬送する第2搬送部材と、
を具備し、
前記第1搬送部材は、軸部にスクリュ部が螺旋状に巻装されたスクリュ部材であって、少なくとも長手方向の一部の範囲で現像剤の搬送方向上流側から搬送方向下流側にかけて前記スクリュ部の外径が連続的又は段階的に小さくなるように形成され、現像剤の搬送方向下流側における前記軸部に比べて搬送方向上流側における前記軸部が前記現像剤担持体に近づくように前記軸部が前記現像剤担持体の回転中心軸に対して傾斜して配設されたことを特徴とする現像装置。 - 前記第1搬送部材は、少なくとも長手方向の一部の範囲で現像剤の搬送方向上流側から搬送方向下流側にかけて、前記スクリュ部の外径が、長手方向に複数分割された範囲ごとに段階的に小さくなるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記第1搬送部材の前記スクリュ部の外径部と、前記第1搬送部材による第1搬送経路の内壁面と、のギャップが、前記少なくとも長手方向の一部の範囲で現像剤の搬送方向上流側から搬送方向下流側にかけて広くなるように形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
- 前記第1搬送部材は、前記現像剤担持体の下方において前記現像剤担持体に直接的に対向するように配設されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の現像装置。
- 前記キャリアは、その重量平均粒径が20〜60μmになるように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の現像装置。
- 画像形成装置の装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とが一体化されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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